JP2017166187A - 立坑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることができるようにする。【解決手段】風路24に面して表面多孔板2が設けられ、その背後には空気層5が設けられ、その奥には吸音構造4が設けられている。そして、表面多孔板2が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、表面多孔板2の開口率が設定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両が通過するトンネルと外部とを連通させる連通路内に設けられる立坑構造に関する。
鉄道車両などの車両が通過するトンネルには、トンネル内の換気や避難路を確保するために、上下に伸びる立坑や斜めに伸びる斜坑といった連通路が、トンネル本坑から分岐して複数設けられる。しかし、トンネル内を車両が通過する際にトンネル内に発生する低周波数の圧力変動が連通路を伝搬して地表に放出されて低周波空気振動となり、周辺環境に影響を及ぼすという問題がある。
そこで、特許文献1には、立坑や斜坑に設けられ、トンネルを鉄道車両が通過する場合に発生する圧力変動を低減させる立坑構造が開示されている。この立坑構造は、立坑の長手方向と交差するように空気室を形成し、1または複数枚の多孔板で空気室を複数の空間に分離している。このような構成であれば、多孔板の孔を通過する圧力変動に圧力損失による減衰作用が生じ、圧力変動が熱エネルギーに変換されるので、圧力変動が低減される。この立坑構造は、20Hz以下の低周波数の圧力変動に対して高い吸音率を有している。
特開2008−215019号公報
ところで、長くて大きなトンネルではトンネル内の衛生換気のため、立坑内に換気ファンを設けて強制換気を行っている。この換気ファンからは騒音が発生し、立坑を伝搬して周辺環境に放出される。そこで、立坑内にサイレンサを設けて周辺環境に放出される騒音を低減させている。
しかし、サイレンサで低減可能な騒音は200Hz以上の成分である。そのため、およそ160Hz以下の低周波成分が、そのまま立坑を伝搬して周辺環境に放出されるという問題がある。
また、連通路との分岐部を車両が通過した際に騒音が連通路を伝搬して周辺環境に放出されるという問題がある。
上述したように、特許文献1の立坑構造は、20Hz以下の低周波数の圧力変動に対して十分に効果があるものの、20Hzを超えて160Hz以下の低周波騒音に対しては効果が見込めない。
そこで、グラスウールなどの吸音材を連通路の内部に配置して低周波騒音を低減させることが考えられる。しかし、これら吸音材は、20〜200Hzあたりの低周波数領域における吸音率が低いため、連通路の長手方向に沿って長い範囲にわたって設置する必要がある。ところが、連通路の内部においては、設置スペース上の制約があるため、このような設置は困難である。
本発明の目的は、低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることが可能な立坑構造を提供することである。
本発明は、車両が通過するトンネルと外部とを連通させる連通路内に設けられる立坑構造であって、前記連通路の長手方向に沿って前記連通路内に設けられた風路に面して設けられ、多数の貫通孔を備えた表面多孔板と、前記風路に対して前記表面多孔板の背後に設けられ、前記連通路の長手方向と交差する方向に形成された空気室と、前記空気室の前記表面多孔板とは反対側の端部に設けられて、前記表面多孔板との間に空気層を形成する吸音構造と、を有し、前記表面多孔板が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、前記表面多孔板の開口率が設定されていることを特徴とする。
本発明によると、風路に面して表面多孔板が設けられ、その背後には空気層が設けられ、その奥には吸音構造が設けられている。表面多孔板の吸音性能には音圧依存性があり、あるレベルの音圧の圧力変動に対して吸音性能を有するが、それとは異なるレベルの音圧の空気振動に対しては吸音性能がなく、そのまま通過させる。そして、この音圧依存性は、表面多孔板の開口率で変化する。そこで、表面多孔板が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、表面多孔板の開口率が設定されている。よって、風路を伝搬する低周波数の圧力変動が表面多孔板の貫通孔を通過する際に、圧力損失による減衰作用が生じる。この減衰作用によって、低周波数の圧力変動が熱エネルギーに変換されるので、低周波数の圧力変動が減衰する。これにより、低周波数の圧力変動を低減させることができる。また、風路を伝搬する低周波騒音は、反射されることなく表面多孔板の貫通孔を通過して、空気室内に侵入する。そして、空気室内に侵入した低周波騒音は、空気室の端部に設けられた吸音構造により吸音される。これにより、低周波騒音を低減させることができる。
このように、空気室の端部に吸音構造を設けることで、連通路の長手方向において表面多孔板および空気室が設けられた場所とは別の場所に吸音構造を設置するためのスペースを設ける必要がない。よって、低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることができる。
立坑の側面図である。 図1のA−A断面図である。 吸音構造の断面図である。 本実施形態の立坑構造の模式図である。 従来の立坑構造の模式図である。 160dB程度の音圧レベルの低周波数の圧力変動に対する吸音率を示す図である。 100dB近辺の音圧レベルの低周波騒音に対する吸音率を示す図である。 立坑の開口から外部に放出されるファン騒音の騒音低減量の予測値を示す図である。 斜坑の斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(立坑の構成)
本発明の実施形態による立坑構造1は、側面図である図1に示すように、車両31が通過するトンネル21と外部22とを連通させる立坑23内に設けられる。ここで、トンネル21は、地下40m程度に設けられる大深度地下トンネルなどの地下トンネルである。立坑23は、上下に伸びて、地表である外部22とトンネル21とを連通させる連通路の1例である。車両31は、鉄道車両や、自動車などの車両である。
図1のA−A断面図である図2に示すように、立坑23の断面は円形である。立坑23のほぼ中央には、立坑23の長手方向に沿って風路24が設けられている。風路24の断面は矩形である。なお、立坑23および風路24の断面はこれに限定されない。
風路24内には、立坑23内を強制換気する換気ファン25が設けられている。この換気ファン25からは騒音が発生し、風路24を伝搬して外部22に放出される。そこで、風路24内には、外部22に放出される騒音を低減させる図示しないサイレンサが設けられている。
(立坑構造の構成)
立坑構造1は、図1に示すように、立坑23内において、立坑23の長手方向の一部分に設けられている。この立坑構造1を立坑23内に設けるために、立坑23内には、立坑23の長手方向の一部分に、鉄骨が縦横に組まれた骨組み構造26が構築されている。そして、立坑構造1は、この骨組み構造26に設けられている。
図2に示すように、立坑構造1は、風路24に面して設けられた表面多孔板2を有している。この表面多孔板2は、多数の貫通孔を備えており、骨組み構造26をなす鉄骨に風路24に面するようにして取り付けられている。本実施形態において、表面多孔板2は、風路24の三方にそれぞれ設けられている。即ち、表面多孔板2aが風路24の図中上方に、表面多孔板2bが風路24の図中左方に、表面多孔板2cが風路24の図中下方に、それぞれ設けられている。
表面多孔板2の吸音性能には音圧依存性があり、あるレベルの音圧の圧力変動に対して吸音性能を有するが、それとは異なるレベルの音圧の圧力変動に対しては吸音性能がなく、そのまま通過させる。そして、この音圧依存性は、表面多孔板2の開口率で変化する。そこで、表面多孔板2が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、表面多孔板2の開口率が設定されている。本実施形態において、低周波数の圧力変動の音圧レベルは160dB程度であり、低周波騒音の音圧レベルは100dB近辺である。また、表面多孔板2の開口率は1〜10%であるが、これに限定されない。
また、立坑構造1は、風路24に対して表面多孔板2の背後に設けられた空気室3を有している。この空気室3は、骨組み構造26に取り付けられた板材を側壁3xおよび背面壁3yとして、立坑23の長手方向と交差する方向に形成されている。
本実施形態において、空気室3は、風路24に対する表面多孔板2aの背後と、風路24に対する表面多孔板2bの背後と、風路24に対する表面多孔板2cの背後とにそれぞれ設けられている。即ち、表面多孔板2aの図中上方に空気室3aが、表面多孔板2bの図中左方に空気室3bが、表面多孔板2cの図中下方に空気室3cが、それぞれ設けられている。また、空気室3は、空気室3aと空気室3bとの間と、空気室3bと空気室3cとの間とにそれぞれ設けられている。即ち、空気室3aと空気室3bとの間に空気室3dが設けられ、空気室3bと空気室3cとの間に空気室3eが設けられている。これにより、空気室3dを介して空気室3aと空気室3bとが連通している。また、空気室3eを介して空気室3bと空気室3cとが連通している。
また、立坑構造1は、空気室3の表面多孔板2とは反対側の端部に設けられた吸音構造4を有している。この吸音構造4は、断面視において、空気室3の背面壁3yに沿って複数並んで設けられている。また、吸音構造4は、立坑23の長手方向にも背面壁3yに沿って複数並んで設けられている。吸音構造4は、表面多孔板2との間に空気層5を形成している。風路24から吸音構造4に向かう方向(奥行き方向)において、吸音構造4の厚みは、空気層5の厚みの1/5〜1/10程度であるが、これに限定されない。
また、吸音構造4は、風路24の図中右方において、風路24に面して複数並んで配置されている。
(吸音構造の構成)
本実施形態において、吸音構造4は、断面図である図3に示すように、空気層5側において表面多孔板2に対向して設けられた2枚の多孔板41,42と、多孔板42との間に所定の間隔をあけて多孔板42に対向配置された背面板43と、2枚の多孔板41,42と背面板43とで挟まれた空間を囲繞する枠体44と、を有している。図中左方は空気層5であり、図中右方は空気室3の背面壁3yである。
2枚の多孔板41,42は、多数の貫通孔をそれぞれ備えている。多孔板41は、空気層5を挟んで表面多孔板2に対向配置されている。多孔板42は、表面多孔板2に対して多孔板41の背後に設けられている。また、背面板43は、空気室3の背面壁3yに設置されている。
2枚の多孔板41,42により、空気室3の端部は2つの空間に仕切られている。これにより、多孔板41と多孔板42との間には、空気層45が形成されている。また、多孔板42と背面板43との間には、空気層46が形成されている。表面多孔板2に対向する方向において、空気層45の厚みは、空気層46の厚みの1〜3倍程度であるが、これに限定されない。枠体44は、多孔板41と背面板43とで挟まれた、空気層45および空気層46をなす空間を囲繞している。
本実施形態において、表面多孔板2側の多孔板41の開口率は3%以下であるが、これに限定されない。また、背面板43側の多孔板42の開口率は、表面多孔板2側の多孔板41の開口率よりも小さくされている。
(立坑構造の模式的構成)
本実施形態の立坑構造1の模式図を図4Aに示す。風路24に面する表面多孔板2の背後には空気室3が設けられており、空気室3の表面多孔板2とは反対側の端部には、2枚の多孔板41,42と背面板43とを有する吸音構造4が設けられている。表面多孔板2と吸音構造4との間には、空気層5が形成されている。
一方、特許文献1に開示されている、従来の立坑構造51の模式図を図4Bに示す。従来の立坑構造51は、吸音構造4を備えていない点で、本実施形態の立坑構造1と相違している。表面多孔板2と空気室3の背面壁3yとの間には、空気層55が形成されている。
ここで、図1に示すように、トンネル21内を車両31が通過する際にトンネル21内に発生する低周波数の圧力変動が風路24を伝搬して外部22に放出されて低周波空気振動となり、周辺環境に影響を及ぼすという問題がある。しかしながら、図4Aに示すように、風路24に面して表面多孔板2が設けられ、その背後には空気層5が形成されている。そして、表面多孔板2が低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有するように、表面多孔板2の開口率が設定されている。よって、風路24を伝搬する低周波数の圧力変動が表面多孔板2の貫通孔を通過する際に、圧力損失による減衰作用が生じる。この減衰作用によって、低周波数の圧力変動が熱エネルギーに変換されるので、低周波数の圧力変動が減衰する。これにより、低周波数の圧力変動を低減させることができる。この作用は、図4Bに示す従来の立坑構造51においても同じである。
また、図2に示すように、換気ファン25から発生する騒音のうち、サイレンサで低減することができない、およそ160Hz以下の低周波成分が、そのまま風路24を伝搬して外部22に放出されるという問題がある。また、図1に示すように、立坑23との分岐部を車両31が通過した際に騒音が風路24を伝搬して外部22に放出されるという問題がある。これに対して、図4Aに示すように、空気層5の奥には吸音構造4が設けられている。そして、表面多孔板2が低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、表面多孔板2の開口率が設定されている。よって、風路24を伝搬する低周波騒音は、反射されることなく表面多孔板2の貫通孔を通過して、空気室3内に侵入する。そして、空気室3内に侵入した低周波騒音は、空気室3の端部に設けられた吸音構造4により吸音される。これにより、低周波騒音を低減させることができる。
また、図2に示すように、風路24の図中右側において、複数の吸音構造4が風路24に面して設けられているので、風路24を伝搬する低周波騒音の一部は、風路24に面して設けられた吸音構造4により直接吸音される。
そして、図2に示すように、空気室3の端部に吸音構造4を設けることで、図1に示すように、立坑23の長手方向において表面多孔板2および空気室3が設けられた場所(骨組み構造26が構築された場所)とは別の場所に吸音構造4を設置するためのスペースを設ける必要がない。よって、低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることができる。
また、図2に示すように、風路24から吸音構造4に向かう奥行き方向において、吸音構造4の厚みは、空気層5の厚みの1/5〜1/10程度である。そのため、図4Bに示す従来の立坑構造51の空気室3の端部に吸音構造4を設けて、図4Aに示す本実施形態の立坑構造1としても、低周波数の圧力変動の低減効果を損なうことがない。よって、図2において、空気室3の奥行き方向の長さを長くしたり、風路24を狭くしたりして、奥行き方向に新たに吸音構造4を設置するスペースを設ける必要がない。よって、立坑23の長手方向だけでなく、立坑23の長手方向に直交する方向においても、低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることができる。
また、表面多孔板2の開口率を1%以上10%以下にすることで、160dB程度の音圧レベルの低周波数の圧力変動を好適に吸音することができるとともに、100dB近辺の音圧レベルの低周波騒音を反射させることなく好適に通過させることができる。よって、表面多孔板2の貫通孔を通過した低周波騒音を吸音構造4で好適に低減させることができる。
即ち、表面多孔板2の貫通孔を通過して空気室3内に侵入した低周波騒音が、吸音構造4の多孔板41,42の貫通孔を通過する際に、粘性減衰作用が生じる。この粘性減衰作用によって、低周波騒音が熱エネルギーに変換されるので、低周波騒音が吸音される。これにより、低周波騒音を好適に低減させることができる。
また、吸音構造4において、多孔板41の開口率が小さい方が低周波帯域の騒音に対する吸音率が高くなる。そこで、表面多孔板2側の多孔板41の開口率を3%以下にすることで、低周波騒音に対する吸音率を向上させることができる。さらに、背面板43側の多孔板42の開口率を、表面多孔板2側の多孔板41の開口率よりも小さくすることで、低周波騒音に対する吸音率をさらに向上させることができる。
なお、吸音構造4による吸音効果が不十分な場合には、立坑23の長手方向に立坑構造1の設置スペースを長くすることで、吸音構造4の数を増やし、吸音効果を向上させる必要がある。この場合、図1において、骨組み構造26を構築する長さが立坑23の長手方向に長くなる。しかし、従来の骨組み構造26に設けた従来の立坑構造51の空気室3の端部に吸音構造4を設けるだけで、低周波騒音を十分に低減させることができるのであれば、骨組み構造26を構築する長さを長くする必要はない。
また、図2に示すように、本実施形態では、風路24に面する3面に表面多孔板2、空気室3、および、吸音構造4を設けて、低周波数の圧力変動および低周波騒音を低減させる構成であるが、これらを風路24に面する4面に設けてもよく、1面や2面に設けてもよい。また、本実施形態では、表面多孔板2および空気室3を設けていない風路24の図中右側に吸音構造4を設置して、低周波騒音を吸音しているが、ここに吸音構造4を設置しなくてもよい。即ち、風路24に面する4面に対して、低周波数の圧力変動および低周波騒音に対する吸音性能が十分となるように、表面多孔板2、空気室3、および、吸音構造4を設ける面の数を決めればよい。そして、それでも低周波騒音に対する吸音性能が不十分な場合に、表面多孔板2および空気室3を設けていない面に吸音構造4を設置すればよい。
なお、車両31が自動車の場合、トンネル21内に低周波数の圧力変動はほとんど発生しないが、本実施形態の立坑構造1は、換気ファンなどから発生する低周波騒音を好適に低減させることができる。
(吸音率評価)
次に、図4Aに示す本実施形態の立坑構造1と、図4Bに示す従来の立坑構造51とで、吸音率を評価した。ここで、多孔板を用いた立坑構造の吸音率は、圧力変動の音圧レベルによって変化する。そこで、160dB程度の音圧レベルの低周波数の圧力変動に対する吸音率、および、100dB近辺の音圧レベルの低周波騒音に対する吸音率をそれぞれ評価した。以下、本実施形態の立坑構造1を本構造、従来の立坑構造51を従来構造という。
ここで、図4Aに示す本構造において、表面多孔板2の板厚、表面多孔板2側の多孔板41の板厚、および、背面板43側の多孔板42の板厚を1〜2mmとし、表面多孔板2の孔径、表面多孔板2側の多孔板41の孔径、および、背面板43側の多孔板42の孔径を1〜2mmとした。さらに、各多孔板の開口率は、表面多孔板2、表面多孔板2側の多孔板41、背面板43側の多孔板42の順に小さくなるように設定した。具体的には、表面多孔板2の開口率に対して、表面多孔板2側の多孔板41の開口率は約1/5、背面板43側の多孔板42の開口率は約1/16に設定した。また、多孔板41と多孔板42との間の距離bを、表面多孔板2と多孔板41との間の距離a、即ち、空気層5の厚みの約1/8とし、多孔板42と背面板43との間の距離cを距離bの約1/3とした。
また、図4Bに示す従来構造において、空気層55の厚みを、図4Aに示す本構造の距離aと距離bと距離cとを合わせたものとし、その他は図4Aに示す本構造と同じにした。
160dB程度の音圧レベルの低周波数の圧力変動に対する吸音率を図5に示す。20Hz以下の低周波数の圧力変動に対する吸音率は、本構造と従来構造とでほぼ一致していることがわかる。よって、従来構造の空気室3の端部に吸音構造4を設けても、低周波数の圧力変動に対する吸音率は低下しないことがわかる。
100dB近辺の音圧レベルの低周波騒音に対する吸音率を図6に示す。20〜200Hz帯域の低周波騒音に対する吸音率は、従来構造が0.1程度であるのに対し、本構造は0.5〜1.0となっている。よって、空気室3の端部に設けた吸音構造4によって、低周波騒音が吸音されていることがわかる。
次に、立坑23の開口から外部22に放出されるファン騒音の騒音低減量の予測値を図7に示す。この図では、本構造の騒音低減量から従来構造の騒音低減量を差し引いた差量を示している。本構造では、200Hz以下の低周波騒音の低減量が10dB以上と大きく、OA(オーバーオール)値でも4dBとなっている。なお、OA値は、各周波数での音圧レベルを合計した値である。
よって、本構造は、低周波数の圧力変動の低減に加えて、低周波騒音の低減を、省スペースで実現していることがわかる。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る立坑構造1によると、表面多孔板2が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、表面多孔板2の開口率が設定されている。よって、風路24を伝搬する低周波数の圧力変動が表面多孔板2の貫通孔を通過する際に、圧力損失による減衰作用が生じる。この減衰作用によって、低周波数の圧力変動が熱エネルギーに変換されるので、低周波数の圧力変動が減衰する。これにより、低周波数の圧力変動を低減させることができる。また、風路24を伝搬する低周波騒音は、反射されることなく表面多孔板2の貫通孔を通過して、空気室3内に侵入する。そして、空気室3内に侵入した低周波騒音は、空気室3の端部に設けられた吸音構造4により吸音される。これにより、低周波騒音を低減させることができる。
このように、空気室3の端部に吸音構造4を設けることで、立坑23の長手方向において表面多孔板2および空気室3が設けられた場所とは別の場所に吸音構造4を設置するためのスペースを設ける必要がない。よって、低周波数領域の騒音を省スペースで低減させることができる。
また、表面多孔板2の開口率を1%以上10%以下にすることで、160dB程度の音圧レベルの低周波数の圧力変動を好適に吸音することができるとともに、100dB近辺の音圧レベルの低周波騒音を反射させることなく好適に通過させることができる。よって、表面多孔板2の貫通孔を通過した低周波騒音を吸音構造4で好適に低減させることができる。
即ち、表面多孔板2の貫通孔を通過して空気室3内に侵入した低周波騒音が、吸音構造4の多孔板41,42の貫通孔を通過する際に、粘性減衰作用が生じる。この粘性減衰作用によって、低周波騒音が熱エネルギーに変換されるので、低周波騒音が吸音される。これにより、低周波騒音を好適に低減させることができる。
また、吸音構造4において、多孔板41の開口率が小さい方が低周波帯域の騒音に対する吸音率が高くなる。そこで、表面多孔板2側の多孔板41の開口率を3%以下にすることで、低周波騒音に対する吸音率を向上させることができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、吸音構造4は、多孔板41,42と空気層45,46とを用いた構造に限定されず、グラスウールなどの多孔質吸音材であってもよい。
また、斜視図である図8に示すように、立坑構造1は、斜めに伸びて、トンネル21と地表とを連通させる連通路の1例である斜坑27に設けられてもよい。
1 立坑構造
2 表面多孔板
3 空気室
4 吸音構造
5 空気層
21 トンネル
22 外部
23 立坑
24 風路
25 換気ファン
26 骨組み構造
27 斜坑
31 車両
41,42 多孔板
43 背面板
44 枠体
45,46 空気層
51 従来の立坑構造
55 空気層

Claims (4)

  1. 車両が通過するトンネルと外部とを連通させる連通路内に設けられる立坑構造であって、
    前記連通路の長手方向に沿って前記連通路内に設けられた風路に面して設けられ、多数の貫通孔を備えた表面多孔板と、
    前記風路に対して前記表面多孔板の背後に設けられ、前記連通路の長手方向と交差する方向に形成された空気室と、
    前記空気室の前記表面多孔板とは反対側の端部に設けられて、前記表面多孔板との間に空気層を形成する吸音構造と、
    を有し、
    前記表面多孔板が、低周波数の圧力変動の音圧レベルの圧力変動に対して吸音性能を有する一方、低周波騒音の音圧レベルの空気振動を通過させるように、前記表面多孔板の開口率が設定されていることを特徴とする立坑構造。
  2. 前記表面多孔板の開口率が1%以上10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の立坑構造。
  3. 前記吸音構造は、
    前記表面多孔板に対向して設けられて多数の貫通孔を備え、前記空気室の前記端部を複数の空間に仕切る1以上の多孔板と、
    前記表面多孔板に対して前記1以上の多孔板の背後に設けられ、前記1以上の多孔板との間に所定の間隔をあけて前記1以上の多孔板に対向配置された背面板と、
    前記1以上の多孔板と前記背面板とで挟まれた空間を囲繞する枠体と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の立坑構造。
  4. 前記1以上の多孔板のうち、前記表面多孔板側の前記多孔板の開口率が3%以下であることを特徴とする請求項3に記載の立坑構造。
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