JP2017166386A - 気体燃料直噴エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁(水素用直噴噴射弁18A、CNG用直噴噴射弁18B)を有する気体燃料直噴エンジン10の始動のためのクランキング運転中に、該エンジン10の燃焼室に面する部材における付着物を除去できるようにして、該エンジン10の始動性を向上させる。
【解決手段】特定始動時に、点火プラグ19を作動させることなくエンジン10のクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグ19により点火したとしても該燃焼室内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比になるように、上記燃料噴射弁を制御するクランキング時燃料噴射制御を実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、気体燃料直噴エンジンの制御装置に関する技術分野に属する。
特にハイブリッド車両においては、エンジンの運転及び停止が頻繁に繰り返されることが多く、このため、エンジンの運転中の燃焼状態が悪い。特に、エンジンが冷間状態にあるときにエンジンの運転が停止した場合に、そのエンジンの運転中の燃焼状態が悪くなる。このようなエンジンでは、エンジンの運転中に、燃焼室に面する部材(特に点火プラグやプラグホールの開口部、排気弁の弁座部)に付着物が付着堆積し易くなる。
ここで、例えば特許文献1には、例えば水素を燃料とするエンジンと、該エンジンを駆動して始動させかつ該始動後のエンジンにより駆動されて発電するモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両の制御装置において、モータジェネレータによるエンジンの駆動開始から所定時間経過するまでの間、燃料の噴射及び点火を行わないで、該エンジンの燃焼室内に残存する燃料を掃気させることが開示されている。
特開2014−113942号公報
ところで、燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁を有する気体燃料直噴エンジンの始動のためのクランキング運転中において、前回のエンジンの運転中に付着した付着物を除去するために、上記特許文献1のように、燃料の噴射及び点火を行わないで、燃焼室内に残存する燃料を掃気させることが考えられる。
しかし、この方法では、燃焼室内に残留する未燃の燃料を除去することはできるものの、燃焼室に面する部材に付着した付着物を除去することは困難である。このような付着物が付着したままであると、燃焼室のシール性や点火プラグによる燃料の点火に悪影響を及ぼし、エンジンの始動不良が生じることが懸念される。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁を有する気体燃料直噴エンジンの始動のためのクランキング運転中に、該エンジンの燃焼室に面する部材における付着物を除去できるようにして、該エンジンの始動性を向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁により噴射された燃料を点火させる点火プラグとを有する気体燃料直噴エンジンの制御装置を対象として、上記エンジンは、該エンジンを始動させるための始動装置を有し、上記燃料噴射弁、点火プラグ及び始動装置の作動を含めて、上記エンジンの作動を制御する制御手段を備え、上記制御手段は、通常始動時においては、上記燃料噴射弁及び点火プラグを作動させることなく上記始動装置による上記エンジンのクランキング運転を行う一方、特定始動時においては、上記点火プラグを作動させることなく上記エンジンのクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、上記燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグにより点火したとしても該燃焼室内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比になるように、上記燃料噴射弁を制御するクランキング時燃料噴射制御を実行するよう構成されている、という構成とした。
上記の構成により、クランキング時燃料噴射制御の実行によって、気体燃料を含む高圧の圧縮混合気により、燃焼室に面する部材に付着した付着物を除去し易くなる。また、噴射された気体燃料の噴流の勢いを利用することで、付着物をより一層除去し易くなる。したがって、特定始動時におけるエンジンのクランキング運転中に、燃焼室に面する部材における付着物を除去して、エンジンの始動性を向上させることができる。上記特定始動時としては、燃焼室に面する部材に付着物が付着する可能性が高い運転が停止された後のエンジンの始動時である。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置において、上記エンジンの冷却水の温度を検出するエンジン水温検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記エンジン水温検出手段による検出温度から上記エンジンが所定の温間状態に達しているか否かを判定するとともに、上記エンジンが上記所定の温間状態に達していないと判定しているときに該エンジンの運転が停止された後における次の該エンジンの始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、上記クランキング時燃料噴射制御を実行するよう構成されている、ことが好ましい。
すなわち、前回のエンジンの運転が、所定の温間状態に達していない状態で停止されたときには、その運転中に、燃焼室に面する部材に付着物が付着する可能性が高いので、その次のエンジンの始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、クランキング時燃料噴射制御を実行することで、上記付着物を効果的に除去することができる。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置の一実施形態では、上記エンジンは、上記気体燃料として、第1燃料と、第2燃料とを使用するものであり、上記燃料噴射弁は、上記第1燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、上記第2燃料を噴射する第2の燃料噴射弁とを含み、上記燃焼室内の燃料が上記第2燃料のみである場合に上記点火プラグにより点火したとしても該第2燃料が着火しない最小の燃焼空燃比が、上記燃焼室内の燃料が上記第1燃料のみである場合に上記点火プラグにより点火したとしても該第1燃料が着火しない最小の燃焼空燃比よりも低くなっており、上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記第1燃料及び第2燃料のうち上記最小の燃焼空燃比が低い方の燃料である上記第2燃料の体積噴射量が、上記第1燃料の体積噴射量よりも多くなるように、上記第1及び第2の燃料噴射弁を制御するよう構成されている。
このことにより、第1燃料及び第2燃料のトータル体積噴射量を多くすることができ、この結果、付着物をより一層除去し易くなる。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置の別の実施形態では、上記エンジンは、上記気体燃料として、第1燃料と、該第1燃料とは異なる第2燃料とを使用するものであり、上記燃料噴射弁は、上記第1燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、上記第2燃料を噴射する第2の燃料噴射弁とを含み、上記第1燃料及び第2燃料の体積残量をそれぞれ検出する残量検出手段を更に備え、上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記残量検出手段により検出される体積残量が多い方の燃料の体積噴射量が、少ない方の燃料の体積噴射量よりも多くなるように、上記第1及び第2の燃料噴射弁を制御するよう構成されている。
こうすることで、第1燃料及び第2燃料の残量の偏りをなくして、一方の燃料のみが早期になくなるのを防止することができ、この結果、航続距離が短くなるのを防止することができる。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置の更に別の実施形態では、上記エンジンは、ロータリピストンエンジンであり、上記燃料噴射弁は、ロータの回転方向に並設されたリーディング側燃料噴射弁及びトレーリング側燃料噴射弁を含み、上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記リーディング側燃料噴射弁からの上記気体燃料の体積噴射量が、上記トレーリング側燃料噴射弁からの上記気体燃料の体積噴射量よりも多くなるように、該リーディング側燃料噴射弁及び該トレーリング側燃料噴射弁を制御するよう構成されている。
すなわち、ロータリピストンエンジンでは、特に点火プラグやプラグホールの開口部に付着物が付着し易いが、点火プラグ(プラグホール)に近いリーディング側燃料噴射弁からの気体燃料の体積噴射量を多くすることで、点火プラグやプラグホールの開口部に付着した付着物を効果的に除去することができる。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置の更に別の実施形態では、上記エンジンは、シリンダ内をピストンが往復動するレシプロエンジンであり、上記燃料噴射弁は、上記燃焼室の天井部の中央部に配設されていて、シリンダの中心軸方向から見て、少なくとも、上記気体燃料をシリンダの中心部からその周囲全周に向けて噴射する第1の噴射形態と、上記気体燃料をシリンダの中心部から排気弁に向けて噴射する第2の噴射形態とに切り換え可能に構成され、上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記気体燃料を上記第2の噴射形態でもって噴射するように、上記燃料噴射弁を制御するよう構成されている。
すなわち、レシプロエンジンでは、特に排気弁の弁座部に付着物が付着し易いが、気体燃料を排気弁に向けて噴射することで、該排気弁の弁座部に付着した付着物を効果的に除去して、燃焼室のシール性を確実なものとすることができる。
上記気体燃料直噴エンジンの制御装置の更に別の実施形態では、上記エンジンは、シリンダ内をピストンが往復動するレシプロエンジンであり、上記燃料噴射弁は、上記燃焼室の天井部の中央部に配設されていて、シリンダの中心軸方向から見て、少なくとも、上記気体燃料をシリンダの中心部からその周囲全周に向けて噴射する第1の噴射形態と、上記気体燃料をシリンダの中心部から点火プラグに向けて噴射する第2の噴射形態とに切り換え可能に構成され、上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記気体燃料を上記第2の噴射形態でもって噴射するように、上記燃料噴射弁を制御するよう構成されている。
これにより、点火プラグに付着した付着物を効果的に除去して、エンジンの始動時に失火が生じるのを防止することができる。
以上説明したように、本発明の気体燃料直噴エンジンの制御装置によると、特定始動時に、点火プラグを作動させることなく該エンジンのクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、該エンジンの燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグにより点火したとしても該燃焼室内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比になるように、燃料噴射弁を制御するクランキング時燃料噴射制御を実行するようにしたことにより、エンジンのクランキング運転中に、燃焼室に面する部材における付着物を除去して、エンジンの始動性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る気体燃料直噴エンジン制御装置が搭載されたハイブリッド車両の概略図である。 上記ハイブリッド車両の気体燃料直噴エンジン及びその制御系の構成を示すブロック図である。 コントロールユニットによる気体燃料直噴エンジンの始動時の処理動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2における気体燃料直噴エンジンの断面図である。 本発明の実施形態3における気体燃料直噴エンジンの断面図である。 実施形態3における気体燃料直噴エンジンの燃焼室の天井部を燃焼室側から見た図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る気体燃料直噴エンジン制御装置が搭載されたハイブリッド車両1(以下、車両1という)の概略図である。この車両1は、シリーズハイブリッド車両であって、燃料として気体燃料を使用する気体燃料直噴エンジン10(以下、単にエンジン10という)と、該エンジン10により駆動されて発電する発電機20と、この発電機20によって発電された電力が蓄電(充電)される高電圧・大容量のバッテリ30と、エンジン10に駆動されることによる発電機20の発電電力及びバッテリ30の蓄電電力(放電電力)の少なくとも一方により駆動される駆動モータ40とを備えている。本実施形態では、発電機20は、モータ(始動装置)の機能も有するモータジェネレータであり、モータとしての発電機20によりエンジン10を駆動して(クランキングして)、エンジン10を始動するようになされている。
発電機20とバッテリ30との間には、第1インバータ50が設けられ、バッテリ30と駆動モータ40との間には、第2インバータ51が設けられている。第1インバータ50と第2インバータ51とは互いに接続され、その接続ラインにバッテリ30が接続されている。発電機20の発電電力は、第1インバータ50を介してバッテリ30に供給されるとともに、第1及び第2インバータ50,51を介して駆動モータ40に供給される。バッテリ30からの放電電力は、第2インバータ51を介して駆動モータ40に供給される。
駆動モータ40の出力は、デファレンシャル装置60を介して、駆動輪61(ステアリングホイール62により操舵される左右の前輪)に伝達され、これにより、車両1が走行する。
駆動モータ40は、回生発電電力を発生可能なものであって、車両1の減速時に発電機として作動して、その発電した電力(回生発電電力)がバッテリ30に充電される。また、後述の充電走行モードでは、エンジン10が始動されて発電機20の発電電力でもってバッテリ30が充電される。尚、バッテリ30は、車両1の外部の電源による外部充電も可能になされている。
エンジン10は、発電機20を駆動して発電させるために用いられる発電用エンジンである。エンジン10は、水素タンク70に貯留されている水素ガス、及び、CNGタンク71に貯留されている天然ガス(CNG)が、気体燃料としてそれぞれ供給可能に構成された多種燃料エンジンである。
図2に示すように、エンジン10は、本実施形態では、ツインロータ式(2気筒)のロータリピストンエンジンであって、2つの繭状のロータハウジング11内(気筒内)に形成されるロータ収容室11aに、概略三角形状のロータ12がそれぞれ収容されて構成されている。2つのロータハウジング11は、3つのサイドハウジング(図示せず)の間に挟み込むようにして該サイドハウジングと一体化されてなり、各ロータハウジング11とその両側のサイドハウジングとで各ロータ収容室11aが形成される。尚、図2では、2つのロータハウジング11(2つの気筒)を展開した状態で図示しており、2つのロータハウジング11内の中央部にそれぞれ描いているエキセントリックシャフト13は、同じものである。
上記各ロータ12は、その三角形の各頂部に図示しないアペックスシールを有し、これらアペックスシールがロータハウジング11のトロコイド内周面に摺接しており、このことで、各ロータ12により各ロータ収容室11a(各気筒)内に3つの作動室(燃焼室に相当)が画成される。そして、各ロータ12は、該ロータ12の3つのアペックスシールが各々ロータハウジング11のトロコイド内周面に当接した状態でエキセントリックシャフト13の周りを自転しながら、該エキセントリックシャフト13の軸心の周りに公転するようになっている。ロータ12が1回転する間に、該ロータ12の各頂部間にそれぞれ形成された作動室が周方向に移動しながら、吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程を行い、これにより発生する回転力がロータ12を介して出力軸としてのエキセントリックシャフト13から出力される。
上記各ロータ収容室11aには、吸気行程にある作動室に開口する吸気開口に連通するように吸気通路14が接続されているとともに、排気行程にある作動室に開口する排気開口に連通するように排気通路15が接続されている。吸気通路14は、上流側では1つであるが、下流側では、2つの分岐路に分岐してそれぞれ上記各ロータ収容室11aに連通している。吸気通路14の上記分岐部よりも上流側(後述のインタークーラ86よりも下流側)には、ステッピングモータ等のスロットル弁アクチュエータ90により駆動されて吸気通路14の断面積(弁開度)を調節するスロットル弁16が配設されている。このスロットル弁16により、各ロータ収容室11a(吸気行程にある作動室)内への吸気量が調節されることになる。本実施形態における後述のエンジン制御時(エンジン10の中負荷ないし高負荷運転時)及び後述のクランキング時燃料噴射制御時においては、基本的に、スロットル弁16は全開とされる。
吸気通路14の上記分岐部よりも下流側の各分岐路には、上記水素タンク70からの水素ガス、及び、上記CNGタンク71からの天然ガスを、吸気通路14内にそれぞれ噴射する水素用ポート噴射弁17A及びCNG用ポート噴射弁17Bが配設されている。これら水素用及びCNG用ポート噴射弁17A,17Bによりそれぞれ噴射された水素ガス及び天然ガスは、空気と混合された状態で、吸気行程にある作動室に供給される。
水素用及びCNG用ポート噴射弁17A,17Bは、エンジン10の極冷間時(エンジン冷間時の中でもエンジン10の冷却水(以下、エンジン冷却水という)の温度がかなり低くて、予め設定された設定温度よりも低いとき)における始動時に使用される。それ以外のときには、後述の水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bより燃料(水素ガス及び天然ガス)が作動室(燃焼室)内に直接噴射される。エンジン10の極冷間時における始動時においては、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bの燃料噴射開口が、燃料の燃焼により生じた水分の凍結により塞がれている可能性があるので、例外的に水素用及びCNG用ポート噴射弁17A,17Bより燃料を噴射する。尚、エンジン10の始動時及び運転時において、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bと水素用及びCNG用ポート噴射弁17A,17Bとにより燃料を噴射するようにすることも可能である。或いは、水素用及びCNG用ポート噴射弁17A,17Bをなくすことも可能である。以下の説明では、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bにより燃料(水素ガス及び天然ガス)を噴射するものとする。
上記排気通路15は、上流側では、各ロータ収容室11aにそれぞれ連通するように2つ設けられているが、下流側では、1つに合流されている。この排気通路15の該合流部よりも下流側には、排気ガスを浄化するための低温活性三元触媒81及びNOx吸蔵還元触媒82が配設されている。低温活性三元触媒81は、NOx吸蔵還元触媒82よりも触媒活性化温度が低い三元触媒であって、NOx吸蔵還元触媒82よりも上流側に配設されている。尚、図2において吸気通路14及び排気通路15に図示した矢印は、吸気及び排気の流れを示している。
上記NOx吸蔵還元触媒82は、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属を含んだ担体に、バリウム(Ba)、カリウム(K)等のNOx吸蔵剤を担持させて構成されていて、エンジン10の排気ガス中のNOxをリーン空燃比雰囲気下で吸蔵するとともに、該吸蔵したNOxを、リッチ空燃比雰囲気下で放出して、該NOxを、排気ガス中のHCやCOと反応させて還元する機能を有する。
上記各ロータハウジング11(各気筒)には、水素タンク70からの水素ガスを、ロータ収容室11aの圧縮行程にある作動室(燃焼室)内に直接噴射する水素用直噴噴射弁18A(第1の燃料噴射弁に相当)と、CNGタンク71からの天然ガスを、ロータ収容室11aの圧縮行程にある作動室(燃焼室)内に直接噴射するCNG用直噴噴射弁18B(第2の燃料噴射弁に相当)とが設けられている。
また、各ロータハウジング11には、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bよりそれぞれ噴射された水素ガス及び天然ガスの点火を行う2つの点火プラグ19が設けられている。これら両点火プラグ19は、圧縮トップ(TDC)の近傍で、リーディング側及びトレーリング側の順で点火されて、圧縮乃至膨張行程にある作動室内の混合気の点火を行う。尚、リーディング側の点火プラグ19の点火は、圧縮トップの手前で行われ、トレーリング側の点火プラグ19の点火は、圧縮トップと同時か又はその直ぐ後に行われる。
エンジン10には、該エンジン10の各ロータ収容室11aにおける吸気行程にある作動室(燃焼室)内への吸気の過給を行う排気ターボ過給機85が設けられている。この排気ターボ過給機85は、吸気通路14におけるスロットル弁16よりも上流側に配設されたコンプレッサ85aと、排気通路15における上記合流部よりも下流側でかつ三元触媒81よりも上流側に配設されたタービン85bとで構成されている。タービン85bが排気ガス流により回転し、このタービン85bの回転により、該タービン85bと連結されたコンプレッサ85aが作動して、吸気通路14に吸入された空気を圧縮する。この圧縮された空気は、吸気通路14におけるコンプレッサ85aよりも下流側でかつスロットル弁16よりも上流側に配設されたインタークーラ86によって冷却された後、上記各分岐路を介して各ロータ収容室11aにおける吸気行程にある作動室内に吸入される。
車両1には、バッテリ30に出入りする電流及びバッテリ30の電圧を検出するバッテリ電流・電圧センサ101と、車両1の乗員によるアクセルペダルの踏み込み量(乗員の操作によるアクセル開度)を検出するアクセル開度センサ102と、車両1の車速を検出する車速センサ103と、エキセントリックシャフト13に設けられ、エキセントリックシャフト13の回転角度位置を検出する回転角センサ104と、排気通路15における低温活性三元触媒81とタービン85bとの間に配設され、エンジン10の排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ105(本実施形態では、リニアO2センサで構成されている)と、ロータハウジング11の内部に形成されたウォータジャケット(図示せず)に臨んで該ウォータジャケット内を流れるエンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出するエンジン水温センサ106(エンジン水温検出手段)と、水素タンク70内の圧力(つまり水素タンク70内の水素ガスの体積残量)及びCNGタンク71内の圧力(つまりCNGタンク71内の天然ガスの体積残量)をそれぞれ検出するタンク圧力センサ107(水素タンク70とCNGタンク71とに別々に設けられている)と、吸気通路14内に吸入される吸気流量を検出するエアフローセンサ108と、バッテリ30の温度を検出するバッテリ温度センサ109と、エンジン10の作動制御や、第1及び第2インバータ50,51の作動制御(つまり発電機20及び駆動モータ40の作動制御)等を行うコントロールユニット100とが設けられている。上記回転角センサ104は、エンジン10の回転数を検出するエンジン回転数センサを兼ねている。タンク圧力センサ107は、水素ガス及び天然ガスの体積残量をそれぞれ検出する残量検出手段を構成することになる。
コントロールユニット100は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。コントロールユニット100には、バッテリ電流・電圧センサ101、アクセル開度センサ102、車速センサ103、回転角センサ104、空燃比センサ105、エンジン水温センサ106、タンク圧力センサ107、エアフローセンサ108、バッテリ温度センサ109等からの各種情報の信号が入力されるようになっている。
発電機20は、該発電機20による発電電圧及び発電電流の情報をコントロールユニット100に送信するようになっており、コントロールユニット100は、その情報を入力して該情報から発電機20による発電電力(発電量)を検出する。
駆動モータ40は、該駆動モータ40の回転数の情報や、駆動モータ40による回生発電電圧及び回生発電電流の情報をコントロールユニット100に送信するようになっており、コントロールユニット100は、その情報を入力して駆動モータ40の作動制御に用いる。
そして、コントロールユニット100は、上記入力信号に基づいて、スロットル弁アクチュエータ90、水素用ポート噴射弁17A、CNG用ポート噴射弁17B、水素用直噴噴射弁18A、CNG用直噴噴射弁18B、及び点火プラグ19に対して制御信号を出力してエンジン10を制御するとともに、第1及び第2インバータ50,51に対して制御信号を出力して発電機20及び駆動モータ40を制御する。コントロールユニット100は、水素用直噴噴射弁18A及びCNG用直噴噴射弁18Bの作動を含めて、エンジン10の作動を制御する制御手段を構成することになる。
車両1は、バッテリ30の放電電力によって走行するバッテリ走行モード(このとき、エンジン10は停止された状態にある)と、エンジン10を運転して該エンジン10の出力によって発電機20を介してバッテリ30を充電しながら走行する充電走行モードとを有する。本実施形態では、車両1がシリーズハイブリッド車両であるので、上記充電走行モードでは、エンジン10の出力により発電する発電機20による発電電力でもって、バッテリ30への充電と駆動モータ40の駆動とを行う。
コントロールユニット100は、バッテリ電流・電圧センサ101により検出された、バッテリ30に出入りする電流及びバッテリ30の電圧に基づいて、バッテリ30の残存容量(SOC)を検出する。
そして、コントロールユニット100は、上記バッテリ走行モード時に、上記検出されるバッテリ30のSOCが第1所定値(例えば30%)よりも低くなったときには、上記充電走行モードに切り換える一方、上記充電走行モード時に、上記検出されるバッテリ30のSOCが、上記第1所定値よりも高い値に設定された第2所定値(例えば70%)よりも高くなったときに、上記バッテリ走行モードに切り換える。これにより、バッテリ30のSOCを、低過ぎずかつ高過ぎない好ましい範囲内に維持することができる。
コントロールユニット100は、上記バッテリ走行モード時において、駆動モータ40の要求出力及びバッテリ30のSOCの値に基づいて、エンジン10の運転要求の有無(本実施形態では、発電要求の有無と同じことである)を確認し、エンジン10の運転要求(発電要求)が有るときには、モータとしての発電機20によりエンジン10をクランキング運転してエンジン10を始動させ、その始動後に発電機20に発電を行わせるべくエンジン10を運転する。すなわち、コントロールユニット100は、上記バッテリ走行モード時において、バッテリ30のSOCが上記第1所定値よりも低くなったとき、又は、駆動モータ40の要求出力がバッテリ30の最大放電可能電力を超えたときに、エンジン10の運転要求が有るとして、エンジン10を運転する。
ここで、上記最大放電可能電力はバッテリ30の温度によって変化する。このバッテリ30の温度と上記最大放電可能電力との関係が、マップとして、コントロールユニット100のメモリに記憶されており、コントロールユニット100は、そのマップを用いて、バッテリ温度センサ109により検出されるバッテリ30の温度から上記最大放電可能電力を検出する。
コントロールユニット100は、上記充電走行モード時には、基本的に、エンジン10を所定回転数でもって定常運転し、このエンジン定常運転時のエンジン回転数(上記所定回転数)は、エンジン10の最高効率点を含む効率の良い領域(例えば1800rpm〜2200rpm)の値であり、本実施形態では、2000rpmとする。上記エンジン定常運転時のエンジン負荷は、所定負荷よりも大きい中負荷ないし高負荷である。このときのエンジン10の出力により発電する発電機20による発電電力でもって、バッテリ30への充電と駆動モータ40の駆動とを行う(上記発電電力から駆動モータ40の要求出力を引いた残りの電力がバッテリ30に充電される)。また、上記エンジン定常運転時において、車両1の所定以上の加速要求時のように、駆動モータ40の要求出力が、2000rpmでのエンジン出力(発電電力)よりも大きくなったときには、その不足分をバッテリ30の放電電力で補う(充電はしない)。但し、バッテリ30の放電電力が該バッテリ30の最大放電可能電力になっても駆動モータ40の要求出力を満たすことができない場合には、例外的にエンジン回転数を上記所定回転数よりも高くする。
上記バッテリ走行モード時において駆動モータ40の要求出力がバッテリ30の最大放電可能電力を超えたときのエンジン10の運転も、上記所定回転数(2000rpm)での定常運転とし、バッテリ30の放電電力を調整して駆動モータ40の要求出力を満たすようにする。
コントロールユニット100は、エンジン10の運転時には、水素ガス及び天然ガスを所定の比率でもってエンジン10に供給するべく水素用直噴噴射弁18A及びCNG用直噴噴射弁18Bを制御する。本実施形態では、水素ガス及び天然ガスは、略同じ体積比率(共に50%)でもって燃焼室内に噴射される。
また、コントロールユニット100は、エンジン10の運転時には、基本的に、エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比を所定のリーン空燃比(例えば、空気過剰率λ=1.9)にする。尚、NOx吸蔵還元触媒82に吸蔵したNOxを放出させる際には、上記燃焼室内の燃焼空燃比をリッチ空燃比(例えば、空気過剰率λ=0.9)にする。
ここで、エンジン10の燃焼室内の燃料が天然ガスのみである場合に点火プラグ19により点火したとしても該天然ガスが着火しない最小の燃焼空燃比が、上記燃焼室内の燃料が水素ガスのみである場合に点火プラグ19により点火したとしても該水素ガスが着火しない最小の燃焼空燃比よりも低い。水素ガス(第1燃料に相当)が着火しない最小の燃焼空燃比は、空気過剰率λに換算して3.0であり、天然ガス(第2燃料に相当)が着火しない最小の燃焼空燃比は、空気過剰率λに換算して1.5である。水素ガスと天然ガスとの混合ガスが着火しない最小の燃焼空燃比(空気過剰率λ)は、1.5〜3.0の範囲内で、天然ガスの混合割合が多くなるほど、低い値になる。水素ガス及び天然ガスが略同じ体積比率でもって燃焼室内に噴射する場合、上記最小の燃焼空燃比(空気過剰率λ)は、2.0程度であるので、λ=1.9とすれば、この混合ガスは十分に点火することになる。尚、第2燃料としては、天然ガスに限らず、例えばプロパンやブタンであってもよい。天然ガス、プロパン及びブタンは、水素ガスに対して、単位体積当たりの発熱量が高い燃料である。
上記のような車両1においては、エンジン10の運転及び停止が頻繁に繰り返され、このため、エンジン10の運転中の燃焼状態が悪い。特に、エンジン10が冷間状態にあるときにエンジン10の運転が停止した場合に、そのエンジン10の運転中の燃焼状態が悪くなる。このようなエンジン10では、エンジン10の運転中に、燃焼室に面する部材(特に点火プラグ19や該点火プラグ19を収容するプラグホール(実施形態2を示す図4のプラグホール11b参照)の開口部)に付着物が付着堆積し易くなる。
そこで、本実施形態では、燃焼室に面する部材に付着物が付着する可能性が高い運転が停止された後のエンジン10の始動時である特定始動時におけるクランキング運転中に、前回のエンジン10の運転中に付着した付着物を除去するようにする。具体的に、コントロールユニット100は、点火プラグ19を作動させることなく発電機20によるエンジン10のクランキング運転を行いながら、そのクランキング運転中の圧縮行程で、エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグ19により点火したとしても該燃焼室内の気体燃料(本実施形態では、水素ガスと天然ガスとの混合ガス)が着火しない燃焼空燃比になるように、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bを制御するクランキング時燃料噴射制御を実行し、このクランキング時燃料噴射制御の実行により、上記付着物を除去するようにする。すなわち、気体燃料(上記混合ガス)を含む高圧の圧縮混合気により、燃焼室に面する部材に付着した付着物を除去したり、噴射された気体燃料の噴流の勢いを利用することで、上記付着物を除去したりする。上記クランキング時燃料噴射制御の実行中、点火プラグ19は基本的に作動させないが、点火プラグ19を作動させてもよい。
本実施形態では、コントロールユニット100は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、水素ガス及び天然ガスのうち上記最小の燃焼空燃比が低い方の燃料である天然ガスの体積噴射量が、水素ガスの体積噴射量よりも多くなるように、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bを制御する。すなわち、燃焼室内の上記混合ガスの天然ガスの体積割合を、50%よりも多くかつ100%未満とする。燃焼室内の気体燃料(上記混合ガス)が着火しない燃焼空燃比は、天然ガスの混合割合に応じた、上記混合ガスの上記最小の燃焼空燃比以上とすればよい(本実施形態では、上記最小の燃焼空燃比又はそれに近い値にする)。
尚、燃焼室内の気体燃料を天然ガスのみとしてもよい。この場合、燃焼室内の気体燃料(天然ガス)が着火しない燃焼空燃比を1.5とする。逆に、燃焼室内の気体燃料を水素ガスのみとしてもよい。この場合、燃焼室内の気体燃料(水素ガス)が着火しない燃焼空燃比を3.0とする。
燃焼室内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比は出来る限り低い方が好ましい。これは、気体燃料のトータル体積噴射量を多くすることができるので、上記付着物の除去効果が高くなるからである。このことから、混合ガスの天然ガスの体積割合を多くしたり天然ガスのみとするのがよい。
上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、天然ガスの体積噴射量を水素ガスの体積噴射量よりも多くする代わりに、タンク圧センサ107による体積残量が多い方の燃料の体積噴射量が、少ない方の燃料の体積噴射量よりも多くなるように、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bを制御してもよい。これは、エンジン10の運転時に、水素ガス及び天然ガスを互いに異なる体積比率でもって燃焼室内に噴射する場合に特に有利であり、水素ガス及び天然ガスの残量の偏りをなくして、一方の燃料のみが早期になくなるのを防止することができ、これにより、航続距離が短くなるのを防止することができる。
本実施形態では、コントロールユニット100は、エンジン水温センサ106による検出温度からエンジン10が所定の温間状態に達しているか否かを判定するとともに、エンジン10が上記所定の温間状態に達していないと判定しているときに該エンジン10の運転が停止された後における次の該エンジン10の始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、上記クランキング時燃料噴射制御を実行する。すなわち、前回のエンジン10の運転が、上記所定の温間状態に達していない状態で停止されたときには、その運転中に、燃焼室に面する部材に付着物が付着する可能性が高いので、コントロールユニット100は、その次のエンジン10の始動時において、発電機20によるエンジン10のクランキング運転を行いながら、上記クランキング時燃料噴射制御を実行する。
上記所定の温間状態は、エンジン冷却水の温度が所定温度以上の温間状態であって、該所定温度未満であるときに付着物が付着したとしても、その付着物が除去されるような状態である。
上記クランキング時燃料噴射制御における水素ガス及び天然ガスの噴射タイミングは、圧縮行程であれば、どのタイミングであってもよいが、点火プラグ19や該点火プラグ19を収容するプラグホールの開口部に付着物が付着し易いので、圧縮行程にある作動室と膨張行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、トレーリング側の点火プラグ19(トレーリング側のプラグホール)に到達する手前に噴射することが好ましい。また、特にリーディング側の点火プラグ19及びリーディング側のプラグホールの開口部に、より多くの付着物が付着し易いので、圧縮行程にある作動室と膨張行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、トレーリング側の点火プラグ19とリーディング側の点火プラグ19との間に位置するときに、噴射するようにしてもよい。或いは、各気筒において、或る圧縮行程では、上記アペックスシールがトレーリング側の点火プラグ19に到達する手前で噴射し、次の圧縮行程では、上記アペックスシールがトレーリング側の点火プラグ19とリーディング側の点火プラグ19との間に位置するときに噴射して、これら異なるタイミングでの燃料噴射を交互に繰り返すようにしてもよい。
このように上記アペックスシールがトレーリング側の点火プラグ19に到達する手前に位置するとき、又は、トレーリング側の点火プラグ19とリーディング側の点火プラグ19との間に位置するときに、水素ガス及び天然ガスを噴射するようにすれば、上記アペックスシールがトレーリング側のプラグホール又はリーディング側のプラグホールを通過する際に、該プラグホールによって、ロータハウジング11のトロコイド内周面と上記アペックスシールとの間に瞬間的に隙間が生じて、その隙間をガスが流れるので、そのガス流によって、点火プラグ19やプラグホールの開口部に付着した付着物を除去することができるようになる。また、上記ガス流によって、上記アペックスシールに付着した付着物も除去することができる。
そして、エンジン10の回転数が、予め設定された設定回転数(例えば800〜1000rpm)に到達したときに、点火プラグ19により上記混合ガスが点火するように、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18B並びに点火プラグ19を作動させる点火制御を実行して、エンジン10を始動させる。この点火制御時において、上記混合ガス中の水素ガスと天然ガスとの割合、及び、燃焼室内の燃焼空燃比を、エンジン10の運転時と同じにしてもよいが、より始動性を高めるために、エンジン10の運転時の割合(共に50%)に対して水素ガスの割合を多くしたり、燃焼室内の燃焼空燃比をエンジン10の運転時の燃焼空燃比(λ=1.9)よりも低くしたりしてもよい。
一方、コントロールユニット100は、エンジン10が上記所定の温間状態に達していると判定しているときに該エンジン10の運転が停止された後における次の該エンジン10の始動時においては、該始動時が通常始動時であるとし、該通常始動時においては、上記クランキング時燃料噴射制御を実行しないで、通常始動制御を実行する。この通常始動制御では、水素用直噴噴射弁18A及びCNG用直噴噴射弁18B並びに点火プラグ19を作動させないで、発電機20によるエンジン10のクランキング運転を行う。そして、エンジン10の回転数が上記設定回転数に到達したときに、上記点火制御を実行してエンジン10を始動させる。
尚、前回のエンジン10の運転に関係なく、エンジン10の始動毎に、上記クランキング時燃料噴射制御を実行するようにしてもよい。
次に、コントロールユニット100によるエンジン10の始動時の処理動作について、図3のフローチャートに基づいて説明する。尚、このフローチャートのスタート時は、バッテリ走行モードであるとする。
最初のステップS1で、各種センサ等からの各種入力信号を読み込み、次のステップS2で、アクセル開度センサ102及び車速センサ103からの信号に基づき、駆動モータ40の要求出力を計算する。
次のステップS3では、上記駆動モータ40の要求出力及びバッテリ30のSOCに基づき、エンジン10の運転要求が有るか否かを判定する。すなわち、バッテリ30のSOCが上記第1所定値よりも低いとき、又は、駆動モータ40の要求出力がバッテリ30の最大放電可能電力を超えているときに、エンジン10の運転要求が有るとする。
上記ステップS3の判定がNOであるときには、上記ステップS1に戻る一方、ステップS3の判定がYESであるときには、ステップS4に進む。
上記ステップS4では、前回のエンジン10の運転が、上記所定の温間状態に達していない状態で停止されたか否かを判定する。
上記ステップS4の判定がNOであるときには、ステップS5に進んで、上記通常始動制御を実行し、次のステップS6で、エンジン10の回転数が上記設定回転数に到達したか否かを判定する。このステップS6の判定がNOであるときには、上記ステップS5に戻る一方、ステップS6の判定がYESであるときには、ステップS9に進む。
一方、上記ステップS4の判定がYESであるときには、ステップS7に進んで、発電機20によるエンジン10のクランキング運転を行いながら、上記クランキング時燃料噴射制御を実行し、しかる後にステップS8に進む。ステップS8では、エンジン10の回転数が上記設定回転数に到達したか否かを判定し、このステップS8の判定がNOであるときには、上記ステップS7に戻る一方、ステップS8の判定がYESであるときには、ステップS9に進む。
上記ステップS9では、上記点火制御を実行してエンジン10を始動させ、しかる後にリターンする。
したがって、本実施形態では、特定始動時に、点火プラグ19を作動させることなくエンジン10のクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、該エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグ19により点火したとしても該燃焼室内の気体燃料(水素ガスと天然ガスとの混合ガス)が着火しない燃焼空燃比になるように、水素用及びCNG用直噴噴射弁18A,18Bを制御するクランキング時燃料噴射制御を実行するようにしたので、エンジン10のクランキング運転中に、燃焼室に面する部材(特に、点火プラグやプラグホールの開口部)における付着物を除去して、エンジン10の始動性を向上させることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2を示し、エンジン10が、気体燃料として、水素ガスのみを使用するものであって、その水素ガスを燃焼室内に直接噴射する燃料噴射弁として、ロータ12の回転方向に並設されたリーディング側直噴噴射弁121A及びトレーリング側直噴噴射弁121Bを有しており、上記実施形態1のCNG用ポート噴射弁17B及びCNG用直噴噴射弁18Bに相当する燃料噴射弁は設けられていない。吸気通路14の各分岐路には、上記実施形態1で説明した理由により、水素用ポート噴射弁17Aに相当する燃料噴射弁が設けられている。車両1には、CNGタンク71が設けられていない。その他のエンジン10及び車両1のハード構成は、上記実施形態1と同様である。尚、図4中、11bは、点火プラグ19を収容するプラグホールであり、14aは、吸気行程にある作動室に開口する吸気開口であり、15aは、排気行程にある作動室に開口する排気開口である。
本実施形態では、コントロールユニット100は、エンジン10の運転時に、水素ガスを、リーディング側直噴噴射弁121A及びトレーリング側直噴噴射弁121Bから略同じ体積比率でもって燃焼室に噴射する。また、コントロールユニット100は、エンジン10の運転時には、基本的に、エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比を所定のリーン空燃比(水素ガスが着火しない最小の燃焼空燃比よりも低い値(例えば、空気過剰率λ=2.3))にする。NOx吸蔵還元触媒82に吸蔵したNOxを放出させる際には、上記燃焼室内の燃焼空燃比をリッチ空燃比(例えば、空気過剰率λ=0.9)にする。
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、コントロールユニット100は、特定始動時に、点火プラグ19を作動させることなくエンジン10のクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、エンジン10の燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグ19により点火したとしても該燃焼室内の気体燃料(本実施形態では、水素ガス)が着火しない燃焼空燃比(本実施形態では、λ=3.0)になるように、リーディング側直噴噴射弁121A及びトレーリング側直噴噴射弁121Bを制御するクランキング時燃料噴射制御を実行する。圧縮行程での水素ガスの噴射タイミングは、上記実施形態1で説明したタイミングと同様である。コントロールユニット100によるエンジン10の始動時の処理動作も、上記実施形態1(図3参照)と同様である。また、上記実施形態1と同様に、コントロールユニット100は、エンジン10が上記所定の温間状態に達していないと判定しているときに該エンジン10の運転が停止された後における次の該エンジン10の始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、上記クランキング時燃料噴射制御を実行する。
本実施形態では、コントロールユニット100は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、リーディング側直噴噴射弁121Aからの水素ガスの体積噴射量が、トレーリング側直噴噴射弁121Bからの水素ガスの体積噴射量よりも多くなるように、リーディング側直噴噴射弁121A及びトレーリング側直噴噴射弁121Bを制御する。
したがって、本実施形態では、点火プラグ19(プラグホール)に近いリーディング側直噴噴射弁121Aからの水素ガスの体積噴射量を多くすることで、点火プラグ19やプラグホールの開口部に付着した付着物を効果的に除去することができるようになる。
(実施形態3)
図5及び図6は、本発明の実施形態3を示し、エンジン10を、シリンダ135内をピストンが往復動するレシプロエンジンとしたものであり、エンジン10以外の車両1のハード構成は、上記実施形態2と同様である。
本実施形態では、エンジン10は、シリンダブロック131と、その上に載置されるシリンダヘッド132とを有し、シリンダブロック131の内部に複数のシリンダ135(気筒)が形成されている(図5及び図6では、1つのみ示す)。
各シリンダ135内には、ピストン136が摺動自在にそれぞれ嵌挿されており、ピストン136は、シリンダ135及びシリンダヘッド132と共に燃焼室137を区画している。ピストン136は、コネクティングロッド138によってクランク軸139と連結されており、ピストン136の往復動に応じて、クランク軸139がその中心軸回りに回転する。複数のシリンダ135は、クランク軸139の中心軸方向に並んでいる。
シリンダヘッド132には、各気筒毎に2つの吸気ポート141が形成され、該吸気ポート141のそれぞれがシリンダヘッド132の下面(燃焼室137の天井部)に開口することで燃焼室137に連通している。また、シリンダヘッド132には、各気筒毎に2つの排気ポート142が形成され、該排気ポート142のそれぞれがシリンダヘッド132の下面(燃焼室137の天井部)に開口することで燃焼室137に連通している。吸気ポート141は、燃焼室137内に導入される新気が流れる吸気通路14に接続されている。一方、排気ポート142は、燃焼室137からの既燃ガス(排気ガス)が流れる排気通路15に接続されている。
また、シリンダヘッド132には、2つの吸気ポート141を燃焼室137からそれぞれ遮断(閉)することが可能な吸気弁145A,145Bが配設されているとともに、2つの排気ポート142を燃焼室137からそれぞれ遮断(閉)することが可能な排気弁146A,146Bが配設されている。吸気弁145A,145Bは吸気弁駆動機構により駆動され、排気弁146A,146Bは排気弁駆動機構により駆動される。吸気弁145A,145B及び排気弁146A,146Bは所定のタイミングで往復動して、それぞれ吸気ポート141及び排気ポート142を開閉し、燃焼室137内のガス交換を行う。吸気弁駆動機構及び排気弁駆動機構は、図示は省略するが、それぞれ、クランク軸139に駆動連結された吸気カムシャフト及び排気カムシャフトを有し、これらのカムシャフトはクランク軸139の回転と同期して回転する。
シリンダヘッド132におけるシリンダ135の中心軸上(燃焼室137の天井部の中央部)には、燃焼室137内に気体燃料(例えば水素ガス)を直接噴射する燃料噴射弁151が配設されている。この燃料噴射弁151の先端部(燃料噴射開口)は、燃焼室137内の上端部におけるシリンダ135の中心部に臨んでいる。
本実施形態では、燃料噴射弁151は、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部からその周囲全周に向けて噴射する(コーン状に噴射する)噴射形態と、気体燃料をシリンダ135の中心部から排気弁146Aに向けて噴射する噴射形態と、気体燃料をシリンダ135の中心部から排気弁146Bに向けて噴射する噴射形態とに切り換え可能に構成されている。このような噴射形態の切換えの構成は、周知である(例えば、特開2010−37958号公報、特開2007−285204号公報、特開2000−205088号公報参照)。シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部からその周囲全周に向けて噴射する噴射形態は、第1の噴射形態に相当し、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部から排気弁146A又は排気弁146Bに向けて噴射する噴射形態は、第2の噴射形態に相当する。
また、シリンダヘッド132には、各気筒毎に1つの点火プラグ152が配設されている。この点火プラグ152は、燃焼室137の天井部における2つの排気弁146A,146Bの間に配設されている。点火プラグ152の先端部(点火部)は、燃焼室137内に臨んでいる。図6では、点火プラグ152は、燃焼室137内に臨む先端部しか見えないが、分かり易いように、全体を実線で図示している。点火プラグ152は、その先端部(点火部)が燃料噴射弁151の先端部の近傍に位置するように配設されていることが好ましい。尚、点火プラグ152は、燃焼室137の天井部において吸気弁145A,145B及び排気弁146A,146Bの配設箇所以外であれば、どこに配設されていてもよい。
コントロールユニット100は、エンジン10の運転時には、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部からその周囲全周に向けて噴射する噴射形態でもって噴射するように、燃料噴射弁151を制御する。
本実施形態においても、上記実施形態1及び2と同様に、コントロールユニット100は、特定始動時に、点火プラグ152を作動させることなくエンジン10のクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、エンジン10の燃焼室137内の燃焼空燃比が、点火プラグ152により点火したとしても該燃焼室137内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比になるように、燃料噴射弁151を制御するクランキング時燃料噴射制御を実行する。圧縮行程での気体燃料の噴射タイミングは、圧縮行程であれば、どのタイミングであってもよい。コントロールユニット100によるエンジン10の始動時の処理動作は、上記実施形態1及び2(図3参照)と同様である。また、上記実施形態1及び2と同様に、コントロールユニット100は、エンジン10が上記所定の温間状態に達していないと判定しているときに該エンジン10の運転が停止された後における次の該エンジン10の始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、上記クランキング時燃料噴射制御を実行する。
本実施形態のようなレシプロエンジンでは、特に排気弁146A,146Bの弁座部に付着物が付着し易い。そこで、本実施形態では、コントロールユニット100は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、シリンダ135の中心軸方向から見て、上記気体燃料を排気弁146A又は排気弁146Bに向けて噴射する噴射形態でもって噴射するように、燃料噴射弁151を制御する。これにより、排気弁146A又は排気弁146Bに付着した付着物を効果的に除去することができる。例えば、各気筒において、或る燃焼サイクルの圧縮行程で、気体燃料を排気弁146Aに向けて噴射し、次の燃焼サイクルの圧縮行程では、気体燃料を排気弁146Bに向けて噴射して、排気弁146Aへの燃料噴射及び排気弁146Bへの燃料噴射を交互に繰り返すようにすれば、両排気弁146A,146Bの弁座部に付着した付着物を除去することができる。
したがって、本実施形態では、排気弁146A,146Bの弁座部に付着した付着物を効果的に除去して、燃焼室137のシール性を確実なものとすることができる。
尚、上記実施形態3では、燃料噴射弁151が、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部からその周囲全周に向けて噴射する噴射形態と、気体燃料をシリンダ135の中心部から排気弁146Aに向けて噴射する噴射形態と、気体燃料をシリンダ135の中心部から排気弁146Bに向けて噴射する噴射形態とに切り換え可能に構成されているが、これら噴射形態に加えて、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部から点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態にも切り換えできるように構成してもよい。この場合、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、気体燃料を排気弁146A若しくは排気弁146B又は点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態でもって噴射するように、燃料噴射弁151を制御すればよい。
或いは、燃料噴射弁151が、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料をシリンダ135の中心部からその周囲全周に向けて噴射する噴射形態(第1の噴射形態)と、気体燃料をシリンダ135の中心部から点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態(第2の噴射形態)とに切り換え可能に構成されていてもよい。この場合、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料を点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態でもって噴射するように、燃料噴射弁151を制御するようにすればよい。上記クランキング時燃料噴射制御の実行時に、気体燃料を点火プラグ152に向けて噴射することで、点火プラグ152に付着した付着物を効果的に除去して、エンジン10の始動時に失火が生じるのを防止することができる。
また、点火プラグ152が複数あってもよく(点火プラグ152を、例えば、燃焼室137の天井部における2つの排気弁146A,146Bの間の位置と、該天井部における2つの吸気弁145A,145Bの間の位置とに配設する)、この場合、燃料噴射弁151が、シリンダ135の中心軸方向から見て、気体燃料を各点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態にも切り換え可能に構成し、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、気体燃料をいずれかの点火プラグ152に向けて噴射する噴射形態でもって噴射するように、燃料噴射弁151を制御すればよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁を有する気体燃料直噴エンジンの制御装置に有用であり、特に該気体燃料直噴エンジンがハイブリッド車両のエンジンである場合に有用である。
10 気体燃料直噴エンジン
18A 水素用直噴噴射弁(第1の燃料噴射弁)
18B CNG用直噴噴射弁(第2の燃料噴射弁)
19 点火プラグ
20 発電機(始動装置)
100 コントロールユニット(制御手段)
106 エンジン水温センサ(エンジン水温検出手段)
107 タンク圧力センサ(残量検出手段)
121A リーディング側燃料噴射弁
121B トレーリング側燃料噴射弁
146A 排気弁
146B 排気弁
151 燃料噴射弁
152 点火プラグ

Claims (7)

  1. 燃焼室内に気体燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、該燃料噴射弁により噴射された燃料を点火させる点火プラグとを有する気体燃料直噴エンジンの制御装置であって、
    上記エンジンは、該エンジンを始動させるための始動装置を有し、
    上記燃料噴射弁、点火プラグ及び始動装置の作動を含めて、上記エンジンの作動を制御する制御手段を備え、
    上記制御手段は、通常始動時においては、上記燃料噴射弁及び点火プラグを作動させることなく上記始動装置による上記エンジンのクランキング運転を行う一方、特定始動時においては、上記点火プラグを作動させることなくクランキング運転を行うとともに、該クランキング運転中の圧縮行程で、上記燃焼室内の燃焼空燃比が、点火プラグにより点火したとしても該燃焼室内の気体燃料が着火しない燃焼空燃比になるように、上記燃料噴射弁を制御するクランキング時燃料噴射制御を実行するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  2. 請求項1記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンの冷却水の温度を検出するエンジン水温検出手段を更に備え、
    上記制御手段は、上記エンジン水温検出手段による検出温度から上記エンジンが所定の温間状態に達しているか否かを判定するとともに、上記エンジンが上記所定の温間状態に達していないと判定しているときに該エンジンの運転が停止された後における次の該エンジンの始動時において、該始動時が上記特定始動時であるとして、上記クランキング時燃料噴射制御を実行するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンは、上記気体燃料として、第1燃料と、第2燃料とを使用するものであり、
    上記燃料噴射弁は、上記第1燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、上記第2燃料を噴射する第2の燃料噴射弁とを含み、
    上記燃焼室内の燃料が上記第2燃料のみである場合に上記点火プラグにより点火したとしても該第2燃料が着火しない最小の燃焼空燃比が、上記燃焼室内の燃料が上記第1燃料のみである場合に上記点火プラグにより点火したとしても該第1燃料が着火しない最小の燃焼空燃比よりも低くなっており、
    上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記第1燃料及び第2燃料のうち上記最小の燃焼空燃比が低い方の燃料である上記第2燃料の体積噴射量が、上記第1燃料の体積噴射量よりも多くなるように、上記第1及び第2の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  4. 請求項1又は2記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンは、上記気体燃料として、第1燃料と、該第1燃料とは異なる第2燃料とを使用するものであり、
    上記燃料噴射弁は、上記第1燃料を噴射する第1の燃料噴射弁と、上記第2燃料を噴射する第2の燃料噴射弁とを含み、
    上記第1燃料及び第2燃料の体積残量をそれぞれ検出する残量検出手段を更に備え、
    上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記残量検出手段により検出される体積残量が多い方の燃料の体積噴射量が、少ない方の燃料の体積噴射量よりも多くなるように、上記第1及び第2の燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  5. 請求項1又は2記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンは、ロータリピストンエンジンであり、
    上記燃料噴射弁は、ロータの回転方向に並設されたリーディング側燃料噴射弁及びトレーリング側燃料噴射弁を含み、
    上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記リーディング側燃料噴射弁からの上記気体燃料の体積噴射量が、上記トレーリング側燃料噴射弁からの上記気体燃料の体積噴射量よりも多くなるように、該リーディング側燃料噴射弁及び該トレーリング側燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  6. 請求項1又は2記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンは、シリンダ内をピストンが往復動するレシプロエンジンであり、
    上記燃料噴射弁は、上記燃焼室の天井部の中央部に配設されていて、シリンダの中心軸方向から見て、少なくとも、上記気体燃料をシリンダの中心部からその周囲全周に向けて噴射する第1の噴射形態と、上記気体燃料をシリンダの中心部から排気弁に向けて噴射する第2の噴射形態とに切り換え可能に構成され、
    上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記気体燃料を上記第2の噴射形態でもって噴射するように、上記燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
  7. 請求項1又は2記載の気体燃料直噴エンジンの制御装置において、
    上記エンジンは、シリンダ内をピストンが往復動するレシプロエンジンであり、
    上記燃料噴射弁は、上記燃焼室の天井部の中央部に配設されていて、シリンダの中心軸方向から見て、少なくとも、上記気体燃料をシリンダの中心部からその周囲全周に向けて噴射する第1の噴射形態と、上記気体燃料をシリンダの中心部から点火プラグに向けて噴射する第2の噴射形態とに切り換え可能に構成され、
    上記制御手段は、上記クランキング時燃料噴射制御の実行時において、上記気体燃料を上記第2の噴射形態でもって噴射するように、上記燃料噴射弁を制御するよう構成されていることを特徴とする気体燃料直噴エンジンの制御装置。
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