JP6093946B2 - Gタンパク質共役型受容体のシグナル伝達の検出方法 - Google Patents

Gタンパク質共役型受容体のシグナル伝達の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検物質(リガンド)とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導される、Gタンパク質のシグナル伝達活性化を検出する方法や、リガンドとGPCRとの結合により誘導される、Gタンパク質のシグナル伝達活性化を検出するためのキットに関する。
Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor;GPCR)は、7回膜貫通型の特徴的な構造を有する膜結合型受容体であり、ヒトにおいて約800種類ものタンパク質が知られている。GPCRは、神経伝達物質やホルモン等の多種多様なリガンドを受容し、細胞内の様々なシグナル伝達に関与する。また、現在臨床応用されている薬剤の約50%がGPCRに作用すると考えられていることから、GPCRは創薬開発の標的タンパク質として重要視されている。最近では、スフィンゴシン1−リン酸(S1P)1受容体を標的とした多発性硬化症治療薬や、メラトニン(MT1及び2)受容体を標的とした睡眠導入剤や、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)2C受容体を標的とした抗肥満薬等のGPCRを標的とする薬剤が開発・市販されている。
GPCRによるシグナル伝達経路において、三量体(αβγ)Gタンパク質を構成するGαサブユニット(以下、単に「Gα」ということがある)が特に重要な働きを担う。まず、GPCRがリガンドと結合すると、非活性型GPCRから活性型GPCRへタンパク質の立体構造が変化する。続いて、活性型GPCRは、三量体Gタンパク質のGαに結合することにより、非活性型(GDP結合型)Gαから活性型(GTP結合型)Gαへタンパク質の立体構造が変化し、かかる構造変化により三量体Gタンパク質から活性型Gαが解離する。解離した活性型Gαは、エフェクタータンパク質を活性化し、エフェクタータンパク質を介したシグナルが伝達される。
Gαサブユニットは、4種類のファミリー(Gs、Gi、Gq、及びG12)から構成されており、活性型Gαによるシグナル伝達経路は、これらファミリーの種類によりある程度大別される。例えば、Gsファミリーは、アデニル酸シクラーゼの活性化を介したcAMPの増加を調節し、Giファミリーは、アデニル酸シクラーゼの抑制を介したcAMPの減少を調節し、Gqファミリーは、ホスホリパーゼCを介した細胞へのCa2+の流入を調節し、G12ファミリーは、低分子量Gタンパク質であるRhoの活性化タンパク質(RhoGEF)を介したアクチンストレスファイバー形成を調節することが知られている。これら調節機構を検出することにより、リガンドとそのGPCRにより誘導されるGαのシグナル伝達活性化を評価することはできるが、GPCRが共役するGαは通常1種類か2種類であり、特定の調節機構を検出するだけでは、他のGαのシグナル伝達活性化を評価することはできない。
本発明者らは、生理活性脂質であるリゾホスファチジン酸が毛髪形成に必要であることを明らかにする過程において、リゾホスファチジン酸の受容体の一つであるLPA6(「P2Y5」ともいう)がG12ファミリーを介し、TGFα(Transforming growth factor alpha)の膜結合型前駆体の切断を引き起こすことや、かかる切断にはTACE(tumor necrosis factor α-converting enzyme)の活性化が関与していることを見いだしている(非特許文献1)。また、本発明者らは、アルカリホスファターゼと膜結合型TGFαとの融合タンパク質を用いて、G12ファミリーを介した膜結合型TGFαの切断の有無を、アルカリホスファターゼを指標として検出する方法を開発した(非特許文献2、特許文献1、図1)。TGFα切断アッセイ(TGFα shedding assay)と命名されたこの手法を用いると、G12ファミリーのシグナル伝達活性に加え、Gqファミリーのシグナル伝達活性を検出できることや、Gs及びGiファミリーと、GqファミリーとのキメラGαタンパク質をさらに用いることにより、Gs及びGiファミリーのシグナル伝達活性も検出できるとされている。しかし、このTGFα切断アッセイは、内在性G12及びGqファミリーが存在した条件下で行っているため、内在性G12及びGqファミリーによるGPCRのシグナル伝達活性化の影響を除外することができない。また、リガンドとそのGPCRにより、あるGα(例えばG12ファミリー)のシグナル伝達は活性化されても、別のGα(例えばGqファミリー)のシグナル伝達は不活性化され、見かけ上活性化がないと評価されることもあり、内在性G12及びGqファミリーが存在した条件下でのTGFα切断アッセイが、GPCRのシグナル伝達活性化を十分検出できるものであるかどうかは不明であった。
一方、哺乳動物細胞中で遺伝子を簡便かつ効果的にノックアウトする手法として、近年、ガイドRNA(sgRNA;single-guide RNA)とCas9エンドヌクレアーゼを用いた遺伝子ターゲッティング法が開発された(非特許文献3)。
国際公開第2012/157746号パンフレット
Inoue, A. et al. EMBO J., 30, 4248-4260 (2011) Inoue, A. et al. Nature Methods, 9, 1021-1029 (2012) Cong, L. et al. Science, 339, 819-823 (2013)
本発明の課題は、[1]哺乳動物細胞において、被検物質(リガンド)とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導される、内在性Gq又はG12ファミリーのシグナル伝達活性化を高感度かつ特異的に検出できる方法を提供することや、[2]哺乳動物細胞において、リガンドとGPCRとの結合により誘導される、多数のGαのシグナル伝達活性化を高感度かつ特異的に検出できる方法を提供することにある。
発明を解決するための手段
本発明者らは、Gqファミリーのシグナル伝達と、G12ファミリーのシグナル伝達がTGFαの切断に関与することを見いだしている。上記課題[1]を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、Gqファミリーに含まれる2種類の遺伝子(GNAQ及びGNA11遺伝子)に着目し、かかる遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11)株を、ガイドRNA(sgRNA;single-guide RNA)とCas9エンドヌクレアーゼを用いた遺伝子ターゲッティング法により作製し、ΔGNAQ/11株を用いてTGFα切断アッセイを行ったところ、リガンドとそのGPCRとの結合により誘導される、G12ファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出できることを見いだした。また、G12ファミリーを構成する2種類の遺伝子(GNA12及びGNA13遺伝子)のノックアウト細胞(ΔGNA12/13)株を、上記遺伝子ターゲッティング法により作製し、ΔGNA12/13株を用いてTGFα切断アッセイを行ったところ、リガンドとそのGPCRとの結合により誘導される、Gqファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出できることを見いだした。
また、本発明者らは、上記課題[2]を解決すべく鋭意研究を重ねる中で、Gqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)と、G12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11/12/13)株を、上記遺伝子ターゲッティング法により作製し、ΔGNAQ/11/12/13株へGqファミリーを骨格としたGαキメラタンパク質を発現させ、TGFα切断アッセイにより検討したところ、リガンドとそのGPCRとの結合により誘導される、Gαのファミリー4種類(Gs、Gi、Gq、及びG12)のシグナル伝達活性化を特異的に検出したり、かかるGαのファミリー4種類間でシグナル伝達活性化レベルを、相対的に評価できることを見いだした。さらに、Gqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)と、G12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のノッダウン細胞(GNAQ/11/12/13 siRNA)株を用いてTGFα切断アッセイを行った場合と比べ、検出感度や特異性が優れていることを確認した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、(1)以下の工程(a)〜(c)を備えたことを特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出する方法に関する。
(a)GNAQ及びGNA11遺伝子、又はGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞に、
GPCR遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質と、
膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質
とを導入する工程;
(b)工程(a)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養し、培養上清を採取する工程;
(c)工程(b)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程;
また本発明は、(2)以下の工程(A)〜(C)を備えたことを特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出する方法に関する。
(A)GNAQ及びGNA11遺伝子、並びにGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞に、
GPCR遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質と、
膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質と、
以下の(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質
とを導入する工程;
(B)工程(A)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養し、培養上清を採取する工程;
(C)工程(B)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程;
(p−1)以下の[Gqファミリー遺伝子群]及び[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチド;
(p−2)以下の[Gqファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[G12ファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(p−3)以下の[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[Gqファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Gqファミリー遺伝子群]
(GNAQ−1)配列番号50で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAQ−2)配列番号50で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAQ−3)配列番号50で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA11−1)配列番号51で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA11−2)配列番号51で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA11−3)配列番号51で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA14−1)配列番号52で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA14−2)配列番号52で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA14−3)配列番号52で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA15−1)配列番号53で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA15−2)配列番号53で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA15−3)配列番号53で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[G12ファミリー遺伝子群]
(GNA12−1)配列番号54で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA12−2)配列番号54で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA12−3)配列番号54で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA13−1)配列番号55で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA13−2)配列番号55で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA13−3)配列番号55で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Gsファミリー遺伝子群]
(GNAS−1)配列番号118で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAS−2)配列番号118で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役(結合)できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAS−3)配列番号118で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAL−1)配列番号119で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAL−2)配列番号119で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAL−3)配列番号119で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Giファミリー遺伝子群]
(GNAI1−1)配列番号120で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI1−2)配列番号120で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI1−3)配列番号120で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI2−1)配列番号121で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI2−2)配列番号121で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI2−3)配列番号121で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI3−1)配列番号122で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI3−2)配列番号122で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI3−3)配列番号122で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAO1−1)配列番号123で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAO1−2)配列番号123で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAO1−3)配列番号123で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAZ−1)配列番号124で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAZ−2)配列番号124で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAZ−3)配列番号124で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT1−1)配列番号125で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT1−2)配列番号125で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT1−3)配列番号125で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT2−1)配列番号126で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT2−2)配列番号126で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT2−3)配列番号126で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT3−1)配列番号127で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT3−2)配列番号127で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT3−3)配列番号127で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
また本発明は、(3)キメラタンパク質のアミノ末端ドメインが、(GNAQ−1)〜(GNAQ−3)のいずれかのポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインであることを特徴とする上記(2)に記載の方法や、(4)キメラタンパク質が、以下の(q−1)〜(q−3)のいずれかのタンパク質から選択されることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の方法に関する。
(q−1)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列がコードするタンパク質;
(q−2)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
(q−3)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
また本発明は、(5)標識物質がアルカリホスファターゼであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法や、(6)哺乳動物細胞がヒト細胞であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法や、(7)膜結合型TGFα遺伝子が、以下の(r−1)〜(r−3)のいずれかのポリヌクレオチドから選択されることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法に関する。
(r−1)配列番号117で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(r−2)配列番号117で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(r−3)配列番号117で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
また本発明は、(8)GNAQ及びGNA11遺伝子、又はGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、
膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質
とを備えること特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出するためのキットに関する。
また本発明は、(9)GNAQ及びGNA11遺伝子、並びにGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、
膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質と、
以下の(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質
とを備えること特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出するためのキットに関する。
(p−1)以下の[Gqファミリー遺伝子群]及び[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチド;
(p−2)以下の[Gqファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[G12ファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(p−3)以下の[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[Gqファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Gqファミリー遺伝子群]
(GNAQ−1)配列番号50で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAQ−2)配列番号50で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAQ−3)配列番号50で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA11−1)配列番号51で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA11−2)配列番号51で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA11−3)配列番号51で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA14−1)配列番号52で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA14−2)配列番号52で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA14−3)配列番号52で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA15−1)配列番号53で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA15−2)配列番号53で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA15−3)配列番号53で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[G12ファミリー遺伝子群]
(GNA12−1)配列番号54で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA12−2)配列番号54で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA12−3)配列番号54で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA13−1)配列番号55で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNA13−2)配列番号55で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNA13−3)配列番号55で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Gsファミリー遺伝子群]
(GNAS−1)配列番号118で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAS−2)配列番号118で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAS−3)配列番号118で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAL−1)配列番号119で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAL−2)配列番号119で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAL−3)配列番号119で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
[Giファミリー遺伝子群]
(GNAI1−1)配列番号120で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI1−2)配列番号120で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI1−3)配列番号120で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI2−1)配列番号121で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI2−2)配列番号121で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI2−3)配列番号121で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI3−1)配列番号122で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAI3−2)配列番号122で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAI3−3)配列番号122で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAO1−1)配列番号123で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAO1−2)配列番号123で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAO1−3)配列番号123で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAZ−1)配列番号124で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAZ−2)配列番号124で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAZ−3)配列番号124で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT1−1)配列番号125で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT1−2)配列番号125で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT1−3)配列番号125で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT2−1)配列番号126で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT2−2)配列番号126で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT2−3)配列番号126で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT3−1)配列番号127で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(GNAT3−2)配列番号127で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(GNAT3−3)配列番号127で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
また本発明は、(10)キメラタンパク質のアミノ末端ドメインが、(GNAQ−1)〜(GNAQ−3)のいずれかのポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインであることを特徴とする上記(9)に記載のキットや、(11)キメラタンパク質が、以下の(q−1)〜(q−3)のいずれかのタンパク質から選択されることを特徴とする上記(9)又は(10)に記載のキットに関する。
(q−1)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列がコードするタンパク質;
(q−2)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
(q−3)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
さらに本発明は、(12)標識物質がアルカリホスファターゼであることを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載のキットや、(13)哺乳動物細胞がヒト細胞であることを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれかに記載のキットや、(14)膜結合型TGFα遺伝子が、以下の(r−1)〜(r−3)のいずれかのポリヌクレオチドから選択されることを特徴とする上記(8)〜(12)のいずれかに記載のキットに関する。
(r−1)配列番号117で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(r−2)配列番号117で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(r−3)配列番号117で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
本件検出方法1によると、哺乳動物細胞において、リガンドとそのGPCRとの結合により誘導される、内在性Gq又はG12ファミリーのシグナル伝達活性化を高感度かつ特異的かつ定量的に検出でき、また、外因性GqやG12ファミリータンパク質を用いる必要がないため、簡便性にも優れている。
本件検出方法2によると、リガンドとそのGPCRとの結合により誘導される、Gαのシグナル伝達活性化を高感度かつ特異的かつ定量的に検出でき、また、多数のGαのファミリーのシグナル伝達活性化を単一のアッセイ系で評価できるため、簡便性に優れている上に、異なるGα間におけるシグナル伝達活性化レベルを、相対的に評価することができる。
図1Aは、膜結合型アルカリホスファターゼ(AP)融合TGFα(AP−TGFα)のモデル図を示す。図1Bは、被検物質(リガンド)とその受容体(GPCR)との結合に誘導されるGタンパク質シグナル伝達のモデル図を示す。 図2Aは、Gqファミリーの遺伝子ノックアウト細胞株において、被検物質(リガンド)とその受容体(GPCR)との結合に誘導される、G12ファミリーのシグナル伝達のモデル図を示す。図2Bは、G12ファミリーの遺伝子ノックアウト細胞株において、リガンドとそのGPCRとの結合に誘導される、Gqファミリーのシグナル伝達のモデル図を示す。図2Cは、Gαキメラタンパク質を発現させたGq及びG12ファミリーの遺伝子ノックアウト細胞株において、リガンドとそのGPCRとの結合に誘導される、Gαキメラタンパク質のシグナル伝達のモデル図を示す。 図3Aは、Gαの16種遺伝子(Gsファミリー遺伝子2種[GNAS及びGNAL遺伝子]、Giファミリー遺伝子8種[GNAI1、GNAI2、GNAI3、GNAO1、GNAZ、GNAT1、GNAT2、及びGNAT3遺伝子]、Gqファミリー遺伝子4種[GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15遺伝子]、及びG12ファミリー遺伝子2種[GNA12及びGNA13遺伝子])の進化系統樹を示す図である。図3Bは、上記Gαの16種遺伝子がコードするタンパク質のカルボキシル(C)末端のアミノ酸配列を示す図である。「−」は、各ファミリーの遺伝子がコードするタンパク質のうち、最上段のものと共通のアミノ酸であることを示す。 HEK293細胞におけるGqファミリー遺伝子4種(GNAQ、GNA11、GNA14及びGNA15遺伝子)と、G12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のmRNAの発現レベルを解析した結果を示す図である。縦軸は、βアクチン(ACTB)遺伝子のmRNAの発現量(細胞当たりのコピー数[1000])に対する相対値として示す。 HEK293野生株や、Gqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)及び/又はG12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のノックアウトHEK293細胞(ΔGNAQ/11、ΔGNA12/13、及びΔGNAQ/11/12/13)株を用いたTGFα切断アッセイにより解析した結果を示す図である。 Gqファミリータンパク質4種(Gαq、Gα11、Gα14、及びGα16)並びにG12ファミリータンパク質2種(Gα12及びGα13)を骨格としたGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gα11/s、Gα14/s、及びGα16/s、並びにGα12/s及びGα13/s)を発現させたHEK293野生株を用いたTGFα切断アッセイにより解析した結果を示す図である。 Gqファミリータンパク質1種(Gαq)を骨格としたGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)を発現させたGq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11/12/13)株を用いたTGFα切断アッセイで解析した結果を示す図である。 Gqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)及びG12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のmRNAを標的とするsiRNAで処理したHEK293細胞における4種遺伝子(GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13遺伝子)のmRNAの発現を解析した結果を示す図である。縦軸は、ACTB遺伝子のmRNAの発現量を1とした場合の相対値として示す。 Gqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)及び/又はG12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のノックダウンHEK293細胞(GNAQ/11 siRNA、GNA12/13 siRNA、及びGNAQ/11/12/13 siRNA)株を用いたTGFα切断アッセイにより解析した結果を示す図である。 Gqファミリータンパク質1種(Gαq)を骨格としたGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)を発現させたGqファミリー遺伝子2種(GNAQ及びGNA11遺伝子)及びG12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のノックダウン細胞(GNAQ/11/12/13 siRNA)株を用いたTGFα切断アッセイにより解析した結果を示す図である。
本発明の検出方法としては、GNAQ遺伝子及びGNA11遺伝子(以下、これらを総称して「本件Gqファミリー遺伝子」という)、又はGNA12遺伝子及びGNA13遺伝子(以下、これらを総称して「本件G12ファミリー遺伝子」という)をノックアウトした哺乳動物細胞に、GPCR遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質(GPCRタンパク質)と、膜結合型TGFα(Transforming growth factor alpha)のアミノ(N)末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質(標識物質結合膜結合型TGFαタンパク質)とを導入する工程(a);工程(a)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質(リガンド)の存在下で培養し、培養上清を採取する工程(b);工程(b)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程(c);の工程(a)〜(c)を順次備えた方法(以下、「本件検出方法1」という)であれば特に制限されず、また、本件Gqファミリー遺伝子及び本件G12ファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞に、GPCR遺伝子又はタンパク質と、上記標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又はタンパク質と、上記(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子(以下、「本件Gα遺伝子」という)又は本件Gα遺伝子をコードするタンパク質(本件Gαタンパク質)とを導入する工程(A);工程(A)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養し、培養上清を採取する工程(B);工程(B)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程(C);の工程(A)〜(C)を順次備えた方法(以下、「本件検出方法2」という)であれば特に制限されず、本件検出方法1の工程(a)において、本件Gqファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞を用いた場合、本件検出方法1により、被検物質とGPCRとの結合により誘導される、内在性(内因性)G12ファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出することができ(図2A)、また、本件検出方法1の工程(a)において、本件G12ファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞を用いた場合、本件検出方法1により、被検物質とGPCRとの結合により誘導される、内在性Gqファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出することができる(図2B)。また、本件検出方法2により、被検物質とGPCRの結合により誘導される、本件Gαタンパク質のシグナル伝達活性化を特異的に検出することができる(図2C)。なお、本件検出方法1及び2は、インビトロで実施されるものである。
本発明のキットとしては、本件Gqファミリー遺伝子又は本件G12ファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、上記標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又はタンパク質とを備える、被検物質(リガンド)とGPCRとの結合により誘導される、Gタンパク質のシグナル伝達活性化を検出するためのキット(以下、「本件検出キット1」という)や、本件Gqファミリー遺伝子及び本件G12ファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、上記標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又はタンパク質と、上記(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる本件Gα遺伝子又はタンパク質とを備える、被検物質とGPCRとの結合により誘導される、Gタンパク質のシグナル伝達活性化を検出するためのキット(以下、「本件検出キット2」という)であれば特に制限されず、ここで、本件検出キット1や本件検出キット2は、被検物質とGPCRとの結合により誘導されるGタンパク質のシグナル伝達活性化の検出用としての用途に限定されるものである。本件検出キット1や件検出キット2としては、さらに1又は複数(2以上)の本発明のGPCR遺伝子又は該遺伝子をコードするタンパク質を備えることが好ましく、ここで「複数(2以上)」とは、好ましくは5以上、より好ましくは15以上、さらに好ましくは50以上、さらにより好ましくは100以上を意味する。本発明のGPCR遺伝子が複数ある場合、本発明のGPCR遺伝子の形態としては、本発明のGPCR遺伝子がプラスミド、コスミド、BAC(bacterial artificial chromosome)等のベクターに挿入された遺伝子ライブラリーが好ましい。また本件検出キット1や本件検出キット2には、一般にこの種の検出キットに用いられる成分、例えば、本発明の標識物質を検出するための試薬や、培養液の他、取扱説明書等の添付文書が通常含まれる。
本発明の哺乳動物細胞には、細胞周期のチェックポイント機構が正常な哺乳動物正常細胞や、細胞周期のチェックポイント機構が異常な哺乳動物癌細胞や、上記正常細胞にSV40由来のT抗原を発現させ、無限の増殖能を獲得した哺乳動物形質転換細胞等の他、多能性幹細胞(胚性幹細胞[ES細胞]、EG細胞、iPS細胞等)、間葉系幹細胞、神経系幹細胞、骨髄幹細胞、生殖幹細胞などの哺乳動物幹細胞が含まれる。上記哺乳動物としては、マウス、ラット、ハムスター、モルモット等のげっ歯類、ウサギ等のウサギ目、ブタ、ウシ、ヤギ、ウマ、ヒツジ等の有蹄目、イヌ、ネコ等のネコ目、ヒト、サル、アカゲザル、カニクイザル、マーモセット、オランウータン、チンパンジーなどの霊長類等を例示することが、中でも、ヒトを好適に例示することができる。
本件Gqファミリー遺伝子及び/又は本件G12ファミリー遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞としては、哺乳動物細胞の染色体上に存在する本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子にヌクレオチドを挿入したり、前記本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子のヌクレオチドを欠失することにより、哺乳動物細胞の染色体上に存在する本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子を破壊した哺乳動物細胞であればよく、哺乳動物細胞の染色体上に存在する本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子を破壊するために、相同組換えを利用してヌクレオチドを欠失させたり挿入したりすることにより遺伝子を破壊する方法を用いてもよいが、費用対効果や時間対効果の観点から、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(文献「Urnov, F.D. et al (2010) Nature Review Genetics. 11, 636-646」)や、前記ジンクフィンガーヌクレアーゼを改良したタンパク質(特開2013−94148号公報)や、ガイドRNA(sgRNA;single-guide RNA)とCas9エンドヌクレアーゼ(文献「Cong et al (2013) Science 339, 819-823」)等を用いて、本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子領域の2本鎖DNAを切断し、相同組換え修復時にヌクレオチドの欠失や挿入が起こることを利用して遺伝子を破壊する方法(遺伝子ターゲッティング法)を用いることが好ましく、特にsgRNAとCas9エンドヌクレアーゼを用いた遺伝子ターゲッティング法を用いることがより好ましい。
なお、哺乳動物細胞の染色体上に存在する本件Gqファミリー遺伝子や本件ファミリーG12遺伝子を破壊する際、標的とするヌクレオチド配列を選択するために、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)のデータベースにリンクし、以下のGene IDを基に、ヒト由来の本件Gqファミリー遺伝子や本件G12ファミリー遺伝子の塩基配列情報を参照したり、これら遺伝子のオーソログ遺伝子(チンパンジー、マウス、ラット、ウシ等)を参照することができる。
GNAQ遺伝子(Gene ID 2776)
GNA11遺伝子(Gene ID 2767)
GNA12遺伝子(Gene ID 2768)
GNA13遺伝子(Gene ID 10672)
本発明のGPCR遺伝子としては、1本のポリペプチドが細胞膜を7回貫通する特徴を有するGPCRをコードする遺伝子であれば特に制限されず、ここでGPCRとしては、具体的に、アドレナリン受容体(α1A、α1B、α2A、α2B、β1、β2等)、システイニルロイコトリエン受容体1(CysLTR1)、GPCR91、GPCR34、EGF様モジュール含有ムチン様ホルモン受容体様配列2(EMR2)、血小板活性化因子受容体(PAFR)、GPCR105、7回膜貫通スーパーファミリー・メンバー1(TM7SF1)、GPCR37、CD97抗原(CD97)、メラノコルチン1受容体(MC1)、FIRE、フォルミルペプチド受容体1(fMLP1)、GPCR65、プリン受容体P2Y8(P2Y8)、ドーパミン受容体D2(D2)、内皮分化リゾホスファチジン酸G蛋白質共役型受容体2(EDG2)、アデノシンA3受容体(A3)、補体第5成分受容体1(C5R1)、オプシン3(OPN3)、GPCR27、GPCR44(CRTH2)、内皮分化スフィンゴ脂質G蛋白質共役型受容体1(EDG1)、フォルミルペプチド受容体様2(FPRL2)、トロンボキサン受容体(TP)、ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体様2(CCRL2)、メタボトロピックグルタミン酸受容体6(mglu6)、カンナビノイド受容体(CB1、CB2等)、GPCR39、プリン受容体P2Y5(P2Y5)、アデノシンA1受容体(A1)、ピリミジン受容体P2Y4(P2Y4)、プロスタグランジンE受容体(EP1、EP2、EP3、EP4等)、プロスタグランジンF受容体(FP)、ヒスタミン受容体(H1R、H2R、H3R、H4R等)、アデノシンA2a受容体(A2a)、アンジオテンシンII受容体(AT1、AT2)、エンドセリン受容体(ETA、ETB等)、ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GNRHR)、カドヘリンEGF LAG7回貫通G型受容体2(CELSR2)、ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体7(CCR7)、ヒスタミン受容体H4(H4)、GPCR12、ヒスタミン受容体H1(H1)、GPCR32、腫瘍内皮細胞マーカー5(TEM5)、GPCR58、カドヘリンEGF LAG7回貫通G型受容体1(CELSR1)、GPCR85、モチリン受容体(Motilin R)、GPCR64(HE6)、カドヘリンEGF LAG7回貫通G型受容体3(CELSR3)、カルシトニン受容体様(CALCRL)、網膜色素上皮由来ロドプシンホモログ(RRH)、GPCR18、GPCR35、プリン受容体P2Y10(P2Y10)、FLJ40279(C−TESTI2027296)、GPCR141、精巣下降関連G蛋白質共役型受容体(hRUP16)、内膜肥厚関連受容体(ITR)、MRGX2、トレースアミン受容体1(SNORF33)、7回膜貫通受容体CBRC7TM_375(C−THYMU2011548)、アドレノメデュリン受容体(G10d)、GPCR107、GPCR126、GPCR41、GPCR43、GPCR68、ガストリン放出ペプチド受容体(GRPR)、GPCR1019(HEOAD54)、hGPCR10(hRUP9)、膜型プロゲスチン受容体α(mPRa)、膜型プロゲスチン受容体γ(mPRg)、推定G蛋白質共役型受容体GPCR1(SRL)、血小板活性化受容体ホモログH963(H963)、ケモカイン(C−Cモチーフ)受容体1(CCR1)、ドーパミン受容体D5(D5)、ロイコトリエンB4受容体(LTB4R)およびケモカイン(C−X−Cモチーフ)受容体5(CXCR5)などを挙げることができる。また、上記GPCRはリガンドやその機能が不明ないわゆるオーファン受容体も含まれる。
本発明の膜結合型TGFα遺伝子としては、TGFαのカルボキシル(C)末端に、TACE(tumor necrosis factor α-converting enzyme)による切断ドメインを有し、さらにかかる切断ドメインのC末端に、膜結合ドメインを有する膜結合型TGFαタンパク質をコードする遺伝子であれば特に制限されず、ここで膜結合型TGFαタンパク質は、TGFαとTACEによる切断ドメインとの間や、TACEによる切断ドメインと膜結合ドメインとの間にリンカー(例えば1〜10アミノ酸残基の範囲内)が挿入されたものであってもよい。本発明の膜結合型TGFα遺伝子としては、上記(r−1)〜(r−3)のいずれかのポリヌクレオチドから選択されるものが好ましい。
本発明の標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子としては、本発明の膜結合型TGFαのアミノ(N)末端に標識物質が結合したものであれば特に制限されず、ここで本発明の膜結合型TGFαN末端と標識物質との結合としては、標識物質がタンパク質である場合、タンパク質融合が好ましく、また、標識物質が非タンパク質(蛍光色素等の化合物)である場合、共有結合や、イオン結合、水素結合、ジスルフィド結合等の非共有結合を挙げることができる。
本発明の標識物質がタンパク質である場合、本発明の標識物質としては、例えば、ペルオキシダーゼ(例えば、HRP[horseradish peroxidase])、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコ−ス−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、アルコール脱水素酵素、リンゴ酸脱水素酵素、ペニシリナーゼ、カタラーゼ、アポグルコースオキシダーゼ、ウレアーゼ、ルシフェラーゼ若しくはアセチルコリンエステラーゼ等の酵素、緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescence Protein;GFP)、シアン蛍光タンパク質(Cyan Fluorescence Protein;CFP)、青色蛍光タンパク質(Blue Fluorescence Protein;BFP)、黄色蛍光タンパク質(Yellow Fluorescence Protein;YFP)、赤色蛍光タンパク質(Red Fluorescence Protein;RFP)、ルシフェラーゼ(luciferase)等の蛍光タンパク質を挙げることができ、これらの中でもアルカリホスファターゼ(AP)を好適に例示することができる。
また、本発明の標識物質が非タンパク質(蛍光色素等の化合物)である場合、本発明の標識物質としては、例えば、フルオレスセインイソチオシアネート、フィコビリタンパク、希土類金属キレート、ダンシルクロライド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質、H 、14C、125I若しくは131I等の放射性同位体、ビオチン、アビジン等を挙げることができる。
上記本件Gαファミリー遺伝子におけるキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドとしては、上記[Gqファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質(以下、「Gqファミリータンパク質」ということがある)のN末端ドメインと、上記[G12ファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質(以下、「Gqファミリー以外のGαタンパク質」ということがある)のC末端ドメインとのキメラタンパク質であり、かつTACEと、Gqファミリー以外のGαタンパク質共役受容体の両方を共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド、又は上記[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質(以下、「G12ファミリータンパク質」ということがある)のN末端ドメインと、上記[Gqファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質(以下、「G12ファミリー以外のGαタンパク質」ということがある)のC末端ドメインとのキメラタンパク質であり、かつTACEと、G12ファミリー以外のGαタンパク質共役受容体の両方と共役(結合)できるタンパク質をコードするポリヌクレオチドであれば特に制限されない。上記キメラタンパク質には、Gqファミリータンパク質のN末端ドメインと、Gqファミリー以外のGαタンパク質のC末端ドメインとの融合タンパク質や、G12ファミリータンパク質のN末端ドメインと、G12ファミリー以外のGαタンパク質のC末端ドメインとの融合タンパク質の他、便宜上、Gqファミリータンパク質のC末端ドメインにおけるアミノ酸残基を、かかるアミノ酸残基に対応する、Gqファミリー以外のGαタンパク質におけるアミノ酸残基へ置換したタンパク質や、G12ファミリータンパク質のC末端ドメインにおけるアミノ酸残基を、かかるアミノ酸残基に対応する、G12ファミリー以外のGαタンパク質におけるアミノ酸残基へ置換したタンパク質も含まれ、ここで置換するアミノ酸残基としては、C末端から1〜5番目のアミノ酸残基が好ましく、C末端から3番目のアミノ酸残基と4番目のアミノ酸残基がGαの機能に重要であるため(文献「Liu, J., et al. Identification of a receptor/G-protein contact site critical for signaling specificity and G-protein activation. Proc Natl Acad Sci U S A 92, 11642-11646 (1995)」、文献「Conklin, B.R. et al. Carboxyl-terminal mutations of Gq alpha and Gs alpha that alter the fidelity of receptor activation. Mol Pharmacol 50, 885-890 (1996).」)、C末端から3番目のアミノ酸残基や4番目のアミノ酸残基を好適に例示することができる。
本発明のキメラタンパク質のN末端ドメインとしては、上記[Gqファミリー遺伝子群]の(GNAQ−1)〜(GNAQ−3)のいずれかのポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインが好ましい。
本発明のキメラタンパク質における「タンパク質のN末端ドメイン」としては、タンパク質のC末端から5〜1アミノ酸残基を少なくとも欠失するポリペプチドドメインが好ましく、タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基を少なくとも欠失するポリペプチドドメインがより好ましい。タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基を少なくとも欠失するポリペプチドドメインとしては、例えば、タンパク質のC末端から50〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から25〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から20〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から15〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から10〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から7〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメイン等を挙げることができ、これらの中でもタンパク質のC末端から7〜1アミノ酸残基を欠失するポリペプチドドメインを好適に例示することができる。
また、本発明のキメラタンパク質における「タンパク質のC末端ドメイン」としては、タンパク質のC末端から5〜1アミノ酸残基を含むポリペプチドドメインが好ましく、タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基を含むポリペプチドドメインがより好ましい。タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基を含むポリペプチドドメインとしては、例えば、タンパク質のC末端から50〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から25〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から20〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から15〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から10〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から7〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン、タンパク質のC末端から6〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメイン等を挙げることができ、これらの中でもタンパク質のC末端から7〜1アミノ酸残基からなるポリペプチドドメインを好適に例示することができる。
したがって、本発明のキメラタンパク質としては、上記(q−1)〜(q−3)のいずれかのタンパク質から選択されるものを好適に例示することができる。
なお、本発明のキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチドの塩基配列を選択するために、配列番号50で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAQ遺伝子のcDNA配列)や、配列番号51で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNA11遺伝子のcDNA配列)や、配列番号52で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNA14遺伝子のcDNA配列)や、配列番号53で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNA15遺伝子のcDNA配列)や、配列番号54で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNA12遺伝子のcDNA配列)や、配列番号55で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNA13遺伝子のcDNA配列)や、配列番号118で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAS遺伝子のcDNA配列)や、配列番号119で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAL遺伝子のcDNA配列)や、配列番号120で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAI1遺伝子のcDNA配列)や、配列番号121で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAI2遺伝子のcDNA配列)や、配列番号122で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAI3遺伝子のcDNA配列)や、配列番号123で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAO1遺伝子のcDNA配列)や、配列番号124で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAZ遺伝子のcDNA配列)や、配列番号125で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAT1遺伝子のcDNA配列)や、配列番号126で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAT2遺伝子のcDNA配列)や、配列番号127で示されるヌクレオチド配列(ヒトGNAT3遺伝子のcDNA配列)の情報を参照したり、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/guide/)のデータベースにリンクし、以下のGene IDを基に、これら遺伝子のオーソログ遺伝子(チンパンジー、マウス、ラット、ウシ等)のcDNA配列を参照することができる。
GNAQ遺伝子(Gene ID2776)
GNA11遺伝子(Gene ID2767)
GNA14遺伝子(Gene ID9630)
GNA15遺伝子(Gene ID2769)
GNA12遺伝子(Gene ID2768)
GNA13遺伝子(Gene ID10672)
GNAS遺伝子(Gene ID2778)
GNAL遺伝子(Gene ID2774)
GNAI1遺伝子(Gene ID 2770)
GNAI2遺伝子(Gene ID 2771)
GNAI3遺伝子(Gene ID 2773)
GNAO1遺伝子(Gene ID 2775)
GNAZ遺伝子(Gene ID 2781)
GNAT1遺伝子(Gene ID 2779)
GNAT2遺伝子(Gene ID 2780)
GNAT3遺伝子(Gene ID 346562)
本発明において、「タンパク質」は、タンパク質発現の有無の確認や、単離・精製のために、FLAG、HA、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグがさらに付加されたものであってもよい。
本発明において、「タンパク質」は、タンパク質をコードする遺伝子のmRNAを発現させ、mRNAからタンパク質への翻訳が可能な当業者に既知の任意のタンパク質合成系を用いて作製し、必要に応じて単離・精製することができる。
本件検出方法1の工程(a)や本件検出方法2の工程(A)において、哺乳動物細胞へ遺伝子導入する方法としては、哺乳動物発現用ベクターのプロモーター配列の下流に、作動可能に連結されるように目的の遺伝子を挿入し、哺乳動物発現用ベクターの種類に応じて適切な方法で細胞へ導入すればよく、例えば、哺乳動物発現用ベクターが、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター等のウイルスベクターである場合、目的の遺伝子が挿入された哺乳動物発現用ベクターを細胞へ導入する方法としては、目的の遺伝子を含むプラスミドを適当なパッケージング細胞(HEK293T細胞細胞など)に導入して、培養上清中に産生されるウイルスベクターを採取し、各ウイルスベクターに応じた適切な方法により、該ベクターを線維芽細胞に感染させる方法を挙げることができる。例えば、ベクターとしてレンチウイルスベクターを用いる場合、具体的な手法については、文献「Science, 318, 1917-1920 (2007)」に記載の方法を参照することができ、レトロウイルスベクターを用いる場合、文献「WO2007/69666」、「Cell, 126, 663-676 (2006)」、「Cell, 131, 861-872 (2007)」等に記載の方法を参照することができ、アデノウイルスベクターを用いる場合、文献「Science, 322, 945-949 (2008)」に記載の方法を参照することができる。
また、哺乳動物発現用ベクターが、非ウイルスベクターであるプラスミドベクター(pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neo等)である場合、目的の遺伝子が挿入された哺乳動物発現用ベクターを細胞へ導入する方法としては、リポフェクション法、リポソーム法、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム共沈殿法、DEAE(ジエチルアミノエチル)デキストラン法、マイクロインジェクション法、遺伝子銃法等の方法を挙げることができる。
上記哺乳動物発現用ベクターのプロモーター配列としては、例えばEF−1αプロモーター、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、RSV(ラウス肉腫ウイルス)プロモーター、MoMuLV(モロニーマウス白血病ウイルス)LTR、HSV−TK(単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ)プロモーター、CAGプロモーター等を挙げることができる。上記哺乳動物発現用ベクターは、エンハンサー、ターミネータ配列(βグロビンターミネーター配列、SV40ターミネータ配列、BGHターミネータ配列等)、ポリA付加シグナル、選択マーカー遺伝子(ネオマイシン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子、ブラストサイジンS耐性遺伝子等)、SV40複製起点などを含有していてもよい。
本件検出方法1の工程(a)や本件検出方法2の工程(A)において、哺乳動物細胞へタンパク質導入する方法としては、例えば、タンパク質導入試薬を用いる方法、タンパク質導入ドメイン(PTD)−又は細胞膜透過ペプチド(CPP)−融合タンパク質を用いる方法、マイクロインジェクション法等を挙げることができる。タンパク質導入試薬としては、カチオン性脂質をベースとしたBioPOTER Protein Delivery Reagent(Gene Therapy Systmes社製)、Pro-JectTM Protein Transfection Reagent(PIERCE社製)及びProVectin(IMGENEX社製)、脂質をベースとしたProfect-1(Targeting Systems社製)、膜透過性ペプチドをベースとしたPenetrain Peptide(Q biogene社製)及びChariot Kit(Active Motif社製)、HVJエンベロープ(不活化センダイウイルス)を利用したGenomONE(石原産業社製)等が市販されている。
本件検出方法1の工程(b)において、工程(a)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養する方法としては、被検物質がGPCRに結合し、内在性G12ファミリーや内在性Gqファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されるのに十分な時間、哺乳動物細胞の培養に適した条件下で培養すればよく、また、本件検出方法2の工程(B)において、工程(A)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養する方法としては、被検物質がGPCRに結合し、本件Gαタンパク質のシグナル伝達経路の活性化が誘導されるのに十分な時間、哺乳動物細胞の培養に適した条件下で培養すればよく、時間、温度、培養液の種類等の培養条件は、哺乳動物細胞や被検物質やGPCRの特性を考慮して適宜選択することができる。培養時間は、通常5分〜24時間の範囲内、好ましくは10分〜12時間の範囲内、より好ましくは20分〜6時間の範囲内、さらに好ましくは30分〜3時間の範囲内、特に好ましくは40分〜2時間の範囲内である。また、培養温度は、通常20〜38℃の範囲内であり、好ましくは35〜37℃の範囲内である。培養液としては、通常0.1〜30(v/v)%の範囲内で血清(FBS、CS等)を含有する動物細胞培養用基礎培養液(DMEM、EMEM、RPMI−1640、α−MEM、F−12、F−10、M−199等)を用いる。
本件検出方法1の工程(b)において、工程(a)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養することにより、被検物質がGPCRに結合し、内在性G12ファミリーや内在性Gqファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されると、或いは、本件検出方法2の工程(B)において、工程(A)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養することにより、被検物質がGPCRに結合し、本件Gαタンパク質のシグナル伝達経路の活性化が誘導されると、内在性TACEが標識物質結合膜結合型TGFαを切断することにより、標識物質とTGFαとの結合体が生成され、培養上清に遊離する。このため、本件検出方法1の工程(b)や本件検出方法2の工程(B)において、かかる遊離した標識物質とTGFαとの結合体を含む培養上清を採取する。
本件検出方法1の工程(c)や本件検出方法2の工程(C)において、標識物質を検出する方法としては、検出物質の種類に応じて任意の方法で検出すればよく、例えば、検出物質がAPである場合、APの基質であるp?ニトロフェニルリン酸(P−NPP)を添加し、反応させた後、波長405nmの吸光度(OD405)を測定することにより検出する方法を挙げることができ、また、検出物質がルシフェラーゼである場合、ルシフェラーゼの基質であるルシフェリンを添加し、反応させた後、波長420nmの吸光度(OD420)を測定することにより検出する方法を挙げることができ、また、検出物質がβ−D−ガラクトシダーゼである場合、β−D−ガラクトシダーゼの基質であるONPG(o-nitrophenol-β-D-galactopyranoside)や、CPRG(chlorophenol redβ-D-galactopyranoside)や、X−Gal(5-Bromo-4-Chloro-3-Indolyl-β-D-Galactoside)を添加し、反応させた後、波長405nmの吸光度(OD405)(ONPG)や、波長575nmの吸光度(OD575)(CPRG)や、青色色素(X−Gal)を測定することにより検出する方法を挙げることができる。
本件検出方法1の工程(a)において、本件Gqファミリー遺伝子のノックアウト哺乳動物細胞を用いた場合、本件検出方法1の工程(c)において、標識物質が検出されたとき、被検物質とGPCRとの結合により、内在性G12ファミリーのシグナル伝達活性化が検出された、或いは内在性G12ファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されたと判定することができ、また、本件検出方法1の工程(c)において、標識物質が検出されなかったとき、被検物質とGPCRとの結合により、内在性G12ファミリーのシグナル伝達活性化が検出されなかった、或いは内在性G12ファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されなかったと判定することができる。
本件検出方法1の工程(a)において、本件G12ファミリー遺伝子のノックアウト哺乳動物細胞を用いた場合、本件検出方法1の工程(c)において、標識物質が検出されたとき、被検物質とGPCRとの結合により、内在性Gqファミリーのシグナル伝達活性化が検出された、或いは内在性Gqファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されたと判定することができ、また、本件検出方法1の工程(c)において、標識物質が検出されなかったとき、被検物質とGPCRとの結合により、内在性Gqファミリーのシグナル伝達活性化が検出されなかった、或いは内在性Gqファミリーのシグナル伝達経路の活性化が誘導されなかったと判定することができる。
本件検出方法2の工程(C)において、標識物質が検出された場合、被検物質とGPCRとの結合により、本件Gαファミリータンパク質のシグナル伝達活性化が検出された、或いは本件Gαファミリータンパク質のシグナル伝達経路の活性化が誘導されたと判定することができ、また、本件検出方法2の工程(C)において、標識物質が検出されなかった場合、被検物質とGPCRとの結合により、本件Gαファミリータンパク質のシグナル伝達活性化が検出されなかった、或いは本件Gαファミリータンパク質のシグナル伝達経路の活性化が誘導されなかったと判定することができる。
本発明において、「Gs共役型受容体」とは、プロスタグランジンE受容体(EP2)、アドレナリンβ1又はβ2、ヒスタミンH2受容体(H2R)等のGsファミリー(GNAS又はGNAL遺伝子がコードするタンパク質)と共役(結合)する受容体のことを意味する。また、本発明において、「Gi共役型受容体」とは、ヒスタミンH3受容体(H3R)、アドレナリンα2A又はα2B受容体、セロトニン(5−HT)受容体等のGiファミリー(GNAI1、GNAI2、GNAI3、GNAO1、GNAZ、GNAT1、GNAT2、又はGNAT3遺伝子がコードするタンパク質)と共役(結合)する受容体のことを意味する。
本発明において、「シグナル伝達活性化を検出する」とは、シグナル伝達活性化の有無を検出することや、シグナル伝達活性化の程度を検出することを意味する。
本発明において、「少なくとも80%以上の同一性」とは、同一性が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の同一性を意味する。
本発明において、「1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列」とは、例えば1〜30個の範囲内、好ましくは1〜20個の範囲内、より好ましくは1〜15個の範囲内、さらに好ましくは1〜10個の範囲内、より好ましくは1〜5個の範囲内、さらに好ましくは1〜3個の範囲内、より好ましくは1〜2個の範囲内の数のヌクレオチドが欠失、置換若しくは付加されたヌクレオチド配列を意味する。1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド(変異ポリヌクレオチド)は、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変異誘発等の当業者に既知の任意の方法により作製することができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[Gα遺伝子のmRNA発現解析]
HEK293細胞(293A Cell、Life Technologies社製)を1×10細胞回収し、Mammalian Total RNA Miniprep Kit(Sigma-Aldrich社製)を用いてRNAを抽出した。抽出したRNAからHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems社製)を用いてcDNA合成を行った。三量体(αβγ)Gタンパク質を構成するαサブユニットをコードするGα遺伝子は、4種類のファミリー(Gs、Gi、Gq、及びG12)遺伝子から構成されており、このうち、Gsファミリー遺伝子は、2種の遺伝子(GNAS及びGNAL遺伝子)で構成されており、また、Giファミリー遺伝子は、8種の遺伝子(GNAI1、GNAI2、GNAI3、GNAO1、GNAZ、GNAT1、GNAT2、及びGNAT3遺伝子)で構成されており、また、Gqファミリー遺伝子は、4種類の遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15遺伝子)で構成されており、また、G12ファミリー遺伝子は、2種の遺伝子(GNA12及びGNA13遺伝子)で構成されている(図3)。この中から、6種類のGα遺伝子(Gqファミリー遺伝子4種[GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15遺伝子]及びG12ファミリー遺伝子2種[GNA12及びGNA13遺伝子])のmRNA発現量の他、内部コントロール用のACTB遺伝子のmRNA発現量を定量するために、得られたcDNAを鋳型として、プライマーセット(Fasmac社で受託合成)とSYBR Premix Ex Taq Kit(タカラバイオ社製)を用いて、7300リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems社製)でPCRを行い、上記6種類のGα遺伝子及びACTB遺伝子のcDNA断片の増幅と定量を行った。なお、定量は、上記6種類のGα遺伝子及びACTB遺伝子が組み込まれた濃度既知のプラスミドベクターDNAを用いて作成した検量線を基に定量した。PCR反応条件は、初期変性95℃(30秒間)の後、95℃(5秒)と60℃(31秒間)からなるサイクルを40回繰り返し、解離ステージ(Dissociation Stage)で反応産物の融解曲線を解析した。なお、融解曲線の解析により、HEK293細胞由来の上記6種類のGα遺伝子及びACTB遺伝子のcDNA増幅産物の融解曲線のピーク温度と、プラスミドDNA由来の上記6種類のGα遺伝子及びACTB遺伝子のDNA増幅産物の融解曲線のピーク温度とが一致することが確認された。
上記6種類のGα遺伝子及びACTB遺伝子のcDNA断片を増幅するためのプライマーセットを、以下の表1に示す。
[Gα遺伝子をノックアウトするためのプラスミドコンストラクトの作製]
ゲノム中に存在するGα遺伝子をノックアウトするために、Cas9ヌクレアーゼとシングルガイドRNA(sgRNA)の両方を発現させるpX330ベクターを用い、文献(Wang, H. et al. One-step generation of mice carrying mutations in multiple genes by CRISPR/Cas-mediated genome engineering. Cell 153, 910-918 (2013).)に記載の方法に従ってプラスミドコンストラクトを作製した。すなわち、ゲノム中に存在するGα遺伝子(標的遺伝子)の20塩基長の相補配列(sgRNA結合配列)を有するsgRNAと、Cas9ヌクレアーゼとを培養細胞中で発現させ、sgRNAとCas9ヌクレアーゼの複合体が標的遺伝子中に存在するsgRNA結合配列に結合し、かかる部位で標的遺伝子の二本鎖切断が生じ、二本鎖切断末端同士が結合する過程で塩基の欠失や挿入が起こり、標的遺伝子機能の欠損を誘導するシステムを利用した。米国国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)に登録されているヒト遺伝子の塩基配列データベースから、4種類のGα遺伝子(Gqファミリー遺伝子2種[GNAQ〔Accession No. NM_002072〕及びGNA11〔Accession No. NM_002067〕遺伝子]、G12ファミリー遺伝子2種[GNA12〔Accession No. NM_007353〕及びGNA13〔Accession No. NM_006572〕]遺伝子)を標的とするsgRNAの結合配列として、それぞれ配列番号15〜18で示される塩基配列からなるDNAを選択した。1本鎖オリゴヌクレオチドのセット4種類(配列番号19及び20で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドセット、配列番号21及び22で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、配列番号23及び24で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド、並びに配列番号25及び26で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド)(Fasmac社で受託合成)をそれぞれ混合し、95℃(5分間)/95℃から30℃への勾配(15分間)/25℃(1分間)/20℃(1分間)/15℃(1分間)/10℃(1分間)の条件でアニールすることにより、上記4種類のGα遺伝子を標的とするsgRNAの結合配列を含むDNA断片を得た。かかるDNA断片10pmolと、制限酵素BbsIで消化したpX330ベクター20ngとを混合し、Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてリガーゼ処理を行い、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社製)に導入し形質転換させた。形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択し、選択された大腸菌コロニーを単離し、100μg/mLアンピシリン含有LB培養液で増殖させた後、大腸菌に含まれるベクターDNAをPureYield Plasmid Miniprep System(Promega社製)を用いて単離・精製した。精製したベクターDNA中に、上記4種類のGα遺伝子を標的とするsgRNAをコードするDNAが含まれることは、シーケンス用プライマー(配列番号27で示される塩基配列からなるプライマー)を用いたダイターミネーター法により確認した(Fasmac社に委託)。なお、Cas9ヌクレアーゼと上記4種類のGα遺伝子を標的とするsgRNAの両方が発現するpX330ベクターを、以下「Cas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクター」という。
[Gα遺伝子のノックアウト細胞株の作製]
HEK293細胞(293A Cell、Life Technologies社製)を2×10細胞/mLとなるように10%ウシ胎仔血清(FCS、GIBCO社製)含有のダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Nissui社製)(以下、「本件培養液」という)で懸濁し、細胞培養用12ウェルプレート(Grenier Bio-One社製)の各ウェルに1mLずつ播種した。5%CO存在下で24時間細胞培養した後、各ウェルに、上記[Gα遺伝子をノックアウトするためのプラスミドコンストラクトの作製]の項目に記載の方法に従って作製したCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクター500ngと、pGreenLantern-1(GIBCO BRL社製)100ngとを、LipofectAMINE 2000(Life Technologies社製)1.25μLを用いて、HEK293細胞へトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後の細胞を、0.05%(v/v)トリプシン/0.53mMEDTA含有リン酸緩衝液(PBS)を用いて細胞を剥がし、セルソーターSH800Z(Sony社製)を用いてGFP陽性細胞を分取することによりCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターが導入された細胞を選択した。かかる細胞を、20細胞/mL又は80細胞/mLとなるように培養液中に再懸濁し、細胞培養用96ウェルプレート(Grenier Bio-One社製)の各ウェルに100μLずつ播種した。5%CO存在下で約2週間培養後、細胞コロニーが出現したウェルの細胞をトリプシン/EDTAを用いて剥がし、半量の細胞を細胞培養用6ウェルプレート(Grenier Bio-One社製)に播種し、残り半量の細胞を遺伝型解析に用いた。以下の[Gα遺伝子の遺伝型解析]の項目に記載の方法に従って遺伝子型解析を行い、ゲノム中に存在する4種類のGα遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA12及びGNA13遺伝子)に変異が導入されたことを確認した後、細胞クローンを6ウェルプレートのセミコンフルエントに達するまで培養し、トリプシン/EDTAを用いて培養容器から剥がし、半量を細胞培養用100mmディッシュ(Grenier Bio-One社製)に播種した。残り半量を12ウェルプレートに播種し、TGFα切断アッセイにより、変異導入された上記4種類のGα遺伝子がコードするタンパク質(Gαq[GNAQ遺伝子がコードするタンパク質]、Gα11[GNA11遺伝子がコードするタンパク質]、Gα12[GNA12遺伝子がコードするタンパク質]、及びGα13[GNA13遺伝子がコードするタンパク質])の機能評価を行い、かかるGαタンパク質の機能欠損(Gα遺伝子ノックアウト)を確認した後、細胞クローンを100mmディッシュのセミコンフルエントに達するまで培養し、トリプシン/EDTAを用いて培養容器から剥がし、CELLBANKER 1 plus(日本全薬工業社製)中に凍結保存した。また、GNAQ遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターと、GNA11遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターとを混合し、親細胞(HEK293細胞)へトランスフェクションすることにより、GαqとGα11の2重欠損(ΔGNAQ/11)細胞株を単離した。同様に、GNA12遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターと、GNA13遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターとを混合し、親細胞へトランスフェクションすることにより、α12とGα13の2重欠損(ΔGNA12/13)細胞株を単離した。さらに、GNA12遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターと、GNA13遺伝子を標的とするsgRNAが発現するCas9ヌクレアーゼ/sgRNA発現ベクターとを混合し、ΔGNAQ/11株へトランスフェクションすることにより、GαqとGα11とGα12とGα13の4重欠損(ΔGNAQ/11/12/13)細胞株を単離した。
[Gα遺伝子の遺伝型解析]
Gαタンパク質欠損細胞株を50mM水酸化ナトリウム水溶液で30分処理し、Tris−HCl(pH7.4)を加え中和した。ExTaq(タカラバイオ社製)とプライマーセット(Fasmac社で受託合成)を用いてPCRを行い、変異導入された4種類のGα遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA12及びGNA13遺伝子)のDNA断片を増幅した。得られたPCR反応産物を、制限酵素XbaI(GNAQ遺伝子)、TaqI(GNA11及びGNA13遺伝子)、HindIII(GNA12遺伝子)(制限酵素はタカラバイオ社から購入)で消化した後、3%アガロールゲル(ニッポンジーン社製)で分離し、上記制限酵素の認識部位が上記4種類のGα遺伝子中に存在することを確認した。
上記4種類のGα遺伝子のDNA断片を増幅するためのプライマーセットを、以下の表2に示す。
PCRにより増幅した上記4種類のGα遺伝子のDNA断片を、TAクローニング法によりT-Vector pMD20ベクター(タカラバイオ社製)に組み込み、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社製)へ導入し形質転換させた。形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択を行い、選択された大腸菌コロニーを鋳型として、T-Vector pMD20ベクターに挿入された上記4種類のGα遺伝子のDNA断片を増幅するためのプライマーセット(配列番号36及び37で示される塩基配列からなるプライマーセット)を用いたPCRを行った。PCR産物が得られたことはアガロールゲル電気泳動で確認し、PCR産物を鋳型として、シーケンス用プライマー(配列番号36で示される塩基配列からなるプライマー)を用いたダイターミネーター法により(Fasmac社に委託)、上記4種類のGα遺伝子の遺伝子型(塩基配列)を決定した。
[Gαタンパク質発現ベクターの作製1]
6種類のGα遺伝子(Gqファミリー遺伝子4種[GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15遺伝子]、及びG12ファミリー遺伝子2種[GNA12及びGNA13遺伝子])をクローニングするために、FirstChoice Human Total RNA Survey Panel(Applied Biosystems社製)を鋳型として、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems社製)を用いてcDNA合成を行い、合成されたcDNAを鋳型として、プライマーセット(Fasmac社で受託合成)とポリメラーゼPrimeSTAR HS(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。
上記6種類のGα遺伝子のcDNAを増幅するためのプライマーセットを、以下の表3に示す。
PCRにより得られた上記6種類のGα遺伝子のcDNA増幅産物を、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製し、制限酵素KpnI及びXhoI処理(GNAQ、GNA11、GNA14、GNA15、及びGNA12遺伝子)又は制限酵素KpnI及びEcoRV(GNA13)処理(制限酵素はタカラバイオ社から購入)した。哺乳類細胞発現用pCAGGS−MCSベクター(文献「Sakagami, H. et al. Biochemical and molecular characterization of a novel choline-specific glycerophosphodiester phosphodiesterase belonging to the nucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase family. J Biol Chem 280, 23084-23093 (2005).」参照)を、制限酵素KpnI及びXhoI処理又は制限酵素KpnI及びEcoRV処理し、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて制限酵素処理したpCAGGS−MCSを精製した。制限酵素処理したpCAGGS−MCS50ngと、制限酵素処理した上記6種類のGα遺伝子のcDNA増幅産物100ngとを混合し、Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてリガーゼ処理を行い、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社)へ導入し形質転換させた。形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択し、選択された大腸菌コロニーを単離し、100μg/mLアンピシリン含有LB培養液で増殖させた後、ベクターDNAをNucleoBond Xtra Midi Plus Kit(Macherey-Nagle社製)を用いて精製した。精製したベクターDNA中に、上記6種類のGα遺伝子のcDNAの全長が含まれることは、ダイターミネーター法により確認した(Fasmac社に委託)。なお、上記6種類のGα遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15、並びにGNA12及びGNA13遺伝子)のcDNAは、それぞれ配列番号50〜53、並びに54及び55で示される塩基配列からなるDNAである。
[Gαタンパク質発現ベクターの作製2]
Gαキメラタンパク質を発現するベクターの作製は、以下の手順に従って行った。
まず、pCAGGS−MCSベクターを、制限酵素EcoRI及びXhoI(タカラバイオ社製)で処理し、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製した。11種類のGα遺伝子(Gsファミリー遺伝子2種[GNAS及びGNAL遺伝子]、Giファミリー遺伝子4種[GNAI1、GNAI3、GNAO1、及びGNAZ遺伝子]、Gqファミリー遺伝子3種[GNAQ、GNA14、及びGNA15遺伝子]、並びにG12ファミリー遺伝子2種[GNA12及びGNA13遺伝子])がコードするタンパク質(それぞれGαs及びGαolf、Gαi1、Gαi3、Gαo、及びGαz、Gαq、Gα14、及びGα16、並びにGα12及びGα13)の、カルボキシル(C)末端から7〜1アミノ酸残基からなるペプチド断片(以下、「11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片」という)をコードするDNAを含むDNA断片を調製し、かかるDNA断片10pmolと、上記制限酵素処理したpCAGGS−MCSベクター20ngとを混合し、Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてリガーゼ処理を行い、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社製)に導入し形質転換させた。
なお、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA含むDNA断片は、配列番号56〜77で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチドをFasmac社で受託合成し、2種類ずつ(GNAS遺伝子の場合、配列番号56及び57で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAL遺伝子の場合、配列番号58及び59で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAI1遺伝子の場合、配列番号60及び61で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAI3遺伝子の場合、配列番号62及び63で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAO1遺伝子の場合、配列番号64及び65で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAZ遺伝子の場合、配列番号66及び67で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAQ遺伝子の場合、配列番号68及び69で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNA14遺伝子の場合、配列番号70及び71で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNA15遺伝子の場合、配列番号72及び73で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNA12遺伝子の場合、配列番号74及び75で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド;GNAI3遺伝子の場合、配列番号76及び77で示される塩基配列からなるオリゴヌクレオチド)を混合し、95℃(5分間)/95℃から30℃への勾配(15分間)/25℃(1分間)/20℃(1分間)/15℃(1分間)/10℃(1分間)の条件でアニールすることにより調製した。
形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択し、選択された大腸菌コロニーを単離し、100μg/mLアンピシリン含有LB培養液で増殖させた後、大腸菌に含まれるベクターDNAをGenElute Plasmid Miniprep Kit(Sigma-Aldrich社製)を用いて単離・精製した。精製したベクターDNA中に、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA断片が含まれることは、ダイターミネーター法により確認した(Fasmac社に委託)。すなわち、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA含むDNA断片は、制限酵素PvuII認識配列と、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA(終止コドンを含む)とを含むDNAであり、また、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNAは、それぞれ配列番号78〜88で示される塩基配列からなるDNAであることが確認された。
次に、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA断片を含むpCAGGS−MCSベクターを、制限酵素KpnI及びPvuII(タカラバイオ社製)で処理し、1%アガロールゲルで泳動後、制限酵素で切断された断片をWizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製した。また、上記[Gαタンパク質発現ベクターの作製1]の項目に記載の方法によって作製した6種類のGα遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA14、及びGNA15、並びにGNA12及びGNA13)のcDNAを含むpCAGGS−MCSを鋳型として、かかる6種類のGα遺伝子がコードするタンパク質のC末端ペプチド断片が欠損したペプチド断片(以下、「6種類のGαタンパク質のN末端ペプチド断片」という)をコードするDNAを増幅するためのプライマーセットとポリメラーゼPrimeSTAR HS(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。
上記6種類のGαタンパク質のN末端ペプチド断片をコードするDNAを増幅するためのプライマーセットを、以下の表4に示す。
PCRにより得られた上記6種類のGαタンパク質のN末端ペプチド断片をコードするDNA増幅産物を、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製し、制限酵素KpnI(タカラバイオ社製)処理した。かかる制限酵素処理したDNA増幅産物100ngと、上記制限酵素処理した11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片をコードするDNA断片を含むpCAGGS−MCSベクター50ngとを混合し、Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてリガーゼ処理を行い、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社製)に導入し形質転換させた。形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択し、選択された大腸菌コロニーを単離し、100μg/mLアンピシリン含有LB培養液で増殖させた後、ベクターDNAをNucleoBond Xtra Midi Plus Kit(Macherey-Nagle社製)を用いて精製した。精製したベクターDNA中に、上記6種類のGαタンパク質のN末端ペプチド断片と、上記11種類のGαタンパク質のC末端ペプチド断片とのキメラタンパク質(Gαキメラタンパク質)をコードするDNAが含まれることは、ダイターミネーター法により確認した(Fasmac社に委託)。
なお、上記Gαキメラタンパク質は、具体的には、GαqのN末端ペプチド断片と、GαsのC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/s)、GαqのN末端ペプチド断片と、GαolfのC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/olf)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/i1)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gαi3のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/i3)、GαqのN末端ペプチド断片と、GαoのC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/o)、GαqのN末端ペプチド断片と、GαzのC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/z)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gα14のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/14)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gα16のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/16)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gα12のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/12)、GαqのN末端ペプチド断片と、Gα13のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gαq/13)、Gα11のN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gα11/i1)、Gα14のN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gα14/i1)、Gα16のN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gα16/i1)、Gα12のN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gα12/i1)、及びGα13のN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片との融合タンパク質(Gα13/i1)の計15種類であり、これら15種類のキメラGαタンパク質(Gαq/s、Gαolf、Gαq/i1、Gαq/i3、Gαq/o、Gαq/z、Gαq/14、Gαq/15、Gαq/12、Gαq/13、Gα11/i1、Gα14/i1、Gα16/i1、Gα12/i1、及びGα13/i1)は、それぞれ配列番号95〜109で示される塩基配列からなるDNAによってコードされる。
[Gαタンパク質発現ベクターの作製3]
野生型GNAQ遺伝子のmRNAを標的としたsiRNAに対して、耐性のサイレント変異を導入したGαq(siRNA耐性Gαq)発現用ベクターと、siRNA耐性GαqをベースとしたGαキメラタンパク質発現用ベクターの作製は、以下の手順に従って行った。
まず、上記[Gαタンパク質発現ベクターの作製1]の項目に記載の方法によって作製したGNAQのcDNAを含むpCAGGS−MCSを鋳型として、2種類のプライマーセット(配列番号38及び111で示される塩基配列からなるプライマーセットと、配列番号39及び110で示される塩基配列からなるプライマーセット)とポリメラーゼPrimeSTAR HS(タカラバイオ社製)を用いてPCRを行った。2種類のプライマーセットを用いて得られた2種類のPCR産物を、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製し、混合した後、かかる2種類のPCR産物を鋳型として、プライマーセット(配列番号38及び39で示される塩基配列からなるプライマーセット)を用いてPCRを行い、PCR産物を、1%アガロールゲルで泳動後、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System(Promega社製)を用いて精製し、制限酵素KpnI及びXhoI(タカラバイオ社製)で処理した。かかる制限酵素処理したPCR産物100ngと、制限酵素KpnI及びXhoI(タカラバイオ社製)で処理したpCAGGS−MCS50ngとを混合し、Mighty Mix(タカラバイオ社製)を用いてリガーゼ処理を行い、コンピテント大腸菌SCSI(Agilent Technologies社)へ導入し形質転換させた。形質転換後の大腸菌を、100μg/mLアンピシリン含有LB培地プレートで薬剤選択し、選択された大腸菌コロニーを単離し、100μg/mLアンピシリン含有LB培養液で増殖させた後、ベクターDNAをNucleoBond Xtra Midi Plus Kit(Macherey-Nagle社製)を用いて精製した。精製したベクターDNA中に、siRNA耐性GαqをコードするDNAが含まれることは、ダイターミネーター法により確認した(Fasmac社に委託)。siRNA耐性GαqをコードするDNAは、具体的には、配列番号112で示される塩基配列からなるDNAである。
[TGFα切断アッセイ]
アルカリホスファターゼ(AP)融合TGFα(AP−TGFα)及び10種類のGタンパク質共役受容体(GPCR)(3種類のプロスタグランジンE受容体[EP1、EP2、及びEP3]、ヒスタミンH3受容体[H3R]、アドレナリンα1A受容体[α1A]、トロンボキサン受容体[TP]、A型エンドセリン受容体[ETA]、I型アンジオテンシンII受容体[AT1]、プロスタグランジンF受容体[FP]、及びカンナビノイド受容体1[CB1])発現細胞を作製するために、文献(Inoue, A. et al. Nature Methods, 9, 1021-1029 (2012))に記載の方法に従ってAP−TGFα発現ベクターと10種類のGPCR発現ベクターを入手又は作製した。細胞を2×10細胞/mLとなるように本件培養液で懸濁し、細胞培養用12ウェルプレート(Greiner Bio-One社製)の各ウェルに1mLずつ播種し、5%CO存在下で24時間培養後、各ウェルに、AP−TGFα発現ベクター250ngと、上記10種類のGPCR発現ベクター100ngとを、又はAP−TGFα発現ベクター250ngと、上記10種類のGPCR発現ベクター100ngと、Gαタンパク質発現ベクター50ngとを、LipofectAMINE 2000(Life Technologies社製)1.25μLを用いて細胞へトランスフェクションした。なお、AP−TGFαは、膜結合型pro-TGFα(TGFA遺伝子がコードするタンパク質)のN末端側に胎盤AP(ALPP遺伝子がコードするタンパク質)が融合したタンパク質である。
トランスフェクション24時間後の細胞を、0.05%(v/v)トリプシン/0.53mMEDTA含有リン酸緩衝液(PBS)を用いて細胞を剥がし、本件培養液でトリプシン反応を停止し、遠心処理した。上清を除去後、細胞沈殿物(ペレット)をPBSで懸濁し、室温で10分間静置した。遠心処理後、上清を除去し、Ca2+、Mg2+含有ハンクス平衡塩溶液(HBSS、5mMHEPES[pH7.4]含有)3.5mLに懸濁した。かかる細胞懸濁液を、細胞培養用96ウェルプレート(Greiner Bio-One社製)の各ウェルに90μLずつ播種し、5%COインキュベーターで30分間静置した。各濃度の被検化合物(プロスタグランジンE2[Prostaglandin E2]、ヒスタミン、ノルアドレナリン[Noradrenaline]、U−46619、エンドセリン−1(Endothelin-1)、CP−55940、アンジオテンシンII(Angiotensin II)、又はアンジオテンシンIIのアナログ[Sar(1)-Ile(4)-Ile(8)AngII;SII])を10μLずつ添加し、5%CO存在下でさらに1時間静置した。96ウェルプレートを遠心処理(190×g、2分、室温)し、12連マルチチャネル電動ピペッターeLine(Sartorius社製)を用いて培養上清100μLのうち80μLを別の96ウェルプレートに移し(培養上清プレート)、細胞が付着した96ウェルプレート(細胞プレート)と分けた。培養上清プレートと細胞プレートのそれぞれに、APの基質であるp?ニトロフェニルリン酸(P−NPP)10mM含有反応液(40mMTris−HCl[pH9.5]、40mMNaCl、10mMMgCl)80μLを添加し、37℃で5分間インキュベーションした後、波長405nmの吸光度(OD405)をマイクロプレートリーダーVersaMax(Molecular Devices社製)を用いて測定し(反応前のOD405[バックグラウンド])、さらに37℃インキュベーター(CO添加なし)で1時間インキュベーションした後、OD405を再度測定した(反応後のOD405)。細胞プレートにおける反応後のOD405を、細胞プレートにおける反応前のOD405(バックグラウンド)で減して「細胞のOD405」を算出し、また、培養上清プレートにおける反応後のOD405を、培養上清プレートにおける反応前のOD405(バックグラウンド)で減して「上清のOD405」を算出し、かかる「細胞のOD405」と「上清のOD405」の値を、以下の式に入力することによりAP活性(%)を算出した。このとき得られた値を「刺激AP活性値」とする。なお、コントロールとして、被検化合物を添加しない場合の実験も同様に行ない、AP活性(%)を算出した。このとき得られた値を「無刺激AP活性値」とする。被検化合物(リガンド)の各濃度において、刺激AP活性値を無刺激AP活性値で減した値を算出し、容量反応曲線を作成し、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を、文献「Ehlert, F.J. On the analysis of ligand-directed signaling at G protein-coupled receptors. Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol 377, 549-577 (2008).」に記載の方法に従って算出した。
[siRNAによるGαタンパク質の発現抑制]
HEK293細胞を1×10細胞/mLとなるように本件培養液で懸濁し、12ウェルプレートの各ウェルに1mLずつ播種した。5%CO存在下で24時間培養後、各ウェルに、4種類のGα遺伝子(GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13)を標的とするsiRNA(Stealth siRNA[Life Technologies社製])12pmol(終濃度10nM)を、LipofectAMINER RNAiMAX(Life Technologies社製)1μLを用いて細胞へトランスフェクションした。なお、コントロールのsiRNAとして、Stealth RNA siRNA Negative Control Med GC Duplex #3 (Life Technologies社製)を用いた。また、上記4種類のGα遺伝子(GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13)を標的とするsiRNAが標的とするDNAは、それぞれ配列番号113及び114、並びに115及び116で示される塩基配列からなるDNAである。
5%CO存在下で24時間培養後、培養液を除去し、新しい本件培養液を各ウェルに1mLずつ添加した。
[結果1:HEK293細胞におけるGq及びG12ファミリー遺伝子のmRNAの発現]
本発明者らの以前の報告(Inoue et al (2012) Nature Meth 9, 1021-1029)では、Gqファミリーのシグナル伝達経路と、G12ファミリーのシグナル伝達経路とがTGFαの切断に関与することを示している。Gqファミリー遺伝子として、4種類の遺伝子(GNAQ、GNA11、GNA14及びGNA15遺伝子)が知られており、また、G12ファミリー遺伝子として、2種類の遺伝子(GNA12及びGNA13遺伝子)が知られている。そこで、TGFαの切断に関与する遺伝子を詳細に解析するために、HEK293細胞におけるGqファミリー遺伝子とG12ファミリー遺伝子のmRNAの発現レベルを、上記[Gα遺伝子のmRNA発現解析]の項目に記載の方法に従って解析した。その結果を図4に示す。
Gqファミリー遺伝子4種(GNAQ、GNA11、GNA14及びGNA15遺伝子)のうち、主にGNAQ及びGNA11遺伝子が発現していることが示された(図4)。また、G12ファミリー遺伝子2種(GNA12及びGNA13遺伝子)のmRNAの発現レベルを解析したところ、両者の発現レベルはほぼ同じであることが示された(図4)。この結果は、HEK293細胞中でTGFα切断応答を担う主要なGαタンパク質は、Gαq、Gα11、Gα12、及びGα13の計4種類であることが示された。
[結果2:Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株を用いたTGFα切断アッセイ]
HEK293野生株(Parent)中で行うTGFα切断アッセイが、Gqファミリーのシグナル伝達経路と、G12ファミリーのシグナル伝達経路の両方を特異的に検出できるアッセイ系であることを確認するために、6種類の外因性GPCR(EP2、EP3、α1A、EP3、TP、及びETA)が発現するHEK293野生株(Parent)と、5種類の被検化合物(プロスタグランジンE2、ヒスタミン、ノルアドレナリン、U−46619、及びエンドセリン−1)のリガンドとを用いて、上記[TGFα切断アッセイ]の項目に記載の方法に従ってTGFα切断アッセイを行った。その結果を図5に示す。
EP2(Gs共役型)受容体発現HEK293細胞を、EP2受容体のリガンドであるプロスタグランジンE2で刺激した場合、APの活性化は検出されなかった(図5Aの「○ Parent」)。他方、EP3(G12共役型)受容体発現HEK293細胞を、EP3受容体のリガンドでもあるプロスタグランジンE2で刺激した場合、APの活性化が検出された(図5Dの「○ Parent」)これらの結果は、HEK293野生株中でTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、G12ファミリーのシグナル伝達活性化を検出でき、Gsファミリーのシグナル伝達活性化は検出できないことを示している。
また、H3R(Gi共役型)受容体発現HEK293細胞を、H3R受容体のリガンドであるヒスタミンで刺激した場合、APの活性化は検出されなかったのに対して(図5Bの「○ Parent」)、α1A(Gq共役型)受容体発現HEK293細胞を、α1A受容体のリガンドであるノルアドレナリンで刺激した場合、APの活性化が検出された(図5Cの「○ Parent」)。これらの結果は、HEK293野生株中でTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、Gqファミリーのシグナル伝達活性化を検出でき、Giファミリーのシグナル伝達経路の活性化は検出できないことを示している。
以上の結果をまとめると、HEK293野生株中でTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、Gqファミリーのシグナル伝達活性化と、G12ファミリーのシグナル伝達活性化の両方を特異的に検出できることが確認された。この点は、GqファミリーとG12ファミリーの両方の共役型受容体であるTPやETA受容体を発現させたHEK293細胞を、それら受容体のリガンド(U−46619及びエンドセリン−1)で刺激した場合にも、同様にAPの活性化が検出されたことにより確かめられた(図5E及びFの「○ Parent」)。
次に、GqやG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11、ΔGNA12/13、及びΔGNAQ/11/12/13)株を用いて、上記[TGFα切断アッセイ]の項目に記載の方法に従ってTGFα切断アッセイを行った場合に、Gqファミリーのシグナル伝達活性化と、G12ファミリーのシグナル伝達活性化とを区別して検出できるかどうかを検討した。その結果を図5に示す。
α1A(Gq共役型)受容体発現G12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNA12/13)株をノルアドレナリン(α1A受容体のリガンド)で刺激した場合(図5Cの「◇ ΔGNA12/13」)、HEK293野生株を用いた場合と同様にAPの活性化が検出されたのに対して、α1A受容体発現Gqファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11)株をノルアドレナリンで刺激した場合(図5Cの「● ΔGNAQ/11」)、APの活性化は検出されなかった。この結果は、G12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株中でTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、内在性Gqファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出できることを示している。
また、EP3(G12共役型)受容体発現ΔGNAQ/11株をプロスタグランジンE2(EP3受容体のリガンド)で刺激した場合(図5Dの「● ΔGNAQ/11」)、HEK293野生株を用いた場合と同様にAPの活性化が検出されたのに対して、EP3受容体発現ΔGNA12/13株をプロスタグランジンE2で刺激した場合(図5Dの「◇ ΔGNA12/13」)、APの活性化は検出されなかった。この結果は、Gqファミリー遺伝子のノックアウト細胞株中でTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、内在性G12ファミリーのシグナル伝達活性化を特異的に検出できることを示している。
さらに、TP及びETA(GqとG12の両方の共役型)受容体発現ΔGNAQ/11株を、それぞれU−46619及びエンドセリン−1(それぞれTP及びETA受容体のリガンド)で刺激した場合(図5E及びFの「● ΔGNAQ/11」)や、TP及びETA受容体発現ΔGNA12/13株を、それぞれU−46619及びエンドセリン−1で刺激した場合(図5E及びFの「◇ ΔGNA12/13」)、HEK293野生株を用いた場合と同様にAPの活性化が検出されたのに対して、TP及びETA受容体発現Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11/12/13)株を、それぞれU−46619及びエンドセリン−1で刺激した場合(図5E及びFの「◆ ΔGNAQ/11/12/13」)、APの活性化レベルは検出されなかった。この結果は、上記図5C及びDにおける結果を支持するとともに、Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株中にGqやG12ファミリータンパク質を発現させてTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により誘導される、外因性GqやG12ファミリータンパク質依存的なシグナル伝達活性化を特異的に検出できることを示唆している。
[結果3:Gq及びG12ファミリータンパク質を骨格としたGαキメラタンパク質を発現させた野生株を用いたTGFα切断アッセイ]
本発明者らの以前の報告(Inoue et al (2012) Nature Meth 9, 1021-1029)では、外因性アセチルコリンM2(Gi共役型)受容体発現HEK293細胞に、GαqのN末端ペプチド断片と、Gαi1のC末端ペプチド断片とが融合したGαキメラタンパク質(Gαq/i1)をさらに発現させ、アセチルコリンで刺激してTGFα切断アッセイを行うと、APを活性化できることを示している。この結果は、GqやG12ファミリータンパク質を骨格とし、Gs又はGiが融合したGαキメラタンパク質を用いてTGFα切断アッセイを行うと、GsやGiファミリータンパク質のシグナル伝達活性化も検出できることを示唆している。この点をさらに詳細に検証するために、Gqファミリータンパク質4種(Gαq、Gα11、Gα14、及びGα16)のN末端ペプチド断片と、Gsファミリータンパク質1種(Gαs)のC末端ペプチド断片とがそれぞれ融合したGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gα11/s、Gα14/s、及びGα16/s)や、G12ファミリータンパク質2種(Gα12及びGα13)のN末端ペプチド断片と、GαsのC末端ペプチド断片とがそれぞれ融合したGαキメラタンパク質(Gα12/s及びGα13/s)を発現させたHEK293細胞を用いて、上記[TGFα切断アッセイ]の項目に記載の方法に従ってTGFα切断アッセイを行った。その結果を図6に示す。
コントロールとして、EP2(Gs共役型)受容体発現HEK293細胞に、6種類のGαタンパク質(Gαq、Gα11、Gα14、及びGα16、並びにGα12及びGα13)をさらに発現させ、プロスタグランジンE2(EP2受容体のリガンド)で刺激した場合(図6の下段の「● EP2」)、APの活性化は検出されない、又は感度以下であったのに対して、EP2受容体発現HEK293細胞に、6種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gα11/s、Gα14/s、及びGα16/s、並びにGα12/s及びGα13/s)をさらに発現させ、プロスタグランジンE2で刺激した場合(図6の中段の「● EP2」)、いずれの場合においてもAPの活性化が検出されたが、特にGαq/sを用いた場合、もっとも検出レベルが高かった。なお、EP2受容体を発現させなかった場合(図6の「○ Mock」)や、Gαキメラタンパク質やGαタンパク質を発現させなかった場合(図6の上段)には、APの活性化は検出されなかったことを確認した。これらの結果は、Gαqを骨格とし、Gs又はGiが融合したGαキメラタンパク質を用いてTGFα切断アッセイを行うと、Gαq以外の他のGqファミリータンパク質(Gα11、Gα14、及びGα16)や、G12ファミリータンパク質(Gα12及びGα13)を骨格とし、Gs又はGiが融合したGαキメラタンパク質を用いてTGFα切断アッセイを行った場合と比べ、GsやGiのシグナル伝達経路の活性化を感度よく検出できることを示している。
[結果4:Gq及びG12ファミリータンパク質を骨格としたGαキメラタンパク質を発現させたGq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株を用いたTGFα切断アッセイ]
図5の結果から、Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞(ΔGNAQ/11/12/13)株中にGq及びG12ファミリータンパク質を発現させてTGFα切断アッセイを行うと、Gq及びG12ファミリータンパク質の発現に依存したシグナル伝達経路の活性化を特異的に検出できることが示唆された。そこで、Gqファミリータンパク質を骨格とし、Gs、Gi、又はG12ファミリータンパク質が融合したGαキメラタンパク質を発現させたΔGNAQ/11/12/13株を用いて、上記[TGFα切断アッセイ]の項目に記載の方法に従ってTGFα切断アッセイを行った場合に、対象となるリガンドが、4種類のGαファミリータンパク質(Gs、Gi、Gq、及びG12)のいずれを活性化できるものであるかを明らかにしたり、対象となるリガンドによる上記4種類のGαタンパク質の活性化レベルを、相対的に評価できるかどうか検討した。なお、Gαキメラタンパク質の骨格に用いるGqタンパク質として、図6の結果で最も感度よく検出できるGαqを用いた。その結果を図7に示す。
TP(GqとG12の両方の共役型)受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、U−46619(TP受容体のリガンド)で刺激した場合(図7Aの「○ No Gα」)、APの活性化は検出されなかったのに対して、TP受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、Gαqをさらに発現させ、U−46619で刺激した場合(図7Aの「Gαq」)、APの活性化が検出された。また、TP受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、3種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、及びGαq/12)をさらに発現させ、U−46619で刺激した場合(図7Aの「Gαq/s」、「Gαq/i」、及び「Gαq/12」)、APの活性化が検出された。検出されたAPの活性化レベルを、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を用いて定量すると、最も低いU−46619濃度でリガンド刺激(AP活性化)を誘導することができたのは、Gαqを発現させた場合であり、以下、Gαq/i1、Gαq/12、Gαq/sの順でリガンド刺激を誘導できるU−46619濃度は低かった。この結果は、U−46619がTP受容体に結合すると、Gαqのシグナル伝達が最も高いレベルで活性化され、以下Gαi1、Gα12、Gαsの順で高いことが示された。
また、CB1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、CP−55940(CB1受容体のリガンド)で刺激した場合(図7Bの「○ No Gα」)、APの活性化は検出感度以下であったのに対して、CB1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、Gαqや3種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、及びGαq/12)をさらに発現させ、CP−55940で刺激した場合(図7Bの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、及び「Gαq/12」)、APの活性化が検出された。検出されたAPの活性化レベルを、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を用いて定量すると、最も低いCP−55940濃度でリガンド刺激(AP活性化)を誘導することができたのは、Gαq/i1を発現させた場合であり、以下、Gαq/12、Gαq/s、Gαqの順でリガンド刺激を誘導できるCP−55940濃度が低かった。この結果は、CP−55940がCB1受容体に結合すると、Gαi1のシグナル伝達が最も高いレベルで活性化され、以下Gα12、Gαs、Gαqの順で高いことが示された。
また、FP受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、プロスタグランジンF2α(FP受容体のリガンド)で刺激した場合(図7Cの「○ No Gα」)、APの活性化は検出されなかったのに対して、FP受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、Gαqや4種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)をさらに発現させ、プロスタグランジンF2αで刺激した場合(図7Cの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、「Gαq/12」、及び「Gαq/13」)、APの活性化が検出された。検出されたAPの活性化レベルを、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を用いて定量すると、最も低いプロスタグランジンF2α濃度でリガンド刺激(AP活性化)を誘導することができたのは、Gαq/sを発現させた場合であり、以下、Gαq、Gαq/13、Gαq/12、Gαq/i1の順でリガンド刺激を誘導できるプロスタグランジンFα濃度が低かった。この結果は、プロスタグランジンF2αがFP受容体に結合すると、Gαsのシグナル伝達が最も高いレベルで活性化され、以下Gαq、Gα13、Gα12、Gαi1の順で高いことが示された。
また、AT1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、アンジオテンシンII(AT1受容体のリガンド)で刺激した場合(図7Dの「○ No Gα」)、APの活性化は検出されなかったのに対して、AT1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、Gαqや4種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)をさらに発現させ、アンジオテンシンIIで刺激した場合(図7Dの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、「Gαq/12」、及び「Gαq/13」)、APの活性化が検出された。検出されたAPの活性化レベルを、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を用いて定量すると、最も低いアンジオテンシンII濃度でリガンド刺激(AP活性化)を誘導することができたのは、Gαqを発現させた場合であり、以下、Gαq/i1、Gαq/12、Gαq/s、Gαq/13の順でリガンド刺激を誘導できるアンジオテンシンII濃度が低かった。この結果は、アンジオテンシンIIがAT1受容体に結合すると、Gαqのシグナル伝達が最も高いレベルで活性化され、以下Gαi1、Gα12、Gαs、Gα13の順で高いことが示された(図7F)。
また、AT1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、アンジオテンシンIIのアナログ(SII)で刺激した場合(図7Eの「○ No Gα」)、APの活性化は検出感度以下であったのに対して、AT1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株に、Gαqや4種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)をさらに発現させ、SIIで刺激した場合(図7Eの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、「Gαq/12」、及び「Gαq/13」)、APの活性化が検出された。検出されたAPの活性化レベルを、容量反応曲線から得られるEmax/EC50値を用いて定量すると、最も低いSII濃度でリガンド刺激(AP活性化)を誘導することができたのは、Gαq/12を発現させた場合であり、以下、Gαq/i1、Gαq、Gαq/12、Gαq/sの順でリガンド刺激を誘導できるSII濃度が低かった。この結果は、SIIがAT1受容体に結合すると、Gα12のシグナル伝達が最も高いレベルで活性化され、以下Gαi1、Gαq、Gα12、Gαsの順で高いことが示された(図7F)。なお、文献「Sauliere, A. et al. Deciphering biased-agonism complexity reveals a new active AT1 receptor entity. Nat Chem Biol 8, 622-630 (2012).」には、SIIがアンジオテンシンIIと比べ、GαqよりもGαqを活性化することが報告されており、この報告の内容は、本発明のTGFα切断アッセイで得られた結果を支持するものである。
以上の結果から、Gqファミリータンパク質やG12ファミリータンパク質を骨格とし、Gs、Gi、又はG12タンパク質が融合したGαキメラタンパク質を発現させたGq及びG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株を用いてTGFα切断アッセイを行うと、リガンドとその受容体との結合により活性化される4種類のGαファミリー(Gs、Gi、Gq、及びG12)タンパク質のシグナル伝達のうち、最も高いレベルで活性化されるものを明らかにすることや、上記4種類のGαファミリータンパク質間でシグナル伝達の活性化レベルを、相対的に評価できることが示された。
[比較例]
[結果5:Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックダウン細胞株を用いたTGFα切断アッセイ]
Gq及びG12ファミリー遺伝子をノックダウンした細胞株を用いてTGFα切断アッセイを行った場合にも同様に、リガンドとその受容体との結合により誘導されるGαのシグナル伝達の活性化を検出できるかどうかを検討した。
上記[siRNAによるGαタンパク質の発現抑制]の項目に記載の方法に従って、HEK293細胞を、GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13遺伝子のmRNAを標的とするsiRNAで処理した場合(図8の「GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13」の「■ siRNA」)、コントロールのsiRNAで処理した場合(図8の「GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13」の「□ Control」)と比べ、GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13遺伝子のmRNAの発現レベルは、すべて1/6以下まで低下しており、GNAQ及びGNA11、並びにGNA12及びGNA13遺伝子のmRNAを標的とするsiRNAが、HEK293細胞中に存在する標的遺伝子(Gqファミリー遺伝子やG12ファミリー遺伝子)をノックダウンできるものであることが確認された。
次に、上記[siRNAによるGαタンパク質の発現抑制]の項目に記載の方法に従って、
Gqファミリー遺伝子をノックダウンした細胞(GNAQ/11 siRNA)株や、G12ファミリー遺伝子をノックダウンした細胞(GNA12/13 siRNA)株や、Gq及びG12ファミリー遺伝子をノックダウンした細胞(GNAQ/11/12/13 siRNA)株を作製し、これら細胞株を用い、上記[TGFα切断アッセイ]の項目に記載の方法に従ってTGFα切断アッセイ行った。その結果を図9に示す。
TP(GqとG12の両方の共役型受容体)受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、U−46619(TP受容体のリガンド)で刺激した場合、APの活性化レベルは検出されなかった(図9B[図5Eの結果と同一])のに対して、TP受容体発現Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックダウン細胞(GNAQ/11/12/13 siRNA)株を、U−46619で刺激した場合(図9Aの「◆ GNAQ/11/12/13 siRNA」)、APの活性化レベルは、TP受容体発現Gqファミリー遺伝子のノックダウン細胞(GNAQ/11 siRNA)株(図9Aの「● GNAQ/11 siRNA」)や、TP受容体発現G12ファミリー遺伝子のノックダウン細胞(GNA12/13 siRNA)株(図9Aの「◇ GNA12/13 siRNA」)を用いた場合と比べ、減少するものの、検出されていた。
また、EP1(GqとG12の両方の共役型受容体)受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を、プロスタグランジンE2(EP1受容体のリガンド)で刺激した場合、APの活性化は検出されなかった(図9D)のに対して、EP1受容体発現GNAQ/11/12/13 siRNA株を、プロスタグランジンE2で刺激した場合(図9Cの「◆ GNAQ/11/12/13 siRNA」)、APの活性化は、EP1受容体発現GNA12/13 siRNA株(図9Cの「◇ GNA12/13 siRNA」)を用いた場合と比べそのレベルは減少するものの、検出された上に、EP1受容体発現GNAQ/11 siRNA株(図9Cの「● GNAQ/11 siRNA」)を用いた場合と差が検出できなかった。
また、TP受容体発現GNAQ/11/12/13 siRNA株に、Gαqや3種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、及びGαq/12)をさらに発現させ、U−46619で刺激した場合(図10Aの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、及び「Gαq/12」)、APの活性化レベルが増加したものの、コントロール(図10Aの「○ No Gα」)との差は、EP1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株を用いた場合と比べ小さかった(図10C[図7Aの結果と同一])。
また、FP受容体発現GNAQ/11/12/13 siRNA株に、Gαqや4種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、Gαq/i1、Gαq/12、及びGαq/13)をさらに発現させ、プロスタグランジンF2α(FP受容体のリガンド)で刺激した場合(図10Bの「Gαq」や、「Gαq/s」、「Gαq/i」、「Gαq/12」、及び「Gαq/13」)、Gαqや2種類のGαキメラタンパク質(Gαq/s、及びGαq/13)をさらに発現させたときは、APの活性化レベルが増加したものの、コントロール(図10Bの「○ No Gα」)との差は、EP1受容体発現ΔGNAQ/11/12/13株(図10D[図7Cの結果と同一])を用いた場合と比べ、小さかった上に、2種類のGαキメラタンパク質(αq/i1、及びGαq/12)をさらに発現させたときは、コントロールとの差を十分に検出することができなかった。
以上の結果は、Gq及びG12ファミリー遺伝子のノックダウン細胞株を用いたTGFα切断アッセイは、リガンドとその受容体との結合により誘導されるGαのシグナル伝達の活性化を感度よく検出できるものではないことを示すとともに、GqやG12ファミリー遺伝子のノックアウト細胞株を用いた本発明のTGFα切断アッセイは、感度及び特異性に優れた方法であることを示している。
本発明は、リガンドとそのGPCRにより誘導される、多数のGαのシグナル伝達活性化を簡便かつ高感度かつ特異的かつ定量的に検出できるため、個々のGαのシグナル伝達活性化を特異的に活性化できるGPCRの標的薬(バイアストアゴニスト[biased agonist])のスクリーニングに有用である。個々のGαのシグナル伝達活性化を特異的に活性化できるGPCRの標的薬(バイアストアゴニスト)は、内因性リガンドとそのGPCRにより誘導される複数の生理活性のうち、単一のものを特異的に阻害する可能性があるため、本発明によると、副作用の少ないGPCRの標的薬(バイアストアゴニスト)をより簡便にスクリーニングできることが期待される。同様に、個々のGαのシグナル伝達活性化を特異的に阻害できるGPCRの標的薬(アンタゴニスト)のスクリーニングにも有用である。個々のGαのシグナル伝達活性化を特異的に阻害できるGPCRの標的薬(アンタゴニスト)は、リガンドとそのGPCRにより誘導される複数の生理活性のうち、単一のものを特異的に阻害する可能性があるため、本発明によると、副作用の少ないGPCRの標的薬(アンタゴニスト)をより簡便にスクリーニングできることが期待される。また、本発明のうち、ΔGNAQ/11細胞株を用いることで、G12やG13のシグナル伝達活性化を高感度かつ特異的に検出できるため、G12やG13と共役するGPCRに対する標的薬を正確に評価することが可能となり、創薬の標的となるGPCRの対象が広がることに加え、GPCRの標的薬G12やG13のシグナル伝達経路を介した薬効や副作用を精度よく予測できることが期待される。

Claims (14)

  1. 以下の工程(a)〜(c)を備えたことを特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出する方法。
    (a)GNAQ及びGNA11遺伝子、又はGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞に、
    GPCR遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質と、
    膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質
    とを導入する工程;
    (b)工程(a)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養し、培養上清を採取する工程;
    (c)工程(b)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程;
  2. 以下の工程(A)〜(C)を備えたことを特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出する方法。
    (A)GNAQ及びGNA11遺伝子、並びにGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞に、
    GPCR遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質と、
    膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質と、
    以下の(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質
    とを導入する工程;
    (B)工程(A)で導入処理した哺乳動物細胞を被検物質の存在下で培養し、培養上清を採取する工程;
    (C)工程(B)で採取した培養上清中における標識物質の有無を検出する工程;
    (p−1)以下の[Gqファミリー遺伝子群]及び[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチド;
    (p−2)以下の[Gqファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[G12ファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (p−3)以下の[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[Gqファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Gqファミリー遺伝子群]
    (GNAQ−1)配列番号50で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAQ−2)配列番号50で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAQ−3)配列番号50で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA11−1)配列番号51で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA11−2)配列番号51で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA11−3)配列番号51で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA14−1)配列番号52で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA14−2)配列番号52で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA14−3)配列番号52で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA15−1)配列番号53で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA15−2)配列番号53で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA15−3)配列番号53で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [G12ファミリー遺伝子群]
    (GNA12−1)配列番号54で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA12−2)配列番号54で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA12−3)配列番号54で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA13−1)配列番号55で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA13−2)配列番号55で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA13−3)配列番号55で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Gsファミリー遺伝子群]
    (GNAS−1)配列番号118で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAS−2)配列番号118で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAS−3)配列番号118で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAL−1)配列番号119で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAL−2)配列番号119で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAL−3)配列番号119で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Giファミリー遺伝子群]
    (GNAI1−1)配列番号120で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI1−2)配列番号120で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI1−3)配列番号120で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI2−1)配列番号121で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI2−2)配列番号121で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI2−3)配列番号121で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI3−1)配列番号122で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI3−2)配列番号122で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI3−3)配列番号122で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAO1−1)配列番号123で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAO1−2)配列番号123で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAO1−3)配列番号123で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAZ−1)配列番号124で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAZ−2)配列番号124で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAZ−3)配列番号124で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT1−1)配列番号125で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT1−2)配列番号125で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT1−3)配列番号125で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT2−1)配列番号126で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT2−2)配列番号126で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT2−3)配列番号126で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT3−1)配列番号127で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT3−2)配列番号127で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT3−3)配列番号127で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
  3. キメラタンパク質のアミノ末端ドメインが、(GNAQ−1)〜(GNAQ−3)のいずれかのポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. キメラタンパク質が、以下の(q−1)〜(q−3)のいずれかのタンパク質から選択されることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
    (q−1)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列がコードするタンパク質;
    (q−2)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
    (q−3)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
  5. 標識物質がアルカリホスファターゼであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 哺乳動物細胞がヒト細胞であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 膜結合型TGFα遺伝子が、以下の(r−1)〜(r−3)のいずれかのポリヌクレオチドから選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
    (r−1)配列番号117で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (r−2)配列番号117で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (r−3)配列番号117で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
  8. GNAQ及びGNA11遺伝子、又はGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、
    膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質
    とを備えること特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出するためのキット。
  9. GNAQ及びGNA11遺伝子、並びにGNA12及びGNA13遺伝子をノックアウトした哺乳動物細胞と、
    膜結合型TGFαのアミノ末端に標識物質が結合した標識物質結合膜結合型TGFα遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質と、以下の(p−1)〜(p−3)のいずれかのポリヌクレオチドからなる遺伝子又は該遺伝子がコードするタンパク質
    とを備えること特徴とする、被検物質とGタンパク質共役型受容体(GPCR)との結合により誘導されるシグナル伝達活性化を検出するためのキット。
    (p−1)以下の[Gqファミリー遺伝子群]及び[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチド;
    (p−2)以下の[Gqファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[G12ファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (p−3)以下の[G12ファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインと、以下の[Gqファミリー遺伝子群]、[Gsファミリー遺伝子群]、及び[Giファミリー遺伝子群]から選択されるポリヌクレオチドがコードするタンパク質のカルボキシル末端ドメインとのキメラタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Gqファミリー遺伝子群]
    (GNAQ−1)配列番号50で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAQ−2)配列番号50で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAQ−3)配列番号50で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA11−1)配列番号51で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA11−2)配列番号51で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA11−3)配列番号51で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA14−1)配列番号52で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA14−2)配列番号52で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA14−3)配列番号52で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA15−1)配列番号53で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA15−2)配列番号53で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA15−3)配列番号53で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [G12ファミリー遺伝子群]
    (GNA12−1)配列番号54で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA12−2)配列番号54で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA12−3)配列番号54で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA13−1)配列番号55で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNA13−2)配列番号55で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNA13−3)配列番号55で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Gsファミリー遺伝子群]
    (GNAS−1)配列番号118で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAS−2)配列番号118で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAS−3)配列番号118で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAL−1)配列番号119で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAL−2)配列番号119で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAL−3)配列番号119で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGs共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    [Giファミリー遺伝子群]
    (GNAI1−1)配列番号120で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI1−2)配列番号120で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI1−3)配列番号120で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI2−1)配列番号121で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI2−2)配列番号121で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI2−3)配列番号121で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI3−1)配列番号122で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAI3−2)配列番号122で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAI3−3)配列番号122で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAO1−1)配列番号123で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAO1−2)配列番号123で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAO1−3)配列番号123で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAZ−1)配列番号124で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAZ−2)配列番号124で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAZ−3)配列番号124で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT1−1)配列番号125で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT1−2)配列番号125で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT1−3)配列番号125で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT2−1)配列番号126で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT2−2)配列番号126で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT2−3)配列番号126で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT3−1)配列番号127で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (GNAT3−2)配列番号127で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (GNAT3−3)配列番号127で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつGi共役型受容体と共役できるタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
  10. キメラタンパク質のアミノ末端ドメインが、(GNAQ−1)〜(GNAQ−3)のいずれかのポリヌクレオチドがコードするタンパク質のアミノ末端ドメインであることを特徴とする請求項9に記載のキット。
  11. キメラタンパク質が、以下の(q−1)〜(q−3)のいずれかのタンパク質から選択されることを特徴とする請求項9又は10に記載のキット。
    (q−1)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列がコードするタンパク質;
    (q−2)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
    (q−3)配列番号95、97、103、又は104で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列がコードするタンパク質からなり、かつGPCRとTACEとのシグナル伝達活性を有するタンパク質;
  12. 標識物質がアルカリホスファターゼであることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のキット。
  13. 哺乳動物細胞がヒト細胞であることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のキット。
  14. 膜結合型TGFα遺伝子が、以下の(r−1)〜(r−3)のいずれかのポリヌクレオチドから選択されることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のキット。
    (r−1)配列番号117で示されるヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
    (r−2)配列番号117で示されるヌクレオチド配列において、1若しくは数個のヌクレオチドが欠失、置換及び/又は付加されたヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
    (r−3)配列番号117で示されるヌクレオチド配列と少なくとも80%以上の同一性を有するヌクレオチド配列からなり、かつTACEによる切断部位と膜結合活性を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
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