JP2017168325A - 非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パック - Google Patents
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Abstract
Description
特に、珪素、スズなどのリチウムと合金化する元素、非晶質カルコゲン化合物などリチウム吸蔵容量が大きく、密度の高い物質を用いる試みがなされている。中でも珪素は珪素原子1に対してリチウム原子を4.4の比率までリチウムを吸蔵することが可能である。このため、非水電解質二次電池の負極材として用いた場合には、質量あたりの負極容量は従来使用されている黒鉛質炭素を負極材として用いた場合の約10倍となる。しかし、珪素は、充放電サイクルにおけるリチウムの挿入脱離に伴う体積の変化が大きく活物質粒子の微粉化などサイクル特性に課題があった。
しかしながら、このような活物質においても高容量化とサイクル特性の両立が不充分であり、さらなる高容量化およびサイクル特性の両立および向上が求められている。
第1の実施形態では、非水電解質電池用活物質が提供される。
第1実施形態の非水電解質電池用活物質(以下「活物質」という場合もある)は、珪素酸化物粒子と炭素質物とを含む。珪素酸化物粒子は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される。
本実施形態の非水電解質電池用活物質は、N2吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/P0が0.5より大きい初めの測定点とP/P0が0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスになる。
図1のような画像は、本実施形態の活物質を具備する負極を作製し、作製した負極の活物質合剤層の切断面が平滑になるようイオンミリング法で前処理した後にTEM観察を行うことによって得ることができる。活物質を観察するために負極を作製する理由は、活物質の断面を平滑化するイオンミリング法を適用するため活物質が固定された状態であることが望ましく、負極の形態が適しているからである。ただし、イオンミリング法を適用できる状態であれば負極以外の形態でもよく、さらにTEM観察が可能となる平滑な活物質断面を形成できるのであれば他の方法を用いてもよい。得られた珪素酸化物粒子1の周囲にある炭素質物2が非晶質炭素であることは、上記と同じ方法で電極を前処理した後、TEM−EDX法を用いることにより測定できる。具体的には、TEMによる活物質内部の観察で珪素酸化物粒子と珪素酸化物粒子以外の部分を把握し、EDXにより珪素酸化物粒子以外の部分に対し点分析での元素組成分析を行う。TEM−EDXの測定条件は、加速電圧が200kV、ビーム径は約1nmで行う。炭素質物2が非晶質炭素であることは、TEM画像で結晶格子が現れていないことにより判別することができる。測定の結果、珪素酸化物粒子1以外の部分で、非晶質であり、かつ炭素を90原子%以上含む箇所があれば、その部分は非晶質炭素であると判定する。なお、炭素が100原子%とは限らないのは、TEM−EDX法の分析において、活物質作製時に混入した微小な不純物が検出されたり、あるいは珪素酸化物粒子に対する非晶質炭素の量が少ない場合に非晶質炭素の周囲の物質が同時に検出されたりすることによる。
また、活物質粒子の構造の保持および珪素酸化物粒子の凝集を防ぐために、活物質中に、ジルコニア又は安定化ジルコニアを含むことが好ましい。珪素酸化物粒子の凝集を防ぐことで、サイクル特性が向上するという利点がある。
脱着等温線の傾きがP/P0=0.7付近でプラスからマイナスに変わることが本実施形態の活物質が有する特徴である。脱着等温線の傾きがP/P0=0.7付近から0.5付近までの間の領域でマイナスになることは、圧力Pを低減させることでN2吸着量が増加したことを意味しており、N2ガス吸着で特異的な現象が生じる組成あるいは構造を炭素質物が有していることを示している。一方、脱着等温線の傾きがP/P0=0.5より低い領域でプラスになるのは、一般的にメソポアと称される細孔のうち小さい範囲のもの(2−10nm程度)からの脱着が比較的多いことによると考えられる。
次に、非水電解質電池用活物質の製造方法について説明する。
活物質は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成る珪素酸化物粒子と、少なくとも炭素質物の炭素前駆体を、分散媒を用いて混合し混合物を得て、その後、得られた混合物を乾燥・固化後に焼成し、必要に応じ粉砕や篩い分けをすることで作製される。
炭素前駆体としてさらには、液体であり容易に重合可能な樹脂類またはこれらのモノマーを挙げられる。樹脂類は例えば、フラン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂であり、モノマーとしては、フルフリルアルコール、フルフラール、フルフラール誘導体等のフラン化合物が挙げられる。重合は活物質製造の乾燥・固化工程において行われ、重合させる方法は炭素前駆体により異なるが、塩酸、酸無水物を加える、あるいは加熱するなどすればよい。重合体になった際の分子量は前記の糖や糖類に比べて大きく、そのため熱分解のピークが400℃以上の比較的高い温度にあることが多い。これらの炭素前駆体を用いる場合、乾燥・固化工程においては、珪素酸化物粒子も含めた混合物全体が均質な状態で乾燥・固化されることが特に重要であり、そのようにして得られた固化物が比較的高い温度で熱分解を起こすことにより、前記のN2吸着法による細孔分布測定で脱着等温線が特異的な特徴を示す独特の微構造を得やすくなる。
本実施形態に係る非水電解質電池用活物質は、N2吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/P0が0.5より大きい初めの測定点とP/P0が0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスになるという特徴を有することから高容量で優れたサイクル特性を示す。
第2の実施形態では、非水電解質電池用電極が提供される。
本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、第1実施形態の非水電解質電池用活物質を用いる。具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、集電体と、集電体の片面あるいは両面に形成されている電極合剤層とを有する。電極合剤層は、第1実施形態の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する。
以下、本実施形態の非水電解質電池用電極を負極として説明するが、本実施形態の非水電極は正極として用いてもよい。また、以下の説明では、本実施形態に係る電極を非水電解質二次電池に用いるものとして説明するが、本実施形態に係る電極は、様々な電池に用いることができる。
まず、負極活物質、導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。
次いで、スラリーを負極集電体101に塗布し、乾燥して負極合剤層102を形成した後、プレスを施すことにより負極100が作製される。なお、プレスの圧力によって、負極集電体101への負極活物質の埋め込み度合いを調節することができる。プレス圧力が0.2kN/cmより低いと負極集電体101に対する負極活物質の埋め込みがあまり生じないため好ましくない。また、プレス圧力が10kN/cmより高いと、負極活物質や負極集電体101が割れる等の破損が生じるため好ましくない。従って、スラリーを乾燥させてなる負極合剤層102のプレス圧力は、0.5kN/cm以上5kN/cm以下が好ましい。
なお、ここで言うプレス圧力はローラープレス機を用いた場合の数値であり、プレス時に測定される圧力[kN]を、負極合剤層の幅[cm]で除した値である。負極合剤層の幅とは、ローラープレス機のロール軸に対し平行な方向の長さであり、たとえば上から見て長方形をした負極合剤層が斜めにローラープレス機に通された場合は、代表的な長さを採用するものとする。
本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、集電体と電極合剤層とを有する。電極合剤層は、上述の第1実施形態の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する。このため、本実施形態に係る非水電解質電池用電極を適用した非水電解質電池は、高容量で優れたサイクル特性を示す。
第3の実施形態では、非水電解質電池が提供される。
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、第2実施形態の非水電解質電池用電極を用いる。具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間して、例えばセパレータを介在して収納された負極と、外装材内に充填された非水電解質とを具備する。第2実施形態の非水電解質電池用電極は、負極として用いられる。
負極としては、上述の第2の実施形態に係る負極が用いられる。
正極は、正極集電体と、この正極集電体の片面もしくは両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極合剤層とを備える。導電剤および結着剤は、任意成分である。
正極合剤層の厚さが、上記の範囲内であると、正極を備えた非水電解質電池の大電流放電特性とサイクル特性が大幅に向上する。
導電剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸を含む有機物が挙げられる。
結着剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等が用いられる。
正極集電体の厚さは、8μm以上15μm以下であることが好ましい。正極集電体の厚さが、この範囲内であることが好ましい理由は、電極強度と軽量化のバランスがとれるからである。
まず、正極活物質、導電剤および結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。
次いで、スラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成した後、プレスを施すことにより正極が得られる。
また、正極は、正極活物質、結着剤および必要に応じて配合される導電剤をペレット状に形成して正極合剤層とし、これを正極集電体上に配置することにより作製されてもよい。
非水電解質としては、非水電解液、電解質含浸型ポリマー電解質、高分子電解質または無機固体電解質が用いられる。
非水電解液は、非水溶媒(有機溶媒)に電解質を溶解することにより調製される液体状電解液で、電極群中の空隙に保持される。
第2溶媒の粘度は、25℃において2.8cPs以下であることが好ましい。
セパレータは、正極と負極の間に配置される。
セパレータは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、または、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または、合成樹脂製不織布から形成される。これらの中でも、ポリエチレンまたはポリプロピレンから形成された多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるため、安全性を向上できるため好ましい。
セパレータは、多孔度が30%以上70%以下であることが好ましく、35%以上70%以下であることがより好ましい。
空気透過率が30秒/100cm3未満では、セパレータに十分な強度が得られなくなるおそれがある。一方、空気透過率が500秒/100cm3を超えると、セパレータにおいて高いリチウムイオン移動度が得られなくなるおそれがある。
正極、負極および非水電解質が収容される外装材としては、金属製容器や、ラミネートフィルム製外装容器が用いられる。
金属製容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス等からなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが用いられる。また、金属製容器の厚さは、1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。
また、本実施形態に係る非水電解質電池は、上記の正極および負極からなる電極群に電気的に接続されるリードをさらに具備することができる。本実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、2つのリードを具備することもできる。その場合、一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続され、他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続される。
リードの材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と
同じ材料が用いられる。
端子の材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と同じ材料が用いられる。
次に、本実施形態に係る非水電解質電池の一例として、図4および図5に示す扁平型非水電解質二次電池(非水電解質電池)200について説明する。図4は第3の実施形態に係る扁平型非水電解質二次電池(非水電解質電池)の断面概念図であり、図5は図4中に示すA部の拡大断面概念図である。
また、金属容器からなる外装材を備えた扁平型非水電解質二次電池200を製造する際は、負極端子206および正極端子207が接続された捲回電極群201を、開口部を有する金属容器に装入し、液状非水電解質を外装材202の開口部から注入し、さらに、金属容器に蓋体を装着して開口部を封口させる。
(1)外装材
外装材202としては、上記の外装材が用いられる。
(2)負極
負極203としては、上記の負極が用いられる。
(3)正極
正極205としては、上記の正極が用いられる。
(4)セパレータ
セパレータ204としては、上記のセパレータが用いられる。
(5)非水電解質
非水電解質としては、上記の非水電解質が用いられる。
本実施形態に係る非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質と、セパレータと、外装材と、を具備する。負極は、上述の第2の実施形態に係る非水電解質電池用活物質を用いて形成されている。このため、本実施形態に係る非水電解質電池は、高容量で優れたサイクル特性を示す。
次に、第4の実施形態に係る電池パックを説明する。
第4の実施形態に係る電池パックは、上記第3の実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を1つ以上有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。
本実施形態に係る電池パックは、上記第3の実施形態に係る非水電解質電池を少なくとも1つ具備する。このため、本実施形態に係る電池パックは、高容量で優れたサイクル特性を示す。
次のような条件で実施例1の負極活物質を得た。親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m2/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m2/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、得られた混合粉にスポイトを用いて純水を添加しながら、30分間固練りして含水混合物を得た。この含水混合物を団子状(ボール状)に成形して、団子状含水混合物を得た。この団子状含水混合物をアルミナ製のこう鉢に入れて、150℃のホットプレートの上に1時間静置して、乾燥させて固化させた。得られた団子状固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた団子状焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
得られた負極活物質77質量%、平均粒子径3μmのグラファイト15質量%、ポリイミド8質量%を、N-メチルピロリドンに懸濁してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ12μmの銅箔上に塗布して圧延した後、250℃で2時間、Arガス中にて熱処理して、スラリーを乾燥させて、銅箔上に負極合剤層を形成した。次いで、負極合剤層付の銅箔を、所定のサイズに裁断した後、100℃で12時間、真空乾燥して、試験電極を得た。
充放電試験の条件は、次のとおりとした。
初回の充放電は、電圧(参照極と試験電極間の電位差)が0.01Vとなるまで1mA/cm2の電流密度で充電し、さらに電圧を0.01Vに維持して24時間の定電圧充電を行い、その後、電圧が1.5Vとなるまで1mA/cm2の電流密度で放電した。このときの放電容量を初回放電容量とした。
二回目以降の充放電は、電圧が0.01Vとなるまで1mA/cm2の電流密度で充電して、電圧が1.5Vとなるまで1mA/cm2の電流密度で放電するサイクルを行い、放電容量の推移を測定した。放電容量が初回放電容量の80%を維持することができたサイクル数をサイクル寿命とし、評価を行った。
得られた負極活物質に対し、前記の方法でN2吸着法による細孔分布測定を行った。具体的には負極活物質試料0.2−0.5gを1/2インチインチセルに採取し、まず前処理として島津製作所-マイクロメリティックス社製バキュプレップにより温度約200℃で約15時間減圧乾燥による脱ガス処理を行った後、島津製作所-マイクロメリティックス社製トライスターII3020を用いて測定を行った。結果として得られた吸脱着等温線を図2に示す。これにより、脱着等温線における前記傾きaおよび傾きa’を得た。
実施例1において得られた試験電極について、電極をイオンミリング法で薄片化した後、TEMによる観察を行い、負極活物質内に珪素酸化物粒子が分散した状態を確認し、その平均一次粒径を得た。結果として得られた画像を図1に示す。装置は日本電子製JEM−200CXを用い、加速電圧は200kVとした。
実施例1において得られた負極活物質中のO/Si(原子モル比)を元素組成分析に基づき算出した。元素組成分析の具体的な方法は、アルカリ融解−ICP発光分光分析法により活物質中の珪素原子の含有割合を、不活性ガス融解−赤外線吸収法により酸素原子の含有割合をそれぞれ最初に求め、次にこの含有割合から原子モル比を計算した。これにより珪素原子が25.7重量%、酸素原子が25重量%の割合で含有されるという結果が得られ、O/Si(原子モル比)が2.0であると計算された。
アスコルビン酸粉末の代わりにスクロース粉末を3.8g用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
次のような条件で珪素と二酸化珪素の混合粉末をプラズマ加熱し、珪素酸化物粉末を得た。珪素は約5μmの市販品粉末、二酸化珪素は約4μmの市販品粉末を用いた。混合粉末は、珪素と二酸化珪素とをモル比が3:1(珪素:二酸化珪素)になるように混合して調製した。プラズマ加熱においては、プラズマ加熱装置内に8000℃の領域を存在させ、混合粉末をフィーダーにより前記の領域の上部から落下させ、前記の領域を通過させた。加熱により気化した混合粉末は、前記の領域を通過した後、急冷され、析出した。得られた珪素酸化物粉末は、平均一次粒径が14nm、BET比表面積が268m2/g、SiOxのxが0.70であった。
この珪素酸化物粉末1.5gにアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、得られた混合粉にスポイトを用いてエタノールを添加し、30分間固練りして含エタノール混合物を行った。固練りの際は、エタノールが蒸発するのに応じて適宜エタノールを添加した。この含エタノール混合物を団子状に成形して、団子状含エタノール混合物を得た。この団子状含エタノール混合物をアルミナ製のこう鉢に入れて、150℃のホットプレートの上に1時間静置して、乾燥させて固化させた。得られた団子状固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた団子状焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
実施例1と同じく親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m2/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m2/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、この混合粉に25gの純水を加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製した。そのスラリーを、減圧ろ過してZrO2ボールを取り除き、金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移し、80℃にて10時間静置して、乾燥させた。得られた乾燥物を、アルミナ製のこう鉢に移し150℃のホットプレートの上に1時間静置し、さらに乾燥させて、固化させた。得られた固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
実施例1と同じく親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m2/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m2/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、この混合粉を固形状レゾール系フェノール樹脂3.0gを26gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrO2ボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製した。そのスラリーを、減圧ろ過してZrO2ボールを取り除き、金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移し、80℃で加熱して乾燥させ、この乾燥によって得られた乾燥物を150℃で1時間加熱して固化させた。得られた固化物を、アルミナ製のこう鉢に移し、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
固形状レゾール系フェノール樹脂の代わりに液状レゾール系樹脂5.2gを用いたこと以外は、実施例5と同様にして負極活物質を得た。
固練りで用いる液を純水の代わりに、純水とエタノールを重量比1:2で混合した混合液を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で負極活物質を得た。
親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m2/g、SiOxのx=2.0)の代わりに親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径33nm、BET比表面積49m2/g、SiOxのx=2.0)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
固練りで用いる液をエタノールの代わりにエタノールと純水を重量比1:1で混合した液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして負極活物質を得た。
金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移す代わりに厚みが40mm程度になるように移したこと以外は、実施例5と同じ方法で負極活物質を得た。
Claims (7)
- 珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される珪素酸化物粒子と炭素質物とを含み、
N2吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/P0が0.5より大きい初めの測定点とP/P0が0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスである非水電解質電池用活物質。 - 前記脱着等温線において、P/P0が0.3より大きい初めの測定点とP/P0が0.5より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きa’がプラスであり、かつ前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値より大きいことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池用活物質。
- 前記珪素酸化物粒子の平均一次粒径が3nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質電池用活物質。
- 前記珪素酸化物粒子が二酸化珪素からなる粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水電解質電池用活物質。
- 集電体と、前記集電体の片面あるいは両面に形成されている電極合剤層と、を備え、
前記電極合剤層が請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する非水電解質電池用電極。 - 外装材と、前記外装材内に収納された正極と、前記外装材内において、前記正極と空間的に離間して、セパレータを介して収納された負極と、前記外装材内に充填された非水電解質と、を具備し、
前記負極は、請求項5に記載の非水電解質電池用電極からなる非水電解質電池。 - 請求項6に記載の非水電解質電池を1以上備える電池パック。
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JP2009129587A (ja) * | 2007-11-20 | 2009-06-11 | Agc Seimi Chemical Co Ltd | 電池用電極活物質及びその製造方法 |
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