JP2017176821A - 医療用高分子、医療用高分子溶液および医療デバイスの製造方法 - Google Patents

医療用高分子、医療用高分子溶液および医療デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】眼用レンズをはじめとする各種医療デバイスの表面における水濡れ性、易滑性等の特性を長期に亘って持続可能とする高分子を提供することを目的とする。また、表面特性が向上した眼用レンズをはじめとする各種医療デバイスを、かかる高分子を用いて簡便なプロセスで安価に製造する方法を提供することを目的とする。【解決手段】不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位を主鎖に含む医療用高分子であって、前記構造単位においては、アルキレンオキシド繰り返し単位が7〜30個連なった鎖状構造が、その片末端のみにて前記不飽和基を含有するモノマー由来の構造に結合されて側鎖を構成しており、前記構造単位の含有率が50〜100モル%である、医療用高分子。【選択図】図1

Description

本発明は、医療用高分子に関し、詳しくは医療デバイスに優れた水濡れ性、易滑性(潤滑性)を与える医療用高分子および当該高分子を含む溶液に関するものであり、医療デバイスとして特にソフトコンタクトレンズに好適である。
人体の一部と直接接触する医療デバイスは、その表面に生体適合性を有する必要がある。生体適合性の発現には水、タンパク質、脂質などの物質の付着が制御されていることが重要とされている。
医療デバイスの中で、コンタクトレンズを例に挙げると、コンタクトレンズ装用者にとって、レンズ表面と角膜やまぶた間の摩擦力増大によって引き起こされるレンズ挿入直後の初期不快感が問題の1つに挙げられており、装用感の悪化のみならず、角膜損傷のリスクを高める恐れがあるとされている。
例えば高含水率のソフトコンタクトレンズは、少量の架橋剤存在下に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のような親水性モノマーを重合することにより形成される含水ゲル(ハイドロゲル)から作られており、アクリル酸などの酸性成分を共重合することで水濡れ性を高めてはいるが、レンズ表面の易滑性には乏しいという問題がある。
レンズ表面の易滑性を高めることは、初期不快感の軽減に繋がることから、今日まで様々な改善方法が考えられている。
高含水性レンズ表面の易滑性を向上させるために、ブリスターパック中に封入された包装溶液に親水性高分子であるポリビニルピロリドン(PVP)を添加し、コンタクトレンズを浸漬させて蒸気滅菌することで、レンズ表面に易滑性を付与する方法(特許文献1)が開示されている。
一方で、低含水性あるいは非含水性のソフトコンタクトレンズは、原料として疎水性のモノマーを用いることが多いために、易滑性はおろか水濡れ性さえも乏しいことから、親水性を付与する表面改質処理が必須とされている。
低含水性及び非含水ソフトコンタクトレンズ表面の湿潤性を向上させる方法の例として、レンズ表面をプラズマ処理した後、化学結合性セグメントを有する親水性高分子を用いて、化学結合を介して修飾させることで表面を親水化する方法(特許文献2)、シリコーンセグメントを有する親水性高分子を包装溶液に含有させてコンタクトレンズと共に蒸気滅菌することにより、レンズ表面を親水化する方法(特許文献3)が開示されている。
また、材料表面にいわゆるポリマーブラシを形成させて親水化する方法が知られている。レンズ表面をプラズマ処理した後、エチレン性不飽和モノマーの光重合開始剤をレンズ表面に導入し、親水性マクロマーをグラフト重合することで、毛のような側鎖を有するボトルブラシ型ポリマーを、材料表面に形成させる方法(特許文献4)がある。
国際公開第2006/088758号 特表2011−508908号公報 特表2013−532196号公報 特開2001−158813号公報
しかしながら、特許文献1で用いるPVPは長期に亘り易滑性が維持するものの、ソフトコンタクトレンズ用洗浄液を用いたこすり洗いにより易滑性が低下することから、使い捨てコンタクトレンズには適用できるが、連続装用レンズには適用できないという課題がある。
特許文献2では、コンタクトレンズ表面と共有結合を形成するセグメントを可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合法により合成、続いてN−ビニルピロリドン(NVP)またはN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)を重合反応溶液に添加することで共有結合性セグメントを有するブロック共重合体を合成している。そのため、生成ポリマーの質量平均分子量が30000程度と低いため、十分な易滑性が得られないという課題に加えて、共有結合性セグメントを有するブロック共重合体をコートする前段階としてプラズマ処理が必須であることから、大規模設備の設置や、工程数が多くなるという課題もある。
また特許文献3では、シリコーンセグメントを有する連鎖移動剤を合成し、この連鎖移動剤を用いてNVPのRAFT重合を行うことで、シリコーンセグメントを有するブロック共重合体を合成している。そのため特許文献2と同様に、工程数の増加や生成ポリマーの質量平均分子量が30000程度と低く、十分な易滑性が得られないという課題がある。
また、特許文献4の方法では、レンズ表面にボトルブラシ型ポリマーを形成させているが、プラズマ処理工程を経て重合開始剤を固定化し親水性マクロマーをグラフト重合するという多段階の表面処理工程が必要なことに加え、グラフトするマクロマーの分子量が短すぎると十分な水濡れ性、易滑性は得られず、一方でマクロマーの分子量が長すぎると重合が進行せず、ボトルブラシ型ポリマーを形成できない可能性が懸念される。
したがって、より簡便な重合法で親水性高分子を合成でき、日常的に使用することが可能なほどの耐久性を有し、より単純な工程で湿潤処理可能な、優れた水濡れ性及び易滑性を有するコンタクトレンズを提供することが望ましい。このようなコンタクトレンズは、角膜に対する刺激又は他の有害な影響を有することなく、終日にわたり快適な装用感を実現する。
そこで本発明は、眼用レンズをはじめとする各種医療デバイスの表面における水濡れ性、易滑性等の特性を長期に亘って持続可能とする高分子を提供することを目的とする。また、本発明は、表面特性が向上した眼用レンズをはじめとする各種医療デバイスを、かかる高分子を用いて簡便なプロセスで安価に製造する方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は下記の構成を有する。
1.不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位を主鎖に含む医療用高分子であって、 前記構造単位においては、アルキレンオキシド繰り返し単位が7〜30個連なった鎖状構造が、その片末端のみにて前記不飽和基を含有するモノマー由来の構造に結合されて側鎖を構成しており、前記構造単位の含有率が50〜100モル%である、医療用高分子。
2.前記不飽和基が、ビニルエステル基、ビニルアミド基又は(メタ)アクリロイル基である、上記1に記載の医療用高分子。
3.前記アルキレンオキシド繰り返し単位が、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基である、上記1または2に記載の医療用高分子。
4.眼用レンズに用いられる、上記1〜3のいずれかに記載の医療用高分子。
5.前記眼用レンズがコンタクトレンズである、上記4に記載の医療用高分子。
6.上記1〜5のいずれかに記載の医療用高分子を含んでなる、医療用高分子溶液。
7.容器の内に、基材および上記6に記載の医療用高分子溶液を封入し、加熱処理する工程を経て得られる、医療デバイスの製造方法。
8.基材を含み、上記1〜5のいずれかに記載の医療用高分子が前記基材の表面に結合および/または内部に浸潤してなる、医療デバイス。
9.動摩擦係数が0.08以下である、上記8に記載の医療デバイス。
本発明により、水濡れ性によって十分に湿潤し、易滑性によって生体との接触面において摩擦が生じにくく、しかもこれらの表面特性が長期にわたって持続可能な医療用高分子、およびそれを簡便なプロセスで安価に製造する方法を提供できる。
動摩擦係数の測定結果を示す図である。 動的接触角ヒステリシスの測定結果を示す図である。 装用モデル試験の評価結果を示す図である。

本発明で用いる「不飽和」とは、少なくとも1つの−C=C−基を含有する基を包含することを意図する。例示的な不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、アリル基、ビニル基、スチレニル基がある。
本発明で用いる「モノマー」とは、光又は熱開始剤を用いて重合及び/又は架橋させることができる低分子量化合物をいう。
本発明で用いる「マクロマー」とは、不飽和基を含有し、光又は熱開始剤を用いて重合及び/又は架橋させることができる中分子量化合物をいう。本発明に係る中分子量化合物とは、質量平均分子量が400〜1000であることが好ましい。
本発明で用いる「構造単位」という用語は、化合物(ここでは不飽和基を含有するモノマー)に由来する構造であって、重合体における一単位を構成するものを表す。
本発明で用いる「(メタ)アクリレート」という用語は、(メタ)アクリル酸エステルを表している。具体的には、メタクリル酸エステル及びアクリル酸エステルの両方を表すものであり、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルについても、同様である。
本発明におけるアルキレンオキシドの繰り返し単位について、「繰り返し単位」という用語は、ここではアルキレンオキシドが開環されて重合されてなる鎖状の繰り返し構造における一単位を表す。
本発明におけるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドまたはこれらの混合物であることが好ましく、より好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、最も好ましくはエチレンオキシドである。かかるアルキレンオキシドの繰り返し単位が連なった鎖状構造としては、この鎖状構造をポリマーとして捉えると、ホモポリマーまたはコポリマー、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマー、ジブロックまたはマルチブロックコポリマーのいずれとすることもでき、最も好ましくはホモポリマーである。ただし、複数の種類のアルキレンオキシドを用いて、例えばエチレンオキシドの繰り返し単位が連なった構造と、プロピレンオキシドの繰り返し単位が連なった構造とが本発明に係る高分子の一つの内に混在していてもよい。
本発明においては、不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位を主鎖として有し、この個々の構造単位にアルキレンオキシド繰り返し単位が7〜30個連なった鎖状構造(以下、アルキレンオキシド構造)がその片末端のみにおいて結合して、いわば本発明に係る全体としての構造単位として、高分子を構成している。ただし、上記アルキレンオキシド構造が結合した不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位と別のモノマー等の単位とのコポリマーであってもよい。
ここで、本発明に係る上記構造単位の含有率としては、50〜100モル%が好ましく、より好ましくは75〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。ただし、上記含有率が100モル%のときは、コポリマーではなく、ホモポリマーである。上記構造単位が50モル%未満の場合は、医療デバイス表面に十分な水濡れ性、易滑性を付与することが困難となる場合がある。
なお、アルキレンオキシド繰り返し単位の繰り返し数が上記不飽和基を含有するモノマー由来の構造を含む鎖における繰り返し数より多く、より長いとしても、これを側鎖として扱い、不飽和基を含有するモノマー由来の構造を含む鎖を主鎖として扱う。
上記アルキレンオキシド繰り返し単位のより好ましい数の下限としては9個であり、上限として好ましくは23個である。不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位当たりのアルキレンオキシド繰り返し単位が少なすぎると、医療デバイス表面に付与してもその表面に十分な易滑性や水濡れ性を与えられないばかりか、医療デバイス表面に吸着・結合した高分子が擦り洗いにより表面から剥離してしまうことがある。一方アルキレンオキシド繰り返し単位が多すぎると、アルキレンオキシド鎖の立体障害により重合性が極端に悪くなり、十分な質量平均分子量を持つ高分子を得られない。
上記高分子としては、上記アルキレンオキシド構造の片末端に不飽和基を含有するモノマーが結合したマクロマーを、適切な条件で光または熱開始剤を用いて重合したマクロマー重合体であることが好ましい。ただし、不飽和基を含有するモノマーを重合して主鎖をなし、その側鎖に上記アルキレンオキシド構造を結合させてもよい。係る重合体は、好ましくは前述のボトルブラシ型ポリマーの構造を取る。
ここで、不飽和基としてはビニルエステル基、ビニルアミド基、(メタ)アクリロイル基が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリロイル基であり、最も好ましくはメタアクリロイル基である。本発明における不飽和基を含有するモノマーとしては、メトキシノナコンタエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリデカエチレングリコールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコールメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレートが好ましく、最も好ましくはメトキシノナコンタエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリデカエチレングリコールメタクリレート、メトキシノナエチレングリコールメタクリレートである。
一般に、ポリマーブラシは、ポリマー鎖を含み、片末端は基点となる構造の表面に直接又は間接的に拘束されており、もう片方の末端は表面から延びて自由になっている。
本発明に係る医療用高分子は、上記アルキレンオキシド構造における片末端のみが、通常は主鎖となる構造に拘束され、もう片方の末端は自由に延びている。本発明に係る医療デバイスにおいては、かかる主鎖となる構造および/または側鎖となり得るアルキレンオキシド構造が医療デバイスの基材に対して共有結合、水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用、鎖の絡み合いおよびファン・デル・ワールス力における少なくとも1つ以上の相互作用により基材表面に結合および/または内部に浸潤している。
本発明における医療用高分子は、アルキレンオキシド繰り返し単位を含まない不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位を1種類以上コモノマーとして含んでもよい。かかる好適なコモノマーとしては、ビニルアミド、ビニルイミド、ビニルラクタム、親水性(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、親水性スチレン系化合物、ビニルエーテル、ビニルカーボネート、ビニルカルバメート、ビニル尿素のいずれか少なくとも一つを含有する化合物が挙げられる。
より具体的にかかる好適なコモノマーを挙げると、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、アクリロニトリル、N−イソプロピルアクリルアミド、2−エチルオキサゾリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、3−(ジメチル(4−ビニルベンジル)アンモニオ)プロパン−1−スルホネート(DMVBAPS)、3−((3−アクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート(AMPDAPS)、3−((3−メタクリルアミドプロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート(MAMPDAPS)、3−((3−(アクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート(APDAPS)、3−((3−メタクリロイルオキシ)プロピル)ジメチルアンモニオ)プロパン−1−スルホネート(MAPDAPS)、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−N−メチル−2−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−2−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−Ν,Ν’−ジメチル尿素、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、及びそれらの混合物が挙げられ、これらは親水性を有する(親水性コモノマー)。好ましくはN−ビニルピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−4−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−3−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−4,5−ジメチル−2−ピロリドン、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−N−メチル−2−メチルプロピオンアミド、N−ビニル−2−メチルプロピオンアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等、及びそれらの混合物が挙げられる。最も好ましくはN,N―ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−N−メチルアセトアミドである。
いくつかの実施形態においては、親水性コモノマーは荷電を含んでいてもよく、荷電モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、3−アクリルアミドプロピオン酸、4−アクリルアミドブタン酸、5−アクリルアミドペンタン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタン酸(AMBA)、N−ビニルオキシカルボニル−α−アラニン、N−ビニルオキシカルボニル−β−アラニン(VINAL)、2−ビニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−5−オン(VDMO)、反応性スルホン酸塩(例えば、ナトリウム−2−(アクリルアミド)−2−メチルプロパンスルホネート(AMPS)、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートカリウム塩、3−スルホプロピル(メタ)アクリレートナトリウム塩、ビス3−スルホプロピルイタコネート二ナトリウム、ビス3−スルホプロピルイタコネート二カリウム、ビニルスルホネートナトリウム塩、ビニルスルホネート塩、スチレンスルホネート、スルホエチルメタクリレート)、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル四級塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩、それらの組合せ等が挙げられる。医療デバイスがソフトコンタクトレンズである一実施形態においては、好ましくはジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル四級塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート塩化メチル四級塩である。
上記医療用高分子を重合によって得る場合においては、過酸化物やアゾ化合物に代表される熱重合開始剤又は光重合開始剤を添加することが好ましい。熱重合を行う場合は、所望の反応溶媒に溶解し、所望の反応温度において最適な分解特性を有するものが選択される。一般的には、10時間半減期温度が40〜120℃のアゾ系開始剤又は過酸化物系開始剤が好適である。光重合を行う場合の光開始剤としてはカルボニル化合物、過酸化物、アゾ化合物、硫黄化合物、ハロゲン化合物、又は金属塩などを挙げることができる。これらの重合開始剤は単独又は混合して用いられる。
重合開始剤の量は、得ようとする医療用高分子の目標分子量により適宜調整されるべきものであるが、少なすぎると重合が開始せず、多すぎると分子量が低くなりやすく、再結合停止が起こりやすくなって、所望の分子量の高分子を得ることが困難であるため、重合混合物に対し最大で5質量%までが好ましい。
ここで、重合混合物とはポリマーを重合する際のモノマーを含んだ反応溶液を指し、重合するモノマーもしくはマクロマーと、重合溶媒と重合開始剤とを含む溶液を指す。この重合混合物には連鎖移動剤を含んでも良い。
重合溶媒としては有機系、無機系の各種溶媒が適用可能である。例を挙げれば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、テトラヒドロリナロールなどの各種アルコール系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの各種芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、ケロシン、リグロイン、パラフィンなどの各種脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの各種ケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、フタル酸ジオクチル、二酢酸エチレングリコールなどの各種エステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールランダム共重合体などの各種グリコールエーテル系溶剤であり、これらは単独あるいは混合して使用することができる。これらの中で、ラジカル重合を阻害しにくいという観点から、好ましくは水、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、3,7−ジメチル−3−オクタノールであり、最も好ましくは水である。
重合溶媒を使用する場合の重合混合液におけるモノマー濃度は、低すぎると十分な分子量が得られず、高すぎると重合熱で暴走する危険性があることから、10質量%〜80質量%が好ましく、15質量%〜65質量%がより好ましく、20質量%〜50質量%が最も好ましい。上記上限及び下限のいずれを組合せた範囲であってもよい。
重合に際して、分子量の調整などの目的で連鎖移動剤を用いてもよい。本発明の親水性コポリマーの重合に用いられる連鎖移動剤の好適な例として、2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール、2−アミノエタンチオール塩酸塩又は2−チオプロピオン酸などが挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限られるものではない。それらのうち、得られる連鎖移動剤末端の反応性の高さの点から2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール又は2−アミノエタンチオール塩酸塩がより好ましい。また、その使用量は、得ようとするポリマーの目標分子量によって適宜調整されるべきものであるが、多すぎると未反応の連鎖移動剤が系中に残存しやすくなることから、モノマーの混合物に対して0.01モル%以上が好ましく、0.05モル%以上がより好ましく、0.1モル%以上がさらに好ましく、上限としては50モル%以下が好ましく、40モル%以下がより好ましく、25モル%以下がさらに好ましい。
本発明に係る製造方法によって得られた医療用高分子は、蒸留、カラムクロマトグラフィー、沈殿、ブロックコポリマーが不溶な溶媒による不純物の洗浄、GPCによる分留、又は他のいずれかの従来のポリマー単離手段を用いて精製してもよい。
本発明における医療用高分子の質量平均分子量は、約10000〜約4000000、より好ましくは約50000〜約3000000、最も好ましくは約200000〜約1500000である。上記上限及び下限のいずれを組合せた範囲であってもよい。質量平均分子量が低過ぎると、十分な易滑性が得られないことがある。また、質量平均分子量が高過ぎると、医療用高分子溶液の粘度が高くなり過ぎて操作性が損なわれる場合がある。
本発明における医療デバイスとしては、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バッグ、血液回路、創傷被覆材、インプラント及び各種薬剤担体が挙げられるが、特に好ましくは、眼用レンズである。眼用レンズとしては、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズなどのコンタクトレンズ、強膜レンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜インレイ、角膜オンレイ、メガネレンズなどが挙げられる。
医療デバイスが眼用レンズである場合、好ましくはコンタクトレンズであり、より好ましくはソフトコンタクトレンズである。好適なハイドロゲルレンズ材料が公知であり使用できる。例えば、genfilcon A、lenefilcon A、comfilcon A、lotrafilcon A、balafilcon A、etafilcon A、nelfilcon A、hilafilcon、polymaconなどが挙げられ、最も好ましくはetafilcon A、nelfilcon A、hilafilcon、polymaconなどである。
本発明に係る医療用高分子による医療デバイスの処理は、医療デバイス全体に対して実施してもよく、表面又は表面の一部のみといった、医療デバイスの一部のみに対して実施してもよい。デバイス表面が多孔質構造である等、表面に微小の孔や空洞が存在する場合は、上記処理により、デバイス表面内、すなわち、表面から内部の表面近傍にかけて上記高分子が存在することとなる。
本発明に係る医療用高分子溶液は、上記した医療用高分子が溶液に含まれてなるものであって、後述の通り医療デバイスの包装溶液とすることができ、かかる溶液は医療デバイスの保存に用いられるいずれの水性溶液であってもよい。代表的な溶液としては、食塩水、他の緩衝液及び脱イオン水が挙げられる。好ましい水溶液は塩を含有する食塩水であり、塩としては、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、また同塩のカリウム塩が挙げられる。通常これらの成分は混合すると酸とその共役塩基とを含む緩衝液となるため、酸や塩基を加えてもpHには比較的小さな変化しか起きない。緩衝液は、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、水酸化ナトリウム、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸等、及びそれらの組合せをさらに含んでいてもよい。好ましくは、溶液は、ホウ酸緩衝生理食塩水又はリン酸緩衝生理食塩水溶液である。また溶液は、粘度調整剤、抗菌剤、高分子電解質、安定剤、キレート剤、酸化防止剤、それらの組合せ等の公知の追加成分を含んでいてもよい。
本発明における医療用高分子溶液は、潤滑有効量かつ表面湿潤有効量の医療用高分子を含有した包装溶液とすることができる。本発明における潤滑有効量とは、医療デバイスを使用する際に(例えば指の間で装置をこすることによって)手で感じることができるあるレベルの潤滑性を付与するのに必要な量である。さらに、上記表面湿潤有効量とは、医療デバイスにあるレベルの高い湿潤性を付与するのに必要な量であり、これは公知の接触角測定法(すなわち液滴法、キャプティブバブル法又は動的接触角測定法)で求められる。
湿潤性を表す指標としては、本明細書にて後述する実施例に示した方法で測定される接触角ヒステリシス(DCAヒステリシス)が小さい方が好ましい。DCAヒステリシスは、6°以下が好ましく、4°以下がより好ましく、2°以下がさらに好ましく、1°以下が特に好ましい。一方、下限としては、0°であればよいが、現実的には困難であることもあり、0.5°であれば良好といえる。上記上限及び下限のいずれを組合せた範囲であってもよい。
上記湿潤有効量としては、医療デバイスがソフトコンタクトレンズである一実施形態においては、100ppmの量の本発明に係る高分子を用いて溶液としてレンズを湿潤させることで、レンズの感触が改善され、かつ動的接触角測定法により測定される表面接触角の前進値と後退値の差が小さくなることがわかっている。100ppmを超える量を用いると、感触の改善がより顕著なものとなる。
したがって、本発明において医療用高分子溶液における医療用高分子の添加量は、50〜5000ppmが好ましく、より好ましくは100〜10000ppmであり、最も好ましくは100〜500ppmの濃度である。上記上限及び下限のいずれを組合せた範囲であってもよい。添加量が少なすぎると十分な易滑性が得られないことがある。添加量が多すぎると、医療用高分子が過剰に吸着され、医療デバイスがソフトコンタクトレンズである一実施形態においては、レンズ形状が変形してしまう恐れがある。
包装されたレンズを加熱処理して、レンズ内に浸透して絡合するポリマーの量を増加させてもよい。好適な加熱処理としては、約120℃で約30分間の時間オートクレーブで行うといった従来の加熱殺菌サイクルが挙げられる。加熱殺菌を使用しない場合、包装されたレンズを個別に加熱処理してもよい。個別の加熱処理の好適な温度としては、約40℃以上が挙げられ、約50℃から溶液の沸点の間が好ましい。また、好適な加熱処理時間としては、10分以上が挙げられ、10分から1時間が好ましい。温度が高いほど必要となる処理時間は短くなる。
本発明における医療デバイスの生体への馴染みの良さ、及び体組織の表面に接触した際の動きを円滑にするという観点から、また特に本発明の態様がコンタクトレンズである場合は装用者の角膜への貼り付きを防止する観点から、医療デバイスの表面が優れた易滑性を有することが好ましい。易滑性を表す指標としては、本明細書の実施例に示した方法で測定される動摩擦係数が小さい方が好ましい。動摩擦係数が小さいほど摩擦力が小さく、生体(例えばコンタクトレンズの場合は角膜や眼瞼結膜)との間に擦れが生じたときに生体に与える影響が小さくなる。
動摩擦係数は、0.08以下が好ましく、0.05以下がより好ましく、0.02以下が最も好ましい。また、摩擦が極端に小さいと脱着用時の取扱が難しくなる傾向があるので、動摩擦係数は0.001以上、好ましくは0.01以上であることが好ましい。
なお、動摩擦係数はホウ酸緩衝液による湿潤状態の試料にてガラス面に対して測定される。実施例ではカトーテック株式会社製摩擦感テスターKE−SE−STPを用いて測定を行っているが、摩擦・摩耗測定装置を用いればこれに限られることはない。
ここで、本発明において用いるホウ酸緩衝液とは、塩化ナトリウム8.48g、ホウ酸9.26g、ホウ酸ナトリウム(四ホウ酸ナトリウム十水和物)1.0g及びエチレンジアミン四酢酸0.10gを純水に溶かして1Lとした水溶液であり、上記の混合比率が同じであれば異なる量の水溶液であってもよい。
上述の通り、本発明における医療用高分子は、共有結合、水素結合、静電相互作用、疎水性相互作用、鎖の絡み合いおよびファン・デル・ワールス力における少なくとも1つ以上の相互作用により、医療デバイス表面に結合および/または内部に浸潤している。これらの相互作用は医療用高分子を医療デバイス表面近傍で安定化させ、生理的条件下で医療デバイスから高分子が迅速に溶出されるのを防止する。好ましい態様においては、医療用高分子の親水性側鎖と、医療デバイスの高分子網目とで相互侵入網目構造をとるコーティングが形成されることで、水性表面層の潤滑、保水および安定化、生体適合性、生理的液体からの生体分子(例えば、ムチン)の可逆的誘引、タンパク質、脂質および塩の非可逆的沈着の防止、および微生物付着の抑制などの特徴を示す。絡み合った高分子がコーティングされた医療デバイス(例えば、ソフトコンタクトレンズ)から徐放することは、潤滑性を向上させ、ソフトコンタクトレンズの快適な装用感に有利に働く。なお、上記「相互侵入網目構造」とは、2種類以上のポリマーが相互に侵入して絡み合い、ネットワークを形成した構造を意味する。
以下、実施例により本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<<分析方法及び評価方法>>
(1)ポリマーの分子量測定
島津製作所製 Prominence GPCシステムを用いて測定した。装置構成は以下の通りである。ポンプ:LC−20AD、オートサンプラ:SIL−20AHT、カラムオーブン:CTO−20A、検出器:RID−10A、カラム:東ソー社製GMPWXL(内径7.8mm×30cm、粒子径13μm)。溶出溶媒として、水/メタノール=1/1(0.1N硝酸リチウム添加)を使用し、流速:0.5mL/分、測定時間:30分で測定した。サンプル濃度は0.2質量%とし、サンプル注入量を20μLとした。検量線はAgilent社製PEG/PEO標準サンプル(0.1kD〜1258kD)を用いて算出した。
(2)易滑性及びその擦り洗い耐久性
蒸気滅菌した後、コンタクトレンズを包装溶液から引き上げ、人指で5回擦った時の感応評価を下記6段階の評価により行って、0サイクルの易滑性とした。この時の易滑性の基準として、市販のコンタクトレンズである「“2ウィークアキュビュー”(登録商標)(J&J社製)」を6段階評価の3、「“アキュビュー”(登録商標)“オアシス”(登録商標)(J&J社製)」を6段階評価の5、「“デイリーズトータルワン”(登録商標)(アルコン社製)」を6段階評価の6とした。
さらに、上記評価を行ったサンプルを、手のひらの中央における窪みに置き、洗浄液(日本アルコン株式会社製、“オプティフリー”(登録商標))を加えて、もう一方の手の人差し指の腹で表裏10回ずつ擦った後、よく水洗した。以上の操作を1サイクルとして、14サイクル繰り返した。その後、サンプルを純水で洗浄し、ホウ酸緩衝液中に浸漬した。1〜14サイクル目の感応評価を下記6段階の評価により行った。
6:非常に優れた易滑性がある。
5:優れた易滑性がある。
4:5と3の中間程度の易滑性がある。
3:中程度の易滑性がある。
2:易滑性がほとんど無い(3と1の中間程度)。
1:易滑性が無い。
(3)動摩擦係数測定
カトーテック株式会社製摩擦感テスターKE−SE−STPを用いて測定した。ステージ上によく洗浄した清浄なガラス板を設置し、その上にコンタクトレンズが底部に嵌め込まれた専用の測定用円形アダプターを置いた。コンタクトレンズの3枚のそれぞれは、上記アダプターの円周に沿って等間隔に配置された設置位置に下から嵌め込まれた。このようにしてアダプターの底部に嵌め込まれたコンタクトレンズと、ガラス面上に滴下したホウ酸緩衝液0.1mLの液滴とを接触させ、87gの静荷重存在下、2.0mm/秒の速さで測定用アダプターを動かし、表面の動摩擦係数を測定した。この操作を5回行ったときの平均動摩擦係数を算出した。
(4)動的接触角測定
蒸気滅菌した後、コンタクトレンズを包装溶液から引き上げ、幅5mmの短冊状サンプルを切り出し、レンズ外縁部分の厚みを測定し、ホウ酸緩衝液に浸漬させて20秒間超音波洗浄した。調製したサンプルはレスカ社製動的接触角計WET−6000を用いて、ホウ酸緩衝液に対する動的接触角の測定を、前進(サンプルをホウ酸緩衝液に漬ける動作)、後退(ホウ酸緩衝液に漬けたサンプル完全に引き上げる動作)を1回として行い、これを2回行った時の2回目の動的接触角をそれぞれ比較し(浸漬速度7mm/分)、サンプル表面の平滑さや分子配向性を表す指標である、2回目前進値と2回目後退値の差(DCAヒステリシス)を算出した。
(5)装用モデル試験
78質量%アクリルアミド水溶液を半球状の金属モールドに流し込み、1質量%になるよう過硫酸アンモニウムを添加し、60℃で6時間静置することで、眼球モデルを作製した。この眼球モデルの上にコンタクトレンズを乗せ、モデル上でレンズを上下左右に動かした時のレンズの滑り具合、目視による湿潤感の確認、目視により湿潤感が無くなった際にモデル上からレンズを取り外す際の貼り付き具合を、下記5段階のスコア評価で評価した。
5:モデル上で非常に良好に動き、長時間湿潤状態を維持し、取り外す際に抵抗がほとんど無い。
4:モデル上で良好に動き、ある程度の時間湿潤状態を維持し、取り外す際に抵抗が少ない。
3:モデル上で動きがあり、短時間湿潤状態を維持し、取り外す際に若干抵抗がある。
2:モデル上で動きが少なく、非常に短時間湿潤状態を維持し、取り外す際にかなり抵抗がある。
1:モデル上で動かず、湿潤状体を維持できず、取り外しが困難。
[比較例1]
200mL三口フラスコにビニル基末端PEGマクロモノマーであるメトキシノナコンタエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマーPME−4000、7.22g、1.81mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、25.6mg、0.102mmol)、蒸留水(和光純薬製、41.56g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。超音波照射下、10mmHgまで吸引し窒素フラッシュするというサイクルを5回繰り返して、混合溶液内の溶存酸素を除去した。続いてオイルバス上60℃で撹拌させながら7時間反応させた。しかし、反応後の混合溶液を0.03mLサンプリングして、上記GPC測定を行ったところ、分子量の増大が確認されなかったので、重合反応が進行していないと判断した。PEG繰り返し単位が90個という長い鎖長になると、末端不飽和基の重合反応が立体障害により阻害されてしまい、ボトルブラシポリマーの合成が困難となることが確認された。
[実施例1]
200mL三口フラスコにメトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマーPME−1000、3.60g、2.50mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、34.5mg、0.138mmol)、蒸留水(和光純薬製、20.40g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。超音波照射下、10mmHgまで吸引し窒素フラッシュするというサイクルを5回繰り返して、混合溶液内の溶存酸素を除去した。続いてオイルバス上60℃で撹拌させながら7時間反応させた後、反応容器をオイルバスから引き上げて空冷した。重合反応溶液にメタノール50mLを加えて撹拌し、粘度を下げてから1L“テフロン”(登録商標)ビーカーに移し、真空乾燥機中で40℃終夜加熱乾燥させた。乾燥後、得られた粘調固体にイソプロパノール(IPA)を5mL加えて溶解させ、冷蔵庫で一晩静置した。冷却後、上澄み液をデカンテーションにより除き、真空乾燥機中で30℃2時間乾燥させることで、白色粉末のポリマーを2.10g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。なお、表1において、Mwは質量平均分子量を表し、Mw/Mnは質量平均分子量を数平均分子量で除した値を表す。
[実施例2]
200mL三口フラスコにメトキシトリコサエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマーPME−1000、7.15g、4.96mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、24.7mg、0.0987mmol)、蒸留水(和光純薬製、40.80g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。溶存酸素の除去操作、加熱撹拌、再沈殿方法は実施例1の手順に従って白色粉末のポリマーを6.13g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
[実施例3]
200mL三口フラスコにメトキシトリデカエチレングリコールメタクリレート(新中村化学製、NKエステル M−130G、3.36g、5.00mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、12.4mg、0.0495mmol)、蒸留水(和光純薬製、13.44g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。溶存酸素の除去操作、加熱撹拌、再沈殿方法は実施例1の手順に従って粘調固体のポリマーを2.00g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
[実施例4]
200mL三口フラスコにメトキシノナエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマー PME−400、4.97g、10.0mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、24.7mg、0.0987mmol)、蒸留水(和光純薬製、28.23g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。溶存酸素の除去操作、加熱撹拌、再沈殿方法は実施例1の手順に従って粘調固体のポリマーを3.02g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
[比較例2]
100mL三口フラスコにメトキシテトラエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマー PME−200、3.20g、11.6mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、50.1mg、0.200mmol)、蒸留水(和光純薬製、28.23g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。溶存酸素の除去操作、加熱撹拌、再沈殿方法は実施例1の手順に従って粘調固体のポリマーを2.84g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
[比較例3]
100mL三口フラスコにメトキシジエチレングリコールメタクリレート(日油製、ブレンマー PME−100、2.82g、14.9mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、7.5mg、0.030mmol)、t−アミルアルコール(TAA、東京化成工業製、6.60g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けたジムロート冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。溶存酸素の除去操作、加熱撹拌、再沈殿方法は実施例1の手順に従って粘調固体のポリマーを2.84g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
[比較例4]
100mL三口フラスコに2−メトキシエチルメタクリレート(MEMA、東京化成工業製、4.32g、30.0mmol)、重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製、14.7mg、0.0587mmol)、t−アミルアルコール(TAA、東京化成工業製、10.08g)を加え、デジタル温度計、三方コックを取り付けた冷却管、撹拌羽付きシーラーを装着した。超音波照射下、10mmHgまで吸引し窒素フラッシュするというサイクルを5回繰り返して、混合溶液内の溶存酸素を除去した。続いてオイルバス上60℃で撹拌させながら1時間半反応させた後、反応容器をオイルバスから引き上げて空冷した。重合反応溶液にエタノール20mLを加えて撹拌し、粘度を下げてから、ヘキサン:800mL中へ注いでポリマーを沈殿させた。デカンテーションにより上澄み液を除き、沈殿したポリマーをエタノール30mLに再溶解させ、ヘキサン:500mLを注いで再沈殿させた。そして、真空乾燥機中で40℃終夜加熱乾燥させた後、乾燥させたポリマーは液体窒素を用いて凍結粉砕して粉末状にし、再び真空乾燥機で乾燥させることで白色粉末のポリマーを2.48g得た。得られたポリマーの化学式は式(1)に示す通りであり、構造単位(m)およびアルキレンオキシド繰り返し単位(n)、分子量、ホウ酸緩衝液に対する溶解性は表1に示す通りである。
Figure 2017176821
Figure 2017176821
[実施例5〜8]
実施例1〜4のそれぞれで得られたポリマーを表2に示した濃度になるようホウ酸緩衝液に添加し、調製したホウ酸緩衝ポリマー溶液をガラスバイアル瓶に5mL移し、“2ウィークアキュビュー”を浸漬させて蒸気滅菌(121℃、30分)した。得られたレンズの形状、表面ムラを目視で確認し、膜厚計で測定したレンズ中心厚みを評価した結果を表2に示す。
Figure 2017176821
[比較例5]
比較例2で得られたポリマーをホウ酸緩衝液に750ppmになるよう添加し、調製したホウ酸緩衝ポリマー溶液をガラスバイアル瓶に5mL移し、“2ウィークアキュビュー”を浸漬させて蒸気滅菌(121℃、30分)した。
[比較例6]
添加するポリマーをポリエチレングリコール(以下PEG、和光純薬製、Mw:478kD、Mw/Mn:4.69)にした以外は、比較例5と同様の操作によりレンズを調製した。
[比較例7]
添加するポリマーをポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)(以下PDMA、Mw:369kD、Mw/Mn:2.73)にした以外は、比較例5と同様の操作によりレンズを調製した。
<易滑性および擦り洗い耐性試験>
実施例5〜8および比較例5〜7に加えて、包装溶液中にポリビニルピロリドン(PVP)を添加した製品である「“ワンデーアキュビュー”(登録商標)“モイスト”(登録商標)」(以下MOIST、J&J社製)を用意し、得られたレンズの易滑性および擦り洗い耐性を上記評価方法により評価した結果を表3に示す。使用するボトルブラシポリマーのPEG繰り返し単位が4個以下である場合、ソフトコンタクトレンズの表面に優れた易滑性と耐久性を付与できないことがわかった。また、比較例6で得られたレンズは4サイクル擦り洗いを繰り返した時点でPEG吸着前の易滑性に戻ったことから、PEGがレンズから完全に剥離したと考えられるものであった。同様に、比較例7で得られたレンズも5サイクル擦り洗いを繰り返した時点でPDMA吸着前の易滑性に戻ったことから、PDMAがレンズから完全に剥離したと考えられる。したがって、吸着させるポリマーが上記のような直鎖状高分子の場合、滅菌直後は良好な易滑性を示すものの、擦り洗いをすることで簡単に抜け落ちてしまうものと推察される。
Figure 2017176821
<動摩擦係数測定試験>
実施例5〜8および比較例5、7、MOISTを用意し、得られたレンズの動摩擦係数を上記測定方法により評価した結果を図1に示す。動摩擦係数の観点からは、実施例5〜8において低い動摩擦係数が示されており、特に実施例3〜4において低い動摩擦係数を示している。
<動的接触角測定試験>
実施例5〜8および比較例5、MOISTを用意し、得られたレンズの動的接触角を上記測定方法により評価した結果を図2に示す。DCAヒステリシスの観点からは、実施例5〜8において比較例5およびMOISTよりも小さい値を示しており、特に実施例3において最も低い値を示している。これは、基材が空気中に晒されることによって、本来であれば疎水性基が表面側に配向し、基材表面が疎水的になることで接触角が上昇するところを、ボトルブラシ型ポリマーが表面にコーティングされることで水分を保持することができ、結果として前進値と後進値の差が小さくなったためと考えられる。本発明に対して、上記した特開2001−158813号公報(特許文献4)では、コンタクトレンズ表面に熱または光開始剤基を導入し、2000〜8000g/molの平均分子量をもつマクロマーをレンズ表面上で重合してボトルブラシポリマーを形成させている。かかる発明において調製されたコンタクトレンズ表面の動摩擦係数については何ら記載がないが、この製法では、側鎖のマクロマー同士が、互いの立体障害により重合度が上がりにくく、分子量は短くなることから、十分な水濡れ性、易滑性が得られず、本発明のレベルまで動摩擦係数を低くできないと考えられる。
<装用モデル試験>
実施例8、比較例7で調製したレンズ、MOISTについて、装用モデル試験を上記評価方法により評価した結果を図3に示す。
本発明は、血液やその他の体液と接触させて使用するデバイスに用いることができる。好適な例としては、眼用レンズ、内視鏡、カテーテル、輸液チューブ、気体輸送チューブ、ステント、シース、カフ、チューブコネクター、アクセスポート、排液バッグ、血液回路、皮膚用材料又は薬剤担体などが挙げられる。眼用レンズには特に好適である。眼用レンズとしては、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズ、ハイブリッドコンタクトレンズなどのコンタクトレンズ、強膜レンズ、眼内レンズ、人工角膜、角膜インレイ、角膜オンレイ、メガネレンズなどが挙げられる。中でも、コンタクトレンズには好適であり、ソフトコンタクトレンズには特に好適である。

Claims (9)

  1. 不飽和基を含有するモノマー由来の構造単位を主鎖に含む医療用高分子であって、
    前記構造単位においては、アルキレンオキシド繰り返し単位が7〜30個連なった鎖状構造が、その片末端のみにて前記不飽和基を含有するモノマー由来の構造に結合されて側鎖を構成しており、
    前記構造単位の含有率が50〜100モル%である、医療用高分子。
  2. 前記不飽和基が、ビニルエステル基、ビニルアミド基又は(メタ)アクリロイル基である、請求項1に記載の医療用高分子。
  3. 前記アルキレンオキシド繰り返し単位が、エチレンオキシド基又はプロピレンオキシド基である、請求項1または2に記載の医療用高分子。
  4. 眼用レンズに用いられる、請求項1〜3のいずれかに記載の医療用高分子。
  5. 前記眼用レンズがコンタクトレンズである、請求項4に記載の医療用高分子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の医療用高分子を含んでなる、医療用高分子溶液。
  7. 容器の内に、基材および請求項6に記載の医療用高分子溶液を封入し、加熱処理する工程を経て得られる、医療デバイスの製造方法。
  8. 基材を含み、請求項1〜5のいずれかに記載の医療用高分子が前記基材の表面に結合および/または内部に浸潤してなる、医療デバイス。
  9. 動摩擦係数が0.08以下である、請求項8に記載の医療デバイス。
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