JP2017168644A - 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び基板処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱プロセス−ガス交互供給成膜法において、400℃以下の成膜温度で良質な窒化膜を形成する技術を提供する。【解決手段】処理室内の基板の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、基板の表面に窒化膜を形成する工程を有し、窒化膜を形成する工程では、処理室内の基板に対して、ハロゲン化合物原料を供給する工程と、処理室内の基板に対して、窒素含有化合物原料を供給する工程と、を少なくとも含むサイクルを、窒化膜が所要の膜厚となるまで繰り返すとともに、窒素含有化合物原料として、アンモニアを含む2種以上の原料を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、窒化膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法及び当該工程で用いられる基板処理装置に関するものである。
窒化膜は、物理的、化学的、電気的及び機械的特性に起因して、多くの用途に幅広く用いられている。例えば、シリコン窒化(SiN)膜は、トランジスタを形成する際、ゲート絶縁膜やサイドウォールスペーサー等に用いられている。また、チタン窒化(TiN)膜、タンタル窒化(TaN)膜、タングステン窒化(WN)膜は、集積回路の配線のバリア膜などに用いられている。
シリコン窒化膜の製造方法としては、例えば、ジクロロシラン(DCS:Dichlorosilane)とアンモニア(NH)とを用いるホットウォール型低圧化学気相成長法(LPCVD:Low pressure chemical deposition)によって、600〜750℃の成膜温度で形成する方法が知られている。一方、Fin FETなどの3次元トランジスタでは、チャネル材料をシリコンからシリコンゲルマニウム、ゲルマニウムへと変更することが求められおり、チャネル形成後のシリコン窒化膜の成膜温度としては、上記ゲルマニウムの性質上、400℃以下にすることが不可欠である。しかしながら、上記シリコン窒化膜形成技術において、400℃以下の成膜温度では良質な膜質のシリコン窒化膜が得られていないのが実状であった。
ところで、近年、微細化や高集積化が進み、集積回路の水平寸法、垂直寸法が縮小し続ける中で、Åオーダーの膜厚制御、ならびに良好なカバレッジ特性を有する薄膜形成技術が求められている。
一般的に、上記要求による窒化膜の製造は、原料ガスと窒化源である反応ガスとを、それぞれ交互にチャンバへ供給することで行われる。基板表面に吸着した原料化合物が、熱エネルギーによって、窒化反応ガスと化学反応を生じて薄膜を形成する方法である。なお、以後原料ガスと反応ガスを交互に供給し薄膜を形成する方法をガス交互供給成膜法と称するものとする。
また、ガス交互供給成膜法には、反応ガスをプラズマ活性化させた状態で供給する、プラズマ援用方式がある。このプラズマ援用方式では、窒化膜を形成する際に成膜温度を低くできるというメリットがあるが、下地基板へのダメージの影響が避けられない点、ステップカバレッジが良好でない点といった大きなデメリットが存在する。
一方、プラズマを用いずに反応ガスを供給する方式は、熱プロセス−ガス交互供給成膜法である。上述したように、プラズマ援用方式では大きなデメリットが存在するため、熱プロセス−ガス交互供給成膜法を用いた低温窒化膜製造技術の中で、窒化源の開発が多くなされている。具体的には、現在の代表的な窒化反応ガスであるアンモニア(NH)の代替ガスとして、アミン化合物やヒドラジン化合物を用いることが知られている。例えば、非特許文献1には、窒化反応ガスとしてモノメチルヒドラジン(NHNH)を用いた、シリコン窒化膜の形成技術が開示されている。
S.Morishita et al.,Appl.Surf.Sci.112,198(1997)
しかしながら、非特許文献1に開示されているように、熱プロセス−ガス交互供給成膜法において、窒化反応ガスとしてアンモニアに替えてヒドラジン化合物を用いた場合、上記ヒドラジン化合物の反応性が高いために400℃以下の成膜温度で窒化膜を形成することができるが、ヒドラジン化合物が有するN−N結合が窒化膜中に残留してしまうため、粗な膜構造になってしまうという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、熱プロセス−ガス交互供給成膜法において、400℃以下の成膜温度で良質な窒化膜を形成する技術を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、処理室内の基板の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、前記基板の表面に窒化膜を形成する工程を有し、前記窒化膜を形成する工程では、前記処理室内の前記基板に対して、ハロゲン化合物原料を供給する工程と、前記処理室内の前記基板に対して、窒素含有化合物原料を供給する工程と、を少なくとも含むサイクルを、前記窒化膜が所要の膜厚となるまで繰り返すとともに、前記窒素含有化合物原料として、アンモニアを含む2種以上の原料を用いる技術が提供される。
本発明によれば、熱プロセス−ガス交互供給成膜法において、400℃以下の成膜温度で、良質な窒化膜を得ることが可能となる。
本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を示す断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である窒化膜を形成する工程を有する半導体装置の製造方法について、それに適用可能な基板処理装置の構成とともに図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明を適用した一実施形態において、半導体装置の製造工程の一工程として行う窒化膜の形成方法は、ガス交互供給成膜法(特に、熱プロセス−ガス交互供給成膜法)を用い、400℃以下の成膜温度において、ハロゲン化合物原料ガスと、アンモニア(NH)を含む2種類以上で構成される窒素含有化合物原料ガスとを交互に供給することにより、基板の表面上に良質な窒化膜を形成する方法である。
<成膜装置>
先ず、本実施形態の窒化膜の形成方法に用いる基板処理装置としての成膜装置の構成の一例について図1を参照しつつ説明する。
図1に示すように、本実施形態に適用可能な成膜装置202は、基板200を収容する処理室201と、処理室201内の基板200を加熱するヒータ(加熱手段)207と、処理室201内にハロゲン化合物原料のガスを供給する第1原料ガス供給系と、処理室201内に窒素含有化合物原料のガスを供給する第2原料ガス供給系と、処理室201内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給系と、制御部121と、を備えて概略構成されている。この成膜装置202は、処理室201内の基板200の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、ガス交互供給成膜法によって基板200の表面に窒化膜を成膜する装置である。
図1に示すように、成膜装置202は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなる、円筒形状の反応管(チャンバ)203を備えており、この反応管203の内側の空間が処理室201となっている。処理室201には、シリコンウエハ等の基板200を水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で収容可能な支持具としてのステージ(ボート)217が設けられている。
ヒータ207は、円筒形状であり、反応管203の外側に配設されている。なお、成膜装置202は、加熱手段として、反応管203の内側に設けられたステージ217にヒータをさらに設ける構成としてもよい。
処理室201内には、ノズル249a,249bが、反応管203の下部を貫通するように設けられている。ノズル249a,249bには、ガス供給管232a,232bがそれぞれ接続されている。なお、ガス供給管232aには、ガス供給管232dが接続されている。また、ガス供給管232bには、ガス供給管232c,232eが接続されている。このように、反応管203には、2本のノズル249a,249bを介して、5本のガス供給管232a〜232eが接続されており、処理室201内へ複数種類のガスを供給することができるように構成されている。
具体的には、ガス供給管232aは、ハロゲン化合物原料を供給するためのガス供給配管である。また、ガス供給管232bは、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)を供給するためのガス供給配管である。また、ガス供給管232cは、上記アンモニア以外の窒素含有化合物原料を供給するためのガス供給配管である。
また、ガス供給管232dは、ハロゲン化合物原料の共存ガスを供給するためのガス供給配管である。また、ガス供給管232eは、窒素含有化合物原料の共存ガスを供給するためのガス供給配管である。
各ガス供給管には、流量制御器であるマスフローコントローラ(以下、単に「MFC」と示す)が設けられている。また、各ガス供給管には、上記MFCの二次側であってノズル249a又はノズル249bとの接続箇所との一次側に、開放弁であるバルブがそれぞれ設けられている。
具体的には、ガス供給管232aには、ハロゲン化合物原料ガスの流量を制御するために、MFC241aおよびバルブ243aが設けられている。また、ガス供給管232bには、アンモニア(NH)の流量を制御するために、MFC241bおよびバルブ243bが設けられている。また、ガス供給管232cには、上記アンモニア以外の窒素含有化合物原料の流量を制御するために、MFC241cおよびバルブ243cが設けられている。また、ガス供給管232dには、ハロゲン化合物原料ガスの共存ガスの流量を制御するために、MFC241dおよびバルブ243dが設けられている。また、ガス供給管232eには、窒素含有化合物原料ガスの共存ガスの流量を制御するために、MFC241eおよびバルブ243eが設けられている。
ここで、ノズル249aに接続されるガス供給管232a,232dが、処理室201内にハロゲン化合物原料のガスを供給する第1原料ガス供給系を構成する。また、ノズル249bに接続されるガス供給管232b,232c,232eが処理室201内に窒素含有化合物原料のガスを供給する第2原料ガス供給系を構成する。これにより、ハロゲン化合物原料ガスと共存ガスとを所要の流量比で混合したガスを、ノズル249aを介して処理室201内に供給することができる。また、2種以上の窒素含有化合物原料のガスと共存ガスとを所要の流量比で混合したガスを、ノズル249aを介して処理室201内に供給することができる。さらには、窒素含有化合物原料と共存ガスとを混合したガスを、一種類ずつ個別に処理室201内に供給することもできる。
なお、本実施形態の成膜装置202では、窒素含有化合物原料としてアンモニアを含む2種の原料を用いる場合を例として説明するが、3種以上の原料を用いる場合には対応するガス供給配管を含むように第2原料ガス供給系を構成してもよい。
本実施形態の成膜装置202では、ハロゲン化合物原料または窒素含有化合物原料の共存ガスとして不活性ガスを用いる場合、ガス供給管232d及びガス供給管232eのいずれか一方又は両方によって、処理室201内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給系としてもよい。なお、ハロゲン化合物原料または窒素含有化合物原料の共存ガスとしていずれも不活性ガスを用いない場合、処理室201内に不活性ガスを供給するためのガス供給配管を別途設け、これを不活性ガス供給系としてもよい。
また、反応管203の下部には、処理室201内の雰囲気を排出するための排気配管231が設けられている。この排気配管231には、処理室201内の圧力を調整するための圧力センサ245及び自動圧力制御バルブ(APC:Auto Pressure Controller)244と、処理室201内を真空にするための真空排気装置(真空ポンプ)246と、が設けられている。
制御部121は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶装置、I/Oポート等を備えて、概略構成されている。なお、上記記憶装置(図示略)内には、成膜装置202の動作を制御する制御プログラムや、後述する成膜処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。また、上記I/Oポート(図示略)には、上述したMFC241a〜241e、バルブ243a〜243e、圧力センサ245、自動圧力制御バルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207等が接続されている。
このような構成の制御部121により、処理室201内の基板200の表面温度が400℃以下の所要の温度に制御することができる。また、制御部121により、処理室201内の基板200に対してハロゲン化合物原料のガスを供給する第1の供給処理と、基板200に対して2種以上の窒素含有化合物原料のガスを供給する第2の供給処理と、を交互に繰り返すように各ガス供給系の制御を行うことができる。すなわち、上述した成膜装置202により、本実施形態の窒化膜の形成方法に適した処理条件に応じて、窒化膜の成膜を実行することができる。
なお、上述した成膜装置202の構成は一例であり、これに限定されるものではない。具体的には、上述した成膜装置202では、基板200を収容する垂直方向に多段に整列した状態で保持する縦型炉の構成を説明したが、円板状のステージ上に基板を配置する枚葉式の構成としてもよい。
また、上述した成膜装置202では、ガス供給管232bにガス供給管232c,232eが接続されて合流した後、ノズル249bに直接接続された構成を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ガス供給管232bの、ガス供給管232c,232eとの接続箇所と、ノズル249bとの接続箇所との間に、混合室を設ける構成としてもよい。
<窒化膜の形成方法>
次に、上述した成膜装置202を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板200の表面に窒化膜を形成する方法の一例について説明する。
本実施形態における窒化膜の形成方法は、処理室201内の基板200の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、ガス交互供給成膜法によって基板200の表面に窒化膜を形成する方法である。具体的には、処理室201内の基板200に対して、ハロゲン化合物原料のガスを供給する工程(原料ガス供給工程A)と、処理室201内の基板200に対して、窒素含有化合物原料のガスを供給する工程(原料ガス供給工程B)と、を少なくとも含むサイクルを1サイクルとし、このサイクルを窒化膜が所要の膜厚となるまで繰り返すものであり、窒素含有化合物原料として、アンモニアを含む2種以上の原料を用いる。
以下、詳細に説明する。
まず、制御部121によってヒータ207を制御して、処理室201内に収容された基板200を、基板200の表面温度が400℃以下の所要の設定温度となるように加熱する。
(第1の工程)
次に、第1の工程として、処理室201内の基板200に対して、ハロゲン化合物原料のガスを供給する工程(原料ガス供給工程A)を実行する。具体的には、基板200の表面温度が設定温度となった後、真空ポンプ246を作動させて処理室201内の雰囲気を排気配管231から外部に排出する。
次いで、真空下でハロゲン化合物原料のガスを処理室201内に供給する。具体的には、ガス供給管232aに設けたMFC241aおよびバルブ243aによってハロゲン化合物原料ガスの流量を制御し、ガス供給管232dに設けたMFC241dおよびバルブ243dによって共存ガスの流量を制御して、所要の濃度のハロゲン化合物原料のガスを処理室201内に供給する。これにより、基板200の表面とハロゲン化合物との化学吸着反応が生じる。
ここで、ハロゲン化合物原料としては、特に限定されるものではないが、例えば、シリコン、チタン、タンタル、タングステン及びモリブテンのうち、いずれかを含むハロゲン化合物を用いることができる。上記ハロゲン化合物のうち、化学式「MCl(x=1〜2、y=4〜10、M=Si,Ti,Ta,W,Moの中から少なくとも1種類以上を含む)」で表されるものの中から選択されるものが好ましい。これらの中でも、テトラクロロシラン(SiCl)、ヘキサクロロジシラン(SiCl)、四塩化チタン(TiCl)、四ヨウ化チタン(TiI)、四臭化チタン(TiBr)の中から選択されるものが特に好ましい。
また、ハロゲン化合物原料ガスの共存ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム(He)ガス、窒素(N2)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガス、水素(H)ガスを用いることができる。
また、ハロゲン化合物原料ガスと共存ガスとを混合して供給する場合、ハロゲン化合物原料ガスと共存ガスとの体積流量比が、1:1〜1:100の範囲とすることが好ましい。
(第2の工程)
次に、第2の工程では、上述した化学吸着反応後にハロゲン化合物原料ガスの供給を停止し、処理室201内に残留する未反応のハロゲン化合物原料ガスのパージ除去を実行する。具体的には、ガス供給管232aに設けたバルブ243a及びガス供給管232dに設けたバルブ243dを閉止した後、真空ポンプ246を作動させて処理室201内に残留するハロゲン化合物原料ガスを排気配管231から外部に排出する。
なお、第2の工程では、例えば、ヘリウム(He)ガス、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスをパージガスとして用いてもよい。具体的には、不活性ガス供給系を構成するいずれかのガス供給管からパージガスを処理室201内に供給した後、真空排気することを1回以上行う。これにより、ハロゲン化合物原料ガスをより除去することができる。
(第3の工程)
次に、第3の工程として、処理室201内の基板200に対して、窒素含有化合物原料のガスを供給する工程(原料ガス供給工程B)を実行する。具体的には、ガス供給管232bに設けたMFC241bおよびバルブ243bによってアンモニア(NH)の流量を制御し、ガス供給管232cに設けたMFC241cおよびバルブ243cによって上記アンモニア以外の窒素含有化合物原料の流量を制御し、ガス供給管232eに設けたMFC241eおよびバルブ243eによって窒素含有化合物原料ガスの共存ガスの流量を制御するとともに、アンモニア(NH)を含む2種類以上の窒素含有化合物原料ガスと共存ガスとを予め混合した状態で処理室201内に供給する。これにより、上記第1の工程において基板200の表面に吸着したハロゲン化合物を窒化させる。
ここで、アンモニア(NH)を除く窒素含有化合物原料としては、窒素(N)及び化学式「HN−NHR(R=C,x=1〜4,y=3〜9)」で表されるヒドラジン化合物原料のうち、少なくとも1種類以上を含むことが好ましい。また、上記ヒドラジン化合物原料としては、モノメチルヒドラジン(HN−NHCH)、エチルヒドラジン(HN−NHC)、プロピルヒドラジン(HN−NHC)及びt−ブチルヒドラジン(HN−NHC(CH)の中から選択されるモノアルキルヒドラジン化合物が好ましく、モノメチルヒドラジンを用いることがより好ましい。
なお、2種類以上の窒素含有化合物原料の混合比率は、特に限定されるものでなく、適宜選択することができる。特に、2種類以上の窒素含有化合物原料として、アンモニア(NH)とヒドラジン化合物とを用いる場合では、上述した第1の工程から後述する第4の工程を1サイクルとして、当該1サイクルあたりの体積流量比が0.5対1〜10対1の範囲内となるように混合することが好ましい。1サイクルあたりのアンモニア(NH)とヒドラジン化合物との体積流量比を上記範囲内として用いることにより、良質な窒化膜を形成することができる。
窒素含有化合物原料の共存ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガス、水素(H)ガス、プロピレン、エチレン、ブタン、アセチレン等の炭化水素ガスを用いることができる。
また、窒素含有化合物原料ガスと共存ガスとを混合して供給する場合、窒素含有化合物原料ガスと希ガスまたは水素ガスとの体積流量比が、1:1〜1:100の範囲とすることが好ましく、窒素含有化合物原料ガスと炭化水素ガスとの体積流量比が、1000:1〜10:1の範囲とすることが好ましい。
(第4の工程)
次に、第4の工程では、上述したハロゲン化合物の窒化反応後に窒素含有化合物原料ガスの供給を停止し、処理室201内に残留する未反応の窒素含有化合物原料ガスのパージ除去を実行する。具体的には、バルブ243b,243c,243eを閉止した後、真空ポンプ246を作動させて処理室201内に残留する窒素含有化合物原料ガスを排気配管231から外部に排出する。
なお、第4の工程では、例えば、ヘリウム(He)ガス、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガスをパージガスとして用いてもよい。具体的には、不活性ガス供給系を構成するいずれかのガス供給管からパージガスを処理室201内に供給した後、真空排気することを1回以上行う。これにより、窒素含有化合物原料ガスをより除去することができる。
以上の第1の工程〜第4の工程を1サイクルとして、複数回(例えば、600サイクル)繰りかえす。これにより、基板200上に所望の膜厚の窒化膜を形成することができる。
ところで、本願発明者らは、熱プロセス−ガス交互供給成膜法における窒素含有化合物原料(窒化源)として、アンモニアを含む2種以上の原料を用いることにより、400℃以下の成膜温度で、良質な窒化膜が得られることを見出した。
ハロゲン化合物原料ガスと窒素含有化合物原料ガスとの組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、好ましい組合せについて以下に説明する。
ハロゲン化合物原料ガスとして、テトラクロロシラン(SiCl)又はヘキサクロロジシラン(SiCl)を用い、シリコン窒化膜を成膜する場合には、アンモニア(NH)以外の窒素含有化合物原料として、モノメチルヒドラジンを用いることが好ましい。また、1サイクルあたりのアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジンとの体積流量比は、0.5対1〜10対1の範囲内とすることが好ましい。
<窒化膜>
本実施形態の窒化膜の形成方法によって得られた窒化膜の評価は、分光エリプソメトリー(例えば、SOPRA社製分光エリプソメーター)を用いて、膜厚と屈折率とを測定することができる。また、得られた膜厚から、1サイクルあたりの成膜量であるGPC(Growth per cycle)を算出することができる。また、X線反射率法(XRR)を用いることで、窒化膜の膜密度を測定することができる。
ここで、窒化膜がシリコン窒化膜の場合、屈折率が1.75〜2.14の範囲内であり、かつ、膜密度が2.4〜3.1g/cmの範囲内であるとき、一般的に良質なシリコン窒化膜であると評価することができる。一方、屈折率が1.75未満であるときや、膜密度が2.4g/cmを下回ったときには、シリコン窒化膜は粗な膜構造であると評価することができる。なお、屈折率及び膜密度の数値が小さいほど、膜中に酸素成分が混入していることを意味する。また、屈折率1.5以下、かつ、膜密度2.2g/cm以下の場合には、一般的にシリコン酸化膜の性質を示す。一方、屈折率が1.8を超えている場合、膜中に炭素成分が含まれている場合があり、含有量が多いほど、屈折率の数値が大きくなる傾向がある。
一方、窒化膜が、チタン窒化膜、タンタル窒化膜、モリブデン窒化膜及びタングステン窒化膜等の場合、製造した窒化膜の評価は、XRR及びX線光電子分光法(XPS)によって行うことができる。具体的には、XRRによって膜厚を測定し、得られた膜厚から、GPCを算出することができる。また、XPSによって、窒化膜中の組成を測定することができる。
以上説明したように、本実施形態の窒化膜の形成方法によれば、窒化源として、アンモニアを含む2種以上の窒素含有化合物原料を用いることにより、従来の窒化源では粗な膜構造が形成される400℃以下の成膜温度であっても、膜質性能上、半導体デバイス用途として使用可能な良質な窒化膜を成膜することができる。
また、本実施形態の窒化膜の形成方法によれば、窒素含有化合物原料のガスを供給する工程において、アンモニア(NH)を含む2種類以上の窒素含有化合物原料を予め混合状態とした後、処理室201内に供給することにより、成膜温度400℃以下で良質な窒化膜を形成することができる。
特に、2種以上の窒素含有化合物原料が、アンモニア(NH)とヒドラジン化合物原料であった場合、予め混合状態とすることで、ヒドラジン化合物原料の存在比率を下げたにも関わらず、ヒドラジン化合物単体供給時と比較して同等以上の成膜速度が得られ、良質な窒化膜を形成することができる。
さらに、2種以上の窒素含有化合物原料の混合比を適宜選択して設定することにより、窒化膜中の炭素量、窒素量を自在に制御することができる。これにより、窒化膜を半導体用途で用いる場合に、電気特性、バリア性、耐湿性、フッ酸耐性などの異なる膜特性を任意に制御できる効果を得ることができる。なお、窒化膜がシリコン窒化膜であった場合には、膜中に適度な炭素を含有させることにより、優れた耐湿性やフッ酸耐性がある中で誘電率を下げる効果を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態の窒化膜の形成方法では、2種以上の窒素含有化合物原料を供給する工程が、混合比率を任意に調整した窒素含有化合物原料のガスを1ステップで供給するシーケンスを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、多段ステップを介して供給するシーケンスや、2種以上の窒素含有化合物原料を混合する比率をサイクル中又はサイクル間に変化させながら供給するシーケンスを用いてもよい。また、上記方法の他に様々な方法、シーケンスによって供給してもよい。さらに、供給シーケンスをサイクル中又はサイクル間に変更してもよい。
また、上記実施形態の窒化膜の形成方法では、アンモニアのガス供給配管232bと窒素含有化合物原料のガス供給配管232cとを処理室201の上流側において単純に合流させることにより、2種以上の窒素含有化合物原料を任意の混合比率に予め混合する方法の一例を説明したが、予混合の方法はこれに限定されるものではない。例えば、反応管203の上流側に混合室を設け、この混合室に2種以上の窒素含有化合物原料を任意の混合比率となるように供給することで予混合してもよい。
あるいは、ガス供給配管中にノズルを設け、ノズルの外側をアンモニア雰囲気にし、ノズル内側に窒素含有化合物原料ガスを流通させることで、予混合してもよい。なお、ノズルの外側の雰囲気ガスならびにノズルの内側の流通ガスとしては、アンモニア(NH)、アンモニア以外の窒素含有化合物原料ガス、希ガス、水素ガス、炭化水素ガスの中から適宜選択することができる。
また、アンモニアのガス供給配管232bと窒素含有化合物原料のガス供給配管232cとを処理室201の上流側において合流させることなく、個別に処理室201内に供給して、処理室201内で混合する方法を用いてもよい。
以下、具体例を示す。
先ず、シリコン窒化膜を成膜した結果を示す。なお、製造したシリコン窒化膜の評価は、分光エリプソメトリーとX線反射率法(XRR)とによって行った。分光エリプソメトリーでは、膜厚と屈折率とを測定し、得られた膜厚から、1サイクルあたりの成膜量としてGPC(Growth per cycle)を算出した。また、XRRでは、シリコン窒化膜の膜密度を測定した。
<実施例1>
図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の評価結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.26 Å/cycle
・屈折率:1.85
・膜密度:2.70 g/cm
<実施例2>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:テトラクロロシラン(TCS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の評価結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.32 Å/cycle
・屈折率:1.93
・膜密度:2.82 g/cm
<比較例1>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):550℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の評価結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.15 Å/cycle
・屈折率:1.90
・膜密度:2.42 g/cm
<比較例2>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
なお、比較例2の成膜条件では、シリコン窒化膜は得られなかった。
<比較例3>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料:モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の評価結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.24 Å/cycle
・屈折率:1.69
・膜密度:2.20 g/cm
<試験例4>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):(CH)HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:(CH)HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
なお、試験例4の成膜条件では、シリコン窒化膜は得られなかった。
<比較例5>
上述の実施例1と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):500℃
・ハロゲン化合物原料:ジクロロシラン(DCS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
なお、比較例5の成膜条件では、シリコン窒化膜は得られなかった。
<比較検証1>
実施例1及び実施例2の屈折率及び膜密度の結果から、ハロゲン化合物原料としてヘキサクロロジシラン(HCDS)又はテトラクロロシラン(TCS)を用いるとともに、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)とを用いることにより、良質なシリコン窒化膜を形成できることがわかった。
実施例1と比較例1、2との比較により、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)単体を用いるだけでは、400℃以下の成膜温度において良質な窒化膜を形成することができないことがわかった。
実施例1と比較例3との比較により、窒素含有化合物原料としてモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)単体を用いるだけでは、良質な窒化膜を形成することができないことがわかった。なお、比較例3の評価結果は、屈折率1.69、膜密度2.20g/cmであり、良質なシリコン窒化膜が形成されていない。これは、モノメチルヒドラジン(HN−NHCH)は、反応性が高いために窒化が進行しやすく、低温で膜形成することができる一方、N−N結合がそのまま膜中に残りやすく、粗な膜構造が形成されやすいためである。
実施例1と試験例4との比較により、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)と(CH)HN−NHCHとの組み合わせでは、400℃以下の成膜温度において窒化膜を形成することができないことがわかった。すなわち、アンモニア以外の窒素含有化合物原料としては、N−C結合を2つ以上もったヒドラジン化合物よりも、モノアルキルヒドラジン化合物を使用することが好ましい。
実施例1及び実施例2と比較例5との比較により、ハロゲン化合物原料としてジクロロシラン(DCS)を用いた場合では、成膜温度400℃以下において、窒化膜を形成することができないことがわかった。
<実施例3>
図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):t−ブチルヒドラジン(HN−NHC(CH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHC(CH)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の評価結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.27 Å/cycle
・屈折率:1.79
・膜密度:2.62 g/cm
<実施例4>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):プロピルヒドラジン(HN−NHC
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHC)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.27 Å/cycle
・屈折率:1.78
・膜密度:2.60 g/cm
<実施例5>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=0.5:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.28 Å/cycle
・屈折率:1.83
・膜密度:2.65 g/cm
<実施例6>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=10:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.20 Å/cycle
・屈折率:1.87
・膜密度:2.72 g/cm
<試験例5>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=0.1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.21 Å/cycle
・屈折率:1.63
・膜密度:2.10 g/cm
<試験例6>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=20:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.01 Å/cycle
・屈折率:1.53
・膜密度:2.01 g/cm
<試験例7>
上述の実施例3と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):350℃
・ハロゲン化合物原料:ヘキサクロロジシラン(HCDS)
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):HN−NHC
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHC)=1:1
・工程
(1)ケイ素含有化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたシリコン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.02 Å/cycle
・屈折率:1.51
・膜密度:1.85 g/cm
<比較検証2>
実施例3及び実施例4の屈折率及び膜密度の結果から、窒素含有化合物原料としてt−ブチルヒドラジン(HN−NHC(CH)や、プロピルヒドラジン(HN−NHC)のように他のモノアルキルヒドラジン化合物を用いても、良質なシリコン窒化膜を形成することができることがわかった。
また、実施例3、4と試験例7との比較により、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とHN−NHCとの組み合わせでは、良質なシリコン窒化膜を形成することができないことがわかった。試験例7の膜質評価の結果、屈折率1.51、膜密度1.85g/cmが示す通り、良質なシリコン窒化膜が形成されていない。つまり、モノアルキルヒドラジン化合物の中でも、化学式:HN−NHR(R=C,x=1〜4,y=3〜9)で表されるヒドラジン化合物原料が好ましいことがわかった。
実施例5及び実施例6の膜質評価の結果から、アンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)との混合比率(体積流量比)を変えても良質なシリコン窒化膜を形成できることがわかった。
また、実施例5は、実施例1と比較し、屈折率ならびに膜密度が減少した。これは、窒化源中のモノアルキルヒドジラン化合物原料の混合比率を上げたことにより、膜中の炭素(C)量が増加したためである。
一方、実施例6は、実施例1と比較し、屈折率ならびに膜密度が上がった。これは、窒化源中のモノアルキルヒドラジン化合物原料の混合比率を下げたことにより、膜中の炭素(C)量が減少して、より緻密な膜が形成されたためである。
試験例5と試験例6において、アンモニアとヒドラジン化合物原料との体積流量比が、0.5対1から10対1の範囲外として成膜した場合、良質なシリコン窒化膜を形成することができないことがわかった。これは、試験例5のように、窒化源中のヒドラジン化合物原料の体積流量比率が大きくなりすぎた場合、ヒドラジン化合物原料が窒化反応の律速となり、膜中にヒドラジン化合物原料のN−N結合が残りやすく、粗な膜構造が形成されるためである。一方、試験例6のように、ヒドラジン化合物原料の流量比率を小さくしすぎた場合、アンモニアが窒化反応の律速となり、成膜温度400℃以下の低温領域では反応が進行しない。つまり、アンモニアとヒドラジン化合物原料との体積流量比の制御が重要であることがわかった。
次に、チタン窒化膜、タンタル窒化膜、モリブデン窒化膜、タングステン窒化膜を成膜した結果を、以下に示す。
なお、製造した窒化膜の評価は、XRRとX線光電子分光法(XPS)により行った。XRRでは、膜厚を測定し、得られた膜厚から、GPCを算出した。また、XPSでは、窒化膜中の組成を測定した。
<実施例7>
図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:四塩化チタン(TiCl
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたチタン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.22 Å/cycle
<実施例8>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:TaCl
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたタンタル窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.31 Å/cycle
<実施例9>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:MoCl
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたモリブデン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.57 Å/cycle
<実施例10>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:WF
・窒素含有化合物原料(1):アンモニア(NH
・窒素含有化合物原料(2):モノメチルヒドラジン(HN−NHCH
・窒素含有化合物原料の体積流量比(NH:HN−NHCH)=1:1
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたタングステン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.38 Å/cycle
<比較例8>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:四塩化チタン(TiCl
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたチタン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.17 Å/cycle
<比較例9>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:TaCl
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたタンタル窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.24 Å/cycle
<比較例10>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:MoCl
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたモリブデン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.02 Å/cycle
<比較例11>
上述した実施例7と同様に、図1に示した成膜装置202を用い、熱プロセス−ガス交互供給成膜法によって窒化膜の製造(成膜)を実施した。成膜条件の詳細は以下の通りとした。
(成膜条件)
・成膜温度(基板の表面温度):300℃
・ハロゲン化合物原料:WF
・窒素含有化合物原料:アンモニア(NH
・工程
(1)ハロゲン化合物を反応室201へガス供給、10秒間吸着させる。
(2)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応原料を除去する。
(3)窒化源を10秒間、反応部へ供給する。
(4)10秒間窒素ガスによるパージを行い、未反応の窒化源を除去する。
サイクル数:300サイクル(上記一連の工程を1サイクルとする)
また、得られたタングステン窒化膜の膜質評価の結果は以下の通りであった。
(評価結果)
・GPC:0.20 Å/cycle
<比較検証3>
実施例7において、ハロゲン化合物原料としてTiClを用いると、良質なチタン窒化膜を形成できることがわかった。また、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)のみを用いた比較例8と比較すると、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)との組み合わせを用いた実施例7では、XPS分析の結果より膜中の酸素量が減少することを確認し、緻密な膜構造を形成できることがわかった。これは、ヒドラジン化合物と膜中の酸素成分との還元反応によって膜中酸素成分が減少し、緻密な膜構造となるためである。
実施例8において、ハロゲン化合物原料としてTaClを用いると、良質なタンタル窒化膜を形成できることがわかった。また、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)のみを用いた比較例9と比較すると、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)との組み合わせを用いた実施例8では、XPS分析の結果より膜中の酸素量が減少することを確認し、緻密な膜構造を形成できることがわかった。これは、ヒドラジン化合物と膜中の酸素成分との還元反応によって膜中酸素成分が減少し、緻密な膜構造となるためである。
実施例9において、ハロゲン化合物原料としてMoClを用いると、良質なモリブデン窒化膜を形成できることがわかった。また、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)のみを用いた比較例10と比較すると、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)との組み合わせを用いた実施例9では、XPS分析の結果より膜中の酸素量が減少することを確認し、緻密な膜構造を形成できることがわかった。これは、ヒドラジン化合物と膜中の酸素成分との還元反応によって膜中酸素成分が減少し、緻密な膜構造となるためである。
実施例10において、ハロゲン化合物原料としてWFを用いると、良質なタングステン窒化膜を形成できることがわかった。また、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)のみを用いた比較例11と比較すると、窒素含有化合物原料としてアンモニア(NH)とモノメチルヒドラジン(HN−NHCH)との組み合わせを用いた実施例10では、XPS分析の結果より膜中の酸素量が減少することを確認し、緻密な膜構造を形成できることがわかった。これは、ヒドラジン化合物と膜中の酸素成分との還元反応によって膜中酸素成分が減少し、緻密な膜構造となるためである。
121・・・制御部
200・・・基板
201・・・処理室
202・・・成膜装置
203・・・反応管
207・・・ヒータ
231・・・排気配管
232a,232b,232c,232d,232e・・・ガス供給管
241a,241b,241c,241d,241e・・・MFC
243a,243b,243c,243d,243e・・・バルブ

Claims (10)

  1. 処理室内の基板の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、前記基板の表面に窒化膜を形成する工程を有し、前記窒化膜を形成する工程では、
    前記処理室内の前記基板に対して、ハロゲン化合物原料を供給する工程と、
    前記処理室内の前記基板に対して、窒素含有化合物原料を供給する工程と、を少なくとも含むサイクルを、前記窒化膜が所要の膜厚となるまで繰り返すとともに、
    前記窒素含有化合物原料として、アンモニアを含む2種以上の原料を用いる半導体装置の製造方法。
  2. 前記窒素含有化合物原料として、窒素及びHN−NHR(R=C,x=1〜4,y=3〜9)で表されるヒドラジン化合物原料のうち、少なくとも1種類以上を用いる、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    1サイクルあたりの前記アンモニアと前記ヒドラジン化合物原料との体積流量比が、0.5対1から10対1の範囲内である、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    前記アンモニアを含む2種以上の原料を予め混合した後、前記処理室内に供給する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    前記アンモニアを含む2種以上の原料を、別々に前記処理室内に供給する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    前記アンモニアを含む2種以上の原料の体積流量比を、前記サイクル中又は前記サイクル間に変更する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    前記窒素含有化合物原料の供給シーケンスを、前記サイクル中又は前記サイクル間に変更する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記窒素含有化合物原料を供給する工程において、
    前記窒素含有化合物原料の共存ガスとして、希ガス及び水素ガスのうち、少なくとも1種以上を混合する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記ハロゲン化合物原料として、シリコン、チタン、タンタル、タングステン及びモリブテンからなる群より選択される少なくともいずれかを含む化合物を用いる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内の前記基板を加熱するヒータと、
    前記処理室内にハロゲン化合物原料を供給する第1原料供給系と、
    前記処理室内に窒素含有化合物原料を供給する1系統以上の第2原料供給系と、
    前記処理室内の前記基板の表面温度を400℃以下の所要の温度に制御した状態で、前記処理室内の前記基板に対して前記ハロゲン化合物原料を供給する処理と、前記処理室内の前記基板に対して前記窒素含有化合物原料を供給する処理と、を少なくとも含むサイクルを繰り返すことで、前記基板の表面に所要の膜厚の窒化膜を形成する処理を行わせ、前記窒素含有化合物原料を供給する処理では、前記窒素含有化合物原料として、アンモニアを含む前記2種以上の原料を用いるように、前記ヒータ、前記第1原料供給系、および前記第2原料供給系を制御するよう構成される制御部と、
    を備える、基板処理装置。
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