JP2002144064A - 金属部材の溶接方法及び装置 - Google Patents

金属部材の溶接方法及び装置

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JP2002144064A
JP2002144064A JP2001037340A JP2001037340A JP2002144064A JP 2002144064 A JP2002144064 A JP 2002144064A JP 2001037340 A JP2001037340 A JP 2001037340A JP 2001037340 A JP2001037340 A JP 2001037340A JP 2002144064 A JP2002144064 A JP 2002144064A
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welding
laser
metal
arc
gap
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JP2001037340A
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Moriaki Ono
守章 小野
Akihide Yoshitake
明英 吉武
Makoto Kabasawa
真事 樺沢
Yoshihiro Hosoya
佳弘 細谷
Yukio Shinpo
幸雄 真保
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23K26/00Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring
    • B23K26/346Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding
    • B23K26/348Working by laser beam, e.g. welding, cutting or boring in combination with welding or cutting covered by groups B23K5/00 - B23K25/00, e.g. in combination with resistance welding in combination with arc heating, e.g. TIG [tungsten inert gas], MIG [metal inert gas] or plasma welding

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】レーザー溶接とガスメタルアーク溶接を複合化
することにより、隙間を有する金属薄板、或いはそれに
よって形成された構造物の重ねおよび重ね隅肉溶接或い
は突き合せ溶接において隙間許容量を増大し、継手強度
のばらつきのない高速溶接法を提供する 【解決手段】金属薄板または金属薄板構造物の重ね溶
接、重ね隅肉溶接、または突き合わせ溶接予定個所にレ
ーザーを照射する工程と、この照射工程の後にガスメタ
ルアーク溶接を行う工程とを備えた金属部材の溶接方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板或いは金
属薄板によって形成された構造物の重ね溶接、重ね隅肉
溶接或いは突き合せ溶接に用いられる溶接方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属薄板にて形成された構造物
の接合には、主に電気抵抗スポット溶接法やアーク溶接
法が用いられているが、近年レーザー溶接法が採用され
るようになってきた。これは、レーザー溶接を採用した
場合には、片側からの溶接で済むとともに、ビード幅が
狭いために従来工法である抵抗スポット溶接やアーク溶
接に比べて接合部の設計自由度が大きく、溶接継手とし
ての幅を狭くすることが可能となる等の利点を有するた
めである。
【0003】レーザー光は、非常に強い集光性があり、
エネルギー密度の極めて高い集中熱源となるので、溶接
に適用すれば、溶け込み深さが深く、高速溶接を行うこ
とができる。
【0004】しかしながら、レーザー溶接法には以下の
課題を有している。レーザー溶接ではレーザー光の集光
性がよいという特長の裏返しとして、被溶接物の重ね合
わせ品質を厳格に管理する必要がある。重ね継手では、
上下の被溶接物間の隙間の許容量は上部側被溶接物の板
厚の30%程度であり、これを越えると溶融部が上部被
溶接物から溶け落ちて、重ね継手の強度が低下する。以
上のような条件を満たすために、重ね継手の上側(片
側)もしくは上下両側から被溶接物に加圧力を加えて重
ね継手の隙間の寸法を矯正しつつレーザー溶接を施すよ
うにする方法が、特開昭59-179284号公報および特開平4
-258391号公報に開示されている。
【0005】一方、金属薄板閉断面構造物の溶接では、
上下両側から加圧力を付与することができないため、片
側からのみ加圧する方法が、特開平8-90264号公報に開
示されている。金属薄板閉断面構造物の剛性が高い場合
には、加圧力を増加に伴って板間の隙間が減少するのに
対して、金属薄板閉断面構造物の剛性が低い場合には、
ある値以上に加圧力が大きくなると継手全体の変形が大
きくなり、逆に隙間が大きくなるという問題点を有して
いる。そこで、加圧変位や加圧力をオンライン制御する
方法を提案している。
【0006】以上のように、金属薄板にて形成された構
造物をレーザーで溶接する場合には、被溶接物間の隙間
を厳格に管理するために厳格に加圧して、溶接する必要
がある。しかし、金属薄板構造物の形状が複雑な場合や
板厚構成が多岐にわたる場合には、高精度の加圧制御が
困難となり、継手強度が低下することが考えられる。
【0007】また、金属薄板閉断面構造物の溶接では、
片側溶接が可能なアーク溶接法が使われる場合がある。
アーク溶接法として、従来から汎用されているものとし
て、ティグ溶接、プラズマ溶接およびガスメタルアーク
溶接が知られている。ティグ溶接は、アルゴンなどの不
活性ガス雰囲気中で、タングステン電極と母材間にアー
クを発生させて溶接する方法である。プラズマ溶接は、
溶接トーチ内の2電極間に通電してアークを発生させ、
その周囲にアルゴンと水素とを混合した作動ガスを送り
込むと、作動ガスはアークの熱で電離してイオンと電子
が混在したガス体であるプラズマとなり、このプラズマ
の熱で溶接する方法である。ティグ溶接およびプラズマ
溶接は、非消耗電極方式溶接法と呼ばれている。一方、
ガスメタルアーク溶接は、アルゴンなどの不活性ガスや
炭酸ガスおよびこれらの混合ガス雰囲気中で、連続的に
溶接用ワイヤを供給しながら、溶接用ワイヤと母材間に
アークを発生させて両者を溶融させて溶接する方法であ
り、消耗電極方式溶接法と呼ばれている。
【0008】これらのアーク溶接法では、レーザー溶接
法に比べて熱源の収束性が劣ることや溶接速度が遅いた
めに、金属薄板構造物に対して溶接入熱が過大であり溶
け落ち欠陥が発生しやすく、継手強度を低下させるとい
う課題を有する。
【0009】一方、金属薄板構造物の溶接への適用例は
無いが、レーザーとアークを同時に照射して溶接する方
法が提案されている。
【0010】レーザー溶接とアーク溶接を複合させた場
合の溶け込み量は、単純に両溶接法の溶けこみ量の和よ
りも大きくなる。これはレーザー照射によって、溶接部
にキーホールが形成されるため、アークの加熱が鋼材の
表面からだけではなく、キーホール内部からも行われる
ためであると考えられている。くわえて、アークによっ
て鋼材表面が加熱されるために、レーザーエネルギーの
鋼材への吸収率が向上するためと指摘されている。
【0011】この溶接方法は、例えば、特開昭62-26386
9号公報、特許登録1798896号公報、特開平9-122950号公
報および特開平10-272578号公報に開示されている。こ
こで共通していることは、レーザーとティグアークとを
複合化していることである。特開平10-216979号公報に
はレーザーとプラズマを複合化した溶接方法が開示され
ている。
【0012】しかし、ここで開示されている溶接技術
は、金属薄板間に隙間を有する薄板構造物の重ねおよび
隅肉溶接には適さない。すなわち、レーザーとティグア
ーク或いはプラズマを複合化することにより、溶接速度
の高速化を図ることができるが、ティグアーク或いはプ
ラズマ溶接法はいずれも非消耗電極方式溶接法であるた
め、重ねおよび重ね隅肉継手における上下被溶接物間で
の隙間の許容量の増加には寄与せず、溶け落ち欠陥に起
因して継手強度の低下をきたすという課題は解決できな
い。
【0013】レーザー溶接とガスメタルアーク溶接とを
複合化した溶接法については、IIWDoc.XII-1565-99等に
研究例が記載されている。ここでの研究例は、厚鋼板お
よびアルミニウム合金の溶接事例が示されている。前者
の厚鋼板の溶接に関して、開先形状をV開先からY開先
にすることにより溶接生産性が向上することや、アーク
溶接の後熱サイクルによりレーザー溶接金属が焼きなま
されて靭性向上が図れると指摘されている。一方、後者
では、アルミニウム合金薄板の突合わせ溶接の研究事例
が示されている。ここでは、アルミニウム合金はレーザ
ー光に対して反射率が高いため、レーザーの溶接効率が
低い。そこで、アーク熱源でアルミニウム合金を加熱し
てレーザー光の吸収率を高めることで、高能率の溶接が
可能となると指摘されている。
【0014】したがって、これらの研究事例において
も、金属薄板或いはそれによって形成された構造物の重
ねおよび重ね隅肉溶接或いは突き合わせ溶接における、
被溶接物薄板間の隙間の許容量或いは突き合わせ許容量
の増加には寄与せず、溶け落ち欠陥に起因して継手強度
が低下をきたすという課題は解決できない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、金属薄板、或るいはそれによって形成された構造物
の重ねおよび重ね隅肉溶接或いは突き合せ溶接におい
て、以下の課題があった。
【0016】レーザー溶接では被溶接物間の隙間許容量
が小さく、上側の被溶接物が溶け落ちるという課題があ
る。また、各種のアーク溶接では、金属薄板構造物を対
象にした場合には溶接入熱が過大であり上下側の被溶接
物が溶け落ちるという課題がある。また、レーザーとテ
ィグアーク或いはプラズマを複合溶接法では、溶接用ワ
イヤを添加する溶接法ではないため、レーザー溶接と同
様に上側の非溶接物が溶け落ちるという課題を解決でき
ない。
【0017】溶接用ワイヤを添加する溶接法としては、
レーザー溶接とガスメタルアーク溶接とを複合化した溶
接法があるが、隙間を有する金属薄板構造物の重ねおよ
び隅肉溶接を対象とした溶接技術は存在しない。
【0018】本発明は、レーザー溶接とガスメタルアー
ク溶接を複合化することにより、隙間を有する金属薄
板、或いはそれによって形成された構造物の重ねおよび
重ね隅肉溶接或いは突き合せ溶接において隙間許容量を
増大し、継手強度のばらつきのない高速溶接法を提供す
ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、金属薄板
または金属薄板構造物の重ね溶接、重ね隅肉溶接、また
は突き合わせ溶接予定個所にレーザーを照射する工程
と、この照射工程の後にガスメタルアーク溶接を行う工
程とを備えた金属部材の溶接方法。
【0020】第2の発明は、レーザーを照射する工程
は、レーザーの狙い位置が、ガスメタルアーク溶接の狙
い位置よりも0mm以上,8mm以下の範囲(好ましく
は0mm以上,4mm以下の範囲)であることを特徴と
する第1の発明の金属部材の溶接方法。
【0021】第3の発明は、レーザーを照射する工程
は、YAGレーザーを照射することを特徴とする第1ま
たは第2の発明に記載の金属部材の溶接方法。
【0022】第4の発明は、YAGレーザーを照射する
工程は、溶接部が、突き合わせた金属薄板または重ね合
わせ金属薄板の少なくともYAGレーザー照射側の金属
薄板を貫通するように、レーザー出力を設定することを
特徴とする第3に記載の発明の金属部材の溶接方法。
【0023】第5の発明は、重ね溶接又は重ね隅肉溶接
される金属薄板構造物は、隙間が0.2mm以上、1.
5mm以下で、板厚が0.2mm以上、6.0mm以下
である第1〜4のいずれかに記載の発明の金属部材の溶
接方法。
【0024】第6の発明は、突き合わせ溶接される金属
薄板構造物は、隙間が0.1mm以上、0.4mm以下
で、板厚が0.2mm以上、6.0mm以下である第5
に記載の発明の金属部材の溶接方法。
【0025】第7の発明は、レーザー発振器から発振さ
れたレーザー光を加工位置に集束させる光学系を備えた
レーザー加工ヘッドと、この加工ヘッドの先端部に取り
付けたガスメタルアークトーチとを具備し、レーザー光
とアークとを溶接予定個所に向けて照射可能に構成され
てなる金属部材の溶接装置。
【0026】第8の発明は、レーザー発振器から発振さ
れたレーザー光を加工位置に集束させる光学系を備えた
レーザー加工ヘッドと、この加工ヘッドの先端部に取付
けたガスメタルアークトーチとを具備し、レーザー加工
ヘッドは、レーザー光の狙い位置が、溶接線方向に対し
て、ガスメタルアーク溶接の狙い位置よりも0mm以
上,8mm以下(好ましくは0mm以上,4mm以下)
先行するように配置されている第7の発明の金属部材の
溶接装置。
【0027】第9の発明は、レーザー光がYAGレーザ
ー光であることを特徴とする第7.8の発明の金属部材
の溶接装置である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明に適用できる金属薄板とし
ては、主として炭素鋼の薄鋼板が挙げられる。適用板厚
範囲は、溶接入熱、溶接速度等の溶接条件に依存する
が、一般的には、0.2mm以上、6.0mm以下であ
る。
【0029】この金属薄板を金型或いはロール等で成形
した複数の部材を溶接する場合には、金属薄板成形品の
フランジ部はスプリングバックを生じる。これらの金属
薄板成型品を溶接する場合には、図1に示すように、成
形品のフランジ部を主に重ねて、重ね溶接または重ね隅
肉溶接するが、重ね部には必ず隙間を生じている。この
ように隙間を有する溶接部を溶接すると溶け落ち欠陥が
生じやすい(図1参照)。
【0030】発明者は、このような問題を解決する方法
として、レーザー溶接とガスメタルアーク溶接を複合化
することにより、溶接の高速化や溶接精度が大幅に緩和
する技術を見出した。
【0031】すなわち、ガスメタルアーク溶接単独で
は、溶接速度は最大2m/min程度であり、金属薄板
構造物を溶接する場合には、溶接入熱が過大となり溶け
落ち欠陥を生じやすい。
【0032】これに対し、本発明では、レーザー照射後
ガスメタルアーク溶接を行っている。このことにより、
レーザーを照射された鋼材は、溶融・蒸発して、その一
部が電離してプラズマとなる。この高温領域では、レー
ザー照射により金属上記密度および金属イオン密度が高
いことに加えて、鋼材からの熱電子放出エネルギー或い
は鋼材への熱電子吸収エネルギーも大幅に低下するた
め、ここにアークを照射すれば容易にアークの陽極点或
いは陰極点になりやすく、アークの発生・維持が安定化
し、アークが集中するようになる。
【0033】したがって、本発明によれば、レーザー溶
接と複合化することによりガスメタルアークは安定化
し、溶接速度が6m/min超えでも溶接可能となる。
このように、高速溶接を可能となるため、溶接入熱はガ
スメタルアーク単独溶接に比べて30%以下となり、溶
け落ち欠陥を生じなくなる。くわえて、ガスメタルアー
ク溶接では溶接用ワイヤを溶融して、金属薄板構造物の
隙間を埋めながら溶接が行われるため、隙間許容量を大
幅に増加させることができる。
【0034】従って、請求項1に記載の発明によると、
レーザー溶接と溶接用ワイヤを供給するガスメタルアー
ク溶接とを複合化した溶接法(レーザー溶接後にガスメ
タルアーク溶接する溶接法)により、金属薄板成形品の
重ね部又は重ね隅肉部を溶け落ち等の溶接欠陥なしで溶
接することができる。また、金属薄板の突合せ溶接を溶
け落ち等の溶接欠陥なしで溶接することができる。
【0035】次に、請求項2に記載の発明によると、レ
ーザーの狙い位置は、溶接線方向に対して、ガスメタル
アーク溶接の狙い位置よりも0〜8mm先行する(好ま
しくは0〜6mm、さらに好ましくは0〜4mm先行す
る)ように設定されている。
【0036】レーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶
接の狙い位置の距離が、8mmを越えて設定された場合
には、両者の距離が離れすぎているため、レーザー照射
によるアークの安定化および集中効果が期待しがたくな
る。また、レーザーの狙い位置が、溶接線方向に対して
垂直方向に、ガスメタルアーク溶接の狙い位置がずれた
場合でも、プラスマイナス2mm以内に設定されていれ
ば、レーザー照射によるアークの安定化および集中効果
が認められ、好適である。
【0037】請求項3に記載の発明では、レーザーとし
て、YAGレーザーを用いている。
【0038】請求項4に記載の発明では、YAGレーザ
ー溶接において、溶接部が、突き合せた鋼板或いは重ね
合わせた鋼板の少なくともYAGレーザー照射側の金属
薄板を貫通するように、レーザー出力を設定されてい
る。
【0039】本発明は、YAGレーザー溶接とガスメタ
ルアーク溶接とを併用して溶接を行う方法である。YA
Gレーザー溶接とアーク溶接を複合化することによりガ
スメタルアークを安定化させ、溶接速度が6m/min
超える高速溶接が可能となる。このレーザーとアークの
複合溶接法の溶接部形成機構は次の通りである。レーザ
はパワー密度が106 W/cm2 と高いため、鋼板に照
射すると蒸発し、細くて深いキーホールと呼ばれる蒸発
孔を形成する。このレーザー溶接が、高速・深い溶け込
み溶接が可能なのは、レーザーのエネルギー密度が高い
ためである。一方、アークは、エネルギー密度がレーザ
ーに比べて1000分の1以下であるため、深い溶け込
みは望めない。したがって、本発明によるレーザー溶接
とガスメタルアーク溶接とを併用して溶接では、溶け込
み深さはレーザーが担う。また、突合わせ溶接又は重ね
・重ね隅肉溶接における隙間の許容量を緩和させるの
は、ガスメタルアーク溶接による溶接用ワイヤからの溶
融金属の供給が担うことになる。したがって、突き合わ
せ溶接では、溶接部が、突き合わせた鋼板を貫通するよ
うにレーザー出力を設定する必要がある。また、重ね及
び重ね隅肉溶接では、少なくとも上側の鋼板を貫通する
ようにレーザー出力を設定するのがよい。
【0040】次に請求項5,6の発明(重ね・重ね隅肉
溶接又は突合わせ溶接)において、適用される金属薄板
の板厚を0.2mm以上、6.0mm以下と設定した理
由について説明する。板厚が0.2mm未満の場合に
は、板厚が薄すぎて溶け落ちやすいため板厚の下限は
0.2mmとする。工業レベルで使用されるレーザー
は、装置コスト面からも5kW程度であるため、対象と
する板厚は0.6mm以上3.2mm以下が望ましい
が、3.2mm超える6.0mm以下の板厚でも実用的
に良好な性能の溶接ビードが得られるので、上限を6.
0mmとする。
【0041】次に0.2mm以上、6.0mm以下の板
厚の金属薄板を金型或いはロール等で成形した複数の金
属薄板成形品を重ね或は重ね隅肉溶接する方法(請求項
5の発明)であって、その隙間量を0.2mm〜1.5
mmとした理由を説明する。図2に板厚と限界隙間量の
関係を示す。上側の板厚を0.6mm〜2.9mmまで
変化させて、重ね溶接を行った。その場合に、上下の鋼
板の隙間を最大2.0mmまで変えた。下側の板厚は
1.6mm一定としている。溶接は、YAGレーザー溶
接法のみ、YAGレーザーとTIG溶接と複合化した溶
接およびYAGレーザー溶接とガスメタルアーク溶接を
複合化した本発明溶接法で行った。溶接条件は、YAG
レーザー出力は4kW、TIG溶接及びガスメタルアー
ク溶接のアーク電流100A・アーク電圧20V及び溶
接速度は3m/min一定で行った。品質評価方法は、
溶接部が溶け落ちの有無を調査した。溶け落ちがなく健
全な溶接部が得られる最大の隙間を限界隙間量として表
示した。
【0042】レーザー単独溶接では、板厚の増加ととも
に溶融金属が増加するため、鋼板の隙間を埋めることが
できる隙間量が増加するが、レーザービーム径が0.5
mm以下と狭いため溶融金属の絶対量が少なく、限界隙
間量は高々0.2〜0.4mm程度である。
【0043】また、YAGレーザーとTIGアークとを
複合化した場合には、熱源の幅が広がることで、レーザ
ー単独に比して溶融金属量が増加するため限界隙間量も
増加するが、TIGアークは非消耗電極溶接法であり溶
融金属の補充が無いため限界隙間量は最大で0.6mm
程度である。
【0044】一方、本発明法であるYAGレーザーとガ
スメタルアークとを複合化した溶接法では、ガスメタル
アーク溶接法が消耗電極溶接法であるため溶接ワイヤか
ら溶融金属が供給され、限界隙間量は大幅に拡大するこ
とがわかる。板厚0.6mmの場合に限界隙間量は0.
9mmとなり、板厚2.3mmの場合には1.5mmを
超える。
【0045】金属薄板を金型或いはロール等で成形した
複数の金属薄板成形品を重ね或は重ね隅肉部は、成形等
の加工時のスプリングバックによって、厳重に重ね合わ
せても、その隙間量を0.2mm未満にすることは困難
であり、場所によっては隙間量が1mmを超える重ね部
が必ず存在する。
【0046】しかし、複数の金属薄板成形品を重ね或は
重ね隅肉部の隙間量が1.5mmを超えると、溶接時に
溶け落ち等の溶接欠陥なしで製造できても、溶接構造物
の寸法精度が劣るため強度・剛性等の性能が低下するだ
けでなく、他部品との組立て精度も劣る。そのため、金
属薄板成形品を重ね或は重ね隅肉部の隙間量は1.5m
m以下とする。図3に、溶接速度と限界隙間量の関係を
示す。
【0047】上側の板厚を0.8mm及び1.6mm、
下側の板厚を1.6mm一定として、上下の鋼板の隙間
を変化させて重ね溶接を行った。溶接は、YAGレーザ
ー溶接とガスメタルアーク溶接を複合化した本発明溶接
法で行った。溶接条件は、YAGレーザー出力は4k
W、ガスメタルアーク溶接のアーク電流100A・アー
ク電圧20Vとして、溶接速度を1〜7m/minまで
変化させた。品質評価方法は、溶接部が溶け落ちの有無
を調査した。溶け落ちなく健全な溶接部が得られる最大
の隙間を限界隙間量として表示した。
【0048】溶接速度の増加とともに、限界隙間量が減
少している。これは、溶接速度の増加により、レーザー
溶接によるキーホール径(蒸発孔径)が減少すること
と、ガスメタルアーク溶接法による溶融金属量の供給量
が減少するためである。板厚が厚い程、限界隙間量が大
きい理由は、上板が溶融するため溶融金属量が増加する
ためである。また、レーザーで溶接する工程は、YAG
レーザーを用いるように設定している。
【0049】請求項6に記載の発明によると、金属薄板
の突き合せ隙間量を、0.1mm以上0.4mm以下に
設定されている。図4に金属薄板の突き合わせ隙間量と
板厚の関係を示す。0.6から2.3mmの板厚の材料
を、突き合わせ隙間を0.05〜0.4mmまで変化さ
せて溶接を行った。溶接は、YAGレーザー溶接法の
み、YAGレーザーとTIG溶接とを複合化した溶接法
およびYAGレーザー溶接とガスメタルアーク溶接を複
合化した本発明溶接法で行った。溶接条件は、YAGレ
ーザー出力は4kW、TIG溶接及びガスメタルアーク
溶接のアーク電流100A・アーク電圧20Vとして、
溶接速度を1〜7m/minまで変化させた。品質評価
方法は、溶接部が溶け落ちの有無を調査した。溶け落ち
なく健全な溶接部が得られる最大の隙間を限界隙間量と
して表示した。
【0050】レーザー単独溶接では、板厚の増加ととも
に溶融金属が増加するため、鋼板の隙間を埋めることが
できる隙間量が増加するが、レーザービーム径が0.5
mm以下と狭いため溶融金属の絶対量が少なく、限界隙
間量は高々0.05〜0.15mm程度である。
【0051】また、YAGレーザーとTIGアークとを
複合化した場合には、熱源の幅が広がることで、レーザ
ー単独に比して溶融金属量が増加するため限界隙間量も
増加するが、TIGアークは非消耗電極溶接法であり溶
融金属の補充が無いため限界隙間量は最大で0.2mm
程度である。
【0052】一方、本発明法であるYAGレーザーとガ
スメタルアークとを複合化した溶接法では、ガスメタル
アーク溶接法が消耗電極溶接法であるため溶接ワイヤか
ら溶融金属が供給され、限界隙間量は大幅に拡大するこ
とがわかる。板厚0.6mmの場合に限界隙間量は0.
2mmとなり、板厚2.3mmの場合には0.4mmで
ある。
【0053】薄鋼板をブランキング、スリッター或はシ
ャーによって高精度に切断して突き合わせても、突き合
わせ部の隙間量は0.15mm以下に設定することは、
工業的に困難である。したがって、YAGレーザー単独
溶接及びYAGレーザーとTIG溶接とを複合化した溶
接法では、溶け落ちが生じやすく、安定した溶接は不可
能である。しかし、YAGレーザー溶接とガスメタルア
ーク溶接を複合化した本発明溶接法では、限界隙間量が
従来技術に比べて大きいため安定して溶接ができる。図
4に示したように限界隙間量は板厚の増大に応じて大き
くなるが、上記の従来技術では隙間が0.1mm以上に
なると健全な溶接部が得られない。このような従来技術
では、健全な溶接部が得難いような条件下で本発明技術
を実施した場合、本発明の作用効果が顕著に発揮される
ことから、請求項6の発明では突合せ溶接の場合の隙間
量を0.1mm以上、0.4mm以下とした。
【0054】本発明の好適な例では、レーザー発振器か
ら発振されたレーザー光を加工位置に集束させる光学系
を備えるレーザー加工ヘッドの先端部に、ガスメタルア
ーク溶接トーチを取付け、コンパクトな溶接トーチとす
ることができる。
【0055】本発明の好適な例では、レーザー光軸に対
して、ガスメタルアークトーチの照射角度を5度以上、
50度以下に設定するのが好ましい。
【0056】レーザー光軸に対して、ガスメタルアーク
トーチの照射角度を5度未満に設定すると、レーザー溶
接により形成される蒸発孔をガスメタルアーク溶接によ
り供給される溶融金属が潰すため、溶け込み深さが減少
すると同時に、その溶融金属にレーザーが照射されてス
パッタの発生が誘発され、溶接継手品質を低下させると
いう問題を生じやすい。
【0057】一方、レーザー光軸に対して、ガスメタル
アークトーチの照射角度を50度越えに設定すると、レ
ーザー照射によりレーザー光軸と同軸方向に形成される
蒸発孔に対して、ガスメタルアーク溶接からの溶融金属
の供給角度が急峻になるため、レーザー溶接部に安定に
溶融金属を供給できず、ブローホールやハンピングビー
ド等の溶接欠陥が発生しやすい。このような理由から、
ガスメタルアークトーチの照射角度を5度〜50度とす
るのがよい。
【0058】また、本発明に適用されるレーザー発振器
は、溶接に用いるため出力200ワット以上、好適には
キロワットクラスの出力が必要である。レーザーの種類
としては、レーザー光生成媒体としてYAGロッドを用
いてハロゲンランプ等でレーザー光を励起するタイプや
レーザーダイオード(LD)でレーザー光を励起するタ
イプのYAGレーザーまたは、炭酸ガスを用いた炭酸ガ
スレーザーが好ましい。その他にスラブレーザー、ルビ
ーレーザー、エキシマレーザー、その他のものを用いる
ことができる。ただし、炭酸ガスレーザーはアークによ
り発生するプラズマ中に照射するとレーザーの一部が吸
収・反射されるので、レーザー照射位置をアーク溶接位
置から離さなければならず、レーザーとアークの複合効
果が若干低下するのに対し、YAGレーザーはアークに
より発生するプラズマに吸収・反射されないので、アー
ク中に照射することが可能であり、レーザーとアークの
複合効果を高める上ではYAGレーザーが最も好まし
い。
【0059】光学系には、偏向用反射ミラーと数枚の正
負の集束レンズを組み合わせた光学系を備えるものが好
ましいが、レンズ系を用いずに凹面鏡と凸面鏡の組み合
わせだけでレーザー光を集束するようにしてもよい。
【0060】ガスメタルアーク溶接装置は、金属薄板の
溶接を対象とするため、溶接用ワイヤは直径1.2mm
以下の細径ワイヤを用いるのが望ましい。シールドガス
には、アークの特性と溶接金属の酸化防止とを同時に達
成するために、アルゴンガス等の不活ガスを用いること
が望ましいが、アルゴンガス中に炭酸ガスを10〜10
0%の範囲で混合させたガスおよびアルゴンガス中に水
素ガス或いはヘリウムガスを2〜20%の範囲で混合さ
せたガスを用いることもできる。
【0061】レーザー加工ヘッドとガスメタルアーク溶
接トーチとが産業用ロボットのアームに支持されている
ことにより、汎用性のある産業用ロボットを中心とした
設備構成でレーザー・アーク複合溶接を実現できる。
【0062】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を例示的に詳し
く説明する。
【0063】[実施例1]上側と下側の板厚がそれぞ
れ、0.8mmと1.2mmの薄鋼板の重ね溶接を行っ
た。重ね継手として、上下鋼板の隙間を、0mmから
2.0mmまで変えた試験片を準備した。溶接は、YA
Gレーザー溶接法のみ、ガスメタルアーク溶接法のみ、
およびYAGレーザー溶接とガスメタルアーク溶接を複
合化した本発明溶接法で行った。各溶接法の溶接条件
を、表1に示す。
【0064】表2に溶接試験結果を示す。溶接試験の評
価は以下のように行った。溶け落ちがなく、継手強度が
十分な溶接部が得られた場合を「○」とした。これに加
えてスパッタの付着がなく、ハンピングによるビード幅
のばらつきがほとんどなく、均一なビードが形成された
場合を「◎」とした。また、溶け落ちは生じないが溶け
込み深さのわずかな低下などにより溶接継手品質が若干
低下する場合を「△」、溶接部が溶け落ちた場合を
「×」とした。また、上側と下側の鋼板がつながらない
場合も、継手強度がゼロのため、「×」とした。また、
上側と下側の鋼板がつながらない場合も、継手強度がゼ
ロのため「×」とした。特に、ガスメタルアーク溶接法
では、溶接速度が高速化するとアークの発生が不安定と
なり溶接部が形成できなくなる。この場合も「×」とし
た。
【0065】YAGレーザー溶接法では、溶接速度が
0.5m/minと遅い場合には、鋼板隙間の許容量は
0.5mmであるが、1.0m/min以上の溶接速度
では、鋼板隙間の許容量は0.25mmと狭くなる。こ
れは、YAGレーザーでは溶接幅が約1mmとせまいた
め、溶融金属量が少なく、高々0.5mmの鋼板隙間が
あっても上側と下側の鋼板とがつながらないためであ
る。
【0066】ガスメタルアーク溶接法では、溶接速度が
0.5m/minと遅い場合には、溶接入熱が過大とな
るため溶け落ちる。溶接速度が1.0m/minでは、
溶接入熱が適正であり、鋼板隙間が0.75mmまでは
健全な溶接部がえられるが、鋼板隙間が0.75mmを
越えると、上側の鋼板に溶け落ちが生じ、上下の鋼板が
つながらない。溶接速度が1.0m/minを越えると
アークが不安定となり健全な溶接部が形成できなくな
る。
【0067】本発明法のYAGレーザー・アーク複合溶
接法では、溶接速度が0.5m/minと低速の場合に
おいても、アークがYAGレーザー照射部に集中し、溶
接部幅はガスメタルアーク溶接法に比較して約50%と
細くなるため、溶け落ちは生じない。また、鋼板隙間の
許容量は1.5mm越えとなる。さらに、アークはレー
ザー照射により安定するため、溶接速度が0.5m/m
inの場合には、ガスメタルアーク溶接による溶融金属
の供給量が多いため、隙間量1.0mmまではスパッタ
の付着がなく、ハンピングによるビード幅のばらつきが
ほとんどなく、均一なビートが形成される。溶接速度が
1.0m/minの場合には、隙間量1.0mmまでは
スパッタの付着がなく、ハンピングによるビード幅のば
らつきがほとんどなく、均一なビードが形成されるが、
隙間量1.5mm以上ではややビード幅の均一性が劣る
が、継手強度が十分な溶接部が得られる。これは、溶接
速度の増加が原因で、ガスメタルアーク溶接による溶融
金属の供給量が減少することや、溶接金属にハンピング
が生じるためである。このように溶接速度の増加に伴
い、ハンピングによるビード幅のばらつきがほとんどな
いビードが形成される鋼板隙間量はやや減少する傾向が
認められる。しかし、溶接速度が1.0m/minの場
合でも、溶け落ちのない健全な溶接部が得られ、鋼板隙
間の許容量は1.5mmである。
【0068】鋼板間隔が1.0mm越えで1.5mm以
下の場合には、溶け込み深さがややばらつくが溶け込み
深さの減少はない。従って、本発明法は、溶接の高速化
と溶接精度の大幅な緩和が同時に達成できる。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】[実施例2]0.8mmの薄鋼板の突合わ
せ溶接を行った。突合わせ継手として、突合わせ間隔を
0.05mmから0.50mmまで変えた試験片を準備
した。溶接は、YAGレーザー溶接法のみ、ガスメタル
アーク溶接法のみ、およびYAGレーザー溶接とガスメ
タルアーク溶接を複合化した本発明溶接法で行った。各
溶接法の溶接時要件は表1に示す条件と同じである。
【0072】表3に試験結果を示す。溶接試験の評価は
以下のように行った。溶け落ちがなく、継手強度が十分
な溶接部が得られた場合を「○」とした。これに加えて
スパッタの付着がなく、ハンピングによるビード幅のば
らつきがほとんどなく、均一なビードが形成された場合
を「◎」とした。また、溶け落ちは生じないが溶け込み
深さのわずかな低下などにより溶接継手品質が若干低下
する場合を「△」、溶接部が溶け落ちた場合を「×」と
した。また、鋼板がつながらない場合も、継手強度がゼ
ロのため、「×」とした。また、右側と左側の鋼板がつ
ながらない場合も、継手強度がゼロのため「×」とし
た。特に、ガスメタルアーク溶接法では、溶接速度が高
速化するとアークが不安定となり溶接部が形成できなく
なる。この場合も「×」とした。
【0073】YAGレーザー溶接法では、溶接速度が1
m/minと遅い場合には、鋼板隙間の許容量は0.0
5mmであるが、2.0m/min以上の溶接速度で
は、鋼板隙間の許容量は0.05mmでもアンダーフィ
ルとなって健全な継手が得られない。これは、YAGレ
ーザーでは溶接幅が約1mmと狭いため、溶融金属量が
少なく、高々0.05mmの鋼板隙間があっても左右の
鋼板をつなぐ溶接金属が不足するためである。
【0074】ガスメタルアーク溶接法では、溶接速度が
0.5m/minと遅い場合には、溶接入熱が過大とな
るため溶け落ちる。溶接速度が1.0m/minでは、
溶接入熱が適正であり、鋼板隙間が0.2mmまでは健
全な溶接部が得られるが、鋼板隙間が0.2mmを越え
ると、左右の鋼板がつながらない。溶接速度が1.0m
/minを越えるとアークが不安定となり健全な溶接部
が形成できなくなる。
【0075】本発明法のレーザー・アーク複合溶接法で
は、溶接速度が0.5m/min、1.0m/minと
低速の場合においても、アークがレーザー照射部に集中
し、溶接部幅はガスメタルアーク溶接法に比較して約5
0%と細くなるため、溶け落ちは生じない。また、鋼板
隙間の許容量は0.4mmとなる。さらに、アークはレ
ーザー照射により安定するため、溶接速度が1.0m/
min以上の場合でも、溶け落ちのない健全な溶接部が
得られ、鋼板隙間の許容量は0.4mmである。
【0076】スパッタの付着がなく、ハンピングによる
ビード幅のばらつきがほとんどなく、均一なビードが形
成される鋼板隙間量は溶接速度の増加によって減少す
る。即ち、溶接速度が1.0m/minでは許容隙間量
は0.3mmであり、溶接速度が2.0m/min、
4.0m/minの場合はそれぞれ許容隙間量は0.3
mm,0.2mmである。このように溶接速度の増加に
伴う許容隙間量の減少の理由は、溶接速度の増加により
溶融金属の供給量が減少することと、溶融金属が振動し
てハンピングビードになり易くなり、溶接部の形状の均
一性が低下するためである。したがって、本発明法は、
溶接の高速化と溶接精度の大幅な緩和が同時に達成でき
る。
【0077】
【表3】
【0078】[実施例3]レーザー光軸に対するガスメ
タルアークトーチの照射角度の溶接部品質に及ぼす影響
を調査した。
【0079】溶接実験では、上側と下側の板厚がそれぞ
れ1.2mmと1.6mmで、0.5mmの隙間を有す
る重ね試験片を用いて、YAGレーザー溶接とガスメタ
ルアーク溶接を複合化した本発明溶接法で行った。溶接
条件は、レーザー光軸に対するガスメタルアークトーチ
の照射角度を5度から70度まで変化させた。その他の
条件は、表1に示す条件と同じである。また、溶接継手
部の品質評価は、実施例1で実施した評価方法と同様の
方法で行った。表4に、溶接試験結果を示す。レーザー
光軸に対して、ガスメタルアークトーチの照射角度が5
度の場合においても、健全な溶接部が得られる。一方、
レーザー光軸に対して、ガスメタルアークトーチの照射
角度を50度越えに設定すると、レーザー溶接部にガス
メタルアーク溶接からの溶融金属の供給安定にやや劣
り、ハンピングビードとなっているが溶接品質上は特に
問題がない。
【0080】したがって、好ましくは、レーザー光軸に
対して、ガスメタルアークトーチの照射角度を、5度以
上、50度以下に設定することにより、健全な溶接部が
確実に得られることがわかる。さらに、レーザー光軸に
対してガスメタルアークトーチの照射角度を、10度以
上、30度以下に設定すると、スパッタの付着が大幅に
減少して、ハンピンク゛によるビード幅のばらつきもほ
とんどなくなるため、レーザー光軸に対してガスメタル
アークトーチの照射角度を10度以上、30度以下に設
定することがより好ましい。
【0081】
【表4】
【0082】[実施例4]レーザーの狙い位置とガスメ
タルアーク溶接の狙い位置の溶接部品質に及ぼす影響を
調査した。
【0083】溶接実験では、上側と下側の板厚がそれぞ
れ1.2mmと1.6mmで、0.5mmの隙間を有す
る重ね試験片を用いて、YAGレーザー溶接とガスメタ
ルアーク溶接を複合化した本発明溶接法で行った。溶接
条件は、レーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶接の
狙い位置を、0mmから12mmまで変化させた。その
他の条件は、表1に示す条件と同じである。また、溶接
継手部の品質評価は、実施例1で実施した評価方法と同
様の方法で行った。表5に、溶接試験結果を示す。YA
Gレーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶接の狙い位
置の距離が8mmを越えて設定された場合には、両者の
距離が離れすぎているため、レーザー照射によるアーク
の安定化および集中効果が低下して、溶け込み深さが僅
かに減少している。
【0084】このように、ガスメタルアーク溶接の狙い
位置の距離を0mm以上、8mm以下とすることによ
り、レーザー照射部によるアークの安定と集中効果がよ
り顕在化するため、溶け込み深さの均一性が高まり、ス
パッタの発生も抑えられる。この場合、好ましくは0m
m以上、6mm以下、より好ましくは0mm以上、4m
m以下に設定する。
【0085】
【表5】
【0086】[実施例5]図面を参照して本発明の好適
な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に
記載されている溶接装置の構成部品の形状、寸法および
その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、
この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる
説明例にすぎない。
【0087】図5には、本発明の実施形態に係るレーザ
ー加工ヘッドが1で示されており、レーザー加工ヘッド
に内蔵するファイバコネクタ、光ファイバー2を経て、
レーザー発振器であるYAGレーザー発振器に接続して
いる。
【0088】さらに、アーク発生用のガスメタルアーク
溶接ヘッド3は、前記のレーザー加工ヘッド1の先端部
に、このレーザー加工ヘッド1と20度の角度をなし、
また、レーザー光の狙い位置とガスメタルアークの狙い
位置の距離を2mmに設定して、簡単なクランプ治具6
によって装着されている。
【0089】また、ガスメタルアーク溶接ヘッド3はガ
スメタルアーク溶接装置に接続されたパワーケーブルと
溶接用ワイヤ供給ケーブルとを同軸にしたケーブル5に
接続されている。
【0090】このように、レーザー発振器から発振され
たレーザー光を加工位置に集束させる光学系を備えるレ
ーザー加工ヘッドの先端部に、ガスメタルアーク溶接ト
ーチを取付けることにより、コンパクトなレーザー・ア
ーク複合溶接トーチを形成することができる。
【0091】また、このレーザー・アーク複合溶接トー
チは、産業用ロボットのアーム7に支持されていること
により、汎用性のある産業用ロボットを中心とした設備
構成でレーザー・アーク複合溶接を実現できる。
【0092】なお、溶接方向は、符号8に示すように、
レーザーが先行する方向に行われる。
【0093】溶接は、上側材料9と下側材料10とを重
ね合わせ継手であり、上下の材料の間には隙間Gを有す
る。
【0094】以上説明したように、本発明のレーザー溶
接とガスメタルアーク溶接とを複合化したレーザー・ア
ーク複合溶接方法によれば、以下のような効果を奏す
る。
【0095】(1)レーザー単体およびアーク単体での
溶接に比較して、重ねおよび重ね隅肉継手の許容隙間量
が、大幅に拡大できる(0.2〜1.5mm又は0.1
〜0.4mm)。
【0096】(2)アーク単体溶接に比べて大幅に高速
化でき(6m/min超えでも溶接可能)、レーザー溶
接並みの高速度溶接が可能である。
【0097】(3)レーザの狙い位置を、ガスメタルア
ークの狙い位置よりも0〜8mmとすることにより、ア
ークの安定化と集中効果を高めることができる。
【0098】(4)溶接部がYAGレーザ側の金属薄板
を貫通するように出力調節することにより、十分な溶接
金属の供給量とし、隙間の許容量を緩和する。
【0099】(5)レーザー加工ヘッドとガスメタルア
ーク溶接ヘッドが、汎用性のある産業用ロボットのアー
ムに容易に支持されることにより、簡易な設備構成のも
とで、3次元形状を持つ金属薄板構造物の溶接を可能と
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】重ね溶接または重ね隅肉溶接では溶け落ち欠陥
が生じやすいことを示す説明図。
【図2】板厚と限界隙間量との関係をYAGレーザー、
YAG+TIG、TAG+GMAでそれぞれ調べた例を
示す説明図。
【図3】板厚0.8mm,1.6mmについて、溶接速
度と限界隙間量との関係を示す図。
【図4】板厚と限界隙間量との関係をYAGレーザー、
YAG+TIG、TAG+GMAでそれぞれ調べた例を
示す説明図。
【図5】本発明の実施形態に係るレーザー・アーク複合
溶接装置を示す構成図。
【符号の説明】
1…レーザー加工ヘッド、2…光ファイバー、3…ガス
メタルアーク溶接ヘッド、4…溶接用ワイヤ、5…パワ
ーケーブルと溶接用ワイヤ供給ケーブルの同軸ケーブ
ル、6…クランプ治具、7…産業用ロボットアーム、8
…上側の金属薄板、9…下側の金属薄板、G…上下金属
薄板の隙間。
フロントページの続き (72)発明者 樺沢 真事 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 細谷 佳弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 真保 幸雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E001 BB07 BB12 EA01 EA04 4E068 BC01 CA09 CA14 DB01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属薄板または金属薄板構造物の重ね溶
    接、重ね隅肉溶接、または突き合わせ溶接予定個所にレ
    ーザーを照射する工程と、この照射工程の後にガスメタ
    ルアーク溶接を行う工程とを備えた金属部材の溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 レーザーを照射する工程は、レーザーの
    狙い位置が、ガスメタルアーク溶接の狙い位置よりも0
    mm以上,8mm以下の範囲であることを特徴とする請
    求項1に記載の金属部材の溶接方法。
  3. 【請求項3】 レーザーを照射する工程は、YAGレー
    ザーを照射することを特徴とする請求項1または2に記
    載の金属部材の溶接方法。
  4. 【請求項4】 YAGレーザーを照射する工程は、溶接
    部が、突き合わせた金属薄板または重ね合わせ金属薄板
    の少なくともYAGレーザー照射側の金属薄板を貫通す
    るように、レーザー出力を設定することを特徴とする請
    求項3に記載の金属部材の溶接方法。
  5. 【請求項5】 重ね溶接又は重ね隅肉溶接される金属薄
    板構造物は、隙間が0.2mm以上、1.5mm以下
    で、板厚が0.2mm以上、6.0mm以下である請求
    項1〜4のいずれかに記載の金属部材の溶接方法。
  6. 【請求項6】 突き合わせ溶接される金属薄板構造物
    は、隙間が0.1mm以上、0.4mm以下で、板厚が
    0.2mm以上、6.0mm以下である請求項5に記載
    の金属部材の溶接方法。
  7. 【請求項7】 レーザー発振器から発振されたレーザー
    光を加工位置に集束させる光学系を備えたレーザー加工
    ヘッドと、この加工ヘッドの先端部に取付けたガスメタ
    ルアークトーチとを具備し、レーザー光とアークとを溶
    接予定個所に向けて照射可能に構成されてなる金属部材
    の溶接装置。
  8. 【請求項8】 レーザー発振器から発振されたレーザー
    光を加工位置に集束させる光学系を備えたレーザー加工
    ヘッドと、この加工ヘッドの先端部に取付けたガスメタ
    ルアークトーチとを具備し、レーザー加工ヘッドは、レ
    ーザー光の狙い位置が、溶接線方向に対して、ガスメタ
    ルアーク溶接の狙い位置よりも0mm以上,8mm以下
    先行するように配置されている請求項7に記載の金属部
    材の溶接装置。
  9. 【請求項9】 レーザー光がYAGレーザー光であるこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の金属部材の溶
    接装置。
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