JP2017163914A - 細胞分取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い成功率で、より高速に目的細胞を分取できる細胞分取装置を提供する。
【解決手段】基板12に形成され、目的細胞を含む細胞列を含有する液体が流通し、目的細胞を細胞列から分離する細胞分離領域を流れ方向の途中に備えた主流路14と、細胞分離領域の下流で主流路から分岐して基板に形成され、目的細胞が主流路から押し出される選別流路16と、細胞分離領域で主流路と交差して基板に形成され、目的細胞を細胞列から分離して選別流路へ押し出す分離用液体が流通する副流路18と、副流路の一端および他端にそれぞれ設けられ、副流路内に分離用液体の液流を発生させる一対の液流発生部材22と、一対の液流発生部材を作動させる駆動制御部材23とを備え、駆動制御部材は、分離用液体が、副流路の一端から他端に向かう第1の向きの液流と、第1の向きとは逆の第2の向きの液流とを形成するように、一対の液流発生部材を連動して作動させることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞分取装置に関する。
細胞材料は、他の材料と異なり、細胞ごとの個体差が大きいため、細胞生物学および細胞工学において、その個体差を理解し、操作・選別することの重要性が高まっている。
ガラス等の基板にマイクロ流路を設けたマイクロチップを用い、目的の細胞を含む液体をマイクロ流路に流し、細胞の特性に応じて流路を変えて分取する技術が知られている。例えば、特許文献1には、測定導管と連通したサイド通路および分岐導管を設けた粒子選別システムが記載されている。特許文献1では、サイド通路に設けたアクチュエータを作動させて液体の流れを偏向させ、選択された対象となる粒子(細胞)を分岐導管に流入させて選別している。
特開2008−122396号公報
分取した細胞のうち、目的の細胞が含まれる割合(ソーティングの成功率)をより高めるとともに、目的の細胞をより高速に分取することが求められている。
そこで本発明は、より高い成功率で、より高速に目的細胞を分取することが可能な細胞分取装置を提供することを目的とする。
本発明に係る細胞分取装置は、基板と、前記基板に形成され、目的細胞を含む細胞列を含有する液体が流通し、前記目的細胞を前記細胞列から分離する細胞分離領域を流れ方向の途中に備えた主流路と、前記細胞分離領域の下流で前記主流路から分岐して前記基板に形成され、前記目的細胞が前記主流路から押し出される選別流路と、前記細胞分離領域において前記主流路と交差して前記基板に形成され、前記目的細胞を前記細胞列から分離して前記選別流路へ押し出す分離用液体が流通する副流路と、前記副流路の一端および他端にそれぞれ設けられ、前記副流路内に前記分離用液体の液流を発生させる一対の液流発生部材と、前記一対の液流発生部材を作動させる駆動制御部材とを備え、前記駆動制御部材は、前記分離用液体が、前記副流路の前記一端から前記他端に向かう第1の向きの液流と、前記第1の向きとは逆の第2の向きの液流とを形成するように、前記一対の液流発生部材を連動して作動させることを特徴とする。
本発明によれば、細胞分取装置は、目的細胞を含んだ液体が流れる主流路と交差して、分離用液体が流通する副流路を有している。分離用液体は、副流路内部を両方向に流通することができるので、目的細胞を効率よく分離することができる。
副流路内における分離用液体の液流は、副流路の両端に設けられた一対の液流発生部材によって発生する。一対の液流発生部材は連動して作動することから、より高速に目的細胞を分離することができる。目的細胞を分離する際、分離用液体の液流は、主流路を流通する液体の流れを過度に乱すことはない。
このように、主流路と交差する副流路の両端に、連動して作動する一対の液流発生部材を設けて、分離用液体の液流を両方向に発生させることによって、より高い成功率で、より高速に目的細胞を分取することができる。
実施形態に係る細胞分取装置の構成を説明する斜視図である。 実施形態に係る細胞分取装置における基板の構成を説明する分解斜視図である。 細胞分取装置内での非目的細胞の流れを説明する模式図である。 細胞分取装置内での目的細胞の流れの一例を説明する模式図である。 細胞分取装置内での目的細胞の流れの他の例を説明する模式図である。 空間分解能(SR)を説明する模式図である。 副流路内部での分離用液体の液流を説明する模式図であり、図7Aは第1の向きの液流、図7Bは第2の向きの液流を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
(全体構成)
図1に示す細胞分取装置10は、内部に流路が形成された基板12と、基板12上に配置された一対の液流発生部材22と、一対の液流発生部材22に接続された駆動制御部材23とを備えている。基板12は、図2に示すように、流路層34と、流路層34の下面に設けられた支持層36と、流路層34の上面を覆う変形可能な被覆層38とから構成される。基板12の厚さは、例えば0.3〜2mm程度とすることができる。
本実施形態においては、流路層34はシリコン製である。流路層34には、目的細胞を含む細胞列を含有する液体(図示せず)が流通する主流路14が形成されている。主流路14の幅は、液体に含まれる細胞の大きさに応じて適宜設定することができる。例えば、細胞の大きさが50〜100μm程度の場合には、主流路14の幅は50〜500μm程度とすることができる。この場合、目的細胞を含む細胞列を含有する液体は、0.01〜10m/sec程度の流速で主流路14内を流通することができる。主流路14内を流通する液体の流速は、例えば図示しないシリンジポンプ、ロータリーポンプ、遠心ポンプ、あるいは空気圧ポンプ等によって制御することができる。
主流路14は、目的細胞を含む液体が注入されるサンプル注入口24を、上流端部に有している。主流路14の下流端部には、非目的細胞を回収する廃棄ポート32が設けられている。本実施形態においては、サンプル注入口24および廃棄ポート32は、直径1.5mm程度の略円形の開孔である。また、主流路14は、目的細胞を細胞列から分離するための細胞分離領域(図示せず)を流れ方向の途中に有している。
流路層34には、細胞分離領域で主流路14と交差するように、副流路18が形成されている。副流路18内には、目的細胞を細胞列から分離するための分離用液体(以下、緩衝液とも称する)が流通する。
副流路18の一端および他端には、第1の液溜り20aおよび第2の液溜り20bがそれぞれ設けられている。本実施形態においては、後述するように第1,第2の液溜り20a,20bの上方に一対の液流発生部材22が配置される。第1,第2の液溜り20a,20bの大きさや形状は、一対の液流発生部材22の作用が十分に伝達するように、液流発生部材の大きさや形状に応じて適切に設定することが望まれる。
第1の液溜り20aと第2の液溜り20bとの間の距離は、短いほど好ましい。例えば、主流路14の幅が100〜200μm程度で、副流路18の幅が50〜200μm程度の場合には、第1の液溜り20aと第2の液溜り20bとの間の距離は、0.1〜10mm程度とすることができる。
細胞分離領域の下流では、選別流路16が主流路14から分岐している。選別流路16には、細胞分離領域で細胞列から分離された目的細胞が押し出される。選別流路16の幅は、目的細胞の大きさに応じて適宜選択することができる。細胞分離領域から選別流路16までの距離もまた、目的細胞の大きさ等に応じて適宜選択することができる。本実施形態においては、選別流路16は、2つの分岐流路(第1の分岐流路16aと第2の分岐流路16b)から構成される。第1,第2の分岐流路16a.16bは、主流路14の両側に対称に設けられ、下流で合流している。
第1,第2の分岐流路16a,16bが合流した選別流路16の下流端部には、目的細胞を回収する分取ポート30が設けられている。本実施形態においては、分取ポート30は、直径1.5mm程度の略円形の開孔である。
流路層34には、シース液注入口26、シース液流路27、緩衝液注入口28、および緩衝液流路29がさらに設けられている。本実施形態においては、シース液注入口26および緩衝液注入口28は、直径1.5mm程度の略円形の開孔である。シース液は、シース液流路27を介して主流路14に供給され、細胞を包み込んで搬送する。シース液が供給されることにより、液体中の細胞が流れ方向に沿って整列して細胞列が形成される。緩衝液は、緩衝液流路29を介して副流路18の両端の第1,第2の液溜り20a,20bに供給される。緩衝液は、目的細胞を分離するための分離用液体として、第1の液溜り20aと第2の液溜り20bとの間の副流路18の内部を流通する。
シース液および緩衝液としては、主流路14を流通する液体と同様の液体を用いることができる。目的細胞に悪影響を及ぼさなければ、主流路14を流通する液体とは異なる液体を、シース液および緩衝液として用いてもよい。
上述したような流路(主流路14、副流路18、選別流路16)、注入口(サンプル注入口24、シース液注入口26、緩衝液注入口28)、ポート(分取ポート30、廃棄ポート32)が形成できれば、流路層34の厚さは特に限定されない。流路層34の厚さは、例えば0.1〜0.5mm程度とすることができる。
被覆層38は、弾性変形可能であることが好ましい。本実施形態においては、被覆層38はホウケイ酸ガラス製である。被覆層38には、流路層34と積層された際に一致するように、サンプル注入口24、シース液注入口26、緩衝液注入口28、分取ポート30、および廃棄ポート32が設けられている。これによって、基板12の被覆層38側から、サンプル、シース液、緩衝液をそれぞれの注入口(サンプル注入口24、シース液注入口26、緩衝液注入口28)に注入することができる。分取ポート30内に回収された目的細胞は、被覆層38側から採取することができる。
被覆層38は、強度および弾性が維持できる範囲で、可能な限り薄いことが好ましい。被覆層38の厚さは、例えば0.1〜1mm程度とすることができる。
支持層36は、平坦な表面を有する板状部材であり、特に加工は施されていない。本実施形態においては、支持層36は、ホウケイ酸ガラス製である。支持層36は、流路層34および被覆層38を支持可能であれば、任意の厚さで形成することができる。
一対の液流発生部材22は、第1の液溜り20a上で基板12表面に設けられた第1の液流発生部材22aと、第2の液溜り20b上で基板12表面に設けられた第2の液流発生部材22bとから構成される。一対の液流発生部材22は、駆動制御部材23(図1参照)からの駆動信号により連動して作動する。これによって、第1の液溜り20aから第2の液溜り20bに向かう第1の向きの液流と、第2の液溜り20bから第1の液溜り20aに向かう第2の向きの液流とを、副流路18の内部に発生させる。
本実施形態においては、第1の液流発生部材22a,第2の液流発生部材22bとしては、圧電素子を用いる。具体的には、圧電素子としては、(株)日本セラテック製の圧電アクチュエータ(型番:PAC166J)を用いる。第1の液流発生部材22a,第2の液流発生部材22bのそれぞれには、図示しない高電圧電源から駆動信号が送られる。高電圧電源としては、(株)エヌエフ回路設計ブロック製の(型番:HAS−4014)を用いる。
一対の高電圧電源には、駆動制御部材23から制御信号が送られる。本実施形態においては、駆動制御部材23としては、(株)エヌエフ回路設計ブロック製のファンクションジェネレータ(型番:WF1968)を用いる。
(作用および効果)
上記のように構成された細胞分取装置10においては、目的細胞を含む細胞列を含有する液体が主流路14内部を流通する。細胞列には、目的細胞とともに非目的細胞も含まれている。図3に示すように、液体40中の細胞列に含まれる細胞のうちの非目的細胞42は、主流路14の下流に搬送されて廃棄ポート32(図1参照)に回収される。
液体40に含まれる細胞列の中に目的細胞42aが認識された場合には、例えば図4に示すように、副流路18の一端側18aから他端側18bに向かう第1の向きで、分離用液体の液流(図示せず)が発生する。
図1に示したように、副流路18の一端および他端には、第1,第2の液流発生部材22a,22bが設けられている。細胞列の中に目的細胞42aが認識された際には、駆動制御部材23からの信号を受けて、一端側18aの第1の液流発生部材22aが、第1の液溜り20a内の分離用液体の一部を、第2の液溜り20bに向けて押し込むように作用する。これと連動して、他端側18bの第2の液流発生部材22bが、第1の液溜り20a内の分離用液体の一部を、第2の液溜り20bに向けて引き出すように作用する。第1の液溜り20a内の分離用液体の一部は、副流路18内に押し込まれ、さらに第2の液溜り20b側に引っ張られることになる。
このようにして、副流路18の一端側18aから他端側18bに向かう分離用液体の液流が発生し、主流路14を流通する液体40を横切る。その結果、目的細胞42aは、主流路14と副流路18とが交差する細胞分離領域13で細胞列から逸れて、第2の分岐流路16bに押し出される。第2の分岐流路16bに押し出された目的細胞42aは、分取ポート30(図1参照)に回収される。
あるいは、図5に示すように第1の向きとは逆の第2の向きで、副流路18の他端18bから一端18aに向けて分離用液体の液流(図示せず)が発生する。この場合には、駆動制御部材23からの信号を受けて、他端側18bの第2の液流発生部材22bが、第2の液溜り20b内の分離用液体の一部を、第1の液溜り20aに向けて押し込むように作用する。これと連動して、一端側18aの第1の液流発生部材22aが、第2の液溜り20b内の分離用液体の一部を、第1の液溜り20aに向けて引き出すように作用する。第2の液溜り20b内の分離用液体は、副流離18内に押し込まれ、さらに第1の液溜り20a側に引っ張られることになる。
このようにして、副流路18の他端側18bから一端側18aに向かう分離用液体の液流が発生し、主流路14を流通する液体40を横切る。その結果、目的細胞42aは、細胞分離領域13で細胞列から逸れて、第1の分岐流路16aに押し出される。第1の分岐流路16aに押し出された目的細胞42aもまた、分取ポート30(図1参照)に回収される。
細胞分取装置10においては、分取ポート30に回収された複数の細胞の全てが目的細胞42aであって、非目的細胞42は廃棄ポート32に回収されることが理想的である。目的細胞42aを細胞列から分離する確率が高ければ、分取した複数の細胞における目的細胞42aの割合は高められる。隣接する非目的細胞42と目的細胞42aとを分離するには、これらの2つの細胞の間に所定の間隔が必要とされる。ここで、非目的細胞42と目的細胞42aとを分離できる最短の距離を、空間分解能SRとして図6に示す。空間分解能SRの距離が短いほど、複数の細胞が近接して並んだ状態で目的細胞42aを分離することができる。したがって、目的細胞42aの分取のスループットが向上する。
上述したように、副流路18内部における分離用液体の液流は、副流路18の両端の第1,第2の液溜り20a,20bにおいて、分離用液体の押し込みと引き出しとが連動して行なわれることによって発生する。副流路18で分離用液体の押し込みとともに引き出しが行なわれているので、分離用液体の液流が主流路14を横切る際、主流路14内を流通する液体40に圧力が伝播する範囲は制限される。分離用液体の液流によって主流路14内を流通する液体40の流れに影響が及ぶのは、主流路14と副流路18とが交差する領域およびその近傍となる。
このような分離用液体の液流が用いられるので、細胞分離領域13の上流側および下流側の他の細胞に干渉することなく、目的細胞42aを細胞列から分離することができる。その結果、目的細胞42aを非目的細胞42から分離できる最短の距離は短くなり、空間分解能SRの向上につながる。
なお、一対の液流発生部材22を制御することによって、副流路18内に押し込まれる分離用液体の量と、副流路18から引き出される分離用液体の量とを等しくすることができる。この場合には、細胞分離領域13に流入する分離用液体の量と、細胞分離領域13から流出する分離用液体の量とが等しくなる。これによって、主流路14内を流通する液体の流れに影響を及ぼす領域を、実質的に主流路14と副流路18とが交差する領域のみに制限することが可能となる。
しかも、主流路14と交差する副流路18の内部には、一端18aから他端18bに向かう第1の方向と、他端18bから一端18aに向かう第2の方向との2方向の液流を発生させることができる。目的細胞42aが認識されると、分離用液体の液流がいずれかの方向で主流路14を横切り、これによって、細胞列中の目的細胞42aが2つの分岐流路16a,16bのいずれかに導かれる。目的細胞42aが認識されない場合には、分離用液体の液流が主流路14を横切らないので、細胞列中の非目的細胞42は主流路14の下流に搬送される。
例えば、細胞列の中に目的細胞42aが2つ以上連続して認識された場合には、目的細胞42aが認識される毎に、副流路18の内部の分離用液体の液流の向きを変化させる。目的細胞42aは、2つの分岐流路16a,16bのいずれかに導かれるので、確実に分取ポート30に回収することができる。その結果、より高い成功率で目的細胞42aを分取することが可能となる。
液流発生部材22a,22bとして圧電素子を用いることによって、副流路18内部に、応答性よく分離用液体の液流を発生させることができる。上述したとおり、細胞分取装置10においては、目的細胞42aが認識されると、駆動制御部材23は、一対の液流発生部材22を連動して作動させる。
例えば、図7Aに示すように、第1の液流発生部材(圧電素子)22aに電圧が印加されると、第1の液溜り20a上の被覆層38が下向きに押し付けられて凹状となる。図面には示されていないが、第2の液流発生部材(圧電素子)22bには、予め電圧を印加して、第2の液溜り20b上の被覆層38を下向きに押し付けて凹状としておく。第1の液流発生部材22aへの電圧印加と連動して、第2の液流発生部材22bへの電圧印加が解除される。凹状となっていた第2の液溜り20b上の被覆層38は、弾性により形状が復元する。
この瞬間、第1の液溜り20aから副流路18内に分離用液体が押し込まれるとともに、分離用液体を副流路18から第2の液溜り20bに引き出す力が作用する。副流路18の内部には、一端から他端に向かう第1の向きで分離用液体の液流が10〜500μs程度発生する。副流路18の内部に第1の向きで分離用液体の液流が発生することによって、図4に示したように、主流路14内を流通する液体40中の目的細胞42aは、第2の分岐流路16bに押し出される。
液流発生部材22a,22bとして圧電素子を用いているので、目的細胞42aの認識から1μs程度以内で、副流路18内部に分離用液体の液流を発生させることができる。分離用液体の液流は、0.01〜10m/s程度の流速を有する。
次の目的細胞42aが認識されるまでは、液流発生部材22a,22bには駆動制御部材23からの信号が送られないので、そのまま待機状態となる。引き続き、目的細胞42a(図示せず)が認識されると、図7Bに示すように第1の液流発生部材22aへの電圧印加が解除され、これと連動して第2の液流発生部材22bに電圧が印加される。第1の液溜り20a上では、弾性により被覆層38の形状が復元し、第2の液溜り20b上の被覆層38は下向きに押し付けられて凹状となる。
この瞬間、第2の液溜り20bから副流路18内に分離用液体が押し込まれるとともに、分離用液体を副流路18から第1の液溜り20aに引き出す力が作用する。副流路18の内部には、第1の向きとは逆の第2の向きで分離用液体の液流が10〜500μs程度発生する。副流路18の内部に第2の向きで分離用液体の液流が発生することによって、図5に示したように、主流路14内を流通する液体40中の目的細胞42aは、第1の分岐流路16aに押し出される。
再度、目的細胞42aが認識された場合には、図7Aを参照して説明したように、副流路18内部に分離用液体の液流が第1の向きで発生して、目的細胞42aは第2の分岐流路16bに押し出される。
液流発生部材22a,22bとしての圧電素子を、副流路18の両端の液溜り20a,20b上の基板12の表面に設けたことによって、副流路18内部に高い応答性で分離用液体の液流を発生させることが可能となった。
上述したように、本実施形態においては、副流路18の一端から他端に向かう第1の向きの液流と、第1の向きとは逆の第2の向きの液流が形成されるように、一対の液流発生部材22を連動して作動させることによって、より高い成功率で、より高速に目的細胞42aを分取することが可能となった。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で適宜変更することが可能である。
上記実施形態においては、基板12における被覆層38の材料としてホウケイ酸ガラスを用いたが、弾性を有する他の材料に変更することができる。被覆層38の材料は、例えば、青板ガラス、白板ガラス、無アルカリガラス、合成石英ガラス、およびアルミナホウ酸ガラスから選択される他のガラスを用いることもできる。また、水晶、石英、シリコン、シリコンカーバイド、サファイア、またはガリウムナイトライドを、被覆層38として用いてもよい。さらには、圧電材料、樹脂、または金属によって被覆層38を形成することもできる。圧電材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛およびニオブ酸リチウム等の人工セラミックスが挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニルが挙げられる。金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、真鍮、チタン、およびその他合金が挙げられる。これらの材料は、支持層36として用いることもできる。
基板12における流路層34の材料としてシリコンを用いたが、所定の流路等をパターニングできれば、他の材料に変更することができる。流路層34の材料は、例えば、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料やポリジメチルシロキサン、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂材料、および薄膜金属材料から選択することができる。
流路層34に設けられて選別流路16を構成する2つの分岐流路16a,16bは、必ずしも下流で合流していなくてもよい。この場合には、第1の分岐流路16aおよび第2の分岐流路16bのそれぞれの下流端部に、分取ポート30を設けて目的細胞42aを回収することができる。
各流路(主流路14、副流路18、選別流路16)の幅、各流入口(サンプル注入口24、シース液注入口26、緩衝液注入口28)および各ポート(分取ポート30、廃棄ポート32)の大きさや形状は、目的細胞の大きさや種類、細胞分取装置全体の大きさ等を考慮して、適宜設定することができる。
また、上記実施形態においては、第1,第2の液流発生部材22a,22bとして、圧電アクチュエータを用いたが、これに限定されない。連動して駆動することで副流路18内に液流を発生する任意の部材を、第1,第2の液流発生部材22a,22bとして用いて、副流路18の両端に配置することができる。液流発生部材22a,22bは、例えば電磁アクチュエータ、静電アクチュエータ、熱アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、超音波アクチュエータから選択される他のタイプのアクチュエータを用いることができる。さらには、シリンジポンプを第1,第2の液流発生部材22a,22bとして用いてもよい。
一対の液流発生部材22を作動させる駆動制御部材23は、液流発生部材22a,22bに応じて適宜選択することができる。
分離用液体の押し込みと引き出しは、必ずしも完全に一致して行なわれる必要はなく、それぞれの開始のタイミングに1〜100μs程度の差があってもよい。液流発生部材によっては、例えば、分離用液体の押し込みに先立って、分離用液体の引き出しを行なうことができる。
分離用液体の液流が2方向に流通する副流路18が主流路14と交差して設けられるとともに、連動して作動する一対の液流発生部材22が副流路18の両端に配置されていれば、本発明の効果が得られる。
10 細胞分取装置
12 基板
14 主流路
16a,16b 選別流路
18 副流路
22a,22b 液流発生部材
23 駆動制御部材

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板に形成され、目的細胞を含む細胞列を含有する液体が流通し、前記目的細胞を前記細胞列から分離する細胞分離領域を流れ方向の途中に備えた主流路と、
    前記細胞分離領域の下流で前記主流路から分岐して前記基板に形成され、前記目的細胞が前記主流路から押し出される選別流路と、
    前記細胞分離領域において前記主流路と交差して前記基板に形成され、前記目的細胞を前記細胞列から分離して前記選別流路へ押し出す分離用液体が流通する副流路と、
    前記副流路の一端および他端にそれぞれ設けられ、前記副流路内に前記分離用液体の液流を発生させる一対の液流発生部材と、
    前記一対の液流発生部材を作動させる駆動制御部材と
    を備え、
    前記駆動制御部材は、前記分離用液体が、前記副流路の前記一端から前記他端に向かう第1の向きの液流と、前記第1の向きとは逆の第2の向きの液流とを形成するように、前記一対の液流発生部材を連動して作動させる
    ことを特徴とする細胞分取装置。
  2. 前記選別流路は、前記主流路の両側に分岐した2つの分岐流路を含むことを特徴とする請求項1記載の細胞分取装置。
  3. 前記2つの分岐流路は、前記主流路に対して対称に設けられていることを特徴とする請求項2記載の細胞分取装置。
  4. 前記2つの分岐流路は、下流で合流していることを特徴とする請求項2または3記載の細胞分取装置。
  5. 前記基板は、前記主流路、前記選別流路、および前記副流路を有する流路層と、前記流路層の上面を覆って設けられた変形可能な被覆層とを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の細胞分取装置。
  6. 前記一対の液流発生部材のそれぞれは、前記被覆層の上に設けられた圧電素子であることを特徴とする請求項5記載の細胞分取装置。
  7. 前記被覆層はホウケイ酸ガラス製であることを特徴とする請求項5または6項記載の細胞分取装置。
  8. 前記駆動制御部材は、前記細胞分離領域に流入する前記分離用液体の量と、前記細胞分離領域から流出する前記分離用液体の量とが等しくなるように前記一対の液流発生部材を作動させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の細胞分取装置。
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