JP5931328B2 - エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法 - Google Patents

エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5931328B2
JP5931328B2 JP2010217145A JP2010217145A JP5931328B2 JP 5931328 B2 JP5931328 B2 JP 5931328B2 JP 2010217145 A JP2010217145 A JP 2010217145A JP 2010217145 A JP2010217145 A JP 2010217145A JP 5931328 B2 JP5931328 B2 JP 5931328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dpf
forced regeneration
oil dilution
engine
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010217145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012072686A (ja
Inventor
増田 具承
具承 増田
光範 中村
光範 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2010217145A priority Critical patent/JP5931328B2/ja
Publication of JP2012072686A publication Critical patent/JP2012072686A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5931328B2 publication Critical patent/JP5931328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、エンジン、特にディーゼルエンジンの排ガス浄化装置に関し、排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPFと略す)を備えるディーゼルエンジンの排ガス浄化装置および浄化方法に関する。
ディーゼルエンジンの排ガス規制において、NOx低減と同様に重要なのが、PM(粒子状物質)の低減である。これに対する有効な技術として、DPFが知られている。
DPFは、フィルターを用いた捕集装置であり、排ガス温度が低いエンジン運転状態では、このDPFにPMが蓄積し続けるため、強制的に排ガス温度を上げてこのDPFに堆積したPMを燃焼除去する強制再生が行われる。
このDPFの強制再生は、エンジンの燃料噴射装置を用いて燃焼室内へ主噴射の直後にアーリーポスト噴射を行い、これにより、DPFの上流側に設置された酸化触媒(DOCと略す)を活性化してこのDOCの温度を高めた後に、燃焼室内に燃焼に寄与しないタイミングでレイトポスト噴射を行い、DPF前段のDOCで昇温された排ガスがDPFに導かれて、PMを燃焼除去するようになっている。
しかし、DPFには、潤滑オイルの燃焼から生じるアッシュ(灰成分)が排ガス中に含まれ運ばれて捕集されるが、このアッシュ成分は、フィルターの強制再生処理によっても燃焼除去されずに堆積していく問題がある。
従って、図6に示すように、強制再生されることでPM中のスート(煤成分)は焼却されて強制再生前と強制再生後とで圧損の増加と減少を繰り返すが、運転時間の増大につれて燃焼除去されないアッシュ成分の堆積量が増大し、アッシュ堆積による圧力損失が増大し、DPF前後の圧力損失に影響を与え、エンジンの許容排圧を超える問題が生じる。
このアッシュ堆積量を考慮して再生処理の開始判定時期を補正する技術して特開2002−242660後公報(特許文献1)が知られている。この特許文献1には、DPF装置において、潤滑油から生じるアッシュのフィルターへの蓄積状態を推定しながら、このアッシュ蓄積推定値により、再生開始の判断に用いる排圧に関する排圧判定値を修正乃至補正して、再生操作の開始時期を適正に判断でき、フィルターの目詰まりを防止しながら、効率よくPMを除去できることが示されている。
特開2002−242660号公報
特許文献1の技術は、アッシュのフィルターへの蓄積状態を推定しながら、このアッシュ蓄積推定値により、再生開始の判断に用いる排圧に関する排圧判定値を修正乃至補正して、再生操作の開始時期を適正に補正するものであり、長時間の運転を続けた場合にアッシュが堆積してDPF前後の圧力損失に影響を与え、エンジンの許容排圧を超える問題を解決することまでは開示されていない。
前記したように、アッシュ成分は、フィルターの強制再生処理によっても燃焼除去されずに堆積していくため、運転時間が延びるに従って、このアッシュ成分の堆積量が増大し、DPF前後の圧力損失に影響を与え、エンジンの許容排圧を超える問題が生じるので、アッシュのメンテナンスが必要となり、必要な時期にはDPF装置のフィルターの交換や、フィルターからアッシュ成分の除去作業をDPFの強制再生処理とは別に行わなければならない。
一方、DPFの強制再生時には、ポスト噴射を行うことによる燃料のエンジンオイル内への希釈、すなわち、オイルダイリューションの問題が生じる。アッシュの堆積量が増大するに従って、エンジンの排圧(圧力損失)が上昇するため、圧力損失を条件に強制再生を開始する場合には、強制再生操作が頻繁に実行され、それに伴ってオイルダイリューションが増大する問題がある。
つまり、アッシュ堆積の増大が、強制再生間隔を短くし、それに伴いオイルダイリューションの増大を招くという関係が生じる。
従って、アッシュ堆積量がエンジンの許容排圧を超えてエンジン性能に悪影響を与えない範囲内で、且つオイルダイリューションがエンジン性能に悪影響を与えない許容範囲内でDPFを使用することが、アッシュのメンテナンス間隔を最大に伸ばしつつ、エンジントラブルを回避する上で最も効果的である。
このアッシュメンテナンス間隔を伸ばすことは、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の非稼働時間を極力抑えて効率的な運転を可能にする上で重要である。
従って、本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、アッシュ堆積量がエンジンの許容排圧を超えてエンジン性能に悪影響を与えない範囲内で、且つオイルダイリューションがエンジン性能に悪影響を与えない許容範囲内でDPFを使用することによって、アッシュのメンテナンス間隔を最大に延ばしつつ、エンジントラブルを回避するエンジンの排ガス浄化装置および浄化方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の第1発明は、エンジンの排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を備えるエンジンの排ガス浄化装置において、前記DPFに堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段と、前記強制再生手段を構成するエンジンの燃料噴射制御手段と、強制再生時の前記燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段と、前記DPFの圧損計測結果から、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、該圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つエンジン性能上悪影響が生じるDPF許容値に達している場合には、前記DPFの交換またはDPFに堆積した灰(アッシュ)のメンテナンスまたはエンジンオイルの交換を含むメンテナンスを報知するメンテナンス報知手段と、圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が、前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまで前記強制再生手段による強制再生を可能とし、超えた場合には前記メンテナンス報知手段を作動する強制再生実行制御手段と、を備え、さらに、前記強制再生実行制御手段は、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値以下の場合には運転時強制再生を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、停車時強制再生を実行し、前記第2オイルダイリューション閾値を超える場合には、強制再生を不許可としてさらに前記メンテナンス報知手段を作動するように構成し、前記第2オイルダイリューション閾値を超えるまで実行される強制再生を、前記DPFの圧力損失が前記DPF許容値に達する直前まで可能にすることを特徴とする。
かかる第1発明によれば、圧力損失推定手段によって推定された所定の運転条件、すなわち、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つDPF許容値に達している場合には、メンテナンス報知手段によってDPFの交換またはDPFに堆積した灰(アッシュ)のメンテナンスまたはエンジンオイルの交換を含むメンテナンスをドライバー若しくは作業員に対して報知するので、アッシュ堆積量がエンジンの許容排圧を超えてエンジン性能に悪影響を与える範囲での使用が回避される。
また、前記推定された損失圧力が前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまで強制再生手段による強制再生を可能とするので、すなわち、排圧の圧力損失がDPF許容値に達するぎりぎりまで、オイルダイリューションがエンジン性能に悪影響を与えない範囲で強制再生を繰り返してDPFの交換やアッシュメンテナンスをせずに使用可能である。
従って、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことで、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の非稼働時間を低減して効率的な運転が可能になる。
また、本第1発明は、前記強制再生実行制御手段は、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値以下の場合には運転時強制再生を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、停車時強制再生を実行する。
このように、推定オイルダリューション量に応じて、推定オイルダイリューション量が低いレベルの第1オイルダイリューション閾値以下の場合には、まだ許容閾値まで余裕があるため、オイルダイリューションが進行する度合いが大きい運転時強制再生を実行し、推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きいオイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、オイルダイリューションが進行する度合いが小さい停車時の強制再生を実行する。
従って、オイルダイリューションの推定量に基づいて、強制再生の手段が選択されるため、オイルダイリューション量に基づいて判定されるオイル交換やアッシュ洗浄等の警告時期を延ばすことができ、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等ができない非稼働時間を極力抑えることができる。
また、本第1発明は、前記強制再生実行制御手段は、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量が前記第2オイルダイリューション閾値を超える場合には、強制再生を不許可としてさらに前記メンテナンス報知手段を作動する。
このような構成によって、オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダリューション量が、オイルダイリューション許容閾値である第2のダイリューション閾値を超える場合には、アッシュ堆積量の過多によって、必要とする強制再生の間隔が確保できなくなったと判断し、DPFメンテナンス報知手段を報知して、DPFの交換、またはDPFに堆積した灰(アッシュ)のメンテナンス、または強制再生間隔が短くなり頻繁に強制再生が行われたものと判断してエンジンオイルの交換も促す報知を発する。
これによって、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことが可能になる。
また、本発明は、前記圧力損失推定手段は、前記DPFの圧損計測結果から排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点における運転状態でのDPFの圧力損失を推定することを特徴とする。
エンジン回転数及びエンジン負荷の定格点、すなわち図4のP点の位置であり、最大回転数および最大負荷の点であり、この点でのエンジン回転数とエンジン負荷における圧力損失推定値を用いて判定する。
EGR(排ガス再循環装置)が設けられているエンジンでは、DPFの強制再生を行う際には、EGRバルブを閉じるため強制再生時には排ガス流量が増大、さらに定格点の運転のためガス量は増加する。そのため、強制再生中にエンジンが定格点の運転状態にある場合には、排圧が上昇しエンジンの許容排圧を超過するおそれがある。従って、定格点での圧力損失推定値を基にDPF許容値に達しているか否かを判定することによって、許容排圧を超えての運転を防止でき、エンジントラブルを確実に回避できる。
また、本第1発明において好ましくは、低流量域における圧力センサの計測誤差を補正するために、低流量域における前記圧損計測結果に対して運転領域に応じた領域補正を行うとよい。
すなわち、排ガス流量が少ないエンジン低回転、低負荷時には圧力センサからの検出値の誤差が大きく検出値に影響するため、低流量域における圧力センサの計測誤差を補正する。この補正は、低流量域における圧損計測値に運転領域に応じた領域補正を行う補正係数を掛ける。これによって、低流量域での差圧センサの誤差による強制再生頻度の増加を抑制できる。なお、補正係数は、低流量域になるに従って小さい係数を掛けるように補正される。
また、本発明の第2発明は、エンジンの排ガス浄化方法の発明であり、エンジンの排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を備え、前記DPFに堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段と、前記強制再生手段を構成するエンジンの燃料噴射制御手段と、強制再生時の前記燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段と、前記DPFの圧損計測結果から、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、を備えたエンジンの排ガス浄化装置の排ガス浄化方法において、前記圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つエンジン性能上悪影響が生じるDPF許容値に達している場合には、前記DPFのメンテナンスを報知し、前記圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が、前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまでは強制再生を実施可能にし、超えた場合には前記メンテナンスを報知するように構成し、さらに、前記推定オイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値以下の場合には運転時強制再生を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、停車時強制再生を実行し、前記第2オイルダイリューション閾値を超える場合には、強制再生を不許可としてさらに前記メンテナンスを報知し、前記第2オイルダイリューション閾値を超えるまで実行される強制再生を、前記DPFの圧力損失が前記DPF許容値に達する直前まで可能にすることを特徴とする。
かかる第2発明のエンジンの排ガス浄化方法によれば、前記排ガス浄化装置と同様にアッシュ堆積量がエンジンの許容排圧を超えてエンジン性能に悪影響を与えない範囲内で、且つオイルダイリューションがエンジン性能に悪影響を与えない許容範囲内でDPFを使用することができる。
従って、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことで、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の稼働できない非稼働時間を低減して効率的な運転が可能になる。
第1発明によれば、前記DPFに堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段と、前記強制再生手段を構成するエンジンの燃料噴射制御手段と、強制再生時の燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段と、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、該圧力損失推定手段によって推定された所定の運転条件における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つDPF許容値に達している場合には、前記DPFの交換またはDPFに堆積した灰(アッシュ)の洗浄またはエンジンオイルの交換等のメンテナンスを報知するンテナンス報知手段と、圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が、前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまで強制再生を実行可能とする強制再生実行制御手段と、を備えているので、アッシュ堆積量がエンジンの許容排圧を超えてエンジン性能に悪影響を与えない範囲内で、且つオイルダイリューションがエンジン性能に悪影響を与えない許容範囲内でDPFを使用することができる。
従って、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことができ、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の非稼働時間を低減して効率的な運転が可能になる。
また、第2発明によれば、前記第1発明と同様に、許容排圧を超えない範囲でDPFを使用することができるとともに、メンテナンス間隔を極力延ばすことができ、エンジンの効率的な運転が可能になる。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの排気浄化装置の概要構成図である。 第1実施形態を示す強制再生フローチャートである。 第2実施形態を示す強制再生フローチャートである。 領域補正値と運転領域の関係を示す説明図である。 オイルダイリューション量推定例を示す説明図である。 運転時間と排気系の圧損の関係を示す説明図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
図1を参照して、本発明に係るエンジンの排ガス浄化装置の全体構成について説明する。ディーゼルエンジン(以下エンジンという)1の排気通路3には、酸化触媒(DOC)5と該DOC5の下流側にPM(パティキュレートマター、粒子状物質)を捕集するDPF(パティキュレートフィルタ)7とからなる排ガス後処理装置9が設けられている。
また、排気通路3には排気タービン11aとこれに同軸駆動されるコンプレッサ11bを有する排気ターボ過給機11を備えており、該排気ターボ過給機11のコンプレッサ11bから吐出された空気は給気通路13を通って、インタークーラ15に入り給気が冷却された後、給気スロットルバルブ17で給気流量が制御され、その後、インテークマニホールド19からシリンダ毎に設けられた吸気ポート21からエンジン1の吸気弁23を介して燃焼室25内に流入するようになっている。
また、エンジン1においては、図示しないが、燃料の噴射時期、噴射量、噴射圧力を制御して燃焼室25内に燃料を噴射するコモンレール燃料噴射装置が設けられており、該コモンレール燃料噴射装置が各気筒の燃料噴射弁27に対して所定の燃料噴射時期に、所定の燃料圧力に制御された燃料を供給するようになっている。
また、排気通路3、または排気マニホールド29の途中から、EGR(排ガス再循環装置)通路31が分岐されて、排ガスの一部が給気スロットルバルブ17の下流側部位にEGRクーラ33、EGRバルブ35を介して投入されるようになっている。
エンジン1の燃焼室25で燃焼された燃焼ガス即ち排ガス37は、シリンダ毎に設けられた排気弁39、排気ポート41、排気マニホールド29及び排気通路3を通って、前記排気ターボ過給機11の排気タービン11aを駆動してコンプレッサ11bの動力源となった後、排気通路3を通って排ガス後処理装置9に流入する。
また、DOC5の下流側にDPF7が配置されており、該DPF7の強制再生が強制再生手段43によって行われており、該強制再生手段43は制御装置45内に設けられており、該制御装置45には、コンプレッサ11bへ流入する給気流量を検出するエアフローメータ47、DOC入口温度センサ49、DPF入口温度センサ51、DPF出口温度センサ53、差圧センサ55からの信号が入力されている。
さらに、エンジン回転数信号57、エンジン燃料噴射量信号59がそれぞれ制御装置(ECU)45に入力されている。
この強制再生手段43は、DPF7に堆積されたPMの堆積量が所定値を超えた時に、昇温手段を制御してDPF7の入口温度を目標温度近傍(約600℃)まで昇温して堆積したPMを焼却除去する。
強制再生手段43によるPMの燃焼除去についての制御概要をまず説明する。
強制再生を開始する条件、例えば、PMの堆積量を推定、車両であれば走行距離、エンジンの運転時間、トータル燃料消費量等を基に判定されて、強制再生が開始されるとDOC5を活性化するためのDOC昇温制御が実行される。このDOC昇温制御は、給気スロットルバルブ17の開度が絞られ、燃焼室内に流入する空気量を絞って、排ガス中の未燃燃料を増加させる。さらに、アーリーポスト噴射によって、主噴射直後にシリンダ内の圧力がまだ高い状態で主噴射より少量の燃料を噴射する1回目のポスト噴射を燃料噴射制御手段61によって行う。このアーリーポスト噴射によって、エンジンの出力には影響を与えずに排ガス温度を高め、この高温化された排ガスがDOC5に流入することで、DOC5を活性化させ、そしてDOC5の活性化に伴い排ガス中の未燃燃料を酸化される際に発生する酸化熱で排ガス温度を上昇させる。
そして、次に、DOC入口温度が所定温度に達したかを判定し、超えている場合には、レイトポスト噴射によってDPF7の入口温度をさらに上昇させる。このレイトポスト噴射は、前記アーリーポスト噴射後のクランク角度が下死点近傍まで進んだ状態で噴射する2回目のポスト噴射のことをいい、燃料噴射制御手段61によって行われる。
このレイトポスト噴射によって、排気弁の開状態時に燃焼室から排気通路3へ燃料を排出させて、排出された燃料は既に活性化されたDOC5において反応して、発生した酸化熱により排ガス温度をさらに上昇させてDPF7の再生に必要な温度、例えば600℃にしてPMの燃焼を促進する。
また、制御装置45には、DPF7に堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段43を備えると共に、さらに、強制再生手段43を構成するエンジンの燃料噴射制御手段61と、強制再生時の燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段63と、所定のエンジン回転数およびエンジン負荷におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段65とを備えている。
さらに、圧力損失推定手段65によって推定された所定の運転条件における損失圧力、例えば定格運転時状態においての損失圧力が、予め設定された強制再生閾値を超え且つDPF許容値に達している場合に、すなわち、損失圧力から判断すると強制再生の開始閾値を超え、さらに、DPF圧損許容値に達している場合には、DPF7に故障が生じたと判定してDPF7の交換、またはDPF7に堆積した灰(アッシュ)のメンテナンス、またはエンジンオイルの交換を促す警報を報知器67で発するDPFメンテナンス報知手段(メンテナンス報知手段)69を備えている。
また、圧力損失推定手段65によって推定された所定の運転条件における損失圧力、例えば定格運転時状態においての損失圧力が、強制再生閾値を超え且つDPF許容値に達していない場合に、すなわち、損失圧力から判断すると予め設定された強制再生閾値を超え、さらに、DPF圧損許容値に達していない場合には、オイルダイリューション量推定手段63によって推定された推定オイルダリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまでDPF7のメンテナンスを報知することなく、前記の強制再生手段43による強制再生を可能とする強制再生実行制御手段71を備えている。
以上のように構成された制御装置45による制御を図2のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1で、排ガス温度をDPF入口温度センサ51、DPF出口温度センサ53からの信号を基に、入口出口温度の平均値として算出し、排ガス量をエアフローメータ47で検出した給気量と、燃料噴射制御手段61からの燃料噴射量とを基に算出する。さらに、差圧センサ55からの信号を基にDPF7による圧損を計測する。
ステップS2では、ステップ1での検出値及び算出値を基に、定格点でのDPF圧損を推定する。この推定は、次の式(1)〜(3)を用いて行う。なお、定格点とは図4のP点で示すように、高回転数および高負荷の最大出力における点であり、この点における圧力損失推定値を推定する。

Figure 0005931328

Figure 0005931328

Figure 0005931328
ここで、ΔP:DPF圧力損失もしくはDPF部のゲージ圧[kPa]
Q :体積ガス流量[Am3/h]
T :DPF出入口平均ガス温度[℃]
W :質量ガス流量[kg/h]
ρ :排ガス密度[kg/Nm3]
μ :ガス粘度[μPa・sec]
添字MV:通常の運転状態
添字RP:定格点での運転状態
である。
次に、ステップS3で、運転領域より、領域補正値Fを算出する。図4のように、領域補正値Fと運転領域の関係が予め、マップ状に設定されており、該マップより運転状態に応じた領域補正値Fが算出される。
低流量域における圧力センサの計測誤差を補正するために、低流量域における差圧計測値に運転領域に応じた領域補正を行う領域補正値Fを掛ける。この領域補正値Fは、図4のように低流量域になるに従って小さい係数を掛けて補正する。
このように低流量域において、差圧センサ55からの検出信号に対して補正係数を掛けることによって、差圧センサ55からの計測データの信頼性を高めて、差圧センサ55の誤差による強制再生頻度の増加を抑制できる。さらに、強制再生頻度の増加を抑制する結果、燃費悪化やオイルダイリューション量の増加を抑制できる。
次に、ステップS4で、ステップS2で推定した定格点でのDPF圧損推定値に対して、ステップS3で算出した領域補正値Fを掛けたDPF圧損推定値が、閾値(強制再生閾値)と比較して大きいか否か判定する。例えば、この閾値を20KPaに設定する。
次に、ステップS4で、Noの場合には、すなわち、閾値以下の場合には、ステップS5でカウンター値をゼロにしてステップS1戻り、ステップS1〜S4を繰り返す。
ステップS4で、Yesの場合には、ステップS6に進んで、領域補正値Fを掛けたDPF圧損推定値が、エンジン性能上において悪影響が生じるDPF許容値を超えるか否かの判定を行う。例えば、このDPF許容値を24〜25KPaの値に設定する。
DPF許容値を超えると判定した場合には、DPF7の故障と判定してドライバー若しくは作業者等に対して報知する。そして、DPF7の交換、またはアッシュの堆積量異常のため、作業者等に対してアッシュメンテナンスの注意、さらに、エンジンオイルがレイトポスト噴射燃料によって希釈されているためエンジンオイルの交換等を促す。
このアッシュメンテナンスは、DPF7のフィルターを取り外して、圧縮エアー等で堆積しているアッシュ(灰成分)を吹き飛ばす作業を行う。さらに、アッシュが堆積し過ぎている状況では、図6に示すように基本となる圧損が大きいため強制再生が頻繁に行われる結果、オイルダイリューション量が増加していることから、必要に応じてエンジンオイルの交換も行われる。
次に、ステップS6で、Noの場合、すなわち、領域補正値Fを掛けたDPF圧損推定値が、DPF許容値を超えていない場合、ステップS7でカウンター値を加算し、ステップS8で、そのカウンター値がカウター閾値を超えたか否かを判定する。超えていなければ、所定時間継続していないと判定してステップS1にリターンして最初からの手順を繰り返す。
ステップS8でカウンター値がカウター閾値えていると判定した場合には、ステップS6のDPF圧損推定値がDPF許容値を超えていない状態が所定時間継続していると判定してステップS9に進み、ステップS9で、オイルダイリューション量がオイルダイリューション閾値(オイルダイリューション許容閾値)を超えたか否かを判定する。
オイルダイリューション量は、エンジンのオイルパン内にオイルレベルセンサを設けて、オイルパン内のエンジンオイル量を計測することで推定する。
ステップS9の判定で、Yesの場合には、ステップS10に進んでアッシュメンテナンス、または必要に応じてオイル交換を行う。
ステップS9の判定で、Noの場合には、ステップS11に進んで停車時強制再生を実行する。
この停車時強制再生とは、車両を停車状態にして、エンジンをアイドル回転数またはこの回転数より少し高めたエンジン回転数(1500〜2000rpm)で再生処理が実行される。停車時再生条件を満たすと判定した場合、停車時強制再生を実行するようにドライバーに報知すべく、警告灯を点灯させる。本第1実施形態では、ステップS11において、警告を出し警告灯の点灯を認識したドライバーが停車時強制再生処理を開始するためのスイッチ(不図示)を「ON」にして開始する。そして、停車時強制再生処理を実行する。
一方、後述する運転時強制再生処理とは、DPFにおけるPM堆積量が所定の条件を満したときに、車両の走行中もしくは作業中に自動的に再生処理が実行されるものである。
前記の停車時強制再生処理及び後述する運転時強制再生処理は共に、前記強制再生手段43の実行手順に沿って再生が行われるものであり、燃料をポスト噴射することによってPM再生処理を行うため、エンジンオイルの希釈化が生じる。
これはポスト噴射された燃料が、エンジンのシリンダ内に付着し、オイルパン等にあるオイルに浸透することによって生ずるものである。オイルの希釈化の程度(即ち、オイル希釈度)は、ポスト噴射時に噴射された燃料がエンジンにおいて燃焼されずに残存する量に依存する。
停車時強制再生処理は、前述のように車両停車時にエンジンをアイドリング状態またはそれより少し高目の状態で実行するため、ポスト噴射タイミングやポスト噴射量や空気量を適正化することによって、オイル希釈度を少なくなるよう調整できる。一方、運転時強制再生処理は、エンジンの運転状態である回転数及び負荷が使用条件に応じて時々刻々と変化するため、様々な運転条件においてポスト噴射タイミングやポスト噴射量や空気量が適正化する必要があり、オイル希釈度が少なくなるように調整することが難しい。
尚、燃料消費率の観点から言えば、定車時再生処理は、車両を停車してエンジンがアイドリング状態またはそれより少し高いエンジン回転数状態で、再生処理だけにエンジンを回転させるため、運転時強制再生処理のように車両の走行中や車両を用いて作業を行っている最中に実行する運転時強制再生処理に比べて燃料消費率が不利になる傾向がある。
なお、ステップS11では、停車時強制再生を行うので、強制再生中にエンジンの許容排圧を超える恐れが低減される。
すなわち、PMの強制再生中には排ガス温度上昇によって排ガス体積が増大して排圧が上昇する傾向にあるが、そのような状況下において、稼働時再生を実施するとさらに運転状態に応じた回転数及び負荷によって排ガス流量が増大して、エンジンの許容排圧を超える恐れがある。しかし、停車状態で強制再生を実施することでこのような問題を回避できる。
また、エンジン定格運転時における圧力損失を推定して、該推定値がDPF許容値(エンジンの許容排圧値)に達しているか否かを判定して、該許容値に達している場合には、DPF7が故障していると判定して、DPFの交換やアッシュメンテナンス、またはエンジンオイルの交換を含むメンテナンスをドライバー若しくは作業員に対して報知するので、アッシュ堆積量がDPF前後の圧力損失に影響を与え、エンジンの許容排圧を超えることが防止される。
また、排ガス流量が最大となる定格点における圧力損失値を推定して、DPF許容値に達しているか否かを判定しているため、エンジンの許容排圧を超過しての運転を確実に防止でき、排圧上昇に基づくエンジントラブルを確実に回避できる。
さらに、DPF許容値内においては、オイルダイリューション量がオイルダイリューション閾値に達するまで強制再生を繰り返してDPFを使用するため、DPF7の交換やアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことができる。
以上のように、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことで、メンテナンスに伴う車両の稼働できなくなる時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の稼働できない時間を低減して効率的な運転が可能になる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、図2のステップS9のオイルダイリューション量がオイルダイリューション閾値(オイルダイリューション許容閾値)を超えたか否かの判定に、オイルパン内のエンジンオイル量を直接計測することでオイルダイリューション量を推定して判定を行った例を説明したが、第2実施形態は、このオイルダイリューション量を、計算式を用いて推定することに特徴がある。すなわち、図2のM部分を図3のようにする。
図3のフローチャートを参照して再生手順を説明する。
まず、ステップS21では、オイルダイリューション量を推定する。このオイルダイリューション量は、強制再生中のオイルへの軽油の混入量と、通常時運転中のオイル中軽油の蒸発量とより推定する。
ステップS21では通常時運転中のオイル中軽油の蒸発量を推定するともに、後述するステップS34またはステップS25によって推定される強制再生中のオイルへの軽油の混入量をもとに、オイルダイリューション量Xが推定される。
強制再生中のオイルへの軽油混入量は、次の式(4)を用いて推定する。

Figure 0005931328
ここで、A :オイルダイリューション比率
fuel in oil:オイルへの軽油混入量[ml]
Late Post:レイトポスト噴射量[ml/sec]
Doc In:DOC入口ガス温度[℃]
ΔTReg:強制再生時間[sec](レイトポスト噴射時間)
である。
オイル中の軽油の蒸発速度は、軽油の濃度に1次依存と仮定して、エンジンの負荷影響を受けると考え、下記の式(5)〜(7)を用いてオイル中軽油の蒸発量を推定する。

Figure 0005931328

ここで、B:エンジン負荷に対する蒸発速度係数
K:オイル中軽油の蒸発速度定数[h-1]
t:強制再生中を除く運転時間[h]
fuel in oil:オイル中軽油濃度[wt%]
:エンジントルク[Nm]
である。
オイルダイリューション量の推定は、式(4)、(8)より強制再生中のオイルへの軽油混入量と、式(6)、(7)を用いて通常運転中のオイル中軽油の蒸発量の推算を用いて行う。
Figure 0005931328
ここで、QOil 0:初期オイル量[L]
Oil :推定時オイル量[L]
ρfuel :燃料密度[kg/L]
ρOil :オイル密度[kg/L]
である。
前述のようにステップS21では、通常時運転中のオイル中軽油の蒸発量の推定を行い、さらに、後述するステップS34またはステップS25によって推定された強制再生中のオイルへの軽油混入量(Qfuel in oil)をもとにオイル中軽油濃度(Cfuel in oil)に相当するオイルダイリューション量Xが推定されるが、その後ステップS22で、第1オイルダイリューション閾値Aを超えているか否かが判定され、超えていなければ、ステップS23で運転時強制再生要求があるか否かが判定される。
ステップS22で第1オイルダイリューション閾値Aを超えていると判定されればステップS27で、運転時強制再生不許可を指示して、次のステップS28で、オイルダイリューション量Xの推定値が、第2オイルダイリューション閾値Bを超えているか否かが判定される。この第2オイルダイリューション閾値B(オイルダイリューション許容閾値)を超えている場合には、アッシュ堆積量が過多により、必要な強制再生間隔が確保できなくなったと判断して、ステップS29で停車時強制再生をも不許可として、さらにステップS30でオイル警告を発して作業者にアッシュメンテナンスを警告して、オイル交換、DPF交換、アッシュの洗浄処理等を促す。
そして、ステップS31で、サービス工場等でオイル交換、アッシュ洗浄処理等をして、サービスツールで、警告信号や蓄積してきたデータをリセットして初期値に戻す。
また、ステップS28で、オイルダイリューション量Xの推定値が、第2オイルダイリューション閾値Bを超えていない場合には、ステップS32に進み、停車時強制再生要求があるか否かが判定される。停車時強制再生要求がある場合にはステップS33に進んで、停車時強制再生が実施され、停車時強制再生要求がない場合にはステップS21に戻る。
そして、ステップS33で停車時強制再生実施が行われた後には、ステップS34で強制再生のレイトポスト(L.P.)噴射で生じたオイルダイリューション量を推定する。 このステップS34における、レイトポスト(L.P.)噴射で生じたオイルダイリューション量の増加分は、ステップS21で説明した手法によって推定する。
ステップS35で、停車時強制再生を完了してステップS21にリターンし、ステップS21で、ステップS34で推定した強制再生中のオイルダイリューション量と、通常時運転中のオイル中軽油の蒸発量からオイルダイリューション量が推定される。
一方、ステップS23では、運転時強制再生要求があるか否かが判定される。運転時強制再生要求がある場合にはステップS24に進んで、運転時強制再生が実施され、運転時強制再生要求がない場合にはステップS21に戻る。
そして、ステップS24で運転時強制再生実施が行われた後には、ステップS25で強制再生のレイトポスト(L.P.)噴射で生じたオイルダイリューション量を推定する。
このステップS25における、レイトポスト(L.P.)噴射で生じたオイルダイリューション量の増加分は、ステップS21で説明した手法によって推定する。
ステップS26で、運転時強制再生を完了してステップS21にリターンし、ステップS21で、ステップS25で推定した強制再生中のオイルダイリューション量と、通常時運転中のオイル中軽油の蒸発量からオイルダイリューション量が推定される。
ステップS21で算出するオイルダイリューション量の推定例を図5に示す。強制再生の間隔が、T1<T2<T3と短くなるに従って、オイルダイリューション率(オイル中軽油量、軽油混入量/オイル量)が早い段階で、目標とするダイリューション閾値を超えることを示す。
以上第2実施形態によれば、オイルダイリューション量推定手段63によって、オイルダイリューション量を算出して、推定したオイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値A超えない場合には、オイルダイリューション量の許容閾値に余裕があるため、燃費の良い運転時強制再生処理を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値Aより大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値B以下の場合には、オイルダイリューション許容閾値に近づいているため、オイルダイリューションに有利な停車時強制再生処理を実行する。
従って、オイルダイリューションの推定量に基づいて、強制再生処理の手段が選択されるため、オイルダイリューション量に基づいて判定されるオイル交換やアッシュ洗浄等の警告時期を延ばすことができ、メンテナンスに伴う車両の非稼働時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等ができない非稼働時間を極力抑えることができる。
すなわち、アッシュの堆積によって、強制再生間隔時間が短くなり、そのためにオイルダイリューションが増量するが、このアッシュ堆積によるDPFの圧損が許容値に達するまでの範囲内において、オイルダイリューションを考慮してメンテナンス期間を延ばすことが可能になる。
さらに、第2実施形態においては、オイルダイリューション量を演算式を用いて推定するため、第1実施形態のようなオイルレベルセンサのような計測装置が不要となり、コスト低減及び装置の簡素化が図れる。
本発明によれば、アッシュ堆積によるエンジントラブルのリスクを回避しつつアッシュメンテナンス間隔を極力延ばすことができ、メンテナンスに伴う車両の稼働できなくなる時間、または発電機等の定置エンジンでは発電等の稼働できない時間を低減して効率的な運転が可能になるので、エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法への利用に適している。
1 ディーゼルエンジン
3 排気通路
5 DOC(前段酸化触媒)
7 DPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)
9 排ガス後処理装置
43 強制再生手段
45 制御装置(ECU)
47 エアフローメータ
49 DOC入口温度センサ
51 DPF入口温度センサ
53 DPF出口温度センサ
57 エンジン回転数信号
59 エンジン燃料噴射量信号
61 燃料噴射制御手段
63 オイルダイリューション量推定手段
65 圧力損失推定手段
67 報知器
69 DPFメンテナンス報知手段(メンテナンス報知手段)
71 強制再生実行制御手段

Claims (3)

  1. エンジンの排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を備えるエンジンの排ガス浄化装置において、
    前記DPFに堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段と、
    前記強制再生手段を構成するエンジンの燃料噴射制御手段と、
    強制再生時の前記燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段と、
    前記DPFの圧損計測結果から、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、
    該圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つエンジン性能上悪影響が生じるDPF許容値に達している場合には、前記DPFの交換またはDPFに堆積した灰(アッシュ)のメンテナンスまたはエンジンオイルの交換を含むメンテナンスを報知するメンテナンス報知手段と、
    圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が、前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまで前記強制再生手段による強制再生を可能とし、超えた場合には前記メンテナンス報知手段を作動する強制再生実行制御手段と、を備え
    さらに、前記強制再生実行制御手段は、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値以下の場合には運転時強制再生を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、停車時強制再生を実行し、前記第2オイルダイリューション閾値を超える場合には、強制再生を不許可としてさらに前記メンテナンス報知手段を作動するように構成し、前記第2オイルダイリューション閾値を超えるまで実行される強制再生を、前記DPFの圧力損失が前記DPF許容値に達する直前まで可能にすることを特徴とするエンジンの排ガス浄化装置。
  2. 低流量域における圧力センサの計測誤差を補正するために、低流量域における前記圧損計測結果に対して運転領域に応じた領域補正を行うことを特徴とする請求項1記載のエンジンの排ガス浄化装置。
  3. エンジンの排ガス中に含まれるPM(粒子状物質)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)を備え、前記DPFに堆積されたPMを燃焼除去する強制再生手段と、前記強制再生手段を構成するエンジンの燃料噴射制御手段と、強制再生時の前記燃料噴射制御手段からの燃料によるエンジンオイルのオイルダイリューション量を推定するオイルダイリューション量推定手段と、前記DPFの圧損計測結果から、排ガス流量が最大となる最大エンジン回転数および最大エンジン負荷である定格点におけるDPFの圧力損失を推定する圧力損失推定手段と、を備えたエンジンの排ガス浄化装置の排ガス浄化方法において、
    前記圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が予め設定された強制再生閾値を超え且つエンジン性能上悪影響が生じるDPF許容値に達している場合には、前記DPFのメンテナンスを報知し、
    前記圧力損失推定手段によって推定された前記定格点における損失圧力が、前記強制再生閾値を超え且つ前記DPF許容値に達していない場合には、前記オイルダイリューション量推定手段による推定オイルダイリューション量がオイルダイリューション許容閾値を超えるまでは強制再生を実施可能にし、超えた場合には前記メンテナンスを報知するように構成し、
    さらに、前記推定オイルダイリューション量が第1オイルダイリューション閾値以下の場合には運転時強制再生を実行し、前記推定オイルダイリューション量が前記第1オイルダイリューション閾値より大きい前記オイルダイリューション許容閾値である第2オイルダイリューション閾値以下の場合には、停車時強制再生を実行し、前記第2オイルダイリューション閾値を超える場合には、強制再生を不許可としてさらに前記メンテナンスを報知し、前記第2オイルダイリューション閾値を超えるまで実行される強制再生を、前記DPFの圧力損失が前記DPF許容値に達する直前まで可能にすることを特徴とするエンジンの排ガス浄化方法。
JP2010217145A 2010-09-28 2010-09-28 エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法 Active JP5931328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217145A JP5931328B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010217145A JP5931328B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012072686A JP2012072686A (ja) 2012-04-12
JP5931328B2 true JP5931328B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=46169110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010217145A Active JP5931328B2 (ja) 2010-09-28 2010-09-28 エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5931328B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6197377B2 (ja) * 2013-06-03 2017-09-20 いすゞ自動車株式会社 排気浄化装置
KR20150114715A (ko) * 2014-04-02 2015-10-13 현대중공업 주식회사 건설기계의 엔진배기가스 정화시스템
JP6375935B2 (ja) 2014-12-19 2018-08-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関のオイル希釈率算出装置
JP6287810B2 (ja) 2014-12-19 2018-03-07 トヨタ自動車株式会社 空燃比センサの異常診断装置
JP6969513B2 (ja) * 2018-07-17 2021-11-24 株式会社豊田自動織機 排気処理装置
JP7052717B2 (ja) * 2018-12-28 2022-04-12 株式会社豊田自動織機 内燃機関の制御装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3598572B2 (ja) * 1995-04-14 2004-12-08 株式会社デンソー 排気微粒子浄化装置
JP3846309B2 (ja) * 2001-02-05 2006-11-15 日産自動車株式会社 排気浄化装置
JP4148178B2 (ja) * 2004-04-08 2008-09-10 いすゞ自動車株式会社 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP4403892B2 (ja) * 2004-06-18 2010-01-27 マツダ株式会社 エンジンのオイル交換時期検知装置
JP4539595B2 (ja) * 2006-03-28 2010-09-08 三菱自動車工業株式会社 内燃機関のpm堆積量推定装置
JP2010007562A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Hitachi Constr Mach Co Ltd 建設機械の排ガス浄化システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012072686A (ja) 2012-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1905991B1 (en) Control method of exhaust gas purification system and exhaust gas purification system
JP5905427B2 (ja) Dpf再生制御装置
JP5720230B2 (ja) パティキュレートフィルタシステム
JP5573391B2 (ja) 排気ガス浄化システム
US7992383B2 (en) Method for controlling exhaust gas purification system and exhaust gas purification system
JP3979437B1 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
WO2011118250A1 (ja) Dpfの再生制御装置、再生制御方法、および再生支援システム
JP5931328B2 (ja) エンジンの排ガス浄化装置および浄化方法
EP2581569B1 (en) Dpf system
JP2005299418A (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
JP5316041B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
US9074505B2 (en) PM accumulation amount estimation device for DPF
JP4453718B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP4830870B2 (ja) 内燃機関用制御装置
KR101353648B1 (ko) 내연 기관의 배기 정화 장치
WO2014157288A1 (ja) 排気ガス浄化システム
JP5609924B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4986667B2 (ja) 排気浄化装置
WO2013061860A1 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2009287456A (ja) 排気絞り弁の故障診断装置
JP4365724B2 (ja) 排気浄化装置
JP6181400B2 (ja) 排気ガス浄化システム
JP2011007134A (ja) ディーゼルエンジン
KR101209720B1 (ko) 디젤매연필터 보호장치 및 방법
JP2008231951A (ja) エンジンの排気温度推定装置及びエンジンの排気浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130809

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150420

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150430

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20150626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160427

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5931328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350