JP2017170492A - 電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法 - Google Patents

電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚板であっても溶接を確実に行いつつ入熱量を抑え、溶接部位の強度や靭性等の機械的性質を向上させる。【解決手段】電子ビーム溶接装置10は、互いに突き合わせた一対のワーク100の開先部100kに向かって電子ビームEBを照射する電子銃11と、電流が供給されることで発生する電磁界によって電子ビームEBを集束させる第二フォーカスコイル12Bと、開先部100kに沿って電子ビームEBを照射している間、第二フォーカスコイル12Bに供給する電流値を変化させて、電子ビームEBの焦点位置をワーク100の板厚方向に変動させる制御部20と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法に関する。
例えば特許文献1に開示されているように、電子ビーム溶接は、ワーク(加工対象物)同士を突き合わせた開先部に電子ビームを照射することで、開先部の両側のワークをそれぞれ溶融して接合する。電子ビームは、電子銃から放射された後、フォーカスコイルによって発生する電磁界により集束されることで、エネルギ密度を高めた状態で開先部に照射される。
ここで、電子ビーム溶接は、電子ビームを照射しながら開先部に沿って一度だけ溶接を行う、いわゆる1パスで溶接を行うことができる。その一方で、電子ビームの照射によりワークを溶融した後、溶融したワークが冷却固化すると、電子ビームの入熱による影響で強度が低下してしまう。
特開2014−24089号公報
例えば50mm以上の厚板に電子ビーム溶接を施す場合、確実な溶接を行うには、厚板の板厚方向全体で開先部両側のワークを溶融する必要がある。これには、厚板に対する電子ビームによる入熱量を高める必要がある。しかし、入熱量を高めた結果、電子ビームの入熱の影響による溶接部位の強度や靭性等の機械的性質の低下度合いが大きくなってしまう。
そこでなされた本発明の目的は、厚板であっても溶接を確実に行いつつ入熱量を抑え、溶接部位の強度や靭性等の機械的性質を向上させることのできる電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の一態様に係る電子ビーム溶接装置は、互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子ビームを照射する電子銃と、電流が供給されることで発生する電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、前記開先部に沿って前記電子ビームを照射している間、前記フォーカスコイルに供給する電流値を変化させて、前記電子ビームの焦点位置を前記加工対象物の板厚方向に変動させる制御部と、を備える。
このような構成によれば、開先部に沿って電子ビームを照射している間、フォーカスコイルに供給する電流値を変化させて、電子ビームの焦点位置を加工対象物の板厚方向に変動させるようにした。これによって、開先部の板厚方向全体にわたって、電子ビームによる溶接を確実に行うことができる。
また、本発明の一態様に係る電子ビーム溶接装置は、上記電子ビーム溶接装置において、前記制御部が、一定時間の間に、電流値のピーク位置が前記板厚方向で互いに異なる複数パルスの電流波形によって、前記フォーカスコイルに電流を供給するようにしてもよい。
このように、一定時間の間に、電流値のピーク位置が板厚方向で互いに異なる複数パルスの電流波形で電流を供給すると、電子ビームの焦点位置を加工対象物の板厚方向に容易に変動させることができる。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、電子ビーム溶接装置の制御部で実行されるコンピュータプログラムであって、互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子銃から電子ビームを照射するステップと、前記電子ビームを照射している間、前記電子ビームの焦点位置が前記加工対象物の板厚方向に変化するよう、電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルに対して供給する電流値を変動させるステップと、を備える。
このように構成することで、開先部の板厚方向全体にわたって、電子ビームによる溶接を確実に行うことができる。
本発明の一態様に係る電子ビーム溶接方法は、互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子ビームを照射する工程と、前記電子ビームを照射している間、前記電子ビームの焦点位置が前記加工対象物の板厚方向に変化するよう、電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルに対して供給する電流値を変動させる工程と、を備える。
このように構成することで、開先部の板厚方向全体にわたって、電子ビームによる溶接を確実に行うことができる。
本発明の一態様に係る電子ビーム溶接方法は、上記電子ビーム溶接方法において、前記開先部を含むように前記電子ビームを照射して一次溶接ビードを形成する工程と、前記一次溶接ビードと少なくとも一部が重なり、かつ、前記一次溶接ビードとは前記開先部が連続する方向に直交する方向における位置及び幅の少なくとも一方が異なる二次溶接ビードを形成する工程と、を備える。
このような構成によれば、一次溶接ビードと二次溶接ビードとが重なることで、開先部に形成される溶接ビードの幅を広くとることができ、目外れによる欠陥を防止し、溶接金属の強度の低下を防ぐことができる。
この発明に係る電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法によれば、厚板であっても溶接を確実に行いつつ入熱量を抑え、溶接部位の強度や靭性等の機械的性質を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る電子ビーム溶接装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電子ビーム溶接方法の処理の流れを示す図である。 一定時間の間に制御部から順次発生させる、複数パルスの電流波形の例、およびこれら複数パルスの電流波形の合成波形の例を示す図である。 図3に示したような電流波形でフォーカスコイルに電流を供給した場合の、電子ビームのエネルギ分布の一例を示す。 一定時間の間に制御部から順次発生させる複数パルスにおいて、板厚方向における電流のピーク位置を固定したままの状態としたときの電流波形、およびそれらの合成波形の一例を示す図である。 図5に示したような電流波形でフォーカスコイルに電流を供給した場合の、電子ビームのエネルギ分布の一例を示す。 電子ビームの焦点位置を固定していた場合の開先部への入熱量分布と、電子ビームの焦点位置を変動させた場合の開先部への入熱量分布との比較を示す図である。 本発明の実施形態に係る電子ビーム溶接方法の変形例を示す図である。 本発明の実施形態に係る電子ビーム溶接方法の他の変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明における電子ビーム溶接装置、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法を実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこの実施形態のみに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る電子ビーム溶接装置10の概略構成を示す図である。
図1に示すように、電子ビーム溶接装置10は、電子銃11と、フォーカスコイル12と、ワーク保持部(図示無し)と、制御部20と、を備えている。
電子銃11は、図示しない電源から供給される電流に応じたエネルギ密度で、陰極11aから電子を電子ビームEBとして放射する。
フォーカスコイル12及びワーク保持部(図示無し)は、真空チャンバー(図示無し)内に設けられている。この実施形態において、フォーカスコイル12は、電子ビームEBの放射方向において、第一フォーカスコイル12A、第二フォーカスコイル12Bの2段階に設けられている。第一フォーカスコイル12A、第二フォーカスコイル12Bは、電源(図示無し)から供給される電流に応じて電磁界を発生し、電子銃11から照射される電子ビームEBを集束させる。
ワーク保持部(図示無し)は、溶接すべきワーク(加工対象物)100,100を互いに突き合わせた状態で保持する。ワーク保持部(図示無し)は、電子ビームEBの放射方向に対して直交する面内で、少なくとも、ワーク100,100を互いに突き合わせた開先部100kが連続する方向(図1において紙面に直交する方向)に沿って、保持したワーク100,100を電子銃11に対し相対的に移動可能としている。
この実施形態において、ワーク100,100は、低合金鋼、オーステナイト系ステンレス鋼等とすることができる。
制御部20は、電子銃11及び第一フォーカスコイル12A、第二フォーカスコイル12Bへの電流供給、ワーク保持部(図示無し)の移動を制御する。
以下、本実施形態に係る電子ビーム溶接装置における電子ビーム溶接方法の流れについて説明する。
図2は、本実施形態に係る電子ビーム溶接方法の処理の流れを示す図である。
制御部20は、予めインストールされたコンピュータプログラムに基づいて所定の処理を順次実行することで、以下に示すような電子ビーム溶接方法を実現する。
図2に示すように、電子ビーム溶接処理が開始されると、制御部20は、電子銃11から電子ビームEBを放射し、ワーク100,100の開先部100kに照射させる(ステップS101)。これとともに、ワーク保持部(図示無し)は、保持したワーク100,100を、電子銃11に対して開先部100kが連続する方向に沿って移動させる。これにより、電子銃11から開先部100kに照射される電子ビームEBによって、開先部100kの両側のワーク100,100がビームによって溶融され、開先部100kに沿った溶接が順次なされていく。
制御部20は、上記のようにして開先部100kに沿って電子ビームEBを照射していく間、以下のようにして、第二フォーカスコイル12Bに印加する電流を変化させ、電子ビームEBの焦点位置を変動させる(ステップS102)。ここで、図1に示すように、第二フォーカスコイル12Bは、発生する電磁界の強度が印加する電流値によって変化し、電子ビームEBの焦点位置Fが、開先部100kにおけるワーク100,100の板厚方向Tに変化する。
図3は、一定時間の間に制御部から順次発生させる、複数パルスの電流波形の例、およびこれら複数パルスの電流波形の合成波形の例を示す図である。
開先部100kに沿って電子ビームEBを照射する一定時間Tsの間、制御部20は、関数発生器(図示無し)等により、電流波形が互いに異なる複数パルスの電流を発生させ、第二フォーカスコイル12Bに供給する。制御部20は、例えば、図3に示すように、第一パルスP1では、ワーク100の表面100f(図1参照)側にピークPt1を有した電流波形で電流を供給する。また、第二パルスP2では、ワークの板厚方向中央部にピークPt2を有した電流波形で電流を供給する。第三パルスP3では、ワーク100の裏面100g(図1参照)側にピークPt3を有した電流波形で電流を供給する。これら第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3は、一定時間Tsの間に順次供給される。
このように、一定時間Tsの間に、電流値のピークPt1〜Pt3をワーク100の板厚方向T(図1参照)に変化させながら第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3を出力すると、時間Ts内における第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3の合成波形W1は、電流値が板厚方向Tにおいてほぼ一定となった矩形(台形)パルス状となる。
このように、一定時間Tsの間に、第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3において、電流値のピークPt1〜Pt3をワーク100の板厚方向Tに変化させながら、開先部100kに沿って電子ビームEBを照射していく。
第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3において、電流値のピークPt1〜Pt3の位置をずらすと、電子銃11から放射される電子ビームEBの焦点位置Fが板厚方向Tに順次変化する。つまり、開先部100kに沿って電子ビームEBを照射している間に、照射している電子ビームEBの焦点位置Fをワークの板厚方向Tに変動させることができる。
図4は、図3に示したような電流波形でフォーカスコイルに電流を供給した場合の、電子ビームのエネルギ分布の一例を示す。この図4において、板厚方向をT、板厚方向Tに直交する方向Xを開先部の幅方向、板厚方向T及び幅方向Xに直交する方向Zをエネルギの大きさとしている。
図3に示したような電流波形で第二フォーカスコイル12Bに電流を供給した場合、図4に示すように、開先部100kに照射される電子ビームEBのエネルギ分布は、開先部100kの板厚方向Tにおいて、ほぼ一定の大きさとなる。したがって、ワーク100,100を開先部100kの全体にわたって板厚方向Tに均一に入熱することができる。
図5は、比較のため、一定時間の間に制御部から順次発生させる複数パルスにおいて、板厚方向における電流のピーク位置を固定したままの状態としたときの電流波形、およびそれらの合成波形の一例を示す図である。
この図5に示すように、一定時間Tsの間に順次発生する第一パルスP1’、第二パルスP2’、第三パルスP3’において、電流のピーク位置Pt0を固定したままとすると、これら第一パルスP1’、第二パルスP2’、第三パルスP3’の合成波形W0においては、開先部100kの板厚方向Tの中央部において、電流値のピークPwが大きくなる。
図6は、図5に示したような電流波形でフォーカスコイルに電流を供給した場合の、電子ビームのエネルギ分布の一例を示す。
図5に示すように、一定時間Tsの間、電流のピーク位置Pt0を固定したまま第二フォーカスコイル12Bに電流を印加し続けると、図6に示すように、開先部100kに照射される電子ビームEBの板厚方向Tにおけるエネルギ分布は、電流波形の電流のピーク位置(板厚方向Tの中央部)でエネルギ値が最も大きくなる。すなわち板厚方向T中央部に対する入熱量が多く、板厚方向Tの両側における入熱量は板厚方向Tの中央部に対して低くなる。
図7は、電子ビームの焦点位置を固定していた場合の開先部への入熱量分布と、電子ビームの焦点位置を変動させた場合の開先部への入熱量分布との比較を示す図である。
この図7に示すように、板厚方向Tにおける電流のピーク位置Pt0を固定したまま、つまり電子ビームEBの焦点位置を板厚方向Tに変動させずに溶接を行った場合、板厚方向Tの中央部(図6、図7における断面B−B)においては、電子ビームEBによる入熱によってなされる溶接幅(ビード幅)は狭いものの、エネルギが集中しており、入熱量は大きい。また、この場合、板厚方向Tの端部(図6、図7における断面A−A)においては、板厚方向Tの中央部に対し、電子ビームEBの焦点位置からのオフセット寸法が大きいため、電子ビームEBのビーム径が大きい。このため、溶接幅が大きく、入熱量は、板厚方向Tの中央部よりも小さい。
これに対し、板厚方向Tにおいて電子ビームEBの焦点位置を変動させながら溶接を行った場合、前述したように、板厚方向Tにおいて、広い範囲で均一に入熱がなされる。その結果、図6、図7における断面C−Cに示すように、溶接幅は、電子ビームの焦点位置を固定していた場合の断面A−Aよりも小さく、入熱量は、電子ビームの焦点位置を固定していた場合の断面B−Bよりも小さい。
このようにして、ワーク100,100の板厚が大きい場合においても、開先部100kの板厚方向Tにおいて、均一な入熱を行い、溶接を均質に行うことができる。また、これによって、より少ないエネルギで開先部100kの板厚方向T全域にわたる電子ビーム溶接を行うことが可能となる。
上述したような電子ビーム溶接装置10、コンピュータプログラム、電子ビーム溶接方法によれば、開先部100kに沿って電子ビームEBを照射している間、第二フォーカスコイル12Bに供給する電流値を変化させて、電子ビームEBの焦点位置をワーク100の板厚方向に変動させるようにした。これによって、開先部100kの板厚方向Tの全体にわたって、電子ビームEBによる溶接を確実に行うことができる。したがって、ワーク100が厚板であっても溶接を確実に行いつつ入熱量を抑え、溶接部位の強度や靭性等の機械的性質を向上させることができる。
また、制御部20においては、一定時間Tsの間に、電流値のピーク位置が板厚方向Tで互いに異なる第一〜第三パルスP1〜P3の電流波形で電流を供給すると、電子ビームEBの焦点位置Fをワーク100の板厚方向に容易に変動させることができる。
(実施形態の変形例)
上記実施形態では、開先部100kを1パスで溶接する場合を示したが、これに限らない。開先部100kに対して、複数パスでの電子ビーム溶接を行うようにしてもよい。
例えば図8に示すように、1パス目の電子ビーム溶接で、開先部100kを含む範囲でビード幅の大きい一次溶接ビードB1を形成した後、2パス目の電子ビーム溶接で、ビード幅のより小さい二次溶接ビードB2を、一次溶接ビードB1及び開先部100kに重ねて施すようにしてもよい。
このように、ビード幅の大きい一次溶接ビードB1を形成することで、開先部100kからの電子ビームEBの目ハズレを防止することができる。
また、図9に示すように、1パス目の電子ビーム溶接で、開先部100kを含む一定幅での一次溶接ビードB4を形成した後、2パス目の電子ビーム溶接で開先部100kに対して幅方向一方の側で二次溶接ビードB5を形成し、3パス目の電子ビーム溶接で開先部100kに対して幅方向他方の側で二次溶接ビードB6を形成してもよい。さらに加えて、開先部100kを含む部分に、一次溶接ビードB4、二次溶接ビードB5、B6と重なるよう、二次溶接ビードB7を施してもよい。
このように、複数回の電子ビーム溶接を施すことで、電子ビーム溶接の入熱により低下した強度や靱性を、いわゆる焼き入れ効果によって向上させ、溶接金属の強度の低下を防ぐことができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の電子ビーム溶接装置10の構成は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、一定時間Tsの間に、第一パルスP1、第二パルスP2、第三パルスP3で電流を供給する例を挙げたが、時間Tsの間、より細かい時間Ts間隔でより多くのパルスで電流を供給するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フォーカスコイル12として、第一フォーカスコイル12A,第二フォーカスコイル12Bを備えるようにしたが、これに限らない。フォーカスコイル12を、一段のみ、あるいは三段以上に設けてもよい。
これ以外にも、電子ビーム溶接装置10の構成、電子ビーム溶接方法の詳細な手順等についても、上記以外の構成を採用してもよい。
また、上記制御部20において電子ビーム溶接を行う際の各処理の過程は、コンピュータプログラムの形式でコンピュータによる読み取りが可能な記録媒体に記憶されている。このコンピュータプログラムは、制御部20を構成するコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
10 電子ビーム溶接装置
11 電子銃
11a 陰極
12 フォーカスコイル
12A 第一フォーカスコイル
12B 第二フォーカスコイル
20 制御部
100 ワーク(加工対象物)
100k 開先部
B1、B3 一次溶接ビード
B2、B4、B5、B6、B7 二次溶接ビード
EB 電子ビーム
F 焦点位置
P1 第一パルス
P2 第二パルス
P3 第三パルス
Ts 一定時間
T 板厚方向
W0 合成波形
W1 合成波形

Claims (5)

  1. 互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子ビームを照射する電子銃と、
    電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルと、
    前記開先部に沿って前記電子ビームを照射している間、前記フォーカスコイルに供給する電流値を変化させて、前記電子ビームの焦点位置を前記加工対象物の板厚方向に変動させる制御部と、
    を備える電子ビーム溶接装置。
  2. 前記制御部は、一定時間Tsの間に、電流値のピーク位置が前記板厚方向で互いに異なる複数パルスの電流波形によって、前記フォーカスコイルに電流を供給する、
    請求項1に記載の電子ビーム溶接装置。
  3. 電子ビーム溶接装置の制御部で実行されるコンピュータプログラムであって、
    互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子銃から電子ビームを照射するステップと、
    前記電子ビームを照射している間、前記電子ビームの焦点位置が前記加工対象物の板厚方向に変化するよう、電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルに対して供給する電流値を変動させるステップと、
    を備えることを特徴とするコンピュータプログラム。
  4. 電子ビーム溶接装置で実行される電子ビーム溶接方法であって、
    互いに突き合わせた一対の加工対象物の開先部に向かって電子ビームを照射する工程と、
    前記電子ビームを照射している間、前記電子ビームの焦点位置が前記加工対象物の板厚方向に変化するよう、電磁界によって前記電子ビームを集束させるフォーカスコイルに対して供給する電流値を変動させる工程と、
    を備えることを特徴とする電子ビーム溶接方法。
  5. 前記開先部を含むように前記電子ビームを照射して一次溶接ビードを形成する工程と、
    前記一次溶接ビードと少なくとも一部が重なり、かつ、前記一次溶接ビードとは前記開先部が連続する方向に直交する方向における位置及び幅の少なくとも一方が異なる二次溶接ビードを形成する工程と、
    を備える請求項4に記載の電子ビーム溶接方法。
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