JP2017174335A - 作業車両走行システム - Google Patents

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松澤 宏樹
Hiroki Matsuzawa
宏樹 松澤
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Abstract

【課題】先行する作業車両に追従走行する無人の作業車両が、前方に障害物を検出した場合に、障害物を回避しながら、走行を継続する作業車両走行システムを提供すること。【解決手段】実施形態に係る作業車両走行システム(300)は、先行車両である第1作業車両(1A)と、第1作業車両(1A)に無人で追従走行する第2作業車両(1B)とを備える。第2作業車両(1B)は、第2作業車両(1B)の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段(210)を備え、第2作業車両(1B)の前方に障害物を検出した場合には、第1作業車両(1A)に追従走行しながら、障害物を回避する構成とする。【選択図】図15

Description

本発明は、作業車両走行システムに関する。
従来、先行する有人の作業車両と、有人の作業車両に追従走行する無人の作業車両とを用いて、作業を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−195796号公報
しかしながら、従来の無人の作業車両は、前方の障害物を検出した場合に障害物を回避して走行を継続することは考慮されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、先行する作業車両に追従走行する無人の作業車両が、前方に障害物を検出した場合に、障害物を回避しながら、走行を継続する作業車両走行システムを提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両走行システム(300)は、先行車両である第1作業車両と、前記第1作業車両に無人で追従走行する第2作業車両と、を備え、前記第2作業車両には、前記第2作業車両の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段を備え、前記第2作業車両は、前記第2作業車両の前方に障害物を検出した場合に、前記第1作業車両に追従走行しながら、当該障害物を回避する構成とした。
請求項2に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項1に記載の作業車両走行システム(300)において、前記障害物検出手段(210)は、前記第2作業車両(1B)の位置が前記第2作業車両(1B)の作業開始位置となった場合に、前記障害物の検出を開始する構成とした。
請求項3に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項1または2に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)と前記第2作業車両(1B)との前後間隔を検出する第1距離検出手段(206)を備え、前記第2作業車両(1B)は、前記前後間隔が第1所定距離よりも大きくなると、走行速度を増速する構成とした。
請求項4に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項3に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)は、前記第1距離検出手段(206)を備え、前記前後間隔が前記第1所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両(1B)へ、前記走行速度を増速するように指示する構成とした。
請求項5に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項1から4のいずれか1項に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)と前記第2作業車両(1B)との前後間隔を検出する第1距離検出手段(206)を備え、前記第2作業車両(1B)は、前記第2作業車両(1B)の前方を少なくとも前記第1作業車両(1A)が横断可能となるように、前記第1作業車両(1A)との前後間隔を維持する構成とした。
請求項6に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)と前記第2作業車両(1B)との左右間隔を検出する第2距離検出手段(206)を備え、前記第2作業車両(1B)は、前記左右間隔が第2所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両(1B)を前記第1作業車両(1A)側に移動させる構成とした。
請求項7に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項6に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)は、前記第2距離検出手段(206)を備え、前記左右間隔が前記第2所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両(1B)へ、前記第1作業車両(1A)側へ移動するように指示する構成とした。
請求項8に記載の作業車両走行システム(300)は、請求項1から7のいずれか1項に記載の作業車両走行システム(300)において、前記第1作業車両(1A)と前記第2作業車両(1B)との前後間隔を検出する第1距離検出手段(206)と、前記第1作業車両(1A)と前記第2作業車両(1B)との左右間隔を検出する第2距離検出手段(206)と前記前後間隔、及び前記左右間隔に基づいて、前記第2作業車両(1B)の位置が作業開始位置となった場合に、前記第2作業車両(1B)の位置が前記作業開始位置となったことを報知する報知手段(207A)と、を備える構成とした。
請求項1に記載の作業車両走行システムによれば、第1作業車両に無人で追従走行する第2作業車両が、障害物を検出すると、第2作業車両は、走行しながら、障害物を回避するので、第2作業車両によって穀稈の刈取りを継続することができ、作業効率を向上させることができる。
請求項2に記載の作業車両走行システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、第2作業車両の位置が第2作業車両の作業開始位置となった場合に、例えば、超音波センサによって障害物の検出を行うことで、作業開始後の障害物を正確に検出することができる。
請求項3に記載の作業車両走行システムによれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、第1作業車両と第2作業車両との前後間隔が大きくなると、第2作業車両の走行速度を増速することで、第1作業車両と第2作業車両との前後間隔を保ちつつ、作業を行うことができる。また、第2作業車両の走行速度を増速することで、第2作業車両による穀稈の刈取り作業を素早く行い、作業時間を短くし、作業効率を向上させることができる。
請求項4に記載の作業車両走行システムによれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、先行する第1作業車両から第2作業車両に指示を出すことで、第2作業車両に対する第1作業車両への追従性を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
請求項5に記載の作業車両走行システムによれば、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第2作業車両の前方を第1作業車両が横断可能となるように、前後間隔を維持することで、第1作業車両が旋回した場合であっても、第1作業車両と第2作業車両との接触を防止することができる。
請求項6に記載の作業車両走行システムによれば、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第1作業車両と第2作業車両との左右間隔が大きくなると、第2作業車両の前進方向を調整し、第2作業車両を第1作業車両側へ移動させることで、第1作業車両と第2作業車両との間に未刈領域が発生することを抑制することができる。
請求項7に記載の作業車両走行システムによれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、先行する第1作業車両から第2作業車両に指示を出すことで、第2作業車両に対する第1作業車両への追従性を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
請求項8に記載の作業車両走行システムによれば、請求項1から7のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第2作業車両が作業開始位置となると、そのことを報知することで、第1作業車両を操作する作業者が作業の開始を容易に判断することができる。また、例えば、音を発生させて報知することで、周囲の人に第2作業車両による穀稈の刈取りが開始されることを知らせ、周囲の人の安全性を向上させることができる。
図1は、本実施形態の作業車両走行システムの概略図である。 図2は、本実施形態に係るコンバインの側面図である。 図3は、同上のコンバインの平面図である。 図4は、同上のコンバインの内部構造の一部を側面視で示す説明図である。 図5は、同上のコンバインの内部構造を平面視で示す説明図である。 図6は、同上のコンバインの内部構造の一部を側面視で示す説明図である。 図7は、本実施形態に係るコンバインの動力伝達経路の一部を示す模式図である。 図8は、図7に示すギヤボックスの詳細図である。 図9は、第1コンバインのコントローラのブロック図である。 図10は、第2コンバインのコントローラのブロック図である。 図11は、作業開始準備制御を説明するフローチャートである。 図12は、第1コンバイン、及び第2コンバインの走行経路を示す図である。 図13は、第2コンバインの走行制御を説明するフローチャートである。 図14は、第2コンバインの走行制御を説明するフローチャートである。 図15は、第2コンバインの走行制御を説明するフローチャートである。
以下に、本発明に係る作業車両走行システムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではなく、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、かつ、容易なもの、或いは実質的に同一のものいわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1は、実施形態に係る作業車両走行システム300の概略構成図である。作業車両走行システム300は、先行して走行する第1コンバイン1Aと、第1コンバイン1Aに追従走行する無人の第2コンバイン1Bとから構成される。第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとは、各通信ユニット201A、201Bを介して信号を送受信する。第2コンバイン1Bは、穀稈を刈り取る作業時に、第1コンバイン1Aと並列に走行し、穀稈を刈り取る。なお、ここでは、作業車両として、コンバインを一例として説明するが、例えばトラクターや、苗移植機を適用してもよい。
<第1コンバイン1A>
まず、第1コンバイン1Aについて説明する。図2は、第1コンバイン1Aの側面図、図3は、同第1コンバイン1Aの平面図である。なお、以下の説明では、第1コンバイン1Aの通常の使用態様時における前後方向、左右方向、上下方向を、各部位におけるそれぞれの前後方向、左右方向、上下方向として説明する。すなわち、前後方向は第1コンバイン1Aの長さ方向、左右方向は幅方向、上下方向は高さ方向である。このうち、前方は、刈り取り作業時における第1コンバイン1Aの進行方向であり、左方は、前方に向かって左手方向であり、下方は、重力が作用する方向である。なお、これらの方向は、説明をわかりやすくするために便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。
<第1コンバイン1Aの全体構成>
第1コンバイン1Aは、図2に示すように、機体フレーム2と、機体フレーム2の前方側に取り付けられた刈取装置7と、機体フレーム2の下方側に取り付けられた走行装置3と、機体フレーム2の後方側に取り付けられた脱穀装置5とを備える。また、第1コンバイン1Aには、動力源となるエンジン20(図7参照)が搭載される。また、第1コンバイン1Aは、コントローラ200A(図9参照)を備える。なお、第1コンバイン1Aは、作業者の操作により走行する有人走行のコンバインである。
<走行装置3>
走行装置3は、エンジン20から動力が伝達される左右一対の履帯4を備える。履帯4は、エンジン20から動力が伝達されることで周回し、周回する左右一対の履帯4により第1コンバイン1Aは走行する。
<刈取装置7>
刈取装置7は、穀稈を分草する分草杆7aと、分草された穀稈を引き起こす引起し装置7bと、引き起こされた穀稈の根元を切断する刈刃7cとを備える。刈取装置7は、圃場に立毛する穀稈を分草杆7aで分草し、分草した穀稈を引起し装置7bで引き起こし、引き起こした穀稈を刈刃7cで刈り取る。
また、刈取装置7には、刈刃7cの上方の後方側に、刈刃7cによって刈り取った穀稈を搬送する刈取穀稈搬送装置15が配設される。この刈取穀稈搬送装置15は、刈り取った穀稈の株元側を搬送する株元搬送装置15aと、穀稈の穂先側を搬送する穂先搬送装置15bとを備える。また、刈取穀稈搬送装置15の後方には、穀稈を搬送する穀稈搬送装置10が配設される。すなわち、刈刃7cで刈り取り、刈取穀稈搬送装置15で搬送された穀稈は、穀稈搬送装置10により脱穀装置5に向けて搬送される。この穀稈搬送装置10は、機体フレーム2の幅方向における左端寄りの位置に配設される。
刈取装置7の後方側において左右方向の一方側、具体的には、刈取装置7の後方側における右側には、操縦室となるキャビン6が設けられている。キャビン6には、図3に示すように、運転席6Sと、運転席6Sの前方側に設けられた走行操作レバー6H(図1参照)及び操作パネル等の操作装置6Cと、各種情報を表示可能なモニタ6Dとが設けられる。また、キャビン6には、図示しない各種操作レバー及び計器類が配設される。
<脱穀装置5>
図4は、第1コンバイン1Aの内部構造の一部を側面視で示す説明図、図5は同第1コンバイン1Aの内部構造を平面視で示す説明図である。脱穀装置5は、穀稈搬送装置10により穀稈が後方に搬送される過程で、刈取装置7により刈り取った穀稈から穀粒を切離し、藁等の夾雑物と穀粒とを分離する装置である。
脱穀装置5は、図4に示すように、脱穀部5aと、脱穀部5aの下方に配置された選別部5bとを備える。このうち、脱穀部5aは、図5に示すように、前部左側に配置された扱室5Iと、扱室5Iの右方に配置された第二処理室5Kと、第二処理室5Kの後方に配置された排塵処理室5Eとを含んで構成される。扱室5Iは、キャビン6の左方に位置しており、この扱室5Iには、前後方向に延在する回転軸を中心に回転可能な円柱形状の扱胴5Rが配置される。扱胴5Rは、回転動作により、扱室5I内に搬送されてきた穀稈の穂先部から穀粒を脱粒する。また、第二処理室5Kには二番処理胴5Hが、排塵処理室5Eには排塵処理胴5Dが、それぞれ前後方向に延在する回転軸を中心に回転可能に配置される。
一方、選別部5bは、図4に示すように、扱室5Iの下方に揺動可能に配置された選別棚5Cと、選別棚5Cの下方空間にそれぞれ配置された唐箕5Fと、唐箕5Fの後方に配置された第2唐箕5Mと、一番回収部5G及び二番回収部5Jと、選別棚5Cの後方に配置された排塵ファン5Lとを含んで構成される。
選別部5bは、脱穀部5aで脱粒された穀粒を含む被処理物(扱胴5Rが脱穀したもの)から夾雑物を除去して、穀粒を回収する。すなわち、選別棚5Cの揺動運動と、唐箕5F及び第2唐箕5Mによる選別風、及び排塵ファン5Lによる吸引の作用とにより、脱穀部5aから送られてきた被処理物から穀粒を選別し、一番回収部5G及び二番回収部5Jで回収する。回収した穀粒は、グレンタンク8(図3)に搬送されて貯蔵される。なお、脱穀装置5を通過し、穀粒が扱ぎ取られた穀稈(排藁)は、穀稈搬送装置10の後方側に配置された排藁搬送装置(図示省略)によって、第1コンバイン1Aの後方側に配置されている排藁切断装置12へ搬送される。排藁切断装置12は、排藁搬送装置に投入された排藁を切断し、例えば、圃場に放出する。
<グレンタンク8、穀粒排出オーガ9>
図3に示すように、キャビン6の後方側には、脱穀装置5が脱穀した穀粒を一時的に貯蔵するためのグレンタンク8が配置される。グレンタンク8の後方側には、図2及び図3に示すように、内部に貯蔵された穀粒を外部へ排出する穀粒排出オーガ9が設けられる。穀粒排出オーガ9は、グレンタンク8に接続された揚穀筒9a(図2)と、揚穀筒9aに接続された伸縮可能な搬送筒9bと、グレンタンク8、揚穀筒9a及び搬送筒9bの内部に設けられた複数の螺旋軸(図示省略)とを備える。搬送筒9bの先端部には、穀粒を排出する排出口が設けられる。穀粒排出オーガ9は、搬送筒9bを適宜伸縮させつつ、昇降及び旋回させることで、排出口を所定の場所に位置させる。そして、穀粒排出オーガ9は、複数の螺旋軸を回転させることで、グレンタンク8の内部から揚穀筒9aへ穀粒を搬送し、揚穀筒9aから搬送筒9bへ穀粒を搬送することで、搬送筒9bへ搬送された穀粒を、搬送筒9bに設けられた排出口を介して外部に排出することができる。
<穀稈搬送装置10>
図6は、第1コンバイン1Aの内部構造の一部を側面視で示す説明図である。穀稈搬送装置10は、刈取装置7から脱穀装置5へ向けて刈り取った穀稈を搬送する。また、穀稈搬送装置10は、グレンタンク8(図3)が配置されている側とは反対側、すなわち、左側部に配置される。穀稈搬送装置10は、挟扼杆11(図2)と、フィードチェン13(図5、図6)とを含んで構成される。
穀稈搬送装置10は、刈取装置7によって刈り取った穀稈を、挟扼杆11とフィードチェン13との間に送り込む。フィードチェン13は、扱胴5Rの回転中心軸と交差する方向で、かつ、扱室5Iの左側に配置される。一方、挟扼杆11は、フィードチェン13における穀稈を搬送する側の部位に対向する位置に配設されており、コイルスプリング(図示省略)によって、フィードチェン13側へ向けて付勢されるように配設される。かかる構造により、挟扼杆11は、穀稈にフィードチェン13へ向かう力を付与することができる。このため、挟扼杆11とフィードチェン13との間に送り込まれた穀稈は、挟扼杆11とフィードチェン13とに挟み込まれ、フィードチェン13によって脱穀装置5に搬送される。
<動力伝達経路>
次に、第1コンバイン1Aの動力伝達経路について説明する。図7は、図2に示す第1コンバイン1Aの動力伝達経路の一部を示す模式図である。
動力源であるエンジン20には、出力軸20Sが設けられ、出力軸20Sには、複数のエンジン出力プーリ20Pが取り付けられる。複数のエンジン出力プーリ20Pからは、走行装置3(図2参照)、脱穀装置5、刈取装置7、穀粒排出オーガ9及び穀稈搬送装置10を駆動するための動力が出力される。
図示するように、第1コンバイン1Aは、脱穀装置5へ動力を伝達するための脱穀動力伝達シャフト38を有する。脱穀動力伝達シャフト38には、一端側(図7における左側)から順に、複数の入力プーリ38a、処理胴出力プーリ38b、複数の扱胴出力プーリ38c、刈取出力プーリ38f、回収部出力プーリ38d、及び唐箕出力プーリ38eが取り付けられる。
複数のエンジン出力プーリ20Pと複数の入力プーリ38aとには、それぞれ無端のベルトである複数の第1伝達ベルト37が掛け回される。このため、エンジン20から発生した動力は、各エンジン出力プーリ20Pと各第1伝達ベルト37と各入力プーリ38aとを介して、脱穀動力伝達シャフト38に伝達される。
各エンジン出力プーリ20Pと各入力プーリ38aとの間には、脱穀クラッチ81が設けられる。脱穀クラッチ81を接続すると、エンジン出力プーリ20Pと入力プーリ38aとの間で動力が伝達され、脱穀クラッチ81の接続を解除すると、エンジン出力プーリ20Pと入力プーリ38aとの間における動力の伝達が遮断される。
二番処理胴5H及び排塵処理胴5Dは、処理胴出力プーリ38bから伝達される動力で駆動される。処理胴出力プーリ38bには、無端の第2伝達ベルト60を介して、処理胴駆動プーリ61aが連結されている。処理胴駆動プーリ61aは、処理胴駆動シャフト61の一端部に取り付けられる。処理胴駆動シャフト61の他端部には、第1傘歯車61bが取り付けられており、第1傘歯車61bは、第2傘歯車62aと噛み合っている。第2傘歯車62aは、処理胴回転シャフト62に取り付けられ、処理胴回転シャフト62には、二番処理胴5H及び排塵処理胴5Dが取り付けられる。このため、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、処理胴出力プーリ38b、第2伝達ベルト60、処理胴駆動プーリ61a、処理胴駆動シャフト61、第1傘歯車61b、第2傘歯車62a及び処理胴回転シャフト62を介して、二番処理胴5H及び排塵処理胴5Dに伝達される。こうして、二番処理胴5H及び排塵処理胴5Dが回転する。このように、二番処理胴5H及び排塵処理胴5Dは、エンジン20の動力が直接伝達されるため、第1コンバイン1Aの走行速度に関わらず一定の速度(回転速度)で駆動されることになる。
扱胴5Rは、扱胴出力プーリ38cから伝達される動力で駆動される。扱胴出力プーリ38cには、無端の第3伝達ベルト63を介して、扱胴駆動プーリ64aが連結される。扱胴駆動プーリ64aは、第1扱胴駆動シャフト64の一端部に取り付けられる。第1扱胴駆動シャフト64の他端部には、第1減速ギヤ64bが取り付けられており、第1減速ギヤ64bは、第2減速ギヤ65aと噛み合っている。第2減速ギヤ65aは、第2扱胴駆動シャフト65の一端部に取り付けられる。第2扱胴駆動シャフト65の他端部には、第3傘歯車65bが取り付けられており、第3傘歯車65bは、第4傘歯車66aと噛み合っている。第4傘歯車66aは、扱胴回転シャフト66に取り付けられ、扱胴回転シャフト66には、扱胴5Rが取り付けられる。このため、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、扱胴出力プーリ38c、第3伝達ベルト63、扱胴駆動プーリ64a、第1扱胴駆動シャフト64、第1減速ギヤ64b、第2減速ギヤ65a、第2扱胴駆動シャフト65、第3傘歯車65b、第4傘歯車66a及び扱胴回転シャフト66を介して、扱胴5Rに伝達される。こうして、扱胴5Rが回転する。このように、扱胴5Rも、エンジン20の動力が直接伝達されるため、第1コンバイン1Aの走行速度に関わらず一定の速度(回転速度)で駆動されることになる。
唐箕5Fは、唐箕出力プーリ38eから伝達される動力で駆動される。唐箕出力プーリ38eには、無端の第4伝達ベルト67を介して、唐箕駆動プーリ68aが連結される。唐箕駆動プーリ68aは、唐箕回転シャフト68の一端部に取り付けられており、唐箕回転シャフト68には、唐箕5Fが取り付けられる。このため、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、唐箕出力プーリ38e、第4伝達ベルト67、唐箕駆動プーリ68a、唐箕回転シャフト68を介して、唐箕5Fに伝達される。こうして、唐箕5Fが回転する。このように、唐箕5Fは、エンジン20の動力が直接伝達されるため、第1コンバイン1Aの走行速度に関わらず一定の速度(回転速度)で駆動されることになる。
一番回収部5G及び二番回収部5Jは、回収部出力プーリ38dから伝達される動力で駆動される。回収部出力プーリ38dには、無端の第5伝達ベルト90を介して、一番回収部駆動プーリ91a及び二番回収部駆動プーリ92aが連結される。一番回収部駆動プーリ91aは、一番回収部5Gを駆動するための一番回収部駆動シャフト91に取り付けられる。二番回収部駆動プーリ92aは、二番回収部5Jを駆動するための二番回収部駆動シャフト92に取り付けられる。このため、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、回収部出力プーリ38d、第5伝達ベルト90、一番回収部駆動プーリ91a及び一番回収部駆動シャフト91を介して、一番回収部5Gに伝達される。こうして、一番回収部5Gが駆動する。また、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、回収部出力プーリ38d、第5伝達ベルト90、二番回収部駆動プーリ92a、二番回収部駆動シャフト92を介して、二番回収部5Jに伝達され、二番回収部5Jを駆動する。
また、一番回収部駆動プーリ91aと二番回収部駆動プーリ92aとの間には、第2唐箕駆動プーリ93aが設けられ、第2唐箕駆動プーリ93aは、第5伝達ベルト90に連結される。第2唐箕駆動プーリ93aは、第2唐箕回転シャフト93に取り付けられ、第2唐箕回転シャフト93には、第2唐箕5Mが取り付けられる。このため、脱穀動力伝達シャフト38に伝達されたエンジン20の動力は、回収部出力プーリ38d、第5伝達ベルト90、第2唐箕駆動プーリ93a及び第2唐箕回転シャフト93を介して、第2唐箕5Mに伝達される。こうして、第2唐箕5Mが回転する。
ここで、一番回収部駆動シャフト91には、搬送駆動プーリ91bが取り付けられ、搬送駆動プーリ91bからは、穀稈搬送装置10を駆動するための動力が取り出される。搬送駆動プーリ91bは、第6伝達ベルト95を介して、ギヤボックス100の変速入力プーリ101aに連結される。
<ギヤボックス100>
図8は、図7に示すギヤボックス100の詳細図である。ギヤボックス100は、エンジン20からの動力を変速してフィードチェン13へ向けて出力するフィードチェン変速装置として機能するとともに、エンジン20からの動力を遮断可能なクラッチとして機能する。
ギヤボックス100は、第6伝達ベルト95に連結された変速入力プーリ101aを有し、変速入力プーリ101aは、ギヤボックス入力軸101の一端部に取り付けられる。ギヤボックス入力軸101の他端部には、入力ギヤ101bが取り付けられており、入力ギヤ101bは、排塵ファン出力ギヤ102aと噛み合っている。排塵ファン出力ギヤ102aは、排塵ファン回転シャフト102に取り付けられ、排塵ファン回転シャフト102には、排塵ファン5Lが取り付けられる。このため、一番回収部駆動シャフト91に伝達されたエンジン20の動力は、搬送駆動プーリ91b、第6伝達ベルト95、変速入力プーリ101a、ギヤボックス入力軸101、入力ギヤ101b、排塵ファン出力ギヤ102a及び排塵ファン回転シャフト102を介して、排塵ファン5Lに伝達される。こうして、排塵ファン5Lが回転する。このように、排塵ファン5Lも、エンジン20の動力が直接伝達されるため、第1コンバイン1Aの走行速度に関わらず一定の速度(回転速度)で駆動されることになる。
また、排塵ファン出力ギヤ102aは、変速入力ギヤ103aと噛み合っている。変速入力ギヤ103aは、変速軸103の一端部に取り付けられる。この変速軸103には、高速側伝動ギヤ103bと低速側伝動ギヤ103cとが回転自在に取り付けられる。高速側伝動ギヤ103bは、変速入力ギヤ103a側に設けられ、低速側伝動ギヤ103cは、高速側伝動ギヤ103bを挟んで、変速入力ギヤ103aの反対側に設けられる。高速側伝動ギヤ103bと低速側伝動ギヤ103cとの間の変速軸103には、移動体103dが設けられ、移動体103dは、変速軸103と一体的に回転するように取り付けられる一方で、変速軸103の軸方向に移動可能となっている。
高速側伝動ギヤ103bの軸方向の移動体103dと対向する面には、高速側クラッチ爪104が設けられ、低速側伝動ギヤ103cの軸方向の移動体103dと対向する面には、低速側クラッチ爪105が設けられる。また、移動体103dの軸方向の高速側伝動ギヤ103bと対向する面には、高速側クラッチ爪104に係合可能な第1クラッチ爪106が設けられ、移動体103dの軸方向の低速側伝動ギヤ103cと対向する面には、低速側クラッチ爪105に係合可能な第2クラッチ爪107が設けられる。
このため、移動体103dが高速側伝動ギヤ103b側の高速側変速位置に移動すると、高速側クラッチ爪104と第1クラッチ爪106とが係合状態となる一方で、低速側クラッチ爪105と第2クラッチ爪107とが非係合状態となり、高速側伝動ギヤ103bは、移動体103d及び変速軸103と一体となって回転する。
他方、移動体103dが低速側伝動ギヤ103c側の低速側変速位置に移動すると、低速側クラッチ爪105と第2クラッチ爪107とが係合状態となる一方で、高速側クラッチ爪104と第1クラッチ爪106とが非係合状態となり、低速側伝動ギヤ103cは、移動体103d及び変速軸103と一体となって回転する。
なお、移動体103dが高速側変速位置と低速側変速位置との間の中立位置に位置すると、移動体103dの第1クラッチ爪106及び第2クラッチ爪107は、高速側クラッチ爪104及び低速側クラッチ爪105と非係合状態となるため、変速軸103からの動力は、高速側伝動ギヤ103b及び低速側伝動ギヤ103cへ伝達されずに遮断される。
変速軸103に取り付けられる高速側伝動ギヤ103bは、高速側出力ギヤ112aと噛み合っている。また、高速側伝動ギヤ103bと同様に変速軸103に取り付けられる低速側伝動ギヤ103cは、低速側出力ギヤ112bと噛み合っている。高速側出力ギヤ112a及び低速側出力ギヤ112bは、ギヤボックス出力軸113に一体に設けられている。このように、高速側出力ギヤ112aまたは低速側出力ギヤ112bに動力が伝達されることで、ギヤボックス出力軸113が回転する。
ギヤボックス100のギヤボックス出力軸113には、フィードチェン駆動プーリ113aが取付けられる。フィードチェン駆動プーリ113aには、フィードチェン13が巻き掛けられる。このため、ギヤボックス100のギヤボックス入力軸101に伝達されたエンジン20の動力は、ギヤボックス100において変速され、変速された動力は、ギヤボックス出力軸113からフィードチェン13に伝達される。こうして、フィードチェン13は駆動(周回)する。
また、図7に示すように、刈取装置7と引継搬送装置16は、刈取出力プーリ38fから伝達される動力で駆動される。刈取出力プーリ38fには、無端の第7伝達ベルト120を介して、無段変速入力プーリ132が連結される。無段変速入力プーリ132は、無段変速装置130の入力軸である無段変速入力軸131の一端部に取り付けられる。この無段変速装置130は、HST(Hydraulic Static Transmission)等からなる無段変速機構を有し、無段変速入力軸131から入力された駆動力を、任意の変速比により無段階で変速して、無段変速出力軸133やシンクロ出力軸135から出力することが可能である。
このうち、無段変速出力軸133には、一端に無段変速出力プーリ134が取り付けられており、無段変速出力プーリ134は、刈取装置7が有する刈取入力プーリ138に、無端の第8伝達ベルト125を介して連結される。この刈取入力プーリ138は、刈取装置7の入力軸である刈取入力軸137の一端に取り付けられる。このため、無段変速装置130に伝達されたエンジン20の動力は、無段変速装置130で無段階に変速され、変速された動力は、無段変速出力軸133から刈取入力軸137に伝達される。こうして、刈取装置7が駆動する。
他方、シンクロ出力軸135には、引継搬送装置16のシンクロチェン17に対して駆動力を伝達するシンクロスプロケット136が一端に取り付けられる。これにより、無段変速装置130に入力された駆動力は、引継搬送装置16に対して出力することができる。このため、無段変速装置130に伝達されたエンジン20の動力は、無段変速装置130で無段階に変速され、変速された動力は、シンクロ出力軸135からシンクロチェン17に伝達される。こうして、シンクロチェン17が駆動(周回)する。
また、複数のエンジン出力プーリ20Pのうち、一部のエンジン出力プーリ20Pは、走行装置3が有する走行用ミッション140の入力軸に取り付けられる走行用入力プーリ141に第9伝達ベルト145を介して連結される。これにより、エンジン20で発生した動力の一部は、走行用ミッション140に伝達可能となる。このため、走行用ミッション140に伝達されたエンジン20の動力は、第1コンバイン1Aの走行状態に応じて走行用ミッション140で変速されて走行用ミッション140から出力され、履帯4を回転させる。このように、エンジン20で発生した動力の一部は第1コンバイン1Aの走行用の動力として用いられる。
また、エンジン20は、出力軸20Sが配設される側の反対側に、第2出力軸20Tを備えており、エンジン20で発生した動力は、この第2出力軸20Tからも出力可能である。図示するように、穀粒排出オーガ9は、第2出力軸20Tから出力される動力により駆動可能に構成される。
<コントローラ200A>
図9は、第1コンバイン1Aに搭載されたコントローラ200Aのブロック図である。コントローラ200Aは、通信ユニット201Aと、走行・旋回制御ユニットECU(Electronic Control Unit)202Aと、刈取・脱穀制御ユニットECU(Electronic Control Unit)203Aと、本機制御ECU(Electronic Control Unit)204Aと、エンジン制御ユニットECU(Electronic Control Unit)205Aと、を備える。通信ユニット201A、各ECU202A〜205Aは、CAN(Controller Area Network)通信によってそれぞれ接続されている。コントローラ200Aは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などによって構成され、記憶されたプログラムをCPUが読み出すことで、コントローラ200Aの各機能が発揮される。
走行・旋回制御ユニットECU202Aには、旋回レバー(図示せず)の操作角度を検出するレバーセンサ211と、第1コンバイン1Aの車速を検出する車速センサ212と、HSTを変速操作する操作レバー(図示せず)の角度を検出する変速レバーセンサ213と、が接続されている。走行・旋回制御ユニットECU202Aは、走行装置3が有する左側の履帯4への回転の伝達を制御する左サイドクラッチ231の接続、または接続の解除を制御する。走行・旋回制御ユニットECU202Aは、走行装置3が有する右側の履帯4への回転の伝達を制御する右サイドクラッチ232の接続、または接続の解除を制御する。走行・旋回制御ユニットECU202Aは、左サイドクラッチ231、及び右サイドクラッチ232のうち接続を解除した側へブレーキをかける旋回ブレーキ233を制御する。走行・旋回制御ユニットECU202Aは、HSTなどの無段変速装置130を制御する。
刈取・脱穀制御ユニットECU203Aには、刈取装置7の昇降レバー(図示せず)の操作量を検出する刈取昇降センサ214と、機体フレーム2に対する刈取装置7の昇降位置を検出する刈取位置センサ215と、刈取脱穀レバー(図示せず)の操作位置を検出する刈取脱穀センサ216と、が接続されている。刈取・脱穀制御ユニットECU203Aは、油圧シリンダ(図示せず)への油圧を制御し、刈取装置7を昇降させる。刈取・脱穀制御ユニットECU203Aは、油圧回路(図示せず)の油圧立ち上げを行うアンロードバルブ234を制御する。刈取・脱穀制御ユニットECU203Aは、第1電動モータ(図示せず)によって刈取クラッチ235を接続し、または接続を解除する。刈取・脱穀制御ユニットECU203Aは、第2電動モータ(図示せず)によって脱穀クラッチ81を接続し、または接続を解除する。刈取・脱穀制御ユニットECU203Aは、刈取脱穀レバーが操作され、「ON」となると、第1電動モータ、及び第2電動モータを制御し、刈取クラッチ235、及び脱穀クラッチ81を接続する。
本機制御ECU204Aには、モニターユニット207Aと、刈取装置7に設けられた穀稈センサ217と、距離検出装置206とが接続される。
モニターユニット207Aは、タッチパネル式であり、作業者の操作により、第1コンバイン1Aにおける一部の操作、刈取装置7の昇降位置などを操作することができる。また、モニターユニット207Aには、第1コンバイン1Aや、第2コンバイン1Bの状態を表示することができ、例えば、第2コンバイン1Bの位置が詳しくは後述する作業開始位置となっているかどうかなどを表示することができる。モニターユニット207Aは、第1コンバイン1Aに脱着可能である。
距離検出装置206は、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後方向における距離、すなわち前後間隔、及び第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの左右方向における距離、すなわち左右間隔を検出する。
距離検出装置206は、例えば、超音波センサ、またはGPS装置により、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bと前後間隔を検出する。距離検出装置206は、例えば、超音波センサによって超音波を第2コンバイン1Bに向けて発信し、第2コンバイン1Bによる反射波を受信し、その受信時間に基づいて第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔を検出する。また、距離検出装置206は、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの位置をGPS装置により検出し、検出した位置に基づいて第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔を検出する。また、距離検出装置206は、例えば、カメラ、例えばCCDカメラにより、第2コンバイン1Bを撮影し、第1コンバイン1Aが刈り取った穀稈の穀稈列からの第2コンバイン1Bのずれを算出し、左右間隔を検出する。また、距離検出装置206は、例えば、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの位置をGPS装置により検出し、検出した位置に基づいて第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの左右間隔を検出する。なお、複数のセンサ、装置によって、前後間隔、及び左右間隔を検出してもよい。
本機制御ECU204Aは、検出した、前後間隔、及び左右間隔に基づいて、通信ユニット201Aを介して第2コンバイン1Bに走行速度指令、及び前進方向調整指令を出力する。
走行速度指令は、第2コンバイン1Bの走行速度を制御する指令である。本機制御ECU204Aは前後間隔が第1所定前後間隔よりも大きい場合には、第2コンバイン1Bの走行速度を増速する増速指令を走行速度指令として出力する。第1所定前後間隔は、予め設定されており、第1コンバイン1Aに対して第2コンバイン1Bの位置が後方となり過ぎることで、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取り作業が遅れると判断可能な間隔である。また、本機制御ECU204Aは、前後間隔が第2所定前後間隔よりも小さい場合には、第2コンバイン1Bの走行速度を減速する減速指令を走行速度指令として出力する。第2所定前後間隔は、予め設定されており、第1所定前後間隔よりも小さい。第2所定前後間隔は、第2コンバイン1Bと第1コンバイン1Aとの接触を防止するための安全間隔であり、また、第1コンバイン1Aが旋回した場合に第2コンバイン1Bの前方を横断可能な間隔である。
前進方向調整指令は、第2コンバイン1Bの前進方向を調整する指令である。本機制御ECU204Aは、第2コンバイン1Bが障害物を検出せずに前進している場合に、左右間隔が所定間隔よりも大きくなると、第2コンバイン1Bを第1コンバイン1A側へ移動するように、前進方向調整指令を出力する。第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aが刈り取った穀稈列に隣接する穀稈列の穀稈を、第1コンバイン1A側に位置する第2コンバイン1Bの端の分草杆7aによって分草し、刈り取ることが望ましい。そのため、所定間隔は、第2コンバイン1Bにより、穀稈が刈り取られない穀稈列が生じない間隔である。
エンジン制御ユニットECU205Aには、エンジン20の出力軸20Sの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ218と、排気ガスを浄化するDPF(Diesel Particulate Filter)(図示せず)に設けられた、圧力センサ219と温度センサ220とが接続される。
通信ユニット201Aは、第2コンバイン1Bに設けられた通信ユニット201Bとの間で、無線により信号を送受信する。通信ユニット201Aは、制御情報を第2コンバイン1Bに送信する。制御情報は、走行速度指令、前進方向調整指令、詳しくは後述する作業開始位置移動指令、作業開始指令、第1コンバイン1Aの旋回情報などである。また、通信ユニット201Aは、詳しくは後述するペアリングを行う際に、第2コンバイン1Bの通信ユニット201Bからペアリングパスワードを受信する。
<第2コンバイン1B>
次に、第2コンバイン1Bについて説明する。第2コンバイン1Bの基本的な構成は第1コンバイン1Aと同じであり、ここでは、第1コンバイン1Aと異なる構成について詳しく説明し、第1コンバイン1Aと同様の構成についての説明は省略する。なお、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aに追従走行する無人のコンバインであるが、作業者の操作により作業を行うことも可能である。
<コントローラ200B>
図10は、第2コンバイン1Bのコントローラ200Bのブロック図である。第1コンバイン1Aと同じ構成については、第1コンバイン1Aのコントローラ200Aと同じ符号を付し、詳しい説明は省略する。
コントローラ200Bは、通信ユニット201Bと、走行・旋回制御ユニットECU202Bと、刈取・脱穀制御ユニットECU203Bと、本機制御ECU204Bと、エンジン制御ユニットECU205Aと、制御ユニット208とを備える。通信ユニット201B、各ECU202B〜204B、205A、及び制御ユニット208は、CAN通信によってそれぞれ接続されている。なお、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aが備えている距離検出装置206を備えていない。コントローラ200Bは、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などによって構成され、記憶されたプログラムをCPUが読み出すことで、コントローラ200Bの各機能が発揮される。
通信ユニット201Bは、第1コンバイン1Aに設けられた通信ユニット201Aとの間で、無線により信号を送受信する。通信ユニット201Bは、第1コンバイン1Aの通信ユニット201Aを介して、第1コンバイン1Aから制御指令を受信する。また、通信ユニット201Bは、詳しくは後述するペアリングを行う際に、第1コンバイン1Aからの信号に応じて、ペアリングパスワードを送信する。
制御ユニット208には、超音波センサ210が接続される。制御ユニット208は、超音波センサ210からの信号に基づいて、第2コンバイン1Bの周囲に存在する障害物を検出し、障害物を回避対象物として記憶する。障害物は、穀稈、及び圃場以外の物体であり、第1コンバイン1Aも含まれる。
超音波センサ210は、第2コンバイン1Bの上方、例えば、キャビン6や、穀粒排出オーガ9の先端に設けられ、第2コンバイン1Bの前方の障害物を検出する。
走行・旋回制御ユニットECU202B、及び刈取・脱穀制御ユニットECU203Bは、通信ユニット201Bが受信した制御情報、及び制御ユニット208が検出した障害物の情報に基づいて、第2コンバイン1Bを走行させ、穀稈の刈取りを行う。
<作業開始準備制御>
次に、本実施形態の第2コンバイン1Bを作業開始位置まで誘導する作業開始準備制御について、図11を用いて説明する。図11は、作業開始準備制御を説明するフローチャートである。
ステップS100では、第1コンバイン1Aのコントローラ200Aは、第2コンバイン1Bとのペアリングが完了しているかどうか判定する。コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bとのペアリングが完了していない場合には、処理をステップS101に移す。一方、コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bとのペアリングが完了している場合には、今回の処理を終了する。
ステップS101では、第1コンバイン1Aのコントローラ200Aは、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとのペアリングを行う。コントローラ200Aは、例えば、第2コンバイン1Bに向けて無線電波を発信し、第2コンバイン1Bからの応答を受信し、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの周囲にいるかどうか確認する。その際、コントローラ200Aは、通信ユニット201Aにより第2コンバイン1Bからペアリングパスワードを受信する。ペアリングパスワードを第1コンバイン1Aが受信することで、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとのペアリングが完了する。これにより、第1コンバイン1Aから発信される制御情報に基づいて、第2コンバイン1Bが走行可能となる。
ステップS102では、コントローラ200Aは、距離検出装置206によって、第2コンバイン1Bの位置を確認する。コントローラ200Aは、例えば、超音波センサ、GPS装置、画像処理装置により、第2コンバイン1Bの位置を確認する。
ステップS103では、コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置となっているかどうか判定する。作業開始位置は、予め設定された位置であり、第2コンバイン1Bが穀稈の刈取りを開始する位置であり、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとが並んで停止する位置である。
例えば、図12に示すような矩形状の圃場において、右下隅から穀稈の刈取りを開始する場合には、第1コンバイン1Aは圃場の右側の畔に近接する位置から穀稈の刈取りを開始する。図12は、第1コンバイン1A、及び第2コンバイン1Bによって穀稈の刈取りを行う際の第1コンバイン1A、及び第2コンバイン1Bの走行経路を示す図である。この場合、第2コンバイン1Bの作業開始位置は第1コンバイン1Aの左方に第2コンバイン1Bが停止する位置である(図12中、(A))。なお、第1コンバイン1A、及び第2コンバイン1Bが旋回した場合にも同様に、旋回後に、第1コンバイン1Aの左方に第2コンバイン1Bが並んで停止し、この位置が作業開始位置となる(図12中、(E))。なお、図12においては、旋回状態を説明するために(A)における第2コンバイン1Bと(E)における第2コンバイン1Bとの間にスペースがあるが、実際には、穀稈の未刈領域が発生しないように、第1コンバイン1A、及び第2コンバイン1Bは走行する。コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置である場合には、処理をステップS105に移し、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置ではない場合には、処理をステップS104に移す。
ステップS104では、コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置となるように、第2コンバイン1Bに作業開始位置移動指令を出力する。コントローラ200Aは、距離検出装置206によって検出した第2コンバイン1Bの位置と作業開始位置とを比較し、第2コンバイン1Bが作業開始位置に来るように、第2コンバイン1Bに作業開始位置移動指令を出力する。
詳しくは後述するが、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの旋回に応じて旋回すると(図12中、(D))、ペアリングが解消される。このような場合には、作業開始位置移動指令に基づいて、第2コンバイン1Bは走行する。そして第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aの左方に並んで停止し、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置となる(図12中、(E))。
ステップS105では、コントローラ200Aは、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置となっていることを作業者などに報知する。コントローラ200Aは、警音器などにより音を発生させたり、モニターユニット207Aに作業開始準備が完了したことを表示させたりする。なお、第2コンバイン1Bにより、音を発生させて、第2コンバイン1Bの位置が作業開始位置となっていることを作業者などに報知してもよい。
ステップS106では、コントローラ200Aは、作業開始指令を出力する。作業開始指令が出力され、この指令を第2コンバイン1Bが受信すると、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aと並走し、第1コンバイン1Aに追従して穀稈の刈取りを開始する。
<走行制御>
次に、第2コンバイン1Bの走行制御について、図13〜図15のフローチャートを用いて説明する。図13〜図15は、第2コンバイン1Bの走行制御を説明するフローチャートである。
ステップS200では、第2コンバイン1Bのコントローラ200Bは、作業開始指令が出力されているかどうか判定する。コントローラ200Bは、作業開始指令が出力されている場合には、処理をステップS201に進める。一方、コントローラ200Bは、作業開始指令が出力されていない場合には、今回の処理を終了する。
ステップS201では、コントローラ200Bは、超音波センサ210によって第2コンバイン1Bの前方の障害物を検出する。
ステップS202では、コントローラ200Bは、超音波センサ210によって第2コンバイン1Bの前方に障害物が存在するかどうか判定する。コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの前方に障害物が存在しないと判定した場合には、処理をステップS203に移す。一方、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの前方に障害物が存在すると判定した場合には、処理をステップS219に移す。なお、ここでは、第1コンバイン1Aも障害物として判定されるため、例えば、第1コンバイン1Aが旋回し、第2コンバイン1Bの前方を走行している場合には、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの前方に障害物があると判定し、処理をステップS219に移す。
ステップS203では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの刈取クラッチ235を接続するとともに、第2コンバイン1Bの脱穀クラッチ81を接続する。
ステップS204では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bを前進させる。これにより、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りが開始される。
なお、第2コンバイン1Bを前進させている場合には、ステップS203、及びステップS204を省略する。
ステップS205では、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aから制御情報を受信する。ここでの、制御情報は、走行速度指令、前進方向調整指令、及び第1コンバイン1Aの旋回情報である。
ステップS206では、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回情報に基づいて第1コンバイン1Aが旋回したかどうか判定する。コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが旋回した場合には、処理をステップS210に移す。一方、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが旋回していない場合には、処理をステップS207に移す。
ステップS207では、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回方向を記憶しているかどうか判定する。コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回方向を記憶している場合には、処理をステップS212に移す。一方、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回方向を記憶していない場合には、処理をステップS208に移す。
ステップS208では、コントローラ200Bは、走行速度指令に基づいて、第2コンバイン1Bの走行速度を制御する。これにより、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aに対する前後間隔を調整しながら自律走行する。
ステップS209では、コントローラ200Bは、前進方向調整指令に基づいて、第2コンバイン1Bの前進方向を調整する。これにより、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aが刈り取った穀稈列に隣接する穀稈列の穀稈を刈取りながら自律走行する。
ステップS208、及びステップS209の処理により、第2コンバイン1Bは、第1コンバイン1Aとの前後間隔、及び左右間隔を調整しながら、穀稈を刈り取る(図12中、(B))。
ステップS206において、コントローラ200Bが、第1コンバイン1Aが旋回したと判定した場合には、ステップS210では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bを停止させる。具体的には、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが旋回した場合に、第2コンバイン1Bの前方を第1コンバイン1Aが横断可能となるように第2コンバイン1Bを停止させる(図12中、(C))。
ステップS211では、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回方向を記憶する。
ステップS207における判定時に、コントローラ200Bが第1コンバイン1Aの旋回方向を記憶していた場合には、ステップS212において、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aの旋回に基づいて第2コンバイン1Bが旋回する位置である、第2コンバイン1Bの旋回位置までの距離を測定する。コントローラ200Bは、例えば、超音波センサ210により、第1コンバイン1Aが旋回した時の第1コンバイン1Aまでの距離を測定し、測定した距離に基づいて第2コンバイン1Bの旋回位置を決定する。そして、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの旋回位置までの距離を測定する。旋回位置は、第2コンバイン1Bが旋回後に、第1コンバイン1Aと同じ経路を走行する位置である。すなわち、第2コンバイン1Bは、旋回後に、第1コンバイン1Aが通った経路と同じ経路を走行する。
ステップS213では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bが旋回位置に到達したかどうか判定する。コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bが旋回位置に到達したと判定すると、処理をステップS214に移す。一方、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bが旋回位置に到達していないと判定すると、今回の処理をステップS212に戻す。
ステップS214では、コントローラ200Bは、記憶した第1コンバイン1Aの旋回方向に基づいて、記憶した旋回方向に第2コンバイン1Bを旋回させる。
ステップS215では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの旋回が終了したかどうか判定する。具体的には、コントローラ200Bは、予め設定された旋回時間、または旋回距離(旋回角度)旋回したかどうか判定する。コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの旋回が終了したと判定すると、処理をステップS216に移す。一方、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの旋回が終了していない場合には、処理をステップS214に戻す。
ステップS216では、コントローラ200Bは、記憶していた第1コンバイン1Aの旋回方向の情報を削除する。
ステップS217では、コントローラ200Bは、ペアリングを解除する。
ステップS218では、コントローラ200Bは、刈取クラッチ235の接続を解除するとともに、脱穀クラッチ81の接続を解除する。これにより、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りが中止される。
このように、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの旋回に追従して旋回するとペアリングが一旦解除されるが、「作業開始準備制御」のステップS101において直ぐにペアリングが行われる。そのため、第1コンバイン1Aの旋回に追従して旋回した第2コンバイン1Bは、作業開始位置移動指令に基づいて走行し、作業開始位置まで移動する(図12中、(D)、(E))。
ステップS202において、コントローラ200Bが第2コンバイン1Bの前方に障害物が存在すると判定した場合には、ステップS219において、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが、第2コンバイン1Bの前方を通過しているかどうか判定する。すなわち、障害物が第1コンバイン1Aであるかどうか判定する。コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが、第2コンバイン1Bの前方を通過していると判定した場合には、処理をステップS220に移す。一方、コントローラ200Bは、第1コンバイン1Aが、第2コンバイン1Bの前方を通過していない場合には、前方の障害物を回避するために処理をステップS221に移す。
ステップS220では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bを停止させる。これにより、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの接触を防止することができる。
ステップS221では、コントローラ200Bは、第1方向への旋回により障害物を回避可能かどうか判定する。第1方向は、第1コンバイン1Aが走行している側である。例えば、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの左後方を走行し、穀稈の刈取りを行っている場合には、コントローラ200Bは、超音波センサ210からの信号に基づいて障害物の大きさを測定し、右旋回により、障害物を回避できるかどうか判定する。コントローラ200Bは、第1方向への旋回により障害物を回避可能である場合には、処理をステップS222に移す。一方、コントローラ200Bは、第1方向へ旋回させても、障害物を回避できないと判定した場合には、処理をステップS224に移す。
ステップS222では、コントローラ200Bは、刈取クラッチ235の接続を解除するとともに、脱穀クラッチ81の接続を解除する。
ステップS223では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bを第1方向へ旋回させながら走行することで、障害物を回避する。コントローラ200Bは、例えば、障害物に対して、障害物の回避に伴う第2コンバイン1Bの走行距離が最も短くなるように旋回する。これにより、第2コンバイン1Bによる障害物の回避時間を短くし、作業効率を向上させることができる。また、第2コンバイン1Bの燃費を向上させることができる。なお、障害物を回避した後は、逆側に旋回させながら走行することで、第1コンバイン1Aに対する第2コンバイン1Bの相対的な位置を、旋回前の位置に戻す。
ステップS224では、コントローラ200Bは、第2方向への旋回により障害物を回避可能かどうか判定する。第2方向は、第1方向とは逆方向であり、第1コンバイン1Aが走行していない側である。例えば、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの左後方を走行し、穀稈の刈取りを行っている場合には、コントローラ200Bは、超音波センサ210からの信号に基づいて障害物の大きさを測定し、左旋回により、障害物を回避できるかどうか判定する。コントローラ200Bは、第2方向への旋回により障害物を回避可能であると判定した場合には、処理をステップS225に移す。一方、コントローラ200Bは、第2方向へ旋回させても、障害物を回避できないと判定した場合には、処理をステップS226に移す。
ステップS225では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bを第2方向へ旋回させながら走行することで、障害物を回避する。この場合、穀稈が刈り取られていない圃場を第2コンバイン1Bが走行することが考えられるため、刈取クラッチ235、及び脱穀クラッチ81の接続は解除しない。これにより、第2コンバイン1Bが、障害物を回避し、穀稈が刈り取られていない圃場を走行する場合には、穀稈の刈取りを継続しながら、障害物を回避する。コントローラ200Bは、例えば、障害物に対して、障害物の回避に伴う第2コンバイン1Bの走行距離が最も短くなるように旋回する。これにより、第2コンバイン1Bにおける作業効率を向上させ、燃費を向上させることができる。また、コントローラ200Bは、例えば、障害物の周囲に穀稈の未刈領域が少なくなるように旋回する。これにより、第2コンバイン1Bにおける作業効率を向上させることができる。障害物を回避した後は、逆側に旋回させながら走行することで、第1コンバイン1Aに対する第2コンバイン1Bの相対的な位置を、旋回前の位置に戻す。
ステップS226では、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの走行を停止させる。旋回により障害物を回避できない場合には、コントローラ200Bは、第2コンバイン1Bの走行を停止させることで、障害物への接触を防止する。なお、コントローラ200Bは、警告音を発生してもよい。また、コントローラ200Bは、通信ユニット201Bを介して、第1コンバイン1Aのモニターユニット207Aの警告灯を表示させてもよい。
なお、この場合、障害物の手前となる停止位置まで第2コンバイン1Bを走行させて停止させてもよい。障害物の手前となる停止位置は、予め設定されており、障害物に第2コンバイン1Bが接触せず、かつ穀稈の刈取り距離が長くなる位置である。これにより、障害物の手前までの穀稈を第2コンバイン1Bにより刈取ることができる。
<効果>
第1コンバイン1Aに無人で追従走行する第2コンバイン1Bが、障害物を検出すると、第2コンバイン1Bは、走行しながら、障害物を回避するので、第2コンバイン1Bによって穀稈の刈取りを継続することができ、作業効率を向上させることができる。
第2コンバイン1Bの位置が第2コンバイン1Bの作業開始位置となった場合に、例えば、超音波センサ210によって障害物の検出を行うことで、作業中の障害物を正確に検出することができる。
第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔が大きくなると、第2コンバイン1Bの走行速度を増速することで、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔を保ちつつ、作業を行うことができる。また、第2コンバイン1Bの走行速度を増速することで、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取り作業を素早く行い、作業時間が長くなることを抑制し、作業効率を向上させることができる。
先行する第1コンバイン1Aから第2コンバイン1Bに指示を出すことで、第2コンバイン1Bに対する第1コンバイン1Aへの追従性を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
第2コンバイン1Bの前方を第1コンバイン1Aが横断可能となるように、前後間隔を維持することで、第1コンバイン1Aが旋回した場合であっても、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの接触を防止することができる。
第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの左右間隔が大きくなると、第2コンバイン1Bの前進方向を調整し、第2コンバイン1Bを第1コンバイン1A側へ移動させることで、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの間に未刈領域が発生することを抑制することができる。
先行する第1コンバイン1Aから第2コンバイン1Bに指示を出すことで、第2コンバイン1Bに対する第1コンバイン1Aへの追従性を向上させることができ、作業効率を向上させることができる。
第2コンバイン1Bが作業開始位置となると、そのことを報知することで、第1コンバイン1Aを操作する作業者が作業の開始を容易に判断することができる。また、例えば、音を発生させて報知することで、周囲の人に第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りが開始されることを知らせ、周囲の人の安全性を向上させることができる。
<変形例>
上記実施形態では、第1コンバイン1Aによって第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔、及び左右間隔を検出し、第1コンバイン1Aから第2コンバイン1Bの制御情報を出力したが、これに限られることはない。第2コンバイン1Bに、第1コンバイン1Aと同様の距離検出装置206を設け、第2コンバイン1Bが検出した、前後間隔、及び左右間隔に基づいて、第2コンバイン1Bを制御し、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りを行ってもよい。
また、第2コンバイン1Bは、距離検出装置206を設けている場合には、自機が有する距離検出装置206によって検出した情報に基づいて作業開始位置へ移動してもよい。
また、第1コンバイン1Aが旋回した場合にペアリングを解除せずに、第1コンバイン1Aが通った跡を第2コンバイン1Bに走行させ、作業開始位置に第2コンバイン1Bを移動させてもよい。例えば、第2コンバイン1Bが第1コンバイン1Aの旋回に応じて旋回した場合には、第1コンバイン1Aが更なる旋回を行うまでは、左右間隔を考慮せずに直進させ、第1コンバイン1Aが更なる旋回を行うと、第1コンバイン1Aが旋回した箇所よりも手前で第2コンバイン1Bを旋回させる。このようにして、ペアリングを解除せずに、第2コンバイン1Bを作業開始位置まで移動させてもよい。
また、上記実施形態では、第2コンバイン1Bの走行速度を制御することで、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔を調整したが、第1コンバイン1Aの走行速度を調整するように、第1コンバイン1Aに指示を出してもよい。この場合、例えば、第1コンバイン1Aのモニターユニット207Aに、減速指示、または増速指示を表示させる。
また、第1コンバイン1Aを無人で自律走行させてもよい。
また、第1コンバイン1Aが旋回した場合に、第2コンバイン1Bの前方を第1コンバイン1Aが横断可能となるスペースがない場合には、第2コンバイン1Bを後進させて、第2コンバイン1Bの前方に第1コンバイン1Aが横断可能となるスペースを確保した後に第2コンバイン1Bを停止させてもよい。
また、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りを開始する場合、作業開始指令が出力されてから、第1コンバイン1Aと第2コンバイン1Bとの前後間隔が、例えば、第2所定前後間隔となるまでは、第2コンバイン1Bを停止させ、第2所定前後間隔となった後に、第2コンバイン1Bを前進させて穀稈の刈取りを開始してもよい。また、第2コンバイン1Bの前進を開始する際に、例えば、第2コンバイン1Bの走行速度を通常よりも遅くし、または第2コンバイン1Bを間欠走行させてもよい。これにより、第2コンバイン1Bの前進開始時に、第1コンバイン1Aとの接触を防止することができる。
また、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りを開始した直後に、第2コンバイン1Bの前方に障害物が検出された場合には、第2コンバイン1Bを後進させてもよい。この場合、例えば、第2コンバイン1Bの走行速度(後進速度)を通常よりも遅くし、または第2コンバイン1Bを間欠走行により後進させる。これにより、例えば、第2コンバイン1Bの後方にも障害物がある場合に、障害物を取り除くことができる。
また、第2コンバイン1Bが作業開始位置に移動した場合に、第2コンバイン1Bが作業開始指令を受信する前、または前進を開始する前に、超音波センサ210によって障害物を検出し、その位置を記憶してもよい。すなわち、第2コンバイン1Bによる穀稈の刈取りを開始する前に、障害物の検出を事前に行い、障害物が検出された場合には、その位置を記憶してもよい。なお、ここでの障害物の検出は、例えば、予め設定された一定時間、または第2コンバイン1Bが予め設定された一定移動距離を走行するまでの間行われる。
これにより障害物が検出された場合には、例えば、この障害物を回避できる位置に、第2コンバイン1Bを移動させてもよい。また、例えば、この障害物に接触しない所定半径の経路に沿って第2コンバイン1Bを走行させてもよい。所定半径は、例えば、障害物に接触しない最少半径である。これにより、障害物を回避するための回避距離を短くし、第2コンバイン1Bの燃費を向上させることができる。また、例えば、第2コンバイン1Bを左右方向に、予め設定された所定の経路に沿って移動させてもよい。これにより、障害物を回避することができる。
第2コンバイン1Bは、超音波センサ210以外の装置、例えばカメラなどを用いた画像処理などによって障害物を検出してもよい。
コントローラ200A、200Bにおいては、更に複数のECUによって構成してもよく、また複数のECUを統合してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細、及び代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲、及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1A 第1コンバイン(第1作業車両)
1B 第2コンバイン(第2作業車両)
200A コントローラ
200B コントローラ
206 距離検出装置(第1距離検出手段、第2距離検出手段)
207A モニターユニット(報知手段)
210 超音波センサ(障害物検出手段)
300 作業車両走行システム

Claims (8)

  1. 先行車両である第1作業車両と、
    前記第1作業車両に無人で追従走行する第2作業車両と、
    を備え、
    前記第2作業車両は、
    前記第2作業車両の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段
    を備え、
    前記第2作業車両は、
    前記第2作業車両の前方に障害物を検出した場合に、前記第1作業車両に追従走行しながら、当該障害物を回避する構成とした作業車両走行システム。
  2. 前記障害物検出手段は、
    前記第2作業車両の位置が前記第2作業車両の作業開始位置となった場合に、前記障害物の検出を開始する構成とした請求項1に記載の作業車両走行システム。
  3. 前記第1作業車両と前記第2作業車両との前後間隔を検出する第1距離検出手段を備え、
    前記第2作業車両は、
    前記前後間隔が第1所定距離よりも大きくなると、走行速度を増速する構成とした請求項1または2に記載の作業車両走行システム。
  4. 前記第1作業車両は、
    前記第1距離検出手段を備え、
    前記前後間隔が前記第1所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両へ、前記走行速度を増速するように指示する構成とした請求項3に記載の作業車両走行システム。
  5. 前記第1作業車両と前記第2作業車両との前後間隔を検出する第1距離検出手段を備え、
    前記第2作業車両は、
    前記第2作業車両の前方を少なくとも前記第1作業車両が横断可能となるように、前記第1作業車両との前後間隔を維持する構成とした請求項1から4のいずれか1項に記載の作業車両走行システム。
  6. 前記第1作業車両と前記第2作業車両との左右間隔を検出する第2距離検出手段を備え、
    前記第2作業車両は、
    前記左右間隔が第2所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両を前記第1作業車両側に移動させる構成とした請求項1から5のいずれか1項に記載の作業車両走行システム。
  7. 前記第1作業車両は、
    前記第2距離検出手段を備え、
    前記左右間隔が前記第2所定距離よりも大きくなると、前記第2作業車両へ、前記第1作業車両側へ移動するように指示する構成とした請求項6に記載の作業車両走行システム。
  8. 前記第1作業車両と前記第2作業車両との前後間隔を検出する第1距離検出手段と、
    前記第1作業車両と前記第2作業車両との左右間隔を検出する第2距離検出手段と
    前記前後間隔、及び前記左右間隔に基づいて、前記第2作業車両の位置が作業開始位置となった場合に、前記第2作業車両の位置が前記作業開始位置となったことを報知する報知手段と、
    を備える構成とした請求項1から7のいずれか1項に記載の作業車両走行システム。
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