JP2017164981A - 三次元造形物の製造方法、及び三次元造形装置 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、及び三次元造形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形物の製造方法の提供。【解決手段】放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成工程と、硬化性液状物層形成工程後、硬化性液状物の層の上に、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子及び吸液粒子を含む粉体造形材の層を形成する粉体造形材形成工程と、粉体造形材形成工程後、粉体造形材の層に着色領域を設ける場合、粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与工程と、硬化性液状物層形成工程、粉体造形材形成工程、及びインク付与工程を繰り返し、硬化性液状物の層及び粉体造形材の層を積層する積層工程と、積層工程後、硬化性液状物の層に放射線を照射し、硬化性液状物の層を硬化する放射線照射工程と、積層工程後、粉体造形材の層に熱を付与し、粉体造形材の層を硬化する熱付与工程と、を有する三次元造形物の製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、及び三次元造形装置に関する。なお、実質的に同じ機能を有するものには、全図面を通して同じ符号を付して説明し、その説明を省略することがある。
三次元造形装置は、3Dプリンターとも呼ばれている。三次元造形装置を利用した三次元造形物の製造方法では、例えば、3次元形状の断面形状データに従って、インクジェット法を用いて造形材(モデル材)を配置し、紫外線(UV)又は電子線(EB)等により硬化することを繰り返して三次元造形物を作製する。三次元造形物の製造方法には、これら方法以外にも、粉体を焼結又は溶融させて三次元造形物を作製する等、種々の方法が知られている。
例えば、特許文献1には、「製品となるモデル材と、三次元造形物の作製時にモデル材の支持材となるサポート材を、複数のノズルを有するインクジェットヘッドで作製する三次元造形装置において、モデル材を吐出するノズルと、第1のサポート材を吐出するノズルと、離型性能を有する第2の副サポート材を吐出するノズルを備えたインクジェット方式の三次元造形装置」が開示されている。また、特許文献1には、この三次元造形装置を利用して「第1のサポート材をノズルから吐出後に、モデル材と接する面に第2のサポート材をノズル列から吐出させ、その後、モデル材を吐出させることにより三次元造形を行うインクジェット方式の三次元造形法。」も開示されている。
また、特許文献2には、「三次元物体を複数の断面で層状に切断したときに各層で得られる断面データを取得するデータ取得手段と、粉体を略均一な厚さに敷き詰めて粉体層を形成するとともに、硬化液を前記断面データに従って該粉体層に供給することにより、前記三次元物体の一層分の断面形状に相当する断面部材を形成する断面部材形成手段と、前記断面部材が形成された粉体層の上に新たな粉体層を形成し、該新たな粉体層に前記断面データに従って前記硬化液を供給することで新たな断面部材を形成して、先に形成された断面部材の上に順次積層することによって、前記三次元物体を造形するように前記断面部材形成手段を制御する制御手段と、を備え、前記断面部材形成手段は、前記断面部材の中で第一領域を、先に形成した断面部材の上に前記硬化液を供給して硬化させることによって形成した後、前記第一領域以外の部分に前記粉体層を形成し、前記断面データに従って前記硬化液を供給して粉体を結合させることによって、前記断面部材の残余の部分を形成する三次元造形装置。」が開示されている。
また、特許文献3には、「(a)第一のポリマー層を積層する工程、 (b)該第一のポリマー層上に第一のインク層を印刷する工程、(c)該第一のインク層上に第二のポリマー層を積層する工程、および(d)該第二のポリマー層上に第二のインク層を印刷する工程を含む、三次元造形方法。」が開示されている。
特開2004−255839号公報 特開2012−066594号公報 特開2013−540629号公報
本発明の課題は、粉体造形材の硬化層のみを積層する三次元造形物の製造方法に比べ、形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形物の製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成工程と、
前記硬化性液状物層形成工程後、前記硬化性液状物の層の上に、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材の層を形成する粉体造形材形成工程と、
前記粉体造形材形成工程後、前記粉体造形材の層に着色領域を設ける場合、前記粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与工程と、
前記硬化性液状物層形成工程、前記粉体造形材形成工程、及び前記インク付与工程を繰り返し、前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層を積層する積層工程と、
前記積層工程後、前記硬化性液状物の層に放射線を照射し、前記硬化性液状物の層を硬化する放射線照射工程と、
前記積層工程後、前記粉体造形材の層に熱を付与し、前記粉体造形材の層を硬化する熱付与工程と、
を有する三次元造形物の製造方法。
請求項2に係る発明は、
前記積層工程前に、前記粉体造形材の層を押圧する押圧工程を更に有し、
前記積層工程が、前記硬化性液状物層形成工程、前記粉体造形材形成工程、前記インク付与工程及び前記押圧工程を繰り返し、前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層を積層する工程である請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項3に係る発明は、
三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する工程を更に有する請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項4に係る発明は、
放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物を収容し、前記硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成部と、
熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材を収容し、前記硬化性液状物の層の上に、前記粉体造形材の層を形成する粉体造形材層形成部と、
前記粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与部と、
前記硬化性液状物の層に放射線を照射し、前記硬化性液状物の層を硬化する放射線照射部と、
前記粉体造形材の層に熱を付与し、前記粉体造形材の層を硬化する熱付与部と、
を備え、
前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層の積層体の硬化物からなる三次元造形物を製造する三次元造形装置。
請求項5に係る発明は、
前記粉体造形材の層を押圧する押圧部を更に備える請求項4に記載の三次元造形装置。
請求項6に係る発明は、
三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する支持部形成手段を更に有する請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置。
請求項1に係る発明によれば、粉体造形材の硬化層のみを積層する三次元造形物の製造方法に比べ、形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項2に係る発明によれば、粉体造形材の層を押圧する押圧工程を更に有さない場合に比べ、形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項3に係る発明によれば、三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する支持部形成工程を更に有さないに比べ、複雑な形状で、かつ形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形物の製造方法が提供される。
請求項4に係る発明によれば、粉体造形材の硬化層のみを積層する三次元造形装置に比べ、形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形装置が提供される。
請求項5に係る発明によれば、粉体造形材の層を押圧する押圧部を更に有さない場合に比べ、形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形装置が提供される。
請求項6に係る発明によれば、三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する支持部形成手段を更に有さないに比べ、複雑な形状で、かつ形状精度に優れた三次元造形物の製造を実現する三次元造形装置が提供される。
本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。 本実施形態に係る三次元造形物の製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<三次元造形物の製造方法/三次元造形装置>
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成工程と、硬化性液状物層形成工程後、硬化性液状物の層の上に、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材の層を形成する粉体造形材形成工程と、粉体造形材形成工程後、粉体造形材の層に着色領域を設ける場合、粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与工程と、硬化性液状物層形成工程、粉体造形材形成工程、及びインク付与工程を繰り返し、硬化性液状物の層及び粉体造形材の層を積層する積層工程と、積層工程後、硬化性液状物の層に放射線及び熱を付与し、硬化性液状物の層を硬化する放射線照射工程と、積層工程後、粉体造形材の層の積層体に熱を付与し、粉体造形材を含む造形層を硬化する熱付与工程と、を有する三次元造形物の製造方法である。
本実施形態に係る三次元造形物の製造方法は、例えば、放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物を収容し、硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成部と、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材を収容し、硬化性液状物の層の上に、粉体造形材の層を形成する粉体造形材層形成部と、粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与部と、硬化性液状物の層に放射線を照射し、硬化性液状物の層を硬化する放射線照射部と、粉体造形材の層に熱を付与し、粉体造形材の層を硬化する熱付与部と、を備え、硬化性液状物の層及び粉体造形材の層の積層体の硬化物からなる三次元造形物を製造する三次元造形装置(本実施形態に係る三次元造形装置)により実現される。
以下、本実施形態に係る三次元造形物の製造方法及び三次元造形装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、粉体造形材を「モデル材」、三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を「サポート部」、支持部を形成するための支持材を「サポート材」と称する。
図1は、本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略構成図である。
本実施の形態に係る三次元造形装置101は、例えば、図1に示すように、無端ベルト状で且つ矢印X方向に回転する中間転写体10を備えている。そして、中間転写体10の周囲には、中間転写体10の回転方向(図1中、矢印X方向)に沿って、サポート材層形成部20と、造形ユニット30と、造形台40と、クリーニング装置50と、がこの順に配列されている。なお、サポート材層形成部20によるサポート材層の形成は、オーバハング形状や45度以上の傾斜造形物を形成するなどに、必要に応じて実施される。
三次元造形装置101は、例えば、造形ユニット30により形成した硬化性液状物層及びモデル材層を押圧する押圧ユニット42と、硬化性液状物層及びモデル材層に、放射線及び熱を付与する付与ユニット52(以下「刺激付与ユニット」とも称する)と、を備えている。
三次元造形装置101は、装置に脱着可能に、サポート材を収容するサポート材カートリッジ20Aと、硬化性液状物を収容する硬化性液状物カートリッジ31Aと、モデル材を収容するモデル材カートリッジ32Aと、着色インクを収容するインクカートリッジ38Aと、を備えている。
なお、図1中、MAは硬化性液状物層を示し、MBはモデル材層を示し、Sはサポート材層を示している。また、MDAは硬化性液状物層及びモデル材層の積層体を示し、SAはサポート材層の積層体を示す。また、MDは、硬化性液状物層及びモデル材層の硬化物が積層された造形物を示し、SPは、サポート部(サポート材の硬化物)を示している。
中間転写体10は、駆動ロールを含む4つの支持ロール11で支持されて、回転可能に配置されている。中間転写体10は、その外周面に、サポート材層形成部20によりサポート材層が形成された後、造形ユニット30により硬化性液状物層及びモデル材層が形成される。そして、中間転写体10は、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層を矢印X方向に回転搬送する。
中間転写体10は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アラミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂等を用いた樹脂ベルト;ステンレス等の金属ベルトが適用される。また、中間転写体10は、この樹脂ベルト又は金属ベルトの外周面に、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタン材等で構成された離型層を形成したベルトを適用してもよい。
なお、中間転写体10は、無端ベルト状に限られず、剛性を持つ円筒状(ドラム状)であってもよい。剛性を持つ円筒状(ドラム状)の中間転写体10としては、例えば、ステンレス、アルミ等の金属ドラムが適用される。
サポート材層形成部20は、例えば、インクジェット方式の吐出装置が適用される。吐出装置は、サポート材の液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、サポート材の液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式であってもよく、公知の吐出装置が適用される。
サポート材層形成部20は、例えば、サポート材カートリッジ20Aと不図示の供給管を通じて連結されている。そして、サポート材カートリッジ20Aにより、サポート材層形成部20へサポート材が供給される。
サポート材層形成部20は、中間転写体10の回転と共に、中間転写体10上に、サポート材の液滴を吐出することで、サポート材層を形成する。形成するサポート材層の厚さは、その後、形成する硬化性液状物層及びモデル材層の合計の厚さとすることがよい。
サポート材層形成部20は、例えば、サポート材の付与領域(例えば、サポート材を吐出するノズルの配置領域)が中間転写体10上の造形領域の幅(中間転写体10の回転方向に対する交差方向(例えば直交方向)に沿った造形領域の長さ)とされた長尺状の装置を適用する。
造形ユニット30は、中間転写体10の回転方向に、放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物を収容し、硬化性液状物層を形成する硬化性液状物層形成部31と、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含むモデル材を収容し、硬化性液状物層の上に、モデル材層を形成するモデル材層形成部32と、モデル材層を均す均し部37と、モデル材の未硬化層の着色領域に着色インクを付与するインク付与部38と、をこの順に備えている。
硬化性液状物層形成部31は、例えば、インクジェット方式の吐出装置が適用される。吐出装置は、硬化性液体物の液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、硬化性液状物の液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式であってもよく、公知の吐出装置が適用される。
硬化性液状物層形成部31は、例えば、硬化性液状物カートリッジ31Aと不図示の供給管を通じて連結されている。そして、硬化性液状物カートリッジ31Aにより、硬化性液状物層形成部31へ硬化性液状物が供給される。
硬化性液状物層形成部31は、中間転写体10の回転と共に、中間転写体10上に、硬化性液状物の液滴を吐出することで、硬化性液状物層を形成する。形成する硬化性液状物層の厚さは、例えば、その後、形成されるモデル材層の厚さよりも薄い厚さ(5μm以上50μm以下の薄い厚さ)とすることがよい。
硬化性液状物層形成部31は、例えば、硬化性液状物の付与領域(例えば、硬化性液状物を吐出するノズルの配置領域)が中間転写体10上の造形領域の幅(中間転写体10の回転方向に対する交差方向(例えば直交方向)に沿った造形領域の長さ)とされた長尺状の装置を適用する。
モデル材層形成部32は、例えば、アニックスローラを利用して粉体を供給する装置、配列した複数のノズルから粉体を供給する装置、現像装置等の周知の粉体供給装置が適用される。
具体的には、例えば、モデル材層形成部32は、内部にモデル材(粉体造形材)を収容する容器35と、容器35内における中間転写体10と向い合う領域に中間転写体10の表面から距離を隔てて配置された供給ロール33と、ブレード34と、ブラシ36と、を有する装置が適用される。
供給ロール33は、中間転写体10上に形成されたサポート材層及び硬化性液状物層に非接触となるように、各層の表面から離間された状態で配置されている。
供給ロール33は、表面にモデル材を保持して中間転写体10に形成された硬化性液状物層上にモデル材を供給可能に構成されていればよい。供給ロール33としては、例えば、アニックスローラが好適に用いられる。
ブレード34は、供給ロール33の中間転写体10と向かい合う領域より供給ロール33の回転方向上流側に設けられている。ブレード34は、供給ロール33表面に供給するモデル材の層厚を規制する。供給ロール33として、アニックスローラを用いる場合には、モデル材の層厚(供給量)は、アニックスローラ表面の凹部のサイズ(容量)で定まる。このため、供給ロール33としてアニックスローラを用いる場合には、ブレード34は、モデル材をアニックスローラの凹部に充填する機能を有することとなる。
ブラシ36は、供給ロール33の中間転写体10と向かい合う領域より供給ロール33の回転方向下流側に設けられている。ブラシ36は、供給ロール33の表面に保持されていたモデル材を供給ロール33表面から掻き取る。なお、ブラシ36を駆動部(不図示)によって振動させる構成としてもよい。
モデル材層形成部32は、例えば、モデル材カートリッジ32Aと不図示の供給管を通じて連結されている。そして、モデル材カートリッジ32Aにより、モデル材層形成部32へモデル材が供給される。
モデル材層形成部32は、中間転写体10の回転と共に、中間転写体10に形成された硬化性液状物層上に、モデル材を供給することで、モデル材層を形成する。形成するモデル材層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることがよい。
モデル材層形成部32は、例えば、モデル材の付与領域が中間転写体10上の造形領域の幅(中間転写体10の回転方向に対する交差方向(例えば直交方向)に沿った造形領域の長さ)とされた長尺状の装置を適用する。
均し部37は、硬化性液状物層上に形成されたモデル材層のモデル材が、硬化性液状物層を介して中間転写体10の外周面に均一または均一に近い密度となるように均す装置で構成される。均し部37としては、例えば、環状のベルト部材の内周側に複数の駆動ロールを配置し、該複数の駆動ロールによってベルト部材を回転する装置が適用される。ベルト部材の外周の一部の領域が、硬化性液状物層上に形成されたモデル材層のモデル材に接するように、ベルト部材を予め配置することで、モデル材を均す。ただし、均し部37は、この装置に限られるわけではない。
インク付与部38は、例えば、インクジェット方式の吐出装置が適用される。吐出装置は、着色インクの液滴を熱により吐出する、所謂サーマル方式であってもよいし、着色インクの液滴を圧力により吐出する、所謂圧電方式であってもよく、公知の吐出装置が適用される。
インク付与部38は、例えば、黒色、シアン色、マゼンタ色、及びイエロー色の各インクを吐出する吐出装置38K、38C、38M、38Yを有している。
インク付与部38の各色の吐出装置は、例えば、各色の着色インクが収容されたインクカートリッジ38A(38AK、38AC、38AM、38AY)と不図示の供給管を通じて連結されている。そして、インクカートリッジ38A(38AK、38AC、38AM、38AY)により、インク付与部38の各色の吐出装置へ各色のインクが供給される。
インク付与部38は、中間転写体10の回転と共に、中間転写体10上に形成されたモデル材層の着色領域上に、着色インクの液滴を吐出することで、目的する領域のモデル材層を着色する。
インク付与部38(各吐出装置)は、例えば、着色インクの付与領域(例えば、着色インクを吐出するノズルの配置領域)が中間転写体10上の造形領域の幅(中間転写体10の回転方向に対する交差方向(例えば直交方向)に沿った造形領域の長さ)とされた長尺状の装置を適用する。
押圧ユニット42は、造形ユニット30により形成したサポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層を押圧する押圧部44と、サポート材層、及び硬化性液状物層を半硬化する半硬化部46と、を備える。
押圧部44は、例えば、押圧ローラを有する装置が適用される。押圧部44は、硬化性液状物層及びモデル材層を押圧する装置であれば、特に制限はなく、例えば、押圧ブレードを有する装置を適用してもよい。
半硬化部46は、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物が半硬化する(放射線硬化性化合物が一部重合反応する)放射線を照射する装置が適用される。
具体的には、例えば、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物として、紫外線により硬化する硬化性化合物を適用する場合、半硬化部46としては、放射線として紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。また、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物として、電子線により硬化する硬化性化合物を適用する場合、半硬化部46としては、放射線として電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
紫外線照射装置としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、デイープ紫外線ランプ、マイクロ波を用い外部から無電極で水銀灯を励起するランプ、紫外線レーザー、キセノンランプ、紫外線発光ダイオード(UV−LED)等の光源を有する装置が挙げられる。
電子線照射装置としては、例えば、走査型、カーテン型、プラズマ放電型等の電子照射装置が挙げられる。
押圧ユニット42では、中間転写体10の回転により、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層が造形台40と対向する位置まで搬送された後、押圧部44により、造形台40と中間転写体10とでサポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層が挟まれた状態で、各層を押圧する。このとき、半硬化部46により放射線をサポート材層及び硬化性液状物層に照射し、半硬化させる。そして、半硬化させた後、造形台40を降下させると、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層が造形台40上に転写される。

ここで、「半硬化」とは、サポート材層、及び硬化性液状物層が、後述する硬化には至らないが、一部硬化(放射線硬化性化合物が一部重合反応)または液滴が固定し非流動化している状態を示す。具体的には、サポート材層、及び硬化性液状物層が中間転写体10から造形台40上へと転写されるとき、層が分離しない程度に一部硬化されていることを意味する。
造形台40は、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層が転写(形成)される造形領域を有する面(つまり、造形物が形成される造形領域を有する面)を有している。そして、造形台40は、不図示の駆動装置により、昇降可能となっている。また、造形台40は、造形台40上への繰り返しの転写により、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層の積層体を、刺激付与ユニット52に逐次搬送可能に構成されている。
なお、造形台40に、サポート材層、硬化性液状物層及びモデル材層が転写(形成)された後、中間転写体10に残留する異物は、クリーニング装置50によって中間転写体10から除去される。
刺激付与ユニット52は、サポート材層、及び硬化性液状物層を硬化する放射線を照射する放射線照射部54と、モデル材層を硬化する熱を付与する熱付与部56と、を備えている。
放射線照射部54は、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物が硬化する(放射線硬化性化合物が重合反応する)放射線を照射する装置が適用される。
具体的には、例えば、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物として、紫外線により硬化する硬化性化合物を適用する場合、放射線照射部54としては、放射線として紫外線を照射する紫外線照射装置を適用する。また、サポート材及び硬化性液状物に含まれる放射線硬化性化合物として、電子線により硬化する硬化性化合物を適用する場合、放射線照射部54としては、放射線として電子線を照射する電子線照射装置を適用する。
なお、紫外線照射装置及び電子線照射装置の例示としては、上述の通りである。
熱付与部56は、モデル材層に含まれる熱硬化性樹脂粒子、及び熱硬化剤粒子を硬化する熱を付与する加熱装置が適用される。
具体的には、熱付与部56としては、例えば、ハロゲンランプ、セラミックヒータ、ニクロム線ヒータ、マイクロ波加熱、赤外線ランプなどの熱源を有する加熱装置が適用される。熱付与部56としては、電磁誘導方式の加熱装置を適用してもよい。
次に、本実施形態に係る三次元造形装置101の動作(三次元造形物の製造方法)について説明する。
まず、不図示のコンピュータ等により、例えば、モデル材の硬化物により造形する三次元造形物の三次元CAD(Computer Aided Design)データから、三次元造形用のデータとして、例えば、造形物を形成するための二次元形状データ(スライスデータ)を生成する。このとき、サポート部を形成するための二次元形状データ(スライスデータ)を生成する。
次に、例えば、中間転写体10を回転させながら、サポート部を形成するための二次元形状データに基づいて、サポート材層形成部20から、サポート材を吐出し、中間転写体10上に、サポート材層を形成する(図2A参照)。ここで、図2中、S1は、サポート材層を示す。
次に、例えば、造形物を形成するための二次元形状データに基づいて、硬化性液状物層形成部31から、硬化性液状物を吐出し、硬化性液状物層を形成する(図2B参照)。ここで、図2中、MA1は、硬化性液状物層を示す。
次に、例えば、造形物を形成するための二次元形状データに基づいて、モデル材層形成部32から、モデル材を供給し、中間転写体10に形成された硬化性液状物層上に、モデル材層を形成する(図2C参照)。ここで、図2中、MB1は、モデル材層を示す。
次に、例えば、モデル材層に着色領域を設ける場合、インク付与部38から、着色インクを吐出し、モデル材層を着色する(図2D参照)。具体的には、例えば、モデル材層の着色領域に着色インクが付与されると、着色インクが浸透し、モデル材に含まれる吸液粒子(多孔質粒子等)が着色インクを吸液及び保持することで、モデル材層が着色される。
次に、例えば、中間転写体10の回転により、造形台40との対向位置に、サポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層を搬送する。そして、造形台40を上昇し、造形台40と中間転写体とで、サポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層を挟む。この状態で、押圧部44により、サポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層を押圧し、半硬化部46により、サポート材層、及び硬化性液状物層を半硬化する。その後、造形台40を降下することにより、サポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層が造形台40上に転写される。サポート材層、及び硬化性液状物層を半硬化させることで、各層の成分の中間転写体への残留(各層の分離)を抑制しつつ、転写が実現される。
このようにして、硬化前の造形物の一部となる「硬化性液状物層とモデル材層との積層体」と、必要に応じて、硬化前のサポート部の一部となる「サポート材層」とからなる第1層を形成する(図2E参照)。ここで、図2中、LAY1は、第1層を示す。
次に、第1層と同様にして、第1層上に、硬化前の造形物の一部となる「硬化性液状物層とモデル材層との積層体」と、必要に応じて、硬化前のサポート部の一部となる「サポート材層」とからなる第2層を形成する(図2F)。ここで、図2中、LAY2は第2層を示し、MA2は第2層におけるにおける硬化前の造形物の一部となる「硬化性液状物層」を示し、MB2は第2層における硬化前の造形物の一部となる「モデル材層」を示し、S2は第2層における硬化前のサポート部の一部となる「サポート材層」を示す。
そして、この第1層および第2層を造形台40に転写(形成)する動作を繰り返し実施し、第n層まで形成する。これにより、少なくとも一部が硬化前のサポート部(サポート材層の積層体)でサポートされた硬化前の造形物(硬化性液状物層及びモデル材層の積層体)が形成される(図2G参照)。ここで、図2中、LAYnは第n層を示し、MAnは第n層におけるにおける硬化前の造形物の一部となる「硬化性液状物層」を示し、MBnは第n層における硬化前の造形物の一部となる「モデル材層」を示し、Snは第n層における硬化前のサポート部の一部となる「サポート材層」を示す。
次に、硬化前のサポート部(サポート材層の積層体)でサポートされた硬化前の造形物(硬化性液状物層及びモデル材層の積層体)に対して、放射線照射部54により、放射線を照射することで、サポート材層、及び硬化性液状物層を硬化する。そして、熱付与部56により、熱を付与することで、モデル材層を硬化する。具体的には、モデル材に含まれる、熱硬化性樹脂粒子及び熱硬化剤粒子が互いに結合反応し、硬化すると共に、溶融固化、及び接合する。これにより、少なくとも一部がサポート部でサポートされた造形物が形成される(図2H参照)。ここで、図2中、MDは造形物を示し、SPはサポート部を示す。
その後、造形物からサポート部を除去すると、目的とする造形物が得られる。ここで、サポート部の除去は、例えば、手で取り外す方式(ブレークアウェイ方式)、気体又は液体を噴射して取り外す方式等が採用される。
なお、得られた造形物は、研磨処理、表面処理等の後処理を施してもよい。
以上説明した本実施形態に係る三次元造形装置101(この装置による三次元造形物の製造方法、以下同様)では、硬化性液状物層形成部31によって、硬化性液状物層を形成する工程と、モデル材層形成部32によって、硬化性液状物層の上にモデル材層を形成する工程と、モデル材層に着色領域を設ける場合、モデル材層の着色領域に着色インクを付与する工程と、を繰り返し、硬化性液体物層及びモデル材層を積層する。そして、硬化性液体物層及びモデル材層(その積層体)に、放射線の照射及び熱の付与をし、硬化性液体物層及びモデル材層を硬化して、三次元造形物を製造する。
また、三次元造形装置101では、各層を積層する前に、押圧部44によって、モデル材層を押圧する工程を経て、三次元造形物を製造している。モデル材層を押圧することで、更に、精度良く、目的とする厚みのモデル材層が形成され易くなる。このため、更に、形状精度に優れた三次元造形物の製造が実現され易くなる。
また、三次元造形装置101では、サポート材層形成部20及び放射線照射部54によって、三次元造形物の少なくとも一部をサポートするサポート部を形成する工程を経て、三次元造形物を製造している。三次元造形物の少なくとも一部をサポート部でサポートすることで、複雑な形状で、かつ形状精度に優れた三次元造形物の製造が実現され易くなる。
なお、サポート材層を形成する工程、必要に応じて、サポート材層を積層する工程と、及び放射線によりサポート材層を硬化する工程が「三次元造形物の少なくとも一部をサポートするするサポート部を形成する工程」に相当する。また、サポート材層形成部20及び放射線照射部54が、サポート部形成手段に該当する。
なお、三次元造形装置101では、中間転写体10上に形成したサポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層を造形台40に転写しながら、積層する転写方式を説明したが、これに限られるわけではない。例えば、三次元造形装置101は、造形台40に直接、サポート材層、硬化性液状物層、及びモデル材層を形成及び積層する構成であってもよい。
三次元造形装置101では、最初に、サポート材層を形成する態様を説明したが、限られるわけではない。例えば、1)硬化性液状物層上にモデル材層を形成した後、モデル材層の隣接する少なくも一部にサポート材層を形成する態様、2)硬化性液状物層上にモデル材層を形成する前に、サポート材層を形成し、放射線を照射し、サポート材層を硬化する態様(先にサポート部を形成する態様)であってもよい。
三次元造形装置101では、同一装置内で、硬化性液体物層及びモデル材層を積層し、硬化性液体物層及びモデル材層(その積層体)に、放射線の照射及び熱の付与をし、硬化性液体物層及びモデル材層を硬化して、三次元造形物を製造する態様を説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、硬化性液体物層及びモデル材層を積層した後、硬化性液体物層及びモデル材層の積層体を移動させ、別途設置してある放射線放射装置によって放射線を照射し、硬化性液体物層を硬化し、さらに、別途設置してある熱付与装置によって熱を付与してモデル材層を硬化する態様であってもよい。
以下、本実施形態に係る三次元造形装置101(この装置による三次元造形物の製造方法)に使用する「硬化性液状物」、「モデル材」及び「サポート材」の詳細について説明する。
(硬化性液状物)
硬化性液状物は、放射線硬化性化合物を含む。硬化性液状物は、放射線重合開始剤を含んでもよい。
−放射線硬化性化合物、放射線重合開始剤−
放射線硬化性化合物としては、例えば、ラジカル硬化性化合物、カチオン硬化性化合物のいずれのあってもよい。また、放射線硬化性化合物は、紫外線により硬化(重合)する紫外線硬化性化合物、電子線により硬化(重合)する電子線硬化性化合物が挙げられる。ここで言う、硬化性化合物は、硬化後において不可逆のものを指す。カチオン硬化性化合物は、モノマー、マクロマー、オリゴマー、プレポリマー、及びポリマー(樹脂)のいずれであってもよい。
放射線硬化性化合物としては、紫外線ラジカル硬化性化合物(紫外線によりラジカル重合して硬化する硬化性化合物)が好ましく、LED等の特定波長で反応する紫外線ラジカル硬化性化合物がより好ましい。
ラジカル硬化性化合物としては、例えば、1つ以上の反応性基を含むラジカル重合性モノマーが挙げられる。ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、アルコール、多価アルコール又はアミノアルコール類のアクリル酸エステル;アルコール又は多価アルコール類のメタクリル酸エステル;アクリル脂肪族アミド;アクリル脂環アミド;アクリル芳香族アミド;ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールのアクリレート又はメタクリレート誘導体;ヒドロキシアルキルアクリレート誘導体;グリシドールメタクリレート;ペンタエリスリトールトリアクリレート等の周知のラジカル重合性モノマーが挙げられる。
ラジカル硬化性化合物としては、ラジカル重合性のモノマーを1種又は2種以上を重合させたマクロマー、オリゴマー、プレポリマー、及びポリマー(樹脂)等の他、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂等の樹脂骨格に、アクリロイル基、又はメタクリロイル基の付加した樹脂(例えば、エポキシアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、ポリウレタンメタクリレート樹脂、ポリエステルメタクリレート樹脂等)、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン、フェノールノボラックアクリル酸、シクロヘキシル脂環型アクリレート、不飽和ポリエステル樹脂等の周知のラジカル硬化性化合物が挙げられる。
カチオン硬化性化合物としては、例えば、エポキシモノマー(例えばエポキシグリシジルエーテル、脂環式エポキシ化合物)、オキセタンモノマー、ビニルエーテルモノマー(例えばテトラエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAジエチレンオキサイドジアクリレート)等のカチオン重合性のモノマーが挙げられる。
カチオン硬化性化合物としては、例えば、カチオン重合性のモノマーを1種又は2種以上を重合させたマクロマー、オリゴマー、プレポリマー、及びポリマー(樹脂)等の他、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂等も挙げられる。
放射線硬化性化合物の含有量は、硬化性液状物に対して、30質量%以上 90 質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましい。
放射線重合開始剤は、放射線硬化性化合物の種類に応じて、ラジカル重合開始剤、又はカチオン重合開始剤が選択される。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン系、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシケトン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、α−アミノケトン、α−アミノアルキルフェノン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、ヒドロキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、チタノセン型、オキシムエステル型、オキシフェニル酢酸エステル型、チオキサントン系、ボレート系等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、例えば、オニウム塩タイプのアリールスルホニウム塩、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、アレン−イオン錯体誘導体、トリアジン系開始剤、ジアゾニウム塩、フェロセニウム塩等が挙げられる。
放射線重合開始剤の含有量は、硬化性液状物に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−界面活性剤−
硬化性液状物は、界面活性剤を含むことがよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、またはノニオン性界面活性剤を用いることが望ましい。
アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸エステル塩およびスルホン酸塩、高級アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩等が使用され、望ましくは、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が用いられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコールのポリオキシエチレン付加物等が挙げられ、望ましくは、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコール、アセチレングリコール、ポリジメリチルシロキサン側鎖をもつポリオキシエチレン付加物で紫外線硬化反応性アクリル・メタクリル残基を側鎖に1つ以上もつものが挙げられる。
その他、ポリシロキサンオキシエチレン付加物等の(メタ)アクリル変性シリコーン系界面活性剤や、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、オキシエチレンパーフルオロアルキルエーテル等のフッ素系界面活性剤、スピクリスポール酸やラムノリピド、リゾレシチン等のバイオサーファクタント等も界面活性剤として使用される。
これらの界面活性剤は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤としては、HLB値が9以上14以下の界面活性剤が好ましい。HLB値が9以上14以下の界面活性剤を適用すると、モデル材との親和性が高まり、精度よく、目的とするモデル材層が形成され、形状精度に優れた三次元造形物が得られ易くなる。
ここで、界面活性剤のHLB値とは、親水性/疎水性バランス(Hydrophile− Lipophile Barance)であり、以下の式(グリフィン法)により定義される。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
また、界面活性剤は、シリコーン成分により変性されていてもよい。シリコーン成分により変性された界面活性剤としては、シリコーン成分としてジメチルシロキサン誘導体で側鎖変性され、PPG成分(ポリプロピレングリコール成分)及びPEO成分(ポリエチレングリコール成分)の少なくとも一方とアクリル残基を持つ界面活性剤が好ましく、更には光反応性を持つ界面活性剤が好ましい。界面活性剤をシリコーン成分により変性する方法としては、公知の方法が適用される。
シリコーン成分により変性された界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール成分およびポリプロピレングリコール成分の少なくとも一方を側鎖として有する、ジメチルシリコーンポリマー(HLB=9から14)も挙げられる。
なお、界面活性剤としては、放射線硬化性基を有する界面活性剤を用いてもよい。この放射線硬化性基としては、放射線硬化性化合物として例示したモノマーが有する官能基が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、0.1質量%以上30質量%以下が望ましく、0.5質量%以上10質量%以下が更に望ましい。
−その他添加剤−
硬化性液状物には、官能基を有し、溶解度パラメータ(sp値)が7以上9.6以下の疎水性モノマーを更に含んでもよく、sp値が8以上9.6以下の疎水性モノマーを1種類以上含むことがさらに望ましい。
sp値が9.6以下のモノマー類としてはネオペンチルグリコールジアクリレートおよびその誘導体、ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールの多官能体、各種エチレンオキサイド変性フェノキシアクリレート類、アルコキシアルキルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレートなどが挙げられる。
硬化性液状物中における、上記sp値を示す疎水性モノマーの総含有量は、1質量%以上30質量%以下の範囲内であることが望ましく、5質量%以上30質量%以下の範囲内であることが特に望ましい。
溶解度パラメータが上記範囲の疎水性のモノマーは、1種以上を混合して用いてもよいが、この疎水性モノマーは、単官能、2官能、または3官能であることが望ましく、単官能または2官能であることが更に望ましい。
上記疎水性モノマーが有する官能基としては長鎖アルコキシ類をもつ、アルキル基や環状アルキル基、分岐アルコキシ基、シクロヘキシル、ジメチルシロキサン誘導体、等の官能基が挙げられ、具体的には、ラウリル基、ドデシル基、ヘキサメチレン基、ペンタエリスリトール誘導体、トリメチロールプロパン誘導体、シクロヘキシル誘導体、ブタンジオール、低分子ポリエチレングリコール(分子量200)誘導体等が挙げられる。
これらの中でも、疎水性モノマーが有する官能基としては、ラウリル基、およびドデシル基が望ましい。
また、この疎水性モノマーは、アルキレンオキサイド構造を含んだ構成であることが望ましく、プロピレンオキサイド構造、およびエチレンオキサイド構造の少なくとも一方を含むことが更に望ましく、プロピレンオキサイド構造、およびエチレンオキサイド構造の双方を含むことが特に望ましい。
以下、官能基を有し、sp値が9.6以下の疎水性モノマーの一例を以下に示す。尚、( )内の数字はsp値である。sp値は、fedorsの方式により化合物の構造式より求められる。
テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)(9.6)、シクロヘキシルアクリレート(CHA)(9.6)、イソボニルメタクリレート(IBXMA)(9.6)、エチルヘキシルアクリレート(HA)(8.9)、ドデシルメタクリレート(DMA)(8.8)、およびラウリルアクリレート(LA)(8.7)、フェノキシ(エチレングリコール)n=4以上アクリレート(9.4)等の単官能疎水性モノマーや、エトキシエチレンオキサイドアクリレート(8.3)、ジプロピレングリコール1000以上のジアクリレート(8.6)、1,6−ヘキサジオールアクリレート(9.6)、ポリオール主鎖を有するジアクリレート類(PEG200(8.8),PEG400(8.5),PEG600(8.4)等(何れもダイセルサイテック社製))、ネオペンチルグリコールジアクリレート(9.4)、グリシドールジメタクリレート(9.1)等の2官能の疎水性モノマーや、メトキシポリエチレングリコール(n=8)(9.3)、ペンタメチルピペリジルメタクリレート(8.7)、テトラヒドロフルアクリレート(9.2)、ジシクロペンタニルアクリレート(9.3)、ジまたはトリプロピレンクリコールアクリレート(9以上9.5以下)、アクリル酸ビニロキシエトキシエチル(8.7)、およびそのメタクリル酸誘導体(8.7)、エチレンオキサンド変性ポリプロピレングリコールジメタクリレート(8.2)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(9.4)、ポリプピレングリコール(8.2)、グリセンプロポキシトトリアクリレート(9.2)、トリメチロールエトキシトリアクリレート(9.1)など、各種ポリエーテル変性、脂環式アクリレート類からなるものが挙げられる。
(モデル材)
モデル材(粉体造形材)は、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む。
−熱硬化性樹脂粒子−
熱硬化性樹脂粒子としては、例えば、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂(尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂、スチレンーアクリル樹脂、ポ゜リアミド樹脂、ポリイミド樹脂等の粒子などが挙げられる。
熱硬化性樹脂粒子には、通常の熱可塑性樹脂も適用できる。熱可塑性樹脂も反応残基(例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等)を有しており、熱硬化剤粒子と反応することで架橋構造を形成し硬化する。
熱硬化性樹脂粒子としての熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子、ポリアミド樹脂粒子(ナイロン粒子)、ポリイミド樹脂粒子、ポリエチレンテレフタレート樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリエーテルスルフォン樹脂粒子、ポリ乳酸粒子、ポリアクリル酸粒子が挙げられる。
なお、熱硬化性樹脂粒子は、例えば、多孔質粒子とし、吸液粒子を兼ねてもよい。
熱硬化性樹脂粒子の径(体積平均粒径)は、体積平均粒径で0.1μm以上50μmの範囲が望ましく、1μm以上20μm以下がより望ましい。
熱硬化性樹脂粒子の含有量は、モデル材に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましい。
−熱硬化剤粒子−
熱硬化剤粒子は、熱硬化性樹脂粒子の熱硬化性官能基と反応して、架橋構造を形成する。
熱硬化剤粒子としては、ブロック化イソシアネート粒子(具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートのブロック化シソシアネート、またはテトラメチレンジイシシアンートのブロックイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シアヌール酸変性多官能のブロックシソシアネート等の粒子)、各種ポリオール類とのプレポリマー化による多官能イソシアンートの粒子等が挙げられる。
熱硬化剤粒子の径(体積平均粒径)は、体積平均粒径で0.1μm以上50μmの範囲が望ましく、1μm以上30μm以下がより望ましい。
熱硬化剤粒子の含有量は、モデル材に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
−吸液粒子−
吸液粒子は、吸液性材料を主成分として含む。なお「主成分」とは、全体に対し50質量%以上含む成分をいう。吸液性材料とは、吸液性材料と硬化阻害液を質量比30:100で24時間混合した後、混合液中からフィルターにより吸液性材料を取り出した際、吸液性材料の質量が硬化阻害液混合前に対して5%以上増加するものである。
吸液性材料としては、例えば、樹脂(以下、吸液樹脂と称する場合がある/例えばアクリルカルボン酸ナトリウム塩成分を含む吸水性樹脂など)、多孔質樹脂粒子(多孔質ナイロン粒子、ポリエステル粒子等)、多孔質無機粒子(例えば、シリカ粒子、ゼオライト粒子)等が挙げられる。
吸液性材料としては、吸水性の材料が好適に挙げられる。吸水材料としては、例えば、ポリアクリル酸およびその塩、ポリメタクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、ポリマレイン酸およびその塩、スチレン−マレイン酸およびその塩から構成される共重合体等、前記それぞれの樹脂のスルホン酸変性体、それぞれの樹脂のリン酸変性体、等が挙げられ、望ましくは、ポリアクリル酸およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル−カルボン酸およびその塩構造を有する脂肪族または芳香族置換基を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とから生成するエステルから構成される共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸およびその塩から構成される共重合体、が挙げられる。これら樹脂は、複数の反応基を含むジビニルベンゼン等で架橋されていてもよい。
吸液粒子としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ポリビニルアルコールにイオン結合してなるアルキルアミン化合物、ヒドロキシ化合物、スルホン酸、リン酸化合物、3,4級アミン塩化合物などの酸性を有する化合物を用いることも好ましい。
吸液粒子は、固体の粒子状のものでもよく、エマルジョン等のごとく液体が分散した状態のものでもよく、半溶解した状態(例えばポリマーの架橋が切れて分子鎖が伸びた状態)、一部が硬化性化合物に相溶・膨潤したものでもよい。
吸液粒子の径(体積平均粒径)は、体積平均粒径で0.05μm以上25μmの範囲が望ましく、0.05μm以上5μm以下がより望ましい。
なお、体積平均粒径の測定装置には、マイクロトラックUPA粒度分析計9340(Leeds&Northrup社製)を用いた。その測定は、対象粒子を分散した分散媒4mlを測定セルに入れて行った。なお、測定時の入力値として、粘度には分散媒の粘度を、分散粒子の密度は対象粒子の密度とした。なお、体積平均粒径の測定については、以下、同様である。
吸液粒子の比重は、硬化性化合物の比重よりも、相対的に小さいほうが好ましい。モデル材に占める吸液粒子の比率は、質量比で、1%以上60%以下が望ましく、より望ましくは10%以上50%以下であり、さらに望ましくは20%以上40%以下である。
吸液粒子が吸液性材料を含む樹脂粒子である場合、樹脂粒子の調製方法としては、例えば、吸液性材料を含む樹脂・モノマーをボールミルにより粉砕する方法等が挙げられる。
吸液粒子の含有量は、モデル材に対して、5質量%以上 50 質量%以下が好ましく、10質量%以上35質量%以下がより好ましい。
−その他添加剤−
モデル材には、無機粒子を含んでもよい。無機粒子は、三次元造形物に補強性、剛性、耐衝撃性の特性を付与するために使用する。
無機粒子としては、金属粒子、セラミック粒子等が挙げられる。
金属粒子としては、ステンレス粒子(SUS粒子)、チタン粒子、クロム粒子、銅粒子、鉄粒子、アルミ粒子等の粒子等が挙げられる。
セラミック粒子としては、ガラス粒子(ガラスフリット)、ゾルゲルシリカ粒子、各種変性シリカ粒子等が挙げられる。
無機粒子の径(体積平均粒径)は、体積平均粒径で1μm以上300μmの範囲が望ましく、10μm以上100μm以下がより望ましい。
金属粒子の含有量は、モデル材に対して、10質量%以上90質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。
その他、モデル材には、水酸基、カルボン酸基、アミノ基、シラノール基、エポキシ基等を含んでもよい。
(サポート材)
サポート材は、放射線硬化性化合物を含む。サポート材は、放射線重合開始剤を含んでもよい。
サポート材の組成は、硬化性液状物と同じ組成が挙げられる。ただし、サポート材は、硬化性液状物と非相溶で、紫外線カチオン硬化性化合物(紫外線によりカチオン重合して硬化する硬化性化合物)を含むサポート材を適用することがよい。カチオン硬化性化合物を適用すると、熱の付与によりサポート部が脆くなる傾向があるため、サポート部の除去性の点で好適である。
また、サポート材は、モデル材の粒子がサポート材層へ張り込むのを抑制するために、界面活性剤を含まないことがよい。
なお、本実施形態に係る三次元造形装置及び三次元造形物の製造方法では、目的に応じて、成形用の型、工業製品等の部品、人形等の玩具等の種々の三次元造形物を製造することができる。
以上、本発明の一例である実施形態を説明したが、本発明は実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で他の種々の形態が実施可能であることはいうまでもない。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により限定されるものではない。なお、特に断りがない限り「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
透明基材(アイセロ化学製、ポリエチレンテレフタレート(PET)処理膜及びポリビニルアルコール(PVA)処理膜付き基材)上の外郭に、サポート材として、紫外線により硬化するカチオン硬化性化合物(SCR773「(株)ディーメック社製」、カチオン硬化性樹脂)をジェットデイスペンサー(ムサシ製)で所望の外郭構造を形成させ、紫外線硬化させた。これにより、サポート材層の硬化物からなるサポート部(その一部)を形成した。
次に、硬化性液状物[(ウレタンジアクリレート「M1600(東亜合成製)/トリメチロールプロパン(TMP)トリアクリレート(大阪有機化学製)/イソシアヌル酸エチレングリコール(EO)変性ジ及びトリアクリレート「M313(東亜合成製)/3個のアクリロイル基を持つポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドからなるポリオキシアルキレンにより変性されたシリコーン系界面活性剤「TEGO2200N(エボニック社製)」=質量比10/60/25/5)に、ラジカル重合開始剤「イルガキュア184(BASF社製)を5質量%添加した組成物]を,ジェットデイスペンサー(ムサシ製)でサポート部の内部に塗布した。これにより、サポート部の内部に、厚さ30μmの硬化性液状物層を形成した。
次に、モデル材[ナイロン多孔質粒子(東レ社製、吸液粒子、且つ熱硬化性樹脂粒子)30部、ナイロン6粒子(東レ社製、熱硬化性樹脂粒子)60部、及びブロックイソシアネート粒子(熱硬化剤粒子)10部の混合粉体]を、現像機により、サポート部の内部に形成した硬化性液状物層上に、散布した。これにより、厚み33μmのモデル材層を形成した。
次に、モデル材層の表面に、水性着色インクを付与して着色した後、透明ETFE樹脂フィルム(旭硝子製)面で着色したモデル材層を押圧した。
そして、これら操作を繰り返し、各層を積層した。その後、得られた積層体に対して、紫外線を照射し、硬化性液状物層を硬化させた。次に、さらに、積層体を加熱炉に入れ、120℃、1時間加熱し、インクの乾燥と共に、モデル材層を硬化させた。
これにより、積層体中で、硬化性液状物層及びモデル材層の積層体の硬化物からなる造形物を形成した。次に、積層体からサポート部を除去した。サポート部は加熱処理により、脆くなり、造形物との界面で容易に取り外すことができた。
以上の工程により、目的とする造形物を得た。得られた造形物は、安定した光沢、及び表面性状を有していた。また、形状精度も高かった。
(実施例2)
モデル材として、ガラスフリット30部と、ナイロン多孔質粒子(東レ社製、吸液粒子、且つ熱硬化性樹脂粒子)60部と、ブロックイソシアネート粒子(熱硬化剤粒子)10部との混合粉体を使用した以外は、実施例1と同様にして、造形物を得た。サポート部は、加熱処理により、脆くなり、造形物との界面で容易に取り外すことができた。得られた造形物は、安定した光沢、及び表面性状を有していた。また、形状精度も高かった。
(比較例1)
硬化性液状物を使用しない以外は、実施例1と同様にして、モデル材層の積層体の硬化物からなる造形物を得た。得られた造形物は、実施例1の造形物に比べ、形状精度が低かったことが確認できた。
10 中間転写体
11 支持ロール
20 サポート材層形成部
20A サポート材カートリッジ
30 造形ユニット
31 硬化性液状物層形成部
31A 硬化性液状物カートリッジ
32 モデル材層形成部
32A モデル材カートリッジ
33 供給ロール
34 ブレード
35 容器
36 ブラシ
37 均し部
38 インク付与部
38A インクカートリッジ
38K 吐出装置
40 造形台
42 押圧ユニット
44 押圧部
46 半硬化部
50 クリーニング装置
52 刺激付与ユニット
54 放射線照射部
56 熱付与部
101 三次元造形装置

Claims (6)

  1. 放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成工程と、
    前記硬化性液状物層形成工程後、前記硬化性液状物の層の上に、熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材の層を形成する粉体造形材形成工程と、
    前記粉体造形材形成工程後、前記粉体造形材の層に着色領域を設ける場合、前記粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与工程と、
    前記硬化性液状物層形成工程、前記粉体造形材形成工程、及び前記インク付与工程を繰り返し、前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層を積層する積層工程と、
    前記積層工程後、前記硬化性液状物の層に放射線を照射し、前記硬化性液状物の層を硬化する放射線照射工程と、
    前記積層工程後、前記粉体造形材の層に熱を付与し、前記粉体造形材の層を硬化する熱付与工程と、
    を有する三次元造形物の製造方法。
  2. 前記積層工程前に、前記粉体造形材の層を押圧する押圧工程を更に有し、
    前記積層工程が、前記硬化性液状物層形成工程、前記粉体造形材形成工程、前記インク付与工程及び前記押圧工程を繰り返し、前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層を積層する工程である請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する工程を更に有する請求項1又は請求項2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 放射線硬化性化合物を含む硬化性液状物を収容し、前記硬化性液状物の層を形成する硬化性液状物層形成部と、
    熱硬化性樹脂粒子、熱硬化剤粒子、及び吸液粒子を含む粉体造形材を収容し、前記硬化性液状物の層の上に、前記粉体造形材の層を形成する粉体造形材層形成部と、
    前記粉体造形材の層の着色領域に着色インクを付与するインク付与部と、
    前記硬化性液状物の層に放射線を照射し、前記硬化性液状物の層を硬化する放射線照射部と、
    前記粉体造形材の層に熱を付与し、前記粉体造形材の層を硬化する熱付与部と、
    を備え、
    前記硬化性液状物の層及び前記粉体造形材の層の積層体の硬化物からなる三次元造形物を製造する三次元造形装置。
  5. 前記粉体造形材の層を押圧する押圧部を更に備える請求項4に記載の三次元造形装置。
  6. 三次元造形物の少なくとも一部を支持する支持部を形成する支持部形成手段を更に有する請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置。
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