JP2017172547A - ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置を提供する。
【解決手段】ディーゼルエンジン2のエンジンオイルの劣化を診断するディーゼルエンジン2のエンジンオイル劣化診断装置20において、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段26を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンオイル劣化診断装置に係り、特に、ディーゼルエンジンのエンジンオイルの劣化を診断するディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置に関する。
従来から、特許文献1に示すように、車両保守時期報知装置として、車両の走行距離を累積し、所定の累積走行距離毎にエンジンオイル交換の報知を行うものが知られている。
このような所定の累積走行距離毎にエンジンオイル交換の報知を行う方法は、通常標準的な運転状態を基にして所定の累積走行距離を設定し、この所定の累積走行距離に到達する毎にエンジンオイル交換の報知を行うこととなる。
また、特許文献2に示すように、農業用のトラクタ等の特殊な作業車両のエンジン排ガス処理装置として、ディーゼルエンジンの下流側に酸化触媒及びDPFを設け、ポスト噴射により噴射された燃料を酸化触媒で燃焼させて高温の排気ガスを生じさせ、DPFの再生を行うようになっているものが知られている。この作業車両のエンジン排ガス処理装置は、未燃燃料の噴射(ポスト噴射)によるエンジンオイルの希釈を判定するため、DPFを再生する自動再生機能と、手動スイッチによりDPFを再生する手動再生機能と、自動再生機能及び手動再生機能による再生合計回数が規定回数になるとオイル交換を促す警告機能と、を備えたものが知られている。
特開平10−038605号公報 特開2014−129733号公報
しかしながら、タクシーや配送業等で使用される車両は、走行距離が多く且つ発進及び停止を繰り返すような、煤を多く発生させる運転状態で運転されるため、エンジンオイルへの煤の混入による劣化の進行が非常に早くなる。特許文献1に示すような累積走行距離によりエンジンオイル交換の報知を行う方法において、このような劣化の進行をエンジンオイルの交換時期に反映させるためには、所定の累積走行距離を標準的な運転状態のものよりも短く設定する必要があり、今度は、煤を多く発生させないような通常の運転状態で運転していない使用者が、エンジンオイルへの煤の混入が進んでいないにも関わらず不必要にエンジンオイルの交換を強いられるという問題がある。
また、特許文献2に記載されているような、作業車両のエンジン排ガス処理装置においては、ポスト噴射により未燃燃料を噴射するため、この燃料がエンジンオイルに混入することでエンジンオイルが希釈されるという問題が生じる。このような課題を解決するため、特許文献2においては、自動再生機能及び手動再生機能による再生合計回数、すなわち手動再生回数も含む総回数をカウントし、未燃燃料の噴射量からエンジンオイルへの未燃燃料の混入によるエンジンオイルの希釈を推定している。
特許文献2に記載されているような農業用のトラクタ等の特殊な作業車両においては、走行距離は比較的少なく且つタクシーや配送業等で使用される車両のような煤を多く発生させる運転状態での使用は想定されておらず、作業車両を農作業などに使っていない期間を利用してDPFの手動再生を行うための手動再生回数も含めて総回数をカウントしエンジンオイルの希釈を推定することがエンジンオイルの交換のタイミングを知る上で重要となっていた。
一方で、タクシーや配送業等で使用される車両のような煤を多く発生させる過酷な運転状態で長期間且つ長い走行距離にわたって使用されるものにおいては、エンジンオイルの交換のタイミングを知る上では、エンジンオイルへの煤の混入によるエンジンオイルの劣化が非常に早く進むため、エンジンオイルへの煤の混入状態を診断することが非常に重要となる。
しかしながら、特許文献2に記載されているような方法によっては、煤を多く発生させる運転状態等に応じて、エンジンオイルへの煤の混入状態を判断して、エンジンオイルの劣化を診断することができないという問題があった。
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、エンジンオイル劣化診断手段が、走行距離に対応してディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合に、エンジンオイルの劣化を診断し、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置を提供することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、ディーゼルエンジンのエンジンオイルの劣化を診断する上記ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置において、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段を備えていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、エンジンオイル劣化診断手段が、走行距離に対応してディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するので、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
本発明において、好ましくは、ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置は、さらに、ディーゼルエンジンから排出される煤を捕集するDPFの煤捕集量が所定閾値に達した場合に、自動的に上記DPFの再生を行う自動再生制御手段を備え、エンジンオイル劣化診断手段は、自動再生制御手段による自動的なDPFの再生の回数が、自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断する。
このように構成された本発明においては、エンジンオイル劣化診断手段は、自動再生制御手段による自動的なDPFの再生の回数が、自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に対応して行われる自動的なDPFの再生の回数に基づいて、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
本発明において、好ましくは、ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置は、さらに、ディーゼルエンジンの使用開始時点からの走行距離又は経過年数が所定の基準以上であるときに、走行距離又は経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させる自動再生閾値回数補正手段を備えている。
このように構成された本発明においては、自動再生閾値回数補正手段が走行距離又は経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させ、エンジンオイル劣化診断手段は、この減少された自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、走行距離又は経過年数に応じて、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなる状態を反映して、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
本発明のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置によれば、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムの概略図である。 本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置がエンジンオイルが劣化している状態であるか否かを診断する処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が走行距離に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図である。 本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るDPF再生制御の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置において、DPF再生間平均走行距離から、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離を算定できる関係を説明する図である。 本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムにおいて、ディーゼルエンジンからの煤の排出量と、エンジンオイルへの煤の混入量との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20(以下、「エンジンオイル劣化診断装置」という)が適用されるエンジンシステムについて説明する。
図1は本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムの概略図である。
まず、図1を参照して、本実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20が適用されたディーゼルエンジンシステムについて説明する。図1は、本実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置が適用されたディーゼルエンジンシステムの全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、車両のディーゼルエンジンシステム1は、軽油を主成分とする燃料の供給を受けて駆動されるディーゼルエンジン2と、ディーゼルエンジン2で生成された排気ガスを排出するための排気通路4と、を備えている。
また、ディーゼルエンジンシステム1は、さらに、排気通路4において上流側から順に、排気中のHCを酸化するHC酸化触媒6と、ディーゼルエンジン2から排出される排気ガスに含まれるカーボン、煤(スス)、炭化水素等の微粒子(パティキュレート)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ8(以下、「DPF」と称する)と、排気ガス中のNOxを吸蔵するNOx吸蔵材を含有するNOx浄化触媒10と、COを酸化するためのCO酸化触媒12とを備えている。
また、ディーゼルエンジンシステム1は、さらに、燃料を貯蔵している燃料タンク14と、ディーゼルエンジンシステム1を制御するコントローラ16と、車両の走行距離を検出する走行距離検出手段17と、ディーゼルエンジン2のエンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断装置20と、エンジンオイルが劣化している状態であると診断された場合に、エンジンオイルの交換時期である旨を報知する報知手段19と、を備えている。
ディーゼルエンジン2には、燃料タンク14の燃料をエンジン燃焼室内に直接噴射供給する燃料噴射弁18が設けられている。ディーゼルエンジン2は、内部をエンジンオイルが循環するようになっている。エンジンオイルは、ディーゼルエンジン2において、ピストン機構やバルブの開閉機構等の潤滑、及びディーゼルエンジン2の冷却等のさまざまな役割を果たしている。エンジンオイルは、ディーゼルエンジン2を使用するにつれ、ディーゼルエンジン2の熱を受けたり、ディーゼルエンジン2内に生じた微粒子(例えば煤等)の汚れを自らの中に取り込むなどして、徐々にその性能が劣化するため、下述するような所定の条件を満たす場合にエンジンオイルの交換が必要となる。
DPF8には、捕集した微粒子(例えば煤)を燃焼させるための触媒が担持されている。NOx浄化触媒10は、DPF8での微粒子の燃焼によって生成するCOを還元剤として、NOxを還元浄化する触媒成分を含有する。
コントローラ16は、例えばパワートレインコントロールモジュール(PCM)であり、車両の各部から送られてくるデータ(例えば、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離のデータ及び経過年数データ、各種センサからの計測データ)を受け入れる入力インターフェース(図示せず)と、車両の各部の制御を行うための演算を実行するCPU(図示せず)と、車両の各部の制御を行うためのプログラム、データ及び制御信号を格納するメモリ(図示せず)と、および車両の各部に制御信号を送る出力インターフェース(図示せず)とを備えている。本発明のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20を実現するためのプログラム、およびこのプログラムの実行に使用するデータおよびテーブルは、メモリ上に格納されている。さらに、メモリには、CPUによる演算のための作業領域が設けられ、車両の各部から送られてくるデータおよび車両の各部に送り出す制御信号は、メモリに記憶される。コントローラ16は、機能要素として、エンジンオイル劣化診断装置20を有している。
コントローラ16は、燃料噴射弁18による燃料噴射制御(噴射時期及び噴射量の制御)を制御する。コントローラ16は、この燃料噴射制御を実行させHC酸化触媒6にHCとしての未燃燃料を供給することにより、DPF8の微粒子(例えば煤)を燃焼除去することによりDPF8の微粒子捕集可能量を回復させるDPF再生制御、及びNOx浄化触媒10のNOxを放出させて還元浄化することによりNOx浄化触媒10のNOx吸蔵性能を回復させるNOx放出制御を実行させる。
排気通路4には、DPF8の入口側に設けられ且つ排気圧力を検出する入口側圧力センサ22と、DPF8の出口側に設けられ且つ排気圧力を検出する出口側圧力センサ24とが設けられ、入口側圧力センサ22において検出された排気圧力と出口側圧力センサ24とにおいて検出された排気圧力との差圧を検出することができる。コントローラ16は、入口側圧力センサ22及び出口側圧力センサ24によって検出される排気圧力の差圧に基づいてDPF8の微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1に到達した場合(又は所定閾値以上の値となっている場合)に、DPF8の再生が必要になったと判定する。
なお、DPF8の再生及びNOx浄化触媒10のNOx吸蔵性能回復のための燃料噴射制御は、エンジンの燃焼室に圧縮行程上死点付近で燃料を噴射供給する主噴射後、さらに膨張行程又は排気行程において燃料を噴射供給するポスト噴射を実行するものである。このポスト噴射により、HC酸化触媒6に未燃燃料を供給する。
走行距離検出手段17は、車両の車輪の回転を検出する走行距離センサ等である。例えば、走行距離検出手段17は、車両のオドメーター(積算走行距離計)に使用するための積算走行距離を検出する走行距離検出手段である。積算走行距離は、車両の生産時点から判定時点までの期間の積算の走行距離となっている。走行距離検出手段17は、車両の走行距離を検出及び/又は計算できる機能を有する車速センサ等の他の装置であってもよい。走行距離検出手段17は、コントローラ16と電気的に接続されており、走行距離検出手段17で検出された走行距離が、電気信号としてコントローラ16に入力されるようになっている。
報知手段19は、コントローラ16の指令を受けて、使用者にエンジンオイルが劣化している状態である旨を報知する。報知手段19は、例えば、車両のインパネ(インストルメント・パネル)に設けられたランプを備え、このランプの点灯によりエンジンオイルの交換時期であることが報知される。なお、報知手段19は、図のイメージ、映像、画像、文字、記号、音又は音声等を使用した報知手段であってもよく、例えば、車両に設けられた情報を表示できるモニタにおいてエンジンオイルの交換時期であることが図のイメージにより使用者に報知されてもよい。報知手段19は、コントローラ16と電気的に接続され、コントローラ16から出力された信号が電気信号として報知手段19に入力されるようになっている。
次に、図1により、本実施形態のエンジンオイル劣化診断装置20について説明する。
エンジンオイル劣化診断装置20は、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段26と、ディーゼルエンジン2から排出される煤を捕集するDPF8の微粒子捕集量が所定閾値に達した場合に、自動的にDPF8の再生を行う自動再生制御手段28と、を備えている。
エンジンオイル劣化診断手段26は、自動再生制御手段28による自動的なDPF8の再生の回数が、自動再生閾値回数Aに達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断する。また、エンジンオイル劣化診断手段26は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離D又は経過年数Yに応じて自動再生閾値回数Aを減少させる自動再生閾値回数補正手段30を備えている。
エンジンオイル劣化診断装置20は、コントローラ16に設けられている。エンジンオイル劣化診断装置20は、報知手段19等のコントローラ16の外部の手段を備えていてもよい。なお、エンジンオイル劣化診断装置20は、コントローラ16に設けられているものに限られず、エンジンオイル劣化診断装置20の機能の一部がコントローラ16以外の他の機能部に設けられ、システム全体としてエンジンオイル劣化診断装置20を構成していてもよい。
エンジンオイル劣化診断手段26は、走行距離に対応してディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量から、煤のエンジンオイルへの混入状態を推定する。煤のエンジンオイルへの混入状態を判断することにより、エンジンオイルの劣化を診断する機能を有している。また、エンジンオイル劣化診断手段26は、自動再生制御手段による自動的な上記DPFの再生の回数のみをカウントすることで、DPF再生回数の積算が自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断することができ、比較的簡単な手法により適切にエンジンオイルの劣化のタイミングを診断できる。
自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点から一定の走行距離D又は経過年数Yを超えてディーゼルエンジン2が使用される場合に、エンジンオイルの劣化の進行速度がより早まる傾向を、エンジンオイルの劣化診断に反映させる機能を有している。
次に、図2乃至図5により、本実施形態のディーゼルエンジン2のエンジンオイル劣化診断装置20の動作及び処理内容の詳細について説明する。
図2は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置がエンジンオイルが劣化している状態であるか否かを診断する処理の手順を示すフローチャートであり、図3は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が走行距離に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図であり、図4は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図であり、図5は本発明の一実施形態に係るDPF再生制御の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS1において、ディーゼルエンジン2のエンジンオイル劣化診断装置20は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離(積算走行距離)D又は経過年数Yをコントローラ16から読み込む。
ステップS2において、図3及び図4に示すように、エンジンオイル劣化診断装置20のエンジンオイル劣化診断手段26の自動再生閾値回数補正手段30が、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離D[km]又は経過年数Y[年]が所定の基準(例えば、第一の基準走行距離D1又は第一の基準経過年数Y1)以上であるときには、走行距離D[km]又は経過年数Y[年]のそれぞれに応じて自動再生閾値回数Aを減少させる補正を実行する。このようにして自動再生閾値回数Aが決定又は算定される。
図3に示すように、エンジンオイル劣化診断装置20の自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離Dが、第一の基準走行距離D1未満、例えば200000km未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]、例えば100回として決定する。また、自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離Dが、第一の基準走行距離D1以上且つ第二の基準走行距離D2未満、例えば200000km以上且つ250000km未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]から走行距離に応じた一定の割合まで減少した自動再生閾値回数A2[回]、例えば95回として算定する。同様に、自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離Dが、第二の基準走行距離D2以上且つ第三の基準走行距離D3(図示せず)未満、例えば250000km以上且つ300000km未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]から走行距離に応じた一定の割合まで減少した自動再生閾値回数A3[回]、例えば90回として算定する。
図4に示すように、自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの経過年数Y[年]が、第一の基準経過年数Y1未満、例えば10[年]未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]、例えば100回として決定する。また、自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの経過年数Yが、第一の基準経過年数Y1以上且つ第二の基準経過年数Y2未満、例えば10年以上且つ15年未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]から経過年数に応じた一定の割合まで減少した自動再生閾値回数A2[回]、例えば95回として算定する。さらに、自動再生閾値回数補正手段30は、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの経過年数Yが、第二の基準経過年数Y2以上且つ第三の基準経過年数Y3(図示せず)未満、例えば15年以上且つ20年未満である場合には、自動再生閾値回数Aを自動再生閾値回数A1[回]から経過年数に応じた一定の割合まで減少した自動再生閾値回数A3[回]、例えば90回として算定する。
自動再生閾値回数補正手段30が、上述の走行距離D及び経過年数Yのいずれも、所定の基準以上の条件を満たす場合には、走行距離Dに応じた自動再生閾値回数Aの減算補正と、経過年数Yに応じた自動再生閾値回数Aの減算補正と、の両方を加重して適用してもよいし、又は、これらのうち大きい方の減算補正の値を採用して自動再生閾値回数Aを減少させるように補正を実行してもよい。
ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離Dが長くなるにつれ、長年の走行によりエンジン内の部品等の間に隙間等が生じ、燃焼ガスがオイルパン(図示せず)等に抜ける量が増え、ディーゼルエンジンから生じる煤がエンジンオイルに混入されやすくなる。特に、走行距離Dが、第一の基準走行距離D1以上となるような場合においては、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなるため、自動再生閾値回数Aをより減少させて、通常よりも早くエンジンオイルが劣化する様子を反映し、自動再生回数の少ないタイミングでエンジンオイルの交換をさせることができる。
また、同様に、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの経過年数Yが長くなるにつれ、長年の使用によりエンジン内の部品等の間に隙間等が生じ、燃焼ガスがオイルパン(図示せず)等に抜ける量が増え、ディーゼルエンジンから生じる煤がエンジンオイルに混入されやすくなる。特に、経過年数Yが、第一の基準経過年数Y1以上となるような場合においては、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなるため、自動再生閾値回数Aをより減少させて、通常よりも早くエンジンオイルが劣化する様子を反映し、自動再生回数の少ないタイミングでエンジンオイルの交換をさせることができる。
ステップS3においては、後述する図5のステップS14に示すようなDPF再生制御を行うことを示すフラグF=1が満たされているか否かを判定する。フラグF=1が満たされポスト噴射が実行される場合、すなわちDPF再生が実行される場合にはステップS4に進む。一方、フラグF=1が満たされていない、すなわちDPF再生が実行されないと判定される場合には、ステップS1に戻る。
ステップS4においては、仮にディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチ(手動再生スイッチ)をONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられている場合に、使用者が手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行される場合には、手動再生回数をDPFの自動再生回数Nの積算の計算に反映させないように、ステップS8に進む。また、使用者の手動操作によりDPF再生が実行されたものでない場合には、自動再生制御手段28による自動的なDPFの再生と判断して、ステップS5に進む。
なお、ディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作によりDPF再生が実行できるような装置が設けられていない場合においては、エンジンオイル劣化診断装置20のステップS4は省略される。なお、本実施形態においてはディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられていないが、他の実施形態においてディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられていてもよい。
ステップS5においては、自動再生制御手段28による自動的なDPF8の再生の回数Nを積算する。
ステップS6においては、ステップS5において積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達しているか否かを判定する。積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達している場合には、ステップS7に進む。ステップS6において、積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達していない場合には、ステップS8に進む。
ステップS7においては、コントローラ16がその旨を報知手段19に伝達し、報知手段19によりエンジンオイルの交換時期である旨を使用者に報知して、エンドに進む。使用者がエンジンオイルを交換した後に再びエンジンオイル劣化診断装置20の処理がスタートされる。
ステップS8においては、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御の実行が終わってから再び診断を行うことができる機能を実行し、フラグFがF=0の条件を満たすまで待機した後に、ステップS1に戻る。ステップS8においては、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御の実行が行われている最中においては、ステップS8においてDPF再生制御の終了判定を続けることになる。
次に、図6及び図7を用いて、自動再生制御手段28による自動的なDPF8の再生の回数Nの積算を行うことにより、DPF8の再生間の走行距離と、次回のエンジンオイル交換までの走行距離Cとの一定の関係をエンジンオイル劣化診断手段26が判断できる機能について説明する。
図6は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置において、DPF再生間平均走行距離Eから、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cを算定できる関係を説明する図であり、図7は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムにおいて、ディーゼルエンジンからの煤の発生量(排出量)と、エンジンオイルへの煤の混入量との関係を示す図である。
図6において、縦軸は、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離C[km]であり、横軸は、DPF再生間の走行距離を平均化したDPF再生間平均走行距離E[km]である。
直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eは、それぞれ、エンジンオイル交換時点においてデータリセットされる。エンジンオイル交換時点において、使用者、ディーラー又はエンジンオイル交換に係る関係者等がインパネ(インストルメント・パネル)等に設けられているエンジンオイル交換時点リセットスイッチ等(図示せず)を操作することにより、上述の走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eのデータをリセットさせる。使用者等がエンジンオイル交換時点リセットスイッチを操作したタイミングがエンジンオイル交換時点の情報としてコントローラ16側に送られ、新たに走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eの値の測定又は算定が行われる。
DPF再生間平均走行距離Eは、各DPF再生間に車両が走行した走行距離、すなわち、あるDPF再生が終わった後、次のDPF再生が行われるまでに車両が走行した走行距離を、直近のエンジンオイル交換終了時点から判定時点までの期間において、それぞれの再生間の走行距離を合計した後平均化して算定される。DPF再生間に車両が走行した走行距離は、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量が増大されるほどこのDPF再生間の走行距離は減少する関係にあり、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量が減少されるほどこのDPF再生間の走行距離は増大する関係にある。よって、DPF再生間の走行距離を平均化したDPF再生間平均走行距離Eは、直近のエンジンオイル交換時点から判定時点までの期間において、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量が増大されるような運転状態(エンジンの使用状態)であるか否かを推定する指標としての機能がある。
ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量が増大されるほど、DPF8で捕集される煤の量が増えることから、DPF再生間の走行距離は減少する関係にある。また、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量が増大される場合には、煤がエンジン内のシリンダライナ(図示せず)等に付着する量又はオイルパン中に流入する量が増え、エンジン内のエンジンオイルに取り込まれてエンジンオイルパン(図示せず)等に取り込まれることになる。図7に示すように、ディーゼルエンジン2から排出される煤の発生量(排出量と、煤のエンジンオイルへの混入量とは、比例する関係にある。よって、ディーゼルエンジン2からの煤の排出量が増大される場合には、煤のエンジンオイルへの混入量が増大され、煤のエンジンオイルへの混入量が多い状態となると推定される。このように、エンジンオイル中への煤の混入量を、直接計測しなくとも、煤のエンジンオイルへの混入状態を推定することができる。
煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイル交換が必要となる。図6に示すように、DPF再生間平均走行距離E[km]が所定値(基準平均走行距離E1)以下である場合において、車両の走行距離が直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの所定の走行距離C(関係線B上の走行距離C)に到達したときに、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態となっている。混入限度状態は、煤のエンジンオイル中への混入状態がより進む(混入量がより増大する状態となる)ことにより、煤のエンジンオイル中への混入許容限度を超える状態となることをいう。混入限度状態となると、エンジンオイル中の多量の煤又は塊状の煤がディーゼルエンジン内の構造部品を摩耗させる等の悪影響を及ぼす可能性があり、エンジンオイルを交換することが必要となる。
図6に示すように、DPF再生間平均走行距離E[km]が基準平均走行距離E1以下である場合においては、DPF再生間平均走行距離Eに対し、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cを、関係線Bにより規定することができる。関係線Bにおいては、DPF再生間平均走行距離Eが基準平均走行距離E1以下であるような煤のエンジンオイルへの混入量が多いと推定される状態において、DPF再生間平均走行距離Eがより短く(煤のエンジンオイルへの混入量がより多く)なるとき、次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cがより短くなる関係が示される。例えば、基準平均走行距離E1は200kmに設定されている。一方、DPF再生間平均走行距離Eが基準平均走行距離E1より大きい場合においては、通常の運転状態として、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cを、基準走行距離C1として一定に設定している(関係線G参照)。例えば、基準走行距離C1は、20000kmに設定されている。
図6に示すような、DPF再生間平均走行距離Eが基準平均走行距離E1以下である場合においては、車両の運転状態がシビアコンディションの状態にあると想定される。基準平均走行距離E1は、車両の運転状態がシビアコンディションの状態にあるか否かを判定する基準となっている。シビアコンディションとは、車両が過酷な運転状態にあり、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量が増大されると想定される運転状態である。例えば、タクシー、配送車、警察車両等の公用車、バス等が、発進及び停止を繰り返すような運転状態においては、煤の発生量及び排出量が増大され、エンジンオイルの劣化の進行が著しく早く、エンジンオイルの性能が落ちるタイミングが早いため、前回のエンジンオイルの交換時点から通常のエンジンオイルの交換のタイミングよりも速い(短い)タイミングの時点でエンジンオイルの交換をする必要が生じる。シビアコンディションの領域においては、煤の排出量が多く且つエンジンオイルへの煤の混入の影響が大きい(支配的となる)と想定される領域であるため、関係線B上に示すような、DPF再生間平均走行距離Eと、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cとの間の特別の相関関係を利用することが出来る。
ここで、関係線Bは、それぞれのDPF再生間平均走行距離Eに対し、積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが一定の回数に達した場合に、総走行距離を算定すると次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cに到達するという関係も示している。例えば、関係線Bにおいて、DPF再生間平均走行距離Eが200kmのとき、自動的なDPF8再生の積算回数100回に達する場合に、次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cが20000kmに到達することとなる。また、例えば、関係線Bにおいて、DPF再生間平均走行距離100kmのとき、自動的なDPF8再生の積算回数100回に達する場合に、次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離10000kmに到達することとなる。すなわち、自動的なDPF8の再生の回数Nの積算が一定の回数に達した場合に、DPF再生間平均走行距離Eの値によって、次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cが算定できる。このように、自動再生制御手段28による自動的なDPF8の再生の回数Nの積算を行い、一定の再生回数Nに到達する場合に、DPF8の再生間の走行距離と、次回のエンジンオイル交換までの走行距離との一定の関係、すなわち、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量と、煤のエンジンオイルへの混入限度状態との一定の相関関係を成立させ且つ機能させることができる。
関係線Bにより示される、DPF再生間平均走行距離Eと、DPF8の再生の回数Nと、次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cとの関係は、煤の観点から見ると、それぞれ、DPF再生間平均走行距離Eを算定する期間と対応する各DPF再生間においてDPF8に捕集される煤の捕集量(煤が毎回DPF再生が必要な限度まで捕集された捕集量)と、限度まで捕集された煤をDPF再生により燃焼させた回数と、走行距離C走行期間中にDPF再生により燃焼除去された煤の総量と、との関係と対応している。そして、走行距離C走行期間中にDPF再生により燃焼除去された煤の総量と、エンジンオイルに混入された煤の総混入量とが一定の関係を有している。
図6の関係線Gによって示すように、DPF再生間平均走行距離Eが基準平均走行距離E1より大きい場合においては、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量がそもそも少ない運転状態であると認められるので、煤のエンジンオイルへの混入量も少ないと考えられ、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達する可能性が低いことから、エンジンオイルの熱等による劣化や経年劣化等の他の要因を考慮し、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cを一定の走行距離、例えば20000kmとしている。すなわち、基準平均走行距離E1は、煤のエンジンオイルへの混入量が増大される運転状態を判別し且つ、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達する可能性があるか否かを判別する基準でもある。
次に、図5において、本実施形態のエンジンオイル劣化診断装置20が適用されるディーゼルエンジンシステム1におけるコントローラ16によるDPF再生の制御の一例を説明する。
スタート後のステップS11において、DPF8の入口側の入口側圧力センサ22とDPF8の出口側の出口側圧力センサ24の値を読み込む。
ステップS12において、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値からDPF8の微粒子捕集量対応圧力Pを算出する。微粒子捕集量対応圧力Pは、DPF8に捕集された微粒子(例えば煤)の捕集量が入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値と連動することから、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値(微粒子捕集量対応圧力)として算定される。
ステップS13においては、微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1(DPF再生制御開始閾値)以上であるか否か、すなわち微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1に到達しているか否かを判定する。所定閾値P1は、DPF8の微粒子を燃焼除去することによりDPF8の微粒子捕集可能量を回復させる必要があるためDPF再生制御を開始させる閾値として設定されている。所定閾値P1は、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値がDPF8に捕集された煤を燃焼除去する必要があると判断される限度の差圧として設定される。P≧P1であるときは、DPF再生の必要があるとして、ステップS14において、フラグF=1とし、ステップS15において燃料噴射弁18によるポスト噴射(後噴射)を実行しDPF再生を行う。ここで、フラグF=1はポスト噴射によるDPF再生のためのDPF再生制御を行うことを示すフラグである。
ステップS16においては、微粒子捕集量対応圧力Pが所定値P2(DPF再生制御終了閾値)以下であるか否かを判定する。DPF8の微粒子の燃焼除去が進むと、煤が燃焼除去され、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値が徐々に小さくなることから、微粒子捕集量対応圧力Pが所定値P2以下となれば、煤が燃焼除去されたと判断することができる。
P≦P2であるときは、ステップS17においてポスト噴射を終了し、ステップS18においてポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を終了するので、フラグF=0とし、リターンに進む。なお、P1(DPF再生制御開始閾値)>P2(DPF再生制御終了閾値)である。
P>P2であるときは、DPF8に依然として燃焼除去すべき煤が残存している状態と判断されるため、ステップS15に戻る。
ステップS13において微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1に達していないときはステップS19に進む。
ステップS19においては、仮にディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられている場合に、使用者が手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行される場合には、ステップS13において微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1未満である場合においても、ステップS14に進み、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を行うことができる。ステップS19において、使用者の手動操作によるDPF再生が実行されていない場合には、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を行わずにリターン処理に進む。
なお、ディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作によりDPF再生が実行できるような装置が設けられていない場合においては、ステップS19は省略され、リターンに進むようになっている。
上述の一連の制御がリターンに到達する場合には、再びスタートに戻り、スタートから一連の制御を開始させる。
なお、他の実施形態のディーゼルエンジン2のエンジンオイル劣化診断装置においては、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量を排気通路4に設けられた排気ガスセンサにより計測し、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量をコントローラ16において積算することにより煤の総排出量(総発生量)を算定し、煤の総排出量に対して一定の係数を乗じることにより煤のエンジンオイルへの混入量、すなわち煤のエンジンオイルへの混入状態を推定してもよい。このように算定された煤のエンジンオイルへの混入量が予め定められた混入限度量に到達する場合、すなわち、煤のエンジンオイルへ混入量が増大するような混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイル劣化診断手段がエンジンオイルの劣化を診断することができる。
排気ガスセンサは、煤の排出量を直接検出してもよく、また排気ガス中の他の物質の量を計測することにより間接的に煤の排出量を計測するものであってもよい。煤の総排出量に乗じる一定の係数は、煤の排出量に対するエンジンオイルへの混入量の割合として予め算定されることができ、ディーゼルエンジンの使用開始時点からの走行距離又は経過年数が所定の基準以上であるときに、走行距離又は経過年数に応じて係数の値を増加させる(すなわち煤の排出量に対してエンジンオイルに混入されるエンジンオイルへの混入量の割合を増加させる)ように補正してもよい。また、予め定められた混入限度量(又は混入限度状態)は、煤のエンジンオイル中への混入許容限度を超える状態となることをいい、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離に到達したときに、煤のエンジンオイルへの混入量が混入限度量(又は混入限度状態)に到達するとして予め設定される。
上述した本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20によれば、エンジンオイル劣化診断手段26が、走行距離に対応してディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するので、車両の走行距離とディーゼルエンジン2において発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
また、本実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20によれば、エンジンオイル劣化診断手段26は、自動再生制御手段28による自動的なDPF8の再生の回数が、自動再生閾値回数Aに達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に対応して行われる自動的なDPF8の再生の回数に基づいて、車両の走行距離とディーゼルエンジン2において発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
さらに、本実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置20によれば、自動再生閾値回数補正手段30が走行距離D又は経過年数Yに応じて自動再生閾値回数Aを減少させ、エンジンオイル劣化診断手段26は、この減少された自動再生閾値回数Aに達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、走行距離D又は経過年数Yに応じて、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなる状態を反映して、車両の走行距離とディーゼルエンジン2において発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
1 ディーゼルエンジンシステム
2 ディーゼルエンジン
4 排気通路
6 酸化触媒
8 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
10 浄化触媒
12 CO酸化触媒
14 燃料タンク
16 コントローラ
17 走行距離検出手段
18 燃料噴射弁
19 報知手段
20 エンジンオイル劣化診断装置
22 入口側圧力センサ
24 出口側圧力センサ
26 エンジンオイル劣化診断手段
28 自動再生制御手段
30 自動再生閾値回数補正手段

Claims (3)

  1. ディーゼルエンジンのエンジンオイルの劣化を診断する上記ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置において、
    上記ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段を備えていることを特徴とするディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。
  2. さらに、上記ディーゼルエンジンから排出される煤を捕集する上記DPFの煤捕集量が所定閾値に達した場合に、自動的に上記DPFの再生を行う自動再生制御手段を備え、
    上記エンジンオイル劣化診断手段は、上記自動再生制御手段による自動的な上記DPFの再生の回数が、自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断する請求項1に記載のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。
  3. さらに、ディーゼルエンジンの使用開始時点からの走行距離又は経過年数が所定の基準以上であるときに、上記走行距離又は上記経過年数に応じて上記自動再生閾値回数を減少させる自動再生閾値回数補正手段を備えている請求項2に記載のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。
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