JP2017172547A - ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディーゼルエンジン2のエンジンオイルの劣化を診断するディーゼルエンジン2のエンジンオイル劣化診断装置20において、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段26を備えている。
【選択図】図1
Description
このような所定の累積走行距離毎にエンジンオイル交換の報知を行う方法は、通常標準的な運転状態を基にして所定の累積走行距離を設定し、この所定の累積走行距離に到達する毎にエンジンオイル交換の報知を行うこととなる。
特許文献2に記載されているような農業用のトラクタ等の特殊な作業車両においては、走行距離は比較的少なく且つタクシーや配送業等で使用される車両のような煤を多く発生させる運転状態での使用は想定されておらず、作業車両を農作業などに使っていない期間を利用してDPFの手動再生を行うための手動再生回数も含めて総回数をカウントしエンジンオイルの希釈を推定することがエンジンオイルの交換のタイミングを知る上で重要となっていた。
しかしながら、特許文献2に記載されているような方法によっては、煤を多く発生させる運転状態等に応じて、エンジンオイルへの煤の混入状態を判断して、エンジンオイルの劣化を診断することができないという問題があった。
このように構成された本発明においては、エンジンオイル劣化診断手段が、走行距離に対応してディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するので、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面から適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
このように構成された本発明においては、エンジンオイル劣化診断手段は、自動再生制御手段による自動的なDPFの再生の回数が、自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に対応して行われる自動的なDPFの再生の回数に基づいて、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
このように構成された本発明においては、自動再生閾値回数補正手段が走行距離又は経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させ、エンジンオイル劣化診断手段は、この減少された自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断するので、走行距離又は経過年数に応じて、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなる状態を反映して、車両の走行距離とディーゼルエンジンにおいて発生する煤の発生量の両面からより適切にエンジンオイルの劣化を診断できる。
図1は本発明の一実施形態によるディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムの概略図である。
エンジンオイル劣化診断装置20は、ディーゼルエンジン2から排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段26と、ディーゼルエンジン2から排出される煤を捕集するDPF8の微粒子捕集量が所定閾値に達した場合に、自動的にDPF8の再生を行う自動再生制御手段28と、を備えている。
図2は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置がエンジンオイルが劣化している状態であるか否かを診断する処理の手順を示すフローチャートであり、図3は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が走行距離に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図であり、図4は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置の自動再生閾値回数補正手段が経過年数に応じて自動再生閾値回数を減少させる補正を行う様子を説明する図であり、図5は本発明の一実施形態に係るDPF再生制御の手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS2において、図3及び図4に示すように、エンジンオイル劣化診断装置20のエンジンオイル劣化診断手段26の自動再生閾値回数補正手段30が、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの走行距離D[km]又は経過年数Y[年]が所定の基準(例えば、第一の基準走行距離D1又は第一の基準経過年数Y1)以上であるときには、走行距離D[km]又は経過年数Y[年]のそれぞれに応じて自動再生閾値回数Aを減少させる補正を実行する。このようにして自動再生閾値回数Aが決定又は算定される。
また、同様に、ディーゼルエンジン2の使用開始時点からの経過年数Yが長くなるにつれ、長年の使用によりエンジン内の部品等の間に隙間等が生じ、燃焼ガスがオイルパン(図示せず)等に抜ける量が増え、ディーゼルエンジンから生じる煤がエンジンオイルに混入されやすくなる。特に、経過年数Yが、第一の基準経過年数Y1以上となるような場合においては、煤がエンジンオイルにより混入されやすくなるため、自動再生閾値回数Aをより減少させて、通常よりも早くエンジンオイルが劣化する様子を反映し、自動再生回数の少ないタイミングでエンジンオイルの交換をさせることができる。
なお、ディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作によりDPF再生が実行できるような装置が設けられていない場合においては、エンジンオイル劣化診断装置20のステップS4は省略される。なお、本実施形態においてはディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられていないが、他の実施形態においてディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられていてもよい。
ステップS6においては、ステップS5において積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達しているか否かを判定する。積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達している場合には、ステップS7に進む。ステップS6において、積算された自動的なDPF8の再生の回数Nが、自動再生閾値回数Aに到達していない場合には、ステップS8に進む。
ステップS7においては、コントローラ16がその旨を報知手段19に伝達し、報知手段19によりエンジンオイルの交換時期である旨を使用者に報知して、エンドに進む。使用者がエンジンオイルを交換した後に再びエンジンオイル劣化診断装置20の処理がスタートされる。
図6は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置において、DPF再生間平均走行距離Eから、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離Cを算定できる関係を説明する図であり、図7は本発明の一実施形態によるエンジンオイル劣化診断装置が適用されるディーゼルエンジンシステムにおいて、ディーゼルエンジンからの煤の発生量(排出量)と、エンジンオイルへの煤の混入量との関係を示す図である。
図6において、縦軸は、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離C[km]であり、横軸は、DPF再生間の走行距離を平均化したDPF再生間平均走行距離E[km]である。
直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eは、それぞれ、エンジンオイル交換時点においてデータリセットされる。エンジンオイル交換時点において、使用者、ディーラー又はエンジンオイル交換に係る関係者等がインパネ(インストルメント・パネル)等に設けられているエンジンオイル交換時点リセットスイッチ等(図示せず)を操作することにより、上述の走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eのデータをリセットさせる。使用者等がエンジンオイル交換時点リセットスイッチを操作したタイミングがエンジンオイル交換時点の情報としてコントローラ16側に送られ、新たに走行距離C及びDPF再生間平均走行距離Eの値の測定又は算定が行われる。
スタート後のステップS11において、DPF8の入口側の入口側圧力センサ22とDPF8の出口側の出口側圧力センサ24の値を読み込む。
ステップS12において、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値からDPF8の微粒子捕集量対応圧力Pを算出する。微粒子捕集量対応圧力Pは、DPF8に捕集された微粒子(例えば煤)の捕集量が入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値と連動することから、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値(微粒子捕集量対応圧力)として算定される。
ステップS16においては、微粒子捕集量対応圧力Pが所定値P2(DPF再生制御終了閾値)以下であるか否かを判定する。DPF8の微粒子の燃焼除去が進むと、煤が燃焼除去され、入口側圧力センサ22と出口側圧力センサ24の差圧の値が徐々に小さくなることから、微粒子捕集量対応圧力Pが所定値P2以下となれば、煤が燃焼除去されたと判断することができる。
P≦P2であるときは、ステップS17においてポスト噴射を終了し、ステップS18においてポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を終了するので、フラグF=0とし、リターンに進む。なお、P1(DPF再生制御開始閾値)>P2(DPF再生制御終了閾値)である。
P>P2であるときは、DPF8に依然として燃焼除去すべき煤が残存している状態と判断されるため、ステップS15に戻る。
ステップS19においては、仮にディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行できるような装置が設けられている場合に、使用者が手動操作スイッチをONにすることによりDPF再生が実行される場合には、ステップS13において微粒子捕集量対応圧力Pが所定閾値P1未満である場合においても、ステップS14に進み、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を行うことができる。ステップS19において、使用者の手動操作によるDPF再生が実行されていない場合には、ポスト噴射によるDPF再生のDPF再生制御を行わずにリターン処理に進む。
なお、ディーゼルエンジンシステム1において使用者の手動操作によりDPF再生が実行できるような装置が設けられていない場合においては、ステップS19は省略され、リターンに進むようになっている。
上述の一連の制御がリターンに到達する場合には、再びスタートに戻り、スタートから一連の制御を開始させる。
排気ガスセンサは、煤の排出量を直接検出してもよく、また排気ガス中の他の物質の量を計測することにより間接的に煤の排出量を計測するものであってもよい。煤の総排出量に乗じる一定の係数は、煤の排出量に対するエンジンオイルへの混入量の割合として予め算定されることができ、ディーゼルエンジンの使用開始時点からの走行距離又は経過年数が所定の基準以上であるときに、走行距離又は経過年数に応じて係数の値を増加させる(すなわち煤の排出量に対してエンジンオイルに混入されるエンジンオイルへの混入量の割合を増加させる)ように補正してもよい。また、予め定められた混入限度量(又は混入限度状態)は、煤のエンジンオイル中への混入許容限度を超える状態となることをいい、直近のエンジンオイル交換時点から次回のエンジンオイル交換が必要となるまでの走行距離に到達したときに、煤のエンジンオイルへの混入量が混入限度量(又は混入限度状態)に到達するとして予め設定される。
2 ディーゼルエンジン
4 排気通路
6 酸化触媒
8 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
10 浄化触媒
12 CO酸化触媒
14 燃料タンク
16 コントローラ
17 走行距離検出手段
18 燃料噴射弁
19 報知手段
20 エンジンオイル劣化診断装置
22 入口側圧力センサ
24 出口側圧力センサ
26 エンジンオイル劣化診断手段
28 自動再生制御手段
30 自動再生閾値回数補正手段
Claims (3)
- ディーゼルエンジンのエンジンオイルの劣化を診断する上記ディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置において、
上記ディーゼルエンジンから排出される煤の排出量に基づいて煤のエンジンオイルへの混入状態を推定し、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断される場合には、エンジンオイルの劣化を診断するエンジンオイル劣化診断手段を備えていることを特徴とするディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。 - さらに、上記ディーゼルエンジンから排出される煤を捕集する上記DPFの煤捕集量が所定閾値に達した場合に、自動的に上記DPFの再生を行う自動再生制御手段を備え、
上記エンジンオイル劣化診断手段は、上記自動再生制御手段による自動的な上記DPFの再生の回数が、自動再生閾値回数に達した場合に、煤のエンジンオイルへの混入状態が混入限度状態に到達したと判断し、エンジンオイルの劣化を診断する請求項1に記載のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。 - さらに、ディーゼルエンジンの使用開始時点からの走行距離又は経過年数が所定の基準以上であるときに、上記走行距離又は上記経過年数に応じて上記自動再生閾値回数を減少させる自動再生閾値回数補正手段を備えている請求項2に記載のディーゼルエンジンのエンジンオイル劣化診断装置。
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