JP2017170837A - 樹脂積層体及びその製造方法 - Google Patents
樹脂積層体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017170837A JP2017170837A JP2016061841A JP2016061841A JP2017170837A JP 2017170837 A JP2017170837 A JP 2017170837A JP 2016061841 A JP2016061841 A JP 2016061841A JP 2016061841 A JP2016061841 A JP 2016061841A JP 2017170837 A JP2017170837 A JP 2017170837A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- mass
- meth
- polyfunctional monomer
- less
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
Description
17μm≦ At ≦40μm (1)
0.002≦Bt/At≦0.3 (2)
硬化性組成物を型の表面に塗布した後に、酸素雰囲気に露出された該硬化性組成物に、活性エネルギー線を積算光量200mJ/cm2以上1500mJ/cm2以下の範囲で照射して、硬化処理することにより硬化被膜を形成し、前記型の表面に前記硬化被膜が設けられた積層鋳型を得ること、
次いで、メチルメタクリレートを主成分とするラジカル重合性単量体の混合物を含む樹脂基材形成用組成物を、前記積層鋳型の前記硬化被膜が形成された面に接触するように前記積層鋳型に注入すること、
次いで、前記積層鋳型に注入した前記樹脂基材形成用組成物を注型重合して樹脂基材の層を形成すること、
次いで、前記型を剥離して、前記樹脂基材の表面に鉛筆硬度が8H以上である前記硬化被膜が積層された樹脂積層体を得ること、を含む樹脂積層体の製造方法にある。
本発明の一実施形態である樹脂積層体は、樹脂基材の少なくとも一方の面に硬化被膜を備えたシート状の樹脂積層体である。
17μm≦ At ≦40μm (1)
0.002≦Bt/At≦0.3 (2)
At:硬化被膜の膜厚、Bt:混合層の膜厚
本発明の樹脂積層体は、前記硬化被膜と前記樹脂基材の間に、硬化被膜の成分と後述する樹脂基材形成用組成物とが互いに混合して形成された混合層を有する。
本発明で使用される硬化性組成物は、後述する多官能単量体(A)、後述する多官能単量体(B)、後述する多官能単単量体(C)及び後述する重合開始剤(D)を含有し、該硬化性組成物の総重量を100質量%として、多官能単量体(A)を20質量%以上50質量%以下、多官能単量体(B)を20質量%以上60質量以下、多官能単量体(C)を15質量%以上35質量以下を含む硬化性組成物である。
多官能単量体(A)は、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の単量体又は単量体混合物である。
多官能単量体(B)は、(メタ)アクリロイル基を3個以上、20個以下有する単量体である。 (但し多官能単量体(A)を除く)
例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加物トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加物トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ) アクリレート、エチレンオキシド付加物ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン付加物ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン付加物ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
例えば、多価アルコールと、多価カルボン酸又はその無水物と、(メタ)アクリル酸の好ましい組み合わせ例としては、マロン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/トリメチロールプロパン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/グリセリン/(メタ)アクリル酸、マロン酸/ペンタエリスリトール/(メタ)アクリル酸、コハク酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、アジピン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、グルタル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、セバシン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、フマル酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、イタコン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸/トリメチロールエタン/(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
B−4)エポキシポリアクリレート
B−5)ウレタンポリアクリレート
B−6)下式(I)で示されるポリイソシアネート1モルに対して、活性水素を有するアクリルモノマー3モル以上を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート
多官能単量体(C)は、(メタ)アクリロイル基を2個有する単量体である。
多官能単量体(C)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加物トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート及びヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合開始剤(D)は、硬化性組成物を硬化させるための成分である。重合開始剤(D)としては、例えば、熱重合開始剤及び光重合開始剤が挙げられる。
D−1)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン等のチオキサントン類;
D−2)ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等のアセトフェノン類;
D−3)ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類;
D−4)2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;
D−5)メチルベンゾイルホルメート;
D−6)1,7−ビスアクリジニルヘプタン;
D−7)9−フェニルアクリジンが挙げられる。
本発明における硬化被膜は、前述の硬化性組成物の硬化物からなり、前記多官能単量体(A)由来の繰り返し単位と、前記多官能単量体(B)由来の繰り返し単位と、前記多官能単量体(C)由来の繰り返し単位とを含む樹脂組成物からなる。
硬化被膜の形成方法としては、例えば、前述の硬化性組成物を後述する樹脂基材の表面に塗布し、硬化性組成物を加熱又は硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して、硬化処理して、硬化被膜を形成する方法が挙げられる。
本発明で使用される樹脂基材を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
例えば、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等が挙げられる。
例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げられる。
4)無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸無水物
5)N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド
6)ヒドロキシ基含有ビニル単量体
例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。;
7)酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル
8)塩化ビニル、塩化ビニリデン及びそれらの誘導体
9)メタクリルアミド、アクリロニトリル等の窒素含有ビニル単量体
10)グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体
11)スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体
12)アルカンジオールジ(メタ)アクリレート
例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
15)エチレン性不飽和ポリカルボン酸を含む少なくとも1種の多価カルボン酸と少なくとも1種のジオールから得られる不飽和ポリエステルプレポリマー
16)エポキシ基の末端をアクリル変性することにより得られるビニルエステルプレポリマー
上記のなかでも、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが(メタ)アクリル樹脂の耐熱性と透明性を両立する観点から好ましい。
前記樹脂基材の原料を樹脂基材形成用組成物という。樹脂基材形成用組成物としては、(メタ)アクリル樹脂の総質量に対して、メチルメタクリレート100質量%、又はメチルメタクリレート50質量%以上100質量%未満及びメチルメタクリレートと共重合可能な単量体0質量%を超えて50質量%以下を含有し、前記メチルメタクリレートと前記メチルメタクリレートと共重合可能な単量体との合計量が100質量%を超えない、ラジカル重合性単量体を含む混合物のことをいう。
本発明の樹脂積層体の製造方法としては、例えば、下記の方法1及び方法2が挙げられる。
(方法1)樹脂基材の表面に硬化性組成物を塗布した後に、該硬化性組成物を硬化処理して、硬化被膜を形成し、樹脂積層体を得る方法。
(方法2)硬化性組成物を硬化処理して形成した硬化被膜の表面に、樹脂基材を形成するための樹脂基材形成用組成物からなる層を形成した後に、該樹脂基材形成用組成物を注型重合して、樹脂基材の層を形成し、樹脂積層体を得る方法。
方法(B−1)は、本発明の樹脂積層体の製造方法の好ましい形態の一つであって、下記の(1)〜(4)の処理を含む。
(1)硬化性組成物を型の表面に塗布した後に、酸素雰囲気に露出された前記硬化性組成物に、活性エネルギー線を積算光量200mJ/cm2以上1500mJ/cm2以下の範囲で照射して硬化処理して、硬化被膜とし、前記型の表面に前記硬化被膜が積層された積層鋳型を形成する。
(2)次いで、メチルメタクリレートを主成分とするラジカル重合性単量体の混合物を含む樹脂基材形成用組成物を、前記積層鋳型の前記硬化被膜が形成された面に塗布する。
(3)前記積層鋳型に塗布した前記樹脂基材形成用組成物を重合して、前記樹脂基材の表面に前記硬化被膜が積層された樹脂積層体を形成する。
(4)次いで、工程(3)の樹脂積層体を型から剥離して樹脂積層体を得る。
型の表面に硬化性組成物を塗布すること;
酸素雰囲気に露出された前記硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化して、前記型の表面に硬化被膜が設けられた積層鋳型を得ること;
前記積層鋳型に樹脂基材形成用組成物を注入し、注型重合により前記樹脂基材形成用組成物を硬化させること;
及び前記樹脂基材形成用組成物を硬化して、樹脂基材の層を形成した後に、前記型を剥離して、樹脂基材の表面に硬化被膜が積層された樹脂積層体を得ること;
を含む樹脂積層体の製造方法である。
17μm≦ At ≦40μm (3)
0.002≦Bt/At≦0.3 (4)
At:硬化被膜の膜厚、Bt:混合層の膜厚
前記多官能単量体(A):20質量%以上50質量%以下
前記多官能単量体(B):20質量%以上60質量%以下
前記多官能単量体(C):15質量%以上35質量%以下
(但し、硬化性組成物の総重量が100質量%である。)
前記多官能単量体(A):24質量%以上45質量%以下
前記多官能単量体(B):20質量%以上56質量%以下
前記多官能単量体(C):20質量%以上33質量%以下
(但し、硬化性組成物の総重量が100質量%である。)
本発明の一実施形態であるディスプレー前面版は、前述した本発明の実施形態であるいずれかの樹脂積層体をそのままディスプレー前面版として使用することができる。
硬化被膜の膜厚(At)とは、樹脂積層体を主表面に対して垂直方向に切断した断面を微分干渉顕微鏡にて撮影し、硬化被膜の混合層に接する面から樹脂積層体の硬化被膜の面までの寸法を任意の3箇所測定した平均値をいう。なお、混合層が観察されない場合は、硬化被膜の樹脂基材に接する面から樹脂積層体の硬化被膜の面までの寸法を採用した。
樹脂積層体を主表面に対して垂直方向に切断した。次いで樹脂積層体の切断面から、ミクロトームを用いて透過型電子顕微鏡用の小片を切り出した。透過型電子顕微鏡(TEM:日本電子(株)製、型式:JEM―10111、加速電圧100V、倍率10000倍)を用いて、前記小片の断面を観察してTEM観察像を取得した。得られたTEM観察像の、樹脂基材の層/混合層/硬化被膜の層の3層構造が観察された部分について、硬化被膜の層と混合層の膜厚を測定して、混合層の膜厚をBtとした。3層構造が観察されたTEM観察像の一例を図3に示した。
ヘイズ計(日本電色工業(株)製、商品名:HAZE METER NDH4000)を用いて、JIS K 7136に示される測定法に準拠して、樹脂積層体のヘーズ値(%)を測定した。
樹脂積層体表面の硬化被膜の耐擦傷性を、擦傷試験前後のヘーズ値の差(△ヘーズ(%))により評価した。擦傷試験は、#000のスチールウール(日本スチールウール(株)製、商品名:ボンスターNo.000)を装着した直径24mmの円形パッドを樹脂積層体の硬化被膜側の表面上に置き、2,000gの荷重下で20mmの距離を、100回往復させて、下記式を用いて、擦傷前のヘーズ値と擦傷後のヘーズ値の差(△ヘーズ(%))を算出して、これを△ヘーズ(%)とした。
[耐擦傷性(△ヘーズ(%))]=[擦傷後のヘーズ値(%)]−[擦傷前のヘーズ値(%)]
JIS K5600−5−4に準拠して樹脂積層体の表面の硬化被膜の鉛筆硬度を測定した。
幅30mm、長さ120mm、厚み1mmの樹脂積層体を、半円筒形の型であって、断面の曲率半径RがXである型の上に硬化被膜層を有する面が外側になるように乗せて、型に沿って曲げて、30秒間保持した。前記曲率半径RはX=40mm、60mm、75mmの3条件で行った。樹脂積層体の硬化被膜層の表面を目視観察して、クラックの発生の有無を下記の基準で三段階で評価した。
○:クラックが全く観察されなかった
△:クラックが1本以上5本以下観察された
×:クラックが6本以上観察された
樹脂積層体を用いて、ISO 2409:1992に準拠してクロスカット剥離試験を行い、樹脂積層体の表面に残存している硬化被膜の残存率を測定することにより、硬化被膜と樹脂基材の密着性を評価した。
DPHA:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製、商品名)
M305:ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(東亞合成(株)製、商品名)
M309:トリメチルールプロパントリアクリレート(東亞合成(株)製、商品名)
DPCA−30:カプロラクトン付加物ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(日本化薬(株)製、商品名)
C6DA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業(株)製、商品名)
Darocure1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASFジャパン(株)製、商品名)
IRGACURE819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(BASFジャパン(株)製、商品名)
冷却管、温度計及び攪拌機を備えた反応器(重合釜)に、MMA68部、IBXMA20部、IBXA3部、TBMA8部、BA1部の混合物を供給し、撹拌しながら、窒素ガスでバブリングした後、加熱を開始した。内温が60℃になった時点で、ラジカル重合開始剤である2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部を添加し、更に内温100℃まで加熱した後、13分間保持した。その後、反応器を室温まで冷却して、樹脂基材形成用組成物(1)を得た。このシラップの固形分濃度は30質量%であった。
表1に示す硬化性組成物の組成、硬化被膜の膜厚及び積算光量とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体の評価結果を表1に示す。
表1に記載の硬化性組成物(7)を、厚さ1mmのメタクリル樹脂板「アクリライトL」(三菱レイヨン(株)製、商品名)の一方の面(メタクリル樹脂の層が露出している面)に塗布した。
表1に示す硬化性組成物の組成、硬化被膜の膜厚、及び高圧水銀灯の紫外線を酸素濃度100ppmの条件下で硬化前被膜(1−1)に照射する条件(方法C)とした以外は、実施例1と同様の方法で樹脂積層体を得た。得られた樹脂積層体の評価結果を表1に示す。
2 樹脂基材
3 樹脂積層体
4 樹脂基材の層
5 混合層
6 硬化被膜の層
Claims (16)
- 樹脂基材の少なくとも一方の面に硬化被膜を備えたシート状の樹脂積層体であって、
前記樹脂積層体の硬化被膜の表面の鉛筆硬度が8H以上であり、
前記硬化被膜と前記樹脂基材の間に混合層を有する樹脂積層体。 - 前記硬化被膜の膜厚Atと下記方法1で測定された前記混合層の膜厚Btが、下記式(1)及び下記式(2)を満たす請求項1に記載の樹脂積層体。
17μm≦ At ≦40μm (1)
0.002≦Bt/At≦0.3 (2)
At:硬化被膜の膜厚、Bt:混合層の膜厚
<方法1>
樹脂積層体を主表面に対して垂直方向に切断し、次いで切断面からミクロトームを用いて透過型電子顕微鏡用の小片を切り出す。前記切り出した小片について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、前記小片の断面を観察してTEM観察像を取得する。得られたTEM観察像の、樹脂基材の層/混合層/硬化被膜の層の3層構造が観察された部分について、混合層の膜厚を測定してBtとする。 - 前記混合層の前記方法1で測定された混合層の膜厚Btが0.1μm以上3.0μm以下である、請求項2に記載の樹脂積層体。
- 前記樹脂基材がメチルメタクリレート由来の繰り返し単位を主成分とする(メタ)アクリル樹脂である、請求項1〜3にいずれかに記載の樹脂積層体。
- 前記(メタ)アクリル樹脂が炭素数2〜20の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を含む、請求項4に記載の樹脂積層体。
- .
前記硬化被膜は、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の多官能単量体(A)と、
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能単量体(B)(但し多官能単量体(A)を除く)と、
(メタ)アクリロイル基を2個有する多官能単量体(C)と、
重合開始剤(D)とを含有する硬化性組成物の硬化物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂積層体。 - 前記硬化性組成物は、該硬化性組成物の総重量に対して、
前記多官能単量体(A)20質量%以上50質量%以下、
前記多官能単量体(B)20質量%60質量%以下、
前記多官能単量体(C)15質量%以上35質量%以下
を含む、請求項6に記載の樹脂積層体。 - 前記硬化性組成物の硬化物が、該硬化物の総重量に対して、
前記多官能単量体(A)由来の繰り返し単位20質量%以上50質量%以下、
前記多官能単量体(B)由来の繰り返し単位20質量%60質量%以下、
前記多官能単量体(C)由来の繰り返し単位15質量%以上35質量%以下
を含む、請求項6に記載の樹脂積層体。 - 前記硬化性組成物の硬化物が、該硬化物の総重量に対して、
前記多官能単量体(A)由来の繰り返し単位24質量%以上45質量%以下、
前記多官能単量体(B)由来の繰り返し単位20質量%以上56質量%以下、
前記多官能単量体(C)由来の繰り返し単位20質量%以上33質量%以下
を含み、
前記硬化被膜の膜厚が25μm以上35μm以下である、請求項6に記載の樹脂積層体。 - 下記の耐クラック性の評価において、曲率半径Xが60mmの場合にクラックが発生しない、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂積層体。
<耐クラック性の評価>
幅30mm、長さ120mm及び厚み1mmの樹脂積層体を、半円筒形の型であって、断面の曲率半径RがXである型の上に、該樹脂積層体の硬化被膜を有する面が外側になるように乗せて、型に沿って曲げて、30秒間保持する。その後、樹脂積層体の硬化被膜層の表面を目視観察して、クラックの発生の有無を判断する。 - 前記耐クラック性の評価において、曲率半径Xが40mmの場合にクラックが発生しない、請求項10に記載の樹脂積層体。
- 樹脂積層体の製造方法であって、
(1)硬化性組成物を型の表面に塗布した後に、該硬化性組成物に、活性エネルギー線を積算光量200mJ/cm2以上1500mJ/cm2以下の範囲で照射して、硬化処理して、硬化被膜を形成し、前記型の表面に前記硬化被膜が設けられた積層鋳型を得ること、
(2)次いで、メチルメタクリレートを主成分とするラジカル重合性単量体の混合物を含む樹脂基材形成用組成物を、前記積層鋳型の前記硬化被膜が形成された面に接触するように前記積層鋳型に注入すること、
(3)次いで、前記積層鋳型に注入した前記樹脂基材形成用組成物を注型重合して、樹脂基材の層を形成すること、
(4)次いで、前記型を剥離して、前記樹脂基材の表面に前記硬化被膜が積層された樹脂積層体を得ること、
を含む樹脂積層体の製造方法であり、
前記工程(1)の硬化処理が、酸素雰囲気に露出された前記硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することを含み、且つ、
前記硬化被膜の鉛筆硬度が8H以上である、樹脂積層体の製造方法。 - 前記硬化被膜と前記樹脂基材の間に混合層を有し、
前記硬化被膜の膜厚Atと下記方法2で測定された前記混合層の膜厚Btが、下記式(3)及び下記式(4)を満たす請求項12に記載の樹脂積層体の製造方法。
17μm ≦ At ≦40μm (3)
0.002≦Bt/At≦0.3 (4)
<方法2>
樹脂積層体を主表面に対して垂直方向に切断し、次いで切断面からミクロトームを用いて透過型電子顕微鏡用の小片を切り出す。前記切り出した小片について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、前記小片の断面を観察してTEM観察像を取得する。得られたTEM観察像の、樹脂基材の層/混合層/硬化被膜の層の3層構造が観察された部分について、混合層の膜厚を測定してBtとする。 - 前記硬化性組成物は、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも一種の多官能単量体(A)と、
(メタ)アクリロイル基を3個以上有する多官能単量体(B)(但し多官能単量体(A)を除く)と、
(メタ)アクリロイル基を2個有する多官能単量体(C)と、
重合開始剤(D)とを含有する請求項12又は13に記載の樹脂積層体の製造方法。 - 前記硬化性組成物は、該硬化性組成物の総重量を100質量%としたとき、
前記多官能単量体(A)20質量%以上50質量%以下、
前記多官能単量体(B)20質量%60質量%以下、
前記多官能単量体(C)15質量%以上35質量%以下
を含む、請求項14に記載の樹脂積層体の製造方法。 - 前記混合層の前記方法2で測定された膜厚Btが0.1μm以上3.0μm以下である、請求項13に記載の樹脂積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016061841A JP6728854B2 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 樹脂積層体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016061841A JP6728854B2 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 樹脂積層体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017170837A true JP2017170837A (ja) | 2017-09-28 |
JP6728854B2 JP6728854B2 (ja) | 2020-07-22 |
Family
ID=59972867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016061841A Active JP6728854B2 (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 樹脂積層体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6728854B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022030169A (ja) * | 2020-08-06 | 2022-02-18 | 三菱ケミカル株式会社 | 樹脂積層体 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291206A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | メタクリル系樹脂成形品、メタクリル系樹脂積層品及びこれらの製造方法 |
JP2012088699A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Fujifilm Corp | ハードコート層形成用組成物、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置 |
JP2012234163A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-29 | Nitto Denko Corp | 光学積層体 |
JP2013222125A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、これを備えた光学機能部材および画像表示装置 |
WO2014184983A1 (ja) * | 2013-05-16 | 2014-11-20 | 三菱レイヨン株式会社 | 樹脂積層体及びその製造方法並びにディスプレー前面板 |
-
2016
- 2016-03-25 JP JP2016061841A patent/JP6728854B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291206A (ja) * | 2006-04-24 | 2007-11-08 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | メタクリル系樹脂成形品、メタクリル系樹脂積層品及びこれらの製造方法 |
JP2012088699A (ja) * | 2010-09-24 | 2012-05-10 | Fujifilm Corp | ハードコート層形成用組成物、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、及び画像表示装置 |
JP2012234163A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-29 | Nitto Denko Corp | 光学積層体 |
JP2013222125A (ja) * | 2012-04-18 | 2013-10-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、これを備えた光学機能部材および画像表示装置 |
WO2014184983A1 (ja) * | 2013-05-16 | 2014-11-20 | 三菱レイヨン株式会社 | 樹脂積層体及びその製造方法並びにディスプレー前面板 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022030169A (ja) * | 2020-08-06 | 2022-02-18 | 三菱ケミカル株式会社 | 樹脂積層体 |
JP7521314B2 (ja) | 2020-08-06 | 2024-07-24 | 三菱ケミカル株式会社 | 樹脂積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6728854B2 (ja) | 2020-07-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6229204B2 (ja) | 樹脂積層体及びその製造方法並びにディスプレー前面板 | |
JP6264378B2 (ja) | 樹脂製品 | |
JP6007789B2 (ja) | アクリル樹脂組成物、アクリル樹脂シート、アクリル樹脂積層体、及びそれらの製造方法 | |
JP6476865B2 (ja) | 樹脂積層体及びその製造方法 | |
JP5656054B2 (ja) | アクリル樹脂板の製造方法、アクリル樹脂板、アクリル樹脂積層体及び表示装置 | |
TWI509036B (zh) | 硬塗層膜及前面保護板 | |
WO2013140965A1 (ja) | 光学機能部材支持用複層フィルム、プリズムシート、光源ユニット及び表示装置 | |
JP2016056347A (ja) | プラスチックシート、プラスチックシートロール、成形物の製造方法及び成形物、並びにプラスチックシートの製造方法 | |
JP6728854B2 (ja) | 樹脂積層体及びその製造方法 | |
JP2017078139A (ja) | 硬化膜、樹脂積層体及び樹脂積層体の製造方法 | |
JP2019164293A (ja) | 画像表示装置、共重合体溶液、及びフィルム材 | |
JP6662232B2 (ja) | 樹脂積層体、ディスプレー前面板、携帯型情報端末装置及び移動体用グレージング | |
JP2020059238A (ja) | 樹脂積層体、ディスプレー前面板、携帯型情報端末装置、及び移動体用グレージング | |
JP7521314B2 (ja) | 樹脂積層体 | |
WO2015098783A1 (ja) | ラジカル硬化性組成物、プラスチックシート、プラスチックシートロール及び成形物 | |
JP5700245B2 (ja) | アクリル樹脂板、アクリル樹脂積層体及び表示装置 | |
JP2010046948A (ja) | 樹脂積層体および樹脂積層体の製造方法 | |
JP5760675B2 (ja) | アクリル系樹脂板の製造方法、アクリル系樹脂板、アクリル系樹脂積層体及び表示装置 | |
JP2010280167A (ja) | メタクリル樹脂積層板の製造方法 | |
JP2018103543A (ja) | 樹脂積層体及びその製造方法並びにディスプレー前面板及び移動体用グレージング | |
JP2017014488A (ja) | ラジカル硬化性組成物、プラスチックシート、プラスチックシートロール及び成形物 | |
JP2009166276A (ja) | 樹脂積層体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181005 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190606 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190611 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190807 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191003 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200317 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200515 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20200515 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200602 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200615 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6728854 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |