JP5871675B2 - アーク溶接装置及びアーク溶接方法 - Google Patents

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本発明は、アーク溶接装置及びアーク溶接方法に関する。詳しくは、アークをアークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接するアーク溶接装置及びアーク溶接方法に関する。
従来、ワークを溶接する技術としてアーク溶接が知られている。アーク溶接では、アークトーチの送り速度が速くなると、アークトーチの進行方向に対する後方にアークが流れ、溶接が開始されるワークに熱が入らない現象が生じる。この場合には、ワークが十分に予熱されないまま溶接が行われ、溶接不具合の原因となる。
例えば特許文献1には、上記現象を回避するため、図4、図5に示すように、アークトーチとしてのプラズマトーチ100の先端部からワークW(1),(2)に延びるアークAに対して、進行方向に直交する方向の磁場BをワークW(1),(2)の内部に生成し、プラズマトーチ100とワークW(1),(2)との間の電流Iと上記磁場Bとに起因するローレンツ力Fを作用させ、アークAの先端側をプラズマトーチ100の進行方向に屈曲させる技術が提案されている。これによると、ワークW(1),(2)という物質を介して励磁するので、アークAに対してワークW(1),(2)近傍の磁場が強く作用し、アークAの先端側を屈曲できる。
特開2011−251316号公報
しかしながら特許文献1に開示された技術では、ワークW(1),(2)上の空間を通る磁束も存在するため、アークAに対してワークW(1),(2)上の空間を通る磁束が作用し、アークAが根元側から屈曲するおそれがある。これによりアークAが根元側から屈曲すると、溶接が開始されるワークWに熱が入り難くなり、ワークW(1),(2)が十分に予熱できず、また十分な溶け込み深さが確保された溶融池Pが形成できず、溶接不具合が生じる。
また、根元側から屈曲したアークAがプラズマトーチ100自体を焼いてプラズマトーチ100の先端部が消耗していくので、当該先端部のチップの交換頻度が増加する。
また、プラズマトーチ100近傍に励磁コイル200N,200Sを配置するために励磁コイル200N,200Sを避けてクランプ420,430を配置するので、溶接部近傍をクランプすることが困難になり、ワークW(1),(2)はクランプする幅に対応した大きなものとなり、アーク溶接が可能なワーク形状が限定される。
また、溶接部近傍をクランプすることが困難になると、ワークW(1),(2)の熱歪みを抑制できない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、アークの根元側は屈曲させずアークの先端側を屈曲させ、良好な溶接を実現するアーク溶接装置及びアーク溶接方法を提供することにある。
(1)アークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)が進行する進行方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)をワーク(例えば、後述のワークW(1),(2))の内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間を流れる電流(例えば、後述の電流I)と前記磁場とに起因するローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)を作用させ、アーク(例えば、後述のアークA)を前記アークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接するアーク溶接装置(例えば、後述のプラズマアーク溶接装置1)であって、上方に配置された前記アークトーチからアークを供給して溶接する前記ワークが載置され、前記磁場を発生させる励磁コイル(例えば、後述の励磁コイル20)が埋設されたベース(例えば、後述のベース40)を設け、前記ワークからの漏れ磁束でアークの先端側に前記ローレンツ力を作用させることを特徴とするアーク溶接装置。
(1)の発明によると、励磁コイルがベースに埋設されており、励磁コイルからの磁束はベース及びワークに遮蔽され、ワーク上の空間を通る磁束が減少する。このため、アークに対してワーク上の空間を通る磁束が作用し難くなってアークの根元側は屈曲せず、ワークからの漏れ磁束でアークの先端側にローレンツ力を作用させることができ、アークの先端側がアークトーチの進行方向へ屈曲する。これにより溶接が開始されるワークに熱が入り、ワークが十分に予熱された状態で溶接が行えると共に、十分な溶け込み深さが確保された溶融池が形成でき、良好な溶接を実現できる。
また、先端側から屈曲したアークはアークトーチ自体を焼き難くアークトーチの先端部が消耗し難いので、当該先端部のチップの交換頻度を低減できる。
また、励磁コイルがベースに埋設されており、ベース表面上の励磁コイルを避けてクランプを配置する必要がなくなり、溶接部近傍をクランプでき、ワークはクランプする幅に対応して小型のものでもよく、アーク溶接が可能なワーク形状が限定されない。
また、溶接部近傍をクランプできるので、ワークの熱歪みを抑制できる。
(2)前記励磁コイルは、前記アークトーチの進行方向に沿って複数点在して設けられ、前記アークトーチの進行に合わせて前記励磁コイルの通電と非通電とが切り替えられることを特徴とする(1)に記載のアーク溶接装置。
(2)の発明によると、通電と非通電とが切り替えられる、複数点在して設けられた励磁コイルから、アークトーチの進行に最適な磁場が発生でき、ワークからの漏れ磁束でアークの先端側にローレンツ力を作用させ、アークの先端側をアークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接できる。
(3)前記励磁コイルは、突き合わせるワークの板厚の差に応じて、磁束密度の調整を行うことを特徴とする(1)又は(2)に記載のアーク溶接装置。
突き合わせるワークの板厚の差が大きい場合には、磁束の漏れが大きくなり、アークに作用するローレンツ力が過度に大きくなり、アークが根元側から屈曲するおそれがある。
これに対して(3)の発明によると、突き合わせるワークの板厚の差が大きい場合に磁束密度を低く調整でき、磁束の漏れが大きくなることを防止できる。これにより突き合わせるワークの板厚の差が大きい場合であっても、磁束の漏れを小さくでき、アークに作用するローレンツ力が過度に大きくならず、アークは根元側から屈曲しない。
(4)アークトーチ(例えば、後述のプラズマトーチ10)が進行する進行方向に対して直交する方向の磁場(例えば、後述の磁場B)をワーク(例えば、後述のワークW(1),(2))の内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間を流れる電流(例えば、後述の電流I)と前記磁場とに起因するローレンツ力(例えば、後述のローレンツ力F)を作用させ、アーク(例えば、後述のアークA)を前記アークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接するアーク溶接方法であって、上方に配置された前記アークトーチからアークを供給して溶接する前記ワークが載置されるベース(例えば、後述のベース40)に励磁コイル(例えば、後述の励磁コイル20)を埋設し、前記ワークからの漏れ磁束でアークの先端側に前記ローレンツ力を作用させることを特徴とするアーク溶接方法。
(4)の発明によると、(1)の発明と同様の作用、効果が得られる。
本発明によれば、アークの根元側は屈曲させずアークの先端側を屈曲させ、良好な溶接を実現できる。
本発明の実施形態に係るアーク溶接装置及びアーク溶接方法を適用したプラズマアーク溶接装置の斜視図である。 上記実施形態に係るプラズマトーチ及びその周辺を概略的に示す正面図である。 図2に示すプラズマトーチの右側面図である。 従来技術のプラズマトーチ及びその周辺を概略的に示す正面図である。 図4に示すプラズマトーチの右側面図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るアーク溶接装置及びアーク溶接方法を適用したプラズマアーク溶接装置1の斜視図である。
プラズマアーク溶接装置1は、2つのワークを突き合わせて溶接することで、テーラードブランク材を形成する。図1では、板厚が比較的薄いワークW(1)とワークW(1)よりも板厚が厚いワークW(2)との突き合わせ溶接を示している。ワークW(1)とワークW(2)とを突き合わせ溶接する箇所を突き合わせ部という。
図1に示すように、プラズマアーク溶接装置1は、アークトーチとしてのプラズマトーチ10と、ベース40と、支持フレーム30と、励磁コイル20(20N,20S)と、を備える。
プラズマトーチ10は、ベース40上方にて移動可能に配置された支持フレーム30に支持されている。
ベース40には、ワークW(1),(2)が載置され、励磁コイル20が埋設されている。
図2は、本実施形態に係るプラズマトーチ10及びその周辺を概略的に示す正面図である。
図2に示すように、プラズマトーチ10は、棒状の電極11と、電極11を囲んで設けられてプラズマガスを噴出する円筒形状の第1ノズル12と、第1ノズル12を囲んで設けられてシールドガスを噴出する円筒形状の第2ノズル14と、を備える。
第1ノズル12の先端には、円形状の第1噴出口13が形成されており、第1噴出口13からプラズマガスが噴出する。
第2ノズル14の先端には、円環形状の第2噴出口15が形成されており、第2噴出口15からシールドガスが噴出する。
第2ノズル14の第2噴出口15は、第1ノズル12の第1噴出口13よりも電極11の軸方向先端側に位置している。
図1に戻り、支持フレーム30は、ベース40上方にて移動可能に配置されている。
支持フレーム30は、プラズマトーチ10の上方の基部側を支持しており、プラズマトーチ10の下方の先端側から下方に延びるアークAを、ワークW(1),(2)の突き合わせ部を溶接可能とする所定の高さに位置させる。
支持フレーム30は、プラズマトーチ10を上昇又は下降させる図示しない昇降機構と、プラズマトーチ10を水平移動させる移動機構と、を備える。
ベース40は、ワークW(1),(2)を載置する台座である。
ベース40は、ワークW(1),(2)の突き合わせ部の下方の領域に、熱引きをよくするための銅製の溶接場41を備える。
溶接場41は、突き合わせ部の直下にプラズマトーチの進行方向に沿った一直線状の溝部41aを有する。
ベース40は、ワークW(1),(2)の上面をワークW(1),(2)を突き合わせた状態で固定する一対のクランプ42,43を備える。
一対のクランプ42,43は、ワークW(1),(2)の突き合わせ部を挟んで向かい合っており、一対のクランプ42,43間は、プラズマアーク溶接に影響を受けない程度で接近している。このため、一対のクランプ42,43は、溶接部近傍をクランプする。
ベース40は、内部に励磁コイル20が埋設されている。
励磁コイル20は、プラズマトーチ10の進行方向に沿ってプラズマトーチ10の進行する軌跡に対して線対称にN極とS極のものが一対ずつ複数点在して設けられている。
言い換えると、複数の励磁コイル20の一部として、プラズマトーチ10の進行方向に沿って突き合わせ部の一方側(図示左側)にN極の励磁コイル20Nが複数一列に点在する。また複数の励磁コイル20の残りの一部として、プラズマトーチ10の進行方向に沿って突き合わせ部の他方側(図示右側)にS極の励磁コイル20Sが、N極の励磁コイル20Nとプラズマトーチ10の進行方向に対し直交方向で位置を合わせて(線対称に)複数一列に点在する。
このように、N極の励磁コイル20NとS極の励磁コイル20Sは、プラズマトーチ10の進行方向(突き合わせ部の延びる方向(接合線))と直交する方向で対向配置され1セットを構成する。そのため、1セットのN極の励磁コイル20N及びS極の励磁コイル20Sにおいては、N極の励磁コイル20NからS極の励磁コイル20Sへ向かう磁場Bの方向がプラズマトーチ10の進行方向(接合線)と直交する。
励磁コイル20とプラズマトーチ10との距離、及び励磁コイル20とワークW(1),(2)との間隔は、アークAの根元側にまで磁場Bが作用してアークAが根元側から進行方向に屈曲することを回避しつつ、ワークW(1),(2)を十分に磁化して突き合わせ部の表面に大きな漏れ磁場Bが生成するように、それぞれ設定される。
励磁コイル20は、溶接時のプラズマトーチ10の進行に合わせて励磁コイル20の通電と非通電とが切り替えられていく。
言い換えると、1セットのN極の励磁コイル20N及びS極の励磁コイル20Sは、同時に、非通電の状態からプラズマトーチ10が進行してプラズマトーチ10がある程度近づくと通電状態となり、プラズマトーチ10が進行して追い抜かれプラズマトーチ10がある程度離れると非通電状態となる。
励磁コイル20の通電と非通電との切り替えは、例えば、2セットのN極の励磁コイル20N及びS極の励磁コイル20Sの中心にプラズマトーチ10が配置されて形成される突き合わせ部の磁場強度を維持するようなタイミングで切り替えられていく。
励磁コイル20は、突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差に応じて、磁束密度の調整を行う。
すなわち、プラズマアーク溶接の開始前に、ワークW(1),(2)の板厚の差の情報を図示しない制御部に入力し、ワークW(1),(2)の板厚の差に応じて励磁コイル20に供給する電流量を変更する。
例えば、突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差が大きい場合には、励磁コイル20に供給する電流量を小さくして磁束密度を低く調整し、磁束の漏れが大きくなることを防止する。
一方、突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差が小さい場合には、励磁コイル20に供給する電流量を大きくして磁束密度を高く調整し、磁束の漏れが小さくなり過ぎることを防止する。
本実施形態に係るプラズマアーク溶接装置1の動作について説明する。
まず、突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差の情報をプラズマアーク溶接装置1の制御部に入力する。これによりワークW(1),(2)の板厚の差に応じて励磁コイル20に供給する電流量が決定される。
次に、ワークW(1),(2)の突き合わせ部を溶接場41の溝部41a上部に位置合わせし、ワークW(1),(2)を一対のクランプ42,43でクランプする。
次に、溶接始端の最初に通電可能な励磁コイル20に電流を供給する。これによりN極の励磁コイル20Nから、ベース40及びワークW(1),(2)の内部を通ってS極の励磁コイル20Sへ向かう磁場Bが形成され、突き合わせ部の磁場強度が所望の強度に設定される。
次に、支持フレーム30の移動機構及び昇降機構により、溶接始端上の所定の高さ位置に、プラズマトーチ10を配置する。
次に、第1ノズル12の第1噴出口13からプラズマガスを噴出させつつ、電極11とワークW(1),(2)との間に電圧を印加し、アークAを発生させる。アークAにより電極11とワークW(1),(2)との間に電流Iが流れる。
また、第2ノズル14の第2噴出口15から、アークの周囲を囲むようにシールドガスを噴出させる。
図3は、図2に示すプラズマトーチ10の右側面図である。
図3に示すように、アークAを流れる電流I(図1参照)と、磁場BにおけるワークW(1),(2)の突き合わせ部においてワーク同士の高さが異なることにより漏れる磁束とに起因してローレンツ力Fが働く。このローレンツ力Fの作用により、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向へ屈曲する。
すなわち、励磁コイル20NからS極の励磁コイル20Sへ向かう磁場Bは、主にワークW(1),(2)内部を通っており、磁場BにおけるワークW(1),(2)の突き合わせ部においてワーク同士の高さが異なることにより漏れる磁束は、ベース40から離れると急激に減衰する。
このため、ローレンツ力Fは、ベース40近傍で大きく、ベース40から離れるに連れて急激に小さくなる。
したがって、アークAは、ベース40近傍の先端側が大きく屈曲するが、ベース40から離れた根元側は屈曲しない。
この状態で、支持フレーム30の移動機構により、プラズマトーチ10を進行方向(接合方向)に水平移動させる。また、プラズマトーチ10の進行に合わせて励磁コイル20の通電と非通電とを切り替えていく。
これによりプラズマトーチ10の進行に合わせて、アークAを流れる電流Iと磁場Bにより突き合わせ部から漏れる磁束とに起因したローレンツ力Fの作用により、常に、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向へ屈曲する。
このような溶接方法により、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向へ屈曲して溶接が開始されるワークW(1),(2)に熱が入る。これによって、ワークW(1),(2)が十分に予熱された状態で溶接が行えると共に、十分な溶け込み深さが確保された溶融池Pが形成され、良好な溶接が行える。
以上の本実施形態に係るプラズマアーク溶接装置1によれば、以下の効果を奏する。
(1)励磁コイル20がベース40に埋設されており、励磁コイル20からの磁束はベース40及びワークW(1),(2)に遮蔽され、ワークW(1),(2)上の空間を通る磁束が減少する。このため、アークAに対してワークW(1),(2)上の空間を通る磁束が作用し難くなってアークAの根元側は屈曲せず、ワークW(1),(2)からの漏れ磁束でアークAの先端側にローレンツ力Fを作用させることができ、アークAの先端側がプラズマトーチ10の進行方向へ屈曲する。これにより溶接が開始されるワークW(1),(2)に熱が入り、ワークW(1),(2)が十分に予熱された状態で溶接が行えると共に、十分な溶け込み深さが確保された溶融池Pが形成でき、良好な溶接を実現できる。
また、先端側から屈曲したアークAはプラズマトーチ10自体を焼き難くプラズマトーチ10の先端部が消耗し難いので、当該先端部のチップの交換頻度を低減できる。
また、励磁コイル20がベース40に埋設されており、ベース40表面上の励磁コイルを避けてクランプ42,43を配置する必要がなくなり、溶接部近傍をクランプでき、ワークW(1),(2)はクランプする幅に対応して小型のものでもよく、プラズマアーク溶接が可能なワーク形状が限定されない。
また、溶接部近傍をクランプできるので、ワークW(1),(2)の熱歪みを抑制できる。
(2)通電と非通電とが切り替えられる、複数点在して設けられた励磁コイル20から、プラズマトーチ10の進行に最適な磁場Bが発生でき、ワークW(1),(2)からの漏れ磁束でアークAの先端側にローレンツ力Fを作用させ、アークAの先端側をプラズマトーチ10の進行方向へ屈曲させて溶接できる。
(3)突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差が大きい場合には、磁場Bによる磁束の漏れが大きくなり、アークAに作用するローレンツ力Fが過度に大きくなり、アークAが根元側から屈曲するおそれがある。
これに対して本実施形態に係るプラズマアーク溶接装置1によると、突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差が大きい場合に磁束密度を低く調整でき、磁束の漏れが大きくなることを防止できる。これにより突き合わせるワークW(1),(2)の板厚の差が大きい場合であっても、磁束の漏れを小さくでき、アークAに作用するローレンツ力Fが過度に大きくならず、アークAは根元側から屈曲しない。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に包含される。
上記実施形態では、ベース40に埋設された励磁コイル20はプラズマトーチ10の進行方向に沿って一対ずつ複数点在して設けられていたが、これに限られない。例えば、2セットのN極の励磁コイル及びS極の励磁コイルが1つのユニットを構成し、プラズマトーチの進行に合わせて当該ユニットがプラズマトーチを中心に位置させるように移動するものであってもよい。これによると、プラズマトーチに対する磁場Bが一定のものとなり、安定したローレンツ力Fの作用によりアークAの先端側がプラズマトーチの進行方向へ変化せずに屈曲する。
また上記実施形態では、本発明のアーク溶接装置及びアーク溶接方法をプラズマアーク溶接に適用したが、これに限られない。例えば、TIGアーク溶接に適用してもよい。
1…プラズマアーク溶接装置(アーク溶接装置)
10…プラズマトーチ(アークトーチ)
20…励磁コイル
40…ベース
W(1),(2)…ワーク

Claims (4)

  1. アークトーチが進行する進行方向に対して直交する方向の磁場をワークの内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間を流れる電流と前記磁場とに起因するローレンツ力を作用させ、アークを前記アークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接するアーク溶接装置であって、
    上方に配置された前記アークトーチからアークを供給して溶接する前記ワークが載置され、前記磁場を発生させる励磁コイルが埋設されたベースを設け、前記ワークからの漏れ磁束でアークの先端側に前記ローレンツ力を作用させることを特徴とするアーク溶接装置。
  2. 前記励磁コイルは、前記アークトーチの進行方向に沿って複数点在して設けられ、前記アークトーチの進行に合わせて前記励磁コイルの通電と非通電とが切り替えられることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接装置。
  3. 前記励磁コイルは、突き合わせるワークの板厚の差に応じて、磁束密度の調整を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアーク溶接装置。
  4. アークトーチが進行する進行方向に対して直交する方向の磁場をワークの内部に生成し、前記アークトーチと前記ワークとの間を流れる電流と前記磁場とに起因するローレンツ力を作用させ、アークを前記アークトーチの進行方向へ屈曲させて溶接するアーク溶接方法であって、
    上方に配置された前記アークトーチからアークを供給して溶接する前記ワークが載置されるベースに励磁コイルを埋設し、前記ワークからの漏れ磁束でアークの先端側に前記ローレンツ力を作用させることを特徴とするアーク溶接方法。
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