JP2017170421A - 電解水生成装置および電解水生成方法 - Google Patents

電解水生成装置および電解水生成方法 Download PDF

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修 小野
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Masahiro Yokota
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齋藤 誠
Makoto Saito
誠 齋藤
英男 太田
Hideo Ota
英男 太田
孝徳 荻原
Takanori Ogiwara
孝徳 荻原
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Abstract

【課題】供給する電解液のpHを正確に制御可能な電解水生成装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、電解水生成装置は、陽極14が設けられた陽極室15bと、陰極20が設けられた陰極室15cと、陽極室と陰極室との間に設けられた中間室12と、陽極室と中間室との間を仕切る第1隔膜と、陰極室と中間室との間を仕切る第2隔膜と、を有する電解槽11と、中間室に電解液を供給する電解液供給部23と、中間室から電解液を排水する排水部47と、を備えている。中間室は、透水性を有する仕切り部材22aにより、第1室12bと第2室12cとに仕切られている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電解水生成装置および電解水生成方法に関する。
水を電解して得られる様々な機能を有したものには、次亜塩素酸水、アルカリイオン水、水素水などがあり、電解水と呼ばれている。電解水の生成方法としては、例えば、塩素を含む電解液を電解することにより陽極で塩素ガスを生成し、この塩素ガスと水とを反応させて次亜塩素酸水と塩酸水を生成する方法が知られている。次亜塩素酸水の利用法としては、殺菌消毒、除臭などが知られている。
このような電解水を生成する生成装置としては、1隔膜2室型の電解槽や、2隔膜3室型の電解槽を有する生成装置などがある。2隔膜3室型の電解槽では、陽極室と陰極室の間に塩水などの電解質液を満たした中間室を配置し、中間室と陽極室の間を陰イオン交換隔膜、中間室と陰極室の間を陽イオン交換隔膜で隔て、電解質水から電解に必要な陰イオンあるいは陽イオンだけを陽極室あるいは陰極室に通過させる構造としている。このような構成とすることにより、2隔膜3室型の電解槽においては、塩分の混入がほとんどない高純度な酸性水およびアルカリ性水を生成できるという優れた特徴を有する。
一方、中間室においては、陽極室の酸性水および陰極室のアルカリ性水からの拡散の影響を受けることが知られている。この拡散量は、陽極室、中間室および陰極室の圧力や流量などの諸条件によって変化する。従って、中間室内の流体のpHは、ある条件では酸性となり、別の条件ではアルカリ性になり、一義的に定まらない。特に、電解質液を循環して使用する生成装置の場合、電解質液が濃縮されて非常に高濃度な酸性もしくはアルカリ性となる。
しかしながら、陰イオン交換膜は、中性から酸性に対しては耐性を有するが、アルカリ性に対して耐性がないものも存在する。同様に、陽イオン交換膜においては、酸性に対して耐性がないものも存在する。従って、例えば、アルカリ性に耐性のない陰イオン交換膜を用いた場合、中間室の流体がアルカリ性化すると、陰イオン交換膜の著しい劣化や、特性の低下などの弊害を招く。そのため、中間室は常に中性から酸性に保つ必要がある。
また、陽極室で生成された次亜塩素酸は、拡散現象により陰イオン交換膜を通して中間室に混入する場合がある。この場合、中間室のpHが5より酸性度が高くなると、次亜塩素酸と塩素ガスとの平衡反応により、酸性度に応じて塩素ガスを生じてしまう。特に、上述した塩水を循環して使用する生成装置においては、次亜塩素酸は濃縮され高濃度となる場合もあり、この場合、大量な塩素ガスを発生してしまう。よって、このような場合には、中間室は常に中性からアルカリ性に保つ必要がある。
特許第3500173号公報 特許第3113645号公報 特許第4090665号公報
この発明の実施形態の課題は、中間室に供給する電解液のpHを正確に制御できる電解水生成装置を提供することにある。
実施形態によれば、電解水生成装置は、陽極が設けられた陽極室と、陰極が設けられた陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に設けられた中間室と、前記陽極室と中間室との間を仕切る第1隔膜と、前記陰極室と中間室との間を仕切る第2隔膜と、を有する電解槽と、前記中間室に電解液を供給する電解液供給部と、前記中間室から電解液を排水する排水部と、を備えている。前記中間室は、透水性を有する仕切り部材により、前記第1隔膜を介して前記陽極室に接する第1室と、前記第2隔膜を介して前記陰極室に接する第2室とに仕切られている。
図1は、第1の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図2は、第1の実施形態に係る電解水生成装置の電解槽を示す斜視図。 図3は、前記電解槽の分解斜視図。 図4は、図2の線A−Aに沿った前記電解槽の断面図。 図5は、前記電解槽の中間フレームを示す斜視図。 図6は、前記中間フレームの正面図。 図7は、図6の線B−Bに沿った前記中間フレームの断面を示す斜視図。 図8は、第2の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図9は、第3の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図10は、第4の実施形態に係る電解水生成装置の電解槽の断面図。 図11は、第4の実施形態に係る電解槽の中間フレームを示す斜視図。 図12は、第5の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図13は、第5の実施形態に係る電解水生成装置における電解槽の中間フレームを示す斜視図。 図14は、第6の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図15は、第7の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図16は、第8の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図17は、第8の実施形態に係る電解水生成装置における電解槽の中間フレームを示す斜視図。 図18は、第9の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図19は、第10の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電解槽を有する電解水生成装置全体の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、電解水生成装置は、いわゆる3室型の電解槽(電解セル)11を備えている。電解槽11は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、陰イオン交換膜(第1隔膜)16および陽イオン交換膜(第2隔膜)18により、中間室(電解液室)12と、中間室12の両側に位置する陽極室(第1電極室)15bおよび陰極室(第2電極室)15cと、に仕切られている。陽極室15b内に陽極14が設けられ、陰イオン交換膜16に対向している。陰極室15c内に陰極20が設けられ、陽イオン交換膜18に対向している。陽極14および陰極20は、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、中間室12を挟んで、互いに対向している。
中間室12は、中央部に設けられた隔壁22aにより、陰イオン交換膜16を介して陽極室15bに接する陽極側室(第1室)12bと、陽イオン交換膜18を介して陰極室15cに接する陰極側室(第2室)12cと、に仕切られた2層の構造を成している。仕切り部材として機能する隔壁22aは、多数の透孔が形成され、陽極側室12bと陰極側室12cとの間の対流のような撹拌は制約しつつ、イオンや水の拡散など電解に必要な透水性を有している。本実施形態では、隔壁22aは、陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18とほぼ平行に対向し、かつ、陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18からほぼ等間隔を置いて設けられている。これにより、中間室12は、隔壁22aにより、2等分に仕切られている。
電解水生成装置は、電解槽11の中間室12に電解液、例えば、飽和塩水を供給する電解液供給部23と、陽極室15bおよび陰極室15cに電解原水、例えば、純水を供給する原水供給部21と、陽極14および陰極20に正電圧および負電圧をそれぞれ印加する電源60と、各部の動作を制御するコントローラ62と、を備えている。
電解液供給部23は、飽和食塩水を生成する塩水タンク25と、陽極側室12bおよび陰極側室12cの下部に飽和塩水を導く供給配管19aと、供給配管19a中に設けられた送液ポンプ45およびpHを計測するpH計測器28と、を備えている。供給配管19aは、送液ポンプ45の下流側で、第1供給配管25bと第2供給配管25cとに分岐している。第1供給配管25bは、中間室12の下部に形成された第1流入口55bに接続され、陽極側室12bに電解液を供給する。第2供給配管25cは、中間室12の下部に形成された第2流入口55cに接続され、陰極側室12cに電解液を供給する。
電解液供給部23は、中間室12を流れた電解液を中間室12の上部から排水する排水部47を更に備えている。この排水部47は、中間室12の上部に形成され陽極側室12bに連通する第1排水口56bと、この第1排水口56bに接続され陽極側室12bから電解液を排水する第1排水配管19bと、中間室12の上部に形成され陰極側室12cに連通する第2排水口56cと、この第2排水口56cに接続され陰極側室12cから電解液を排水する第2排水配管19cと、第1排水配管19bの下流側部分に設けられた第1電磁弁29bと、第2排水配管19cの下流側部分に設けられた第2電磁弁29cと、第1電磁弁29bの上流側で第1排水配管19bから分岐し、塩水タンク25に接続された第1循環配管17bと、第2電磁弁29cの上流側で第2排水配管19cから分岐し、塩水タンク25に接続された第2循環配管17cと、を備えている。
原水供給部21は、水を供給する図示しない給水源と、給水源から陽極室15bおよび陰極室15cの下部に水を導く給水配管21aと、陽極室15bを流れた水を陽極室15bの上部から排出する第1排水配管21bと、陰極室15cを流れた水を陰極室15cの上部から排出する第2排水配管21cと、第2排水配管21c中に設けられた気液分離器30と、を備えている。
上記のように構成された電解水生成装置により、実際に塩水を電解して酸性水(次亜塩素酸および塩酸)とアルカリ性水(水酸化ナトリウム)を生成する動作について説明する。
図1に示すように、送液ポンプ45を作動させ、電解槽11の陽極側室12bおよび陰極側室12cに飽和塩水を供給するとともに、陽極室15bおよび陰極室15cに水を給水する。同時に、電源60から正電圧および負電圧を陽極14および陰極20にそれぞれ印加する。中間室12へ流入した塩水中において電離しているナトリウムイオンは、陰極20に引き寄せられ、陽イオン交換膜18を通過して、陰極室15cへ流入する。そして、陰極室15cでは、陰極20で水が電気分解されて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。このようにして生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、陰極室15cから第2排水配管21cに流出し、気液分離器30により、水酸化ナトリウム水溶液と水素ガスとに分離される。分離された水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水)は、第2排水配管21cを通って排出される。
また、中間室12内の塩水中において電離している塩素イオンは、陽極14に引き寄せられ、陰イオン交換膜16を通過して、陽極室15bへ流入する。そして、陽極14にて塩素イオンが還元され塩素ガスが発生する。その後、塩素ガスは陽極室15b内で水と反応して次亜塩素酸水と塩酸を生じる。このようにして生成された酸性水(次亜塩素酸水および塩酸)は、陽極室15bから第1排水配管21bを通って排水される。
なお、中間室12内における塩水の流通については後で詳述する。
次に、電解槽11の構成をより詳細に説明する。図2は、電解槽の斜視図、図3は電解槽の分解斜視図、図4は図2の線A−Aに沿った電解槽の断面図である。
図2ないし図4に示すように、電解槽11は、矩形枠状の中間フレーム22と、中間フレーム22とほぼ等しい外径寸法を有し中間フレーム22の一側面を覆う矩形板状の陽極カバー(第1カバー部材)24と、中間フレーム22とほぼ等しい外径寸法を有し中間フレーム22の他側面を覆う矩形板状の陰極カバー(第2カバー部材)26と、を有している。中間フレーム22、陽極カバー24、および陰極カバー26は、例えば、塩化ビニールやポリプロピレンやポリエチレンなどの耐酸性、耐アルカリ性に優れた合成樹脂により形成されている。
中間フレーム22は、その内周面により中間室(電解液室)12を形成している。また、中間フレーム22は、その中央部に設けられた隔壁22aを一体に有している。隔壁22aは、中間室12を陽極室15b側の陽極側室12bと陰極室15c側の陰極側室12cとに仕切っている、すなわち、2分している。陽極カバー24は、その内面に形成された凹所により陽極室15bを形成し、陰極カバー26はその内面に形成された凹所により陰極室15cを形成している。
中間フレーム22と陽極カバー24との間に、中間室12(陽極側室12b)と陽極室15bを隔てる第1隔膜として陰イオン交換膜16が配置されている。陽極14は、陽極室15b内に配置され、陰イオン交換膜16に近接対向している。中間フレーム22と陰極カバー26との間に第2隔膜として陽イオン交換膜18が配置され、この陽イオン交換膜18は中間室12(陰極側室12c)と陰極室15cとを隔てている。陰極20は陰極室15cに配置され、陽イオン交換膜18に近接対向している。
各構成部材間、すなわち、陽極カバー24の周縁部と陽極14の周縁部との間、陰イオン交換膜16の周縁部と中間フレーム22の周縁部との間、中間フレーム22の周縁部と陽イオン交換膜18の周縁部との間、および、陰極20の周縁部と陰極カバー26の周縁部との間に、水漏れを防止するための面状のシール材40がそれぞれ配置されている。
各構成部材の周縁部を貫通して複数の固定ボルト50が挿通され、例えば、陽極カバー24側から挿通され、その先端部が陰極カバー26から突出している。各固定ボルト50の先端部にナット52がねじ込まれている。締結部材としての固定ボルト50およびナット52により、各構成部材の周縁部同士が互いに締結され、中間室12、陽極室15b、および陰極室15cの水密性を保持している。
次に、各構成部材についてより詳細に説明する。
図2ないし図4に示すように、陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18は、それぞれ中間フレーム22とほぼ等しい外径を有し、膜厚が約100〜200μm程度の薄い矩形平板状に形成されている。陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18は、特定のイオンのみを通過させる特性を有している。陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18の周縁部には、それぞれ固定ボルト50を挿通する複数の貫通孔が形成されている。
陰イオン交換膜16は、中間フレーム22の片面側に対向して配置され、その周縁部は、シール材40を介して、中間フレーム22に密着している。同様に、陽イオン交換膜18は、中間フレーム22の他面側に対向して配置され、その周縁部は、シール材40を介して、中間フレーム22に密着している。なお、第1隔膜および第2隔膜は、イオン交換膜に限らず、透水性を有する多孔質膜を用いてもよい。
陽極14および陰極20は、厚さ1mm程度の金属製の平板で形成され、中間フレーム22の外径とほぼ同一の外径を有する矩形状に形成されている。陽極14および陰極20の中央部(有効領域)には液体を通過させるための微細な貫通孔が形成され、電極の周縁部には固定ボルト50を挿通するための複数の貫通孔が形成されている。陽極14は、その一側縁から突出する接続端子14bを有している。同様に、陰極20は、その一側縁から突出する接続端子20bを有している。接続端子14b、20bは配線を介して電源60に接続される。陽極14は、陰イオン交換膜16に対向して配置され、陰イオン交換膜16に密着している。陰極20は、陽イオン交換膜18に対向して配置され、陽イオン交換膜18に密着している。なお、電極とイオン交換膜との間に、不織布等を挟んでもよい。
図3および図4に示すように、陽極カバー24の内面に陽極室15bを形成する矩形状の凹所が設けられ、更に、凹所にはそれぞれ水を流す複数の流路が設けられている。陽極カバー24の側面下部には流入口37が、側面上部には流出口38が形成され、これら流入口37および流出口38に給水配管21aおよび第1排水配管21bがそれぞれ接続される。
陰極カバー26の内面に陰極室15cを形成する矩形状の凹所が設けられ、更に、凹所にはそれぞれ水を流す複数の流路が設けられている。陰極カバー26の側面下部には流入口39が、側面上部には流出口41が形成され、これら流入口39および流出口41に給水配管21aおよび第2排水配管21cがそれぞれ接続される。
図5は、中間フレームを示す斜視図、図6は、中間フレームの正面図、図7は、図6の線B−Bに沿った中間フレームの断面を示す斜視図である。
図5および図6に示すように、中間フレーム22は、矩形状に形成せれた外径を有し、外側に形成されたフレームと、中央部に形成された隔壁22aとを一体に有している。仕切り部材として機能する隔壁22aは、中間フレーム22内の全面に亘って設けられ、かつ、中間フレーム22の厚さ(幅)方向の中間に位置している。また、隔壁22aには、ほぼ全面に亘って多数の透孔22bが形成され、これにより、隔壁22aは、イオンを通す透水性を有している。この隔壁22aは、中間フレーム22内を、すなわち、中間室12を、陽極室15b側に位置する陽極側室(第1室)12bと、陰極室15c側に位置する陰極側室(第2室)12cとの2領域に仕切っている。
中間フレーム22の周縁部には、固定ボルト50を挿通するための複数の貫通孔22tが形成されている。中間フレーム22の下端に、陽極側室12bに連通する第1流入口55b、および陰極側室12cに連通する第2流入口55cが設けられている。これら第1流入口55bおよび第2流入口55cに第1供給配管25bおよび第2供給配管25cがそれぞれ接続される。また、中間フレーム22の上端に、陽極側室12bに連通する第1排水口56b、および陰極側室12cに連通する第2排水口56cが設けられている。これら第1排水口56bおよび第2排水口56cに第1排水配管19bおよび第2排水配管19cがそれぞれ接続される。
図5ないし図7に示すように、隔壁22aの陽極側室12bに面する表面の下端角部に流通溝31bが形成され、この流通溝31bに第1流入口55bが連通している。また、上記表面の下端部に、流通溝31bから他端角部の近傍まで延びる浅いガイド溝33bが形成されている。このガイド溝33bは、第1流入口55bから流通溝31bに流入した塩水を中間室12の幅方向の全域にガイドする。
図5および図6に示すように、隔壁22aの陽極側室12bに面する表面の上端角部に流通溝34bが形成され、この流通溝34bに第1排水口56bが連通している。また、上記表面の上端部に、流通溝34bから他端角部の近傍まで延びる浅いガイド溝35bが形成されている。
隔壁22aの反対側の表面、すなわち、陰極側室12cに面する表面の下端角部に流通溝31cが形成され、この流通溝31cに第2流入口55cが連通している。また、上記表面の下端部に、流通溝31cから他端角部の近傍まで延びる浅いガイド溝33cが形成されている。更に、上記表面の他端側の上端角部に流通溝34cが形成され、この流通溝34cに第2排水口56cが連通している。また、上記表面の上端部に、流通溝34cから他端角部の近傍まで延びる浅いガイド溝35cが形成されている。
以上のように構成された電解槽11において、電解動作時、図1に示すように、第1供給配管25bから第1流入口55bを通して中間室12の陽極側室12bに供給された塩水は、陰イオン交換膜16に接触しながら流れ、陽極室15bから逆拡散してくる塩酸と混入して酸性化する。酸性化した塩水は、第1排水口56bから第1排水配管19bを通して排水され、一部は、第1電磁弁29bを通って装置外に排出され、残りの一部は、第1循環配管17bを通って塩水タンク25に送られる。塩水タンク25に戻す塩水の量は、第1電磁弁29bにより調整することができる。
同様に、第2供給配管25cから第2流入口55cを通して中間室12の陰極側室12cに供給された塩水は、陽イオン交換膜18に接触しながら流れ、陰極室15cから逆拡散してくる水酸化ナトリウムと混入してアルカリ性化する。アルカリ性化した塩水は、第2排水口56cから第2排水配管19cに排水され、一部は、第2電磁弁29cを通って装置外に排出され、残りの一部は、第2循環配管17cを通って塩水タンク25に送られる。塩水タンク25に戻す塩水の量は、第2電磁弁29cにより調整することができる。上記のように、塩水タンク25には、排出されなかった酸性化した塩水とアルカリ性化した塩水とが混入し、供給配管19aを通して再び中間室12にこの混合塩水が供給される。
電解による電流は中間室12中に存在する塩素イオンとナトリウムイオンがそれぞれ陽極14と陰極20に達することで流れる。このため、陽極14周囲には塩素イオンが偏在し、同様に陰極20周囲にはナトリウムイオンが偏在することになり、濃度拡散により中間室12の陽極14側である陽極側室12bでは酸性の塩水、陰極側室12cではアルカリ性の塩水が偏在する。本実施形態は、この事実を解明し、塩水pHの制御に適用したものである。
ここで、本実施形態においては、供給配管19aを流れる混合塩水のpHを、供給配管19a内に配設されたpH計測器28で測定し、コントローラ62は、この測定値に基づいて、第1電磁弁29bおよび第2電磁弁29cを調整し、排出する塩水量を制御している。例えば、pHの計測値が所望のpHよりも大きい場合には、コントローラ62は、陰極側の第2電磁弁29cを開き、アルカリ性化した塩水の一部または全てを排出する。逆に、pHの計測値が所望のpHより小さい場合には、コントローラ62は、陽極側の第1電磁弁29bを開き、酸性化した塩水の一部または全てを排出する。このように、酸性化した塩水とアルカリ性化した塩水の混合量あるいは混合比を制御することにより所望のpHの塩水とすることができ、この所望のpHの塩水を中間室12に供給することができる。
上述したように、中間室12全体では、3室の圧力や流量などの諸条件により、中間室12の塩水のpHは一義的に決まらない。一方、中間室12の塩水のpH変化は、陽極室15bおよび陰極室15cからの塩酸あるいは水酸化ナトリウムの拡散が要因であるため、中間室12の陽極室15b近傍では必ず酸性に、陰極室15c近傍では必ずアルカリ性になる性質がある。本実施形態に係る電解水生成装置は、この性質を利用し、中間室12を陽極側室(第1室)12bと陰極側室(第2室)12cの2層に分離することで、中間室12の塩水を酸性水とアルカリ性水とに分離し、これらを個別に制御(排出)することが可能となる。これにより、中間室12内の塩水のpHを正確に制御でき、さらに、排出する塩水を最小限に留めることが可能となる。
なお、隔壁22aに形成された透孔22bは、電解時の電荷移動を確保するために設けたものである。すなわち、導電性を確保するために設けられた透孔であり、この透孔22bがない場合には陽極14および陰極20間の電解電圧が大幅に上昇する。逆に、この透孔22bが大きい場合には、両側の塩水の混入度が大きくなり、pH制御の正確性の低下や、pH調整範囲の減少を招く。従って、透孔22bの開口率、すなわち、隔壁22aの透水性は、pH制御性と導電性の度合を鑑みて決めればよい。
以上のことから、本実施形態によれば、使用する条件などによらず簡易な構造で中間室12の電解液のpHを正確に制御でき、さらに、排出する電解液を最小限に留めることが可能な電解水生成装置を提供することができる。
なお、上述した第1の実施形態では、電解液は塩水、生成水は次亜塩素酸水としたが、これらに限定されることなく、種々の電解液、生成水を適用することができる。本生成装置は、中間室12を2層として中間室12のpHを正確に制御するものであり、この作用が適用できるものであれば、どのような電解液、生成水でも適用可能である。また、第1の実施形態では、供給配管19a内にはpH計測器28を設けた構成としているが、使用する条件が固定されているなどのためにpHの値が変動しない場合には、pH計測器28のない構成としてもよい。
更に、予めどちらか一方の排出量を決めておけばよいので、どちらか一方に電磁弁を配設するだけの構造としてもよい。例えば、塩水を排出しない場合に塩水が常にアルカリ性となる場合には、アルカリ側の塩水を排出するだけでよいので、酸性側の排水機構を省略することができる。
次に、他の実施形態および変形例に係る電解水生成装置について説明する。以下に説明する他の実施形態あるいは変形例において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略あるいは簡略化し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。図8に示すように、本実施形態によれば、中間室12の陽極側室12bおよび陰極側室12cに電解液を供給する第1供給配管25b、および第2供給配管25cに、第1絞り弁42bおよび第2絞り弁42cがそれぞれ設けられている。第1絞り弁42bおよび第2絞り弁42cの絞り量は、コントローラ62により調整することができる。
このように、第1絞り弁42bおよび第2絞り弁42cの絞り量を調整することにより、陽極側室12bを流れる塩水の流量と、陰極側室12cを流れる塩水の流量とを個別に調整することができる。これにより、酸性化された塩水の排水量、およびアルカリ性化した塩水の排水量、並びに、これらの混合比を調整し、所望のpHの塩水(電解液)を供給することができる。
(第3の実施形態)
図9は、第3の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。図9に示すように、本実施形態によれば、中間室12の陽極側室12bおよび陰極側室12cから塩水を排水する第1排水配管19bおよび第2排水配管19cに、第1背圧調整弁(絞り弁)44bおよび第2背圧調整弁(絞り弁)44cがそれぞれ設けられている。第1背圧調整弁44bおよび第2背圧調整弁44cの調整量(絞り量)は、コントローラ62に調整することができる。
第1背圧調整弁44bおよび第2背圧調整弁44cの調整量(絞り量)を制御することにより、中間室12の陽極側室12bに作用する背圧および陰極側室12cに作用する背圧を個別に調整することができ、塩水の酸性化濃度および塩水のアルカリ性化濃度を個別に制御することが可能となる。これにより、酸性化された塩水とアルカリ性化した塩水との混合塩水のpHを所望の値に制御することができ、所望のpHの塩水を中間室12に供給することができる。
なお、本実施形態において、陽極側室12bの背圧および陰極側室12cの背圧を個別に制御できるように、隔壁22aの透水性を比較的低く設定することが好ましく、例えば、隔壁22aの1cm2当たりの透水量が20KPaの差圧下で0.1mL/min〜10L/minとなる透水性を有していることが好ましい。
(第4の実施形態)
図10は、第4の実施形態に係る電解水生成装置の電解槽の断面図、図11は、電解槽の中間フレームおよび隔壁を示す分解斜視図である。
図10および図11に示すように、第4の実施形態では、電解槽11は、中間室12の隔壁22aに重ねて配置された多孔質膜22cを備えている。多孔質膜22cとしては、例えば、不織布、スポンジ、メッシュ状膜等を用いることができる。この多孔質膜22cは、膜厚が約100〜200μm程度の薄い矩形平板状に形成され、隔壁22aとほぼ同一の大きさに形成されている。多孔質膜22cは、隔壁22aの全面に重ねて設置され、透孔22bを覆っている。多孔質膜22cの設置位置は、隔壁22aの陽極側の表面上、あるいは、陰極側の表面上のいずれでもよい。
このような構成によれば、多孔質膜22cには、非常に微細な孔がほぼ均一に形成されているため、導電性を損なうことなく陽極側室12bと陰極側室12cとの分離性を向上することができる。よって、より高精度なpH調整が可能となり、さらに、排出する塩水もより少なくすることが可能な電解水生成装置を提供することができる。
多孔質膜22cを隔壁22aの片側のみに配設しているが、これに限らず、隔壁22aの両側に多孔質膜22cを配設してもよい。また、隔壁22aの各側に、複数枚の多孔質膜を重ねて配置してもよい。ただし、あまり配設する多孔質膜22cの枚数が多い場合には、コストアップに繋がり、また、導電率が低下するなどの弊害が生じる。
前述した種々の実施形態において、仕切り部材として機能する隔壁22aは、多数の透孔を有する樹脂板に限らず、不織布、スポンジ、メッシュ膜等の多孔質膜で構成してもよい。
(第5の実施形態)
図12は、第5の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図、図13は、電解槽の中間フレームを示す斜視図である。
図12および図13に示すように、第5の実施形態では、中間室12の下部に単一の流入口55が設けられ、供給配管19aからこの流入口55を通して中間室12に塩水を供給する構成としている。この場合、中間フレーム22の隔壁22aは、流入口55側の下端部の全幅に亘って形成された開口22dを有し、流入口55から流入した塩水は、開口22dを通って、陽極側室12bおよび陰極側室12cに振り分けられる。
この場合でも、中間フレーム22は、陽極側室12bに連通する第1排水口56bおよび陰極側室12cに連通する第2排水口56cの2つの独立した排水口を有し、陽極側室12bで酸性化した塩水と、陰極側室12cでアルカリ性化した塩水とを別々に排水することができる。また、塩水の流入口55を1つとすることにより、配管構成を簡略化することができる。
(第6の実施形態)
図14は、第6の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。
前述した種々の実施形態では、隔壁22aにより中間室12をほぼ同一の容量を有する陽極側室(第1室)12bと陰極側室(第2室)12cとに二分する構成としているが、これに限らず、陽極側室12bと陰極側室12cとは、互いに異なる容量(大きさ)を有するように仕切られていてもよい。
図14に示すように、第6の実施形態では、中間フレーム22の隔壁22aは、例えば、L字形状に屈曲して設けられている。中間室12は、隔壁22aにより、陰イオン交換膜16を介して陽極室15bに接する陽極側室(第1室)12bと、陽イオン交換膜18を介して陰極室15cの全面に接しているとともに、陰イオン交換膜16を介して陽極室15bの一部に接する陰極側室(第2室)12cと、に仕切られている。すなわち、陰極側室12cは、陽極側室12bよりも大きい。
この場合でも、中間フレーム22は、陽極側室12bに連通する第1排水口56bおよび陰極側室12cに連通する第2排水口56cの2つの独立した排水口を有し、陽極側室12bで酸性化した塩水と、陰極側室12cでアルカリ性化した塩水とを別々に排水することができる。
(第7の実施形態)
図15は、第7の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。図15に示すように、本実施形態においては、第1循環配管17b及び第2循環配管17cが設けられていない。従って、陽極側室12b及び陰極側室12cからそれぞれ第1排水配管19b及び第2排水配管19cに排出された塩水は、塩水タンク25に戻ることなく、第1電磁弁29b及び第2電磁弁29cを介してそれぞれ個別に装置外に排出される。
本実施形態では、供給配管19a内にpH計測器28を設けていない。また、第1排水配管19bから排出される塩水の排出量よりも第2排水配管19cから排出される塩水の排出量が多くなるよう、第1電磁弁29b及び第2電磁弁29cにより塩水の排出量を制御している。
また、液送ポンプ45の上流側および下流側に、供給配管19aを通る塩水を分岐して流す分岐配管70が接続されている。分岐配管70中に絞り弁71が設けられている。この絞り弁71の絞り量を調整することにより、中間室12に作用する圧力を調整することができる。同時に、送液ポンプ45を連続的に作動させた状態で中間室12の圧力を調整でき、液送ポンプ45に必ず塩水が流れる状態とすることで液送ポンプ45の加熱を抑えることができる。
上記のように、本実施形態では、第1循環配管17b、第2循環配管17c及びpH計測器28が不要となるため、電解水生成装置を安価かつコンパクトに製作することができる。一方、本実施形態においては、pH計測器28が設けられていないため、pHを中性に保つなどの精密なpH制御が困難となる。前述したように、塩水タンク25は酸性化すると大量の塩素ガスを発生する可能性があるが、本実施形態においては、塩水を循環させることなく直接、装置外に排水することにより、塩水循環による次亜塩素酸や塩酸の濃縮が起こらないため、塩素ガスをほとんど発生させることはない。
また、塩水タンク25からはほぼ中性の塩水が供給され、陽極側室12bに比べ陰極側室12cから排出される塩水の排出量を多くしている。そのため、相対的に陰極側室12cのアルカリ度合が薄まり、これにより陽極側室12bへのアルカリの拡散が小さくなる。従って、陽極側室12bは常に酸性が保たれることとなり、アルカリ耐性の小さい陰イオン交換膜16を使用することができる。すなわち、本実施形態によれば、塩水タンク25からの塩素発生やイオン交換膜の劣化などの短所がなく、安価でかつコンパクトな電解水生成装置を供給できる。
なお、本実施形態においては、第1排出配管19bから排出される塩水の排出量よりも第2排出配管19cから排出される塩水の排出量が多くなるような構成としているが、これは、前述したようにアルカリ耐性の小さい陰イオン交換膜16を用いる場合であり、これとは逆に、酸耐性のない陽イオン交換膜18を用いる場合には、第2排出配管19cから排出される塩水の排出量よりも第1排出配管19bから排出される塩水の排出量が多くなるような構成とすればよい。
(第8の実施形態)
図16は、第8の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図、図17は、電解槽の中間フレームを示す斜視図である。
図16および図17に示すように、第8の実施形態では、中間室12の上部に単一の排水口56が設けられ、この排出口56から排出配管19dを通って塩水タンク25に塩水を戻す構成としている。この場合、中間フレーム22の隔壁22aは、排出口56側の上端部の全幅に亘って形成された開口22eを有し、陽極側室12bおよび陰極側室12cの塩水は、開口22eで混じり合い、排出口56から排出される。また、本実施形態においては、供給配管19a内にpH計測器28が設けられていない構成となっている。
本実施形態による構成は、陽極側室12bの塩水と陰極側室12cの塩水とを混合した時にほぼ中性となる場合に有効となる。すなわち、陽極側室12bおよび陰極側室12cに流入してくる塩水は中性であり、さらに、陽極側室12bと陰極側室12cとのpHの均等がほぼとれているため、陽極側室12bの塩水は酸性に、陰極側室12cの塩水はアルカリ性に保たれる。本実施形態によれば、配管構成を簡略化することができるため、安価でかつコンパクトな電解水生成装置を供給できる。
(第9の実施形態)
図18は、第9の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。図18に示すように、本実施形態においては、陽極側室12bへ塩水を供給する第1供給配管25b、陽極側室12bから塩水を排出する第1排水配管19b、塩水タンク25へ塩水を戻す第1循環配管17b、およびpH計測器28が省略されている。すなわち、塩水は、陰極側室12cのみに流入し、第2電磁弁29cを介して第2排水配管19cより排出される。このような構成とすることにより、配管構成を簡略化することができ、安価でかつコンパクトな電解水生成装置を供給することができる。
また、本実施形態においては、陽極側室12bは常に酸性が保たれることとなる。なぜならば、本実施形態によれば、酸性化を促している陽極側室12b内へは塩水の出し入れがないため、より酸性化し、一方、アルカリ化を促している陰極側室12c内へは塩水を積極的に出し入れすることによりアルカリ化を低減する構成としている。このため、陽極側室12bは常に酸性が維持され、アルカリ耐性の小さい陰イオン交換膜16を使用することができる。
なお、本実施形態においては、陰極側室12cのみに塩水を流入し、陰極側室12cのみから塩水を排水する構成としているが、これは、前述したようにアルカリ耐性のない陰イオン交換膜16を用いる場合であり、酸耐性のない陽イオン交換膜18を用いる場合には、これとは逆に、陽極側室12bのみに塩水を流入し、陽極側室12bのみから塩水を排水する構成、すなわち、第2供給配管25c、第2排水配管19c、および第2循環配管17cを省略する構成とすればよい。
(第10の実施形態)
図19は、第10の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図である。図19に示すように、本実施形態においては、陽極側室12bの第1排出口56bから排出された塩水は、連結配管19eを通って、陰極側室12cの第2流入口55cから陰極側室12cへ流入し、更に、陰極側室12cを通って第2排水配管19cから第2電磁弁29cを介して排出される。また、本実施形態では、供給配管19a内にpH計測器28が設けられていない構成としている。
上記構成の本実施形態によれば、第2供給配管25cおよび第1排水配管19bを省略し、配管構成を簡略化することができ、これにより、安価でかつコンパクトな電解水生成装置を供給することができる。また、本実施形態によれば、前述した第9の実施形態と同様に、よりアルカリ化している陰極側室12cの塩水を積極的に排出し、酸性化を促している陽極側室12bへは新鮮な塩水を積極的に供給することができる。従って、本実施形態によれば、陽極側室12bは常に酸性が維持されるため、アルカリ耐性のない陰イオン交換膜16を使用できる。
なお、本実施形態においては、塩水を陽極側室12bから陰極側室12cへ流す構成としているが、これは、前述したようにアルカリ耐性のない陰イオン交換膜16を用いる場合であり、これとは逆に、酸耐性のない陽イオン交換膜18を用いる場合には、陰極側室12cの第2排出口56cと陽極側室12bの第1流入口55bとを連結し、塩水を陰極側室12cから陽極側室12bへ流す構成とすればよい。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…電解槽、12…中間室、12b…陽極側室(第1室)、
12c…陰極側室(第2室)、14…陽極、16…陰イオン交換膜、
18…陽イオン交換膜、20…陰極、22…中間フレーム、
22a…隔壁(仕切り部材)、22c…多孔質膜、23…電解液供給部、
47…排水部、28…pH計測器、19b…第1排水配管、19c…第2排水配管、
55…流入口、55b…第1流入口、55c…第2流入口、56b…第1排水口、
56c…第2排水口

Claims (21)

  1. 陽極が設けられた陽極室と、陰極が設けられた陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に設けられた中間室と、前記陽極室と中間室との間を仕切る第1隔膜と、前記陰極室と中間室との間を仕切る第2隔膜と、を有する電解槽と、
    前記中間室に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記中間室から電解液を排水する排水部と、を備え、
    前記中間室は、透水性を有する仕切り部材により、前記第1隔膜を介して前記陽極室に接する第1室と、前記第2隔膜を介して前記陰極室に接する第2室とに仕切られている電解水生成装置。
  2. 前記排水部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通した第1排水口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通した第2排水口と、を備えている請求項1に記載の電解水生成装置。
  3. 前記電解液供給部は、電解液を貯溜する電解液容器と、この電解液容器から前記中間室の下部に電解液を送る供給配管と、を備え、
    前記排水部は、前記第1排水口に接続され前記第1室から電解液を排水する第1排水配管と、前記第1排水配管を通る電解液の一部あるいは全部を前記電解液容器に送る第1循環配管と、前記第2排水口に接続され前記第2室から電解液を排水する第2排水配管と、前記第2排水配管を通る電解液の一部あるいは全部を前記電解液容器に送る第2循環配管と、を備えている請求項2に記載の電解水生成装置。
  4. 前記排水部は、前記第1排水配管に設けられ、電解液の排水と前記第1循環配管への流入とを切換える第1弁と、前記第2排水配管に設けられ、電解液の排水と前記第2循環配管への流入とを切換える第2弁と、
    前記電解液供給部は、前記供給配管に設けられ電解液のpHを測定するpH計測器を備え、
    前記pH測定器によるpH測定値に応じて、前記第1弁および第2弁の切換えを制御するコントローラを更に備えている請求項3に記載の電解水生成装置。
  5. 前記排水部は、前記第1排水配管に設けられ前記第1室に作用する圧力を調整する第1圧力調整弁と、前記第2排水配管に設けられ前記第2室に作用する圧力を調整する第2圧力調整弁と、を備えている請求項3又は4に記載の電解水生成装置。
  6. 前記電解液供給部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通する第1流入口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通する第2流入口と、前記供給配管から分岐して前記第1流入口および第2流入口にそれぞれ接続された第1供給配管および第2供給配管と、前記第1供給配管に設けられた第1絞り弁と、前記第2供給配管に設けられた第2絞り弁と、を備えている請求項3又は4に記載の電解水生成装置。
  7. 前記仕切り部材は、多数の透孔が形成された隔壁を含んでいる請求項1から6のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  8. 前記仕切り部材は、多数の透孔が形成された隔壁と、この隔壁に重ねて設けられ前記透孔を覆う多孔質膜と、を含んでいる請求項1から6のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  9. 前記中間室の第1室および第2室は、互いにほぼ等しい容量を有している請求項1から8のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  10. 前記中間室の第1室および第2室は、互いに異なる容量を有している請求項1から8のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  11. 前記電解液供給部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通する第1流入口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通する第2流入口と、を有し、
    前記排水部は、前記第1排水口に接続され、前記第1排水口から排水された電解液を装置外に排出する第1排出配管を備えている請求項2に記載の電解水生成装置。
  12. 前記電解液供給部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通する第1流入口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通する第2流入口と、を有し、
    前記排水部は、前記第2排水口に接続され、前記2排水口から排水された電解液を装置外に排出する第2排出配管を備えている請求項2又は11に記載の電解水生成装置。
  13. 前記電解液供給部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通する第1流入口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通する第2流入口と、を有し、
    前記排水部は、前記第1排水口と第2流入口とを接続し、前記第1排水口から排水された電解液を前記第2流入口に送る連結配管を備えている請求項2に記載の電解水生成装置。
  14. 前記電解液供給部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通する第1流入口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通する第2流入口と、を有し、
    前記排水部は、前記第2排水口と第1流入口とを接続し、前記第2排水口から排水された電解液を前記第1流入口に送る連結配管を備えている請求項2に記載の電解水生成装置。
  15. 請求項1から10のいずれか1項に記載の電解水生成装置を用いて電解水を生成する電解水生成方法であって、
    前記電解槽の陽極室および陰極室に原水を供給し、
    前記中間室の第1室および第2室に電解液を供給し、
    前記陽極および陰極に通電して前記原水および電解液を電解し、
    前記第1室から排出される電解液と前記第2室から排出される電解液とをそれぞれ分離して回収し、前記第1室および前記第2室から排出される各電解液の一部または全てを排水し、前記中間室に供給する前記電解液のpHを制御することを特徴とする電解水生成方法。
  16. 前記第1室から排出される電解液の排水量よりも、前記第2室から排出される電解液の排水量を多くし、前記中間室に供給する前記電解液を酸性化することを特徴とする請求項15に記載の電解水生成方法。
  17. 前記第1室から排出される電解液の排水量よりも、前記第2室から排出される電解液の排水量を少なくし、前記中間室に供給する前記電解液をアルカリ性化することを特徴とする請求項15に記載の電解水生成方法。
  18. 前記中間室に供給する電解液のpHを計測し、計測したpHに応じて、前記第1室からの排出される電解液の排水量と前記第2室から排出される電解液の排水量とを調整し、前記中間室に供給する電解液を中性化することを特徴とする請求項15に記載の電解水生成方法。
  19. 陽極が設けられた陽極室と、陰極が設けられた陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に設けられた中間室と、前記陽極室と中間室との間を仕切る第1隔膜と、前記陰極室と中間室との間を仕切る第2隔膜と、を有する電解槽と、
    前記中間室に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記中間室から電解液を排水する排水部と、を備え、
    前記中間室は、透水性を有する仕切り部材により、前記第1隔膜を介して前記陽極室に接する第1室と、前記第2隔膜を介して前記陰極室に接する第2室とに仕切られ、
    前記排水部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通した第1排水口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通した第2排水口と、を備えている電解水生成装置を用いて電解水を生成する電解水生成方法であって、
    前記電解槽の陽極室および陰極室に原水を供給し、
    前記中間室の第1室および第2室に電解液を供給し、
    前記陽極および陰極に通電して前記原水および電解液を電解し、
    前記第1室から排出される前記電解液と前記第2室から排出される前記電解液とを排出し、前記第1室から排出される前記電解液の排水量よりも前記第2室から排出される前記電解液の排水量を多くし、前記第1室を酸性化することを特徴とする電解水生成方法。
  20. 陽極が設けられた陽極室と、陰極が設けられた陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に設けられた中間室と、前記陽極室と中間室との間を仕切る第1隔膜と、前記陰極室と中間室との間を仕切る第2隔膜と、を有する電解槽と、
    前記中間室に電解液を供給する電解液供給部と、
    前記中間室から電解液を排水する排水部と、を備え、
    前記中間室は、透水性を有する仕切り部材により、前記第1隔膜を介して前記陽極室に接する第1室と、前記第2隔膜を介して前記陰極室に接する第2室とに仕切られ、
    前記排水部は、前記電解槽に形成され前記第1室に連通した第1排水口と、前記電解槽に形成され前記第2室に連通した第2排水口と、を備えている電解水生成装置を用いて電解水を生成する電解水生成方法であって、
    前記電解槽の陽極室および陰極室に原水を供給し、
    前記中間室の第1室および第2室に電解液を供給し、
    前記陽極および陰極に通電して前記原水および電解液を電解し、
    前記第1室から排出される前記電解液と前記第2室から排出される前記電解液とを排出し、前記第2室から排出される前記電解液の排水量よりも前記第1室から排出される前記電解液の排水量を多くし、前記第2室をアルカリ性化することを特徴とする電解水生成方法。
  21. 請求項13又は14に記載の電解水生成装置を用いて電解水を生成する電解水生成方法であって、
    前記電解槽の陽極室および陰極室に原水を供給し、
    前記中間室の第1室または第2室に電解液を供給し、
    前記陽極および陰極に通電して前記原水および電解液を電解し、
    前記第1室から排出される前記電解液または前記第2室から排出される前記電解液を排出し、前記第1室または前記第2室のpHを制御することを特徴とする電解水生成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7052121B1 (ja) * 2021-05-26 2022-04-11 森永乳業株式会社 電解セル、及び電解水生成装置

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JP7052121B1 (ja) * 2021-05-26 2022-04-11 森永乳業株式会社 電解セル、及び電解水生成装置

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