JP2002178176A - 突合わせ溶接方法及び溶接結合薄鋼板 - Google Patents

突合わせ溶接方法及び溶接結合薄鋼板

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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚みの異なる薄鋼板の突合わせ溶接において、
溶接ビード幅を板厚に応じて適正に調節し、厚みの急激
な変化を緩和することができ、また、隙間許容量の大き
い溶接法を提供する。 【解決手段】厚みの異なる薄鋼板の突合わせ部を溶接す
る際に、突合わせ部にYAGレーザーを照射する工程
と、この照射工程後にガスメタルアーク溶接を行う工程
とを備え、溶接ビード幅Wが以下の式(1)の条件を満
足するようにレーザー出力、アーク電流、溶接速度を調
節したことを特徴とする突合わせ溶接方法。 W>t−t (1) ただし、W:溶接ビード
幅(溶接した側の表面から見た幅)、t:板厚(突合
わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち厚い側)、t :板
厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち薄い側)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶接ビード幅を板
厚に応じて適正に調節し、厚みの急激な変化を緩和する
ことができ、また隙間許容量の大きい突合わせ溶接方法
及びその方法により得られた成形性に優れた溶接結合薄
鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属薄板の突合わせ溶接には、ア
ーク溶接法や電気抵抗シーム溶接法が用いられている
が、近年レーザー溶接法が採用されるようになってき
た。レーザー溶接法は、溶接速度が速いことやビード幅
が狭いために従来工法であるアーク溶接法や電気抵抗シ
ーム溶接法に比べて、溶接速度が速く生産性が高くなる
ことや、ビード幅が狭いため溶接結合薄板のプレス成形
性が優れる等の利点を有する。レーザー光は、非常に強
い集光性があり、エネルギー密度の極めて高い集中熱源
となるので、溶接に適用すれば、溶け込み深さが深く、
高速溶接を行うことができる。しかしながら、レーザー
溶接法には以下の課題を有している。
【0003】レーザー溶接ではレーザー光の集光性が高
いという特長の裏返しとして、被溶接物の突合わせ間隙
を厳格に管理する必要がある。突合わせ間隙の許容量
は、被溶接物の板厚の10%程度であり、これを越える
と溶融部が溶け落ちて、溶接継手の強度が低下する。く
わえて、レーザー溶接法が高速溶接という裏返しとし
て、溶接部は急速に冷却され溶接金属が硬化するため、
レーザー溶接結合薄板のプレス成形性が低下する。
【0004】さらには、厚みの異なる金属薄板の突合わ
せ溶接においては、レーザー溶接ではビード幅が狭いた
め溶接部での厚みの変化が急激になり、溶接結合金属薄
板をプレス成型する際に厚みの薄い金属薄板側の溶接部
近傍に応力が集中しやすく成形性に劣る。
【0005】また、金属薄板の突合わせ溶接では、アー
ク溶接法や電気抵抗シーム溶接法が使われる。前者のア
ーク溶接法は、従来から汎用されているものとしてティ
グ溶接、プラズマ溶接およびガスメタルアーク溶接が知
られている。ティグ溶接は、アルゴンなどの不活性ガス
雰囲気中で、タングステン電極と母材間にアークを発生
させて溶接する方法である。プラズマ溶接は、溶接トー
チ内の2電極間に通電してアークを発生させ、その周囲
にアルゴンと水素とを混合した作動ガスを送り込むと、
作動ガスはアークの熱で電離してイオンと電子が混在し
たガス体であるプラズマとなり、このプラズマの熱で溶
接する方法である。ティグ溶接およびプラズマ溶接は、
非消耗電極方式溶接法と呼ばれている。一方、ガスメタ
ルアーク溶接は、アルゴンなどの不活性ガスや炭酸ガス
およびこれらの混合ガス雰囲気中で、達続的に溶接用ワ
イヤを供給しながら、溶接用ワイヤと母材間にアークを
発生させて両者を溶融させて溶接する方法であり、消耗
電極方式溶接法と呼ばれている。
【0006】これらのアーク溶接法では、レーザー溶接
法に比べて熱源の収束性が劣ることや溶接速度が遅いた
めに、金属薄板を突合わせ溶接すると、溶接入熱が過大
となり、溶け落ち欠陥が発生しやすく、熱変形も大きく
なるという課題を有する。
【0007】後者の、電気抵抗シーム溶接法は、上下一
対の円盤状の電極で接合する2枚の金属薄板の端部を加
圧しながら電流を流して、金属薄板の固有抵抗により発
熱・溶融して接合する方法である。そのため、この方法
は、溶接部の厚さが厚く、幅が広いため、プレス成形性
がレーザー溶接法およびアーク溶接法に比べて劣る。
【0008】一方、レーザーとアークとを同時に照射し
て溶接する方法が提案されている。レーザー溶接とアー
ク溶接を複合させた場合の溶け込み量は、単純に両溶接
法の溶け込み量の和よりも大きくなる。これはレーザー
照射によって、溶接部にキーホールが形成されるため、
アークの加熱が鋼材の表面からだけではなく、キーホー
ル内部からも行われるためであると考えられている。く
わえて、アークによって鋼材表面が加熱されるために、
レーザーエネルギーの鋼材への吸収率が向上するためと
指摘されている。この溶接方法は、例えば、特開昭62
−263869号公報、特許登録1798896号公
報、特開平9−122950号公報および特開平10−
272578号公報において開示されている。ここで共
通していることは、レーザーとティグアークとを複合化
していることである。特開平10−216979号公報
には、レーザーとプラズマを複合化した溶接方法が開示
されている。しかし、ここで開示されている溶接技術
は、隙間を有する薄鋼板の突合わせ溶接には適さない。
すなわち、レーザーとティグアーク或いはプラズマを複
合化することにより、溶接速度の高速化を図ることがで
きるが、ティグアーク或いはプラズマ溶接法はいずれも
非消耗電極方式溶接法であり溶接ワイヤからの溶融金属
の供給は無いため、突合わせ継手における被溶接物間の
隙間許容量の増加には寄与せず、溶け落ち欠陥に起因し
て継手強度の低下をきたすという課題は解決できない。
レーザー溶接とガスメタルアーク溶接とを複合化した溶
接法については、IIW Doc.XII−1565−9
9等に研究例が記載されている。ここでの研究例は、厚
鋼板およびアルミニウム合金の溶接事例が示されてい
る。前者の厚鋼板の溶接に関して、開先形状をV開先か
らY開先にすることにより溶接生産性が向上すること
や、アーク溶接の後熱サイクルによりレーザー溶接金属
が焼きなまされて靭性向上が図れると指摘されている。
一方、後者では、アルミニウム合金薄板の突合わせ溶接
の研究事例が示されている。ここでは、アルミニウム合
金はレーザー光に対して反射率が高いため、レーザーの
溶接効率が低い。そこで、アーク熱源でアルミニウム合
金を加熱してレーザー光の吸収率を高めることで、高能
率の溶接が可能となると指摘されている。
【0009】しかし、これらの研究事例においても、金
属薄板の突合わせ溶接における突合わせ許容量の増加に
は寄与せず、溶け落ち欠陥に起因して継手強度が低下を
きたすという課題は解決できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術で
は、厚みの異なる薄鋼板の突合わせ溶接において、以下
の課題があった。
【0011】レーザーによる突合わせ溶接では隙間の許
容量が小さく、突合わせ隙間をできるだけ小さく(例え
ば0.05mm以下など)管理する必要がある。このた
め突合せ面を極めて正確に切断して突合わせなければな
らないが、切断面の曲がりやバリなどによって隙間が許
容限度を超える場合もあり、隙間許容限度の大きい溶接
技術が望まれていた。
【0012】また、各種のアーク溶接では、薄鋼板構造
物を対象にした場合には溶接入熱が過大であり被溶接物
が溶け落ちるという課題がある。また、レーザーとティ
グアーク或いはプラズマを複合溶接法では、溶接用ワイ
ヤを添加する溶接法でないため、レーザー溶接と同様に
隙間の許容量が小さいという課題を解決できない。
【0013】溶接用ワイヤを添加する溶接法としては、
レーザー溶接とガスメタルアーク溶接とを複合化した溶
接法があるが、これらは厚鋼板やアルミニウム合金を対
象とした溶接技術であり、薄鋼板の突合わせ溶接を対象
とした溶接技術は存在しない。
【0014】さらには、厚みの異なる薄鋼板の突合わせ
溶接においては、レーザー溶接ではビード幅が狭いため
溶接部での厚みの変化が急激になり、溶接結合薄鋼板を
プレス成型する際に厚みの薄い薄鋼板側の溶接部近傍に
応力が集中しやすく成形性に劣る課題があった。この課
題を解決するためにはビード幅を広くして溶接部での厚
みの変化を緩やかにしてやればよいが、これを実現する
適当な溶接技術がなかった。すなわち、レーザー溶接で
はビード幅を広げるためにレーザーパワーを増加あるい
は溶接速度を低下させてもレーザー光線は薄鋼板を貫通
してしまいビード幅を広げることはできない。またアー
ク溶接法では溶接速度を上げるとビードがハンピングす
る、アークが維持できなくなるなどそれぞれのパラメー
タを独立に変えうる範囲が狭く、溶接入熱をコントロー
ルすることが難しい。このため、厚みの異なる薄鋼板の
突合わせ溶接において板厚に応じた適正なビード幅の溶
接部を得ることがむずかしい。
【0015】本発明は、このような課題を解決するため
に、レーザー溶接とガスメタルアーク溶接を複合化する
ことにより、厚みの異なる薄鋼板の突合わせ溶接におい
て、溶接ビード幅を板厚に応じて適正に調節し、厚みの
急激な変化を緩和することができ、また隙間許容量の大
きい溶接法及びこの方法によれ得られた成形性に優れた
溶接結合薄鋼板を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、厚みの異
なる薄鋼板の突合わせ部を溶接する際に、突合わせ部に
YAGレーザーを照射する工程と、この照射工程後にガ
スメタルアーク溶接を行う工程とを備え、溶接ビード幅
Wが以下の式(1)の条件を満足するようにレーザー出
力、アーク電流、溶接速度を調節したことを特徴とする
突合わせ溶接方法。
【0017】W>t−t (1) ただし、 W:溶接ビード幅(溶接した側の表面から見た幅) t:板厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち厚
い側) t:板厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち薄
い側) 第2の発明は、ガスメタルアーク溶接を行う工程の後
に、更に、溶接部の後熱処理を行う工程を備えたことを
特徴とする第1の発明に記載の突合わせ溶接方法。
【0018】第3の発明は、YAGレーザーを照射する
工程において、レーザーの狙い位置がガスメタルアーク
溶接の狙い位置から0mm以上、8mm以下先行する位
置にあることを特徴とする第1または第2の発明に記載
の突合わせ溶接方法。
【0019】第4の発明は、ガスメタルアーク溶接を行
う工程は、溶接ワイヤ材料の供給速度S(g/分)が以
下の条件式(2)を満たす第1〜第3の発明のいずれか
に記載の突合せ溶接方法。
【0020】 S≧ρ×d×v×(t+t)/2 (2) 但し、ρ:溶接材料の密度(g/cm3)、v:溶接速
度(cm/分)、d:突合せギャップ(cm)である。
【0021】第5の発明は、ガスメタルアーク溶接を行
う工程において、溶接ワイヤ材料の化学成分が、質量%
で、C:0.001〜0.03%、Si:0.02〜1.5%、Mn:0.02
〜1.5%を含有し、残部実質的にFeからなることを特
徴とする第1〜第4の発明のいずれかに記載の突合わせ
溶接方法。
【0022】第6の発明は、いずれもが板厚0.3mm
〜6mmの範囲にある薄鋼板に対し、第1〜第5の発明
のいずれか1の溶接方法をおこなって得られた溶接結合
薄鋼板。
【0023】第7の発明は、第1〜第5の発明のいずれ
か1の溶接方法のガスメタルアーク溶接工程に用いら
れ、質量%で、C:0.001〜0.03%、Si:0.02〜1.5
%、Mn:0.02〜1.5%を含有し、残部実質的にFeから
なる溶接ワイヤ材料。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に適用できる板厚範囲は、
溶接入熱、溶接速度等の溶接条件に依存するが、一般的
には、0.3mm以上、6mm以下である。
【0025】第1の発明ではYAGレーザー溶接と溶接
用ワイヤを供給するガスメタルアーク溶接とを複合化し
た溶接法により、板厚に応じた適正なビード幅を容易に
得ることができ溶接部での急激な厚み変化を緩和するこ
とができるほか、隙間を有する突合わせ溶接において溶
け落ち等の溶接欠陥の無い溶接を行うことができる。
【0026】すなわち、ガスメタルアーク溶接単独で
は、溶接速度は最大2m/min程度であり、薄鋼板構
造物を溶接する場合には、溶接入熱が過大となり溶け落
ち欠陥を生じやすい。
【0027】これに対し、本発明では、レーザー照射後
ガスメタルアーク溶接を行っている。このことにより、
レーザーを照射された鋼材は、溶融・蒸発して、その一
部が電離してプラズマとなる。この高温領域は、レーザ
ー照射により金属蒸気密度および金属イオン密度が高い
ことに加えて、鋼材からの熱電子放出エネルギー或いは
鋼材への熱電子吸収エネルギーも大幅に低下するため、
ここにアークを照射すれば容易にアークの陽極点或いは
陰極点になりやすく、アークの発生・維持が安定化し、
アークが集中するようになる。またYAGレーザーはア
ークにより発生するプラズマに吸収されないのでアーク
中に照射することができる。しかし炭酸ガスレーザーは
アークにより発生するプラズマに吸収されるので、レー
ザー照射位置をアーク溶接位置から離さなければならず
レーザーとアークの複合効果が得られない。
【0028】したがって、本発明によれば、レーザー溶
接と複合化することによりガスメタルアークは安定化
し、溶接速度が6m/min超えでも溶接可能となる。
このように、高速溶接を可能となるため、溶接入熱はガ
スメタルアーク単独溶接に比べて30%以下となり、溶
け落ち欠陥を生じなくなる。くわえて、ガスメタルアー
ク溶接では溶接用ワイヤを溶融して、薄鋼板構造物の隙
間を埋めながら溶接が行われるため、隙間許容量を大幅
に増加させることができる。
【0029】またアークが安定化することによりアーク
電流や溶接速度のとりうる範囲が広く、溶接入熱の調節
が容易にできる。このことにより溶接ビード幅を適正に
することができ、溶接部における厚みの変化を緩やかに
して薄い板側の応力集中を低下させて金属結合部材の成
形性を向上させることができる。
【0030】更に本発明によると、ビード幅Wを式
(1)となるように規定している。
【0031】 W>t1 −t2 (1) ただし、W:溶接ビード幅(溶接した側の表面から見た
幅)、t1 :板厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板の
うち厚い側)、t2 :板厚(突合わせ溶接される2枚の
薄鋼板のうち薄い側)である。
【0032】従来法であるレーザーによる突合わせ溶接
ではビード幅は板厚によらずほぼ一定であり、2枚の突
合わせ溶接される板厚に応じて適正なビート幅にするこ
とが困難である。これに対して本発明の方法によれば、
レーザー溶接とアーク溶接を複合していることによりア
ークが安定化し、アーク電流や溶接速度、レーザーパワ
ーを広い範囲にわたって変えることができるので、ビー
ド幅の調節が容易である。溶接部における厚みの急激な
変化を緩和し、溶接結合部材の成形性を向上するビード
断面の形状を表側のビード幅により式(1)のように規
定した。この理由を、図を用いて説明する。図1に2枚
の薄鋼板を突合わせ溶接する場合の溶接部断面を示す。
図1から明らかなようにビード幅Wが式(1)を満足す
ると、溶接止端部の角度は45°以下となり、薄い板側
の溶接止端部近傍での応力集中は大幅に緩和され、本発
明による方法で作成した金属結合素材は高い成形性を有
するようになる。
【0033】第2の発明はアーク溶接工程の後に溶接部
を後熱処理する突合わせ溶接方法である。
【0034】本発明の溶接方法は入熱が小さいため、溶
接金属は急冷され硬化する場合がある。溶接部が硬化し
た場合には溶接部に焼き戻し熱処理を施し軟化させるこ
とができる。熱処理は生産性を考え高周波による加熱な
どが適しているが、このほかにデフォーカスしたレーザ
ービームやガス炎、赤外線、電気抵抗加熱などをもちい
てもよい。熱処理温度は500℃〜800℃で熱処理時
間は0.1秒から100秒程度が好ましい。
【0035】第3の発明によると、レーザーの狙い位置
は.溶接線方向に対して、ガスメタルアーク溶接の狙い
位置よりも0〜8mm先行するように設定されている。
【0036】レーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶
接の狙い位置の距離が、8mmを越えて設定された場合
には、両者の距離が離れすぎているため、レーザー照射
によるアークの安定化および集中効果が期待できなくな
る。また、レーザーの狙い位置が、溶接線方向に対して
垂直方向に、ガスメタルアーク溶接の狙い位置がずれた
場合でも、プラスマイナス2mm以内に設定されていれ
ば、レーザー照射によるアークの安定化および集中効果
が認められ、好適である。なお、0〜8mmとは、レー
ザーの狙い位置とアーク溶接の狙い位置との間の直線距
離ではなく、溶接線に沿う長さを意味する。
【0037】第4の発明によると、第1の発明における
ガスメタルアーク溶接を行う際に、溶接ワイヤ材料の供
給速度S(g/分)が以下の条件式(2)に規定されて
いる。
【0038】 S≧ρ×d×v×(t+t)/2 (2) 但し、ρ:溶接材料の密度(g/cm)、v:溶接速
度(cm/分)、d:突合せギャップ(cm)である。
【0039】突合せ溶接においては切断端面にバリやだ
れがあるため若干の隙間があいている場合が多い。従っ
て、溶接部のアンダーフィルがなくかつ溶接止端部の角
度が45°以下となるようにするには式(2)を満足す
る供給量で溶接ワイヤを供給する。式(2)で規定する
理由を以下に述べる。
【0040】図5の(a)は溶接前、(b)は溶接後、
(c)は溶接前後の断面を比較した図である。これらの
図から明らかなように、溶接後のビード形状が凹になら
ないようにするには、溶接前後で増加する断面の面積d
×(t+t)/2に相当する量かそれ以上溶接材料
を供給する必要がある。従って、溶接ワイヤ材料の供給
速度S(g/分)は S≧ρ×d×v×(t+t)/2 (2) 但し、ρ:溶接材料の密度(g/cm3)、v:溶接速
度(cm/分)、d:突合せギャップ(cm)である。
【0041】第5,第7の発明ではガスメタルアーク溶
接を行う工程において用いる溶接ワイヤ材料の化学成分
を質量%でC:0.001〜0.03%,Si:0.0
2〜1.5%,Mn:0.02〜1.5%を含有し、残
部実質的に鉄からなると規定している。本発明の方法で
は溶接入熱が少ないため溶接金属は急速冷却され硬化す
る。溶接部が硬化すると結合部材の成形性が低下する。
このため上記のように溶接ワイヤの成分を規定した。以
下にそれぞれの成分をこのように規定した理由について
述べる。
【0042】C:0.001〜0.03% Cは鋼の焼入れ性を高め、溶接金属の硬化をもたらす元
素である。このため0.03%以下とする。しかし、C
濃度をあまり低くしすぎると粒界強度が低下して2次加
工割れが生じやすくなるため0.001%以上とする。
【0043】Si:0.02〜1.5% Siは脱酸元素として添加するほか、鋼を固溶強化する
ため用いられる。溶接中に酸素が空気中から溶接金属に
混入し、鋼中のCと反応してCOとなりブローホールの
原因となるのを防止するためSiは0.02%以上添加
する。しかしながら過剰の添加は鋼の焼入れ性を高め溶
接金属の硬化をもたらすため1.5%以下とする。
【0044】Mn:0.02〜1.5% Mnも脱酸元素として添加するほか、鋼を固溶強化する
ため用いられる。溶接金属の脱酸のため0.02%以上
添加するが、過剰の添加鋼の焼入れ性を高め溶接金属の
硬化をもたらすため1.5%以下とする。
【0045】さらに残部は実質的に鉄からなるが、本発
明の作用効果を妨げない範囲で微量元素を含んでもよ
い。
【0046】第6の発明は、本発明方法で得られた溶接
結合薄鋼板である。この溶接結合薄鋼板は、成形性の優
れたものである。
【0047】また本発明では、レーザー光軸に対して、
ガスメタルアークトーチの照射角度を5度以上、50度
以下に設定するのが好ましい。
【0048】レーザー光軸に対して、ガスメタルアーク
トーチの照射角度を5度未満に設定すると、レーザー溶
接により形成される蒸発孔をガスメタルアーク溶接によ
り供給される溶融金属が潰すため、溶け込み深さが減少
すると同時に、その溶融金属にレーザーが照射されてス
パッタの発生が誘発され、溶接継手品質を低下させると
いう問題を生じる。
【0049】一方、レーザー光軸に対して、ガスメタル
アークトーチの照射角度を50度越えに設定すると、レ
ーザー照射によりレーザー光軸と同軸方向に形成される
蒸発孔に対して、ガスメタルアーク溶接からの溶融金属
の供給角度が急峻になるため、レーザー溶接部に安定に
溶融金属を供給できず、ブローホールやハンピングビー
ド等の溶接欠陥が発生しやすい。このような理由から、
ガスメタルアークトーチの照射角度を5度〜50度とす
るのがよい。
【0050】また、本発明のレーザー発振器は、溶接に
用いるため出力200ワット以上、好適にはキロワット
クラスの出力が必要である。光学系には、変向用反射ミ
ラーと数枚の正負の集束レンズを組み合わせた光学系を
備えるものが好ましいが、レンズ系を用いずに凹面鏡と
凸面鏡の組み合わせだけでレーザー光を集束するように
してもよい。
【0051】ガスメタルアーク溶接装置は、薄鋼板の溶
接を対象とするため、溶接用ワイヤは直径1.2mm以
下の細径ワイヤを用いるのが望ましい。シールドガスに
は、アークの安定性と溶接金属の酸化防止とを同時に達
成するために、アルゴンガス等の不活性ガスを用いるこ
とが望ましいが、アルゴンガス中に炭酸ガスを10〜1
00%の範囲で混合させたガスおよびアルゴンガス中に
水素ガス或いはヘリウムガスを2〜20%の範囲で混合
させたガスを用いることもできる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を例示的に詳し
く説明する。
【0053】[実施例1]0.8mmと1.6mmの薄
鋼板の突合わせ溶接を行った。突合わせ継手として、突
合わせの隙間を、0.05mmから0.50mmまで変
えた試験片を準備した。溶接は、YAGレーザー溶接法
のみ、ガスメタルアーク溶接法のみ、およびYAGレー
ザー溶接とガスメタルアーク溶接を複合化した本発明溶
接法で行った。各溶接法の溶接条件を第1表に示す。
【0054】第2表に、試験結果を示す。溶接試験の評
価は、以下のように行った。溶け落ちがなく、継手強度
が十分な溶接部が得られた場合を「○」とした。これに
加えてスパッタの付着がなく、ハンピングによるビード
幅のばらつきがほとんどなく、均一なビードが形成され
た場合を「◎」とした。また、溶け落ちは生じないが溶
け込み深さの僅かな低下などにより溶接継手品質が若干
低下する場合を「△」、溶接部が溶け落ちた場合を
「×」とした。また、鋼板がつながらない場合も、継手
強度がゼロのため、「×」とした。特に、ガスメタルア
ーク溶接法では、溶接速度が高速化するとアークが不安
定となり溶接部が形成できなくなる。この場合も「×」
とした。
【0055】YAGレーザー溶接法では、溶接速度が1
m/minと遅い場合には、鋼板隙間の許容量は0.0
5mmであるが、2.0m/min以上の溶接速度で
は、鋼板隙間が0.05mmでもアンダーフィルとなっ
て健全な継手が得られない。これは、YAGレーザーで
はビード幅が約1mmと狭いため、溶接金属量が少な
く、高々0.05mmの鋼板隙間があっても左右の鋼板
をつなぐ溶接金属が不足するためである。
【0056】ガスメタルアーク溶接法では、溶接速度が
0.5m/minと遅い場合には、溶接入熱が過大とな
るため溶け落ちる。溶接速度が1.0m/minでは、
溶接入熱が適正であり、鋼板隙間が0.4mmまでは健
全な溶接部がえられるが、鋼板隙間が0.4mmを越え
ると、左右の鋼板がつながらない。溶接速度が1.0m
/minを越えるとアークが不安定となり健全な溶接部
が形成できなくなる。
【0057】本発明法のレーザー・アーク複合溶接法で
は、溶接速度が0.5m/minと低速の場合において
も、アークがレーザー照射部に集中し、溶接部幅はガス
メタルアーク溶接法に比較して約50%と細くなるた
め、溶け落ちは生じない。また、鋼板隙間の許容量は
0.3mmとなる。さらに、アークはレーザー照射によ
り安定するため、溶接速度が1.0m/min以上の場
合でも、ハンピングのない溶接部が得られ、鋼板隙間の
許容量は0.3mmである。
【0058】したがって、本発明法は、溶接の高速化と
溶接精度の大幅な緩和が同時に達成できる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】[実施例2]レーザー光軸に対するガスメ
タルアークトーチの照射角度の溶接部品質に及ぼす影響
を調査した。
【0062】溶接実験では、板厚がそれぞれ1.2mm
と1.6mmで0.1mmの隙間を有する突合わせ試験
片を用いて、YAGレーザー溶接とガスメタルアーク溶
接とを複合化した本発明溶接法で行った。溶接条件は、
レーザー光軸に対するガスメタルアークトーチの照射角
度を3度から70度まで変化させた。その他の条件は、
第1表に示す条件と同じである。また、溶接継手部の品
質評価は、実施例1で実施した評価方法と同様の方法で
行った。
【0063】第3表に、溶接試験結果を示す。
【0064】レーザー光軸に対して、ガスメタルアーク
トーチの照射角度が5度未満の場合はスパッタの発生が
多く溶け込み深さが若干低下した。
【0065】一方、レーザー光軸に対して、ガスメタル
アークトーチの照射角度を50度越えに設定すると、レ
ーザー溶接部にガスメタルアーク溶接からの溶融金属の
供給安定にやや劣り、ハンピングビードとなっている。
【0066】したがって、好ましくは、レーザー光軸に
対して、ガスメタルアークトーチの照射角度を、5度以
上、50度以下に設定することにより、健全な溶接部が
得られる。
【0067】さらに、レーザー光軸に対してガスメタル
アークの照射角度を、10度以上、30度以下に設定す
ると、スパッタの付着が大幅に減少して、ハンピングに
よるビード幅のばらつきもほとんどなくなるため、レー
ザー光軸に対してガスメタルアークトーチの照射角度を
10度以上、30度以下に設定することがより好まし
い。
【0068】
【表3】
【0069】[実施例3]レーザーの狙い位置とガスメ
タルアーク溶接の狙い位置の溶接部品質に及ぼす影響を
調査した。
【0070】溶接実験では、板厚がそれぞれ1.2mm
と0.6mmで、0.1mmの隙間を有する突合わせ溶
接を用いて、YAGレーザー溶接とガスメタルアーク溶
接を複合化した本発明溶接法で行った。溶接条件は、レ
ーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶接の狙い位置
を、0mmから12mmまで変化させた。その他の条件
は、第1表に示す条件と同じである。また、溶接継手部
の品質評価は、実施例1で実施した評価方法と同様の方
法で行った。
【0071】第4表に、溶接試験結果を示す。
【0072】レーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶
接の狙い位置の距離が8mmを越えて設定された場合に
は、両者の距離が離れすぎているため、レーザー照射に
よるアークの安定化および集中効果が低下して、溶け込
み深さが僅かに減少している。
【0073】したがって、好ましくはレーザーの狙い位
置とガスメタルアーク溶接の狙い位置の距離を0mm以
上、8mm以下に設定することが望ましい。
【0074】レーザーの狙い位置とガスメタルアーク溶
接の狙い位置の距離を0mm以上、2mm以下に設定す
ると、レーザー照射部によるアークの安定と集中効果が
より顕在化するため、溶け込み深さの均一性が高まり、
スパッタの発生も抑えられるため、レーザーの狙い位置
とガスメタルアーク溶接の狙い位置の距離を0mm以
上、2mm以下に設定するのがより好ましい。
【0075】
【表4】
【0076】[実施例4]図面を参照して本発明の好適
な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に
記載されている溶接装置の構成部品の形状、寸法および
その相対的配置等は特に特定的な記載がないかぎりは、
この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる
説明例にすぎない。
【0077】図2には、本発明の実施形態に係るレーザ
ー加工へッドが1で示されており、レーザー加工へッド
に内蔵するファイバコネクタ、光ファイバー2を経て、
レーザー発振器であるYAGレーザー発振器に接続して
いる。
【0078】さらに、アーク発生用のガスメタルアーク
溶接ヘッド3は、前記のレーザー加工ヘッド1の先端部
に、このレーザー加工ヘッド1と20度の角度をなし、
また、レーザー光の狙い位置とガスメタルアークの狙い
位置の距離を2mmに設定して、簡単なクランプ治具6
によって装着されている。
【0079】また、ガスメタルアーク溶接ヘッド3はガ
スメタルアーク溶接装置に接続されたパワーケーブルと
溶接用ワイヤ供給ケーブルとを同軸にしたケーブル5に
接続されている。
【0080】このように、レーザー発振器から発振され
たレーザー光を加工位置に集束させる光学系を備えるレ
ーザー加工ヘッドの先端部に、ガスメタルアーク溶接ト
ーチを取付けることにより、コンパクトなレーザー・ア
ーク複合溶接トーチを形成することができる。
【0081】また、このレーザー・アーク複合溶接トー
チは、産業用ロボットのアーム7に支持されていること
により、汎用性のある産業用ロボットを中心とした設備
構成でレーザー・アーク複合溶接を実現できる。
【0082】なお、溶接方向は、符号8に示すように、
レーザーが先行する方向に行われる。溶接は、材料9と
材料10とを突合わせた継手である。
【0083】[実施例5]厚みの異なる薄鋼板の突合わ
せ溶接を本発明のレーザー・アーク複合溶接法により作
成した。。
【0084】溶接に用いた鋼板は厚み0.8,1.6,
2.4mmの340MPa級冷延鋼板である。溶接条件
は第5表に示す。
【0085】
【表5】
【0086】またガスメタルアークに用いた溶接ワイヤ
の組成を第6表に示す。
【表6】
【0087】アーク電流、溶接速度、レーザー出力を変
えて、いろいろなビード形状の突合わせ溶接継手を作成
した。球頭張り出し試験、穴拡げ試験を行ない、溶接部
の成形能を調査した。また、球頭張り出し試験片および
試験条件は図3,第8表に、穴拡げ試験片および試験条
件は図4,第9表に示したとおりである。試験結果を第
7表に示す。この表から、本発明のビード幅の範囲(W
>(t1 −t2 ))では溶接結合部材の成形性に優れて
いることがわかる。
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】[実施例6]厚みの異なる薄鋼板の突合せ
溶接を本発明のレーザー・アーク溶接法により作成し
た。溶接に用いた鋼板は340MPa級冷延鋼板であ
る。溶接条件は第5表と同じ条件である。
【0092】また、ガスメタルアークに用いた溶接ワイ
ヤの組成を第10表に示す。溶接ワイヤの密度は7.9
g/cmである。
【0093】
【表10】
【0094】アーク電流、溶接速度、ワイヤ供給速度、
レーザー出力を変えて、いろいろなビード形状の突合せ
溶接継手を作成した。球頭張り出し試験、穴拡げ試験を
行ない、溶接部の成形能を調査した。また、球頭張り出
し試験片及び試験条件は図3、第8表に、穴拡げ試験片
及び試験条件は図4、第9表に示したとおりである。試
験結果を第11表に示す。この表から、ワイヤ供給量S
が式(2)を満足する範囲では溶接結合部材の成形性に
特に優れていることがわかる。
【0095】
【表11】
【0096】
【発明の効果】以上述べたように本発明の製造方法に依
れば厚みが異なる薄鋼板を突合わせ溶接しても溶接部の
成形性に優れまた隙間の許容量が大きく施工が容易であ
るという有用な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2枚の薄鋼板を突合わせ溶接する場合の溶接部
断面を示す説明図。
【図2】本発明の実施形態に係るレーザー加工ヘッドの
説明図。
【図3】本発明による溶接結合材の球頭張出し試験の試
験片形状を示す図。
【図4】本発明による溶接結合材の穴拡げ試験の試験片
形状を示す図。
【図5】本発明の請求項2において式(2)で規定した
理由を説明するための図で、(a)は溶接前、(b)は
溶接後、(c)は溶接前後の断面比較を示す。
【符号の説明】
1...レーザー加工ヘッド 2...光ファイバー 3...ガスメタルアーク溶接ヘッド 4...ガスメタルアーク 5...ケーブル 6...回転機構 7...産業用ロボットのアーム 8...溶接方向 9,10...材料(薄鋼板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 103:04 B23K 103:04 (72)発明者 吉武 明英 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 細谷 佳弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E001 AA03 BB12 CA01 DA01 DD02 DD03 DD04 DF01 EA05 4E068 BC01 BE00 CA02 DA14 DB01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みの異なる薄鋼板の突合わせ部を溶接
    する際に、突合わせ部にYAGレーザーを照射する工程
    と、この照射工程後にガスメタルアーク溶接を行う工程
    とを備え、溶接ビード幅Wが以下の式(1)の条件を満
    足するようにレーザー出力、アーク電流、溶接速度を調
    節したことを特徴とする突合わせ溶接方法。 W>t−t (1) ただし、W:溶接ビード幅(溶接した側の表面から見た
    幅) t:板厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち厚
    い側) t:板厚(突合わせ溶接される2枚の薄鋼板のうち薄
    い側)
  2. 【請求項2】 ガスメタルアーク溶接を行う工程の後
    に、更に、溶接部に後熱処理を行う工程を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の突合わせ溶接方法。
  3. 【請求項3】 YAGレーザーを照射する工程におい
    て、レーザーの狙い位置がガスメタルアーク溶接の狙い
    位置から0mm以上、8mm以下先行する位置にあるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の突合わせ溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 ガスメタルアーク溶接を行う工程は、溶
    接ワイヤ材料の供給速度S(g/分)が以下の条件式
    (2)を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の突合せ
    溶接方法。 S≧ρ×d×v×(t+t)/2 (2) 但し、ρ:溶接材料の密度(g/cm3)、v:溶接速
    度(cm/分)、d:突合せギャップ(cm)である。
  5. 【請求項5】 ガスメタルアーク溶接を行う工程におい
    て、溶接ワイヤ材料の化学成分が、質量%で、C:0.001
    〜0.03%、Si:0.02〜1.5%、Mn:0.02〜1.5%を含有
    し、残部実質的にFeからなることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の突合わせ溶接方法。
  6. 【請求項6】 いずれもが板厚0.3mm〜6mmの範
    囲にある薄鋼板に対し、請求項1〜5のいずれか1の溶
    接方法をおこなって得られた溶接結合薄鋼板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1の溶接方法の
    ガスメタルアーク溶接工程に用いられ、質量%で、C:
    0.001〜0.03%、Si:0.02〜1.5%、Mn:0.02〜1.5%
    を含有し、残部実質的にFeからなる溶接ワイヤ材料。
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