JP2017162567A - 加熱装置の製造方法、定着装置、画像形成装置及び加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じにくい加熱装置の製造方法等を提供する。
【解決手段】一方の表面に平坦部111と凹部112とを有する基板110の平坦部111上および凹部112に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、基板110の平坦部111上であって絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する抵抗発熱体を形成する発熱体形成工程と、基板110の凹部112であって絶縁層上に配置されるとともに抵抗発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子を実装する抵抗素子実装工程と、抵抗発熱体及び抵抗素子を覆うように設けられ、抵抗発熱体及び抵抗素子を保護する保護層を形成する保護層形成工程と、を含み、絶縁層形成工程は、平坦部111上に絶縁層を塗布するとともに、凹部112に凹部112から平坦部111に向け延伸する延伸部161を備えるように絶縁層を塗布する加熱装置の製造方法。
【選択図】図14
【解決手段】一方の表面に平坦部111と凹部112とを有する基板110の平坦部111上および凹部112に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、基板110の平坦部111上であって絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する抵抗発熱体を形成する発熱体形成工程と、基板110の凹部112であって絶縁層上に配置されるとともに抵抗発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子を実装する抵抗素子実装工程と、抵抗発熱体及び抵抗素子を覆うように設けられ、抵抗発熱体及び抵抗素子を保護する保護層を形成する保護層形成工程と、を含み、絶縁層形成工程は、平坦部111上に絶縁層を塗布するとともに、凹部112に凹部112から平坦部111に向け延伸する延伸部161を備えるように絶縁層を塗布する加熱装置の製造方法。
【選択図】図14
Description
本発明は、加熱装置の製造方法、定着装置、画像形成装置及び加熱装置に関する。
特許文献1には、長尺状の基部と、基部の表面側又は内部に、この基部に対して、電気的絶縁状態で形成された、通電発熱する複数の並列配線を有する抵抗発熱配線部及び少なくとも2つの給電用端子部であって、抵抗発熱配線部に電力を供給するために、抵抗発熱配線部を介して一方の端子部及び他方の端子部を電気的に接続する給電用電極部とを備え、抵抗発熱配線部は、抵抗値温度係数が500〜4,400ppm/℃の材料を含み、並列配線は、傾斜した矩形パターンを含むヒータが記載されている。
ベルトなどの被加熱部材に押し当てて被加熱部材を加熱する加熱部材を有し、加熱されたベルトと加圧部材との間に設けられたニップ部において記録部材にトナー像を定着する定着装置において、ヒータなどの発熱体とPTC(Positive Temperature Coefficient)素子などの正の温度係数を有する抵抗素子とを加熱装置の基板の一方の側に配置して、発熱体による過熱を抑制することが行われる。この際、基板としてステンレス鋼(SUS)等の導電性を有するものを使用した場合、発熱体等と基板とが短絡するおそれがあるため発熱体等と基板との間に絶縁層を設け、短絡の抑制を図っている。
しかしながら加熱装置の製造工程において絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じることがある。絶縁層が形成されない箇所が生じると発熱体等と基板とが短絡するおそれがある。
本発明は、絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じにくい加熱装置の製造方法等を提供することを目的とする。
しかしながら加熱装置の製造工程において絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じることがある。絶縁層が形成されない箇所が生じると発熱体等と基板とが短絡するおそれがある。
本発明は、絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じにくい加熱装置の製造方法等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板の当該平坦部上および当該凹部に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記基板の前記平坦部上であって前記絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体を形成する発熱体形成工程と、前記基板の前記凹部であって前記絶縁層上に配置されるとともに前記発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子を実装する抵抗素子実装工程と、前記発熱体及び前記抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層を形成する保護層形成工程と、を含み、前記絶縁層形成工程は、前記平坦部上に絶縁層を塗布するとともに、前記凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように絶縁層を塗布する加熱装置の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記絶縁層形成工程は、前記平坦部上に第1の絶縁層を塗布する第1の絶縁層塗布工程と、前記凹部に第2の絶縁層を塗布する第2の絶縁層塗布工程と、前記第1の絶縁層上に第3の絶縁層を塗布する第3の絶縁層塗布工程と、前記第2の絶縁層上に第4の絶縁層を塗布する第4の絶縁層塗布工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記第2の絶縁層塗布工程は、前記第1の絶縁層塗布工程の後に行ない、前記第4の絶縁層塗布工程は、前記第3の絶縁層塗布工程の後に行なうことを特徴とする請求項2に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記第1の絶縁層塗布工程および/または前記第3の絶縁層塗布工程を行なった後に、前記第1の絶縁層および/または前記第3の絶縁層の塗布範囲を検査する塗布範囲検査工程をさらに備え、前記第2の絶縁層塗布工程で塗布する前記第2の絶縁層および前記第4の絶縁層塗布工程で塗布する前記第4の絶縁層は、前記塗布範囲検査工程で検査された塗布範囲外の領域に塗布することを特徴とする請求項3に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記第1の絶縁層塗布工程および前記第3の絶縁層塗布工程は、塗布液をスクリーン印刷により塗布することにより行ない、前記第2の絶縁層塗布工程および前記第4の絶縁層塗布工程は、塗布液をライン状またはスポット状に塗布することで行なうことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、前記加熱部材の前記一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、前記ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、を備える定着装置である。
請求項7に記載の発明は、記録媒体にトナー像を転写する転写部と、一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、当該加熱部材の当該一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、当該ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、を備え、当該ニップ部に挟まれた前記記録媒体に前記トナー像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、被加熱部材側の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、前記基板の前記平坦部上および前記凹部に設けられる絶縁層と、前記基板の前記平坦部上であって前記絶縁層上に設けられ、電流によって発熱して前記被加熱部材を加熱する発熱体と、前記基板の前記凹部であって前記絶縁層上に配置されるとともに、前記発熱体と電気的に直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、前記発熱体及び前記抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を備え、前記絶縁層は、前記平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に前記凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱装置である。
請求項2に記載の発明は、前記絶縁層形成工程は、前記平坦部上に第1の絶縁層を塗布する第1の絶縁層塗布工程と、前記凹部に第2の絶縁層を塗布する第2の絶縁層塗布工程と、前記第1の絶縁層上に第3の絶縁層を塗布する第3の絶縁層塗布工程と、前記第2の絶縁層上に第4の絶縁層を塗布する第4の絶縁層塗布工程と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記第2の絶縁層塗布工程は、前記第1の絶縁層塗布工程の後に行ない、前記第4の絶縁層塗布工程は、前記第3の絶縁層塗布工程の後に行なうことを特徴とする請求項2に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記第1の絶縁層塗布工程および/または前記第3の絶縁層塗布工程を行なった後に、前記第1の絶縁層および/または前記第3の絶縁層の塗布範囲を検査する塗布範囲検査工程をさらに備え、前記第2の絶縁層塗布工程で塗布する前記第2の絶縁層および前記第4の絶縁層塗布工程で塗布する前記第4の絶縁層は、前記塗布範囲検査工程で検査された塗布範囲外の領域に塗布することを特徴とする請求項3に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、前記第1の絶縁層塗布工程および前記第3の絶縁層塗布工程は、塗布液をスクリーン印刷により塗布することにより行ない、前記第2の絶縁層塗布工程および前記第4の絶縁層塗布工程は、塗布液をライン状またはスポット状に塗布することで行なうことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の加熱装置の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、前記加熱部材の前記一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、前記ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、を備える定着装置である。
請求項7に記載の発明は、記録媒体にトナー像を転写する転写部と、一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、当該加熱部材の当該一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、当該ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、を備え、当該ニップ部に挟まれた前記記録媒体に前記トナー像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、被加熱部材側の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、前記基板の前記平坦部上および前記凹部に設けられる絶縁層と、前記基板の前記平坦部上であって前記絶縁層上に設けられ、電流によって発熱して前記被加熱部材を加熱する発熱体と、前記基板の前記凹部であって前記絶縁層上に配置されるとともに、前記発熱体と電気的に直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、前記発熱体及び前記抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を備え、前記絶縁層は、前記平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に前記凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱装置である。
請求項1に係る発明によれば、絶縁層を形成する際に絶縁層が形成されない箇所が生じにくい加熱装置の製造方法が提供できる。
請求項2に係る発明によれば、絶縁層を形成する際に穴(ピンホール)が生じにくくなる。
請求項3に係る発明によれば、第2の塗布工程および/または第4の塗布工程での塗り残しが生じにくくなる。
請求項4に係る発明によれば、第1の塗布工程および/または第3の塗布工程で、基板の平坦部における塗布範囲がばらついても、第2の塗布工程および/または第4の塗布工程での塗り残しが生じにくくなる。
請求項5に係る発明によれば、平坦部においてより均一な厚さで絶縁層が形成できるとともに、凹部においても絶縁層を形成できる。
請求項6に係る発明によれば、より安定的な定着動作を行なうことができる定着装置が提供できる。
請求項7に係る発明によれば、画像欠陥が生じにくい画像形成装置が提供できる。
請求項8に係る発明によれば、電気的な短絡が生じにくい加熱装置が提供できる。
請求項2に係る発明によれば、絶縁層を形成する際に穴(ピンホール)が生じにくくなる。
請求項3に係る発明によれば、第2の塗布工程および/または第4の塗布工程での塗り残しが生じにくくなる。
請求項4に係る発明によれば、第1の塗布工程および/または第3の塗布工程で、基板の平坦部における塗布範囲がばらついても、第2の塗布工程および/または第4の塗布工程での塗り残しが生じにくくなる。
請求項5に係る発明によれば、平坦部においてより均一な厚さで絶縁層が形成できるとともに、凹部においても絶縁層を形成できる。
請求項6に係る発明によれば、より安定的な定着動作を行なうことができる定着装置が提供できる。
請求項7に係る発明によれば、画像欠陥が生じにくい画像形成装置が提供できる。
請求項8に係る発明によれば、電気的な短絡が生じにくい加熱装置が提供できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
<画像形成装置1>
図1は、画像形成装置1の概略断面図である。図示の画像形成装置1は、画像データに基づいて画像を印刷する電子写真式のカラープリンタである。
[第1の実施の形態]
<画像形成装置1>
図1は、画像形成装置1の概略断面図である。図示の画像形成装置1は、画像データに基づいて画像を印刷する電子写真式のカラープリンタである。
画像形成装置1は、本体ケース90の内部に、用紙P(記録媒体の一例)が収容された用紙収容部40と、用紙Pに画像を形成する画像形成部10と、用紙収容部40から画像形成部10を通って本体ケース90の用紙排出口96まで用紙Pを搬送する搬送部50とを備えている。また、画像形成装置1は、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部31と、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置(スキャナ)4等と通信を行って画像データを受信する通信部32と、通信部32にて受信された画像データに対して画像処理を施す画像処理部33とを備えている。
用紙収容部40は、用紙Pを収容する。
搬送部50は、用紙収容部40から、画像形成部10を通って用紙排出口96まで延びた用紙Pの搬送路51と、用紙Pを搬送路51に沿って搬送する搬送ローラ52とを備えている。搬送部50は、用紙Pを矢印C方向に搬送する。
搬送部50は、用紙収容部40から、画像形成部10を通って用紙排出口96まで延びた用紙Pの搬送路51と、用紙Pを搬送路51に沿って搬送する搬送ローラ52とを備えている。搬送部50は、用紙Pを矢印C方向に搬送する。
画像形成部10は、予め定められた間隔で配置された4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kを備えている。なお、以下、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kをそれぞれ区別しないときは、画像形成ユニット11と表記する。各画像形成ユニット11はそれぞれ、静電潜像を形成してトナー像を保持する感光体ドラム12、感光体ドラム12の表面を予め定めた電位で帯電する帯電器13、帯電器13によって帯電された感光体ドラム12を各色の画像データに基づき露光するLED(Light Emitting Diode)プリントヘッド14、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像を現像する現像器15、転写後の感光体ドラム12の表面を清掃するドラムクリーナ16を備えている。
4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、現像器15に収納されるトナーを除いて同様に構成され、イエロー(Y)のトナーを収容した現像器15を備えた画像形成ユニット11Yはイエローのトナー像を形成する。同様に、マゼンタ(M)のトナーを収容した現像器15を備えた画像形成ユニット11Mはマゼンタのトナー像を形成し、シアン(C)のトナーを収容した現像器15を備えた画像形成ユニット11Cはシアンのトナー像を形成し、黒(K)のトナーを収容した現像器15を備えた画像形成ユニット11Kは黒のトナー像を形成する。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色のトナー像が重畳されるように多重転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色のトナー像を中間転写ベルト20に順次静電転写(一次転写)する一次転写ロール21とを備えている。さらに、画像形成部10は、中間転写ベルト20の表面に各色のトナー像が重畳して転写された重畳トナー像を用紙Pに一括して静電転写(二次転写)する二次転写部Tの二次転写ロール22と、用紙Pに二次転写された重畳トナー像を定着させる定着ユニット60(定着部の一例及び定着装置の一例)とを備えている。
画像形成装置1は、制御部31による動作の制御の下で、次のプロセスによる画像形成処理を行う。すなわち、PC3やスキャナ4から送出された画像データは、通信部32にて受信され、画像処理部33により予め定めた画像処理が施された後、各色の画像データとなって、対応する色の各画像形成ユニット11に送られる。そして、例えば黒のトナー像を形成する画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら帯電器13により予め定めた電位で帯電される。
その後、画像処理部33から送信された黒の画像データに基づきプリントヘッド14が感光体ドラム12を走査露光する。これにより、感光体ドラム12の表面には黒の画像データに対応した静電潜像が形成される。感光体ドラム12上に形成された黒の静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上に黒のトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y、11M、11Cは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各トナー像を形成する。
その後、画像処理部33から送信された黒の画像データに基づきプリントヘッド14が感光体ドラム12を走査露光する。これにより、感光体ドラム12の表面には黒の画像データに対応した静電潜像が形成される。感光体ドラム12上に形成された黒の静電潜像は現像器15により現像され、感光体ドラム12上に黒のトナー像が形成される。同様に、画像形成ユニット11Y、11M、11Cは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各トナー像を形成する。
各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色のトナー像は、一次転写ロール21により矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に順次静電転写され、中間転写ベルト20上に、各色のトナー像が重畳された重畳トナー像が形成される。
中間転写ベルト20が矢印B方向へ移動することにより、中間転写ベルト20上の重畳トナー像は二次転写部T(転写部の一例)に送られる。重畳トナー像が二次転写部Tに送られると、そのタイミングに合わせて、用紙収容部40の用紙Pが、搬送部50の搬送ローラ52により、搬送路51に沿って矢印C方向に搬送される。そして、中間転写ベルト20上に形成された重畳トナー像は、二次転写部Tにて二次転写ロール22が形成する転写電界により、搬送路51に沿って搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。
中間転写ベルト20が矢印B方向へ移動することにより、中間転写ベルト20上の重畳トナー像は二次転写部T(転写部の一例)に送られる。重畳トナー像が二次転写部Tに送られると、そのタイミングに合わせて、用紙収容部40の用紙Pが、搬送部50の搬送ローラ52により、搬送路51に沿って矢印C方向に搬送される。そして、中間転写ベルト20上に形成された重畳トナー像は、二次転写部Tにて二次転写ロール22が形成する転写電界により、搬送路51に沿って搬送されてきた用紙P上に一括して静電転写される。
その後、重畳トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送路51に沿って定着ユニット60まで搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙P上の重畳トナー像は、定着ユニット60によって熱および圧力を受け、用紙P上に定着される。そして、定着された重畳トナー像が形成された用紙Pは、搬送路51に沿って矢印C方向に搬送され、本体ケース90の用紙排出口96から排出され、用紙を載せる用紙積載部95に積載される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に残存しているトナー及び二次転写後に中間転写ベルト20に残存しているトナーは、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
画像形成装置1による、用紙Pに画像を印刷する処理が、印刷の枚数に対応したサイクルだけ繰り返し実行される。
一方、一次転写後に感光体ドラム12に残存しているトナー及び二次転写後に中間転写ベルト20に残存しているトナーは、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ25によって除去される。
画像形成装置1による、用紙Pに画像を印刷する処理が、印刷の枚数に対応したサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニット60>
図2は、画像形成装置1における定着ユニット60の断面図である。
定着ユニット60は、ヒータユニット70と加圧ロール80(加圧部材の一例)とを備えている。ヒータユニット70及び加圧ロール80は、いずれも図2の紙面奥行き方向に軸が延びた円柱状に構成されている。
図2は、画像形成装置1における定着ユニット60の断面図である。
定着ユニット60は、ヒータユニット70と加圧ロール80(加圧部材の一例)とを備えている。ヒータユニット70及び加圧ロール80は、いずれも図2の紙面奥行き方向に軸が延びた円柱状に構成されている。
ヒータユニット70は、循環する(回転する)定着ベルト78(被加熱部材の一例及びベルト部材の一例)と、定着ベルト78が移動する方向において断面が弧状に湾曲するように形成され、発熱するソリッドヒータ71(加熱部材の一例及び加熱装置の一例)と、定着ベルト78を介して加圧ロール80から押圧される押圧パッド79とを備えている。なお、ソリッドヒータ71は、定着ベルト78が循環する方向において表面が弧状であればよい。
以下では、ソリッドヒータ71は、熱容量を小さくするために、板状の部材であるとして説明する。
以下では、ソリッドヒータ71は、熱容量を小さくするために、板状の部材であるとして説明する。
定着ベルト78は、無端の円筒形状で、その内周面がソリッドヒータ71の外周面及び押圧パッド79に接して配置されている。定着ベルト78は、ソリッドヒータ71に接することにより加熱される。
定着ベルト78は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向の長さが300mmに形成されている。後述するように、定着ベルト78は、押圧パッド79に押圧されて変形する。ここで、原形とは、押圧パッド79により押圧されていない状態、すなわち、変形していない状態をいう。
定着ベルト78は、原形が円筒形状の無端のベルト部材で構成され、例えば原形(円筒形状)時の直径が30mm、幅方向の長さが300mmに形成されている。後述するように、定着ベルト78は、押圧パッド79に押圧されて変形する。ここで、原形とは、押圧パッド79により押圧されていない状態、すなわち、変形していない状態をいう。
定着ベルト78は、基材層と、基材層の上に被覆された離型層とからなる。基材層は、定着ベルト78全体としての機械的強度を形成する耐熱性のシート状部材で構成される。基材層としては、例えば、ポリイミド樹脂からなる厚さ60μm〜200μmのシートが用いられる。また、定着ベルト78の温度分布をより均一にするためにアルミニウム等からなる熱伝導フィラーをポリイミド樹脂中に含有させてもよい。
離型層は、用紙P上に保持された未定着のトナー像と直接接触するため、離型性の高い材質が使用される。例えばPFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、シリコーン共重合体、又は、これらの複合層等が用いられる。離型層の厚さとしては、薄すぎると、耐摩耗性の面で充分でなく、定着ベルト78の寿命を短くする。その一方で、厚すぎると、定着ベルト78の熱容量が大きくなりすぎ、ウォームアップタイムが長くなる。そこで、離型層の厚さは、耐摩耗性と熱容量とのバランスを考慮し、1μm〜50μmとするのがよい。
なお、基材層と離型層との間に、シリコーンゴム等による弾性層が含まれてもよい。
なお、基材層と離型層との間に、シリコーンゴム等による弾性層が含まれてもよい。
押圧パッド79は、例えばシリコーンゴムやフッ素ゴムあるいは機械的強度や耐熱性の高い所謂エンジニアリングプラスチックスが用いられる。例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK(Poly Ether Ether Ketone)樹脂、PES(Poly Ether Sulfone)樹脂、PPS(Poly Phenylene Sulfide)樹脂、LCP樹脂(Liquid Crystal Polymer)等の剛体で構成された、断面において定着ベルト78に接する側が略円弧形状のブロック部材であり、定着ベルト78の内側においてフレーム(不図示)に支持されている。そして、加圧ロール80が定着ベルト78を圧接する領域にて、軸方向全域に亘って固定配置されている。そして、押圧パッド79は、定着ベルト78を介して加圧ロール80を予め定められた幅領域に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧する。
加圧ロール80は、定着ベルト78に対向するように配置され、定着ベルト78に従って図2の矢印D方向に、例えば140mm/sのプロセススピードで回転する。そして、加圧ロール80と押圧パッド79とにより定着ベルト78を挟み込んだ状態でニップ部(定着加圧部)Nを形成する。
加圧ロール80は、例えば、直径18mmの中実のステンレス製あるいはアルミニウム製コア(円柱状芯金)と、コアの外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層とが積層されて構成される。そして、押圧バネ(不図示)により、例えば25kgfの荷重で定着ベルト78を介して押圧パッド79を押圧している。
加圧ロール80は、例えば、直径18mmの中実のステンレス製あるいはアルミニウム製コア(円柱状芯金)と、コアの外周面に被覆された例えば厚さ5mmのシリコーンスポンジ等の耐熱性弾性体層と、さらに例えば厚さ50μmのカーボン配合のPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による離型層とが積層されて構成される。そして、押圧バネ(不図示)により、例えば25kgfの荷重で定着ベルト78を介して押圧パッド79を押圧している。
搬送部50(図1参照)によりニップ部Nに搬送されてきた用紙Pは、ニップ部Nにおいて、定着ベルト78により加熱されるとともに、定着ベルト78を介した押圧パッド79と加圧ロール80とにより加圧され、用紙Pに保持された未定着の重畳トナー像が用紙Pに定着される。
ニップ部Nにおいて、加圧ロール80に接する用紙Pは、加圧ロール80の矢印D方向への回転によって矢印C方向に送られ、この用紙Pの移動により、用紙Pに接する定着ベルト78が従動し、定着ベルト78は矢印E方向(進行方向)に回転する。
ニップ部Nにおいて、加圧ロール80に接する用紙Pは、加圧ロール80の矢印D方向への回転によって矢印C方向に送られ、この用紙Pの移動により、用紙Pに接する定着ベルト78が従動し、定着ベルト78は矢印E方向(進行方向)に回転する。
<ソリッドヒータ71>
定着ベルト78の加熱には、ハロゲンランプや電磁誘導による方法などが用いられてきた。しかし、これらの方法は、定着ベルト78が予め定められた温度に達するまでに要する時間(スタンバイ時間)が長く、消費電力が大きく、構成が複雑であった。
以下に説明するソリッドヒータ71は、構成が簡単である。また、ソリッドヒータ71は、熱容量が小さいため、スタンバイ時間を設けることを要しないことから、利便性が向上する。すなわち、定着ユニット60にソリッドヒータ71を用いることで、低コスト及び低消費電力が図れる。
定着ベルト78の加熱には、ハロゲンランプや電磁誘導による方法などが用いられてきた。しかし、これらの方法は、定着ベルト78が予め定められた温度に達するまでに要する時間(スタンバイ時間)が長く、消費電力が大きく、構成が複雑であった。
以下に説明するソリッドヒータ71は、構成が簡単である。また、ソリッドヒータ71は、熱容量が小さいため、スタンバイ時間を設けることを要しないことから、利便性が向上する。すなわち、定着ユニット60にソリッドヒータ71を用いることで、低コスト及び低消費電力が図れる。
図3は、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71を説明する図である。図3(a)は、図2における矢印IIIの方向から見たソリッドヒータ71の上面図、図3(b)は、図3(a)のIIIB−IIIB線でのソリッドヒータ71の断面図である。
なお、ソリッドヒータ71は、図2で示したように定着ベルト78が移動する方向において断面が弧状であるが、図3(b)に示すソリッドヒータ71は、一部であることから平坦に表記している。なお、断面は、円弧状であってもよい。
なお、ソリッドヒータ71は、図2で示したように定着ベルト78が移動する方向において断面が弧状であるが、図3(b)に示すソリッドヒータ71は、一部であることから平坦に表記している。なお、断面は、円弧状であってもよい。
図3(a)により、ソリッドヒータ71の上面構造を説明する。ソリッドヒータ71は、複数の抵抗発熱体120(発熱体の一例)と、複数のPTC(Positive Temperature Coefficient)素子130(正の温度係数の抵抗素子の一例)と、これらを接続する配線140と、配線140と接続された端子150と、これらを支持する基板110とを備えている。複数の抵抗発熱体120、複数のPTC140、配線140及び端子150は、基板110の一方の表面に設けられている。
抵抗発熱体120は、例えば、Pdの比率が高いAgPdなどで構成されている。電流を流すことにより発熱する。
PTC素子130は、温度の上昇に対して抵抗が増加する抵抗素子である。正の温度係数のサーミスタと表記されることがある。PTC素子130の本体部131は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)に微量の希土類などが添加されて構成されている。PTC素子130の本体部131は、キュリー温度を有し、その温度以上になると、急激に抵抗が増大する。
PTC素子130は、温度の上昇に対して抵抗が増加する抵抗素子である。正の温度係数のサーミスタと表記されることがある。PTC素子130の本体部131は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)に微量の希土類などが添加されて構成されている。PTC素子130の本体部131は、キュリー温度を有し、その温度以上になると、急激に抵抗が増大する。
PTC素子130は、チップ状であって、例えば、縦2mm×横2mm×厚さ0.2mmである。そして、本体部131の両端側(図3(a)では紙面において上下側、図3(b)では紙面において左右側)に、Niめっきを下地にしたAgなどの電極132、133が予め設けられている。そして、温度が上昇しない状態において、PTC素子130は、電極132と電極133との距離によって、抵抗値が設定される。すなわち、PTC素子130は、電極132と電極133との距離が短いほど、温度が上昇しない状態における抵抗が小さい。
なお、図3(b)では、電極132、133は、本体部131に対して、コ字状に形成されているとしたが、他の形状に形成されていてもよい。例えば、側面と上面のみに形成されていてもよい。後述する接続用の配線144、145により配線142、143と電気的に接続されればよい。
なお、図3(b)では、電極132、133は、本体部131に対して、コ字状に形成されているとしたが、他の形状に形成されていてもよい。例えば、側面と上面のみに形成されていてもよい。後述する接続用の配線144、145により配線142、143と電気的に接続されればよい。
配線140は、例えばPdの比率が低いAgPdなどで構成されている。配線140は、図3(a)の紙面において上側の配線141と、下側の配線142と、抵抗発熱体120とPTC素子130との間の配線143とを有している。なお、配線140は、図3(b)に示すように、配線143とPTC素子130の電極132とを接続する配線144と、配線142とPTC素子130の電極133とを接続する配線145とをさらに有している。なお、配線144、145を接続電極と表記することがある。
そして、図3(a)、(b)では、141(140)、142(140)などと表記する。なお、配線141、142、143、144、145をそれぞれ区別しない場合は、配線140と表記する。
そして、図3(a)、(b)では、141(140)、142(140)などと表記する。なお、配線141、142、143、144、145をそれぞれ区別しない場合は、配線140と表記する。
そして、複数の抵抗発熱体120と複数のPTC素子130とは、それぞれが電気的に直列に接続された複数の組となるとともに、複数の組が配線141と配線142との間に並列接続されている。
配線140については、図3(b)の説明において述べる。
配線140については、図3(b)の説明において述べる。
端子150は、保護層170(後述する図3(b)参照。)を設けず、表面を露出させた配線140(配線141、142)の一部である。端子150は、配線141の端部に設けられた端子151と、配線142に接続される端子152とからなる。図3(a)では、151(150)、152(150)と表記する。
端子150は、電流を供給する電線(ワイヤ)との接続が容易なように、配線140が幅広に構成されている。
端子150は、電流を供給する電線(ワイヤ)との接続が容易なように、配線140が幅広に構成されている。
そして、端子151と端子152との間に電圧を印加して電流を流すことで、電気的に直列接続された抵抗発熱体120とPTC素子130との組毎に電流が流れる。そして、抵抗発熱体120が発熱する。
なお、端子151と端子152との間に印加される電圧は、例えばAC100Vである。
なお、端子151と端子152との間に印加される電圧は、例えばAC100Vである。
図3(a)の紙面において左右端の抵抗発熱体120の形状は、それ以外の抵抗発熱体120と異なっている。これは、用紙Pが通過しない定着ベルト78の部分は、発熱することを要しないためである。すなわち、左右端の抵抗発熱体120の設けられた範囲が、画像形成装置1が扱う用紙Pの最大幅となる。なお、左右端の抵抗発熱体120の形状を、それ以外の抵抗発熱体120の形状と同じとしてもよい。
ここで、PTC素子130の機能を説明する。
PTC素子130は、温度の上昇に対して抵抗が増加する。よって、抵抗発熱体120により、ソリッドヒータ71が予め定められた温度以上に高くなると、PTC素子130の抵抗が増加する。そして、PTC素子130に直列接続された抵抗発熱体120に流れる電流を制限する。これにより、抵抗発熱体120の発熱量が抑制され、温度が下がる。すると、PTC素子130の抵抗が低下し、抵抗発熱体120に流れる電流が増加し、温度が上がる。すなわち、PTC素子130は、ソリッドヒータ71の過熱を抑制する。
PTC素子130は、温度の上昇に対して抵抗が増加する。よって、抵抗発熱体120により、ソリッドヒータ71が予め定められた温度以上に高くなると、PTC素子130の抵抗が増加する。そして、PTC素子130に直列接続された抵抗発熱体120に流れる電流を制限する。これにより、抵抗発熱体120の発熱量が抑制され、温度が下がる。すると、PTC素子130の抵抗が低下し、抵抗発熱体120に流れる電流が増加し、温度が上がる。すなわち、PTC素子130は、ソリッドヒータ71の過熱を抑制する。
定着ユニット60のニップ部Nにおいて、定着ベルト78により用紙Pが加熱されると、定着ベルト78から用紙Pに熱が奪われる。このため、定着ベルト78の温度が低下する。すると、温度が低下した定着ベルト78は、ソリッドヒータ71によって予め定められた温度に再び加熱される。
しかし、最大幅より狭い(小さい)用紙Pが搬送されてきた場合、用紙Pに接触しないことにより、定着ベルト78に用紙Pに熱が奪われない部分が生じる。このような用紙Pが接触しない定着ベルト78の部分は、温度が高い状態のままとなる。そして、定着ベルト78のこの部分は、ソリッドヒータ71により予め定められた温度以上に加熱される(過熱状態に移行する)。このとき、定着ベルト78のみならず、ソリッドヒータ71も過熱状態に移行する。
しかし、最大幅より狭い(小さい)用紙Pが搬送されてきた場合、用紙Pに接触しないことにより、定着ベルト78に用紙Pに熱が奪われない部分が生じる。このような用紙Pが接触しない定着ベルト78の部分は、温度が高い状態のままとなる。そして、定着ベルト78のこの部分は、ソリッドヒータ71により予め定められた温度以上に加熱される(過熱状態に移行する)。このとき、定着ベルト78のみならず、ソリッドヒータ71も過熱状態に移行する。
そこで、第1の実施の形態のソリッドヒータ71では、抵抗発熱体120をソリッドヒータ71の幅方向に複数に分けるとともに、それぞれの抵抗発熱体120にPTC素子130を直列に接続している。
すると、用紙Pが接触しない定着ベルト78の過熱状態に移行した部分において、PTC素子130の抵抗が上昇し、抵抗発熱体120に流れる電流を制限し、ソリッドヒータ71及び定着ベルト78がさらに過熱状態に移行することを抑制する。
一方、用紙Pが接触する定着ベルト78の部分では、抵抗発熱体120に流れる電流が制限されないので、加熱が継続される。
すると、用紙Pが接触しない定着ベルト78の過熱状態に移行した部分において、PTC素子130の抵抗が上昇し、抵抗発熱体120に流れる電流を制限し、ソリッドヒータ71及び定着ベルト78がさらに過熱状態に移行することを抑制する。
一方、用紙Pが接触する定着ベルト78の部分では、抵抗発熱体120に流れる電流が制限されないので、加熱が継続される。
よって、PTC素子130は、ソリッドヒータ71の基板110上において、抵抗発熱体120の近傍に設けられることが求められるため、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、抵抗発熱体120の近傍に設けられた凹部112にPTC素子130を設けている。
次に、図3(b)の断面図により、ソリッドヒータ71の断面構造を説明する。ソリッドヒータ71の基板110は、定着ベルト78側の表面であり一方の表面のPTC素子130が配置される部分に凹部112を備える。なお、一方の表面において凹部112以外を平坦部111と表記する。そして、基板110上に、一様に絶縁層160が設けられている。即ち、絶縁層160は、基板110の平坦部111上および凹部112の双方にほぼ同様の厚さで設けられる。そして、絶縁層160上に、抵抗発熱体120、配線140(配線141、142、143、144、145)、PTC素子130が設けられている。また抵抗発熱体120は、基板110の平坦部111上に設けられ、PTC素子130は、基板110の凹部112に設けられる。
配線141は、抵抗発熱体120の一方の端と接続されている(図3(a)参照)。配線142は、PTC素子130の電極133の下まで延びている。そして、配線143の一方の端は、抵抗発熱体120の他方の端と接続されている。配線143の他方の端は、PTC素子130の電極132の下まで延びている。
そして、配線144は、配線143とPTC素子130の電極132とを、PTC素子130の側面及び/又は上面で接続している。同様に、配線145は、配線142とPTC素子130の電極133とを、PTC素子130の側面及び/又は上面で接続している。
なお、図3(b)には、図の外側になるため、配線141を示していない。
そして、抵抗発熱体120、PTC素子130及び配線140上に、保護層170が設けられている。
配線141は、抵抗発熱体120の一方の端と接続されている(図3(a)参照)。配線142は、PTC素子130の電極133の下まで延びている。そして、配線143の一方の端は、抵抗発熱体120の他方の端と接続されている。配線143の他方の端は、PTC素子130の電極132の下まで延びている。
そして、配線144は、配線143とPTC素子130の電極132とを、PTC素子130の側面及び/又は上面で接続している。同様に、配線145は、配線142とPTC素子130の電極133とを、PTC素子130の側面及び/又は上面で接続している。
なお、図3(b)には、図の外側になるため、配線141を示していない。
そして、抵抗発熱体120、PTC素子130及び配線140上に、保護層170が設けられている。
保護層170の表面(基板110から遠い側)は、後述するように、凹凸が抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)形状になっている。
ここで、基板110は、例えば、ステンレス鋼(SUS)で構成されている。そして、プレス加工により、PTC素子130が配置される部分毎に凹部112が設けられている。凹部112は、PTC素子130毎に設けられているので、以下では、個別凹部112と表記する。
なお、基板110は、ステンレス鋼(SUS)以外の、アルミニウム、銅などの金属材料で構成されてもよい。また、個別凹部112を備えるように焼成されたセラミック材料で構成されてもよい。さらに、個別凹部112を備えるよう成型された耐熱性のプラスチック材料で構成されてもよい。
なお、基板110は、ステンレス鋼(SUS)以外の、アルミニウム、銅などの金属材料で構成されてもよい。また、個別凹部112を備えるように焼成されたセラミック材料で構成されてもよい。さらに、個別凹部112を備えるよう成型された耐熱性のプラスチック材料で構成されてもよい。
絶縁層160は、基板110がステンレス鋼(SUS)などの導電性の金属材料などで構成された場合に、抵抗発熱体120、PTC素子130、配線140(配線141、142、143)と基板110とが電気的に短絡することを抑制する。
絶縁層160は、基板110がステンレス鋼(SUS)などの耐熱性の金属材料である場合、例えば、ガラス材料で構成される。絶縁層160は、ガラス材料で構成された場合、アンダーグレイズと表記されることがある。
詳しくは後述するが、絶縁層160は、平坦部111上に設けられた第1の絶縁層と、個別凹部112に設けられた第2の絶縁層と、第1の絶縁層上に設けられた第3の絶縁層と、第2の絶縁層上に設けられた第4の絶縁層とを備える。
絶縁層160は、基板110がステンレス鋼(SUS)などの耐熱性の金属材料である場合、例えば、ガラス材料で構成される。絶縁層160は、ガラス材料で構成された場合、アンダーグレイズと表記されることがある。
詳しくは後述するが、絶縁層160は、平坦部111上に設けられた第1の絶縁層と、個別凹部112に設けられた第2の絶縁層と、第1の絶縁層上に設けられた第3の絶縁層と、第2の絶縁層上に設けられた第4の絶縁層とを備える。
保護層170は、抵抗発熱体120、PTC素子130などが、定着ベルト78と直接接触することを抑制する。即ち、保護層170は、抵抗発熱体120およびPTC素子130を覆うように設けられ、抵抗発熱体120およびPTC素子130を保護する。例えば、定着ベルト78とソリッドヒータ71とを円滑に摺動させるために、ソリッドヒータ71と定着ベルト78との間に、シリコーンオイルなどの潤滑材を供給することがある。この場合、保護層170を設けないと、抵抗発熱体120、PTC素子130などにおいて電気的な短絡が生じるおそれがある。
保護層170は、基板110がステンレス鋼(SUS)などの耐熱性の金属材料である場合、例えば、ガラス材料で構成される。保護層170は、ガラス材料で構成された場合、オーバーグレイズと表記されることがある。
そして、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、図3(b)に示すように、抵抗発熱体120上に設けられた保護層170は、厚さd0である。すなわち、定着ベルト78と抵抗発熱体120との距離は、抵抗発熱体120上に設けられた保護層170の厚さd0である。
保護層170は、基板110がステンレス鋼(SUS)などの耐熱性の金属材料である場合、例えば、ガラス材料で構成される。保護層170は、ガラス材料で構成された場合、オーバーグレイズと表記されることがある。
そして、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、図3(b)に示すように、抵抗発熱体120上に設けられた保護層170は、厚さd0である。すなわち、定着ベルト78と抵抗発熱体120との距離は、抵抗発熱体120上に設けられた保護層170の厚さd0である。
なお、保護層170は、厚さが一様でない。後述するように、保護層170は、PTC素子130の周囲において厚く構成されている。これにより、保護層170の表面の凹凸が抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)形状になっている。
すなわち、PTC素子130を凹部112に設けるとともに、保護層170の表面を凹凸が抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)形状にすることにより、抵抗発熱体120と定着ベルト78との距離をd0としている。
すなわち、PTC素子130を凹部112に設けるとともに、保護層170の表面を凹凸が抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)形状にすることにより、抵抗発熱体120と定着ベルト78との距離をd0としている。
絶縁層160、保護層170は、ガラス材料で構成される場合、ガラス粒子を分散させたガラスペーストを塗布し、ガラスペーストを加熱により軟化(溶融)及び流動(粘性流動)させて形成される。すなわち、絶縁層160、保護層170は、ガラス粒子が軟化(溶融)により融着して、より緻密な構造となるとともに、表面は、粘性流動により凹凸が抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)形状になっている。
絶縁層160は、例えば、厚さが15μm〜70μmである。これに対して、抵抗発熱体120、配線140の厚さは、10μm〜30μmである。また、前述したように、PTC素子130の厚さは、0.2mm程度である。
よって、基板110が備える凹部112の深さは、PTC素子130の厚さよりやや大きく設定される。例えば、PTC素子130の厚さが0.2mmの場合、0.25mmに設定される。これにより、PTC素子130を凹部112に埋め込める。
よって、基板110が備える凹部112の深さは、PTC素子130の厚さよりやや大きく設定される。例えば、PTC素子130の厚さが0.2mmの場合、0.25mmに設定される。これにより、PTC素子130を凹部112に埋め込める。
そして、凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面となるように、保護層170が形成される。
なお、PTC素子130は、凹部112に完全に埋め込まれなくともよく、凹部112により保護層170の表面の凹凸が抑制されればよい。
前述したように、定着ベルト78は、例えば、ポリイミド樹脂からなる基材層を有していることから、容易に変形する。よって、定着ベルト78とソリッドヒータ71との接触が妨げられなければ、凹部112の部分における保護層170の表面は、平坦部111とつながるような平坦でなくてもよく、基板110側に凹状であってもよく、基板110側から凸状であってもよい。
定着ベルト78とソリッドヒータ71とが円滑に摺動し、ソリッドヒータ71から定着ベルト78に熱が効率よく伝導されればよい。
すなわち、凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面とは、凹部112の部分における保護層170の表面が、凸状又は凹状であることを含む。
なお、PTC素子130は、凹部112に完全に埋め込まれなくともよく、凹部112により保護層170の表面の凹凸が抑制されればよい。
前述したように、定着ベルト78は、例えば、ポリイミド樹脂からなる基材層を有していることから、容易に変形する。よって、定着ベルト78とソリッドヒータ71との接触が妨げられなければ、凹部112の部分における保護層170の表面は、平坦部111とつながるような平坦でなくてもよく、基板110側に凹状であってもよく、基板110側から凸状であってもよい。
定着ベルト78とソリッドヒータ71とが円滑に摺動し、ソリッドヒータ71から定着ベルト78に熱が効率よく伝導されればよい。
すなわち、凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面とは、凹部112の部分における保護層170の表面が、凸状又は凹状であることを含む。
図4は、第1の実施の形態に係らないソリッドヒータ71′を説明する図である。図4(a)は、図2における矢印IIIの方向から見たソリッドヒータ71′の上面図、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線でのソリッドヒータ71′の断面図である。
図4(a)に示すように、ソリッドヒータ71′は、基板110に凹部112を設けていない。そして、図4(b)に示すように、PTC素子130を埋め込んで表面が平坦(なだらかで且つ滑らか)になるように、保護層170を厚さd1としている。すなわち、定着ベルト78と抵抗発熱体120との距離は、保護層170の厚さd1である。なお、厚さd1は、図3に示した第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71の保護層170の厚さd0より厚い。
この第1の実施の形態に係らないソリッドヒータ71′でも、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71と同様に、定着ベルト78とソリッドヒータ71とが接触する面が凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面であるので、定着ベルト78とソリッドヒータ71とは円滑に摺動する。
図4(a)に示すように、ソリッドヒータ71′は、基板110に凹部112を設けていない。そして、図4(b)に示すように、PTC素子130を埋め込んで表面が平坦(なだらかで且つ滑らか)になるように、保護層170を厚さd1としている。すなわち、定着ベルト78と抵抗発熱体120との距離は、保護層170の厚さd1である。なお、厚さd1は、図3に示した第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71の保護層170の厚さd0より厚い。
この第1の実施の形態に係らないソリッドヒータ71′でも、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71と同様に、定着ベルト78とソリッドヒータ71とが接触する面が凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面であるので、定着ベルト78とソリッドヒータ71とは円滑に摺動する。
しかし、第1の実施の形態に係らないソリッドヒータ71′では、保護層170が厚さd1と厚いために、熱容量が大きく、加熱に時間を要するとともに、保護層170を加熱するエネルギが多く必要となるとともに、抵抗発熱体120と定着ベルト78との距離が大きくなって、抵抗発熱体120から定着ベルト78への熱伝導の効率が劣る。
また、保護層170を構成するガラス材料を多く必要とすることになり、コストがかかってしまう。
また、保護層170を構成するガラス材料を多く必要とすることになり、コストがかかってしまう。
図5は、第1の実施の形態に係らない他のソリッドヒータ71″を説明する図である。図5(a)は、図2における矢印IIIの方向から見たソリッドヒータ71″の上面図、図5(b)は、図5(a)のVB−VB線でのソリッドヒータ71″の断面図である。
図5(a)に示すように、ソリッドヒータ71″は、基板110に個別凹部112を設けていない。そして、図5(b)に示すように、抵抗発熱体120上の保護層170は、厚さd0としている。しかし、PTC素子130を、凹部112に埋め込んでいないため、PTC素子130は、抵抗発熱体120の部分より、外側(定着ベルト78側)に凸状に突出している(凸部となっている)。すなわち、PTC素子130の周囲における抵抗発熱体120の部分において、定着ベルト78と保護層170との間に距離gの空隙(ギャップ)が生じる。空隙(ギャップ)は、熱の伝導を妨げるため、熱伝導の効率が低下する。
図5(a)に示すように、ソリッドヒータ71″は、基板110に個別凹部112を設けていない。そして、図5(b)に示すように、抵抗発熱体120上の保護層170は、厚さd0としている。しかし、PTC素子130を、凹部112に埋め込んでいないため、PTC素子130は、抵抗発熱体120の部分より、外側(定着ベルト78側)に凸状に突出している(凸部となっている)。すなわち、PTC素子130の周囲における抵抗発熱体120の部分において、定着ベルト78と保護層170との間に距離gの空隙(ギャップ)が生じる。空隙(ギャップ)は、熱の伝導を妨げるため、熱伝導の効率が低下する。
なお、定着ベルト78は、前述したように、変形しやすい材料で構成されているが、PTC素子130による凸部に追従して変形することは難しい。そして、PTC素子130による凸部を有するソリッドヒータ71と摺動させると、定着ベルト78に損傷が生じやすい。
すなわち、ソリッドヒータ71″は、定着ユニット60として好ましくない。
すなわち、ソリッドヒータ71″は、定着ユニット60として好ましくない。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71は、基板110の凹部112にPTC素子130を配置し、保護層170を凹凸の抑制されたなだらかで且つ滑らかな(平滑化された)表面としている。これにより、PTC素子130が定着ベルト78側に突出しないようにしている。そして、抵抗発熱体120上の保護層170の厚さ(厚さd0)、すなわち、抵抗発熱体120から定着ベルト78までの距離を小さくすることで、抵抗発熱体120から定着ベルト78への熱伝導の効率を向上させている。
よって、抵抗発熱体120を覆う保護層170の厚さが薄いため、ソリッドヒータ71が予め定められた温度まで加熱される時間が短縮されるとともに、消費電力が低減する。さらに、画像形成における定着に係る時間が短くなる。
よって、抵抗発熱体120を覆う保護層170の厚さが薄いため、ソリッドヒータ71が予め定められた温度まで加熱される時間が短縮されるとともに、消費電力が低減する。さらに、画像形成における定着に係る時間が短くなる。
<ソリッドヒータ71の製造方法>
図6は、ソリッドヒータ71の製造方法の一例を説明するフローチャートである。
図7は、図6の工程に引き続いて実施されるソリッドヒータ71の製造方法の一例を説明するフローチャートである。
図8は、ソリッドヒータ71の製造方法の各工程における上面図及び断面図を示す図である。図8(a1)〜(d1)は、上面図、図8(a2)〜(d2)は、図8(a1)〜(d1)のX−X線での断面図である。
図9は、図8の工程に引き続いて実施されるソリッドヒータ71の製造方法の各工程における上面図及び断面図を示す図である。図9(a1)〜(d1)は、上面図、図9(a2)〜(d3)は、図9(a1)〜(d1)のX−X線での断面図である。
なお、図8(a2)〜(d2)、図9(a2)〜(d3)は、PTC素子130が配置される部分のみを示す。基板110の一部であることから、基板110を平坦に表記している。
以下では、主に図6〜9を参照しつつ、ソリッドヒータ71の製造方法を説明する。
図6は、ソリッドヒータ71の製造方法の一例を説明するフローチャートである。
図7は、図6の工程に引き続いて実施されるソリッドヒータ71の製造方法の一例を説明するフローチャートである。
図8は、ソリッドヒータ71の製造方法の各工程における上面図及び断面図を示す図である。図8(a1)〜(d1)は、上面図、図8(a2)〜(d2)は、図8(a1)〜(d1)のX−X線での断面図である。
図9は、図8の工程に引き続いて実施されるソリッドヒータ71の製造方法の各工程における上面図及び断面図を示す図である。図9(a1)〜(d1)は、上面図、図9(a2)〜(d3)は、図9(a1)〜(d1)のX−X線での断面図である。
なお、図8(a2)〜(d2)、図9(a2)〜(d3)は、PTC素子130が配置される部分のみを示す。基板110の一部であることから、基板110を平坦に表記している。
以下では、主に図6〜9を参照しつつ、ソリッドヒータ71の製造方法を説明する。
第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71の製造方法は、図6に示す、凹部112を有する基板110を作成する凹部有り基板作成工程(ステップ100。図6ではS100と表記する。他も同様とする。)と、絶縁層160を形成する絶縁層形成工程(ステップ200)と、抵抗発熱体120を形成する発熱体形成工程(ステップ300)と、配線140(配線141、142、143)を形成する配線形成工程(ステップ400)とを含む。さらに、ソリッドヒータ71の製造方法は、図7に示す、PTC素子130を実装する抵抗素子実装工程(ステップ500)と、PTC素子130の周囲に保護層を形成する抵抗素子周囲保護層形成工程(ステップ600)と、PTC素子130の表面に保護層を形成して封止する抵抗素子封止工程(ステップ700)とを含む。
なお、抵抗素子周囲保護層形成工程(ステップ600)と抵抗素子封止工程(ステップ700)とを合わせて保護層形成工程と表記することもある。
なお、抵抗素子周囲保護層形成工程(ステップ600)と抵抗素子封止工程(ステップ700)とを合わせて保護層形成工程と表記することもある。
凹部有り基板作成工程(図6のステップ100及び図8(a1)、(a2))は、例えば、ステンレス鋼(SUS)板をソリッドヒータ71の形状に切り抜き、断面が弧状に湾曲するように加工する。さらに、PTC素子130が配置される位置毎に個別凹部112を形成する。これらは、所謂プレス加工により行われる。プレス加工により、複数の個別凹部112が一括して形成される。なお、ソリッドヒータ71の形状への切り抜き、弧状への加工、個別凹部112の形成の順序は問わない。
これにより、図8(a1)、(a2)に示すように、基板110に凹部112が形成される。
これにより、図8(a1)、(a2)に示すように、基板110に凹部112が形成される。
次に、絶縁層形成工程(図6のステップ200及び図8(b1)、(b2))において、例えば、ガラス材料で構成された絶縁層160が形成される。ガラス材料は、ガラスペースト(塗布液の一例)の塗布によって形成されるとする。
ガラスペーストとは、ガラス材料の微粒子(ガラス粒子)と、ガラス粒子を懸濁しておくバインダと、ガラスペーストの粘度を調整する溶剤とを含んでいる。ガラス粒子は、予め定められた温度で軟化するように組成が調整されたガラスの粒子である。バインダは、エチルセルロースなどで構成され、ガラス粒子の凝集を抑制する。
ガラスペーストとは、ガラス材料の微粒子(ガラス粒子)と、ガラス粒子を懸濁しておくバインダと、ガラスペーストの粘度を調整する溶剤とを含んでいる。ガラス粒子は、予め定められた温度で軟化するように組成が調整されたガラスの粒子である。バインダは、エチルセルロースなどで構成され、ガラス粒子の凝集を抑制する。
絶縁層160を形成するためのガラスペーストは、スクリーン印刷などによって基板110の平坦部111上に塗布する(平坦部絶縁層塗布)(図6のステップ201)。スクリーン印刷とは、スクリーンに設けた開口を通して、スキージによりガラスペーストを押し出し、基板110上にガラスペーストの膜を形成する方法である。
そして、ガラスペーストの流動性により表面をなだらかに(平坦化)するために、予め定められた時間放置する(レべリング)。その後、溶媒を蒸発させるため、溶媒が蒸発する温度に設定された電気炉(オーブン)などにより乾燥させる(乾燥)(図6のステップ202)。
なお、以下に示す乾燥のステップは、上記と同様であるので、単に乾燥すると表記する。
そして、ガラスペーストの流動性により表面をなだらかに(平坦化)するために、予め定められた時間放置する(レべリング)。その後、溶媒を蒸発させるため、溶媒が蒸発する温度に設定された電気炉(オーブン)などにより乾燥させる(乾燥)(図6のステップ202)。
なお、以下に示す乾燥のステップは、上記と同様であるので、単に乾燥すると表記する。
次に、基板110の凹部112にガラスペーストをディスペンサやジェットディスペンサなどによって塗布する(凹部絶縁層塗布)(図6のステップ203)。凹部112は、例えば、深さが0.25mmであって、スクリーン印刷におけるスクリーンが、凹部112の底に接触しづらい。このため、スクリーンから押し出されガラスペーストが凹部112の底に付着しづらい。よって、凹部112に均一な厚さのガラスペーストを塗布しにくい。そこで、凹部112に対しては、ディスペンサやジェットディスペンサを用いてガラスペーストを塗布した。
ディスペンサとは、ノズルからガラスペーストを吐出させて、ライン(線)状またはスポット(点)状に塗布する方法である。よって、凹部112の底にも、ガラスペーストが塗布される。
また、ジェットディスペンサとは、ノズルから圧力をかけてガラスペーストを吐出させて、ライン状またはスポット状に塗布する方法である。これによりジェットディスペンサでは、ディスペンサに比べて長い距離において、ガラスペーストが径の小さい状態で塗布される。
また、ジェットディスペンサとは、ノズルから圧力をかけてガラスペーストを吐出させて、ライン状またはスポット状に塗布する方法である。これによりジェットディスペンサでは、ディスペンサに比べて長い距離において、ガラスペーストが径の小さい状態で塗布される。
すなわち、平坦部111と凹部112とで、塗布する方法を異ならせている。
そして、ガラスペーストの流動性により表面をなだらかにするために、予め定められた時間放置した(レべリング)後、溶媒を蒸発させるため、乾燥させる(乾燥)(図6のステップ204)。
そして、ガラスペーストの流動性により表面をなだらかにするために、予め定められた時間放置した(レべリング)後、溶媒を蒸発させるため、乾燥させる(乾燥)(図6のステップ204)。
その後、平坦部111及び凹部112に塗布されたガラスペーストを、ガラス粒子が溶融又は軟化して一体化するように焼成する。すなわち、ガラスペーストに含まれるガラス粒子の特性によって予め定められた温度で、焼成する(焼成)(図6のステップ205)。ここでは、空気など酸素を含む雰囲気(酸素雰囲気)で焼成することで、エチルセルロースなどのバインダが燃焼してCO2になって除去される。さらに、ガラス粒子が軟化(溶融)して一体化し、緻密なガラス膜となる。
なお、以下における焼成のステップも、上記と同様であるので、単に焼成すると表記する。
なお、以下における焼成のステップも、上記と同様であるので、単に焼成すると表記する。
そして、ステップ201からステップ205が二層目(二回目)であるか否か判断される(図6のステップ206)。一層目(一回目)であれば、二層目(二回目)を塗布するために、ステップ201からステップ205が繰り返される。そして、ステップ206において、二層目であれば、絶縁層形成工程(ステップ200)を終了して、発熱体形成工程(図6のステップ300)に移行する。
なお、絶縁層形成工程(図6のステップ200)において、ステップ201からステップ205を2回繰り返し、絶縁層160を二層で形成している。これは、1回で行った場合(一層の場合)、塗布したガラスペーストに穴(ピンホール)のような絶縁層が形成されない箇所があった場合、絶縁層160上に形成される抵抗発熱体120、配線140(配線141、142、143)と基板110とが穴(ピンホール)等を介して、短絡するおそれがあるからである。特に、ディスペンサやジェットディスペンサのように、ガラスペーストをライン状又はスポット状に塗布する方法を用いると、ライン状のガラスペーストの間又はスポット状のガラスペーストの間に穴(ピンホール)等が発生しやすい。
図10(a)〜(d)は、絶縁層を一層で形成した場合の絶縁層の状態を示した図である。
このうち図10(a)は、凹部112にディスペンサやジェットディスペンサによりガラスペーストを吐出させて、スポット状に塗布し、乾燥した後の状態を示した概念図である。また図10(b)は、図10(a)のXb−Xb断面図である。
この場合、ガラスペーストGpは、上述したように凹部112においてスポット状に塗布される。つまりスポット状のガラスペーストGpの間に空隙が生ずる。
このうち図10(a)は、凹部112にディスペンサやジェットディスペンサによりガラスペーストを吐出させて、スポット状に塗布し、乾燥した後の状態を示した概念図である。また図10(b)は、図10(a)のXb−Xb断面図である。
この場合、ガラスペーストGpは、上述したように凹部112においてスポット状に塗布される。つまりスポット状のガラスペーストGpの間に空隙が生ずる。
また図10(c)は、図10(a)〜(b)の状態から焼成を行ない絶縁層160Eを形成した状態を示した概念図である。また図10(d)は、図10(c)のXd−Xd断面図である。
この場合、一層で形成した絶縁層160Eには、穴(ピンホール)Phが生じやすい。これは、図10(a)〜(b)のようにガラスペーストGpを塗布した際に生じたガラスペーストGp間の空隙に起因するものである。
この場合、一層で形成した絶縁層160Eには、穴(ピンホール)Phが生じやすい。これは、図10(a)〜(b)のようにガラスペーストGpを塗布した際に生じたガラスペーストGp間の空隙に起因するものである。
一方、図11(a)〜(d)は、絶縁層160を二層で形成した場合の絶縁層160の状態を示した図である。
このうち図11(a)は、凹部112に一層目を塗布し、乾燥した後の状態を示した概念図である。また図11(b)は、図11(a)の状態から焼成を行なったときの状態を示した概念図である。
図11(b)に図示するように、一層目を塗布し、乾燥および焼成を行なった場合、図10(d)と同様に穴(ピンホール)Phが生ずる。
このうち図11(a)は、凹部112に一層目を塗布し、乾燥した後の状態を示した概念図である。また図11(b)は、図11(a)の状態から焼成を行なったときの状態を示した概念図である。
図11(b)に図示するように、一層目を塗布し、乾燥および焼成を行なった場合、図10(d)と同様に穴(ピンホール)Phが生ずる。
また図11(c)は、凹部112にさらに二層目を塗布し、乾燥した後の状態を示した概念図である。そして図11(d)は、図11(c)の状態から焼成を行なったときの状態を示した概念図である。
図11(c)に図示するように二層目のガラスペーストGpは、一層目上に点状に塗布される。
そして図11(c)の状態から焼成を行なった場合、図11(d)に図示するように穴(ピンホール)Phは二層目のガラスペーストGpにより埋められる。その結果、穴(ピンホール)Phが消失しているのがわかる。
図11(c)に図示するように二層目のガラスペーストGpは、一層目上に点状に塗布される。
そして図11(c)の状態から焼成を行なった場合、図11(d)に図示するように穴(ピンホール)Phは二層目のガラスペーストGpにより埋められる。その結果、穴(ピンホール)Phが消失しているのがわかる。
このように本実施の形態では、一層目の穴(ピンホール)を二層目が塞ぐように、絶縁層160を二層で形成して短絡の発生を抑制している。
これにより、図8(b1)、(b2)に示すように、基板110上に絶縁層160が形成される。
以上説明した絶縁層形成工程は、平坦部111上に第1の絶縁層を塗布する第1の絶縁層塗布工程(図6における1回目のステップ201)と、凹部112に第2の絶縁層を塗布する第2の絶縁層塗布工程(図6における1回目のステップ203)と、第1の絶縁層上に第3の絶縁層を塗布する第3の絶縁層塗布工程(図6における2回目のステップ201)と、第2の絶縁層上に第4の絶縁層を塗布する第4の絶縁層塗布工程(図6における2回目のステップ203)とを含むと捉えることができる。
図12は、本実施の形態の絶縁層形成工程により形成される絶縁層160の構造について説明した図である。
図示するように絶縁層160は、第1の絶縁層塗布工程により平坦部111に形成された第1の絶縁層160aと、第2の絶縁層塗布工程により凹部112に形成された第2の絶縁層160bとを備える。さらに絶縁層160は、第3の絶縁層塗布工程により平坦部111に形成された第3の絶縁層160cと、第4の絶縁層塗布工程により凹部112に形成された第4の絶縁層160dとを備える。
図12では、第1の絶縁層160a、第2の絶縁層160b、第3の絶縁層160c、および第4の絶縁層160dのそれぞれの境界を点線で示している。ただし実際には、ステップ205(図6参照)で焼成を行なうことで、これらは融合し、一体化している。
図示するように絶縁層160は、第1の絶縁層塗布工程により平坦部111に形成された第1の絶縁層160aと、第2の絶縁層塗布工程により凹部112に形成された第2の絶縁層160bとを備える。さらに絶縁層160は、第3の絶縁層塗布工程により平坦部111に形成された第3の絶縁層160cと、第4の絶縁層塗布工程により凹部112に形成された第4の絶縁層160dとを備える。
図12では、第1の絶縁層160a、第2の絶縁層160b、第3の絶縁層160c、および第4の絶縁層160dのそれぞれの境界を点線で示している。ただし実際には、ステップ205(図6参照)で焼成を行なうことで、これらは融合し、一体化している。
なお凹部112は、上述したようにプレス加工により形成しているが、この際に平坦部111との境界においてなまりが生ずる場合がある。つまり凹部112を形成する際に、平坦部111と凹部112との境界で基板110が変形しきらず、その結果、平坦部111と凹部112との境界が角部とならず、曲面となることがある。
図13(a)〜(d)は、基板110をプレス加工をした際に生じるなまりについて説明した図である。
このうち図13(a)は、なまりが生じていないときの基板110の平坦部111および凹部112について示した図である。この場合、平坦部111と凹部112との境界には、角部Kdが形成される。
対して図13(b)は、なまりが生じたときの基板110の平坦部111および凹部112について示した図である。この場合、平坦部111と凹部112との境界には、角部Kdが形成されず、曲面部であるなまりNmが形成される。
図13(a)〜(d)は、基板110をプレス加工をした際に生じるなまりについて説明した図である。
このうち図13(a)は、なまりが生じていないときの基板110の平坦部111および凹部112について示した図である。この場合、平坦部111と凹部112との境界には、角部Kdが形成される。
対して図13(b)は、なまりが生じたときの基板110の平坦部111および凹部112について示した図である。この場合、平坦部111と凹部112との境界には、角部Kdが形成されず、曲面部であるなまりNmが形成される。
そして図13(c)は、図13(a)の状態から絶縁層160を塗布した場合を示している。
この場合、平坦部111には、スクリーン印刷により第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cが形成される。また凹部112には、ディスペンサやジェットディスペンサにより第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dが形成される。そして第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合している。
対して図13(d)は、図13(b)の状態から絶縁層160を塗布した場合を示している。
この場合、本来平坦になるべき箇所がなまりにより凹むため、スクリーン印刷ではなまりが生じた箇所に第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cが形成されないことになる。そして凹部112にディスペンサやジェットディスペンサにより第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dを形成しても、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合しない。
この場合、平坦部111には、スクリーン印刷により第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cが形成される。また凹部112には、ディスペンサやジェットディスペンサにより第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dが形成される。そして第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合している。
対して図13(d)は、図13(b)の状態から絶縁層160を塗布した場合を示している。
この場合、本来平坦になるべき箇所がなまりにより凹むため、スクリーン印刷ではなまりが生じた箇所に第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cが形成されないことになる。そして凹部112にディスペンサやジェットディスペンサにより第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dを形成しても、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合しない。
そして図13(d)の状態では、上述した絶縁層160に穴(ピンホール)が生じた場合と同様の結果となる。即ち、絶縁層160上に形成される抵抗発熱体120、配線140(配線141、142、143)と基板110とが穴(ピンホール)を介して、短絡するおそれが生ずる。
そこで本実施の形態では、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dに、凹部112から平坦部111に向け延伸する延伸部161を形成する。
図14(a)〜(c)は、延伸部161について説明した図である。
このうち図14(a)は、絶縁層160を形成する際に延伸部161を形成しなかった場合を示している。図14(a)は、図13(d)と同様の図である。
また図14(b)は、絶縁層160を形成する際に延伸部161を形成した場合を示している。
図14(a)と図14(b)とを比較すると、図14(a)では、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合しない。対して図14(b)では、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、延伸部161を介して接合する。
図14(a)〜(c)は、延伸部161について説明した図である。
このうち図14(a)は、絶縁層160を形成する際に延伸部161を形成しなかった場合を示している。図14(a)は、図13(d)と同様の図である。
また図14(b)は、絶縁層160を形成する際に延伸部161を形成した場合を示している。
図14(a)と図14(b)とを比較すると、図14(a)では、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、接合しない。対して図14(b)では、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとは、延伸部161を介して接合する。
また図14(c)は、図14(b)をXIVc方向から見た図である。
図示するように第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dに、凹部112から平坦部111に向け延伸する延伸部161を設け、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cとの接合を図っている。
図示するように第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dに、凹部112から平坦部111に向け延伸する延伸部161を設け、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cとの接合を図っている。
このように延伸部161を設けることで上述した短絡の問題が抑制できる。
図15は、凹部112の形状を実際に測定した図である。
図15において横軸は、水平方向の測定位置を表し、縦軸は、凹部112および凹部112周辺の深さを表す。
図示する例では、凹部112は、平坦部111から約230μmの深さで形成される。また凹部112を形成するにあたり、なまりNmが生じており、なまりNmの範囲は、凹部112の外側約500μmの範囲に広がっている。よってこの場合、延伸部161を約500μmの長さとすることが好ましい。
図15において横軸は、水平方向の測定位置を表し、縦軸は、凹部112および凹部112周辺の深さを表す。
図示する例では、凹部112は、平坦部111から約230μmの深さで形成される。また凹部112を形成するにあたり、なまりNmが生じており、なまりNmの範囲は、凹部112の外側約500μmの範囲に広がっている。よってこの場合、延伸部161を約500μmの長さとすることが好ましい。
ただしなまりNmが生じた場合、凹部112の周辺のスクリーン印刷の精度が低下する場合がある。よってなまりNmの範囲も凹部112毎にばらばらとなりやすい。そして延伸部161の長さを一律(図15の例では、約500μm)にした場合、本来は図16(a)のように第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとが、接合するところ、図16(b)のように、接合しないことがある。また図16(c)のように、第1の絶縁層160aおよび第3の絶縁層160cと、第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層160dとが、重なり合う場合がある。
よって本実施の形態の絶縁層形成工程では、第1の絶縁層塗布工程または第3の絶縁層塗布工程を行なった後に、第1の絶縁層160aまたは第3の絶縁層160cの塗布範囲を検査する塗布範囲検査工程をさらに備えることが好ましい。図6の例では、塗布範囲検査工程は、ステップ202とステップ203の間で行なう。なお具体的には、カメラを用いて凹部112の箇所を撮影し、画像認識を行なうことで行なうことができる。またこの塗布範囲検査工程は、自動化することも可能である。
そして第2の絶縁層塗布工程で塗布する第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層塗布工程で塗布する第4の絶縁層160dは、塗布範囲検査工程で検査された塗布範囲外の領域に塗布するようにする。
これにより図16(b)〜(c)で示したような現象が生じるのを抑制できる。
そして第2の絶縁層塗布工程で塗布する第2の絶縁層160bおよび第4の絶縁層塗布工程で塗布する第4の絶縁層160dは、塗布範囲検査工程で検査された塗布範囲外の領域に塗布するようにする。
これにより図16(b)〜(c)で示したような現象が生じるのを抑制できる。
なおなまりNmが生じない場合、第1の絶縁層塗布工程と第2の絶縁層塗布工程とは、何れが先でもよい。また第3の絶縁層塗布工程と第4の絶縁層塗布工程とは、何れが先でもよい。一方、塗布範囲検査工程等を備える場合は、第2の絶縁層塗布工程は、第1の絶縁層塗布工程の後に行ない、第4の絶縁層塗布工程は、第3の絶縁層塗布工程の後に行なうことが必要である。
図6に戻り、発熱体形成工程(図6のステップ300及び図8(c1))において、例えば、AgPdで構成された抵抗発熱体120が形成される。なお、図8(c2)の断面には、抵抗発熱体120は表れない。
抵抗発熱体120は、図8(c1)に示すように、基板110の平坦部111に形成されるので、スクリーン印刷によりPdの比率が高いAgPdを含む抵抗発熱体用ペーストを塗布することで形成される(抵抗発熱体形成)(図6のステップ301)。
抵抗発熱体用ペーストは、ガラスペーストと同様に、AgPd、バインダ、溶媒などを含んでいる。なお、絶縁層160との接着性を向上させるために、ガラス粒子を含んでもよい。
よって、スクリーン印刷された抵抗発熱体用ペーストは、レべリングのために予め定められた時間放置された後、溶媒を蒸発させるために、予め定められた温度のオーブンなどで乾燥される(乾燥)(図6のステップ302)。
その後、予め定められた温度で焼成される(焼成)(図6のステップ303)。
抵抗発熱体120は、図8(c1)に示すように、基板110の平坦部111に形成されるので、スクリーン印刷によりPdの比率が高いAgPdを含む抵抗発熱体用ペーストを塗布することで形成される(抵抗発熱体形成)(図6のステップ301)。
抵抗発熱体用ペーストは、ガラスペーストと同様に、AgPd、バインダ、溶媒などを含んでいる。なお、絶縁層160との接着性を向上させるために、ガラス粒子を含んでもよい。
よって、スクリーン印刷された抵抗発熱体用ペーストは、レべリングのために予め定められた時間放置された後、溶媒を蒸発させるために、予め定められた温度のオーブンなどで乾燥される(乾燥)(図6のステップ302)。
その後、予め定められた温度で焼成される(焼成)(図6のステップ303)。
次に、配線形成工程(図6のステップ400及び図8(d1)、(d2))において、例えば、AgPdで構成された配線140(配線141、142、143)が形成される。なお、図8(d2)には、配線141は表れない。
まず、基板110の平坦部111上に配線141、配線142の一部、配線143の一部が、スクリーン印刷によりAgの比率が高いAgPdを含む配線用ペーストが塗布される(平坦部配線形成)(図6のステップ401)。配線用ペーストは、抵抗発熱体用ペーストと同様に、AgPd、バインダ、溶剤などを含んでいる。なお、絶縁層160との接着性を向上させるために、ガラス粒子を含んでもよい。
そして、レべリングの後、溶媒を蒸発させるために乾燥される(乾燥)(図6のステップ402)。
まず、基板110の平坦部111上に配線141、配線142の一部、配線143の一部が、スクリーン印刷によりAgの比率が高いAgPdを含む配線用ペーストが塗布される(平坦部配線形成)(図6のステップ401)。配線用ペーストは、抵抗発熱体用ペーストと同様に、AgPd、バインダ、溶剤などを含んでいる。なお、絶縁層160との接着性を向上させるために、ガラス粒子を含んでもよい。
そして、レべリングの後、溶媒を蒸発させるために乾燥される(乾燥)(図6のステップ402)。
次に、基板110の凹部112における配線140(凹部112内に設けられる配線142の残り、配線143の残り)が、ディスペンサ又はジェットディスペンサを用いて配線用ペーストで形成される(凹部配線形成)(図6のステップ403)。なお、顕微鏡などで、平坦部111上に形成された配線用ペーストを観察しつつ、凹部112における配線140を形成することで、平坦部111上に形成された配線と凹部112における配線とが接続して形成される。また、顕微鏡で観察される画像から配線を認識することで、自動化して行える。
そして、レべリングの後、溶媒を蒸発させるために乾燥される(乾燥)(図6のステップ404)。
その後、配線用ペーストを焼成することで、配線140(配線141、142、143)が形成される(焼成)(図6のステップ405)。
これにより、図8(d1)、(d2)に示すように、基板110に配線140(配線141、142、143)が形成される。なお、図8(d2)には、配線141は表れない。
そして、レべリングの後、溶媒を蒸発させるために乾燥される(乾燥)(図6のステップ404)。
その後、配線用ペーストを焼成することで、配線140(配線141、142、143)が形成される(焼成)(図6のステップ405)。
これにより、図8(d1)、(d2)に示すように、基板110に配線140(配線141、142、143)が形成される。なお、図8(d2)には、配線141は表れない。
次に、抵抗素子実装工程(図7のステップ500及び図9(a1)、(a2))において、PTC素子130を基板110の凹部112に実装する。
まず、絶縁性のガラスペーストを、基板110における凹部112のPTC素子130を実装(配置)する部分に塗布する。これは、ディスペンサ又はジェットディスペンサで行うのがよい。そして、塗布されたガラスペースト上にPTC素子130を置く(PTC素子実装)(図7のステップ501)。その後、ガラスペーストに含まれる溶媒を蒸発させるための乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ502)。
まず、絶縁性のガラスペーストを、基板110における凹部112のPTC素子130を実装(配置)する部分に塗布する。これは、ディスペンサ又はジェットディスペンサで行うのがよい。そして、塗布されたガラスペースト上にPTC素子130を置く(PTC素子実装)(図7のステップ501)。その後、ガラスペーストに含まれる溶媒を蒸発させるための乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ502)。
次に、PTC素子130の電極132と配線143とを接続する配線144、及び、PTC素子130の電極133と配線142とを接続する配線145を形成する(接続用配線形成)(図7のステップ504)。なお、配線144、145は、接続配線用ペーストをディスペンサ又はジェットディスペンサにより塗布することで形成する。接続配線用ペーストは、配線用ペーストと同様に、AgPd、バインダ、溶剤などを含んでいる。
配線144、145を形成する位置は、ディスペンサ又はジェットディスペンサの吐出位置を顕微鏡などで確認して行えばよい。そして、レべリングの後、溶媒を飛ばすための乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ504)。
その後、PTC素子130を基板110にガラスペースト及び配線144、145となる接続配線用ペーストを焼成する(焼成)(図7のステップ505)。
なお、PTC素子130の耐熱温度(約600℃)を考慮して、PTC素子130を基板110に固定するガラスペースト及び接続配線用ペーストには、PTC素子130の耐熱温度以下の温度で焼成されるものがよい。
配線144、145を形成する位置は、ディスペンサ又はジェットディスペンサの吐出位置を顕微鏡などで確認して行えばよい。そして、レべリングの後、溶媒を飛ばすための乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ504)。
その後、PTC素子130を基板110にガラスペースト及び配線144、145となる接続配線用ペーストを焼成する(焼成)(図7のステップ505)。
なお、PTC素子130の耐熱温度(約600℃)を考慮して、PTC素子130を基板110に固定するガラスペースト及び接続配線用ペーストには、PTC素子130の耐熱温度以下の温度で焼成されるものがよい。
次に、抵抗素子周囲保護層形成工程(図7のステップ600及び図9(c1)、(c2))を行う。保護層170の形成は、絶縁層160と同様に、基板110の平坦部111上と凹部112上とで異なる方法で行う。
まず、基板110の平坦部111上は、スクリーン印刷などによって基板110の平坦部111上に保護層170の一部である保護層171(図9(c2)参照)となるガラスペーストを塗布する(平坦部保護層塗布)(図7のステップ601)。なお、端子150(端子151、152)となる配線141、142の部分には、ガラスペーストを塗布しない。
次に、レべリングの後、乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ602)。
まず、基板110の平坦部111上は、スクリーン印刷などによって基板110の平坦部111上に保護層170の一部である保護層171(図9(c2)参照)となるガラスペーストを塗布する(平坦部保護層塗布)(図7のステップ601)。なお、端子150(端子151、152)となる配線141、142の部分には、ガラスペーストを塗布しない。
次に、レべリングの後、乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ602)。
その後、凹部112に実装されたPTC素子130の周囲に保護層170の一部である保護層172となるガラスペーストを塗布する。つまり、PTC素子130は、基板110に設けられた凹部112に配置されている。よって、PTC素子130の周囲は、空隙となっている。よって、ディスペンサ又はジェットディスペンサにより、PTC素子130の周囲をガラスペーストによって埋める(凹部保護層塗布)(図7のステップ603)。この場合、PTC素子130上(上面)には、ガラスペーストを塗布しない。すなわち、PTC素子130は、本体部131の上部がガラスペーストで覆われない状態に維持される。この理由については、後述する。
そして、レべリングの後、乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ604)。
そして、レべリングの後、乾燥を行う(乾燥)(図7のステップ604)。
PTC素子130のみをガラスペーストで覆う場合は、PTC素子130の表面の一部を除く表面をガラスペーストで覆って、表面の一部をガラスペーストで覆われない状態に維持すればよい。
その後、平坦部111上のガラスペースト及び凹部112のPTC素子130の周囲を埋め込んだガラスペーストを焼成する(焼成)(図7のステップ605)。
このようにして、図9(c1)、(c2)に示すように、PTC素子130の上面及び端子151、152となる配線141、142となる部分を除いて、保護層170の一部である保護層171、172が形成される。
このようにして、図9(c1)、(c2)に示すように、PTC素子130の上面及び端子151、152となる配線141、142となる部分を除いて、保護層170の一部である保護層171、172が形成される。
次に、抵抗素子封止工程(図7のステップ700及び図9(d1)、(d2))を行う。
抵抗素子周囲保護層形成工程でガラスペーストを塗布しなかったPTC素子130の表面に、保護層170の一部である保護層173となるガラスペーストを薄く塗布する(PTC素子表面薄塗り)(図7のステップ701)。ここでも、ガラスペーストは、ディスペンサ又はジェットディスペンサで塗布することがよい。
レべリングの後、乾燥する(乾燥)(図7のステップ702)。そして、ガラスペーストを焼成する(焼成)(図7のステップ703)。
このようにして、PTC素子130は、保護層170(保護層172、173)で覆われる。
抵抗素子周囲保護層形成工程でガラスペーストを塗布しなかったPTC素子130の表面に、保護層170の一部である保護層173となるガラスペーストを薄く塗布する(PTC素子表面薄塗り)(図7のステップ701)。ここでも、ガラスペーストは、ディスペンサ又はジェットディスペンサで塗布することがよい。
レべリングの後、乾燥する(乾燥)(図7のステップ702)。そして、ガラスペーストを焼成する(焼成)(図7のステップ703)。
このようにして、PTC素子130は、保護層170(保護層172、173)で覆われる。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、基板110のPTC素子130を配置する部分に、PTC素子130毎に個別凹部112が設けられていた。
第2の実施の形態では、基板110のPTC素子130を配置する部分に、複数のPTC素子130に対して連続した凹部113(以下では、連続凹部113と表記する。)を設けている。
なお、第1の実施の形態とは、ソリッドヒータ71を除くと同様であるので、異なるソリッドヒータ71を説明する。
第1の実施の形態では、基板110のPTC素子130を配置する部分に、PTC素子130毎に個別凹部112が設けられていた。
第2の実施の形態では、基板110のPTC素子130を配置する部分に、複数のPTC素子130に対して連続した凹部113(以下では、連続凹部113と表記する。)を設けている。
なお、第1の実施の形態とは、ソリッドヒータ71を除くと同様であるので、異なるソリッドヒータ71を説明する。
<ソリッドヒータ71>
図17は、第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71を説明する上面図である。図2における矢印IIIの方向から見たソリッドヒータ71の図である。
図17に示すように、PTC素子130は、基板110の長手方向の一方の辺側(図17の紙面の下側)に、長手方向に沿って並んで配置されている。よって、これらのPTC素子130が配置される部分を連続した凹部113としている。連続した凹部113を連続凹部113と表記することがある。
連続凹部113は、第1の実施の形態における個別凹部112に比べ形状が大きい。すなわち、連続凹部113は、個別凹部112に比べて、精度を低くして形成しうる。すなわち、連続凹部113は、個別凹部112に比べて、基板110の加工がしやすい。
なお、連続凹部113は、すべてのPTC素子130を配置しなくともよく、2個以上のPTC素子130を配置するものであってよい。
図17は、第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71を説明する上面図である。図2における矢印IIIの方向から見たソリッドヒータ71の図である。
図17に示すように、PTC素子130は、基板110の長手方向の一方の辺側(図17の紙面の下側)に、長手方向に沿って並んで配置されている。よって、これらのPTC素子130が配置される部分を連続した凹部113としている。連続した凹部113を連続凹部113と表記することがある。
連続凹部113は、第1の実施の形態における個別凹部112に比べ形状が大きい。すなわち、連続凹部113は、個別凹部112に比べて、精度を低くして形成しうる。すなわち、連続凹部113は、個別凹部112に比べて、基板110の加工がしやすい。
なお、連続凹部113は、すべてのPTC素子130を配置しなくともよく、2個以上のPTC素子130を配置するものであってよい。
第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71は、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71と同様な製造方法で製造できる。よって、説明を省略する。
なお、連続凹部113の場合、PTC素子130の間を、保護層170の一部である保護層172(図9(c2)、(d2)参照)で埋めることになる。よって、第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、保護層170を構成するガラスペーストが、第1の実施の形態に係るソリッドヒータ71に比べて多く必要となる。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、塗布したガラスペーストを、酸素を含む雰囲気中で焼成することで絶縁層160及び保護層170を形成した。
ガラスペーストの代わりに、絶縁性のセラミックの微粒子を含有するペーストを用い、酸素を含む雰囲気で焼成して、絶縁層160又は/及び保護層170を形成してもよい。酸素を含む雰囲気で焼成することにより、エチルセルロースなどのバインダが燃焼して除去されるとともに、セラミックの微粒子同士が焼結される。
ガラスペーストの代わりに、絶縁性のセラミックの微粒子を含有するペーストを用い、酸素を含む雰囲気で焼成して、絶縁層160又は/及び保護層170を形成してもよい。酸素を含む雰囲気で焼成することにより、エチルセルロースなどのバインダが燃焼して除去されるとともに、セラミックの微粒子同士が焼結される。
第1の実施の形態及び第2の実施の形態に係るソリッドヒータ71では、抵抗発熱体120の全てにPTC素子130を直列接続した。しかし、用紙Pのサイズに関わらず用紙Pが通過する定着ベルト78の部分に対しては、PTC素子130を接続しなくてもよい。
1…画像形成装置、10…画像形成部、11、11K、11C、11M、11Y…画像形成ユニット、40…用紙収容部、50…搬送部、60…定着ユニット、70…ヒータユニット、71…ソリッドヒータ、78…定着ベルト、79…押圧パッド、80…加圧ロール、110…基板、111…平坦部、112…凹部(個別凹部)、113…凹部(連続凹部)、120…抵抗発熱体、130…PTC素子、140、141、142、143、144、145…配線、150、151、152…端子、160…絶縁層、170、171、172、173、174…保護層、Gp…ガラスペースト、Nm…なまり
Claims (8)
- 一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板の当該平坦部上および当該凹部に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記基板の前記平坦部上であって前記絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体を形成する発熱体形成工程と、
前記基板の前記凹部であって前記絶縁層上に配置されるとともに前記発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子を実装する抵抗素子実装工程と、
前記発熱体及び前記抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層を形成する保護層形成工程と、
を含み、
前記絶縁層形成工程は、
前記平坦部上に絶縁層を塗布するとともに、前記凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように絶縁層を塗布する加熱装置の製造方法。 - 前記絶縁層形成工程は、
前記平坦部上に第1の絶縁層を塗布する第1の絶縁層塗布工程と、
前記凹部に第2の絶縁層を塗布する第2の絶縁層塗布工程と、
前記第1の絶縁層上に第3の絶縁層を塗布する第3の絶縁層塗布工程と、
前記第2の絶縁層上に第4の絶縁層を塗布する第4の絶縁層塗布工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置の製造方法。 - 前記第2の絶縁層塗布工程は、前記第1の絶縁層塗布工程の後に行ない、前記第4の絶縁層塗布工程は、前記第3の絶縁層塗布工程の後に行なうことを特徴とする請求項2に記載の加熱装置の製造方法。
- 前記第1の絶縁層塗布工程および/または前記第3の絶縁層塗布工程を行なった後に、前記第1の絶縁層および/または前記第3の絶縁層の塗布範囲を検査する塗布範囲検査工程をさらに備え、
前記第2の絶縁層塗布工程で塗布する前記第2の絶縁層および前記第4の絶縁層塗布工程で塗布する前記第4の絶縁層は、前記塗布範囲検査工程で検査された塗布範囲外の領域に塗布することを特徴とする請求項3に記載の加熱装置の製造方法。 - 前記第1の絶縁層塗布工程および前記第3の絶縁層塗布工程は、塗布液をスクリーン印刷により塗布することにより行ない、前記第2の絶縁層塗布工程および前記第4の絶縁層塗布工程は、塗布液をライン状またはスポット状に塗布することで行なうことを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項に記載の加熱装置の製造方法。
- 一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、
前記加熱部材の前記一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、
前記ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、
を備える定着装置。 - 記録媒体にトナー像を転写する転写部と、
一方の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、当該基板の当該平坦部上および当該凹部に設けられる絶縁層と、当該基板の当該平坦部上であって当該絶縁層上に設けられ、電流によって発熱する発熱体と、当該基板の当該凹部であって当該絶縁層上に配置されるとともに当該発熱体と直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、当該発熱体及び当該抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、を有し、当該絶縁層は、当該平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に当該凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱部材と、当該加熱部材の当該一方の表面側に接して加熱されるとともに循環するベルト部材と、当該ベルト部材に接してニップ部を形成する加圧部材と、を備え、当該ニップ部に挟まれた前記記録媒体に前記トナー像を定着させる定着部と、
を備える画像形成装置。 - 被加熱部材側の表面に平坦部と凹部とを有する基板と、
前記基板の前記平坦部上および前記凹部に設けられる絶縁層と、
前記基板の前記平坦部上であって前記絶縁層上に設けられ、電流によって発熱して前記被加熱部材を加熱する発熱体と、
前記基板の前記凹部であって前記絶縁層上に配置されるとともに、前記発熱体と電気的に直列に接続される正の温度係数の抵抗素子と、
前記発熱体及び前記抵抗素子を覆うように設けられ、当該発熱体及び当該抵抗素子を保護する保護層と、
を備え、
前記絶縁層は、前記平坦部上に設けられた絶縁層と、当該凹部に前記凹部から当該平坦部に向け延伸する延伸部を備えるように設けられた絶縁層とを備える加熱装置。
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