JP2017173557A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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【課題】表示像を大型化しても、太陽光対策を講じることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供する。【解決手段】 ヘッドアップディスプレイ装置10は、表示光12を出射する表示器13と、出射された表示光12を反射する第1ミラー14と、第1ミラー14で反射された表示光15を反射する第2ミラー16と、表示器13、第1、第2ミラー14,16を収納するケース20を備える。第1ミラー14は、反射された表示光15を第2ミラー16に到達する前に上下でクロスさせる曲率を有した第1凹面鏡であり、第2ミラー16は、受けた表示光を反射する第2凹面鏡であり、ケース20は、第1、第2凹面鏡14,16間の光路21を挟むように、且つクロスするクロス点22の近傍まで延びる第1遮蔽部23及び第2遮蔽部24と、光路となる開口部29に可視光を透過させ赤外線を反射する透過部材28を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光対策を施したヘッドアップディスプレイ装置に関する。
車両の運転者は、フロントガラスを通して前方を注視すると共に、インストルメントパネル上の計器類を目視しながら運転を実施する。すなわち、視線が前方と下方の計器類とへ移動する。前方を見たままで、計器類を見ることができれば、視線の移動がなく、運転性の向上が期待できる。この知見からヘッドアップディスプレイ装置が開発され、実用に供されるようになってきた。ヘッドアップディスプレイ装置に関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
特許文献1の図1に示されるように、HUD表示器(2)(括弧付き数字は、特許文献1に記載された符号を示す。以下同様)から上へ出射された画像光線は、フロントガラス(5)の内面に当たり、反射され運転者の前方に結像される(特許文献1、段落番号[0012])。不使用時は、シャッタ(4)で光路を遮断することで、外光(太陽光)がHUD表示器(2)に到達しないようにする。これで、HUD表示器(2)の損傷を防止することができる(特許文献1、段落番号[0006])。
シャッタ(4)及びこのシャッタ(4)を駆動する駆動手段が必要であるため、ヘッドアップディスプレイ装置が高価になると共に大型になる。その上、不使用時でないとき、すなわち運転中は、シャッタ(4)が開いているため、このときには太陽光の入射を防ぐことができない。運転中を含め、常時、太陽光の入射を防ぐことができる構造が求められる。
シャッタを用いることなく太陽光対策を講じたヘッドアップディスプレイ装置に関する従来技術として、特許文献2に開示される技術がある。
特許文献2の図1に示されるように、光路に反射型偏光フィルム(21)(括弧付き数字は、特許文献2に記載された符号を示す。以下同様)を介在させる。反射型偏光フィルム(21)の存在により、太陽光(b)が入射しても液晶セル(16)の温度は上昇しない(特許文献2、段落番号[0013])。なお、反射型偏光フィルム(21)はガラス基板(22)の上面に貼着されている。
特許文献2によれば、常時、太陽光対策を講じることができる。
特開2003−237411号公報 特許第4114194号公報
しかしながら、表示像の大型化を目的として凹面反射鏡(24)を大型化した場合に、太陽光が反射型偏光フィルム(21)に当たる面積が広くなることが予想される。太陽光に含まれる赤外線を受ける量が増加することによって反射型偏光フィルム(21)で発生する熱が増大し、液晶セル(16)の表面温度が上昇する可能性が生じる。
本発明は、表示像を大型化しても、太陽光対策を講じることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本発明は、表示光12を出射する表示器13と、この表示器13で出射された表示光12を反射する第1ミラー14と、この第1ミラー14で反射された表示光15を反射する第2ミラー16と、表示器13、第1、第2ミラー14,16を収納するケース20とを備えるヘッドアップディスプレイ装置10において、第1ミラー14は、反射された表示光15を第2ミラー16に到達する前に上下でクロスさせる曲率を有した第1凹面鏡であり、第2ミラー16は、受けた表示光を反射する第2凹面鏡であり、ケース20は、第1、第2凹面鏡14,16間の光路21を挟むように、且つクロスするクロス点22の近傍まで延びる第1遮蔽部23及び第2遮蔽部24と、第1遮光部23と第2遮光部24との間における光路となる開口部29に可視光を透過させ赤外線を反射する透過部材28を備えることを特徴とする。
第1、第2遮蔽部23,24は、ケース20の一般部26よりも熱伝導率が高い材料で形成されている。
第1、第2遮蔽部23,24は、ケース20の一般部26よりも耐熱温度が高い材料で形成されている。
第1、第2遮蔽部23,24には、少なくとも外光が当たる部位に、外光の反射を弱める又は阻止する反射防止処理が施されている。
以上の構成によって、本発明は、所期の目的を達成することができ、表示像を大型化しても、太陽光対策を講じることができるヘッドアップディスプレイ装置を提供することができる。
本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置の基本構成図である。 本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置の分解図である。 本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置の断面図である。 第1、第2遮蔽部の遮蔽作用を説明する図である。
以下、本発明を車両用のヘッドアップディスプレイ装置に適用した一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、本発明のヘッドアップディスプレイ装置の基本構成を図1に基づいて説明する。
ヘッドアップディスプレイ装置10は、光源11の上に配置され表示光12を出射する表示器13と、この表示器13で出射された表示光12を反射する第1ミラーとしての第1凹面鏡14と、この第1凹面鏡14で反射された表示光15を反射する第2ミラーとしての第2凹面鏡16と、光源11、表示器13、第1、第2凹面鏡14,16を収納するケース20と、を備えている。
さらには、第1凹面鏡14は、反射された表示光15を第2ミラー16に到達する前に上下でクロスさせる曲率(半径の逆数)を有し、第2凹面鏡16は、受けた表示光を反射する役割を果たす。
ケース20は、第1、第2凹面鏡14,16を支えると共に第2遮蔽部24を備えるセンターフレーム30と、このセンターフレーム30の上に取付けられ第1遮蔽部23を備える上カバー50と、第1遮蔽部23と第2遮蔽部24との間(開口部29)に設けられるホットミラー28と、センターフレーム30の下に取付けられる下カバー55と、からなる。
第1、第2遮蔽部23,24は外光を遮断する役割を果たすため、ケース20の他の部位(遮蔽部23,24から離れた部位、例えば底部。以下、一般部26と記す。)より、高温になる。そのため、ケース20の一般部26よりも第1、第2遮蔽部23,24は、耐熱性を高めることが望まれる。本実施形態では、センターフレーム30はアルミダイカスト、上カバー50はポリカーボネート、下カバー55はABS樹脂で構成した場合を例示する。
ケース20は、第1、第2凹面鏡14,16間の光路21を挟むように、且つクロスするクロス点22の近傍まで延びる第1遮蔽部23及び第2遮蔽部24を備えている。また、第1、第2遮蔽部23,24の間(開口部29)にホットミラー28を備えている。
ホットミラー28は、略矩形状の例えばアクリル樹脂からなる光透過性のガラス基板(基板)と、ガラス基板の一方の面(つまり第2凹面鏡16と向かい合う面)に設けられる多層の干渉膜からなる反射層とから構成され、第1凹面鏡14から第2凹面鏡16へと至る表示光12の光路中に配設される。第1遮光部23と第2遮光部24の間に生じる開口部29を塞ぐように第1遮光部23と第2遮光部24の内側(第1凹面鏡14側)に配設され、図示しないビスや接着剤、または両面テープなどによって固定されることが望ましい。この他に、ホットミラー28を第1,第2遮光部23,24に弾性部材(例えば、バネ)等を用いて挟み込むように保持することもでき、この場合、ホットミラー28が吸収した熱を直接、第1,第2遮光部23,24へ伝熱して、ホットミラー28の耐熱温度以上に至らないような作用を期待できる。
ホットミラー28は、第1凹面鏡14で反射される可視光線からなる表示光を効率よく第2凹面鏡16側へと透過させる。また、ケース20外からケース20内に侵入し第2凹面鏡16で反射され第1凹面鏡14に向かう外光25のうち赤外線(熱線)を反射させる機能(特性)を有してなる。
ケース20外からケース20内に侵入し第2凹面鏡16で反射され第1凹面鏡14に向かう外光25を、第1、第2遮蔽部23,24で遮蔽することができる。
センターフレーム30は、取付けフランジ31、31を外周に備え、内部に斜め上に延びる第2遮蔽部24を備える。
例えば、センターフレーム30にステイ32を溶接し、このステイ32に接着層33で第1凹面鏡14を固定する。また、センターフレーム30の内面に溶接されたステイ34〜36に接着層37〜39で第2凹面鏡16を固定する。
センターフレーム30の下部からステイ41を延ばす。一方、光源11と表示器13を筒形ブラケット42に嵌め、この筒形ブラケット42から延ばしたブラケット片43をステイ41にビス44、44で固定する。
センターフレーム30は、樹脂成形品より格段に強度が高く、剛性に富む。剛性に富むセンターフレーム30に、第1、第2凹面鏡14,16や表示器13を一括して取付けるため、これらの光軸調整が狂い難くなる。さらに、剛性に富むセンターフレーム30は、取付けフランジ31、31で車両に取付けられる。実施例のヘッドアップディスプレイ装置10は、剛性に富むため光軸の再調整が必要となる恐れが小さい。
上カバー50は、上面にカバーガラス51を備え、斜め下へ延びる第1遮蔽部23を一体的に備えている。
下カバー55は、上に開口する有底筒体であり、プリント基板56を内蔵している。
センターフレーム30に、下からビス57、57で下カバー55を取付け、上からビス52で上カバー50を取付ける。
表示器13から出射された表示光12は第1凹面鏡14で反射され、この第1凹面鏡14で反射された表示光15は、第1、第2遮蔽部23,24の間を通過して、第2凹面鏡16に至る。第2凹面鏡16で反射された表示光17は上昇し、車両のフロントガラス66に至る。
図4(a)に示すように、太陽58の高度が低い場合、太陽光に代表される外光25は、カバーガラス51を通過し、第2凹面鏡16で反射され、第1遮蔽部23で遮蔽される。第1遮蔽部23は、耐熱性に優れるポリカーボネートであるため、熱に対する強度が高い。
太陽58の高度が高い場合、図4(b)に示すように、外光25は、カバーガラス51を通過し、第2凹面鏡16で反射され、第2遮蔽部24で遮蔽される。第2遮蔽部24は、耐熱性にさらに優れるアルミニウムであるため、熱に対する強度がさらに高い。
外光25が、カバーガラス51を通過し、第1遮光部23と第2遮光部24の間にあるホットミラー28に到達した場合には、外光25のうち可視光線を通過させ、発熱に起因する赤外線(赤外成分の光)を反射する。
このような構成によって、外光25がケース20内に到達しても、第1遮光部23と第2遮光部24で外光(可視光線と赤外線)が遮断されるか、ホットミラー28で赤外線が遮断(反射)される。従って、外光25による表示器13や光源11の温度上昇を抑制することができる。
なお、ホットミラー28によって反射した外光25の赤外成分の光が、耐熱温度の高い部材へ照射されるように、ホットミラー28は、適宜必要な傾斜を設けて第1、第2遮蔽部23,24に配置される。
また、第1、第2遮蔽部23,24は、ケースの一般部26よりも熱伝導率が高い材料で形成されているため、第1、第2遮蔽部23,24内での熱移動を促すことができ、第1、第2遮蔽部23,24の温度を下げることができる。即ち、高温になりやすい第1、第2遮蔽部23,24に熱が留まることを抑制することができる。
また、第1、第2遮蔽部23,24は、ケースの一般部26よりも耐熱温度が高い材料で形成されているため、熱に対する強度を高めることができる。
また、第1、第2遮蔽部23,24には、少なくとも外光25が当たる部位に、外光25の反射を弱める又は阻止する反射防止処理が施されている。第1、第2遮蔽部23,24に当たった外光25が第2凹面鏡16へ戻る心配がなくなる。
以上の説明は、本発明を例示するものであって、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述実施形態では、透過部材28をホットミラーとしたが、可視光を透過させ赤外線を反射するものであれば良く、例えば前記機能を有する偏光板を貼付したガラスでも同様の効果が期待できる。
また、上述実施形態では、第1遮光部23と第2遮光部24の間全域を透過部材28で覆う場合を例示したが、集光度が高いクロス点22付近のみを透過部材28で覆う構成としても同様の効果が期待できる。なお、透過部材28の配置がクロス点22に近い程、表示可視光を通すのに必要な面積が小さくて済むため、透過部材(ホットミラー)28のサイズを小さくでき、安価に構成できる。また、第1、第2遮蔽部23,24間の開口部が小さい程、第1、第2遮蔽部23,24を広く設けることができ、上述した実施形態の効果をより高めることができる。
また、上カバー50の全部をアルミニウムダイカスト製、又は軽金属製にすることは差し支えない。
また、本発明のヘッドアップディスプレイ装置10は、乗用車に好適であるが、一般の車両、船舶、航空機に適用することは差し支えない。
本発明のヘッドアップディスプレイ装置は、フロントガラスを備える車両に好適である。
10 ヘッドアップディスプレイ装置
11 光源
12 表示光
13 表示器
14 第1ミラー(第1凹面鏡)
15 表示光
16 第2ミラー(第2凹面鏡)
17 表示光
20 ケース
21 光路
22 クロス点
23 第1遮蔽部
24 第2遮蔽部
25 外光
26 一般部
27 反射防止処理膜
28 ホットミラー(透過部材)
29 開口部
30 センターフレーム
31 取付フランジ
32 ステイ
33 接着層
34 ステイ
35 ステイ
36 ステイ
37 接着層
38 接着層
39 接着層
41 ステイ
42 筒状ブラケット
43 ブラケット片
44 ビス
50 上カバー
51 カバーガラス
52 ビス
55 下カバー
56 プリント基板
57 ビス
58 太陽
59 棒
61 放熱フィン
66 フロントガラス

Claims (4)

  1. 表示光を出射する表示器と、この表示器で出射された表示光を反射する第1ミラーと、
    この第1ミラーで反射された表示光を反射する第2ミラーと、前記表示器、前記第1、第2ミラーを収納するケースとを備えるヘッドアップディスプレイ装置において、
    前記第1ミラーは、反射された表示光を前記第2ミラーに到達する前に上下でクロスさせる曲率を有した第1凹面鏡であり、
    前記第2ミラーは、受けた表示光を反射する第2凹面鏡であり、
    前記ケースは、前記第1、第2凹面鏡間の光路を挟むように、且つ前記クロスするクロス点の近傍まで延びる第1遮蔽部及び第2遮蔽部と、前記第1遮光部と前記第2遮光部との間における前記光路となる開口部に可視光を透過させ赤外線を反射する透過部材を備え
    ることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記第1、第2遮蔽部は、前記ケースの一般部よりも熱伝導率が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  3. 前記第1、第2遮蔽部は、前記ケースの一般部よりも耐熱温度が高い材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置。
  4. 前記第1、第2遮蔽部には、少なくとも前記外光が当たる部位に、前記外光の反射を弱める又は阻止する反射防止処理が施されていることを特徴とする請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置。

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