JP2017172404A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料が噴射される内燃機関において、高オクタン価成分の濃度検出手段及び高オクタン価燃料の噴射装置の故障を精度よく判定することができ、商品性を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関3の制御装置1はECU2を備える。ECU2は、2つのエタノール濃度ELg,ELe及び内燃機関3の運転状態に応じて、総噴射量QINJTとガソリン及びエタノール噴射量QINJg,QINJeを決定し(ステップ10〜22)、点火時期IGLOGを進角させる判定用進角制御を実行し(ステップ35)、ガソリン噴射弁6などが正常である条件下で、判定用点火時期IG_JDと点火時期マップ値IGmapとの偏差である点火時期偏差DIG、及び総噴射量QINJTを補正する空燃比補正係数KAFに応じて、エタノール側濃度センサ23及びエタノール噴射弁7の故障を判定する(ステップ70〜74)。
【選択図】図8

Description

本発明は、高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料が噴射される内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置として特許文献1に記載されたものが知られている。この内燃機関は、高オクタン価燃料としての高オクタン価ガソリンを貯蔵する高オクタン価ガソリンタンクと、低オクタン価燃料としての低オクタン価ガソリンを貯蔵する低オクタン価ガソリンタンクと、ノッキングを検出するためのノックセンサなどを備えている。
この制御装置では、内燃機関のノッキングが発生しやすい状態となり、点火時期のリタード要求が発生した場合において、高オクタン価ガソリンタンク内の燃料残量と低オクタン価ガソリンタンク内の燃料残量との比である燃料残量比が所定の上限値を超えているときには、点火時期をリタードする代わりに、内燃機関への高オクタン価ガソリンの供給割合が増大される。具体的には、ノッキングの強度に応じて、マップ検索により、高オクタン価ガソリンの供給割合の増大量を算出し、この増大量分、高オクタン価ガソリンの供給割合を増大させることによって、内燃機関におけるノッキングの発生が回避される。
また、内燃機関の制御装置として、特許文献2に記載されたものが知られている。この内燃機関は、高オクタン価燃料としてのエタノールと、低オクタン価燃料としてのガソリンと水とを混合した状態で貯蔵するメインタンクと、ガソリン及びエタノール水溶液を上下に分離して貯蔵する分離タンクと、分離タンクからのガソリンを噴射するガソリン噴射弁と、分離タンクからのエタノール水溶液を噴射するエタノール噴射弁と、分離タンクからエタノール噴射弁に供給されるエタノール水溶液中のエタノール濃度を検出するエタノール濃度センサなどを備えている。
この制御装置では、内燃機関の運転状態に応じて、エタノール要求噴射量が決定され、このエタノール要求噴射量に応じて、ガソリン要求噴射量が決定され、エタノール要求噴射量をエタノール濃度で除算することにより、エタノール水溶液要求噴射量が決定される。そして、これらのガソリン要求噴射量分及びエタノール水溶液要求噴射量分の燃料がガソリン噴射弁及びエタノール噴射弁からそれぞれ内燃機関に噴射される。
特許第4155175号公報 特開2009−257133号公報
上記特許文献1の制御装置に対して特許文献2の制御装置を適用した場合、ノッキングの発生を抑制する際、高オクタン価燃料としてエタノール水溶液が供給されることになる。その際、エタノール噴射弁及び/又はエタノール濃度センサが故障していた場合には、エタノール水溶液噴射量が適切な値からずれてしまうことになり、例えば、エタノール水溶液噴射量が不足したときには、ノッキングが発生するおそれがある。これとは逆に、エタノール水溶液噴射量が過剰なときには、空燃比が過剰にリッチ側の値になり、排ガス浄化触媒の負荷が高くなることによって、排ガス浄化触媒の寿命が短くなるおそれがある。その結果、商品性が低下してしまう。以上の理由により、高オクタン価成分の濃度検出手段及び高オクタン価燃料の噴射装置の故障を精度よく判定することが必要とされている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料が噴射される内燃機関において、高オクタン価成分の濃度検出手段及び高オクタン価燃料の噴射装置の故障を精度よく判定することができ、商品性を向上させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、低オクタン価燃料(ガソリンG)を噴射する低オクタン価燃料噴射装置(ガソリン噴射弁6)と、低オクタン価燃料よりもオクタン価が高い燃料である高オクタン価燃料(エタノールE)を噴射する高オクタン価燃料噴射装置(エタノール噴射弁7)とを備え、低オクタン価燃料の噴射量である低オクタン価燃料噴射量(ガソリン噴射量QINJg)と高オクタン価燃料の噴射量である高オクタン価燃料噴射量(エタノール噴射量QINJe)との和である総噴射量QINJTにおける、低オクタン価燃料噴射量と高オクタン価燃料噴射量の割合が変更される内燃機関3の制御装置1であって、高オクタン価燃料における高オクタン価成分の濃度である高オクタン価成分濃度(エタノール側濃度ELe)を検出する高オクタン価成分濃度検出手段(エタノール側濃度センサ23)と、高オクタン価成分濃度及び内燃機関3の運転状態に応じて、低オクタン価燃料噴射量(ガソリン噴射量QINJg)、高オクタン価燃料噴射量(エタノール噴射量QINJe)及び総噴射量QINJTを決定する噴射量決定手段(ECU2、ステップ10〜22)と、総噴射量QINJTを補正するための補正値(空燃比補正係数KAF)を、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、内燃機関3の排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータ(検出当量比KACT)が所定の目標値(値1)になるように算出する補正値算出手段(ECU2、ステップ17)と、内燃機関3の運転状態に対応して設定された、内燃機関3の点火時期の基本値である基本点火時期(点火時期マップ値IGmap)を記憶する基本点火時期記憶手段(ECU2)と、点火時期IGLOGを所定の遅角側値IGrtdからノッキングが発生するタイミングまで進角させる進角制御を実行する進角制御手段(ECU2、ステップ35)と、低オクタン価燃料噴射装置(ガソリン噴射弁6)の故障を判定する低オクタン価側故障判定手段(ECU2、ステップ51)と、低オクタン価側故障判定手段によって低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合において、進角制御の実行によってノッキングが発生したタイミングでの点火時期であるノック時点火時期(判定用点火時期IG_JD)と基本点火時期(点火時期マップ値IGmap)との比較結果及び補正値(空燃比補正係数KAF)に応じて、高オクタン価成分濃度検出手段及び高オクタン価燃料噴射装置の故障を判定する高オクタン価側故障判定手段(ECU2、ステップ52,53,70〜74)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、高オクタン価成分濃度及び内燃機関の運転状態に応じて、低オクタン価燃料噴射量、高オクタン価燃料噴射量及び総噴射量が決定され、総噴射量を補正するための補正値が、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、内燃機関の排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータが所定の目標値になるように算出され、点火時期を所定の遅角側値からノッキングが発生するタイミングまで進角させる進角制御が実行される。さらに、低オクタン価燃料噴射装置の故障が判定され、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合において、進角制御の実行によってノッキングが発生したタイミングでの点火時期であるノック時点火時期と基本点火時期との比較結果及び補正値に応じて、高オクタン価成分濃度検出手段及び高オクタン価燃料噴射装置の故障が判定される。
この場合、基本点火時期は、内燃機関の運転状態に対応して設定された点火時期の基本値であり、ノック時点火時期は、進角制御の実行によってノッキングが発生したタイミングでの点火時期であるので、基本点火時期とノック時点火時期との比較結果は、その時点の混合気の耐ノック性すなわち高オクタン価成分の含有度合いを表すことになる。また、補正値は、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、内燃機関の排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータが所定の目標値になるように算出されるので、その時点の総噴射量の適切な値に対するずれを表すことになる。したがって、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合における、そのような基本点火時期とノック時点火時期との比較結果及び補正値を用いることによって、高オクタン価成分濃度検出手段及び高オクタン価燃料噴射装置の故障を精度よく判定することができ、商品性を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の制御装置1において、補正値算出手段は、総噴射量QINJTを増大側に補正するときには、補正値(空燃比補正係数KAF)を増大するように算出し、高オクタン価側故障判定手段は、低オクタン価燃料噴射装置(ガソリン噴射弁6)が正常であると判定されており、補正値(空燃比補正係数KAF)が所定上限値KAF_Hよりも大きい場合において、ノック時点火時期(判定用点火時期IG_JD)が基本点火時期(点火時期マップ値IGmap)に対して第1所定値Dref1以上、遅角側にずれているときには、高オクタン価燃料噴射装置(エタノール噴射弁7)が故障していると判定し、それ以外のときには、高オクタン価成分濃度検出手段(エタノール側濃度センサ23)が故障していると判定する(ステップ81〜83,85)ことを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されており、補正値が所定上限値よりも大きい場合において、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第1所定値以上、遅角側にずれているときには、高オクタン価燃料噴射装置が故障していると判定し、それ以外のときには、高オクタン価成分濃度検出手段が故障していると判定される。この場合、総噴射量を増大側に補正するときには、補正値が増大するように算出されるので、補正値が所定上限値よりも大きいときには、総噴射量が不足していることになるとともに、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合、高オクタン価燃料の噴射量が不足していることになる。また、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第1所定値以上、遅角側にずれている場合、混合気における高オクタン価成分の含有度合いがかなり低いことになるので、そのような状態が発生しているときには、高オクタン価成分濃度検出手段が正常であるものの、高オクタン価燃料噴射装置の詰まり故障などに起因して、高オクタン価燃料の噴射量が不足していると精度よく判定することができる。
一方、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第1所定値以上、遅角側にずれていない場合、混合気における高オクタン価成分の含有度合いが低くない状態であるので、そのような状態が発生しているときには、高オクタン価燃料噴射装置が正常であるものの、高オクタン価成分濃度検出手段の故障に起因して、高オクタン価成分の濃度を実際よりも薄いと誤検出していると精度よく判定することができる。以上のように、高オクタン価燃料噴射装置又は高オクタン価成分濃度検出手段の故障を精度よく判定できることによって、ノッキングの発生を回避できるとともに、排ガス浄化触媒の寿命を延ばすことができ、商品性をさらに向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関3の制御装置1において、補正値算出手段は、総噴射量QINJTを減少側に補正するときには、補正値(空燃比補正係数KAF)を減少するように算出し、高オクタン価側故障判定手段は、低オクタン価燃料噴射装置(ガソリン噴射弁6)が正常であると判定されており、補正値が所定下限値KAF_Lよりも小さい場合において、ノック時点火時期(判定用点火時期IG_JD)が基本点火時期(点火時期マップ値IGmap)に対して第2所定値Dref2以上、進角側にずれているときには、高オクタン価燃料噴射装置(エタノール噴射弁7)が故障していると判定し、それ以外のときには、高オクタン価成分濃度検出手段(エタノール側濃度センサ23)が故障していると判定することを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されており、補正値が所定下限値よりも小さい場合において、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第2所定値以上、進角側にずれているときには、高オクタン価燃料噴射装置が故障していると判定し、それ以外のときには、高オクタン価成分濃度検出手段が故障していると判定される。この場合、総噴射量を減少側に補正するときには、補正値が減少するように算出されるので、補正値が所定下限値よりも小さいときには、総噴射量が過剰であることになるとともに、低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合、高オクタン価燃料の噴射量が過剰であることになる。また、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第2所定値以上、進角側にずれている場合、混合気における高オクタン価成分の含有度合いがかなり高いことになるので、そのような状態が発生しているときには、高オクタン価成分濃度検出手段が正常であるものの、高オクタン価燃料噴射装置の燃料漏れ故障などに起因して、高オクタン価燃料の噴射量が過剰な状態にあると判定ができる。
一方、ノック時点火時期が基本点火時期に対して第2所定値以上、進角側にずれていない場合、混合気における高オクタン価成分の含有度合いが高くない状態であるので、そのような状態が発生しているときには、高オクタン価燃料噴射装置が正常であるものの、高オクタン価成分濃度検出手段の故障に起因して、高オクタン価成分の濃度を実際よりも濃いと誤検出していると判定することができる。以上のように、高オクタン価燃料噴射装置又は高オクタン価成分濃度検出手段の故障を精度よく判定できることによって、ノッキングの発生を回避できるとともに、排ガス浄化触媒の寿命を延ばすことができ、商品性をさらに向上させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関3の制御装置1において、低オクタン価燃料における高オクタン価成分の濃度である第2高オクタン価成分濃度(ガソリン側濃度ELg)を検出する第2高オクタン価成分濃度検出手段(ガソリン側濃度センサ22)をさらに備え、低オクタン価側故障判定手段は、低オクタン価燃料噴射装置に加えて第2高オクタン価成分濃度検出手段の故障を判定し、噴射量決定手段は、高オクタン価成分濃度(エタノール側濃度ELe)及び内燃機関3の運転状態に加えて、第2高オクタン価成分濃度(ガソリン側濃度ELg)にさらに応じて、低オクタン価燃料噴射量(ガソリン噴射弁6)、高オクタン価燃料噴射量(エタノール噴射量QINJe)及び総噴射量QINJTを決定し、高オクタン価側故障判定手段は、低オクタン価側故障判定手段によって低オクタン価燃料噴射装置(ガソリン噴射弁6)及び第2高オクタン価成分濃度検出手段(ガソリン側濃度センサ22)がいずれも正常であると判定されているときに算出された補正値(空燃比補正係数KAF)、及びノック時点火時期(判定用点火時期IG_JD)と基本点火時期(点火時期マップ値IGmap)との比較結果に応じて、高オクタン価成分濃度検出手段(エタノール側濃度センサ23)及び高オクタン価燃料噴射装置(エタノール噴射弁7)の故障を判定する(ステップ52,53)ことを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、高オクタン価成分濃度及び内燃機関の運転状態に加えて、第2高オクタン価成分濃度にさらに応じて、低オクタン価燃料噴射量、高オクタン価燃料噴射量及び総噴射量が決定されるので、高オクタン価燃料及び低オクタン価燃料の双方における高オクタン価成分の濃度を反映させながら、低オクタン価燃料噴射量、高オクタン価燃料噴射量及び総噴射量をより精度よく決定することができる。さらに、低オクタン価側故障判定手段によって低オクタン価燃料噴射装置及び第2高オクタン価成分濃度検出手段がいずれも正常であると判定されているときに算出された補正値を用いて、高オクタン価成分濃度検出手段及び高オクタン価燃料噴射装置の故障が判定されるので、これらの故障判定精度をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置及びこれを適用した内燃機関の構成を模式的に示す図である。 制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。 燃料噴射制御処理を示すフローチャートである。 燃料噴射制御処理の通常制御処理を示すフローチャートである。 点火時期制御処理を示すフローチャートである。 故障判定処理を示すフローチャートである。 ガソリン側判定処理を示すフローチャートである。 エタノール側判定処理を示すフローチャートである。 過リーン時判定処理を示すフローチャートである。 過リッチ時判定処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の制御装置1は、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態を制御するとともに、各機器の故障を判定するものであり、図2に示すECU2を備えている。このECU2によって、後述するように各種の制御処理及び故障判定処理が実行される。
このエンジン3は、車両(図示せず)に動力源として搭載されており、低オクタン価燃料としてのガソリンGと、高オクタン価燃料としてのエタノールEを燃料として併用するタイプのものである。
ガソリンGは、10%程度のオクタン価成分としてのエタノール成分を含む市販のものであり、ガソリンタンク11に貯蔵されている。エタノールEは、60%程度のエタノール成分を含むものであり、ガソリンGよりもオクタン価が高く、エタノールタンク12に貯蔵されている。周知のように、燃料のエタノール成分の濃度は、当該燃料のオクタン価を表し、エタノール成分の濃度が高いほど、オクタン価はより高くなる。第1及び第2燃料タンク11,12の内部には、低圧ポンプ11a,12aがそれぞれ設けられている。
このエンジン3の場合、エタノールEは、分離装置13によってガソリンGから生成される。この分離装置13は、ガソリンタンク11から通路13aを介して供給されたガソリンGから、エタノール成分を分離することによって、エタノールEを生成するとともに、生成したエタノールEを、通路13bを介してエタノールタンク12に供給する。分離装置13によるエタノールタンク12へのエタノールEの生成・供給動作はECU2によって制御される。なお、分離装置13による分離方法として、分離膜による方法や、触媒による方法を用いてもよい。
エンジン3は、複数組の気筒3a及びピストン3b(1組のみ図示)を有する多気筒タイプのものであり、各気筒3aのピストン3bとシリンダヘッド3cとの間には、燃焼室3dが形成されている。燃焼室3dには、吸気ポート4a及び吸気マニホルド4bを介して、吸気通路4が接続されるとともに、排気ポート5a及び排気マニホルド5bを介して、排気通路5が接続されている。
また、シリンダヘッド3cにはガソリン噴射弁6が、吸気マニホルド4bにはエタノール噴射弁7が、気筒3aごとにそれぞれ設けられている。シリンダヘッド3cにはさらに、燃焼室3d内に生成された燃料と空気との混合気を点火するための点火プラグ8が、気筒3aごとに設けられている。これらのガソリン噴射弁6、エタノール噴射弁7及び点火プラグ8はいずれも、ECU2に電気的に接続されている。
ガソリン噴射弁6(低オクタン価燃料噴射装置)及びエタノール噴射弁7(高オクタン価燃料噴射装置)はいずれも、ソレノイドやニードル弁(いずれも図示せず)などで構成されている。ガソリン噴射弁6は、噴射孔(図示せず)を有する先端部が燃焼室3dに臨むように配置されており、ガソリン供給通路14、及びその途中に設けられた高圧ポンプ15を介して、ガソリンタンク11に接続されている。エタノール噴射弁7は、噴射孔(図示せず)を有する先端部が吸気ポート4aに臨むように配置されており、エタノール供給通路16を介して、エタノールタンク12に接続されている。
以上の構成により、ガソリンGは、ガソリンタンク11から低圧ポンプ11a及びガソリン供給通路14を介し、高圧ポンプ15によって昇圧された状態で、ガソリン噴射弁6に供給された後、ガソリン噴射弁6から燃焼室3dに直接、噴射される。ガソリン噴射弁6に供給されるガソリンGの圧力は、ECU2によって高圧ポンプ15が制御されることで、変更される。また、エタノールEは、エタノールタンク12から低圧ポンプ12a及びエタノール供給通路16を介して、エタノール噴射弁7に供給され、エタノール噴射弁7から吸気ポート4aに噴射される。
また、吸気通路4には、スロットル弁9が設けられており、スロットル弁9は、吸気通路4を開閉する弁体9aと、弁体9aを駆動するTHアクチュエータ9bを有している。THアクチュエータ9bは、電動モータ及びギヤ機構を組み合わせたものであり、ECU2に電気的に接続されている。スロットル弁9の開度はECU2により変更され、それにより、吸気通路4を介して気筒3a内に流入する吸入ガス量すなわち吸入空気量が変更される。
一方、図2に示すように、ECU2には、クランク角センサ20、エアフローセンサ21、ガソリン側濃度センサ22、エタノール側濃度センサ23、ノックセンサ24、水温センサ25、LAFセンサ26及びアクセル開度センサ27が電気的に接続されている。
このクランク角センサ20は、マグネットロータ及びMREピックアップで構成されており、図示しないクランクシャフトの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号及びTDC信号をECU2に出力する。
このCRK信号は、所定クランク角(例えば2゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、各気筒3aのピストン3bが吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角ごとに1パルスが出力される。
また、エアフローセンサ21は、熱線式エアフローメータで構成されており、吸入空気量GAIRを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
さらに、ガソリン側濃度センサ22は、ガソリンタンク11内のガソリンG中のエタノール濃度であるガソリン側濃度ELgを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力し、エタノール側濃度センサ23は、エタノールタンク12内のエタノールE中のエタノール濃度であるエタノール側濃度ELeを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
なお、本実施形態では、ガソリン側濃度センサ22が第2高オクタン価成分濃度検出手段に、エタノール側濃度センサ23が高オクタン価成分濃度検出手段に、ガソリン側濃度ELgが第2高オクタン価成分濃度に、エタノール側濃度ELeが高オクタン価成分濃度にそれぞれ相当する。
一方、ノックセンサ24は、ピエゾ圧電素子及び振動板などを組み合わせて構成されており、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)に固定されているとともに、ノッキング振動に応じた電圧値を示す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、ノックセンサ24の検出信号に基づき、ノッキングの発生の有無を判定する。
また、LAFセンサ26は、排気通路5の図示しない触媒装置よりも上流側に配置されており、ジルコニア及び白金電極などで構成されているとともに、理論空燃比よりもリッチなリッチ領域から極リーン領域までの広範囲な空燃比の領域において、排気通路5内を流れる排ガス中の酸素濃度をリニアに検出し、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このLAFセンサ26の検出信号の値に基づき、排ガス中の当量比を表す検出当量比KACT(空燃比パラメータ)を算出する。
さらに、アクセル開度センサ27は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROM及びI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ20〜27の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別し、その運転状態に応じて、以下に述べるように、各種の制御処理を実行する。
なお、本実施形態では、ECU2が、噴射量決定手段、補正値算出手段、基本点火時期記憶手段、進角制御手段、低オクタン価側故障判定手段及び高オクタン価側故障判定手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、燃料噴射制御処理について説明する。この燃料噴射制御装置は、ガソリン噴射弁6によるガソリン噴射と、エタノール噴射弁7によるエタノール噴射を制御するものであり、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期して実行される。なお、以下の説明において算出/設定される各種の値は、ECU2のRAM内に記憶されるものとする。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、トルク制限フラグF_TRQ_LMTが「0」であるか否かを判別する。このトルク制限フラグF_TRQ_LMTの値は、後述する故障判定処理において設定される。
この判別結果がYESのときには、通常制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ2に進み、通常制御処理を実行する。この通常制御処理は、具体的には、図4に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ10で、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じて、図示しないマップを検索することにより、要求トルクTRQを算出する。この要求トルクTRQは、運転者によってエンジン3に要求されている発生トルクに相当する。
次いで、ステップ11に進み、エンジン回転数NE及び要求トルクTRQに応じて、図示しないマップを検索することにより、要求オクタン価ONreqを算出する。
次に、ステップ12で、ガソリン側濃度ELg、エタノール側濃度ELe及び要求オクタン価ONreqに応じて、図示しないマップを検索することにより、エタノール噴射割合RFeを算出する。
ステップ12に続くステップ13で、エンジン回転数NE及び吸入空気量GAIRに応じて、図示しないマップを検索することにより、基本燃料噴射量QINJBを算出する。
次いで、ステップ14に進み、ガソリン側濃度ELgに応じて、図示しないマップを検索することにより、ガソリンGの量論混合比RMIXgを算出する。
次に、ステップ15で、エタノール側濃度ELeに応じて、図示しないマップを検索することにより、エタノールEの量論混合比RMIXeを算出する。
ステップ15に続くステップ16で、下式(1)により、量論混合比補正係数KRMIXを算出する。
KRIMX=(1−RFe)・RMIXg + RFe・RMIXe …… (1)
この量論混合比補正係数KRMIXは、ガソリン側濃度ELg及びエタノール側濃度ELeが異なると、吸入空気量GAIRに対して排ガスの当量比が理論空燃比相当の値1になる燃料の質量割合である量論混合比が異なる状態となるので、それを補償するための値である。
次いで、ステップ17に進み、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、検出当量比KACTが目標値1になるように、空燃比補正係数KAF(補正値)を算出する。この空燃比補正係数KAFは、KACT>1が成立し、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリッチ側のときには、0<KAF<1が成立するように算出され、KACT<1が成立し、排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーン側のときには、KAF>1が成立するように算出される。
次に、ステップ18で、下式(2)より、総噴射量QINJTを算出する。
QINJT=KRIMX・KAF・QINJB …… (2)
ステップ18に続くステップ19で、下式(3)により、エタノール噴射量QINJe(高オクタン価燃料噴射量)を算出する。
QINJe=QINJT・RFe …… (3)
次いで、ステップ20に進み、エンジン回転数NE及びエタノール噴射量QINJeに応じて、図示しないマップを検索することにより、エタノール噴射時期φINJeを算出する。
次に、ステップ21で、下式(4)により、ガソリン噴射量QINJg(低オクタン価燃料噴射量)を算出する。
QINJg=QINJT−QINJe …… (4)
ステップ21に続くステップ22で、エンジン回転数NE及びガソリン噴射量QINJgに応じて、図示しないマップを検索することにより、ガソリン噴射時期φINJgを算出した後、本処理を終了する。
以上のように、通常制御処理が実行されると、エタノールEが、エタノール噴射弁7から上述したエタノール噴射量QINJe及びエタノール噴射時期φINJeで噴射されるとともに、ガソリンGが、ガソリン噴射弁6から上述したガソリン噴射量QINJg及びガソリン噴射時期φINJgで噴射される。
図3に戻り、ステップ2で、以上のように通常制御処理を実行した後、燃料噴射制御処理を終了する。
一方、前述したステップ1の判別結果がNOのときには、トルク制限制御処理を実行すべきであると判定して、ステップ3に進み、トルク制限制御処理を実行する。このトルク制限制御では、図示しないが、エタノール噴射量QINJeを値0又は極小値に設定し、ほぼガソリン噴射のみによる燃料噴射を実行するとともに、エンジン3の発生トルクが通常制御処理のときよりも小さくなるようにガソリン噴射量QINJgが制御される。
以上のように、ステップ3で、トルク制限制御処理を実行した後、燃料噴射制御処理を終了する。
次に、図5を参照しながら、点火時期制御処理について説明する。この点火時期制御処理は、点火プラグ8による混合気の着火タイミングすなわち点火時期を制御するものであり、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期して実行される。なお、本制御処理では、点火時期IGLOGがすべて正値として算出されるとともに、最進角側の値を最大値として、遅角側の値であるほど、より小さい値として算出されるものとする。
同図に示すように、まず、ステップ30で、前述したノックセンサ24の検出信号に基づき、ノッキングが発生しているか否かを判別する。この判別結果がNOで、ノッキングが発生していないときには、ステップ31に進み、前述したトルク制限フラグF_TRQ_LMTが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOのときには、ステップ32に進み、実行条件フラグF_JUDGEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、ステップ33に進み、判定用進角制御処理の実行条件が成立したか否かを判別する。
このステップ32では、エンジン3が定常運転状態にあること、後述するガソリン側正常フラグF_G_OK=1であること、後述する空燃比補正過大フラグF_OVER=1であること、後述するエタノール側センサ故障フラグF_SENe_NG=0であることなどの各種条件が成立しているときに、判定用進角制御処理の実行条件が成立していると判別される。
ステップ33の判別結果がYESで、判定用進角制御処理の実行条件が成立しているときには、それを表すために、ステップ34に進み、実行条件フラグF_JUDGEを「1」に設定する。このように、ステップ34で、実行条件フラグF_JUDGEが「1」に設定されると、次回の制御タイミングで、前述したステップ32の判別結果がYESとなり、その場合には、ステップ35に進む。
以上のステップ32又は34に続くステップ35で、判定用進角制御処理を実行する。この判定用進角制御処理は、後述するように、エタノール噴射弁7及びエタノール側濃度センサ23の故障判定に用いる判定用点火時期IG_JD(ノック時点火時期)を決定するためのものであり、具体的には、以下に述べるように実行される。
まず、この判定用進角制御処理を実行する最初(1回目)の制御タイミングでは、点火時期IGLOGの初期値を、気筒3a内に噴射されている燃料をガソリンのみであると仮定したときの所定の遅角側値IGrtdに設定する。そして、それ以降の制御タイミングごとに、点火時期IGLOGを所定クランク角度(例えば1゜)ずつ、進角させるように制御する。ステップ35で、判定用進角制御処理を以上のように実行した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ33の判別結果がNOで、判定用進角制御処理の実行条件が成立していないときには、ステップ36に進み、通常制御処理を実行した後、本処理を終了する。この通常制御処理では、エンジン3の運転状態(例えばエンジン回転数NE、吸入空気量GAIR及びエンジン水温)などに応じて、点火時期IGLOGが制御される。
また、前述したステップ31の判別結果がYESのときには、ステップ37に進み、トルク制限制御処理を実行した後、本処理を終了する。このトルク制限制御処理では、エンジン3の発生トルクが通常時よりも減少するように、点火時期IGLOGが制御される。
一方、前述したステップ30の判別結果がYESで、ノッキングが発生しているときには、ステップ38に進み、実行条件フラグF_JUDGEが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESのとき、すなわち前回の制御タイミングで判定用進角制御処理が実行されていたときには、ステップ39に進み、判定用点火時期IG_JDをRAM内に記憶されている点火時期の前回値IGLOGzに設定する。この前回値IGLOGzは、前回の制御タイミングにおいて判定用進角制御処理で設定された点火時期IGLOGの値に相当する。
次いで、ステップ40に進み、判定用点火時期IG_JDを算出済みであることを表すために、判定値算出済みフラグF_IG_JDを「1」に設定する。次に、ステップ41で、判定用進角制御処理を終了すべきであることを表すために、実行条件フラグF_JUDGEを「0」に設定する。
ステップ41に続くステップ42で、遅角制御処理を実行する。この遅角制御処理では、ノッキングの発生を回避するために、点火時期IGLOGが、その前回値に対して所定値分、遅角側に制御される。以上のように、ステップ42で、遅角制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ38の判別結果がNOのときには、上述したように、ステップ42で、遅角制御処理を実行した後、本処理を終了する。
次に、図6を参照しながら、故障判定処理について説明する。この故障判定処理は、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の故障判定と、エタノール側濃度センサ23及びエタノール噴射弁7の故障判定を実行するものであり、ECU2によって、所定制御周期(例えば10msec)で実行される。
同図に示すように、まず、ステップ50で、エタノール噴射量QINJe=0であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、エタノール噴射が停止され、ガソリン噴射のみが実行されているときには、ステップ51に進み、ガソリン側判定処理を実行する。このガソリン側判定処理は、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の少なくとも一方が故障しているか否かを判定するものであり、具体的には、図7に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ60で、ガソリン側判定処理の実行条件が成立しているか否かを判別する。このステップ60では、エンジン3が定常運転状態にあることなどの条件が成立しているときに、ガソリン側判定処理の実行条件が成立していると判別される。
この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ60の判別結果がYESで、ガソリン側判定処理の実行条件が成立しているときには、ステップ61に進み、空燃比補正係数KAFにおいて、KAF1≦KAF≦KAF2が成立しているか否かを判別する。これらのKAF1,KAF2は、空燃比補正係数KAFの正常範囲を規定する空燃比補正係数KAFの所定値である。
この判別結果がYESのときには、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の双方が正常であると判定して、それを表すために、ステップ62に進み、ガソリン側正常フラグF_G_OKを「1」に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ61の判別結果がNOで、KAF<KAF1又はKAF>KAF2のときには、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の少なくとも一方が故障していると判定して、それを表すために、ステップ63に進み、ガソリン側正常フラグF_G_OKを「0」に設定した後、本処理を終了する。
図6に戻り、ステップ51で、ガソリン側判定処理を以上のように実行した後、故障判定処理を終了する。
一方、前述したステップ50の判別結果がNOで、エタノール噴射が実行されているときには、ステップ52に進み、上述したガソリン側正常フラグF_G_OKが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ52の判別結果がYESで、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の双方が正常であるときには、ステップ53に進み、エタノール側判定処理を実行する。このエタノール側判定処理は、エタノール側濃度センサ23及びエタノール噴射弁7の故障を判定するものであり、具体的には、図8に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ70で、エタノール側判定処理の実行条件が成立しているか否かを判別する。この場合、エンジン3が定常運転状態にあることなどの条件が成立しているときに、エタノール側判定処理の実行条件が成立していると判別される。
この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ70の判別結果がYESで、エタノール側判定処理の実行条件が成立しているときには、ステップ71に進み、空燃比補正係数KAFが所定上限値KAF_Hよりも大きいか否かを判別する。
この判別結果がYESのとき、すなわち排ガスの実際の空燃比がリーン過ぎる領域(以下「過リーン域」という)にあることで、空燃比補正係数KAFによる総噴射量QINJTの増大側への補正度合いが過大であると推定されるときには、ステップ72に進み、過リーン時判定処理を実行する。この過リーン時判定処理は、具体的には、図9に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ80で、空燃比補正係数KAFによる総噴射量QINJTの補正度合いが過大であることを表すために、空燃比補正過大フラグF_OVERを「1」に設定する。
次いで、ステップ81に進み、前述した判定値算出済みフラグF_IG_JDが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、判定用点火時期IG_JDを算出済みでないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ81の判別結果がYESのときには、ステップ82に進み、点火時期偏差DIGを点火時期マップ値と判定用点火時期との偏差(IGmap−IG_JD)に設定する。このマップ値IGmap(基本点火時期)は、判定用点火時期IG_JDの算出タイミングにおけるエンジン3の運転状態(エンジン回転数NE及び吸入空気量GAIRなど)に応じて、図示しないマップを検索することによって算出される。
次いで、ステップ83に進み、点火時期偏差DIGが第1所定値Dref1以上であるか否かを判別する。この場合、DIG≧Dref1が成立しているときには、判定用点火時期IG_JDがマップ値IGmapに対して、第1所定値Dref1以上、遅角側にずれていることになり、エタノール噴射量が少ないことで、耐ノック性が低い状態であると推定できる。すなわち、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、燃料詰まりなどのエタノール噴射弁7の故障に起因して、排ガスの空燃比が過リーン域にあると推定できる。
以上の理由により、ステップ83の判別結果がYESのときには、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、エタノール噴射弁7が故障していると判定して、それを表すために、ステップ84に進み、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGを「1」に設定すると同時に、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGを「0」に設定する。
このように、ステップ84で、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGが「1」に設定されると、図示しない警告制御処理において、エタノール噴射弁7の故障を運転者に報知するために、それを表す警告ランプが点灯される。
次いで、ステップ85に進み、燃料噴射制御処理及び点火時期制御処理及において前述したトルク制限制御処理を実行すべきであることを表すために、トルク制限フラグF_TRQ_LMTを「1」に設定する。
一方、前述したステップ83において、DIG<Dref1が成立している場合、エタノール噴射量は不足しておらず、耐ノック性が確保されていると推定できる。すなわち、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23がエタノール側濃度ELeを実際よりもかなり薄い値として検出する故障状態にあることに起因して、エタノール噴射量QINJe内の高オクタン価燃料が過剰で、低オクタン価燃料が不足状態になっていると推定される。それによって、総噴射量QINJT内の高オクタン価燃料が過剰で、低オクタン価燃料が不足状態になっており、その結果、排ガスの空燃比が過リーン域にあると推定できる。
以上の理由により、ステップ83の判別結果がNOのときには、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23が故障していると判定して、それを表すために、ステップ86に進み、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGを「0」に設定すると同時に、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGを「1」に設定する。
このように、ステップ86で、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGが「1」に設定されると、図示しない警告制御処理において、エタノール側濃度センサ23の故障を運転者に報知するために、それを表す警告ランプが点灯される。
次いで、ステップ87に進み、エタノール噴射量QINJeが過剰であることで、ノッキングが発生するおそれがなく、トルク制限制御処理を実行する必要がないことを表すために、トルク制限フラグF_TRQ_LMTを「0」に設定する。
以上のステップ85又は87に続くステップ88で、判定値算出済みフラグF_IG_JD及び空燃比補正過大フラグF_OVERをいずれも「0」に設定した後、本処理を終了する。
図8に戻り、ステップ72で、過リーン時判定処理を以上のように実行した後、エタノール側判定処理を終了する。
一方、前述したステップ71の判別結果がNOのときには、ステップ73に進み、空燃比補正係数KAFが所定下限値KAF_Lよりも小さいか否かを判別する。
この判別結果がYESのとき、すなわち排ガスの実際の空燃比がリッチ過ぎる領域(以下「過リッチ域」という)にあることで、空燃比補正係数KAFによる総噴射量QINJTの減少側への補正度合いが過大であると推定されるときには、ステップ74に進み、過リッチ時判定処理を実行する。この過リッチ時判定処理は、具体的には、図10に示すように実行される。
同図に示すように、まず、ステップ90で、空燃比補正係数KAFによる総噴射量QINJTの補正度合いが過大であることを表すために、前述した空燃比補正過大フラグF_OVERを「1」に設定する。
次いで、ステップ91に進み、前述した判定値算出済みフラグF_IG_JDが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOで、判定用点火時期IG_JDを算出済みでないときには、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ91の判別結果がYESのときには、ステップ92に進み、点火時期偏差DIGを判定用点火時期と点火時期マップ値との偏差(IG_JD−IGmap)に設定する。このマップ値IGmapは、前述したように、判定用点火時期IG_JDの算出タイミングにおけるエンジン3の運転状態(エンジン回転数NE及び吸入空気量GAIRなど)に応じて、図示しないマップを検索することによって算出される。
次いで、ステップ93に進み、点火時期偏差DIGが第2所定値Dref2以上であるか否かを判別する。この場合、DIG≧Dref2が成立しているときには、判定用点火時期IG_JDが点火時期マップ値IGmapよりも第2所定値Dref2以上、進角側にずれていることになり、エタノール噴射量が過剰なことで、耐ノック性が極めて高い状態であると推定できる。すなわち、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、燃料漏れなどのエタノール噴射弁7の故障に起因して、排ガスの空燃比が過リッチ域にあると推定できる。
以上の理由により、ステップ93の判別結果がYESのときには、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、エタノール噴射弁7が故障していると判定して、それを表すために、ステップ94に進み、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGを「1」に設定すると同時に、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGを「0」に設定する。
このように、ステップ94で、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGが「1」に設定されると、前述したように、図示しない警告制御処理において、エタノール噴射弁7の故障を運転者に報知するために、それを表す警告ランプが点灯される。
一方、上述したステップ93において、DIG<Dref2が成立している場合、エタノール噴射量が過剰な状態ではなく、耐ノック性は普通か又は低い状態であると推定できる。すなわち、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23がエタノール側濃度ELeを実際よりもかなり濃い値として検出する故障状態にあることに起因して、エタノール噴射量QINJe内の高オクタン価燃料が不足し、低オクタン価燃料が過剰な状態になっていると推定される。それによって、総噴射量QINJT内の高オクタン価燃料が不足し、低オクタン価燃料が過剰な状態になっており、その結果、排ガスの空燃比が過リッチ域にあると推定できる。
以上の理由により、ステップ93の判別結果がNOのときには、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23が故障していると判定して、それを表すために、ステップ95に進み、エタノール噴射弁故障フラグF_INJe_NGを「0」に設定すると同時に、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGを「1」に設定する。
このように、ステップ95で、エタノール側濃度センサ故障フラグF_SENe_NGが「1」に設定されると、前述したように、図示しない警告制御処理において、エタノール側濃度センサ23の故障を運転者に報知するために、それを表す警告ランプが点灯される。
以上のステップ94又は95に続くステップ96で、燃料噴射制御処理及び点火時期制御処理及において前述したトルク制限制御処理を実行すべきであることを表すために、トルク制限フラグF_TRQ_LMTを「1」に設定する。
次いで、ステップ97に進み、判定値算出済みフラグF_IG_JD及び空燃比補正過大フラグF_OVERをいずれも「0」に設定した後、本処理を終了する。
図8に戻り、ステップ74で、過リッチ時判定処理を以上のように実行した後、エタノール側判定処理を終了する。
一方、前述したステップ73の判別結果がNOで、KAF_L≦KAF≦KAF_Hが成立しているときには、エタノール噴射弁7及びエタノール側濃度センサ23の双方が正常であり、燃料噴射制御処理及び点火時期制御処理及において前述したトルク制限制御処理を実行する必要がないと判定して、それを表すために、ステップ75に進み、前述した5つのフラグF_INJe_NG,F_SENe_NG,F_TRQ_LMT,F_IG_JD,F_OVERをいずれも「0」に設定した後、エタノール側判定処理を終了する。
図6に戻り、ステップ53で、エタノール側判定処理を以上のように実行した後、故障判定処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御装置1によれば、燃料噴射制御処理において、エンジン回転数NE、アクセル開度AP、ガソリン側濃度ELg及びエタノール側濃度ELeを用いて、量論混合比補正係数KRMIXが算出され、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、検出当量比KACTが理論空燃比に相当する値1になるように、空燃比補正係数KAFが算出される。
そして、基本燃料噴射量QINJBに、量論混合比補正係数KRMIX及び空燃比補正係数KAFを乗算することにより、総噴射量QINJTが算出され、これにエタノール噴射割合RFeを乗算することにより、エタノール噴射量QINJeが算出され、総噴射量QINJTからエタノール噴射量QINJeを減算することにより、ガソリン噴射量QINJgが算出される。
また、判定用進角制御処理の実行条件が成立したときに、判定用進角制御処理が実行される。この判定用進角制御処理では、点火時期IGLOGを所定の遅角側値IGrtdからノッキングが発生するタイミングまで進角させることにより、ノッキングが発生した時点の判定用点火時期IG_JDが算出される。
さらに、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の双方が正常で、ガソリン側正常フラグF_G_OK=1のときに、エタノール側判定処理が実行される。このエタノール側判定処理では、KAF>KAF_Hが成立し、排ガスの実際の空燃比が過リーン域にある場合において、DIG≧Dref1が成立しているときには、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、エタノール噴射弁7の故障が発生していると判定される。一方、DIG<Dref1が成立しているときには、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23が故障していると判定される。
また、KAF<KAF_Lが成立し、排ガスの実際の空燃比が過リッチ域にある場合において、DIG≧Dref2が成立しているときには、エタノール側濃度センサ23は正常であるものの、エタノール噴射弁7の故障が発生していると判定される。一方、DIG<Dref2が成立しているときには、エタノール噴射弁7は正常であるものの、エタノール側濃度センサ23が故障していると判定される。
以上のように、ガソリン側濃度センサ22及びガソリン噴射弁6の双方が正常である場合において、空燃比補正係数KAFの値、判定用点火時期IG_JDと点火時期マップ値IGmapとの比較結果に基づいて、エタノール噴射弁7及びエタノール側濃度センサ23の故障を精度よく判定することができる。それにより、ノッキングの発生や排ガス特性の悪化を回避することができ、商品性を向上させることができる。
なお、実施形態は、分離装置13によってガソリンGからエタノールEを生成するとともに、ガソリンGに含まれるエタノール濃度をガソリン側濃度センサ22で検出するように構成した例であるが、これらの分離装置13及びガソリン側濃度センサ22を省略してもよい。その場合には、エタノール側濃度ELe及び要求オクタン価ONreqに応じて、エタノール噴射割合RFeを算出し、ガソリンGの量論混合比RMIXgを所定値(一定値)に設定し、ガソリン側判定処理として、ガソリン噴射弁6の故障判定のみを実行するとともに、エタノール側判定処理としては、実施形態と同じ手法によって、エタノール噴射弁7及びエタノール側濃度センサ23の故障判定を実行すればよい。
また、実施形態は、低オクタン価燃料噴射装置としてガソリン噴射弁6を用いた例であるが、本発明の低オクタン価燃料噴射装置はこれに限らず、低オクタン価燃料を噴射可能なものであればよい。
さらに、実施形態は、高オクタン価燃料噴射装置として、エタノール噴射弁7を用いた例であるが、本発明の高オクタン価燃料噴射装置はこれに限らず、高オクタン価燃料を噴射可能なものであればよい。
一方、実施形態は、低オクタン価燃料として、ガソリンGを用いた例であるが、本発明の低オクタン価燃料はこれに限らず、低オクタン価の燃料であればよい。例えば、ガソリンに他の成分を混ぜた燃料を用いてもよい。
また、実施形態は、高オクタン価燃料として、エタノールEを用いた例であるが、本発明の高オクタン価燃料はこれに限らず、高オクタン価の燃料であればよい。例えば、エタノールに他の成分を混ぜた燃料を用いてもよい。
さらに、実施形態は、補正値として、空燃比補正係数KAFを用いた例であるが、本発明の補正値はこれに限らず、総噴射量を補正するための値であればよい。例えば、補正値として、加減算項を用いてもよい。
また、実施形態は、空燃比パラメータとして、検出当量比KACTを用いた例であるが、本発明の空燃比パラメータはこれに限らず、排ガス中の空燃比を表すものであればよい。例えば、空燃比パラメータとして、排ガスの空燃比、燃空比及び空気過剰率などを用いてもよい。
一方、実施形態は、本発明の制御装置1を車両用の内燃機関3に適用した例であるが、本発明の制御装置は、これに限らず、船舶用の内燃機関や、他の産業機器用の内燃機関にも適用可能である。
1 制御装置
2 ECU(噴射量決定手段、補正値算出手段、基本点火時期記憶手段、進角制御手 段、低オクタン価側故障判定手段、高オクタン価側故障判定手段)
3 内燃機関
6 ガソリン噴射弁(低オクタン価燃料噴射装置)
7 エタノール噴射弁(高オクタン価燃料噴射装置)
22 ガソリン側濃度センサ(第2高オクタン価成分濃度検出手段)
23 エタノール側濃度センサ(高オクタン価成分濃度検出手段)
G ガソリン(低オクタン価燃料)
E エタノール(高オクタン価燃料)
QINJg ガソリン噴射量(低オクタン価燃料噴射量)
QINJe エタノール噴射量(高オクタン価燃料噴射量)
QINJT 総噴射量
ELg ガソリン側濃度(第2高オクタン価成分濃度)
ELe エタノール側濃度(高オクタン価成分濃度)
KAF 空燃比補正係数(補正値)
KAF_H 所定上限値
KAF_L 所定下限値
KACT 検出当量比(空燃比パラメータ)
IGLOG 点火時期
IGmap 点火時期マップ値(基本点火時期)
IGrtd 所定の遅角側値
IG_JD 判定用点火時期(ノック時点火時期)
DIG 点火時期偏差
Dref1 第1所定値
Dref2 第2所定値

Claims (4)

  1. 低オクタン価燃料を噴射する低オクタン価燃料噴射装置と、当該低オクタン価燃料よりもオクタン価が高い燃料である高オクタン価燃料を噴射する高オクタン価燃料噴射装置とを備え、当該低オクタン価燃料の噴射量である低オクタン価燃料噴射量と当該高オクタン価燃料の噴射量である高オクタン価燃料噴射量との和である総噴射量における、当該低オクタン価燃料噴射量と当該高オクタン価燃料噴射量の割合が変更される内燃機関の制御装置であって、
    前記高オクタン価燃料における高オクタン価成分の濃度である高オクタン価成分濃度を検出する高オクタン価成分濃度検出手段と、
    当該高オクタン価成分濃度及び前記内燃機関の運転状態に応じて、前記低オクタン価燃料噴射量、前記高オクタン価燃料噴射量及び前記総噴射量を決定する噴射量決定手段と、
    前記総噴射量を補正するための補正値を、所定のフィードバック制御アルゴリズムを用いて、前記内燃機関の排ガス中の空燃比を表す空燃比パラメータが所定の目標値になるように算出する補正値算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態に対応して設定された、前記内燃機関の点火時期の基本値である基本点火時期を記憶する基本点火時期記憶手段と、
    前記点火時期を所定の遅角側値からノッキングが発生するタイミングまで進角させる進角制御を実行する進角制御手段と、
    前記低オクタン価燃料噴射装置の故障を判定する低オクタン価側故障判定手段と、
    当該低オクタン価側故障判定手段によって前記低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されている場合において、前記進角制御の実行によってノッキングが発生したタイミングでの前記点火時期であるノック時点火時期と前記基本点火時期との比較結果及び前記補正値に応じて、前記高オクタン価成分濃度検出手段及び前記高オクタン価燃料噴射装置の故障を判定する高オクタン価側故障判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記補正値算出手段は、前記総噴射量を増大側に補正するときには、前記補正値を増大するように算出し、
    前記高オクタン価側故障判定手段は、前記低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されており、前記補正値が所定上限値よりも大きい場合において、前記ノック時点火時期が前記基本点火時期に対して第1所定値以上、遅角側にずれているときには、前記高オクタン価燃料噴射装置が故障していると判定し、それ以外のときには、前記高オクタン価成分濃度検出手段が故障していると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記補正値算出手段は、前記総噴射量を減少側に補正するときには、前記補正値を減少するように算出し、
    前記高オクタン価側故障判定手段は、前記低オクタン価燃料噴射装置が正常であると判定されており、前記補正値が所定下限値よりも小さい場合において、前記ノック時点火時期が前記基本点火時期に対して第2所定値以上、進角側にずれているときには、前記高オクタン価燃料噴射装置が故障していると判定し、それ以外のときには、前記高オクタン価成分濃度検出手段が故障していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記低オクタン価燃料における高オクタン価成分の濃度である第2高オクタン価成分濃度を検出する第2高オクタン価成分濃度検出手段をさらに備え、
    前記低オクタン価側故障判定手段は、前記低オクタン価燃料噴射装置に加えて前記第2高オクタン価成分濃度検出手段の故障を判定し、
    前記噴射量決定手段は、前記高オクタン価成分濃度及び前記内燃機関の運転状態に加えて、前記第2高オクタン価成分濃度にさらに応じて、前記低オクタン価燃料噴射量、前記高オクタン価燃料噴射量及び前記総噴射量を決定し、
    前記高オクタン価側故障判定手段は、前記低オクタン価側故障判定手段によって前記低オクタン価燃料噴射装置及び前記第2高オクタン価成分濃度検出手段がいずれも正常であると判定されているときに算出された前記補正値、及び前記ノック時点火時期と前記基本点火時期との比較結果に応じて、前記高オクタン価成分濃度検出手段及び前記高オクタン価燃料噴射装置の故障を判定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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