JP2017174969A - 半導体装置およびその製造方法並びに電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiCウェハのダイシング工程で発生した半導体チップの端部の欠陥がチップ内部の素子領域に積層欠陥を発生させて素子の通電劣化を引き起こす不具合を抑制する。【解決手段】SiC基板11上に形成されたエピタキシャル層12の素子領域にスイッチング素子を構成するMOSFET(Q)とダイオード(D)とが形成された半導体チップ10は、六方晶系SiCの<1−100>方向に沿って延在する互いに平行な2辺と、<1−100>方向に対して直交する<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺とからなる矩形の平面形状を有し、少なくとも<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺の端部近傍にはエピタキシャル層12が形成されていない。【選択図】図2
Description
本発明は、炭化ケイ素(SiC)基板を用いた半導体装置およびその製造方法に関し、特に、自動車や鉄道車両の駆動系に内蔵される電力変換装置に用いて好適な半導体装置およびその製造方法に関する。
半導体パワー素子は、高耐圧性に加えて低オン抵抗、低スイッチング損失などの特性が要求されるが、現在の主流であるケイ素(Si)パワー素子は理論的な性能限界に近づいている。炭化ケイ素(SiC)は、Siと比較して絶縁破壊電界強度が約1桁大きいため、耐圧を保持するドリフト層を約1/10に薄く、不純物濃度を約100倍高くすることで、素子抵抗を理論上3桁以上低減できる。また、Siに対してバンドギャップが約3倍大きいことから高温動作も可能であり、SiC半導体素子は、Si半導体素子を超える性能が期待されている。
上記したSiCの利点に着目し、SiC基板を用いたスイッチング素子として、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、接合FET、またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの開発が進められている(特許文献1、特許文献2)。
SiC基板を用いたMOSFETやIGBTは、自動車や鉄道車両の駆動系に内蔵されるインバータなどの電力変換装置の変換効率を向上させるスイッチング素子として期待されている。
インバータは、負荷に接続された複数のスイッチング素子対を交互にオン/オフさせることにより、直流信号を交流信号に変換して負荷に出力する。この負荷が例えばモータのように大きいインダクタンスを持つ場合、スイッチング素子をオンからオフに切り替える際に流れる逆方向の還流電流がスイッチング素子に集中して素子を破壊する虞があるため、スイッチング素子には還流電流を流すためのダイオードが並列に接続される。
このことから、インバータを小型化するためには、スイッチング素子とダイオードとを同一の半導体チップに内蔵させることが望ましい。
ところが、SiCウェハを半導体チップに分割するダイシング工程において、SiCウェハのダイシング領域に接する半導体チップの端部に欠陥が生じ、この欠陥が結晶のすべり面に沿ってチップ内部へと成長して素子領域に積層欠陥を発生させる可能性のあることが本発明者によって見出された。
このような積層欠陥が存在するSiCチップにスイッチング素子とダイオードとが形成されている場合、ダイオードに大きい還流電流が流れた際に積層欠陥領域でキャリアが再結合して積層欠陥が拡大する通電劣化が発生し、その結果としてオン電流の低下、すなわち素子抵抗の増大を引き起こすことが懸念される。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的な実施の形態による半導体装置は、炭化ケイ素からなる半導体基板上に形成されたエピタキシャル層の素子領域にスイッチング素子とダイオードとが形成され、前記素子領域を囲む周縁部の少なくとも一部では、前記半導体基板上に前記エピタキシャル層が形成されていない。
代表的な実施の形態によれば、1個のSiCチップにスイッチング素子とダイオードとを形成した半導体装置の通電劣化に起因する素子抵抗の増大を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。また、実施の形態を説明する図面においては、構成を分かりやすくするために、平面図であってもハッチングを付す場合がある。
また、符号「−」および「+」は、導電型がn型またはp型の不純物の相対的な濃度を表しており、例えばn型不純物の場合は、「n−」、「n」、「n+」の順に不純物濃度が高くなる。
(実施の形態1)
<半導体装置の構成>
図1は、本実施の形態の半導体装置である半導体チップの概略平面図、図2は、図1に示す半導体チップのA−A線(素子領域の一部)およびB−B線(チップ周縁部の一部)の断面図である。
<半導体装置の構成>
図1は、本実施の形態の半導体装置である半導体チップの概略平面図、図2は、図1に示す半導体チップのA−A線(素子領域の一部)およびB−B線(チップ周縁部の一部)の断面図である。
半導体チップ10は、n+型のSiC基板11と、SiC基板11の主面上に形成されたn型のバッファ層12bと、バッファ層12bの上部に形成されたn−型のエピタキシャル層12とを有する。SiC基板11は、六方晶系SiCの<1−100>方向に沿って延在する互いに平行な2辺と、<1−100>方向に対して直交する<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺とからなる矩形の平面形状を有し、その外形寸法は、縦×横=7mm×7mm程度である。また、SiC基板11の主面は、例えば{0001}面である。
半導体チップ10の素子領域(アクティブ領域)(AR)のエピタキシャル層12には、複数のMOSFET(Q)および複数のダイオード(D)が形成されている。
MOSFET(Q)のそれぞれは、エピタキシャル層12の表面近傍に形成され、周囲をp型ウェル20で囲まれた一対のn型半導体領域21、21からなるソース、ドレインと、エピタキシャル層12の表面に形成された酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜22と、ゲート絶縁膜22上に形成された多結晶シリコン膜からなるゲート電極23とを有する。また、ダイオード(D)のそれぞれは、MOSFET(Q)のn型半導体領域21に隣接して形成されたp+型半導体領域25およびp型ウェル20からなるp型の半導体領域と、エピタキシャル層12、バッファ層12bおよびSiC基板11からなるn型の半導体領域とで構成されるpn接合を有する。
MOSFET(Q)およびダイオード(D)が形成されたエピタキシャル層12の上部には酸化シリコン膜14が形成され、酸化シリコン膜14の上部には酸化シリコン膜14に形成されたコンタクトホール26を通じてMOSFET(Q)のn型半導体領域21およびダイオード(D)のp+型半導体領域25に接続された電極27が形成されている。図示は省略するが、酸化シリコン膜14の上部にはゲート電極23にゲート電圧を印加するゲート配線用電極や後述するターミネーション領域15に固定電圧を印加する電極も形成されている。一方、SiC基板11の裏面には、ダイオード(D)の裏面電極28が形成されている。
半導体チップ10の主面の最上層には、電極27および酸化シリコン膜14を覆う封止材16が形成されている。封止材16は、耐圧性および耐熱性に優れた有機樹脂からなる絶縁材料で構成されている。
MOSFET(Q)およびダイオード(D)が形成された素子領域(AR)の周縁部のエピタキシャル層12には、p型ウェル20の最外周端を囲むターミネーション領域15が形成されている。ターミネーション領域15は、p型ウェル20とn−型のエピタキシャル層12との界面における電界を緩和するためのp−型の半導体領域である。図1に示すように、ターミネーション領域15は、素子領域(AR)の周縁部を囲むように配置されている。
ターミネーション領域15よりも外側の領域である半導体チップ10の周縁部の一部(図1のハッチングで示す半導体チップ10の端部)には、エピタキシャル層12が形成されておらず、バッファ層12bの表面またはその下部のSiC基板11の表面が封止材16によって直接覆われている。また、エピタキシャル層12が形成されていない領域、すなわち半導体チップ10の端部のバッファ層12bまたはその下部のSiC基板11の表面近傍には、アモルファス層12aが形成されている。
本実施の形態の半導体チップ10は、4辺の全てにおいてその端部にエピタキシャル層12が形成されておらず、半導体チップ10の側面にエピタキシャル層12が露出していない。
<半導体装置の製造方法>
次に、上記のように構成された本実施の形態の半導体装置の製造方法の一例について、図3〜図16を用いて工程順に説明する。図3〜図16では、図の左側に図1のA−A線に対応する領域(素子領域(AR)の一部)の断面を示し、図の右側に図1のB−B線に対応する領域の断面を示す。
次に、上記のように構成された本実施の形態の半導体装置の製造方法の一例について、図3〜図16を用いて工程順に説明する。図3〜図16では、図の左側に図1のA−A線に対応する領域(素子領域(AR)の一部)の断面を示し、図の右側に図1のB−B線に対応する領域の断面を示す。
まず、図3に示すように、SiC基板11を用意し、その主面上にエピタキシャル成長法でバッファ層12bおよびエピタキシャル層12を順次形成する。ここで、SiC基板11は、直径が3〜4インチ程度のSiCウェハであり、図3の右側端部には、このSiCウェハをダイシングして複数の半導体チップ10に分割する際に除去されるダイシング領域(DR)の一部が示されている。
SiC基板(SiCウェハ)11上のエピタキシャル層12に導入されるn型不純物は、例えば窒素(N)であり、その濃度は、1×1014〜1×1017cm−3程度である。また、エピタキシャル層12の厚さは、30μm程度である。バッファ層12bは、n型不純物の濃度がSiC基板11よりも高く、エピタキシャル層12よりも低いエピタキシャル層である。
次に、図4に示すように、フォトレジスト膜30をマスクにして素子領域(AR)の周縁部のエピタキシャル層12にアルミニウム(Al)などのp型不純物をイオン注入することによって、ターミネーション領域15を形成する。
次に、図5に示すように、フォトレジスト膜31をマスクにして素子領域(AR)のエピタキシャル層12にアルミニウムまたはホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入することによって、p型ウェル20を形成する。
次に、図6に示すように、フォトレジスト膜32をマスクにしてp型ウェル20にアルミニウム、ホウ素(B)などのp型不純物をイオン注入することによって、p型ウェル20の一部にダイオード(D)のp+型半導体領域25を形成する。ここまでの工程により、ダイオード(D)が略完成する。
次に、図7に示すように、フォトレジスト膜33をマスクにしてp型ウェル20に窒素またはリン(P)などのn型不純物をイオン注入することによって、p+型半導体領域25に隣接する領域にMOSFET(Q)のソース、ドレインを構成するn型半導体領域21を形成する。
次に、SiC基板11を熱処理することによって、ここまでの工程でエピタキシャル層12にイオン注入したn型不純物およびp型不純物を活性化した後、図8に示すように、熱酸化法またはCVD法を用いてエピタキシャル層12の表面領域に酸化シリコン膜からなるMOSFET(Q)のゲート絶縁膜22を形成し、続いてCVD法を用いてゲート絶縁膜22の上部に多結晶シリコン膜23aを形成する。
次に、図9に示すように、フォトレジスト膜34をマスクにしたドライエッチングで多結晶シリコン膜23aおよびゲート絶縁膜22をパターニングすることによって、素子領域(AR)にMOSFET(Q)のゲート電極23を形成し、ゲート電極23の下部にゲート絶縁膜22を残す。ここまでの工程により、MOSFET(Q)が略完成する。
次に、図10に示すように、CVD法を用いてSiC基板11の上部に酸化シリコン膜14を形成した後、図11に示すように、フォトレジスト膜35をマスクにしたドライエッチングで酸化シリコン膜14をパターニングすることによって、ダイオード(D)のp+型半導体領域25およびMOSFET(Q)のn型半導体領域(ソース、ドレイン)21のそれぞれの表面を露出するコンタクトホール26を形成する。このとき、ゲート電極23の表面を露出するコンタクトホール(図示せず)なども形成する。また、このドライエッチングにより、後の工程でエピタキシャル層12を除去する領域とその近傍の酸化シリコン膜14を除去する。
次に、図12に示すように、酸化シリコン膜14に形成されたコンタクトホール26を通じてMOSFET(Q)のn型半導体領域21およびダイオード(D)のp+型半導体領域25に接続される電極27および図示しないゲート配線用電極などを形成する。電極27は、例えば酸化シリコン膜14の上部にアルミニウム膜を主体とする金属膜をスパッタリング法で形成した後、フォトレジスト膜をマスクにしたドライエッチングでこの金属膜をパターニングすることによって形成する。
次に、図13に示すように、フォトレジスト膜36をマスクにしたドライエッチングでダイシング領域(DR)およびその近傍の領域(ダイシング後に半導体チップ10の周縁部となる領域)のエピタキシャル層12を除去し、エピタキシャル層12の下層のバッファ層12bの表面またはSiC基板11の表面を露出させる。エピタキシャル層12を除去する際には、ドライエッチングによるSiC基板11のダメージを抑制する観点から、バッファ層12bをある程度残した状態でエッチングを停止することが望ましい。
次に、図14に示すように、エピタキシャル層12のドライエッチングで露出したバッファ層12bまたはSiC基板11に生じた欠陥が素子領域(AR)に進行するのを抑制するために、バッファ層12bの表面(SiC基板11が露出している場合はSiC基板11の表面)にアモルファス層12aを形成する。アモルファス層12aは、例えばフォトレジスト膜36をマスクにしてバッファ層12bの表面(SiC基板11が露出している場合はSiC基板11の表面)に窒素やリンなどのn型元素、あるいはヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの不活性元素を1×1018cm−3以上の高濃度でイオン注入することによって形成する。
次に、図15に示すように、SiC基板11の主面の最上層に封止材16を形成した後、SiC基板11の裏面にダイオード(D)の裏面電極28を形成する。裏面電極28は、例えばSiC基板11の裏面にスパッタリング法でニッケル(Ni)膜および金(Au)膜を堆積することによって形成する。
その後、図16に示すように、SiC基板(SiCウェハ)11をダイシング領域(DR)に沿ってダイシングすることにより、図1および図2に示した半導体チップ10が完成する。
本実施の形態によれば、半導体チップ10の端部のエピタキシャル層12が除去されていることにより、SiC基板(SiCウェハ)11のダイシング工程で半導体チップ10の端部に発生する欠陥がチップ内部へと成長して素子領域(AR)に積層欠陥を発生させる不具合を抑制することができる。
これにより、ダイオード(D)に大電流を流した場合でも、通電劣化による高抵抗化を抑制することができる。
本実施の形態では、半導体チップ10の4辺の全てにおいて端部のエピタキシャル層12を除去したが、半導体チップ10の端部の欠陥は<11−20>方向に平行な2辺を起点として発生することから、半導体チップ10の4辺のうち、<11−20>方向に平行な2辺のみで端部のエピタキシャル層12を除去してもよい。
また、本実施の形態では、1個の半導体チップ10にMOSFET(Q)およびダイオード(D)を形成したが、MOSFET(Q)に代えてIGBTや接合FETを形成してもよい。
<変形例>
本実施の形態の半導体装置は、図17〜図21に示す方法によって製造することもできる。
本実施の形態の半導体装置は、図17〜図21に示す方法によって製造することもできる。
まず、前述した図3〜図7に示す工程に従って素子領域(AR)のp型ウェル20にダイオード(D)のp+型半導体領域25およびMOSFET(Q)のn型半導体領域(ソース、ドレイン)21を形成し、続いてSiC基板11を熱処理することによって、エピタキシャル層12にイオン注入したn型不純物およびp型不純物を活性化した後、図17に示すように、フォトレジスト膜36をマスクにしたドライエッチングでダイシング領域(DR)およびその近傍の領域のエピタキシャル層12を除去する。
次に、図18に示すように、エピタキシャル層12のドライエッチングで露出したバッファ層12bまたはその下層のSiC基板11に生じた欠陥が素子領域(AR)に進行するのを抑制するために、前述した方法でバッファ層12bの表面(SiC基板11が露出している場合はSiC基板11の表面)にアモルファス層12aを形成する。
次に、図19に示すように、熱酸化法またはCVD法を用いてエピタキシャル層12の表面領域およびアモルファス層12aの表面領域に酸化シリコン膜からなるMOSFET(Q)のゲート絶縁膜22を形成する。
次に、図20に示すように、図17のドライエッチング工程で露出したダイシング領域(DR)の近傍のエピタキシャル層12の側壁に酸化シリコン膜17を形成する。エピタキシャル層12の側壁の酸化シリコン膜17は、例えばCVD法を用いてSiC基板11の主面上に酸化シリコン膜17を形成した後、異方性ドライエッチングでエピタキシャル層12の側壁以外の領域の酸化シリコン膜17を除去することによって形成する。また、酸化シリコン膜17に代えて窒化シリコン膜などの絶縁膜をエピタキシャル層12の側壁に形成してもよい。
その後、前述した図9〜図15に示す工程に従ってゲート電極23、酸化シリコン膜14、電極27、封止材16および裏面電極28を形成した後、SiC基板(SiCウェハ)11をダイシング領域(DR)に沿ってダイシングすることにより、図21に示す半導体チップ10が完成する。
本変形例によれば、ダイシング領域(DR)の近傍のエピタキシャル層12の側壁に酸化シリコン膜17を形成することにより、エピタキシャル層12のドライエッチングで発生したエピタキシャル層12の側壁の欠陥がその後の工程で素子領域(AR)に進行する不具合を抑制することができる。
なお、本変形例では、エピタキシャル層12のドライエッチングで露出したバッファ層12bの表面がゲート絶縁膜22で覆われるので、バッファ層12bの表面にアモルファス層12aを形成する工程を省略することもできる。
また、エピタキシャル層12の除去は、上記した工程以外の任意の工程で行うことができるが、エピタキシャル層12の除去によって生じた欠陥がその後の工程で素子領域(AR)に進行する不具合を抑制する観点からは、エピタキシャル層12の除去は、ウェハ工程の最終段階(ダイシング)に近い工程で行うことが好ましい。
(実施の形態2)
図22は、本実施の形態の三相モータシステムの回路図である。本実施の形態の三相モータシステム100は、電力変換装置である三相インバータ101と、制御回路102と、三相モータ103とを備えている。
図22は、本実施の形態の三相モータシステムの回路図である。本実施の形態の三相モータシステム100は、電力変換装置である三相インバータ101と、制御回路102と、三相モータ103とを備えている。
三相インバータ101は、直列に接続されたMOSFET(Q1、Q2)の対と、直列に接続されたMOSFET(Q3、Q4)の対と、直列に接続されたMOSFET(Q5、Q6)の対とを並列に接続し、さらに、これら6個のMOSFET(Q1〜Q6)のそれぞれに還流用のダイオード(D1〜D6)を並列に接続した構成になっている。
三相インバータ101のスイッチング素子を構成するMOSFET(Q1〜Q6)のそれぞれのソースには電源電圧Vccが接続され、ドレインには接地電位GNDが接続され、ゲート電極には制御回路102が接続されている。そして、制御回路102によって制御されたMOSFET(Q1〜Q6)のスイッチング動作によって直流から交流に変換された電力が負荷である三相モータ103に供給される。
三相インバータ101を構成するMOSFET(Q1〜Q6)およびダイオード(D1〜D6)は、前記実施の形態1のMOSFET(Q)およびダイオード(D)で構成されており、一個の半導体チップ10に形成されている。
このように、実施の形態1の半導体チップ10に形成されたMOSFET(Q1〜Q6)およびダイオード(D1〜D6)によって三相インバータ101を構成することにより、通電劣化による素子の高抵抗化を抑制しつつ、電力変換装置およびこれを備えた三相モータシステム100の小型化、軽量化および低コスト化を実現することができる。
(実施の形態3)
図22に示した電力変換装置は、自動車の駆動系に応用することができる。図23は、図22の電力変換装置を応用した三相モータシステムを備えた電気自動車の構成の一例を示すブロック図である。
図22に示した電力変換装置は、自動車の駆動系に応用することができる。図23は、図22の電力変換装置を応用した三相モータシステムを備えた電気自動車の構成の一例を示すブロック図である。
電気自動車200は、一対の駆動輪(車輪)204a、204bが接続された駆動軸205に動力を伝達する三相モータ203を備えている。三相モータ203は、永久磁石が埋め込まれたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機である。
三相モータ203には、電子制御ユニット202によって制御される電力変換装置である三相インバータ201と、昇圧コンバータ206と、リレー207とが電力ライン209を介して接続されている。
ここで、三相インバータ201を実施の形態2の三相インバータ101と同じく一個の半導体チップ10に形成された複数のMOSFET(Q)およびダイオード(D)で構成することにより、電力変換装置を構成する素子の通電劣化による高抵抗化を抑制しつつ、電気自動車200の駆動系の小型化、軽量化および低コスト化を実現することができる。
本実施の形態では、電気自動車200の駆動系に適用した例を説明したが、バッテリ208とガソリンエンジンとを併用するハイブリット自動車や、バッテリ208が燃料電池スタックになった燃料電池自動車などにも同様に上述の三相モータシステムを適用することができる。
(実施の形態4)
図22に示した電力変換装置は、鉄道車両の駆動系に応用することができる。図24は、図22の電力変換装置を応用した三相モータシステムを備えた鉄道車両の構成の一例を示すブロック図である。
図22に示した電力変換装置は、鉄道車両の駆動系に応用することができる。図24は、図22の電力変換装置を応用した三相モータシステムを備えた鉄道車両の構成の一例を示すブロック図である。
鉄道車両300には、架線OWからパンタグラフPGを介して25kV程度の交流電力が供給される。架線OWは、パンタグラフPG、トランス304および車輪WHを介して線路RTに電気的に接続されている。
鉄道車両300に供給された交流電力は、トランス304によって1.5kVまで降圧された後、コンバータ306によって直流電力に変換され、さらにコンデンサ305によって平滑にされた後、三相インバータ301によって交流に変換され、負荷である三相モータ303を駆動する。
ここで、三相インバータ301を実施の形態2の三相インバータ101と同じく一個の半導体チップ10に形成された複数のMOSFET(Q)およびダイオード(D)で構成することにより、電力変換装置を構成する素子の通電劣化による高抵抗化を抑制しつつ、鉄道車両300の駆動系の小型化、軽量化および低コスト化を実現することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10 半導体チップ
11 SiC基板
12 エピタキシャル層
12a アモルファル層
12b バッファ層
14 酸化シリコン膜
15 ターミネーション領域
16 封止材
17 酸化シリコン膜
20 p型ウェル
21 n型半導体領域(ソース、ドレイン)
22 ゲート絶縁膜
23 ゲート電極
23a 多結晶シリコン膜
25 p+型半導体領域
26 コンタクトホール
27 電極
28 裏面電極
100 三相モータシステム
101 三相インバータ
102 制御回路
103 三相モータ
200 電気自動車
201 三相インバータ
202 電子制御ユニット
203 三相モータ
204a、204b 駆動輪(車輪)
205 駆動軸
206 昇圧コンバータ
207 リレー
208 バッテリ
209 電力ライン
300 鉄道車両
301 三相インバータ
303 三相モータ
304 トランス
305 コンデンサ
306 コンバータ
D ダイオード
Q MOSFET
11 SiC基板
12 エピタキシャル層
12a アモルファル層
12b バッファ層
14 酸化シリコン膜
15 ターミネーション領域
16 封止材
17 酸化シリコン膜
20 p型ウェル
21 n型半導体領域(ソース、ドレイン)
22 ゲート絶縁膜
23 ゲート電極
23a 多結晶シリコン膜
25 p+型半導体領域
26 コンタクトホール
27 電極
28 裏面電極
100 三相モータシステム
101 三相インバータ
102 制御回路
103 三相モータ
200 電気自動車
201 三相インバータ
202 電子制御ユニット
203 三相モータ
204a、204b 駆動輪(車輪)
205 駆動軸
206 昇圧コンバータ
207 リレー
208 バッテリ
209 電力ライン
300 鉄道車両
301 三相インバータ
303 三相モータ
304 トランス
305 コンデンサ
306 コンバータ
D ダイオード
Q MOSFET
Claims (10)
- 六方晶系炭化ケイ素からなる第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された第1導電型のエピタキシャル層を含む半導体層と、
前記エピタキシャル層の素子領域に形成されたスイッチング素子と、
前記半導体基板の素子領域の前記エピタキシャル層に形成された第2導電型の半導体領域および前記素子領域の前記エピタキシャル層を含むpn接合を備えたダイオードと、
を有し、
前記半導体基板の前記素子領域を囲む周縁部の少なくとも一部では、前記半導体基板上に前記エピタキシャル層が形成されていない、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記エピタキシャル層が形成されていない領域の前記半導体基板は、その表面近傍がアモルファス化されている、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記エピタキシャル層が形成されていない領域に接する前記エピタキシャル層の側壁に絶縁膜が形成されている、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記半導体基板は、六方晶系炭化ケイ素の<1−100>方向に沿って延在する互いに平行な2辺と、前記<1−100>方向に対して直交する<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺とからなる矩形の平面形状を有し、
前記エピタキシャル層が形成されていない領域は、前記<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺の端部近傍である、半導体装置。 - 請求項1に記載の半導体装置において、
前記スイッチング素子は、MOSFETまたはIGBTである、半導体装置。 - (a)六方晶系炭化ケイ素からなる第1導電型の半導体基板を準備する工程、
(b)前記半導体基板上に第1導電型のエピタキシャル層を含む半導体層を形成する工程、
(c)前記エピタキシャル層の素子領域にスイッチング素子を形成する工程、
(d)前記半導体基板の素子領域の前記エピタキシャル層に形成した第2導電型の半導体領域および前記素子領域の前記エピタキシャル層を含むpn接合を備えたダイオードを形成する工程、
(e)前記スイッチング素子および前記ダイオードが形成された前記半導体基板をダイシングすることにより、前記スイッチング素子および前記ダイオードが形成された半導体チップを取得する工程、
を有し、
前記工程(e)に先立って、前記半導体基板のダイシング領域およびその近傍の領域の前記エピタキシャル層を除去する工程をさらに含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記エピタキシャル層の除去によって露出した前記半導体基板の表面近傍に第1導電型の元素または不活性元素をイオン注入することによって、前記エピタキシャル層の除去によって露出した前記半導体基板の表面近傍をアモルファス化する工程をさらに含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記エピタキシャル層の除去によって露出した前記ダイシング領域の近傍の前記エピタキシャル層の側壁に絶縁膜を形成する工程をさらに含む、半導体装置の製造方法。 - 請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記半導体チップは、六方晶系炭化ケイ素の<1−100>方向に沿って延在する互いに平行な2辺と、前記<1−100>方向に対して直交する<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺とからなる矩形の平面形状を有し、
前記エピタキシャル層を除去する工程では、前記<11−20>方向に沿って延在するダイシング領域および前記<11−20>方向に沿って延在する互いに平行な2辺の端部近傍の前記エピタキシャル層を除去する、半導体装置の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体装置を有する電力変換装置。
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