JP2017163984A - 苦味評価のための融合タンパク質および苦味評価方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】苦味受容体TAS2Rと、該苦味受容体に共役するGタンパク質αサブユニットとを含む融合タンパク質を安定発現する形質転換細胞を用い、該形質転換細胞に被験物質を接触させる工程と、該形質転換細胞内のカルシウム濃度を測定する工程を含むことを特徴とする被験物質の苦味評価方法。
【選択図】なし
Description
[1]苦味受容体TAS2Rと、該苦味受容体に共役するGタンパク質αサブユニットとを含む融合タンパク質。
[2]前記Gタンパク質αサブユニットが、Gqファミリーのαサブユニットとガストデューシンのキメラタンパク質である前記[1]に記載の融合タンパク質。
[3]前記GqファミリーのαサブユニットがGα15またはGα16である前記[2]に記載の融合タンパク質。
[4]配列番号1、3、5、7、9、25または27に示されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を有する前記[3]に記載の融合タンパク質。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
[6]前記[5]に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
[7]前記[6]に記載の発現ベクターが導入されている形質転換細胞。
[8]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の融合タンパク質を安定発現する前記[7]に記載の形質転換細胞。
[9]前記[7]または[8]に記載の形質転換細胞に被験物質を接触させる工程と、該形質転換細胞内のカルシウム濃度を測定する工程を含むことを特徴とする被験物質の苦味評価方法。
[10]前記[7]または[8]に記載の形質転換細胞に苦味物質と被験物質を接触させる工程と、該形質転換細胞内のカルシウム濃度を測定する工程と、得られたカルシウム濃度を苦味物質のみを接触させた形質転換細胞内のカルシウム濃度と比較し、カルシウム濃度を増加または低下させる被験物質を選択する工程を含む苦味調節物質のスクリーニング方法。
本発明は、苦味受容体TAS2Rと、該苦味受容体に共役するGタンパク質αサブユニットとを含む融合タンパク質を提供する。本発明の融合タンパク質に含まれる苦味受容体は、TAS2Rファミリーに属するものであればどのような動物由来のTAS2Rでもよい。なかでも、ヒト、霊長類、げっ歯類、家畜(ウシ、ウマ、ブタ等)、ペット(イヌ、ネコ等)由来のTAS2Rが好ましい。特にヒトを対象とする飲食品の開発に利用する場合は、ヒトのTAS2Rを用いることが好ましい。
本発明のポリヌクレオチドは、上記本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドであればよい。ポリヌクレオチドは、RNA(例えば、mRNA)の形態、またはDNAの形態(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)で存在することができる。ポリヌクレオチドは、二本鎖でもよく一本鎖でもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNAと RNAとのハイブリッドのいずれであってもよい。一本鎖の場合は、コード鎖(センス鎖)または非コード鎖(アンチセンス鎖)のいずれであってもよい。また、本発明のポリヌクレオチドは、その5’側または3’側でタグ標識(タグ配列またはマーカー配列)をコードするポリヌクレオチドに融合されていてもよい。さらに、非翻訳領域(UTR)の配列やベクター配列(発現ベクター配列を含む)などの配列を含むものであってもよい。
本発明は、上記本発明の融合タンパク質を製造するため、または宿主に発現させるために使用される発現ベクターを提供する。本発明の発現ベクターは、本発明の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むものであれば特に限定されないが、RNAポリメラーゼの認識配列を有するプラスミドベクターが好ましい。発現ベクターの作製方法としては、プラスミド、ファージ、またはコスミドなどを用いる方法が挙げられるが特に限定されない。ベクターの具体的な種類は限定されず、宿主細胞中で発現可能なベクターを適宜選択することができる。すなわち、宿主細胞の種類に応じて、確実に本発明のポリヌクレオチドを発現させるために適宜プロモーター配列を選択し、これと本発明のポリヌクレオチドを各種プラスミド等に組み込んだベクターを発現ベクターとして用いればよい。本発明の発現ベクターを用いて形質転換された宿主を、培養、栽培または飼育した後、培養物などから慣用的な手法(例えば、濾過、遠心分離、細胞の破砕、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなど)に従って、本発明の融合タンパク質を回収、精製することができる。
本発明は、上記本発明の発現ベクターが導入された形質転換細胞を提供する。本発明の形質転換細胞(以下、「本発明の細胞」という)は、本発明の融合タンパク質を一過性に発現するものでもよいが、本発明の融合タンパク質を安定発現するものが好ましい。宿主となる細胞は特に限定されず、本発明の発現ベクターが導入されて本発明の融合タンパク質を発現できる細胞であればどのような細胞も好適に用いることができる。例えば、大腸菌等の細菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。本発明の細胞を後述する苦味物質の評価に用いる場合は、哺乳動物細胞を用いることが好ましい。本発明の発現ベクターを宿主細胞に導入する方法、すなわち形質転換法も特に限定されるものではなく、電気穿孔法、リン酸カルシウム法、リポソーム法、DEAEデキストラン法等の従来公知の方法を好適に用いることができる。
本発明は、上記本発明の細胞を用いる苦味評価方法を提供する。本発明の苦味評価方法は、本発明の細胞に被験物質を接触させる工程および被験物質を接触させた細胞における細胞内カルシウム濃度を測定する工程を含むものであればよい。本発明の苦味評価方法により、被験物質が苦味を感じさせる物質であるか否かを評価することができる。また、本発明の苦味評価方法により、被験物質により生体が感知する苦味の程度(強さ)を評価することができる。
本発明は、上記本発明の細胞を用いる苦味調節物質のスクリーニング方法を提供する。本発明のスクリーニング方法は、本発明の細胞に苦味物質および被験物質を接触させる工程、苦味物質および被験物質を接触させた細胞における細胞内カルシウム濃度を測定する工程、および得られたカルシウム濃度を苦味物質のみを接触させた本発明の細胞における細胞内カルシウム濃度と比較し、カルシウム濃度を増加または低下させる被験物質を選択する工程を含むものであればよい。
TAS2R14(塩基配列:配列番号11、アミノ酸配列:配列番号12)、TAS2R16(塩基配列:配列番号13、アミノ酸配列:配列番号14)、TAS2R38(塩基配列:配列番号15、アミノ酸配列:配列番号16)、TAS2R43(塩基配列:配列番号17、アミノ酸配列:配列番号18)、TAS2R44(塩基配列:配列番号19、アミノ酸配列:配列番号20)、TAS2R10(塩基配列:配列番号29、アミノ酸配列:配列番号30)、TAS2R39(塩基配列:配列番号31、アミノ酸配列:配列番号32)およびTAS2R46は、GenBankに登録されている配列情報を基に、ヒトゲノムDNA (BD Clontech)を鋳型として、PCR法により各遺伝子を増幅した。各受容体のコード領域のN末端側に、ラットソマトスタチン タイプ3の最初の45アミノ酸をタグ配列(塩基配列:配列番号21、アミノ酸配列:配列番号22)として付加し、pEAK10ベクター(Edge Biosystems)のAsc I-Not Iサイトに組込んだ。
苦味受容体は生体内では、ガストデューシンのようなGi型のGタンパク質と共役するが、Gα15やGα16のようなGq型のGタンパク質とは共役しないことが知られている。一方で、Gq型のGタンパク質はHEK293細胞のような哺乳類細胞において内在性のβ/γと複合体を形成することができ、ガストデューシンのようなGi型のGタンパク質よりも、より感度の高いシグナル伝達を可能とする。したがって、宿主細胞において、Gα16のようなGq型のαサブユニットのC末端側のアミノ酸配列をガストデューシンのようなGi型のαサブユニットのアミノ酸配列と置換したキメラタンパク質を苦味受容体と共に強制発現させることにより、細胞内のカルシウム濃度動態が観察できる。
ヒトGα16とヒトガストデューシンは、ともにORIGENEより購入した[GNA15 (NM_002068) Human cDNA Clone, GNAT3 (NM_001102386) Human cDNA Clone]。まず初めに、文献[Ueda T,et al., J. Neurosci,23,7376-7380(2003)]に従い、Gα16のアミノ酸配列のC末端側の40アミノ酸をガストデューシンのC末端側の40アミノ酸に置換させたキメラαサブユニットをコードする遺伝子を作製するため、購入したプラスミドを鋳型として各遺伝子をPCR法にて増幅し、pEAK10ベクター(Edge Biosystems)のEco RI-Not Iサイトに組込んだ。さらにGα16とガストデューシンの繋ぎ目のアミノ酸配列に対して部位特異的変異を導入して改変型Gα16gust40であるGα16(1-331)-AlaGluThr-Gustducin(317-354)を作製した(塩基配列:配列番号23、アミノ酸配列:配列番号24)。
融合遺伝子はClontechのIn-FusionTM Advantage PCR Cloning Kitを用いて作製した。最初にマニュアルに従って、実施例2で作成した改変型Gα16gust40/pEAK10ベクターをinverse PCRにより線状化した。次に作製した線状ベクターの末端と相同な配列を5’末端側に付加させた目的遺伝子を増幅するためのPrimerを設計し、SSTR3タグ-TAS2Rの遺伝子を増幅した。In-Fusion反応により、これらの遺伝子断片を融合させて、大腸菌に形質転換を行った。得られたコロニーを培養してプラスミドの精製を行い、そのDNA配列を確認して、目的の融合遺伝子を含むプラスミドを得た(図1参照)。
TAS2R14、TAS2R16、TAS2R38、TAS2R43、TAS2R44、TAS2R10、TAS2R39およびTAS2R46の融合タンパク質をそれぞれ発現させたHEK293T細胞は次のように作製した。まず初めに各融合遺伝子を含んだプラスミドを制限酵素(Bgl IIまたはPme I)にて切断し、線状化した。HEK293T細胞(GE Healthcare等より入手可能)は60mm dishに4〜7 x 105 細胞数になるよう播いて、37℃、5%CO2を保持したインキュベーター内で培養しておいた。翌日、線状化プラスミド(6 μg)とLipofectamine 2000(15 μl)を別々のチューブ内にて各500 μlのOPTI-MEM(Invitrogen Corporation)に加えておき、室温にて5分間静置後、両者を混合した。20分後にこの混合液を静かにHEK293T細胞に添加し、CO2インキュベーター内で培養した。24時間後、細胞を常法に従って、dishより剥がし、培地で適宜希釈を行い、一部を12枚の100mm dishに播き直した。24時間の培養後、puromycinが最終濃度 10 μg/mlになるよう添加し、薬剤選抜を開始した。数日おきにpuromycinを加えた新鮮な培地に交換しながら、約3週間程度培養を継続した。薬剤耐性の細胞がそれぞれコロニーとして生育してくるので、順次ピッキングし、それぞれを個別に24穴もしくは6穴のプレート内に移し、培養を継続して増殖させ、25 cm2もしくは75 cm2のフラスコで培養後、ストックを作製した。計20〜30個のコロニーから取得した各セルラインのストックは、順次解凍して培養を行い、各受容体に応じたアゴニストである苦味成分を添加するスクリーニングアッセイを実施し、最も応答強度が高いセルラインを選んだ。
(1)細胞内カルシウム濃度変化の測定
苦味受容体と改変型Gα16gust40の融合タンパク質を発現しているHEK293T細胞に苦味物質を投与すると、苦味を感知した苦味受容体は融合している改変型Gα16gust40と共役しPLCβ2を活性化させて、細胞内カルシウム量を増加させる。上記で作製した各細胞をアッセイの前日に96穴プレートに播種し、培養を開始した。24時間後に培養物から培地を取り除き、アッセイ用のバッファーに交換した(50 μL)。バッファーの組成は、10 mM 4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid (HEPES), 130 mM NaCl, 10 mM glucose, 5 mM KCl, 2 mM CaCl2, 1.2 mM MgCl2, pH7.4(NaOHにて調整)である。
ヒトTAS2R16はサリシンやゲンチオビオースなどのβグルコピラノシドを特異的に認識する苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R16-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、サリシンのTAS2R16に対する苦味応答を検出した。サリシンは最終濃度が最大10 mMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図2に示した。図2において縦軸はサリシンを添加した際に生じる蛍光強度の変化量を示し、横軸は時間(秒)を示す。また、図2のデータから、サリシンの濃度とその投与により生じた蛍光強度の変化量をバッファーのみで生じた蛍光強度の変化量で差し引いたものを応答強度としてその関係を図3に示した。図3において縦軸はサリシンを添加した際に生じる蛍光強度の最大変化量(ΔF)−バッファーのみで生じる蛍光強度の最大変化量(ΔF)を示し、横軸はサリシンの最終濃度を示す。サリシンは濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R16-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R14は様々な苦味に応答する比較的特異性の低い苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R14-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、アリストロキア酸のTAS2R14に対する苦味応答を検出した。アリストロキア酸は最終濃度が最大10 μMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図4および図5に示した。アリストロキア酸は濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R14-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R38はフェニルチオカルバミド(PTC)の苦味受容体であることが知られている。またTAS2R38は一塩基多型により苦味応答性が全く異なることが報告されている(Curr Biol. 2005 Feb 22;15(4):322-7)。そこで、TAS2R38-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、PTCのTAS2R38に対する苦味応答を検出した。PTCは最終濃度が最大100 μMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図6および図7に示した。PTCは濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R38-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R43とTAS2R44はヒト苦味受容体の中で最も相同性が高く、また応答する苦味物質も共通しているものが多い。そこで、TAS2R44-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、アリストロキア酸のTAS2R44に対する苦味応答を検出した。アリストロキア酸は最終濃度が最大10 μMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図8に示した。アリストロキア酸は濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R44-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。結果を示していないが、アリストロキア酸はTAS2R43-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞に対しても同様の反応を示した。
ヒトTAS2R10は様々な苦味に応答する比較的特異性の低い苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R10-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、ククルビタシンBのTAS2R10に対する苦味応答を検出した。ククルビタシンBは最終濃度が最大66.5μMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図9および図10に示した。ククルビタシンBは濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R10-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R39は様々な苦味に応答する比較的特異性の低い苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R39-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、エピカテキンガレートのTAS2R39に対する苦味応答を検出した。エピカテキンガレートは最終濃度が最大150 μMの濃度から2倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図11および図12に示した。ククルビタシンBは濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R39-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R46は様々な苦味に応答する比較的特異性の低い苦味受容体であることが知られている。そこで、TAS2R46-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞を用いて、ピクロトキシニンのTAS2R46に対する苦味応答を検出した。ピクロトキシニンは最終濃度が最大5 mMの濃度から3倍希釈のシリーズで添加した。
結果を図13および図14に示した。ピクロトキシニンは濃度依存性の応答を示したことから、TAS2R46-改変型Gα16gust40融合タンパク質発現細胞は苦味の評価に使用できることが示された。
ヒトTAS2R16遺伝子を挿入した発現ベクターと、ヒトガストデューシン遺伝子を挿入した発現ベクターを別々にHEK293T細胞に挿入し、ヒトTAS2R16とヒトガストデューシンを安定発現するセルラインを選択した。具体的には、先ずpEAK10ベクターに組込んだソマトスタチンタグ付加ヒトTAS2R16(実施例1に記載)を、実施例4で示した方法と同様の手法によりHEK293T細胞に導入した。ピューロマイシン添加培地で生育し得られた各セルラインに対して、改変型Gα16gust40を一過性に発現させて、サリシンに対する最も応答強度の高いセルラインを選択した。次にその選抜したTAS2R16発現細胞セルラインに、改変型Gα16gust40/pcDNA4/TOを導入し安定発現させた。導入方法は実施例4とほぼ同様であるが、プラスミドはNru Iにて線状化を行い、また選択培地はピューロマイシンとともにゼオシンを最終濃度が400 μg/mlになるよう添加したものを使用した。Gα16gust40/pcDNA4/TOは実施例2に記載した改変型Gα16gust40/pEAK10からIn-FusionTM Advantage PCR Cloning Kitを用いてpcDNA4/TOベクター(invitrogen)のEco RI-Xho Iサイトにサブクローニングして作製した。得られた薬剤耐性の細胞セルラインについて、サリシンを投与し、応答性の高いセルラインをTAS2R16と改変型Gα16gust40の共発現細胞として選択した。
結果を表3に示した。共発現細胞のセルライン#3は遅くとも20世代までに検出感度が低下し、セルライン#13は遅くとも35世代までに検出感度が低下した。一方、融合タンパク質発現細胞(セルライン#2)は、32世代まで検出感度の低下は認められていない。
Claims (10)
- 苦味受容体TAS2Rと、該苦味受容体に共役するGタンパク質αサブユニットとを含む融合タンパク質。
- 前記Gタンパク質αサブユニットが、Gqファミリーのαサブユニットとガストデューシンのキメラタンパク質である請求項1に記載の融合タンパク質。
- 前記GqファミリーのαサブユニットがGα15またはGα16である請求項2に記載の融合タンパク質。
- 配列番号1、3、5、7、9、25または27に示されるアミノ酸配列と同一または実質的に同一のアミノ酸配列を有する請求項3に記載の融合タンパク質。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
- 請求項5に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
- 請求項6に記載の発現ベクターが導入されている形質転換細胞。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の融合タンパク質を安定発現する請求項7に記載の形質転換細胞。
- 請求項7または8に記載の形質転換細胞に被験物質を接触させる工程と、該形質転換細胞内のカルシウム濃度を測定する工程を含むことを特徴とする被験物質の苦味評価方法。
- 請求項7または8に記載の形質転換細胞に苦味物質と被験物質を接触させる工程と、該形質転換細胞内のカルシウム濃度を測定する工程と、得られたカルシウム濃度を苦味物質のみを接触させた形質転換細胞内のカルシウム濃度と比較し、カルシウム濃度を増加または低下させる被験物質を選択する工程を含む苦味調節物質のスクリーニング方法。
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