JP2017174662A - 二次電池 - Google Patents

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Hiroya Umeyama
浩哉 梅山
堤 修司
Shuji Tsutsumi
修司 堤
橋本 達也
Tatsuya Hashimoto
達也 橋本
慶一 高橋
Keiichi Takahashi
慶一 高橋
直之 和田
Naoyuki Wada
直之 和田
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Abstract

【課題】熱安定性に優れた二次電池の提供。
【解決手段】正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、セパレータとを備え、以下の条件:(1)上記正極活物質層および上記負極活物質層の少なくとも一方に所定量の亜リン酸アルミニウムを含む;および(2)上記正極活物質層の表面、上記負極活物質層の表面、または上記セパレータの表面の少なくとも一部に所定量の亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層を備える;のうちの少なくとも一方を満たすように構成されている二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池に関する。
近年、リチウム二次電池、ニッケル水素電池その他の二次電池(蓄電池)は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウム二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両搭載用高出力電源として好ましく用いられている。この種の二次電池は、典型的に、正極および負極と、該正極および負極を電気的に隔離するセパレータとを備えた電極体を、電解質とともにケースに収容して構築されている。
このような二次電池では、不良電池の存在や充電装置の故障による誤作動等によって電池が過充電状態となり、電池温度が上昇する場合が想定される。或いはまた、外的要因(電池の製造工程における金属粉混入あるいは、使用時における落下等の衝撃や金属物の突き刺し等)やデンドライトの生成等により電池内部で短絡(内部短絡)が発生する場合も想定される。かかる場合、短絡した部分でジュール熱が発生することによって活物質等が発熱し、該電池の温度が急激に上昇する虞がある。電池内が高温状態になると、セパレータが熱収縮してしまい、セパレータによる電極の被覆範囲の不足やセパレータの破断(破膜)等により短絡(内部短絡)が発生もしくは拡大する虞がある。
このような電池温度の上昇に対応するべく、従来技術として、特許文献1に記載の技術が挙げられる。特許文献1には、集電体(典型的には正極集電体)の表面にコート層を備えることで、釘刺し試験等の厳しい内部短絡試験に耐え得る二次電池を提供しようとする技術が記載されている。
特開2015−109214号公報
ところで、車両駆動用電源等に用いられるような高容量の電池や高エネルギー密度の電池では、上記過充電時あるいは内部短絡発生時の発熱量が大きくなる傾向にある。したがって、このような高い電池容量や高いエネルギー密度が求められる用途(例えば車両駆動用電源等)に用いられる二次電池には、高い熱安定性(安全性)が求められる。
本発明者らの検討によると、このような高容量の電池や高エネルギー密度の電池に上記特許文献1に記載の技術を採用すると、電池温度の上昇を抑制する効果が不十分となる場合があった。即ち、高温状態(例えば集電体が溶断する温度、典型的には600℃)となった電池内でセパレータの熱収縮が生じ、内部短絡が拡大する場合があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、熱安定性と電池性能を両立する二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、セパレータとを備えた二次電池が提供される。かかる二次電池は、以下の条件(1)および(2):
(1)上記正極活物質層および上記負極活物質層の少なくとも一方に亜リン酸アルミニウムを含んでおり、
上記正極活物質層における上記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の正極活物質層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である、または、
上記負極活物質層における上記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の負極活物質層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である;および、
(2)上記正極活物質層の表面、上記負極活物質層の表面、または上記セパレータの表面の少なくとも一部に亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層を備えており、
上記耐熱層における上記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の耐熱層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上20質量部以下である;
のうちの少なくとも一方を満たすように構成されている。
上記亜リン酸アルミニウムは熱分解により体積が増大する(熱膨張する)ことが知られている。このとき、熱分解後の亜リン酸アルミニウムの体積は、一般的に、熱分解前の亜リン酸アルミニウムの体積の数十倍となり得る。
このため、上記の構成の二次電池によると、異物(典型的には金属異物、例えば鋭利な釘等)を介した内部短絡により短絡箇所が高温状態となった場合には、該高温状態となった短絡箇所の周辺で熱膨張した上記亜リン酸アルミニウムが上記異物を正負極から電気的に隔離することにより、内部短絡の拡大を抑制することができる。また、上記耐熱層に亜リン酸アルミニウムを含むことで、該耐熱層に含まれる亜リン酸アルミニウムが該高温状態となった短絡箇所の周辺で熱膨張することにより、正負極間距離を確保し、内部短絡の拡大を抑制することができる。
また、上記正極活物質層、上記負極活物質層あるいは上記耐熱層に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有割合を上記の範囲とすることで、優れた電池性能(典型的には低い電池抵抗)と高い熱安定性とを高いレベルで両立することができる。
即ち、ここで開示する二次電池によると、熱安定性と優れた電池性能とを備えた二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す縦断面図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態をリチウム二次電池を例として説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施し得る。また、リチウム二次電池は一例であり、本発明の技術思想は、その他の電荷担体(例えばナトリウムイオン)を備える他の二次電池(例えばナトリウム二次電池)にも適用される。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
ここで開示する二次電池は、正極と、負極と、セパレータとを備える。典型的には、正極、負極、およびセパレータを備える電極体と電解質とが、外装体(典型的には電池ケース)に収容されている。上記外装体(典型的には電池ケース)の形状は特に限定されず、例えば袋状、円筒形状、立方体形状(箱型)等であり得る。また、上記電極体の構成は特に限定されず、例えば、積層型の電極体(積層電極体)、或いは捲回型の電極体(捲回電極
体)であり得る。
ここで開示されるリチウム二次電池の好適な一態様として、図1および図2に示すように、捲回型の電極体20が直方体形状の電池ケース30に収容された構成の電池を例にして以下に簡単に説明する。
電池ケース30は、例えば、図1および図2に示すように、一端(電池の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体32と、該ケース本体32の開口部を封口する蓋体34とから構成されるものであり得る。図示するように、蓋体34には外部接続用の外部端子(正極端子42および負極端子44)が、それら端子の一部が蓋体34から電池100の外方に突出するように設けられている。また、蓋体34には、電池ケース内の内圧を開放するように設定された安全弁36および電解質を当該電池ケース内に注入するための注入口(図示せず)が設けられている。このような電池ケースの材質としては、例えば、軽量で熱伝導性の良い金属材料(例えばアルミニウム)が好適である。
捲回電極体20は、図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極60とを、2枚の長尺状のセパレータ70を介して積層した積層体が長尺方向に捲回されている。かかる扁平形状の捲回電極体20は、例えば正極50、負極60およびセパレータ70を積層して捲回した後で、当該捲回体を捲回軸に対して直交する一の方向に(典型的には側面方向から)押しつぶして(プレスして)拉げさせることによって成形することができる。
特に限定するものではないが、図2に示すように、上記捲回電極体20は、正極集電体露出端部53(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極集電体露出端部63(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)とが捲回軸方向の両端から外方にはみ出すように、正極と負極とを幅方向にややずらして重ねあわされて捲回されたものであり得る。その結果、捲回電極体20の捲回軸方向の中央部には、正極50と負極60とセパレータ70とが積層されて捲回された捲回コアが形成される。また、図2に示すように、正極50と負極60とは、正極集電体露出端部53と正極端子42(例えばアルミニウム製)が正極集電板42aを介して電気的に接続され、また、負極集電体露出端部63と負極端子44(例えばニッケル製)が負極集電板44aを介して電気的に接続され得る。なお、正負極集電板42a,44aと正負極集電体露出端部53、63(典型的には正負極集電体52,62)とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる。
正極50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質層54は、少なくとも正極活物質を含有する。かかる正極活物質としては、例えば層状構造やスピネル構造等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5、LiFePO等)が挙げられる。正極活物質層54は、活物質以外の成分、例えば導電材やバインダ等を含み得る。導電材としては、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、PVDF等を使用し得る。
負極60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、少なくとも負極活物質を含有する。かかる負極活物質としては、例えば、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を有する炭素材料、リチウム遷移金属窒化物等が挙げられる。いわゆる黒鉛質のもの(グラファイト)、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、これらを組み合わせた構造を有するもの等の炭素材料を好適に使用し得る。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、スチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂を主体に構成された多孔性のセパレータ基材(基材層)からなる多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかるセパレータ基材(基材層)は、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
上記正極活物質層、上記負極活物質層、または上記セパレータ(セパレータ基材)は、その表面の少なくとも一部に、耐熱層を備えてもよい。かかる耐熱層は、電池内が高温(例えば150℃以上、典型的には200℃以上)になった場合でも軟化や溶融をせず、形状を保持し得る(若干の変形は許容され得る)とともに、正極(正極活物質層)と負極(負極活物質層)とを電気的に隔離する性質を兼ね備える多孔質層である。
ここで開示される耐熱層は、典型的に、耐熱性微粒子とバインダとを含んでいる。 耐熱層に含まれる耐熱性微粒子は、従来の二次電池用セパレータの耐熱層中でフィラーとして用いられるもの(典型的には有機フィラーまたは無機フィラー)と同様のものであり得る。耐熱性や耐久性、分散性、安定性等の観点から、無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、例えば、アルミナ(酸化アルミニウム:Al)、ベーマイト(Al・HO)、シリカ(酸化ケイ素:SiO)、チタニア(酸化チタン:TiO)、ジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO)、カルシア(酸化カルシウム:CaO)、マグネシア(酸化マグネシウム:MgO)等が挙げられる。
耐熱層に含まれるバインダとしては、例えば、アクリル系樹脂(例えば、アクリロニトリルゴム等)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、等が挙げられる。
なお、耐熱層は、上述のフィラーおよびバインダに加えて一般的な二次電池において耐熱層の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例としては、増粘剤、分散剤等の各種添加剤が挙げられる。
ここで開示する二次電池は、(1)上記正極活物質層および上記負極活物質層の少なくとも一方に亜リン酸アルミニウムを含む、および/または、(2)上記正極活物質層の表面、上記負極活物質層の表面、または上記セパレータ(セパレータ基材)の表面の少なくとも一部に亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層を備える。
亜リン酸アルミニウムは、凡そ300℃〜500℃の温度環境下でメタリン酸アルミニウムとオルトリン酸アルミニウムに熱分解され、これらの分解物を含む多孔体が形成されることが知られている。このとき、熱分解後の亜リン酸アルミニウム(即ち多孔体)は、熱分解前の亜リン酸アルミニウムの体積の数十倍の体積に膨張(熱膨張)し得る。かかる亜リン酸アルミニウムの熱分解により形成された多孔体は、凡そ1000℃の温度環境下であっても形状が維持され得る(典型的には、増大した体積が維持され得る)。一方で、上記亜リン酸アルミニウムは、電池構築時および通常の電池使用時の温度条件下(典型的には200℃以下)では熱分解されることなく安定して存在し得る。
かかる性質を有する亜リン酸アルミニウムを正極活物質層、負極活物質層、または耐熱層中に含むことで、内部短絡の発生または拡大を抑制し、二次電池の熱安定性を向上することができる。例えば、異物(典型的には金属異物、例えば鋭利な釘等)を介した内部短絡により該内部短絡箇所が高温状態となった場合には、異物周辺(即ち短絡箇所周辺)に存在する亜リン酸アルミニウムが熱膨張して上記異物を正負極から電気的に隔離することにより、内部短絡の拡大を抑制することができる。また、セパレータの熱収縮あるいは破断によって内部短絡が生じた場合には、上記耐熱層に含まれる亜リン酸アルミニウムが熱膨張することで正負極間距離を確保し、内部短絡の拡大を抑制することができる。
上記正極活物質層中に亜リン酸アルミニウムを含む場合、該正極活物質層中に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有量は、固形分換算で、亜リン酸アルミニウムを除く正極活物質層の構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上(好ましくは5質量部以上)10質量部以下である。また、上記負極活物質層中に亜リン酸アルミニウムを含む場合、該負極活物質層中に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有量は、固形分換算で、亜リン酸アルミニウムを除く負極活物質層の構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上(好ましくは5質量部以上)10質量部以下である。活物質層中に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有割合を上記の範囲とすることで、優れた電池特性と高い熱安定性を両立することができる。
上記正極活物質層、上記負極活物質層、および上記セパレータ(セパレータ基材)から選択される少なくとも1つが、その表面(典型的には表面の少なくとも一部)に亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層を備える場合、該耐熱層に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有量は、固形分換算で、亜リン酸アルミニウムを除く耐熱層の構成成分の全固形分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下(好ましくは5質量部以下)である。耐熱層中に含まれる亜リン酸アルミニウムの含有割合を上記の範囲とすることで、優れた電池特性と高い熱安定性を両立することができる。
なお、かかる亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層は、所定量の亜リン酸アルミニウムを含む以外は上述したものと同様の構成のものとすればよい。
電解質としては、典型的には、有機溶媒(非水溶媒)中に支持塩を含有する電解液(非水電解液)を用いることができる。
非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて(例えばECとEMCとDMCとを3:4:3の体積比で含む混合溶媒)用いることができる。支持塩としては、例えばLiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩(好ましくはLiPF6)を用いることができる。支持塩の濃度は、例えば0.7mol/L以上1.3mol/L以下(好ましくは凡そ1.1mol/L)である。
ここで開示される二次電池は、優れた電池性能および高い熱安定性を両立した電池である。特に、高い電池容量や高いエネルギー密度が求められる用途(例えば車両駆動用電源等)に用いられる場合であっても、高い熱安定性を発揮することができる。従って、当該電池は各種用途に利用可能であるが、このような特徴を活かして、例えば、車両に搭載される駆動用電源として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、電気トラック、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす、電気鉄道等が挙げられる。したがって、本発明によれば、ここで開示されるいずれかの二次電池を、好ましくは動力源として備えた車両が提供される。車両に備えられる二次電池は、複数個が接続された組電池の形態であり得る。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明の技術範囲をかかる試験例で説明したものに限定することを意図したものではない。
以下の材料、プロセスによって、例1〜例17にかかるリチウム二次電池を構築した。
[リチウム二次電池の構築]
<例1>
以下の材料およびプロセスで正極を作製した。まず、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、LNCM:AB:PVdF=93:4:3の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、ペースト状(スラリー状)の正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を、平均厚み15μmの長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に帯状に塗布した。正極活物質層形成用組成物の塗付重量(付与量)は、正極集電体の単位面積当たりに形成された正極活物質層の質量(目付量)が、正極集電体の両面に形成された正極活物質層の質量(乾燥状態の正極活物質層の質量)の合計として、18mg/cmとなるように設定した。そして、上述のとおりに正極活物質層形成用組成物を付与した正極集電体を、乾燥、プレスすることにより、正極集電体上に正極活物質層を有する正極を作製した。このとき、正極活物質層の密度が2.9g/cmとなるようプレス条件を調整した。
次に、以下の材料およびプロセスで負極を作製した。まず、負極活物質としての、黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘材としてのカルボキシルメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比で水中に分散させてペースト状(スラリー状)の負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を、平均厚み10μmmの長尺状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布した。負極活物質層形成用組成物の塗付重量(付与量)は、負極集電体の単位面積当たりに形成された負極活物質層の質量(目付量)が、負極集電体の両面に形成された負極活物質層の質量(乾燥状態の負極活物質層の質量)の合計として、9mg/cmとなるように設定した。そして、上述のとおりに負極活物質層形成用組成物を付与した負極集電体を、乾燥、プレスすることにより、負極集電体上に負極活物質層を有する負極を作製した。このとき、負極活物質層の密度が1.3g/cmとなるようプレス条件を調整した。
次に、以下の材料およびプロセスでセパレータを作製した。まず、無機フィラーとしてのアルミナ1000gと、バインダとしてのポリアクリロニトリル変性ゴム(固形分8質量%)375gとを、N−メチルピロリドン(NMP)と混合し(即ち、固形分換算で無機フィラー:バインダ=100:3)、ペースト状(スラリー状)の耐熱層形成用組成物を調製した。ここで、上記アルミナは平均粒子径(ここでは、体積基準の粒度分布における積算50%粒径、いわゆるD50)が0.3μmのものを用いた。次いで、かかる耐熱層形成用組成物を、多孔質ポリエチレン層の両面に多孔質ポリプロピレン層が形成された三層構造のセパレータ基材シート(平均厚み20μm)の片面の全体に塗布して乾燥することにより、セパレータ基材の片面に耐熱層を有するセパレータを作製した。このとき、上記耐熱層の平均厚みは5μmであった。
上述のとおりに作製した正極および負極を、上述のとおりに作製したセパレータ2枚を介して長尺方向に重ねあわせ、長尺方向に捲回して円筒形状の捲回電極体を作製した。なお、ここでは上記耐熱層が負極活物質層に対向する方向となるように正極、負極およびセパレータを積層した。
次いで、上記捲回電極体と非水電解液とを、表面にニッケルメッキが施された鉄製の円筒型の電池ケース(18650円筒型ケース)の内部に収容し、例1にかかるリチウム二次電池を構築した。上記非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=1:1:1の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPF6を1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。即ち、例1に係る二次電池は、電池内に亜リン酸アルミニウムが存在しない。
<例2〜17>
正極活物質層、負極活物質層、または耐熱層中の亜リン酸アルミニウムの含有量が表1に示す割合となるように正極活物質層形成用組成物、負極活物質層形成用組成物、または耐熱層形成用組成物中に亜リン酸アルミニウムを添加した以外は、上記例1と同様の材料およびプロセスにより、例2〜17に係る二次電池を構築した。
ここで、表1中の亜リン酸アルミニウムの含有割合は、固形分換算で、亜リン酸アルミニウムを除いた正極活物質層、負極活物質層、または耐熱層の構成成分の合計100質量部に対する該亜リン酸アルミニウムの含有割合(質量部)を示す。
例えば、例2にかかる二次電池は、正極活物質層中に、亜リン酸アルミニウムを除いた正極活物質層の構成成分の合計100質量部当たり0.5質量部の亜リン酸アルミニウムを含む。即ち、かかる例2に係る電池は、正極活物質形成用組成物中に、亜リン酸アルミニウムを除いた他の正極活物質層構成成分(即ち、LNCM、AB、PVdF)の固形分換算の含有量の合計100質量部当たり0.5質量部となる量の亜リン酸アルミニウムを混合した以外は、上記例1と同様の材料およびプロセスにより構築した。なお、例3〜17に係る二次電池も同様である。
[定格容量(初期容量)の測定]
上記のとおりに構築した各例にかかる電池について、以下の手順で初期容量を測定した。すなわち、25℃の温度条件下、各例の電池に対し、1C(1A)のレートで4.1Vまで定電流(CC)充電した後に5分間休止し、1C(1A)のレートで3.0Vまで定電流(CC)放電した後に5分間休止した。次いで、CCCV充電(4.1V、レート1C、0.05Cカット)を行った後、CCCV放電(3.0V、レート1C,0.05Cカット)を行った。この時の放電容量を測定し、定格容量(Ah)とした。なお、「1C」とは理論容量より予測した電池容量(Ah)を1時間で充電できる電流値を意味し、例えば電池容量が1Ahの場合は1C=1Aである。
かかる定格容量(初期容量)の測定の結果、例1〜17の電池は、全て理論容量(1Ah)が得られていることを確認した。
[電池抵抗(IV抵抗)測定]
次に、上記初期容量を測定した後の各例に係る電池について、電池抵抗(IV抵抗)を測定した。即ち、25℃の温度条件下、各例に係る電池をSOC(State of Charge)50%の充電状態に調整した後、10Cのレートで10秒間のCC充電を行って、電圧上昇の値(V)を測定した。そして、測定された電圧上昇の値(V)を、対応する電流値で除してIV抵抗(mΩ)を算出し(典型的には、電流(I)−電圧(V)のプロット値の一次近似直線の傾きからIV抵抗(mΩ)を算出し)、その平均値を各例に係る電池の電池抵抗とした。このようにして測定した各例に係る電池の電池抵抗の測定値に基づいて、上記例1に係る電池の電池抵抗を100とした場合の相対値を算出した。かかる電池抵抗の相対値を表1の「電池抵抗」の欄に示す。
[釘刺し試験]
上記各例に係る二次電池に対し、25℃の温度条件下で釘刺し試験を行った。即ち、CCCV充電(4.2V、レート1C、0.05Cカット)を行った各例に係る電池に対し、該電池ケース側面の中央付近に直径3mmの鉄製の釘を120mm/秒の速度で貫通させた。このとき、電池ケースの外表面に2枚の熱電対を貼り付けて、各試験実施時の電池温度(最高到達温度)を測定した。結果を表1の「電池温度(℃)」の欄に示す。
Figure 2017174662
表1に示すように、例5〜17に係る電池は、例1〜4に係る電池と比較して、釘刺し試験を行った際の最高到達温度が低かった。即ち、正極活物質層、負極活物質層、または耐熱層のうちの少なくとも1つに、所定量以上の亜リン酸アルミニウムを含むことで、内部短絡時の電池温度の上昇を抑制し得ることを確認した。このことは、これら例5〜17に係る電池において内部短絡の拡大が抑制されたことを示している。
また、表1から明らかなように、例5および例6にかかる電池は例1に係る電池と比較して電池抵抗が顕著に増大したが、例7〜17に係る電池は例1に係る電池と比較して電池抵抗が増大しないか電池抵抗の増大が僅かであった。
これらの結果から、本発明によると、高い電池性能(電池抵抗の増大抑制)と高い熱安定性とを両立した二次電池を提供できることを確認した。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
32 電池ケース本体
34 蓋体
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極
52 正極集電体
53 正極集電体露出端部
54 正極活物質層
60 負極
62 負極集電体
63 負極集電体露出端部
64 負極活物質層
70 セパレータ
100 二次電池(リチウム二次電池)

Claims (1)

  1. 正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、セパレータとを備えた二次電池であって、
    以下の条件:
    (1)前記正極活物質層および前記負極活物質層の少なくとも一方に亜リン酸アルミニウムを含んでおり、
    前記正極活物質層における前記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の正極活物質層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である、または、
    前記負極活物質層における前記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の負極活物質層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上10質量部以下である;および、
    (2)前記正極活物質層の表面、前記負極活物質層の表面、または前記セパレータの表面の少なくとも一部に亜リン酸アルミニウムを含む耐熱層を備えており、
    前記耐熱層における前記亜リン酸アルミニウムの含有量が、該亜リン酸アルミニウムを除く他の耐熱層構成成分の合計100質量部に対して2質量部以上20質量部以下である;
    のうちの少なくとも一方を満たすように構成されている、二次電池。



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