JP2017168325A - 非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パック - Google Patents

非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パック Download PDF

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Abstract

【課題】高容量およびサイクル特性に優れた非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パックを提供する。【解決手段】実施形態の非水電解質電池用活物質は、珪素酸化物粒子と炭素質物とを持つ。珪素酸化物粒子は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される。実施形態の非水電解質電池用活物質は、N2吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/P0が0.5より大きい初めの測定点とP/P0が0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスである。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パックに関する。
近年、急速なエレクトロニクス機器の小型化技術の発達により、種々の携帯電子機器が普及しつつある。そして、これら携帯電子機器の電源である電池にも小型化が求められており、高エネルギー密度を持つ非水電解質二次電池が注目を集めている。
特に、珪素、スズなどのリチウムと合金化する元素、非晶質カルコゲン化合物などリチウム吸蔵容量が大きく、密度の高い物質を用いる試みがなされている。中でも珪素は珪素原子1に対してリチウム原子を4.4の比率までリチウムを吸蔵することが可能である。このため、非水電解質二次電池の負極材として用いた場合には、質量あたりの負極容量は従来使用されている黒鉛質炭素を負極材として用いた場合の約10倍となる。しかし、珪素は、充放電サイクルにおけるリチウムの挿入脱離に伴う体積の変化が大きく活物質粒子の微粉化などサイクル特性に課題があった。
前記課題を解決するために、珪素酸化物粒子と炭素質物とを複合化した活物質を用い、高容量化およびサイクル特性の向上を図ることが検討されている。
しかしながら、このような活物質においても高容量化とサイクル特性の両立が不充分であり、さらなる高容量化およびサイクル特性の両立および向上が求められている。
特開2004−119176号公報 特開2014−2890号公報 特開2012−14939号公報 特開2013−73920号公報 特開2013−219059号公報
本発明が解決しようとする課題は、高容量およびサイクル特性に優れた非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パックを提供することである。
実施形態の非水電解質電池用活物質は、珪素酸化物粒子と炭素質物とを持つ。珪素酸化物粒子は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される。実施形態の非水電解質電池用活物質は、N吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスである。
第1の実施形態に係る非水電解質電池用活物質の断面の透過型電子顕微鏡による撮影画像。 第1の実施形態に係る非水電解質電池用活物質のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線。 第2の実施形態に係る電極の概念図。 第3の実施形態に係る非水電解質電池の一例を示す断面図。 図4中に示したA部の拡大断面図。 第3の実施形態に係る非水電解質電池の他の例を示す部分切欠斜視図。 図6中に示したB部の拡大断面図。 第4の実施形態に係る電池パックの概念図。 第4の実施形態に係る電池パックの電気回路を示すブロック図。 実施例5にて得られた負極活物質のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線。 比較例4にて得られた負極活物質のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線。
以下、実施形態の非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パックを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、非水電解質電池用活物質が提供される。
第1実施形態の非水電解質電池用活物質(以下「活物質」という場合もある)は、珪素酸化物粒子と炭素質物とを含む。珪素酸化物粒子は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される。
本発明者らは、従来検討されている珪素酸化物粒子と炭素質物とを含む活物質における細孔形態が寿命特性に大きな影響を及ぼすという考えに至った。そして、その関係を検討した結果、N吸着法において特異的な特徴を示す細孔形態を有する活物質において、高い寿命特性を得られることを見出した。
本実施形態の非水電解質電池用活物質は、N吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスになる。
以下、本実施形態の非水電解質電池用活物質を、非水電解質電池の負極の活物質合剤層に用いる活物質として説明するが、本実施形態の活物質は正極の活物質合剤層に用いる活物質にも用いることができる。また、活物質を用いた電極は、非水電解質二次電池に用いるものとして説明するが、実施形態の活物質を用いる電極は、様々な電池に用いることができる。
本実施形態で用いられる炭素質物は、少なくとも非晶質炭素を含んでいる。そして、この炭素質物中に後述する珪素酸化物粒子が分散されている。好ましくは、珪素酸化物粒子の周囲に炭素質物が存在している。
本実施形態の活物質を図1に示す。図1は、活物質の断面のTEM(Transmission Electron Microscope:透過型電子顕微鏡)による画像である。図1において、珪素酸化物粒子1は濃い色で示され、炭素質物2は薄い色で示される。図1で示されているのは活物質の断面の一部であって、図1の下側の珪素酸化物粒子がない部分3は活物質の外側である。
図1のような画像は、本実施形態の活物質を具備する負極を作製し、作製した負極の活物質合剤層の切断面が平滑になるようイオンミリング法で前処理した後にTEM観察を行うことによって得ることができる。活物質を観察するために負極を作製する理由は、活物質の断面を平滑化するイオンミリング法を適用するため活物質が固定された状態であることが望ましく、負極の形態が適しているからである。ただし、イオンミリング法を適用できる状態であれば負極以外の形態でもよく、さらにTEM観察が可能となる平滑な活物質断面を形成できるのであれば他の方法を用いてもよい。得られた珪素酸化物粒子1の周囲にある炭素質物2が非晶質炭素であることは、上記と同じ方法で電極を前処理した後、TEM−EDX法を用いることにより測定できる。具体的には、TEMによる活物質内部の観察で珪素酸化物粒子と珪素酸化物粒子以外の部分を把握し、EDXにより珪素酸化物粒子以外の部分に対し点分析での元素組成分析を行う。TEM−EDXの測定条件は、加速電圧が200kV、ビーム径は約1nmで行う。炭素質物2が非晶質炭素であることは、TEM画像で結晶格子が現れていないことにより判別することができる。測定の結果、珪素酸化物粒子1以外の部分で、非晶質であり、かつ炭素を90原子%以上含む箇所があれば、その部分は非晶質炭素であると判定する。なお、炭素が100原子%とは限らないのは、TEM−EDX法の分析において、活物質作製時に混入した微小な不純物が検出されたり、あるいは珪素酸化物粒子に対する非晶質炭素の量が少ない場合に非晶質炭素の周囲の物質が同時に検出されたりすることによる。
炭素質物2は、非晶質炭素以外の導電性炭素質物を含んでも良い。そのような炭素質物としては、グラファイト、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブとカーボンブラックからなる群から選ばれる1種類または2種類以上を用いることができる。これらは、活物質の導電性を高めたり、あるいは活物質の内部骨格として充放電時に活物質粒子が変形するのを抑制しやすくしたりする点で好ましい。導電性炭素質物は、負極材料に導電性を付与するために用いられる。これら導電性炭素質物として、これらの物質を単独で用いてもよく、あるいは、複数の物質を組合せて用いてもよい。導電性炭素質物は、特に限定されないが、アスペクト比が10以上の繊維状カーボンが特に好ましい。繊維状カーボンとしては、繊維状をなすカーボンナノチューブ(CNT)系のカーボン材等が用いられる。繊維状カーボンの平均直径は、5nm以上1000nm以下であることが好ましく、7nm以上100nm以下であることがより好ましい。繊維状カーボンの含有量は、多すぎると電池容量が減少してしまうため負極活物質中に5質量%以下含まれることが好ましい。
本実施形態で用いられる珪素酸化物粒子1は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式SiOx(0.1≦x≦2)で表される。SiOxのxの値が0.1未満である粒子はほぼ珪素のみから成っており、空気中においては粒子表層付近すら酸化されずに存在することが非常に難しい。また、安定な珪素酸化物としては二酸化珪素がよく知られており、SiOxのxの値が2を超える酸化物は不安定である。SiOxのxの値は2であること、すなわちSiOxが二酸化珪素であることが望ましい。これは、二酸化珪素が珪素酸化物の中で最も安定な組成であり、原料の粒子径や構造を制御しやすく、また活物質の製造工程で変化しにくいことによる。
珪素酸化物粒子1であることは、前述のTEM−EDX法による測定の結果、珪素および酸素の元素が検出されることにより判定し、SiOxのxの値についても同じ測定により得られる。珪素酸化物粒子が珪素および酸化珪素から成るような場合は、珪素酸化物粒子内の複数の点、望ましくは10点を任意に選んで測定し、珪素および酸化珪素のいずれの部分もそれらの点に含まれていることを確認し、その平均を取る。なお、活物質中に珪素酸化物粒子および炭素質物以外の含有物が1重量%以下程度の少量しか含まれていない場合は、元素組成分析によりさらに正確にSiOxのxの値を得ることができる。具体的には、酸分解−ICP発光分光分析法により活物質中の珪素原子の含有割合、不活性ガス融解−赤外線吸収法により酸素原子の含有割合をそれぞれ求め、SiとOの原子モル比を算出する。本実施形態のSiOxのxの上限値は2としているが、二酸化珪素の測定においても測定誤差によりxが2を超える値になることはありうる。したがって、10%程度の値の違いは許容することとし、測定の結果SiOxのxが2.2となる場合も本実施形態に含まれるものとする。
珪素酸化物粒子1の平均一次粒径は3nm以上50nm以下であることが望ましい。この平均一次粒径があまり小さいと炭素質物2中への分散に偏りが生じ、非水電解質二次電池の活物質として用いた場合の充放電時に内部応力の局所的な発生により活物質が割れやすくなる。一方、この平均一次粒径があまり大きいと珪素酸化物粒子内部へのリチウムの拡散が遅くなり、充放電が進みにくくなる。さらに望ましい平均粒径は5nm以上30nm以下であり、さらには5nm以上15nm以下である。このような珪素酸化物粒子の平均一次粒径は、前述のTEMにより活物質を観察し、得られた画像で無作為に選んだ10上の珪素酸化物粒子のそれぞれに対し、無作為に選んだ10の方向のサイズの平均値を算出したものである。なお、ここで言う10の方向は同じような方向が重なっていないことを、無作為に選んだ後に確認するものとする。ただし、電池性能に影響を及ぼさない程度で、この粒径範囲から外れる珪素酸化物粒子が含まれることは許容される。
また、また、LiSiOなどのリチウムシリケートが、珪素酸化物粒子1を構成する珪素の表面もしくは珪素酸化物の表面または内部に分散されていてもよい。このリチウムシリケートを含む珪素酸化物粒子は、例えば、珪素酸化物粒子1を構成する珪素あるいは珪素酸化物とリチウム塩とを含む混合物を熱処理して、珪素あるいは珪素酸化物とリチウム塩とを反応させてリチウムシリケートを形成させることによって得ることができる。リチウム塩としては、水酸化リチウム、酢酸リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウムなどを用いることができる。さらに、珪素酸化物粒子の表面には、リチウムシリケート以外の他の添加物が含まれていても良い。
本実施形態の活物質は、Liの挿入脱離をする粒子であり、平均一次粒径が0.5μm以上100μm以下、比表面積が0.5m/g以上100m/g以下の粒子である。活物質の粒径および比表面積は、リチウムの挿入脱離反応の速度に影響し、負極特性に大きく影響する。活物質は、平均一次粒径と比表面積が、上記の範囲であれば、安定して特性を発揮することができる。特に、平均一次粒径は1μm以上80μm以下であることが好ましく、さらには3μm以上30μm以下であることが好ましい。活物質の粒径はリチウムの挿入脱離反応の速度に影響し、負極特性に大きな影響をもつが、この範囲の値であれば安定して特性を発揮することができる。同時に、集電体上に塗工を行う際に凝集や集電体変形の問題を起こしにくい。なお、活物質の平均一次粒径は、活物質をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で観察し、得られた画像で無作為に選んだ50以上の活物質のそれぞれに対し、無作為に選んだ10の方向のサイズの平均値を算出したものである。なお、ここで言う10の方向は同じような方向が重なっていないことを、無作為に選んだ後に確認するものとする。
また、活物質粒子の構造の保持および珪素酸化物粒子の凝集を防ぐために、活物質中に、ジルコニア又は安定化ジルコニアを含むことが好ましい。珪素酸化物粒子の凝集を防ぐことで、サイクル特性が向上するという利点がある。
本実施形態における活物質は、N吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスになることを特徴とする非水電解質電池用負極活物質である。さらには、前記脱着等温線において、P/Pが0.3より大きい初めの測定点とP/Pが0.5より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きa’がプラスであり、かつ前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値より大きいことを特徴とする非水電解質電池用負極活物質である。
図2に本実施形態の活物質のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線の一例を示す。測定点をつなぐ線は上側と下側の2本あり、上側の線が脱着等温線であり、下側の線が吸着等温線である。横軸のP/Pに関し、Pは飽和蒸気圧を示し、測定点の圧力Pの単位をPと同じにすることでP/Pは相対圧(無次元数)を示す。一方、縦軸の吸着量は単位が[cm/g STP]であり、1gの試料あたりに吸着したNの吸着量[cm]を標準状態換算で表しており、標準状態は0℃、101.13kPaの状態である。したがって、前記傾きaおよびa’の単位は[cm/g STP]であるが、本明細書では単位の記載を省略している。また、STP(Standard Temperature and Pressure)が意味する標準状態は0℃、101.13kPaである。
図2に示す実施形態において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点はP/P=0.506であり、そのときの吸着量は20.21cm/g STPである。P/Pが0.7より小さい初めの測定点はP/P=0.681であり、そのときの吸着量は19.92cm/g STPである。そして、これら2点を結んだ直線の傾きaは−1.7[=(20.21−19.92)/(0.506−0.681)]であり、マイナスである。この傾きaの評価において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点はP/P=0.55より小さく、P/Pが0.7より小さい初めの測定点はP/P=0.65より大きいことが望ましい。また、これらの測定点で得られた吸着量が、その前後の測定点で得られた吸着量の平均値と比較して大きく異なる場合、例えば、吸着量の平均値に対して±1%を超える値となった場合は、その点は特異点あるいは測定に問題のある点として考えて除外し、その次の点を採用する。
さらに、図2において、P/Pが0.3より大きい初めの測定点はP/P=0.301であり、そのときの吸着量は19.23cm/g STPである。P/Pが0.5より小さい初めの測定点P/P=0.481であり、そのときの吸着量は20.23cm/g STPである。そして、これら2点を結んだ直線の傾きa’は5.6[=(19.23−20.23)/(0.301−0.481)]であり、プラスである。傾きa’の評価において、P/Pが0.3より大きい初めの測定点はP/P=0.35より小さく、P/Pが0.5より小さい初めの測定点はP/P=0.45より大きいことが望ましい。
吸着等温線は、活物質の温度を一定にして、P/Pを増加させたときのN吸着量の変化を示す線であり、脱着等温線は、P/Pを減少させたときのN吸着量の変化を示す線である。図2に示すように脱着等温線は、P/P=1付近から0.7付近まではP/Pの減少に対してN吸着量は減少しており、傾きはプラスである。P/P=0.7付近からP/Pの減少に対してN吸着量は増加しており、傾きはプラスからマイナスに変わる。そして、P/P=0.5付近からP/Pの減少に対してN吸着量は減少しており、傾きがマイナスからプラスに変わる。
脱着等温線の傾きがP/P=0.7付近でプラスからマイナスに変わることが本実施形態の活物質が有する特徴である。脱着等温線の傾きがP/P=0.7付近から0.5付近までの間の領域でマイナスになることは、圧力Pを低減させることでN吸着量が増加したことを意味しており、Nガス吸着で特異的な現象が生じる組成あるいは構造を炭素質物が有していることを示している。一方、脱着等温線の傾きがP/P=0.5より低い領域でプラスになるのは、一般的にメソポアと称される細孔のうち小さい範囲のもの(2−10nm程度)からの脱着が比較的多いことによると考えられる。
本実施形態の活物質は前記傾きaがマイナスである特徴があり、傾きaの大きさは、望ましくは−1.0以下であり、さらに望ましくは−1.3以下である。これは、前記傾きaはマイナスの絶対値が大きくなるにつれサイクル特性が高くなる傾向があることによる。一方、前記傾きaは−3.0以上であることが望ましく、さらに望ましくは−2.0以上である。前記傾きaが−3.0より低い活物質を製造するのは非常に困難であり、製造できた場合でも充放電容量あるいは充放電レート特性が低い活物質になりやすい。
本実施形態の活物質は前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値より大きい特徴があり、さらに望ましくは前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値の2倍以上であり、さらには3倍以上である。前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値以下であれば、サイクル特性が低くなる傾向がある。一方、前記傾きa’の絶対値は前記傾きaの絶対値の10倍以下であることが望ましく、さらに望ましくは5倍以下である。前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値の10倍より大きいと、電池を製作した場合に使用時の安全性に問題が生じるおそれがある。
また、前記傾きa’の絶対値は1.0以上15以下であることが望ましく、さらに望ましくは2.0以上10以下、さらには4.5以上7.5以下である。前記傾きa’の絶対値が1.0より小さい活物質はメソポアと称される細孔のうち小さい範囲のもの(2−10nm程度)が少ないと考えられ、充放電サイクルにおけるリチウムの挿入脱離に伴う体積変化を活物質内部で吸収しにくくなり、サイクル特性が低くなりやすい。一方、前記傾きa’の絶対値が15より大きい活物質はメソポアと称される細孔のうち小さい範囲のもの(2−10nm程度)が多く、比表面積も非常に大きいと考えられ、電池を製作した場合に使用時の安全性に問題が生じやすい。
本実施形態において前記のN吸着法による細孔分布測定は、試料0.2−0.5gを1/2インチインチセルに採取し、まず前処理として島津製作所-マイクロメリティックス製バキュプレップにより温度約200℃で約15時間減圧乾燥による脱ガス処理を行った後、島津製作所-マイクロメリティックス製トライスターII3020を用いて測定を行った。最初に、1/2インチインチセルを液体窒素に入れて冷却し、セル内にNを導入し、Nの圧力Pを徐々に増加させ、各平衡圧に対するNの吸着量を測定し、このNの吸着量を測定点としてプロットして吸着等温線を得る。次いで、Nの圧力Pを徐々に減少させ、各平衡圧に対するNの吸着量を測定し、このNの吸着量を測定点としてプロットして脱着等温線を得る。Nの吸着量の測定点数は、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点との間、およびP/Pが0.3より大きい初めの測定点とP/Pが0.5より小さい初めの測定点との間ともに、両端2点の測定点を含めて6点以上とすることが好ましい。測定点の数が少ないと、前記傾きaおよび前記傾きa’の精度が低くなるおそれがある。なお、相対圧(P/P)の範囲は、図2と同様になるようにして測定を行う。
(製造方法)
次に、非水電解質電池用活物質の製造方法について説明する。
活物質は、珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成る珪素酸化物粒子と、少なくとも炭素質物の炭素前駆体を、分散媒を用いて混合し混合物を得て、その後、得られた混合物を乾燥・固化後に焼成し、必要に応じ粉砕や篩い分けをすることで作製される。
珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成る粒子は、組成式SiOx(0.005≦x≦2)で表される珪素酸化物粒子である。このような粒子としては、結晶珪素の微粒子表面が酸化被膜で覆われた粒子、一酸化珪素を不活性ガス中で1100℃程度に加熱し内部に結晶珪素を析出させた粒子、あるいは気相合成で生成された二酸化珪素粒子などがある。SiOxのxの値が0.005未満である粒子はほぼ珪素のみから成っており、空気中で粒子表層付近がこの程度すら酸化されずに存在することは非常に難しい。また、SiOxのxの値が2を超える酸化物は不安定である。SiOxのxは前記元素組成分析により得ることができる。具体的には、たとえばアルカリ融解−ICP発光分光分析法により珪素酸化物粒子の珪素原子の含有割合、不活性ガス融解−赤外線吸収法により酸素原子の含有割合をそれぞれ求め、SiとOの原子モル比を算出することができる。本実施形態のSiOxのxの上限値は2としているが、二酸化珪素の測定においても測定誤差によりxが2を超える値になることはありうる。したがって、10%程度の値の違いは許容することとし、測定の結果SiOxのxが0.0045や2.2となる場合も本実施形態に含まれるものとする。珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成る粒子は、1種類の珪素酸化物粒子で構成されていてもよいし、複数種類の珪素酸化物粒子で構成されていてもよい。ここで言う珪素酸化物粒子の種類は、組成式SiOxのxの値あるいは一次粒径が同等の珪素酸化物粒子であるかを意味する。すなわち複数種類の珪素酸化物粒子で構成される場合、組成式SiOxのxの値あるいは一次粒径が異なる珪素酸化物粒子が含まれることになる。前記製造方法で用いる珪素酸化物粒子に関し本実施形態に望ましい範囲内であるかどうかの判断は、組成式SiOxのxの値あるいは一次粒径に関し、前記製造方法で用いる珪素酸化物粒子全体の平均値に近いと考えられる値を得ることにより行う。したがって、平均値が本実施形態に望ましい範囲の外になるほどの影響がない量であれば、本実施形態の範囲外の珪素酸化物粒子が含有されていてもかまわない。
原料に用いられる珪素酸化物の組成式SiOxのxの値は2であること、すなわちSiOxが二酸化珪素であることが特に望ましい。これは、二酸化珪素が珪素酸化物の中で最も安定な組成であり、原料の粒子径や構造を制御しやすく、また活物質の製造工程で変化しにくいことによる。SiOxのxは大きくなるにつれ、充放電容量が小さくなり、一方でサイクル特性は良くなる傾向がある。そのため、前記製造方法で用いる珪素酸化物粒子のすべてに二酸化珪素粒子を用いて得られる充放電容量が必要とする容量に足りない場合、SiOxのxが2より小さい珪素酸化物粒子を一部混合する。前記一部混合される珪素酸化物粒子は組成式SiOx(0.005≦x≦0.1)で表されることが望ましく、さらに望ましくはSiOx(0.01≦x≦0.1)である。混合割合としては、二酸化珪素粒子に対し1重量%以上15重量%以下が望ましく、さらに望ましくは3重量%以上12重量%以下である。前記混合割合が1重量%より低いと充放電容量増加の効果が小さく、15重量%を超えるとサイクル特性が低下する影響が顕著になる。
珪素酸化物粒子の平均一次粒径は3nm以上50nm以下であることが望ましい。さらに望ましい平均一次粒径は5nm以上25nm以下であり、さらには5nm以上15nm以下である。また、珪素酸化物粒子はBET比表面積で100m/g以上450m/g以下であることが望ましい。さらに望ましいBET比表面積は150m/g以上400m2/g以下、さらには250m/g以上350m/g以下である。これらの平均一次粒径とBET比表面積を同時に満たす珪素酸化物粒子は粒子間に非常に微細な空間を有し、その空間を完全に炭素質物で埋めることが困難であることから、珪素酸化物粒子が炭素質物中に分散した活物質は、前記のN吸着法による細孔分布測定で脱着等温線が特異的な特徴を示す独特の微構造になるのである。
炭素前駆体としては、加熱による熱分解で非晶質炭素を形成する物質が用いられるが、糖類および糖酸が特に適しており、その中でもスクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アスコルビン酸、グルクロン酸が好ましく、さらにはスクロースおよびアスコルビン酸が好ましい。これらの物質は分子量がすべて150以上400未満であり、熱分解のピークが比較的低い温度にある特徴がある。前記熱分解のピークは400℃以下であることが望ましく、さらには320℃以下であることが望ましい。熱分解のピーク温度は、たとえば熱分解質量分析法により測定できる。具体的には、パイロライザーで試料の昇温を行い、各温度で発生したガスの量を質量分析計により測定し、発生ガス総量が最も多い温度を熱分解のピーク温度とする。熱分解質量分析法の測定においては、あらかじめ試料に吸着していた水分の蒸発によるピークを減らすため、あらかじめ測定用の試料を乾燥させておくことが望ましい。パイロライザーとしてフロンティアラボ製2120iDを使い、キャリアガスにヘリウムを用い、試料を40℃で8分保持した後5℃/分で800℃まで昇温し、質量分析計としてガスクロマトグラフ質量分析計であるアジレントテクノロジー製6890/5973を使い、カラムをフロンティアラボ製UA−DTMとし質量分析を行った結果、前記のスクロースの熱分解のピークが300℃、アスコルビン酸は205℃であった。
活物質の製造における焼成工程においては、前記のように比較的低い温度で熱分解が生じた後、さらに高い温度で焼成が行われて焼きしめられることにより、前記のN吸着法による細孔分布測定で脱着等温線が特異的な特徴を示す独特の微構造が得られる。これら炭素前駆体は、混合過程の前に平均粒径が10μm以下になるよう粉砕しておくことが望ましい。
炭素前駆体としてさらには、液体であり容易に重合可能な樹脂類またはこれらのモノマーを挙げられる。樹脂類は例えば、フラン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂であり、モノマーとしては、フルフリルアルコール、フルフラール、フルフラール誘導体等のフラン化合物が挙げられる。重合は活物質製造の乾燥・固化工程において行われ、重合させる方法は炭素前駆体により異なるが、塩酸、酸無水物を加える、あるいは加熱するなどすればよい。重合体になった際の分子量は前記の糖や糖類に比べて大きく、そのため熱分解のピークが400℃以上の比較的高い温度にあることが多い。これらの炭素前駆体を用いる場合、乾燥・固化工程においては、珪素酸化物粒子も含めた混合物全体が均質な状態で乾燥・固化されることが特に重要であり、そのようにして得られた固化物が比較的高い温度で熱分解を起こすことにより、前記のN2吸着法による細孔分布測定で脱着等温線が特異的な特徴を示す独特の微構造を得やすくなる。
分散媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等のケトン類、N-メチルピロリドン、オレイン酸あるいはリノール酸等の脂肪酸、エチレングリコールあるいはプロピレングリコール等のグリコール類を挙げることができる。あるいは、これらにバインダ剤あるいは界面活性剤を混合した液でもよい。分散媒を用いた混合法としては、固相に対する液相の量が少ない固練り法でもよいし、あるいは固相に対する液相の量が多い混合攪拌法でもよい。固練り法による混合では、被混合物が混合撹拌法と比較して流動性が小さい状態だが、せん断力が加わることにより均質な混合が可能となる。具体的な方法としては乳棒と乳鉢を用いて手によるせん断力を加えながら混合することで練ってもよいし、あるいはプラネタリ―ミキサーや押出し造粒機のような機械を使いせん断力を加えながら混合することで練ってもよい。混合撹拌法は例えば各種攪拌装置、ボールミル、ビーズミル装置およびこれらの組み合わせにより行うことができる。また、混合プロセスの一部で加熱しながら混合を行ってもよい。どのような混合法が良いかは、珪素酸化物粒子、炭素前駆体、分散媒の種類あるいはそれらの配合比によって決まるものであり、製造された活物質のN2吸着法による細孔分布測定で脱着等温線が上記実施形態の活物質になるよう、それら組合せを選別することになる。なお、活物質の特性は上記の原料の種類および量、および混合法の組合せのみでなく、以下に述べる活物質の作製条件にも影響される。そのため、最終的にはこれらすべての組合せを経て得られた活物質が本実施形態の範囲に入ることが必要である。
混合により得られた混合物は、乾燥・固化を行い、固化物を得る。乾燥は、たとえば大気中で静置したり、加熱をしたりすることで行える。乾燥は、減圧下で行ってもよいし、空気等のガスを流通させた状態で行ってもよい。乾燥は、分散媒を気化させ混合物内から減少させることを目的としており、分散媒の沸点や蒸気圧に応じて適切な方法を選別する。得られた混合物が固形、あるいは流動性が非常に低い状態の場合、乾燥・固化はたとえば150℃のような温度で加熱し保持することで行える。一方、得られた混合物が液状、あるいは流動性のある状態である場合、乾燥・固化の方法によっては、たとえば珪素酸化物粒子の沈降のような現象が生じ、固化物中に大きな偏りが生じることになる。それに対し、前記のように珪素酸化物粒子も含めた混合物全体が均質な状態で乾燥・固化されるようにするためには、混合物を薄く広げたり、エバポレーターのような機械を使い流動させたりしている状態で乾燥・固化工程を行うことが望ましい。
乾燥・固化により得られた固化物は、焼成を行う。焼成は、アルゴン(Ar)等の不活性雰囲気下にて加熱を行い、炭素前駆体を非晶質炭素に変化させると共に、SiOxを不均化反応させ珪素粒子を得ることで炭素質物と、炭素質物中に分散された珪素含有粒子の少なくとも2種から成る複合体を得る。焼成の好ましい温度は、600℃以上1500℃以下の範囲、好ましくは800℃以上1300℃以下、さらに好ましくは、800℃以上1100℃以下である。温度が下がるほど非晶質炭素の結晶性は低くなり、温度が上がるほど非晶質炭素の結晶性は高くなりやすい。焼成時間は、1時間以上12時間以下、好ましくは2時間以上8時間以下、さらに好ましくは2時間以上5時間以下である。
以上説明した本実施形態によれば、非水電解質電池用活物質を提供することができる。
本実施形態に係る非水電解質電池用活物質は、N吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスになるという特徴を有することから高容量で優れたサイクル特性を示す。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、非水電解質電池用電極が提供される。
本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、第1実施形態の非水電解質電池用活物質を用いる。具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、集電体と、集電体の片面あるいは両面に形成されている電極合剤層とを有する。電極合剤層は、第1実施形態の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する。
以下、本実施形態の非水電解質電池用電極を負極として説明するが、本実施形態の非水電極は正極として用いてもよい。また、以下の説明では、本実施形態に係る電極を非水電解質二次電池に用いるものとして説明するが、本実施形態に係る電極は、様々な電池に用いることができる。
図3を参照して、第2の実施形態に係る負極を具体的に説明する。図3は第2の実施形態に係る負極(非水電解質電池用電極)の概念図である。第2実施形態の負極100は、負極合剤層102と負極集電体101とを含む。負極合剤層102は負極集電体101上に配置された活物質を含む合剤の層である。負極合剤層102は、負極活物質と、導電材と結着剤とを含む。結着剤は、負極合剤層と負極集電体101を接合する。
負極合剤層102の厚さは1μm以上150μm以下の範囲であることが好ましい。従って負極集電体101の両面に担持されている場合は負極合剤層102の合計の厚さは2μm以上300μm以下の範囲となる。片面の厚さのより好ましい範囲は10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは30μm以上100μm以下である。この範囲であると負極100を備えた非水電解質電池の大電流放電特性とサイクル特性が大幅に向上する。
負極合剤層102の負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、負極活物質が57質量%以上95質量%以下、導電剤が3質量%以上20質量%以下、結着剤が2質量%以上40質量%以下の範囲にすることが好ましい。負極活物質、導電剤および結着剤の配合割合をこの範囲内とすることにより、負極100を備えた非水電解質電池の良好な大電流放電特性とサイクル特性が得られる。
実施形態の負極集電体101は、負極合剤層102と結着する導電性の部材である。負極集電体101としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いられる。これら導電性基板は、例えば、銅、ステンレスまたはニッケルから形成することができる。負極集電体101の厚さは5μm以上20μm以下であることが好ましい。負極集電体101の厚さが、この範囲内であると、電極強度と軽量化のバランスがとれるからである。
導電剤は、負極100の導電性を高める効果があり、負極合剤層102中に分散して存在することが好ましい。導電剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等の導電性炭素質物が挙げられる。導電剤は、鱗片状、破砕状、繊維状等の形状のものが用いられる。これらの導電剤は、1種を単独で用いられるか、または、2種以上を組み合わせて用いられる。導電剤もLiの挿入脱離を行うことができる場合が多いが、その充放電容量は本実施形態の活物質と比較して小さい。本実施形態ではLiの挿入脱離を主として担う負極活物質として、炭素質物と炭素質物中に分散された珪素酸化物粒子の少なくとも2種から成る複合体(第1実施形態の非水電解質電池用活物質)を用い、上記の導電性炭素質物を主として導電剤として利用する。
結着剤は、分散された負極活物質の間隙を埋めて、負極活物質と導電剤を結着させ、また、負極活物質と負極集電体101とを結着させる。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリル酸、アルギン酸やセルロースなどの多糖類およびその誘導体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。これらの中でも、負極集電体101との結着力が高く、負極活物質同士の結着力を高められる点から、イミド骨格を有するポリイミド等のポリマーがより好ましい。結着剤は、1種を単独で用いられるか、または、2種以上を組み合わせて用いられる。2種以上を組み合わせて用いる場合、負極活物質同士の結着に優れた結着剤と、負極活物質と負極集電体101との結着に優れた結着剤との組み合わせや、硬度の高い結着剤と柔軟性に優れる結着剤との組み合わせを採用することにより、負極100のサイクル特性を向上することができる。
次に、負極の製造方法について説明する。
まず、負極活物質、導電剤及び結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。
次いで、スラリーを負極集電体101に塗布し、乾燥して負極合剤層102を形成した後、プレスを施すことにより負極100が作製される。なお、プレスの圧力によって、負極集電体101への負極活物質の埋め込み度合いを調節することができる。プレス圧力が0.2kN/cmより低いと負極集電体101に対する負極活物質の埋め込みがあまり生じないため好ましくない。また、プレス圧力が10kN/cmより高いと、負極活物質や負極集電体101が割れる等の破損が生じるため好ましくない。従って、スラリーを乾燥させてなる負極合剤層102のプレス圧力は、0.5kN/cm以上5kN/cm以下が好ましい。
なお、ここで言うプレス圧力はローラープレス機を用いた場合の数値であり、プレス時に測定される圧力[kN]を、負極合剤層の幅[cm]で除した値である。負極合剤層の幅とは、ローラープレス機のロール軸に対し平行な方向の長さであり、たとえば上から見て長方形をした負極合剤層が斜めにローラープレス機に通された場合は、代表的な長さを採用するものとする。
以上説明した本実施形態によれば、非水電解質電池用電極を提供することができる。
本実施形態に係る非水電解質電池用電極は、集電体と電極合剤層とを有する。電極合剤層は、上述の第1実施形態の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する。このため、本実施形態に係る非水電解質電池用電極を適用した非水電解質電池は、高容量で優れたサイクル特性を示す。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、非水電解質電池が提供される。
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、第2実施形態の非水電解質電池用電極を用いる。具体的には、本実施形態に係る非水電解質電池は、外装材と、外装材内に収納された正極と、外装材内に正極と空間的に離間して、例えばセパレータを介在して収納された負極と、外装材内に充填された非水電解質とを具備する。第2実施形態の非水電解質電池用電極は、負極として用いられる。
以下、本実施形態に係る非水電解質電池の構成部材である負極、正極、非水電解質、セパレータ、外装材について、詳細に説明する。
(1)負極
負極としては、上述の第2の実施形態に係る負極が用いられる。
(2)正極
正極は、正極集電体と、この正極集電体の片面もしくは両面に形成され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極合剤層とを備える。導電剤および結着剤は、任意成分である。
正極合剤層の片面の厚さは、1μm以上150μm以下の範囲であること好ましく、30μm以上120μm以下であることがより好ましい。従って、正極集電体の両面に、正極合剤層が設けられている場合、正極合剤層の厚さの合計は、2μm以上300μm以下の範囲となる。
正極合剤層の厚さが、上記の範囲内であると、正極を備えた非水電解質電池の大電流放電特性とサイクル特性が大幅に向上する。
正極活物質としては、種々の酸化物、例えば、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiCoO)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.2)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn、LiMnO)が用いられる。これらの正極活物質を用いることにより、非水電解質二次電池は高電圧が得られるために好ましい。
正極活物質の平均一次粒径は、100nm〜1μmであることが好ましい。平均一次粒径が100nm以上の正極活物質は、工業生産上の取り扱いが容易である。また、平均一粒径が1μm以下の正極活物質は、リチウムイオンの固体内拡散をスムーズに進行させることができる。
導電剤は、正極活物質の集電性能を高めて、正極活物質と正極集電体との接触抵抗を抑える。導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、人工黒鉛、天然黒鉛、炭素繊維、導電性ポリマー等を含むものが挙げられる。
導電剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
結着剤は、分散された正極活物質の間隙を埋め、正極活物質と導電剤を結着させ、また、正極活物質と正極集電体とを結着させる。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、ポリアクリル酸を含む有機物が挙げられる。
結着剤の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
また、結着剤を分散させるための有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等が用いられる。
正極合剤層における、正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質が80質量%以上95質量%以下、導電剤が3質量%以上20質量%以下、結着剤が2質量%以上7質量%以下の範囲にすることが好ましい。正極合剤層の配合割合がこの範囲にある正極を備えた非水電解質電池は、良好な大電流放電特性とサイクル特性が得られる。
正極集電体は、正極合剤層と結着する導電性の部材である。正極集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板が用いられる。
正極集電体の厚さは、8μm以上15μm以下であることが好ましい。正極集電体の厚さが、この範囲内であることが好ましい理由は、電極強度と軽量化のバランスがとれるからである。
次に、正極の製造方法について説明する。
まず、正極活物質、導電剤および結着剤を汎用されている溶媒に懸濁してスラリーを調製する。
次いで、スラリーを正極集電体上に塗布し、乾燥して正極合剤層を形成した後、プレスを施すことにより正極が得られる。
また、正極は、正極活物質、結着剤および必要に応じて配合される導電剤をペレット状に形成して正極合剤層とし、これを正極集電体上に配置することにより作製されてもよい。
(3)非水電解質
非水電解質としては、非水電解液、電解質含浸型ポリマー電解質、高分子電解質または無機固体電解質が用いられる。
非水電解液は、非水溶媒(有機溶媒)に電解質を溶解することにより調製される液体状電解液で、電極群中の空隙に保持される。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート(以下、「第1溶媒」と言う。)と、環状カーボネートより低粘度の非水溶媒(以下、「第2溶媒」と言う。)との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いることが好ましい。
第2溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、キシレン、酢酸メチル(MA)等が挙げられる。これらの第2溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。特に、第2溶媒は、このドナー数があまり大きいと、Liイオンとの結合が強くなりすぎ、Liイオン伝導度を下がるため、ドナー数が16.5以下であることがより好ましい。
第2溶媒の粘度は、25℃において2.8cPs以下であることが好ましい。
第1溶媒と第2溶媒の混合溶媒中のエチレンカーボネートまたはプロピレンカーボネートの配合量は、体積比で1.0%以上80%以下であることが好ましく、20%以上75%以下であることがより好ましい。この第2溶媒の体積比があまり小さいと非水電解液の粘度が高くなるためにLiイオン伝導度が下がり、一方、第2溶媒の体積比があまり大きいとPCやECの働きが阻害されLiイオン伝導度が下がるため、前記範囲が好ましい。
非水電解質に含まれる電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、および、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]等のリチウム塩が挙げられる。これらの中でも、六フッ化リン酸リチウムまたは四フッ化ホウ酸リチウムを用いることが好ましい。非水電解質に含まれる非水溶媒に対する電解質の溶解量は、0.5mol/L以上2.0mol/L以下であることが好ましい。電解質の溶解量があまり小さいとイオンの移動が起きにくくなるためLiイオン伝導度が下がり、一方電解質の溶解量が2.0mol/Lを超えると非水電解液の粘度が高くなるためにLiイオン伝導度が下がるからである。
(4)セパレータ
セパレータは、正極と負極の間に配置される。
セパレータは、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、または、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含む多孔質フィルム、または、合成樹脂製不織布から形成される。これらの中でも、ポリエチレンまたはポリプロピレンから形成された多孔質フィルムは、一定温度において溶融し、電流を遮断することが可能であるため、安全性を向上できるため好ましい。
セパレータの厚さは、5μm以上30μm以下であることが好ましく、10μm以上25μm以下であることがより好ましい。セパレータの厚さが5μm未満では、セパレータの強度が著しく低下し、内部ショートを生じ易くなるおそれがある。一方、セパレータの厚さが30μmを超えると、正極と負極の間の距離が大きくなって、内部抵抗が大きくなるおそれがある。
セパレータは、120℃で1時間放置したときの熱収縮率が20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。セパレータの熱収縮率が20%を超えると、加熱により正極と負極の間でショートする可能性が大きくなる。
セパレータは、多孔度が30%以上70%以下であることが好ましく、35%以上70%以下であることがより好ましい。
セパレータの多孔度が上記の範囲内であることが好ましい理由は、次の通りである。多孔度が30%未満では、セパレータにおいて高い電解質保持性を得ることが難しくなるおそれがある。一方、多孔度が70%を超えると、セパレータに十分な強度が得られなくなるおそれがある。
セパレータは、空気透過率が30秒/100cm以上500秒/100cm以下であることが好ましく、50秒/100cm以上300秒/100cm以下であることがより好ましい。
空気透過率が30秒/100cm未満では、セパレータに十分な強度が得られなくなるおそれがある。一方、空気透過率が500秒/100cmを超えると、セパレータにおいて高いリチウムイオン移動度が得られなくなるおそれがある。
(5)外装材
正極、負極および非水電解質が収容される外装材としては、金属製容器や、ラミネートフィルム製外装容器が用いられる。
金属製容器としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス等からなる金属缶で角形、円筒形の形状のものが用いられる。また、金属製容器の厚さは、1mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下である。
アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛、珪素等の元素を含む合金が好ましい。アルミニウム合金中に、鉄、銅、ニッケル、クロム等の遷移金属を含む場合、その含有量は100ppm以下であることが好ましい。アルミニウム合金からなる金属製容器は、アルミニウムからなる金属製容器よりも強度が飛躍的に増大するため、金属製容器の厚さを薄くすることができる。その結果、薄型で軽量かつ高出力で放熱性に優れた非水電解質電池を実現することができる。
ラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔を樹脂フィルムで被覆した多層フィルム等が挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の高分子化合物が用いられる。また、ラミネートフィルムの厚さは、0.5mm以下であることが好ましく、0.2mm以下であることがより好ましい。アルミニウム箔の純度は、99.5%以上であることが好ましい。
なお、本実施形態の非水電解質電池は、扁平型(薄型)、角型、円筒型、コイン型、ボタン型等の種々の形態の非水電解質電池に適用することができる。
また、本実施形態に係る非水電解質電池は、上記の正極および負極からなる電極群に電気的に接続されるリードをさらに具備することができる。本実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、2つのリードを具備することもできる。その場合、一方のリードは、正極集電タブに電気的に接続され、他方のリードは、負極集電タブに電気的に接続される。
リードの材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と
同じ材料が用いられる。
本実施形態に係る非水電解質電池は、上記のリードに電気的に接続され、上記の外装材から引き出された端子をさらに具備することもできる。本実施形態に係る非水電解質電池は、例えば、2つの端子を具備することもできる。その場合、一方の端子は、正極集電タブに電気的に接続されたリードに接続され、他方の端子は、負極集電タブに電気的に接続されたリードに接続される。
端子の材料としては、特に限定されないが、例えば、正極集電体および負極集電体と同じ材料が用いられる。
(6)非水電解質電池
次に、本実施形態に係る非水電解質電池の一例として、図4および図5に示す扁平型非水電解質二次電池(非水電解質電池)200について説明する。図4は第3の実施形態に係る扁平型非水電解質二次電池(非水電解質電池)の断面概念図であり、図5は図4中に示すA部の拡大断面概念図である。
図4に示す扁平型非水電解質二次電池200は、扁平状の捲回電極群201が、外装材202内に収納されて構成されている。外装材202は、ラミネートフィルムを袋状に形成したものでもよく、金属製の容器であってもよい。また、扁平状の捲回電極群201は、外側、すなわち外装材202側から、負極203、セパレータ204、正極205、セパレータ204の順で積層された積層物を渦巻状に捲回し、プレス成型することにより形成される。最外層に位置する電極は負極203であり、この負極203は、負極集電体203aの電池内面側の片面のみに負極合剤層203bが形成された構成を有する。最外層以外の負極203は、負極集電体203aの両面に負極合剤層203bが形成された構成を有する。また、正極205は、正極集電体205aの両面に正極合剤層205bが形成された構成を有する。なお、セパレータ204に代えて、上述した電解質含浸型ポリマー電解質および高分子電解質などのゲル状の非水電解質を用いてもよい。
図4に示す捲回電極群201は、その外周端近傍において、負極端子206が最外周の負極203の負極集電体203aに電気的に接続されている。正極端子207は内側の正極205の正極集電体205aに電気的に接続されている。これらの負極端子206及び正極端子207は、外装材202の外部に延出されるか、外装材202に備えられた取り出し電極に接続される。
ラミネートフィルムからなる外装材を備えた扁平型非水電解質二次電池200を製造する際は、負極端子206および正極端子207が接続された捲回電極群201を、開口部を有する袋状の外装材202に装入し、液状非水電解質を外装材202の開口部から注入し、外装材202の開口部を負極端子206及び正極端子207を挟んだ状態でヒートシールすることにより捲回電極群201及び液状非水電解質を完全密封させる。
また、金属容器からなる外装材を備えた扁平型非水電解質二次電池200を製造する際は、負極端子206および正極端子207が接続された捲回電極群201を、開口部を有する金属容器に装入し、液状非水電解質を外装材202の開口部から注入し、さらに、金属容器に蓋体を装着して開口部を封口させる。
負極端子206としては、例えば、リチウムに対する電位が1V以上3V以下の範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。負極端子206は、負極集電体203aとの接触抵抗を低減するために、負極集電体203aと同様の材料であることが好ましい。
正極端子207としては、リチウムに対する電位が3V以上4.25Vの範囲において電気的安定性と導電性とを備える材料を用いることができる。具体的には、アルミニウムまたはMg、Ti、Zn、Mn、Fe、Cu、Si等の元素を含むアルミニウム合金が挙げられる。正極端子207は、正極集電体との接触抵抗を低減するために、正極集電体と同様の材料であることが好ましい。
以下、扁平型非水電解質二次電池200の構成部材である外装材202、負極203、正極205、セパレータ204および非水電解質について詳細に説明する。
(1)外装材
外装材202としては、上記の外装材が用いられる。
(2)負極
負極203としては、上記の負極が用いられる。
(3)正極
正極205としては、上記の正極が用いられる。
(4)セパレータ
セパレータ204としては、上記のセパレータが用いられる。
(5)非水電解質
非水電解質としては、上記の非水電解質が用いられる。
第3の実施形態に係る非水電解質電池は、前述した図4および図5に示す構成のものに限らず、例えば、図6および図7に示す構成の電池であってもよい。図6は、第3の実施形態に係る別の扁平型非水電解質二次電池を模式的に示す部分切欠斜視図であり、図7は図6中に示したB部の拡大断面図である。
図6および図7に示す非水電解質二次電池300は、積層型電極群301が外装材302内に収納されて構成されている。積層型電極群301は、図7に示すように正極303と負極304とを、その間にセパレータ305を介在させながら交互に積層した構造を有する。
正極303は複数枚存在し、それぞれが正極集電体303aと、正極集電体303aの両面に担持された正極合剤層303bとを備える。正極合剤層303bには正極活物質が含有される。
負極304は複数枚存在し、それぞれが負極集電体304aと、負極集電体304aの両面に担持された負極合剤層304bとを備える。負極合剤層304bには負極活物質が含有される。各負極304の負極集電体304aは、一辺が負極304から突出している。突出した負極集電体304aは、帯状の負極端子306に電気的に接続されている。帯状の負極端子306の先端は、外装材302から外部に引き出されている。また、図示しないが、正極303の正極集電体303aは、負極集電体304aの突出辺と反対側に位置する辺が正極303から突出している。正極303から突出した正極集電体303aは、帯状の正極端子307に電気的に接続されている。帯状の正極端子307の先端は、負極端子306とは反対側に位置し、外装材302の辺から外部に引き出されている。
図6および図7に示す非水電解質二次電池300を構成する各部材の材質、配合比、寸法等は、図4および図5において説明した非水電解質二次電池200の各構成部材と同様の構成である。
以上説明した本実施形態によれば、非水電解質電池を提供することができる。
本実施形態に係る非水電解質電池は、負極と、正極と、非水電解質と、セパレータと、外装材と、を具備する。負極は、上述の第2の実施形態に係る非水電解質電池用活物質を用いて形成されている。このため、本実施形態に係る非水電解質電池は、高容量で優れたサイクル特性を示す。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係る電池パックを説明する。
第4の実施形態に係る電池パックは、上記第3の実施形態に係る非水電解質電池(即ち、単電池)を1つ以上有する。電池パックに複数の単電池が含まれる場合、各単電池は、電気的に直列、並列、或いは、直列と並列に接続して配置される。
図8および図9を参照して、第4の実施形態に係る電池パックを具体的に説明する。図8は第4の実施形態に係る電池パックの概念図であり、図9は第4の実施形態に係る電池パックの電気回路を示すブロック図である。図8に示す電池パック400においては、単電池401として図4に示す扁平型非水電解質二次電池200を使用している。
複数の単電池401は、外部に延出した負極端子206及び正極端子207が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ402で締結することにより組電池403を構成している。これらの単電池401は、図8および図9に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
プリント配線基板404は、負極端子206及び正極端子207が延出する単電池401側面と対向して配置されている。プリント配線基板404には、図7に示すようにサーミスタ405、保護回路406及び外部機器への通電用端子407が搭載されている。なお、組電池403と対向するプリント配線基板404の面には組電池403の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
正極側リード408は、組電池403の最下層に位置する正極端子207に接続され、その先端はプリント配線基板404の正極側コネクタ409に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード410は、組電池403の最上層に位置する負極端子206に接続され、その先端はプリント配線基板404の負極側コネクタ411に挿入されて電気的に接続されている。これらの正極側コネクタ409、負極側コネクタ411は、プリント配線基板404に形成された配線412、413を通して保護回路406に接続されている。
サーミスタ405は、単電池401の温度を検出するために用いられ、図8においては図示を省略しているが、単電池401の近傍に設けられると共に、その検出信号は保護回路406に送信される。保護回路406は、単電池401の充放電を制御するものである。所定の条件で保護回路406と外部機器への通電用端子407との間のプラス側配線414a及びマイナス側配線414bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ405の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池401の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池401もしくは単電池401全体について行われる。個々の単電池401を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池401中に参照極として用いるリチウム電極が挿入される。図8及び図9の場合、単電池401それぞれに電圧検出のための配線415を接続し、これら配線415を通して検出信号が保護回路406に送信される。
図8に示すように、正極端子207及び負極端子206が突出する側面を除く組電池403の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート416がそれぞれ配置されている。
組電池403は、各保護シート416及びプリント配線基板404と共に収納容器417内に収納される。すなわち、収納容器417の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート416が配置され、短辺方向の保護シート416とは反対側の内側面にプリント配線基板404が配置される。組電池403は、保護シート416及びプリント配線基板404で囲まれた空間内に位置する。蓋418は、収納容器417の上面に取り付けられている。
なお、組電池403の固定には粘着テープ402に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮テープを周回させた後、熱収縮テープを熱収縮させて組電池を結束させる。
図8、図9においては単電池401を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには、単電池401を並列に接続しても、または直列接続と並列接続を組み合わせてもよい。組み上がった電池パックをさらに直列、並列に接続することもできる。
なお、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途は、大電流を取り出したときに優れたサイクル特性を示すものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車両に用いられる車載用が挙げられる。特に、高温特性の優れた非水電解質二次電池を用いた電池パックは車載用に好適に用いられる。
以上説明した本実施形態によれば、電池パックを提供することができる。
本実施形態に係る電池パックは、上記第3の実施形態に係る非水電解質電池を少なくとも1つ具備する。このため、本実施形態に係る電池パックは、高容量で優れたサイクル特性を示す。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、非水電解質電池用活物質がN吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスであることにより、高容量で優れたサイクル特性を示す非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パックを実現できる。
以下に具体的な実施例を挙げ、その効果について述べる。
(実施例1)
次のような条件で実施例1の負極活物質を得た。親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、得られた混合粉にスポイトを用いて純水を添加しながら、30分間固練りして含水混合物を得た。この含水混合物を団子状(ボール状)に成形して、団子状含水混合物を得た。この団子状含水混合物をアルミナ製のこう鉢に入れて、150℃のホットプレートの上に1時間静置して、乾燥させて固化させた。得られた団子状固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた団子状焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
(充放電試験)
得られた負極活物質77質量%、平均粒子径3μmのグラファイト15質量%、ポリイミド8質量%を、N-メチルピロリドンに懸濁してスラリーを調製した。このスラリーを厚さ12μmの銅箔上に塗布して圧延した後、250℃で2時間、Arガス中にて熱処理して、スラリーを乾燥させて、銅箔上に負極合剤層を形成した。次いで、負極合剤層付の銅箔を、所定のサイズに裁断した後、100℃で12時間、真空乾燥して、試験電極を得た。
上記の試験電極と、対極および参照極として金属リチウム箔と、電解液とを用いて、アルゴン雰囲気中で電池を製造し、この電池について充放電試験を行った。電解液としては、ECとDECとを体積比で1:2(EC:DEC)の割合で含む混合溶媒にLiPFを1Mの濃度で溶解させた溶液を用いた。
充放電試験の条件は、次のとおりとした。
初回の充放電は、電圧(参照極と試験電極間の電位差)が0.01Vとなるまで1mA/cmの電流密度で充電し、さらに電圧を0.01Vに維持して24時間の定電圧充電を行い、その後、電圧が1.5Vとなるまで1mA/cmの電流密度で放電した。このときの放電容量を初回放電容量とした。
二回目以降の充放電は、電圧が0.01Vとなるまで1mA/cmの電流密度で充電して、電圧が1.5Vとなるまで1mA/cmの電流密度で放電するサイクルを行い、放電容量の推移を測定した。放電容量が初回放電容量の80%を維持することができたサイクル数をサイクル寿命とし、評価を行った。
(N吸着法による細孔分布測定)
得られた負極活物質に対し、前記の方法でN吸着法による細孔分布測定を行った。具体的には負極活物質試料0.2−0.5gを1/2インチインチセルに採取し、まず前処理として島津製作所-マイクロメリティックス社製バキュプレップにより温度約200℃で約15時間減圧乾燥による脱ガス処理を行った後、島津製作所-マイクロメリティックス社製トライスターII3020を用いて測定を行った。結果として得られた吸脱着等温線を図2に示す。これにより、脱着等温線における前記傾きaおよび傾きa’を得た。
(活物質内部の構造観察)
実施例1において得られた試験電極について、電極をイオンミリング法で薄片化した後、TEMによる観察を行い、負極活物質内に珪素酸化物粒子が分散した状態を確認し、その平均一次粒径を得た。結果として得られた画像を図1に示す。装置は日本電子製JEM−200CXを用い、加速電圧は200kVとした。
(組成分析)
実施例1において得られた負極活物質中のO/Si(原子モル比)を元素組成分析に基づき算出した。元素組成分析の具体的な方法は、アルカリ融解−ICP発光分光分析法により活物質中の珪素原子の含有割合を、不活性ガス融解−赤外線吸収法により酸素原子の含有割合をそれぞれ最初に求め、次にこの含有割合から原子モル比を計算した。これにより珪素原子が25.7重量%、酸素原子が25重量%の割合で含有されるという結果が得られ、O/Si(原子モル比)が2.0であると計算された。
以下の実施例および比較例については実施例1と異なる部分のみ説明し、その他の合成および評価手順については実施例1と同様に行ったので説明を省略する。なお、いずれの場合も実施例1同様に、珪素含有粒子が非晶質炭素中に分散していることが確認された。
(実施例2)
アスコルビン酸粉末の代わりにスクロース粉末を3.8g用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
(実施例3)
次のような条件で珪素と二酸化珪素の混合粉末をプラズマ加熱し、珪素酸化物粉末を得た。珪素は約5μmの市販品粉末、二酸化珪素は約4μmの市販品粉末を用いた。混合粉末は、珪素と二酸化珪素とをモル比が3:1(珪素:二酸化珪素)になるように混合して調製した。プラズマ加熱においては、プラズマ加熱装置内に8000℃の領域を存在させ、混合粉末をフィーダーにより前記の領域の上部から落下させ、前記の領域を通過させた。加熱により気化した混合粉末は、前記の領域を通過した後、急冷され、析出した。得られた珪素酸化物粉末は、平均一次粒径が14nm、BET比表面積が268m/g、SiOxのxが0.70であった。
この珪素酸化物粉末1.5gにアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、得られた混合粉にスポイトを用いてエタノールを添加し、30分間固練りして含エタノール混合物を行った。固練りの際は、エタノールが蒸発するのに応じて適宜エタノールを添加した。この含エタノール混合物を団子状に成形して、団子状含エタノール混合物を得た。この団子状含エタノール混合物をアルミナ製のこう鉢に入れて、150℃のホットプレートの上に1時間静置して、乾燥させて固化させた。得られた団子状固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた団子状焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
(実施例4)
実施例1と同じく親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、この混合粉に25gの純水を加え、ZrOボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製した。そのスラリーを、減圧ろ過してZrOボールを取り除き、金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移し、80℃にて10時間静置して、乾燥させた。得られた乾燥物を、アルミナ製のこう鉢に移し150℃のホットプレートの上に1時間静置し、さらに乾燥させて、固化させた。得られた固化物を、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
(実施例5)
実施例1と同じく親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m/g、SiOxのx=2.0)1.5gと、珪素粉末(市販品、平均一次粒径40nm、BET比表面積60m/g、SiOxのx=0.024)0.075gとを混合して珪素酸化物粉末を得た。得られた珪素酸化物粉末にアスコルビン酸粉末4.0gを加え、メノウ乳鉢で乾式混合を5分間行った。次に、この混合粉を固形状レゾール系フェノール樹脂3.0gを26gのエタノールに溶解させた溶液に加え、ZrOボールを用い、遊星ボールミルにて解砕・混合処理を行い、スラリーを調製した。そのスラリーを、減圧ろ過してZrOボールを取り除き、金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移し、80℃で加熱して乾燥させ、この乾燥によって得られた乾燥物を150℃で1時間加熱して固化させた。得られた固化物を、アルミナ製のこう鉢に移し、Ar雰囲気下1000℃で3時間保持し焼成した。得られた焼成物をメノウ乳鉢で粉砕し、この粉砕によって得られた粉砕物を目開き20μmの篩にかけて粗大粒子を取り除いて負極活物質を得た。
(実施例6)
固形状レゾール系フェノール樹脂の代わりに液状レゾール系樹脂5.2gを用いたこと以外は、実施例5と同様にして負極活物質を得た。
(比較例1)
固練りで用いる液を純水の代わりに、純水とエタノールを重量比1:2で混合した混合液を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で負極活物質を得た。
(比較例2)
親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径12nm、BET比表面積302m/g、SiOxのx=2.0)の代わりに親水性の二酸化珪素粉末(市販品、平均一次粒径33nm、BET比表面積49m/g、SiOxのx=2.0)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
(比較例3)
固練りで用いる液をエタノールの代わりにエタノールと純水を重量比1:1で混合した液を用いたこと以外は、実施例3と同様にして負極活物質を得た。
(比較例4)
金属容器にろ過済みスラリーを厚みが5mm以下になるように移す代わりに厚みが40mm程度になるように移したこと以外は、実施例5と同じ方法で負極活物質を得た。
実施例1〜6および比較例1〜4の負極活物質に関し、脱着等温線中の傾きa、傾きa’、活物質中の珪素酸化物粒子の平均一次粒径、SiOxのxの値、初回放電容量、およびサイクル寿命を表1に示す。活物質内部の構造観察により、すべての活物質内に珪素酸化物粒子が分散していることが確認された。傾きaがマイナスであり、傾きa’がプラスであるが傾きa’の絶対値が傾きaの絶対値より小さい例として実施例5のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線を図8に示す。また、傾きaがプラスである例として比較例4のN吸着法による細孔分布測定における吸脱着等温線を図9に示す。
実施例1、2、4、5、6および比較例1、4は、活物質中の珪素酸化物粒子の平均一次粒径、SiOxのxの値、および初回放電容量で大きな差がなく、それらと比較例2はSiOxのxの値、および初回放電容量で大きな差がないが、傾きaがマイナスである実施例1、2、4、5、6のサイクル寿命に対し、傾きaがプラスである比較例1、2、4のサイクル寿命は低いものであった。また、実施例3と比較例3は、活物質中の珪素酸化物粒子の平均一次粒径、SiOxのxの値、および初回放電容量に大きな差がないが、傾きaがマイナスである実施例3のサイクル寿命に対し、傾きaがプラスである比較例3のサイクル寿命は低いものであった。
以上、実施形態について説明したが、実施形態はこれらに限られず、特許請求の範囲に記載の発明の要旨の範疇において様々に変更可能である。また、実施する形態は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…珪素酸化物粒子、2…炭素質物、100…負極、101…負極集電体、102…負極合剤層、200…非水電解質二次電池、201…捲回電極群、202…外装材、203…負極、203a…負極集電体、203b…負極合剤層、204…セパレータ、205…正極、205a…正極集電体、205b…正極合剤層、206…負極端子、207…正極端子、300…非水電解質二次電池、301…積層型電極群、302…外装材、303…正極、303a…正極集電体、303b…正極合剤層、304…負極、304a…負極集電体、304b…負極合剤層、305…セパレータ、306…負極端子、307…正極端子、400…電池パック、401…単電池、402…粘着テープ、403…組電池、404…プリント配線基板、405…サーミスタ、406…保護回路、407…通電用端子、408…正極側リード、409…正極側コネクタ、410…負極側リード、411…負極側コネクタ、412…配線、413…配線、414a…プラス側配線、414b…マイナス側配線、415…配線、416…保護シート、417…収納容器、418…蓋

Claims (7)

  1. 珪素および酸化珪素、あるいは酸化珪素から成り、組成式がSiOx(0.1≦x≦2)で表される珪素酸化物粒子と炭素質物とを含み、
    吸着法による細孔分布測定における脱着等温線において、P/Pが0.5より大きい初めの測定点とP/Pが0.7より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きaがマイナスである非水電解質電池用活物質。
  2. 前記脱着等温線において、P/Pが0.3より大きい初めの測定点とP/Pが0.5より小さい初めの測定点を結んだ直線の傾きa’がプラスであり、かつ前記傾きa’の絶対値が前記傾きaの絶対値より大きいことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池用活物質。
  3. 前記珪素酸化物粒子の平均一次粒径が3nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質電池用活物質。
  4. 前記珪素酸化物粒子が二酸化珪素からなる粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非水電解質電池用活物質。
  5. 集電体と、前記集電体の片面あるいは両面に形成されている電極合剤層と、を備え、
    前記電極合剤層が請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非水電解質電池用活物質、導電剤および結着剤を含有する非水電解質電池用電極。
  6. 外装材と、前記外装材内に収納された正極と、前記外装材内において、前記正極と空間的に離間して、セパレータを介して収納された負極と、前記外装材内に充填された非水電解質と、を具備し、
    前記負極は、請求項5に記載の非水電解質電池用電極からなる非水電解質電池。
  7. 請求項6に記載の非水電解質電池を1以上備える電池パック。
JP2016052970A 2016-03-16 2016-03-16 非水電解質電池用活物質、非水電解質電池用電極、非水電解質電池および電池パック Active JP6634318B2 (ja)

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