JP2017172897A - 吸収式冷凍機 - Google Patents
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Abstract
Description
このような吸収式冷凍機においては、冷房負荷の最大値と暖房負荷の最大値とをそれぞれ別個に設定し、どちらの最大負荷にも対応することができるように、これらの最大値に安全率を見込んで、過大な容量の吸収式冷凍機を設置するようにしていた。
このような問題を解決するため、従来から、例えば、冷水ラインの空調負荷から蒸発器に向かう領域に介装されて水温を計測する温度センサと、制御手段とを有し、該制御手段は、温度センサで計測された水温がしきい値を超えた状態が所定時間以上継続した場合に、再生器を加熱する加熱手段への入力を増加させる制御を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図1は、本実施形態に係る吸収式冷凍機の概略構成図である。本実施形態においては、吸収式冷凍機1として二重効用吸収式冷凍機1の例を示しており、この吸収式冷凍機1は、冷媒に水を、吸収液に臭化リチウム(LiBr)水溶液を使用している。
吸収式冷凍機1は、図1に示すように、高温再生器10と、低温再生器11と、凝縮器12と、蒸発器13と、吸収器14とを備えている。本実施形態においては、低温再生器11と、凝縮器12とは、一体の容器に収納されており、蒸発器13と、吸収器14とは一体の容器に収納されている。
高温再生器10、低温再生器11、凝縮器12、蒸発器13、吸収器14、高温熱交換器15、低温熱交換器16は、それぞれ吸収液配管17および冷媒配管18により接続され、吸収液系の循環路および冷媒系の循環路が構成されている。
一方、蒸発した冷媒蒸気は、冷媒配管18aを介して凝縮器12に供給されるが、低温再生器11内を通過する際に低温再生器11に貯留された中濃吸収液との間で熱交換することにより放熱して気液混合液となり、その後、液化して冷媒液となって凝縮器12の底部に貯留される。
吸収器14の底部に溜まった稀吸収液は、稀吸収液ポンプ21により吸収液配管17aを介して高温再生器10に戻されるが、途中で低温熱交換器16を通過する際に低温再生器11から吸収器14に向かって流れる中温濃吸収液との間で熱交換して加熱され、次いで高温熱交換器15を通過する際に高温再生器10から低温再生器11に向かって流れる高温濃吸収液との間で熱交換して再加熱された後に高温再生器10に戻される。
そして、冷却水ポンプ30を駆動することにより、冷却水配管25を介して吸収器14と凝縮器12を経由して冷却水を循環させるように構成されている。
また、冷水配管26の入口側には、冷水を循環させるための冷水ポンプ31が設けられており、冷水ポンプ31を駆動することにより、蒸発器13と空気調和装置との間で冷水を循環させるように構成されている。冷水ポンプ31は、同様に、インバータ制御により、能力を可変することができるように構成されている。
さらに、冷水配管26の入口側および出口側には、冷水の温度を検出するための冷水入口温度センサ32および冷水出口温度センサ33(温度センサ)がそれぞれ設けられている。
図2は、本実施形態の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態の吸収式冷凍機1は、コントローラ40を備えており、コントローラ40は、制御手段としての制御装置41を備えている。制御装置41は、吸収式冷凍機1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行部としてのCPU、このCPUによって実行可能な基本制御プログラムや所定のデータ等を不揮発的に記憶するROM、RAM、その他の周辺回路などを備えている。
また、制御装置41には、冷水入口温度センサ32および冷水出口温度センサ33の検出信号が入力されるように構成されている。
また、コントローラ40は、メモリ42と、タイマ43と、操作部44と、運転表示部45とをそれぞれ備えている。
コントローラ40の制御装置41は、吸収式冷凍機1のバーナ20の燃料制御弁46を制御することで、バーナ20による燃焼制御を行うとともに、稀吸収液ポンプ21、濃吸収液ポンプ22および冷媒ポンプ27の駆動制御を行うように構成されている。さらに、コントローラ40の制御装置41は、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ31のインバータ制御を行うことで、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ31による流量制御を行うように構成されている。
そのため、本実施形態の吸収式冷凍機1は、高負荷以外の通常の負荷に対応することができる機器を用い、高負荷時には、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ31の能力を高めるとともに、バーナ20の能力を上げることで、対応するようにしたものである。
また、冷却水ポンプ30は、定格運転時には、最大で供給することができる冷却水流量の70%程度の冷却水流量で駆動することができるように構成されていてる。すなわち、最大能力を100%とした場合、定格運転時には、70%程度の能力で駆動するようになっている。
図3に示すように、通常の負荷時には、冷房負荷が100%に至るまでは、冷却水の流量が定格流量以下となるように、冷却水ポンプを最大能力より押さえた能力で駆動するものである。そして、定格出力以上の運転を行う場合には、冷却水ポンプを最大能力で運転させることで、高負荷まで対応することが可能となる。
すなわち、冷却水ポンプ30および冷水ポンプ31は、定格運転時には、余力を残した状態で駆動され、定格出力以上の運転時には、最大能力で駆動させることが可能となっている。
そして、制御装置41は、外気温が極めて高い場合などには、空調負荷が定格出力を超える場合には、定格出力以上の運転に切り換える制御を行う。
定格出力以上の運転に切り換える条件としては、まず、冷水で口温度センサにより、冷水の出口温度T1を検出し、制御装置41は、この冷水出口温度T1が冷水の設定温度Tを一定以上超えたか否かで判断する。
例えば、冷水の入口温度を12℃、出口温度を7℃に設定した場合、入口温度と出口温度との差は、5℃となっている。そのため、その温度差の1割程度、すなわち、冷水の出口温度T1が設定温度T+0.5℃より高くなったか否かで判断する。
また、制御装置41は、冷水の出口温度T1が、一定以上高い状態が一定時間、例えば、30分以上継続したか否かで判断する。
さらに、制御装置41は、冷凍能力比が所定以上になったか否か判断する。冷凍能力比は、冷水の入口温度、出口温度および冷水流量割合などに基づいて算出されるものであり、制御装置41は、例えば、冷凍能力比が110%以上になったか否かを判断する。
そして、制御装置41は、冷水の出口温度が設定温度+0.5℃より高くなり、この状態が30分以上継続し、さらに、冷凍能力比が110%以上になったと判断した場合に、能力以上の運転に切り換える。
例えば、空調負荷が定格出力を超えたと判断した場合に、制御装置41ではなく、吸収式冷凍機1をコントロールする外部制御装置により、定格出力以上の運転に切り換えるようにしてもよい。また、その他に、空調負荷が定格出力を超えたと判断した場合に、使用者が手動でスイッチなどを操作して、定格出力以上の運転に切り換えるようにしてもよい。
また、制御装置41は、定格出力以上の運転の最大継続時間は12時間とし、12時間経過した場合には、標準モードに変更するように制御する。通常、定格出力以上の運転を行う場合は、夏季の日中のように外気温が高い場合であるので、12時間経過すると夜間になり、外気温も下がり、定格出力以上の運転が不要となる場合がほとんどと考えられるためである。
さらに、制御装置41は、吸収式冷凍機1の運転を停止した場合にも、標準モードにリセットするように制御する。
なお、運転時間の計測は年ごとにリセットして、最初から計測するようになっている。
そして、この積算時間が一定時間、例えば、250時間となった場合、制御装置41は、運転表示部45により、まもなく点検が必要である旨の予報発報を行う。さらに、能力以上の運転を行い、かつ、冷却水ポンプ30を最大流量で駆動した場合の積算時間が300時間となった場合には、制御装置41は、運転表示部45により、点検を促す点検発報を行う。
この場合に、予報発報および点検発報を行った場合でも、吸収式冷凍機1の運転は継続される。
なお、暖房運転時には、冷却水の供給を行わないので、定格出力以上の運転の時間のみを計測するようにすればよい。
また、点検を行った場合には、能力以上の運転の積算時間をリセットする。
そして、冷水の出口温度T1が設定温度T+0.5℃より高くなっている時間が30分以上継続した場合には(ST2:YES)、制御装置41は、冷凍能力比が110%以上になったか否かを判断する(ST3)。
そして、制御装置41は、冷凍能力比が110%以上になったと判断した場合に(ST3:YES)、定格出力以上の運転に切り換える(ST4)。
続いて、制御装置41は、定格出力運転時に設定されていた冷水ポンプ31の冷水変流量制御値を解除し、冷水ポンプ31を最大能力で運転させ(ST6)、冷水ポンプ31による冷水の供給量を増大させる。
さらに、制御装置41は、バーナ20のガス最大開度制限値を解除し、バーナ20の燃料制御弁46の開度上限を解除して、バーナ20の能力を増大させる(ST7)。このようにバーナ20の燃料供給量を増大させることにより、高温再生器10における冷媒発生量が増加して、吸収式冷凍機1の冷房能力が増加し、定格出力を超える冷房負荷に対応できる。
なお、冷水の出口温度T1が設定温度T+0.5℃より低くなった場合であっても、能力以上の運転の開始から1時間経過していない場合には(ST9:NO)、定格運転への切換えは行わず、定格出力以上の運転を継続する(ST4)。
そして、この積算時間が250時間となった場合は(ST12:YES)、制御装置41は、運転表示部45により予報発報を行う(ST13)。積算時間が250時間未満の場合は(ST12:NO)、定格運転を行い、制御装置41は、冷水の出口温度が冷水の設定温度より0.5℃高くなったか否かを判断する(ST1)。
定格出力以上の運転を行い、かつ、冷却水ポンプ30を最大流量で駆動した場合の積算時間が300時間となった場合には(ST14:YES)、制御装置41は、運転表示部45により点検発報を行う(ST15)。
これによれば、吸収式冷凍機1の定格出力を従来よりも低く設定した場合でも、定格出力以上の運転に適正に対応することが可能となる。そのため、定格出力以上の運転に対応できる吸収式冷凍機1の定格出力を低く設定することができるので、設備コストの低減を図ることができる。また、定格出力以上の運転が開始されてから一定時間が経過するまでは、定格運転への切換えを行わないようにすることで、冷水および冷却水の供給の安定性を確保することができる。
これによれば、定格出力以上の運転が開始されてから一定時間が経過するまで、定格運転への切り換えを行わないようにすることで、冷水および冷却水の供給を安定させることが可能となる。
これによれば、定格出力以上の運転が開始されてから一定時間が経過した場合には、定格出力以上の運転が不要となる場合があるので、定格運転に切り換えることで、運転の無駄をなくすことができる。
これによれば、制御装置41により、定格出力以上の運転の積算時間が一定時間を経過した場合に、予報発報を行うように制御するので、利用者は近いうちに点検が必要となることを認識することができる。
これによれば、制御装置41により、定格出力以上の運転の積算時間が予報発報を行った後、一定時間を経過した場合に、点検発報を行うように制御するので、利用者は点検が必要であることを認識することができる。
例えば、本実施形態では、高温再生器10にて吸収液を加熱する加熱手段として燃料ガスを燃焼させて加熱を行うバーナ20を備える構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、灯油やA重油を燃焼させるバーナ20を備える構成や、蒸気や排気ガスなどの温熱を用いて加熱する構成としてもよい。
10 高温再生器
11 低温再生器
12 凝縮器
13 蒸発器
14 吸収器
15 高温熱交換器
16 低温熱交換器
20 バーナ
21 稀吸収液ポンプ
22 濃吸収液ポンプ
25 冷却水配管
26 冷水配管
27 冷媒ポンプ
30 冷却水ポンプ
31 冷水ポンプ
32 冷水入口温度センサ
33 冷水出口温度センサ
40 コントローラ
41 制御装置
42 メモリ
43 タイマ
45 運転表示部
46 燃料制御弁
Claims (4)
- 吸収器と、再生器と、凝縮器と、蒸発器と、前記再生器を加熱する加熱手段と、前記吸収器および前記凝縮器に冷却水を循環させる冷却水ポンプと、空気調和機および前記蒸発器に冷水を循環させる冷水ポンプと、少なくとも前記蒸発器の冷水出口温度を検出する温度センサと、制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記温度センサで検出された水温がしきい値を超えた状態が所定時間以上継続した場合に、定格運転から前記冷却水ポンプおよび前記冷水ポンプの能力を増大させる定格出力以上の運転に切り換えるとともに、定格出力以上の運転が開始されてから一定時間が経過するまでは、定格運転への切換えを行わないように制御することを特徴とする吸収式冷凍機。 - 前記制御手段は、定格出力以上の運転が開始されてから一定時間が経過した場合には、自動的に定格運転に切り換えるように制御することを特徴とする請求項1に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御手段は、定格出力以上の運転の積算時間を計測し、前記積算時間が一定時間を経過した場合には、予報発報を行うように制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収式冷凍機。
- 前記制御手段は、定格出力以上の運転の積算時間を計測し、前記積算時間が前記予報発報を行った後、一定時間を経過した場合には、点検発報を行うように制御することを特徴とする請求項3に記載の吸収式冷凍機。
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