JP2018030043A - 電解水生成装置 - Google Patents

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Masahiro Yokota
昌広 横田
英男 太田
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英男 太田
齋藤 誠
Makoto Saito
誠 齋藤
千草 尚
Hisashi Chigusa
尚 千草
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Abstract

【課題】生成する水のpHを正確に調整可能な電解水生成装置を提供する。【解決手段】実施形態によれば、電解水生成装置は、陽極14およびこの陽極を覆う陽極室15bと、陰極20およびこの陰極を覆う陰極室15cと、を有し、陰極室は、陽極室に接する陽極の面積よりも小さい面積で前記陰極にそれぞれ接する第1陰極室30aおよび第2陰極室30bを含んでいる電解槽11と、第1陰極室および第2陰極室のいずれか一方で生成された陰極生成物質と陽極室で生成された陽極生成物質とを混合して排出する混合排出部31と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電解水生成装置に関する。
水を電解して得られる様々な機能を有したものには、次亜塩素酸水、アルカリイオン水、水素水などがあり、電解水と呼ばれている。電解水の生成方法としては、例えば、塩素を含む電解液を電解することにより陽極で塩素ガスを生成し、この塩素ガスと水を反応させて次亜塩素酸水と塩酸水を生成する方法が知られている。次亜塩素酸水の利用法としては、殺菌消毒、除臭などが知られている。
しかしながら、生成した次亜塩素酸水は、塩酸を含むため酸性であり、pH5より酸性度が高くなると、次亜塩素酸と塩素ガスとの平衡反応により、酸性度に応じて塩素ガスを生じてしまう。そこで、従来では、次亜塩素酸水の次亜塩素酸濃度を、塩素ガスが人体に影響しない範囲、具体的には100ppm以下としているが、この場合、次亜塩素酸水の殺菌性などが制約されてしまう。
酸性の次亜塩素酸を中和する手段としては、酸性水にアルカリ性水を混合する方法が知られている。しかし、次亜塩素酸生成効率の高い電解槽では相対的に塩酸生成が抑制される。そのため、酸性水にアルカリ性水を全量混合してしまうと、混合水はアルカリ性となり、次亜塩素酸が殺菌性の弱い次亜塩素酸イオンに代わってしまう。陽極での塩素ガス生成を抑制して酸素ガス生成を増やすことで次亜塩素酸生成効率を低下させて塩酸生成を増やすことが考えられる。この場合、酸性水にアルカリ水を全量混合したときのpHを中性側にある程度調整することはできるが、次亜塩素酸生成の効率が著しく低下してしまう問題を生じる。
特許第3287649号公報 特許第3500173号公報 特許第4590668号公報 特許第4216892号公報
この発明の課題は、生成する水のpHを正確に調整可能な電解水生成装置を提供し、例えば、高濃度でも塩素ガスを生じにくく殺菌性と安全性に優れた次亜塩素酸水を生成できる電解水生成装置を提供することにある。
実施形態によれば、電解水生成装置は、陽極およびこの陽極を覆う陽極室と、陰極およびこの陰極を覆う陰極室と、を有し、前記陰極室は、前記陽極室に接する前記陽極の面積よりも小さい面積で前記陰極にそれぞれ接する第1陰極室および第2陰極室を含んでいる電解槽と、前記第1陰極室および第2陰極室のいずれか一方で生成された陰極生成物質と前記陽極室で生成された陽極生成物とを混合して排出する混合排出部と、を備えている。
図1は、第1の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図2は、第1の実施形態に係る電解水生成装置の電解槽を示す斜視図。 図3は、前記電解槽の分解斜視図。 図4は、図2の線A−Aに沿った前記電解槽の断面図。 図5は、前記電解槽の陰極室を構成する陰極カバーを示す斜視図。 図6は、前記電解槽の陽極室を構成する陽極カバーを示す斜視図。 図7は、前記電解槽の第1陰極室と第2陰極室の面積比率を変えた時の、電解水のpHとHOCI濃度との関係を示す図。 図8は、第1変形例に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図9は、第2変形例に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図10は、第2の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。 図11は、第2の実施形態に係る電解水生成装置の陰極室を構成する陰極カバーを示す斜視図。 図12は、第3の実施形態に係る電解水生成装置を概略的に示すブロック図。
以下に、図面を参照しながら、種々の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電解水生成装置全体の構成を概略的に示す図である。始めに、電解水生成装置全体の構成を説明する。図1に示すように、電解水生成装置は、いわゆる3室型の電解槽11を備えている。電解槽11は、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、陰イオン交換膜(第1隔膜)16および陽イオン交換膜(第2隔膜)18により、中間室15aと、中間室15aの両側に位置する陽極室15bおよび陰極室15cとに仕切られている。陽極室15b内に陽極14が設けられ、陰イオン交換膜16に対向している。陰極室15c内に陰極20が設けられ、陽イオン交換膜18に対向している。陽極14および陰極20は、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、中間室15aを挟んで、互いに対向している。
本実施形態において、陰極室15cは、隔壁により、第1陰極室30aおよび第2陰極室30bの2つに区画されている。第1陰極室30aおよび第2陰極室30bは、陰極20の面積の50%ずつに2分して、陰極20にそれぞれ接している。すなわち、第1および第2陰極室の陰極20に接する各々の面積は、陽極室15bが陽極14に接する面積よりも小さく、陽極面積(陰極面積)の50%となっている。
ここで述べている面積とは、陰極或いは陽極における電解水の生成に寄与する有効反応領域の面積のことであり、陰極におけるその有効反応領域の全面積と、陽極におけるその有効反応領域の全面積とを、ほぼ等しい大きさにしている。そして、本実施形態では、これら第1および第2陰極室において前記陰極に接する部分の面積を同じにすることで、個々の第1および第2陰極室における有効反応領域の面積のそれぞれの大きさが、陽極室に接する陽極の有効反応領域の全面積の大きさよりも小さく、約半分(50%)ほどになっている。
電解水生成装置は、電解槽11の中間室15aに電解液、例えば、飽和塩水を供給する電解液供給部19と、陽極室15bおよび陰極室15cに電解原水、例えば、水を供給する原水供給部21と、陽極14および陰極20に正電圧および負電圧をそれぞれ印加する電源23と、を備えている。更に、電解水生成装置は、陽極室15bで生成された酸性水(陽極生成物質)と第1および第2陰極室30a、30bのいずれか一方、例えば、第2陰極室30bで生成されたアルカリ性水(陰極生成物質)とを混合した後、排出する混合排出部31を備えている。
電解液供給部19は、飽和塩水を生成する塩水タンク25と、塩水タンク25から中間室15aの下部に飽和塩水を導く供給配管19aと、供給配管19a中に設けられた送液ポンプ29と、中間室15a内を流れた電解液を中間室15aの上部から塩水タンク25に送る排水配管19bと、を備えている。
原水供給部21は、水を供給する図示しない給水源と、給水源から陽極室15bの下部および第1陰極室30aの下部に水を導く給水配管21aと、第1陰極室30aを流れた水を第1陰極室30aの上部から排出する第3排水配管21cと、第3排水配管21c中に設けられた気液分離器27と、を備えている。
混合排出部31は、陽極室15bを流れた水を陽極室15bの上部から排出し第2陰極室30bの下部に導入する混合配管21fと、第2陰極室30bを流れた水を第2陰極室30bの上部から排出する第1排水配管21dと、を備えている。
上記のように構成された電解水生成装置により、実際に塩水を電解して酸性水(次亜塩素酸および塩酸)とアルカリ性水(水酸化ナトリウム)を生成する動作について説明する。
図1に示すように、送液ポンプ29を作動させ、電解槽11の中間室15aに飽和塩水を供給するとともに、陽極室15bおよび第1陰極室30aに水を給水する。同時に、電源23から正電圧および負電圧を陽極14および陰極20にそれぞれ印加する。
中間室15a内の塩水中において電離している塩素イオンは、陽極14に引き寄せられ、陰イオン交換膜16を通過して、陽極室15bへ流入する。そして、陽極14にて塩素イオンが還元され塩素ガスが発生する。その後、塩素ガスは陽極室15b内で水と反応して次亜塩素酸水と塩酸を生じる。このようにして生成された酸性水(次亜塩素酸水および塩酸)は、陽極室15bから混合配管21fを通って第2陰極室30bに流入する。
また、中間室15aへ流入した塩水中において電離しているナトリウムイオンは、陰極20に引き寄せられ、陽イオン交換膜18を通過して、第1および第2陰極室30a、30bへ流入する。陰極室15cにおいて、陰極20で水が電気分解されて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。ここで、陰極室15cは、陰極20を50%ずつ2分した第1陰極室30aと第2陰極室30bの2つで構成されている。そして、第1陰極室30aで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、第1陰極室30aから第3排水配管21cに流出し、気液分離器27により、水酸化ナトリウム水溶液と水素ガスとに分離される。分離された水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水)は、第3排水配管21cを通って排出される。
一方、第2陰極室30bで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、陽極室15bから送られた酸性水と混合され、混合された水は第2陰極室30bから第1排水配管21dを通って排水される。
このように、陰極室15cで生成されたアルカリ性水の50%は、第3排水配管21cから排出され、残り50%は、陽極室15bで生成された酸性水の100%と混合され、所望のpHの酸性水に調整した後、排出される。
次に、電解槽11の構成を詳細に説明する。図2は、電解槽の斜視図、図3は電解槽の分解斜視図、図4は図2の線A−Aに沿った電解槽の断面図である。
図2ないし図4に示すように、電解槽11は、矩形枠状の中間フレーム22と、中間フレーム22とほぼ等しい外径寸法を有し中間フレームの一側面を覆って内部に陽極室を構成する矩形板状の陽極カバー24と、中間フレーム22とほぼ等しい外径寸法を有し中間フレームの他側面を覆って内部に陰極室を構成する矩形板状の陰極カバー26と、を有している。中間フレーム22は、その内周面により中間室15aを形成している。陽極カバー24は、その内面に形成された凹所により陽極室15bを形成し、陰極カバー26はその内面に形成された凹所により陰極室15cを形成している。
中間フレーム22の下端に、中間室15aに連通する第1流入口が形成され、上端に中間室15aに連通する第1流出口36が設けられている。これら第1流入口および第1流出口36に供給配管19aおよび排水配管19b(図1参照)がそれぞれ接続される。
中間フレーム22と陽極カバー24との間に、第1隔膜として陰イオン交換膜16が配置され、中間室15aと陽極室15bを隔てている。陽極14は、陰イオン交換膜16と陽極カバー24との間に配置され、陽極室15bに対面しているとともに陰イオン交換膜16に近接対向している。
中間フレーム22と陰極カバー26との間に第2隔膜として陽イオン交換膜18が配置され、中間室15aと陰極室15cを隔てている。陰極20は、陽イオン交換膜18と陰極カバー26との間に配置され、陰極室15cに対面しているとともに陽イオン交換膜18に近接対向している。
各構成部材間、すなわち、陽極カバー24の周縁部と陽極14の周縁部との間、陽極14および陰イオン交換膜16の周縁部と中間フレーム22との間、中間フレーム22と陰極20および陽イオン交換膜18の周縁部との間、および、陰極20の周縁部と陰極カバー26の周縁部との間に、水漏れを防止するための枠状のシール材40がそれぞれ配置されている。
各構成部材の周縁部を貫通して複数の固定ボルト50が挿通され、例えば、陽極カバー24側から挿通され、その先端部が陰極カバー26から突出している。各固定ボルト50の先端部にナット52がねじ込まれている。締結部材としての固定ボルト50およびナット52により、各構成部材の周縁部同士が互いに締結され、中間室15a、電極室15b、15cの水密性を保持している。
次に、各構成部材についてより詳細に説明する。
図2ないし図4に示すように、陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18は、それぞれ中間フレーム22とほぼ等しい外径を有し、膜厚が約100〜200μm程度の薄い矩形平板状に形成されている。陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18は、特定のイオンのみを通過させる特性を有している。陰イオン交換膜16および陽イオン交換膜18の周縁部には、それぞれ固定ボルト50を挿通する複数の貫通孔が形成されている。
陰イオン交換膜16は、中間フレーム22の片面側に対向して配置され、その周縁部は、シール材40を介して、中間フレーム22に密着している。同様に、陽イオン交換膜18は、中間フレーム22の他面側に対向して配置され、その周縁部は、シール材40を介して、中間フレーム22に密着している。なお、第1隔膜および第2隔膜は、イオン交換膜に限らず、透水性を有する多孔質膜を用いてもよい。
陽極14および陰極20は、厚さ1mm程度の金属製の平板で形成され、中間フレーム22の外径とほぼ同一の外径を有する矩形状に形成されている。陽極14および陰極20の中央部(有効領域)には液体を通過させるための微細な貫通孔が形成され、電極の周縁部には固定ボルト50を挿通するための複数の貫通孔が形成されている。陽極14は、その一側縁から突出する接続端子14bを有している。同様に、陰極20は、その一側縁から突出する接続端子20bを有している。接続端子14b、20bは電源23に接続される。
陽極14は、陰イオン交換膜16に対向して配置され、陰イオン交換膜16に密着している。陰極20は、陽イオン交換膜18に対向して配置され、陽イオン交換膜18に密着している。
図5は、陰極カバーの内面側を示す斜視図である。図2ないし図5に示すように、陰極カバー26は、陰極20に対向する内面26aと、反対側の外面と、を有している。陰極カバー26の内面26aに矩形状の凹所が形成され、この凹所により陰極室15cを形成している。凹所の中央部に鉛直方向に延びる隔壁32が設けられ、この隔壁32により、陰極室15cは、第1陰極室30aと第2陰極室30bとに2分されている。第1および第2陰極室30a、30bは、それぞれ矩形状に形成され、ほぼ水平方向に並んで位置している。第1陰極室30aおよび第2陰極室30bは、それぞれ陰極20の有効反応領域の面積の50%に接している。すなわち、第1陰極室30aおよび第2陰極室30bは、陽極室15bに接する陽極14の面積よりも小さい面積で陰極20にそれぞれ接している。
第1陰極室30aおよび第2陰極室30bには、それぞれ水を流す複数の流路が設けられている。すなわち、第1陰極室30aを形成している凹所の底面に複数の直線状のリブ33aが立設され、例えば、鉛直方向(第2方向Y)に延びている。これらのリブ33aは、互いに平行に、かつ、所定の間隔を置いて、設けられている。隣合う2つのリブ33a間に、それぞれ鉛直方向に延びる直線状の第1流路34aが形成されている。
また、凹所の底面には、それぞれ第1陰極室30aの側縁に沿って延びた上下一対の横溝35aが形成されている。各横溝35aは第2流路を形成し、前述した複数の第1流路34aに連通している。横溝35aは、第1流路34aよりも深く形成され、複数の第1流路34aそれぞれに均一に水量が分配されるように設計されている。
陰極カバー26の一側面下部に第2流入口39aが形成され、下側の横溝35aの一端に連通している。陰極カバー26の一側面上部に第2流出口41aが形成され、上側の横溝35aの一端に連通している。これら第2流入口39aおよび第2流出口41aに給水配管21aおよび第3排水配管21cがそれぞれ接続される。
同様に、第2陰極室30bを形成している凹所の底面に複数の直線状のリブ33bが立設され、互いに平行に、かつ、所定の間隔を置いて、設けられている。隣合う2つのリブ33b間に、それぞれ鉛直方向に延びる直線状の第1流路34bが形成されている。また、凹所の底面には、それぞれ第2陰極室30bの側縁に沿って延びた上下一対の横溝35bが形成されている。各横溝35bは第2流路を形成し、前述した複数の第1流路34bに連通している。横溝35bは、第1流路34bよりも深く形成されている。
陰極カバー26の他側面下部に第3流入口39bが形成され、下側の横溝35bの一端に連通している。陰極カバー26の他側面上部に第3流出口41bが形成され、上側の横溝35bの一端に連通している。これら第3流入口39bおよび第3流出口41bに混合配管21fおよび第1排水配管21dがそれぞれ接続される。
図6は、陽極カバーの内面側を示す斜視図である。図4および図6に示すように、陽極カバー24は、陽極14に対向する内面24aと、反対側の外面と、を有している。陽極カバー24の内面24aに矩形状の凹所が形成され、この凹所により陽極室15bを形成している。陽極室15bは、陽極14の有効反応領域の面積の100%に接している。すなわち、陽極室15bの面積は、陽極14の有効反応領域の面積にほぼ一致している。
陽極室15bには、それぞれ水を流す複数の流路が設けられている。すなわち、陽極室15bは、それぞれ鉛直方向に延びる複数のリブ46により規定された複数の直線状の第1流路37と、陽極室15bの底面に形成された上下一対の横溝38aおよび左右一対の縦溝38bにより規定された第2流路とを有している。各横溝38aは、複数の第1流路37に連通している。
陽極カバー24の側面下部に第4流入口42が形成され、下側の第2流路に連通している。陽極カバー24の側面上部に第4流出口44が形成され、上側の第2流路に連通している。これら第4流入口42および第4流出口44に給水配管21aおよび混合配管21fがそれぞれ接続される。
以上のように構成された電解槽11において、電解動作時、給水配管21aから第4流入口42を通して陽極室15bに供給された水は、陽極17に接触しながら第2流路および第1流路37を通って流れ、塩素ガスと反応して酸性水を生成する。この酸性水は、第4流出口44から混合配管21fに送られ、更に、第3流入口39bから第2陰極室30bに流入する。酸性水は、陰極20に接触しながら第2流路35bおよび第1流路34bを流れる。第2陰極室30bにおいて、酸性水は陰極20で生成される水素ガスおよび水酸化ナトリウム水が混合される。このようにアルカリ性水が混合された酸性水は、第3流出口41bから第1排水配管21dを通り排出される。
また、給水配管21aから第2流入口39aを通して第1陰極室30aに供給された水は、陰極20に接触しながら第2流路35aおよび第1流路34aを通って流れる。第1陰極室30aにおいて、陰極20で水が電気分解されて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。第1陰極室30aで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、第2流出口41aから第3排水配管21cに流出し、気液分離器27により、水酸化ナトリウム水溶液と水素ガスとに分離される。分離された水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水)は、第3排水配管21cを通って排出される。
図7は、電解水生成装置で生成した生成水の次亜塩素酸濃度とpHとの関係を、第1陰極室30aと第2陰極室30bとの分割比率(面積比率)を変えて測定した結果を示している。使用した水はpH干渉効果のある成分を除去した純水としている。
まず、全くアルカリ性水を混合していない次亜塩素酸水のpHは3であり、次亜塩素酸(HOCl)濃度は90ppmであった。これは、電解槽11が次亜塩素酸を高効率で生成できるように隔膜のイオン透過率や隔膜と電極を密着して形成しているためで、これにより電解で与えた電荷量が酸素ガス生成にはほとんど使われずほぼ塩素ガス生成に使われ、生成した塩素ガスが1対1の比率で次亜塩素酸と塩酸に変わった計算値にほぼ一致している。
また、第2陰極室30bの面積比率が100%の場合、すなわち、陰極室15cで生成された全てのアルカリ性水を混合した次亜塩素酸水のpHは9であり、次亜塩素酸濃度は0ppmであった。これは、上述したように陽極室15bでは生成した塩素ガスが水と反応した際に1対1で塩酸と中性の次亜塩素酸が生成されるのに対して、陰極室では投入した電荷の全量が水素ガスおよび水酸化ナトリウム生成に利用されるためである。アルカリ性水の全てを混合すると、次亜塩素酸水は、pH9程度のアルカリ性となる。次亜塩素酸濃度が0ppmとなっているが、これはpH9では次亜塩素酸が次亜塩素イオンに代わってしまうためである。次亜塩素酸イオンでは殺菌性が低下するため、好ましくない。
本実施形態のように、アルカリ性水を混合する第2陰極室30bの陰極接触面積を陽極室の陽極接触面積の50%とした場合、すなわち、生成されたアルカリ性水の50%を混合する場合、次亜塩素酸水のpHは5〜6.5の微酸性となり、次亜塩素酸濃度も80ppmと高くなる。
混合する第2陰極室30bの陰極面積を陽極面積に対して変化させた場合、上述したアルカリ性水の混合無しと全量混合との間を、陰極面積増でアルカリ側寄り、陰極面積減で酸側寄りへ変動する。
生成する次亜塩素酸水がpH5より酸性度の強い水である場合、次亜塩素酸から塩素ガスが酸性度に応じて発生する。そのため、高濃度の次亜塩素酸は塩素ガス被毒の可能性を生じる。次亜塩素酸からの塩素ガス発生は、pH5以上ではほとんど生じないことから、アルカリ性水を混合した後の次亜塩素酸水のpHは5以上が望ましい。また、pH7を超えてアルカリ側になると、次亜塩素酸は次亜塩素酸イオンに変化して殺菌機能の低下を招く。このため、次亜塩素酸水のpHとしては5〜8が望ましい。
このような望ましいpHを実現する第2陰極室32bの面積比率、すなわち、陽極面積に対する第2陰極室32bの陰極面積の比率は、30〜80%である。本実施形態によれば、例えば、第1陰極室32aと第2陰極室32bとを仕切っている隔壁32の位置を調整することにより、各陰極室の面積、陰極と接触する陰極面積を任意に調整することができる。
以上のように、本実施形態に係る電解水生成装置によれば、電解槽11の陰極室15cを第1陰極室30aと第2陰極室30bとに区画分けし、一方の第2陰極室30bで生成されるアルカリ性水の全てを陽極室15bで生成される酸性水に混合することで、正確なpH制御を行うことができる。これは、アルカリ生成物は、水量とは無関係に電解電荷に比例して生成されるためである。電極のような低抵抗の板では、アルカリ生成物の生成量は、水と接触する領域の面積に比例し、酸性水量やアルカリ性水量とは無関係である。このため、電解水生成装置では、水量などを変えても、調整したpHが変動することがなく、結果的に100ppmを超える高濃度の次亜塩素酸水を生成した場合でも、塩素ガス被毒の問題は発生しない。
以上のことから、本実施形態によれば、生成する水のpHを正確に調整でき、中性域の次亜塩素酸水を生成することが可能な電極ユニット、およびこれを備える電解水生成装置を提供することができる。
なお、上述した実施形態では、2隔膜3室型の電解槽を用いているが、電解槽は、これに限らず、1隔膜2室型の構成としてもよい。電解液は塩水、生成水は次亜塩素酸水としたが、これらに限定されることなく、種々の電解液、生成水を適用することができる。本生成装置の本質は、混合する水を生成する陰極面積を陽極面積に対して規定することで正確に酸生成物にアルカリ生成物を混合するものであり、この作用が適用できるものであれば、どのような電解液、生成水でも適用可能である。
本実施形態では陽極室で生成された酸性水を第2陰極室に導きアルカリ性水と混合する構成としたが、流水する順序を限定するものではなく、逆に、酸性水を第1陰極室に送るようにしてもよい。また、第1陰極室および第2陰極室を適宜、切り替える構成としてもよい。このように陰極室を交互に切り替える場合、スケール防止を図ることもできる。
次に、変形例および他の実施形態に係る電解水生成装置について説明する。なお、以下に説明する変形例および他の実施形態において、前述した第1の実施形態と同一の部分には、同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に詳しく説明する。
(第1変形例)
図8は、第1変形例に係る電解水生成装置を示すブロック図である。この電解水生成装置の基本的な構成は第1の実施形態と同じである。
第1変形例によれば、陽極室15bの上部から酸性水を排出する第2排水配管21bは、第2陰極室30bに接続されることなく排出側に延出している。第2陰極室30bに給水配管21aから水を供給し、第2陰極室30bで生成したアルカリ性水を混合配管21fから排出する。混合配管21fは、3方弁(第1切換え弁)60を介して、第2排水配管21bに接続されている。3方弁60は、配管54bを介して第3排水配管21cに接続されている。
3方弁60を切換えることにより、第2陰極室30bで生成されたアルカリ性水を、混合配管21fから第2排水配管21bに送り酸性水に混合するか、あるいは、第3排水配管21cに送り、第1陰極室30aから送られたアルカリ性水と共に排出するか、選択することができる。本装置によれば、3方弁60により、アルカリ性水を混合すれば中性の次亜塩素酸水を、混合しなければ酸性の次亜塩素酸水を選定することが可能となる。
(第2変形例)
図9は、第2変形例に係る電解水生成装置を示すブロック図である。この電解水生成装置の基本的な構成は第1の実施形態および第1変形例と同じである。
第2変形例によれば、第1陰極室30aで生成されたアルカリ性水を排出する第3排水配管21cは、3方弁(第2切換え弁)62および配管54cを介して、第2排水配管21bに接続されている。3方弁62を切り替えることにより、第1陰極室30aで生成されたアルカリ性水を、第2排水配管21cに送り酸性水に混合するか、あるいは、酸性水と混合することなく第3排水配管21cを通って排出するか、選択することができる。
また、陽極室15bの上部から酸性水を排出する第2排水配管21bは、第2陰極室30bに接続されることなく排出側に延出している。第2陰極室30bに給水配管21aから水を供給し、第2陰極室30bで生成したアルカリ性水を混合配管21fから排出する。混合配管21fは、3方弁60および配管54bを介して、第2排水配管21bおよび第3排水配管21cに選択的に接続可能である。3方弁60を切換えることにより、第2陰極室30bで生成されたアルカリ性水を、混合配管21fから第2排水配管21bに送り酸性水に混合するか、あるいは、酸性水と混合することなく第3排水配管21cに送り、第1陰極室30aから送られたアルカリ性水と共に排出するか、選択することができる。
本装置によれば、3方弁60、62を適宜切換えることにより、陽極室15bで生成された酸性水に混合するアルカリ性水を、第1陰極室30aで生成されたアルカリ性水、第2陰極室30bで生成されたアルカリ性水のいずれか、または、両方に、選択することができる。
(第2の実施形態)
図10は、第2の実施形態に係る電解水生成装置を示すブロック図、図11は、第2の実施形態に係る電解水生成装置の電解槽を構成する陰極カバーを示す斜視図である。第1の実施形態において、電解槽11の陰極室15cは、第1、第2の2つに分割しているが、更に多数に分割し、3方弁などにより多段階に混合比率を選定できるようにしてもよい。第2の実施形態によれば、陰極室15cは、第1、第2、第3陰極室30a、30b、30cの3つに分割している。
図10に示すように、原水供給部21は、給水源から陽極室15bの下部および第1陰極室30aの下部に水を導く給水配管21aと、第1陰極室30aを流れた水を第1陰極室30aの上部から排出する第3排水配管21cと、第3排水配管21c中に設けられた気液分離器27と、を備えている。
混合排出部31は、陽極室15bを流れた水を陽極室15bの上部から排出し第2陰極室30bの下部および第3陰極室の下部に導入する混合配管21fと、第2陰極室30bを流れた水、および第3陰極室30cを流れた水を、第2および第3陰極室30b、30cの上部から排水する第1排水配管21dと、を備えている。更に、混合排出部31は、第3陰極室30cから延びる第1排水配管21dの中途部に設けられた3方弁64を有している。第2排水配管21dは、3方弁64を介して第3排水配管21cにも接続されている。すなわち、第3陰極室30cは、3方弁64を切り換えることにより、第1排水配管21dおよび第3排水配管21cのいずれかに選択的に接続することができる。
図11に示すように、電解槽11の陰極カバー26は、陰極20に対向する内面26aと、反対側の外面と、を有している。陰極カバー26の内面26aに矩形状の凹所が形成され、この凹所により陰極室15cを形成している。凹所の中央部に鉛直方向に延びる2つの隔壁32a、32bが設けられ、これらの隔壁32a、32bにより、陰極室15cは、第1陰極室30aと第2陰極室30bと第2陰極室30cとに3分されている。第1、第2、および第3陰極室30a、30b、30cは、それぞれ矩形状に形成され、ほぼ水平方向に並んで位置している。第1陰極室30a、第2陰極室30b、および第3陰極室30cは、それぞれ陰極20の有効反応領域の面積の約33%に接している。すなわち、第1、第2、第3陰極室30a、30b、30cは、陽極室15bに接する陽極14の面積よりも小さい面積で陰極20にそれぞれ接している。
第1、第2、第3陰極室30a、30b、30cには、それぞれ水を流す複数の流路が設けられている。すなわち、第1陰極室30aには、複数の直線状のリブ33aにより、それぞれ鉛直方向に延びる複数の直線状の第1流路34aが形成されている。第1陰極室30aの側縁に沿って延びた上下一対の横溝35aが形成されている。各横溝35aは第2流路を形成し、前述した複数の第1流路34aに連通している。
陰極カバー26の一側面下部に第2流入口39aが形成され、下側の横溝35aの一端に連通している。陰極カバー26の一側面上部に第2流出口41aが形成され、上側の横溝35aの一端に連通している。これら第2流入口39aおよび第2流出口41aに給水配管21aおよび第3排水配管21cがそれぞれ接続される。
第2陰極室30bには、それぞれ鉛直方向に延びる複数の直線状の第1流路34b、およびそれぞれ水平方向に延びる上下一対の横溝35bからなる第2流路が形成されている。陰極カバー26の他側面下部に第3流入口39bが形成され、下側の横溝35bの一端に連通している。陰極カバー26の他側面上部に第3流出口41bが形成され、上側の横溝35bの一端に連通している。これら第3流入口39bおよび第3流出口41bに混合配管21fおよび第1排水配管21dがそれぞれ接続される。
同様に、第3陰極室30cには、それぞれ鉛直方向に延びる複数の直線状の第1流路34c、およびそれぞれ水平方向に延びる上下一対の横溝35cからなる第2流路が形成されている。陰極カバー26の下側面ほぼ中央部に第4流入口39cが形成され、下側の横溝35cの一端に連通している。陰極カバー26の上側面ほぼ中央部に第4流出口41cが形成され、上側の横溝35cの一端に連通している。これら第4流入口39cおよび第4流出口41bに混合配管21fおよび第1排水配管21dがそれぞれ接続される。
なお、電解水生成装置の他の基本構成は、第1の実施形態と同一である。
上記のように構成された第2の実施形態に係る電解水生成装置によれば、図10に示すように、陽極室15bで生成された酸性水(次亜塩素酸水および塩酸)は、陽極室15bから混合配管21fを通って第2陰極室30bおよび第3陰極室30cに流入する。また、中間室15aへ流入した塩水中において電離しているナトリウムイオンは、陰極20に引き寄せられ、陽イオン交換膜18を通過して、第1、第2、第3陰極室30a、30b、30cへ流入する。各陰極室において、陰極20で水が電気分解されて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。ここで、陰極室は、陰極20を33%ずつ3分した第1陰極室30a、第2陰極室30b、第3陰極室30cの3つで構成されている。そして、第1陰極室30aで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、第1陰極室30aから第3排水配管21cに流出し、気液分離器27により、水酸化ナトリウム水溶液と水素ガスとに分離される。分離された水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水)は、第3排水配管21cを通って排出される。
一方、第2陰極室30bで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、陽極室15bから送られた酸性水と混合され、混合された水は第2陰極室30bから第1排水配管21dを通って排水される。また、第3陰極室30cで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、陽極室15bから送られた酸性水と混合される。3方弁64を切換えることにより、第3陰極室30cで生成された混合水を、第3排水配管21cに送ってアルカリ性水と共に排出するか、あるいは、第1排水配管21dに送って他の混合水と混合するか、を選択することができる。
このように、陰極室15cで生成されたアルカリ性水の33%は、第3排水配管21cから排出され、残り33%あるいは66%は、陽極室15bで生成された酸性水の100%と混合され、所望のpHの酸性水に調整した後、排出される。そして、3方弁64を切り換えることにより、アルカリ性水の混合比率およびpHを2段階に選定することができる。その他、第2の実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図12は、第3の実施形態に係る電解水生成装置を示すブロック図である。第3の実施形態によれば、電解水生成装置は、複数、例えば、2つの同一構造の電解槽を備え、2つの電解槽の陽極室で生成された酸性水に、一方の電解槽の陰極室で生成されたアルカリ性水のみを混合することにより、所望pHの水を生成する。すなわち、生成した酸性水の100%に対して、生成したアルカリ性水の50%を混合する構成としている。
詳細に説明すると、図12に示すように、電解水生成装置は、第1電解槽11aおよび第2電解槽11bを備えている。本実施形態において、第1電解槽11aおよび第2電解槽11bは、同一の構成および同一の寸法に形成されている。必要に応じて、電解槽を互いに異なる寸法に形成してもよい。
第1電解槽11aは、偏平な矩形箱状に形成され、その内部は、陰イオン交換膜(第1隔膜)16および陽イオン交換膜(第2隔膜)18により、中間室15aと、中間室15aの両側に位置する陽極室15bおよび陰極室15cとに仕切られている。陽極室15b内に陽極14が設けられ、陰イオン交換膜16に対向している。陰極室(第1陰極室)15c内に陰極20が設けられ、陽イオン交換膜18に対向している。陽極14および陰極20は、ほぼ等しい大きさの矩形板状に形成され、中間室15aを挟んで、互いに対向している。これより、第1電解槽11aにおける陽極14の有効反応領域の面積と陰極20における有効反応領域の面積とは、ほぼ等しい大きさになっている。
第2電解槽11bは第1電解槽11aと同様に構成され、中間室15aと、中間室15aの両側に位置する陽極室15bおよび陰極室(第2陰極室)15cとを有している。これより、第2電解槽11bにおける陽極14の有効反応領域の面積と陰極20における有効反応領域の面積とは、ほぼ等しい大きさになっている。
本実施形態に示す電解水生成装置では、第1電解槽11aにおける陽極14の有効反応領域の面積と第2電解槽11bにおける陽極14の有効反応領域の面積とを合わせた陽極の有効反応領域の全面積の大きさと比べて、第1電解槽11aにおける陰極20の有効反応領域の面積、或いは、第2電解槽11bにおける陰極20の有効反応領域の面積の方が、それぞれ小さくなっている。
電解水生成装置は、第1、第2電解槽11a、11bの中間室15aに電解液、例えば、飽和塩水を供給する電解液供給部19と、陽極室15bおよび陰極室15cに電解原水、例えば、水を供給する原水供給部21と、陽極14および陰極20に正電圧および負電圧をそれぞれ印加する電源23と、を備えている。更に、電解水生成装置は、両方の電解槽の陽極室15bで生成された酸性水(陽極生成物質)と、第1および第2電解槽11a、11bのいずれか一方、例えば、第1電解槽11aの陰極室15cで生成されたアルカリ性水(陰極生成物質)とを混合した後、排出する混合排出部31を備えている。
電解液供給部19は、飽和塩水を生成する塩水タンク25と、塩水タンク25から中間室15aの下部に飽和塩水を導く供給配管19aと、供給配管19a中に設けられた送液ポンプ29と、中間室15a内を流れた電解液を中間室15aの上部から塩水タンク25に送る排水配管19bと、を備えている。
原水供給部21は、水を供給する図示しない給水源と、給水源から第2電解槽11bの陽極室15bおよび陰極室15cの下部、並びに、第1電解槽11aの陰極室15cの下部に水を導く給水配管21aと、第2電解槽11bの陰極室15cで生成された水を陰極室15cの上部から排出する第3排水配管21cと、第3排水配管21c中に設けられた気液分離器27と、を備えている。
混合排出部31は、第1電解槽11aの陰極室15cを流れた水(アルカリ性水)を陰極室15cの上部から排出し第1電解槽11aの陽極室15bの下部に導入する混合配管21fと、第1および第2電解槽11a、11bの陽極室15bを流れた水(酸性水)をこれらの陽極室15bの上部から排出し混合する第2排水配管21bと、を備えている。
上記のように構成された電解水生成装置により、塩水を電解して酸性水(次亜塩素酸および塩酸)とアルカリ性水(水酸化ナトリウム)を生成する動作について説明する。
図12に示すように、送液ポンプ29を作動させ、電解槽11の中間室15aに飽和塩水を供給するとともに、第1電解槽11aの陰極室15c、および第2電解槽11bの陽極室15bおよび陰極室15cに水を給水する。同時に、電源23から正電圧および負電圧を両電解槽11a、11bの陽極14および陰極20にそれぞれ印加する。
各電解槽の中間室15a内へ流入した塩水中において電離しているナトリウムイオンは、陰極20に引き寄せられ、陽イオン交換膜18を通過して、陰極室15cへ流入する。陰極室15cにおいて、陰極20で水が電気分解されて水素ガスと水酸化ナトリウム水溶液が生成される。第2電解槽11bの陰極室15cで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、陰極室15cから第3排水配管21cに流出し、気液分離器27により、水酸化ナトリウム水溶液と水素ガスとに分離される。分離された水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水)は、第3排水配管21cを通って排出される。
一方、第1電解槽11aの陰極室15cで生成された水酸化ナトリウム水溶液および水素ガスは、混合配管21fを通って第1電解槽11aの陽極室15bへ送られる。
また、各電解槽の中間室15a内の塩水中において電離している塩素イオンは、陽極14に引き寄せられ、陰イオン交換膜16を通過して、陽極室15bへ流入する。そして、陽極14にて塩素イオンが還元され塩素ガスが発生する。その後、塩素ガスは陽極室15b内で水と反応して次亜塩素酸水と塩酸を生じる。このようにして第1電解槽11aの陽極室15bで生成された酸性水(次亜塩素酸水および塩酸)は、陰極室15cから送られたアルカリ性水と混合され、混合された水は陽極室15bから第2排水配管21bを通って排水される。第2電解槽11bの陽極室15bで生成された酸性水は、陽極室15bから第2排水配管21bを通って排水され、その際、第1電解槽11aの陽極室15bから排水された混合水と更に混合される。
このように、一方の電解槽11aで生成されたアルカリ性水は、第1および第2電解槽11a、11bの両方で生成された酸性水に混合され、所望のpHの酸性水に調整した後、排出される。また、他方の電解槽11bで生成されたアルカリ性水は、混合されることなく、第3排水配管21cから排出される。2つの電解槽11a、11bを設置し、一方の電解槽11aでは陰極室15cで生成した水を陽極室15bに給水して、結果的に陽極面積比率で50%の陰極面積で生成されるアルカリ生成物を酸性水中に混合させている。
以上のことから、第3の実施形態によれば、生成する水のpHを正確に調整でき、中性域の次亜塩素酸水を生成することが可能な電解水生成装置を提供することができる。なお、電解槽の数は、2つに限らず、3つ以上としてもよく、この場合、混合比率を変えて、種々のpHの水を生成することができる。また、2つの電解槽の寸法、特に、陰極および陽極の寸法が第1電解槽と第2電解槽とで互いに異なるように構成してもよい。この場合、生成する水のpHに応じて、寸法を選択することができる。
本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
11…電解槽、11a…第1電解槽、11b…第2電解槽、14…陽極、
15a…中間室、15b…陽極室、15c…陰極室、16…陰イオン交換膜、
18…陽イオン交換膜、20…陰極、21a…給水配管、21d…第1排水配管、
21b…第2排水配管、21c…第3排水配管、21f…混合配管、
22…中間フレーム、24…陽極カバー、26…陽極カバー、30a…第1陰極室、
30b…第2陰極室、30c…第3陰極室、32…混合排出部、
60、62、64…3方弁

Claims (12)

  1. 陽極およびこの陽極を覆う陽極室と、陰極およびこの陰極を覆う陰極室と、を有し、前記陰極室は、前記陽極室に接する前記陽極の面積よりも小さい面積で前記陰極にそれぞれ接する第1陰極室および第2陰極室を含んでいる電解槽と、
    前記第1陰極室および第2陰極室のいずれか一方で生成された陰極生成物質と前記陽極室で生成された陽極生成物質とを混合して排出する混合排出部と、
    を備える電解水生成装置。
  2. 前記混合により生成される水のpHが5〜8である請求項1に記載の電解水生成装置。
  3. 前記混合により生成される水の有効塩素濃度が100ppm以上である請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
  4. 前記陽極室が接する前記陽極の面積に対する前記一方の陰極室が接する陰極面積の比率は30〜80%である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  5. 前記混合排出部は、前記陽極室で生成される水を前記一方の陰極室に導入する混合配管と、前記一方の陰極室内で混合された水を排出する第1排水配管と、を備えている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  6. 前記混合排出部は、前記陽極室で生成された水を排出する第2排水配管と、前記一方の陰極室で生成された水を前記陽極室に導入する混合配管と、を備えている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  7. 前記混合排出部は、前記陽極室で生成された水を排出する第2排水配管と、前記一方の陰極室で生成された水を前記第2排水配管に導入する混合配管と、を備えている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  8. 前記第1陰極室および第2陰極室の他方の陰極室で生成された水を排出する第3排水配管を備え、
    前記混合排出部は、前記混合配管の中途部に設けられた第1切換え弁と、前記第1切換え弁と前記第3排水配管に接続した配管と、を備え、前記第1切換え弁により、前記混合配管を通る水を前記第2排水配管あるいは前記第3排水配管へ選択的に送る請求項7に記載の電解水生成装置。
  9. 前記第3排水配管の中途部に設けられた第2切換え弁と、前記第2切換え弁と前記第2排水配管と接続する配管と、を備え、前記第1切換え弁および第2切換え弁を切換えることにより、前記第1陰極室あるいは第2陰極室で生成された水を前記第2排水配管へ送り、前記陽極室で生成された水と混合する請求項8に記載の電解水生成装置。
  10. 前記陰極室は、前記陽極室に接する前記陽極の面積よりも小さい面積で前記陰極にそれぞれ接する第1陰極室、第2陰極室、および第3陰極室に分けられ、
    前記混合排出部は、前記第2陰極室で生成された陰極生成物質および第3陰極室で生成された陰極生成物質の一方あるいは両方と前記陽極室で生成された陽極生成物質とを選択的に混合して排出する請求項1に記載の電解水生成装置。
  11. 前記電解槽は、前記陰極を構成する陰極カバーを備え、
    前記陰極カバーは、前記陰極に対向し陰極室を形成する凹所と、前記凹所に設けられ、陰極室を前記第1陰極室と第2陰極室とに区画した隔壁と、前記第1陰極室内に形成された水が流れる流路と、前記第2陰極室内に形成され水が流れる流路とを有している請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電解水生成装置。
  12. 陽極およびこの陽極を覆う陽極室と、陰極およびこの陰極を覆う第1陰極室と、を有する第1電解槽と、
    陽極およびこの陽極を覆う陽極室と、陰極およびこの陰極を覆う第2陰極室と、を有する第2電解槽と、
    前記第1電解槽の第1陰極室で生成された陰極生成物質を、前記第1および第2電解槽の陽極室で生成された陰極生成物質と混合し排出する混合排出部と、
    を備える電解水生成装置。
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