JP2017161795A - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】本発明の課題は、振れ精度の低下を抑制しつつ、帯電プロセスにおけるAC成分との共振やクリーニングブレードとの共振を抑制する電子写真感光体を提供することである。【解決手段】本発明の電子写真感光体(10)は、導電性基体(1)上に、感光層(2)を有して構成され、導電性基体(1)の外径中心位置(D1)と内径中心位置(D2)との距離L(mm)が、導電性基体(1)の外径をD(mm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。0.0013×D≦L≦0.0050×D (1)【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真感光体及び画像形成装置に関し、より詳しくは、振れ精度の低下を抑制しつつ、帯電プロセスにおけるAC成分との共振やクリーニングブレードとの共振を抑制する電子写真感光体及びこれを備える画像形成装置に関する。
電子写真感光体は、プリンタや複写機の画像形成に用いられ、画像形成プロセスにあたって帯電→像露光→現像→転写→クリーニング→除電の各プロセスを経て使用される(例えば、特許文献1参照。)。
この中で、帯電プロセスは、接触帯電プロセスを適用する場合が少なくない。接触帯電プロセスでは、帯電を均一にして帯電性を上げるために、AC帯電方式が好ましく用いられている。AC帯電方式は、DC電圧にAC成分を重畳させ高圧電界をかけることで安定した帯電を付与することができる。
被帯電体である電子写真感光体にAC高圧電界をかけると、電子写真感光体の固有振動とAC周波数とが共振する周波数で「鳴き」(帯電音ともいう。)が発生する場合があり、機器の騒音として問題となる。この共振周波数での鳴きは、プロセス設計上、大きな制約となる。
また、もう一つの現象として、クリーニングプロセスにおいて、ブレードクリーニングする場合が多いが、こちらも電子写真感光体とブレードとの共振で「鳴き」が発生する場合があり、同様に大きな問題である。
以上のような共振を抑えるため、基体肉厚を厚くすることや、電子写真感光体の円筒内に重りや緩衝材を装着することがなされている。しかし、電子写真感光体の製造に多大な負荷がかかり、かつ高コストとなっているのが現状である。
また、別の方法としてフランジに工夫を施すことやブレードに制振部材をとりつけること等がなされているが、コスト面で不利である。
さらには、機器の設計上、AC周波数をずらして共振を抑える方法があるが、これでは共振を抑えるのに不十分であり、また、静電的な最適条件と共振抑制のための最適条件との制約から設計負荷が著しく大きく、電源や部材に対し制約が生じてしまう。
特開平11−52792号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、振れ精度の低下を抑制しつつ、帯電プロセスにおけるAC成分との共振やクリーニングブレードとの共振を抑制する電子写真感光体及びこれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、導電性基体の外径中心位置と内径中心位置との距離Lを特定範囲内とすることにより、帯電プロセスにおけるAC成分との共振やクリーニングブレードとの共振を抑制する電子写真感光体及びこれを備える画像形成装置を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性基体上に、感光層を有して構成される電子写真感光体であって、
前記導電性基体の外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が、前記導電性基体の外径をD(mm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
0.0013×D≦L≦0.0050×D (1)
2.前記導電性基体の端部に、前記導電性基体の外径中心位置と同心のインローが形成されていることを特徴とする第1項に記載の電子写真感光体。
3.前記導電性基体の平均肉厚が、2mm以下であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真感光体。
4.AC帯電方式による帯電プロセスに供される画像形成装置であって、
第1項から第3項までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
5.前記AC帯電方式による帯電プロセスにおける周波数が、1〜3kHzの範囲内であることを特徴とする第4項に記載の画像形成装置。
本発明の上記手段により、振れ精度の低下を抑制しつつ、帯電プロセスにおけるAC成分との共振やクリーニングブレードとの共振を抑制した電子写真感光体及びこれを備える画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体を構成する導電性基体重量を周方向に沿って積極的にアンバランス化させて、共振・振動抑制効果を得るものである。
すなわち、導電性基体の外径と内径との同心がとれている円筒ほど、与えられた振動に対して、その振動数が一致した場合に振動幅の狭い急峻な共振となり高い音となるが、アンバランスを与えることで分散させ、共振・振動を抑制させることができるものと考えられる。
また、電子写真感光体用の支持体は、表面切削後の寸法精度(特に、振れ精度)を確保するため、偏肉を小さくすることが求められており、現在の技術では量産レベルででも偏肉量0.05mm以下で加工するのが一般的であり、また、コストの関係で肉厚は薄くする要請が高い。
本発明においては、偏肉量を大きくし、振れ精度の低下を抑えた条件下で、肉厚を極端に厚くすることなく、共振を抑えることができるものである。
本発明の電子写真感光体の概略構成を示す部分的な断面拡大図 本発明の電子写真感光体の他の態様を示す部分的な断面拡大図 本発明に係る導電性基体の概略図 本発明に係る導電性基体の加工方法を説明するための概略図 本発明に係る導電性基体の加工方法の他の態様を説明するための概略図 本発明の電子写真感光体を備える画像形成装置の概略構成を示す模式図 作像ユニットの概略構成を示す模式図
本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、感光層を有して構成され、導電性基体の外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が、導電性基体の外径をD(mm)としたとき、式(1)を満たすことを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、導電性基体の外径中心位置と同心のインローが形成されていることが好ましい。
また、本発明の導電性基体は、十分な共振抑制効果を発揮することができることから、その平均肉厚を2mm以下とすることができ、製造コストを抑えることができる。
本発明の電子写真感光体は、AC帯電方式による帯電プロセスに供される画像形成装置に適用することができる。
AC帯電方式による帯電プロセスの周波数は、帯電安定性及び減耗量を抑える観点から、1〜3kHzの範囲内であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《電子写真感光体》
図1に示すとおり、本発明の電子写真感光体10は、ドラム状(円筒状)の導電性基体1と、当該導電性基体1の外周面に沿って形成された感光層2とを有して構成されている。
感光層2は、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bから構成されていてもよいし、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む単層として構成されていてもよいが、電荷発生層2a及び電荷輸送層2bの2層構造を有していることが好ましい。
また、本発明の電子写真感光体10は、図2に示すとおり、後述する下引き層3、表面保護層4等を有していてもよい。
〈導電性基体(1)〉
(導電性基体の構成)
本発明に係る導電性基体は、外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が、導電性基体の外径をD(mm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.0013×D≦L≦0.0050×D (1)
外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が0.0013×D(mm)より小さいと共振抑制効果が得られず、0.0050×D(mm)より大きいと振れ精度が顕著に悪くなってしまう。
外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)は、下記式(2)を満たすことがより好ましい。
0.0015×D≦L≦0.0040×D (2)
外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が上記範囲内であれば、共振抑制効果を十分に得ることができ、振れ精度を良好にすることができる。
以下、図面を用いて詳細に説明する。
図3に示すとおり、本発明に係る導電性基体1は、ドラム状(円筒状)で、その軸方向両端部に開口部11を有している。導電性基体1の軸方向両端部の内周面には、インロー加工部12が形成されている。インロー加工部12は、電子写真感光体10にフランジ(図示略)を取り付ける際に、フランジを嵌める部分である。
本発明に係る導電性基体1において、軸方向両端部(インロー加工部12)の肉厚W1は、周面に沿って均一となっているが、インロー加工部12を除く部分の肉厚W2は、周面に沿って不均一となっている。すなわち、外径中心位置D1と内径中心位置D2とがずれるようにして構成されている。この外径中心位置D1と内径中心位置D2との「ずれ」(距離L)が、上記式(1)、好ましくは上記式(2)を満たすことにより、共振抑制効果を得ることができるものである。
なお、上記導電性基体1では、インロー加工部12が形成されている場合について説明したが、インロー加工部12は必ずしも必要ではなく、外径中心位置D1と内径中心位置D2との距離Lが上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満たすように構成されていればよい。
この場合、導電性基体1は、例えば、後述の画像形成装置に電子写真感光体として適用される際には、電子写真感光体の外径にフランジを嵌合させることによって使用される。
導電性基体の外径は、20〜120mmの範囲内であることが好ましく、24〜100mmの範囲内であることが好ましい。導電性基体は、外径が120mm以下となることで質量が小さくなり共振が発生しやすくなることから、本発明の構成とすることで共振抑制効果をより効果的に得ることができる。導電性基体の外径は、実用面から24mm以上であることが好ましい。
導電性基体のインロー加工部を除く部分の平均肉厚は、2mm以下であることが好ましく、1.5mm以下であることがより好ましい。導電性基体の平均肉厚を2mm以下と薄肉として共振が発生しやすくなっても、共振抑制効果を得ることができる。
インロー加工部の直径(インロー径)は、(D−1.4)〜(D−2.5)mmの範囲内であることが好ましく、(D−1.5)〜(D−2.2)mmの範囲内であることがより好ましい。
導電性基体の振れ精度(寸法精度)は、0.05mm以下であることが好ましく、0.03mm以下であることがより好ましい。
導電性基体の長さは、220〜500mmの範囲内であることが好ましい。
導電性基体の表面粗さRtは、好ましくは0.6μm以上であり、より好ましくは0.9〜1.1μmの範囲内である。「表面粗さRt」とは、JIS B 0601:2001に準拠するパラメーターであって、JIS規格による粗さ曲線の最大断面高さである。
導電性基体の材料としては、電気伝導率、加工性、製造コストの点から、アルミニウム又はアルミニウム合金が用いられ、中でも、JIS A 1000系、3000系(Al−Mn系合金)、5000系(Al−Mg系合金)又は6000系(Al−Mg−Si系合金)が好ましい。
(導電性基体の作製方法)
以下、インロー加工部が形成されている導電性基体の作製(加工)方法について、原管の偏肉量が小さい場合と大きい場合とに分けて、図面を用いて説明する。
(1)原管の偏肉量が小さい場合
まず、偏肉量が小さい、加工するドラム原管13(図4(a)参照。)を固定する。この原管13の端面に対し、回転刃物をあてて端面加工を行う。
次いで、原管13の端部内周面側に、インロー加工を施す。インロー加工は、その加工中心位置D3を内径中心位置D2から距離Lだけずらして行う。なお、インロー加工は、上記端面加工と同時に行ってもよい。このようにして、インロー加工された端面加工管14を得ることができる(図4(b)参照。)。
次いで、端面加工管14を旋盤にセットし、インロー加工部12をチャックして端面加工管14を回転させる。この端面加工管14の外周面に、外周面粗加工用バイト(刃物)をあて、端面加工管14の長手方向に移動させることにより、表面切削を行う。続けて、外周面粗加工と同様に、外周面仕上げ加工用バイト(刃物)を端面加工管14の外周面にあて、端面加工管14の長手方向に移動させることにより、外周面仕上げ加工を行う。表面切削は、加工中心位置D3を基準にして行う。すなわち、加工中心位置D3が、外径中心位置D1となる(図4(c)参照。)。
以上のようにして、外径中心位置D1と内径中心位置D2とは距離Lだけずれた導電性基体1を得ることができる。
上記の一連の加工は、複数の旋盤で実施してもよいし、一台の旋盤で実施してもよい。
(2)原管の偏肉量が大きい場合
まず、偏肉量が大きいドラム原管15(図5(a)参照。)を旋盤にセットし、原管15の外径をチャックして回転させ、原管15の端面に刃物をあて端面加工を行う。
次いで、原管15の端部内周面側に、インロー加工を施す。インロー加工は、原管15の外径中心位置D4を基準にして行う。なお、インロー加工は、上記端面加工と同時に行ってもよい。このようにして、インロー加工された端面加工管16を得ることができる(図5(b)参照。)。
次いで、端面加工管16のインロー加工部12をチャックして端面加工管16を回転させる。この端面加工管16の外周面に、外周面粗加工用バイト(刃物)をあて、端面加工管16の長手方向に移動させることにより、表面切削を行う。続けて、外周面粗加工と同様に、外周面仕上げ加工用バイト(刃物)を端面加工管16の外周面にあて、端面加工管16の長手方向に移動させることにより、外周面仕上げ加工を行う。表面切削は、原管15の外径中心位置D4を基準にして行う。すなわち、原管15の外径中心位置D4が、導電性基体1の外径中心位置D1となる(図5(c)参照。)。
なお、以上の加工方法では、導電性基体1の外径中心位置D1と内径中心位置D2との距離Lが、加工前の原管15の外径中心位置D4と内径中心位置D2との距離が、上記式(1)を満たしておく必要があるが、上記式(1)を満たしていない場合であっても、上記加工方法(1)でも示したように、原管15を固定して、上記式(1)を満たすような加工中心位置を基準にしてインロー加工を行えばよい。
〈感光層(2)〉
上述したように、感光層は、感光層の機能(電荷発生機能及び電荷輸送機能)を、電荷発生層と電荷輸送層とに分離させた層構成のものがより好ましい。機能分離型の層構成によれば、繰り返し使用にともなう残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすいメリットがある。
負帯電性感光体では、下引き層の上に電荷発生層、その上に電荷輸送層を設ける構成をとる。正帯電性感光体では、下引き層の上に電荷輸送層、その上に電荷発生層を設ける構成をとる。
感光層の好ましい態様は、機能分離構造を有する負帯電性感光体である。
ここでは、感光層の具体例として、機能分離型の負帯電性感光体の感光層の各層について説明する。
(電荷発生層(2a))
電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)とバインダー樹脂とを含有するものであり、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させた塗布液を用いて、浸漬塗布方式により形成される。
電荷発生物質としては、スーダンレッドやダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料や、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン及びチタニルフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも700nm以上に感度を有するフタロシアニン系顔料が好ましく、中でもチタニルフタロシアニン系顔料、特にY−チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料で、780nmに非常に大きな吸収を有する。Y−TiPhと記載する。)を含有することが好ましいが、電荷発生物質はこれらに限定されるものではない。
これらの電荷発生物質は、単独又は公知のバインダー樹脂中に分散させる形態で使用することができる。
電荷発生層を形成するバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びこれらの樹脂のうち二つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層を形成する場合は、バインダー樹脂を溶媒で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散させて塗布液を調製し、塗布液を浸漬塗布方式で一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷発生物質1〜600質量部の範囲内が好ましく、50〜500質量部の範囲内がより好ましい。
電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性、混合割合などにより異なるが、0.01〜5μmの範囲内が好ましく、0.05〜3μmの範囲内がより好ましい。
なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
(電荷輸送層(2b))
電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)とバインダー樹脂とを含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解させた塗布液を用いて、浸漬塗布方式により形成される。
電荷輸送物質としては、公知の化合物を用いることが可能で、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどが挙げられる。これらの化合物を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
電荷輸送層用のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることが可能で、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリカーボネート樹脂が好ましく、更に、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノールZ(BPZ)、ジメチルBPAタイプのポリカーボネート樹脂、BPA−ジメチルBPA共重合体などのタイプのポリカーボネート樹脂が耐クラック性、耐摩耗性、帯電特性の観点から好ましいものである。
電荷輸送層を形成する場合は、バインダー樹脂と電荷輸送物質とを溶媒に溶解させて塗布液を調製し、塗布液を浸漬塗布方式で一定の層厚に塗布し、塗布膜を乾燥させるのが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解する溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
なお、電荷輸送層用の塗布液を調製するのに使用する溶媒としては、上記のものに限定されるものではない。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との混合比率は、バインダー樹脂100質量部に対して、電荷輸送物質を10〜500質量部の範囲内とすることが好ましく、20〜100質量部の範囲内とすることがより好ましい。
電荷輸送層の厚さは、電荷輸送物質やバインダー樹脂の特性、これらの混合比などにより異なるが、5〜40μmの範囲内が好ましく、10〜30μmの範囲内がより好ましい。
電荷輸送層中には、公知の酸化防止剤を添加することが可能で、例えば、特開2000−305291号公報記載の酸化防止剤が使用できる。
〈下引き層(3)〉
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層との間に下引き層を有していてもよい。下引き層は、バリア機能及び接着機能を有している。
下引き層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布方式により形成される。バインダー樹脂としては、アルコール可溶性のポリアミド樹脂を使用するのが好ましい。
下引き層には、抵抗調整の目的で、金属酸化物が含有させることもできる。同様に、下引き層には、抵抗調整の目的で、各種導電性微粒子などの無機微粒子が含有されてもよい。金属酸化物としては、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどが挙げられる。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子も用いることができる。
これら金属酸化物は、1種類で使用されてもよいし、2種類以上が混合され使用されてもよい。2種類以上が混合され使用される場合には、固溶体又は融着の形態をとってもよい。このような金属酸化物は、微粒子の状態で下引き層に含有されることが好ましく、その場合、個数平均一次粒径が0.3μm以下のものが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。
当該金属酸化物の個数平均一次粒径の測定方法は、表面保護層に含有される金属酸化物微粒子のそれと同様である(後述参照。)。
下引き層の形成に使用可能な溶媒としては、前述した導電性微粒子や金属酸化物などの無機微粒子を良好に分散させ、ポリアミド樹脂をはじめとするバインダー樹脂を溶解するものが好ましい。
具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノールなどの炭素数2〜4のアルコール類が挙げられる。これらアルコール類は、バインダー樹脂として公的なポリアミド樹脂に対し良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。
かかる溶媒には、保存性や無機微粒子の分散性を向上させるために、以下のような助溶剤を併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
塗布液形成時のバインダー樹脂濃度は、下引き層の厚さなどに合わせて適宜選択することができる。
無機微粒子などを分散させるとき、バインダー樹脂に対する無機微粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して、無機微粒子を20〜400質量部の範囲内とすることが好ましく、50〜200質量部の範囲内とすることがより好ましい。
無機微粒子の分散手段は、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
下引き層の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する厚さに応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
下引き層の厚さは、好ましくは1〜30μmの範囲内であり、より好ましくは0.1〜15μmの範囲内であり、更に好ましくは0.3〜10μmの範囲内である。
〈表面保護層(4)〉
表面保護層は、少なくとも架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂と金属酸化物微粒子とで構成されている。
表面保護層は、架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂をバインダー樹脂として含有する。表面保護層では、架橋性の重合性化合物を重合して得られた樹脂の他に、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの公知の樹脂を併用して用いることができる。
(1)架橋性の重合性化合物
表面保護層に使用可能な架橋性の重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基を二つ以上有するラジカル重合性の化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基又はメタクリロイル基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性単量体が好ましい。
これらのラジカル重合性単量体としては、例えば以下の化合物を例示することができるが、ラジカル重合性単量体はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017161795
Figure 2017161795
上記のラジカル重合性単量体は公知であり、市販品として入手できる。
ここで、Rは下記アクリロイル基、R′は下記メタクリロイル基を表す。
Figure 2017161795
(2)金属酸化物微粒子
表面保護層には、金属酸化物微粒子5(図1参照)が含有される。
金属酸化物微粒子としては、酸化スズ微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化チタン微粒子及び酸化アルミニウム微粒子が好ましい。
金属酸化物微粒子の個数平均一次粒径は、1〜300nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜100nmの範囲内である。
(2.1)金属酸化物微粒子の個数平均一次粒径の測定法
金属酸化物微粒子の個数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除く)を自動画像処理解析装置「ルーゼックス AP(LUZEX(登録商標)AP)」((株)ニレコ製)ソフトウエアVer.1.32を使用して、2値化処理し、それぞれ水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒径として算出する。
水平方向フェレ径とは、金属酸化物微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
(2.2)金属酸化物微粒子の表面修飾
表面保護層に含有される金属酸化物微粒子は、カップリング剤で修飾されたものであることが好ましく、更に反応性有機基を有するカップリング剤で表面修飾されたものがより好ましい。
(2.2.1)カップリング剤
金属酸化物微粒子を表面修飾するカップリング剤としては、金属酸化物微粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応するカップリング剤が好ましく、これらのカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
カップリング剤としては、表面保護層の硬度を更に高くする目的で、反応性有機基を有するカップリング剤が好ましく、反応性有機基を有するカップリング剤としては、ラジカル重合性反応基を有するカップリング剤が好ましい。これらのラジカル重合性反応基は、架橋性の重合性化合物とも反応して強固な保護膜を形成することができる。
ラジカル重合性反応基を有するカップリング剤としては、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤が好ましく、このようなラジカル重合性反応基を有するシランカップリング剤の例としては、下記のような公知の化合物を挙げることができる。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
シランカップリング剤としては、上記S−1〜S−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらのシランカップリング剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(2.2.2)金属酸化物微粒子の表面修飾方法
表面修飾するに際して、金属酸化物微粒子100質量部に対し、カップリング剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して表面修飾することが好ましい。乾式でも表面修飾することができる。
以下、均一にカップリング剤で表面修飾された金属酸化物微粒子を製造する表面修飾方法について説明する。
金属酸化物微粒子とカップリング剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、金属酸化物微粒子を微細化すると同時に微粒子の表面修飾が進行する。その後、溶媒を除去して粉体化することで、均一にカップリング剤により表面修飾された金属酸化物微粒子を得ることができる。
表面修飾装置である湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、更に回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、金属酸化物微粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置である。
分散型装置の構成としては、金属酸化物微粒子に表面修飾を行う際に金属酸化物微粒子を十分に分散させかつ表面修飾できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式が採用できる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどが使用できる。これらの分散型装置では、ボール、又はビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力などにより微粉砕及び分散が行われる。
上記湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールが使用可能であるが、特にジルコニア製やジルコン製のものが好ましい。
ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用しうるが、0.1〜1.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものが使用できるが、特にジルコニア又はシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁を使用するのが好ましい。
以上のような湿式処理により、カップリング剤によって表面修飾された金属酸化物微粒子を得ることができる。
上述した表面修飾金属酸化物微粒子は、架橋性の重合性化合物100質量部に対して、30〜250質量部の範囲内で含有されることが、表面保護層の耐摩耗性向上の観点から好ましい。
(3)表面保護層の形成
表面保護層は、溶媒に架橋性の重合性化合物、表面修飾金属酸化物微粒子、必要に応じて、その他の樹脂、重合開始剤、滑剤粒子、酸化防止剤などを添加して調製した塗布液が、浸漬塗布方式により塗布され、その後、塗布膜に対し自然乾燥又は熱乾燥が行われ硬化処理され(重合反応させ)形成される。
表面保護層の厚さは、0.2〜10μmの範囲内が好ましく、0.5〜6μmの範囲内がより好ましい。
(3.1)溶媒
表面保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(3.2)重合開始剤
表面保護層に使用可能な架橋性の重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法などにより重合反応を行うことができる。
ラジカル重合開始剤を用いて重合反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
熱重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物、過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などの熱重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1(イルガキュア369:BASFジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルホリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキしド(イルガキュア819:BASFジャパン社製)、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、及びイミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
表面保護層に用いられる重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、アルキルフェノン系化合物及びホスフィンオキシド系化合物が好ましく、更に好ましくは、α−ヒドロキシアセトフェノン構造又はアシルホスフィンオキシド構造を有する開始剤が好ましい。
これらの重合開始剤は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の含有量は、架橋性の重合性化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜40質量部の範囲内であり、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲内である。
(3.3)その他の添加剤
表面保護層には、これらの他に必要に応じて滑剤粒子、酸化防止剤などを含有させてもよい。
滑剤粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。
フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種又は2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。
(3.4)表面保護層の重合反応
表面保護層の重合反応では、塗布膜に活性線を照射してラジカルを発生させて重合させ、かつ、分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成させて硬化させ、硬化樹脂を生成することが好ましい。
活性線としては、紫外線、可視光などの光や電子線が好ましく、使いやすさなどの見地から紫外線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。
例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン、紫外線LEDなどを用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常1〜20mJ/cmの範囲内、好ましくは5〜15mJ/cmの範囲内である。光源の出力電圧は、好ましくは0.1〜5kWの範囲内であり、特に好ましくは0.5〜3kWの範囲内である。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVの範囲内であることが好ましい。吸収線量としては0.005Gy〜100kGy(0.5rad〜10Mrad)の範囲内であることが好ましい。
活性線の照射時間は、活性線の必要照射量が得られる時間であり、具体的には0.1秒〜10分が好ましく、重合効率又は作業効率の観点から1秒〜5分がより好ましいとされる。
表面保護層の形成では、活性線の照射前後及び活性線を照射中に、表面保護層を乾燥処理することができ、乾燥を行うタイミングは活性線の照射条件と組み合わせて適宜選択することができる。
表面保護層の乾燥条件は、塗布液に使用する溶媒の種類や表面保護層の厚さなどにより適宜選択することが可能である。
乾燥温度は、室温(25℃)〜180℃の範囲内が好ましく、80〜140℃の範囲内が特に好ましい。乾燥時間は、1〜200分が好ましく、5〜100分が特に好ましい。上記乾燥条件で表面保護層を乾燥させることにより、表面保護層に含有される溶媒量を20ppmから75ppmの範囲に制御することができる。
以上のようにして感光層上に表面保護層を設けることにより、感光体表面の硬度を上げ、耐摩耗性を向上させ耐久性を向上させることができる。
《画像形成装置》
以下、本発明の電子写真感光体を適用可能な画像形成装置の一例として、図面を参照しながら説明する。
図6に示すとおり、本発明の画像形成装置100は、いわゆるタンデム型のカラープリンター装置であって、作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkが中間転写ベルト102に沿って順に配設されている。作像ユニット101Y、101M、101C及び101Kは、露光装置103からそれぞれ画像露光Hを受けてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色のトナー像を形成して、中間転写ベルト102上に重なり合うように静電転写する(1次転写)。これによって、カラートナー像が形成される。また、Bk色のモノクロトナー像を形成してもよい。
中間転写ベルト102は、無端状のベルトであって、トナー像を担持した状態でA方向に回転走行する。これによって、カラートナー像が2次転写ローラー対104に向かって搬送される。2次転写ローラー対104は、不図示の圧接離間機構によって、圧接及び離間される。2次転写ローラー対104を構成する一対のローラーが互いに圧接している領域を、2次転写ニップという。
記録シートPは、給紙カセット105に収容されており、ピックアップローラー106によって1枚ずつ搬送経路107上に送り出される。搬送経路107上に送り出された記録シートPは、タイミングローラー108によって2次転写タイミングに合わせて2次転写ニップへ搬送される。
中間転写ベルト102に担持されたトナー像と記録シートPとがタイミングを合わせて2次転写ニップを通過する際には、2次転写ローラー対104を構成する一対のローラー間に2次転写バイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト102上のトナー像が記録シートP上に静電転写(2次転写)される。
トナー像を担持する記録シートPは、定着装置109を通過する際にトナー像を熱定着された後、排出ローラー110によって排紙トレー111上に排出される。
〈作像ユニット〉
次に、作像ユニットの構成について、作像ユニット101Yを例にとって更に詳しく説明する。
図7に示されるように、作像ユニット101Yは、円柱形状の電子写真感光体201の外周面に沿って順に帯電ローラー202、現像装置203、一次転写ローラー204、クリーニング装置205及び除電ランプ206が配設されている。
本発明の画像形成装置100は、作像ユニット101Y、101M、101C及び101Bkの電子写真感光体201の少なくとも一つとして、上記の本発明の電子写真感光体10を用いる。
電子写真感光体201は、例えば、アルミニウム製の導電性基体201bと、その外周面上に形成された負帯電型の有機感光体からなる感光層201aとを有しており、支軸201cを中心としてB方向に回転駆動される。
帯電ローラー202は、芯金202c、芯金202cと一体形成された導電層202b、及び導電層202bの外周面上に形成された弾性を有する高導電体層202aからなっている。芯金202cは回転自在に軸受けされており、帯電ローラー202は電子写真感光体201との摩擦によってC方向に従動回転する。
帯電ローラー202は、電子写真感光体201の外周面に押圧されることによって帯電ニップが形成されており、芯金202cに当接された摺動接点202dを介して帯電バイアス電源装置200から給電を受けることによって、電子写真感光体201の外周面を接触帯電させる。
帯電ローラー202における帯電手段としては、DC電圧にAC成分を重畳させたAC帯電方式による帯電プロセスが採用される。
AC帯電方式による帯電プロセスにおけるAC成分の周波数は、1〜3kHzの範囲内であることが好ましく、1〜2.6kHzの範囲内であることが好ましい。
帯電プロセスにおけるAC成分の印加電圧Vppは、1〜3kVの範囲内であることが好ましく、1〜2.5kVの範囲内であることが好ましい。
現像装置203は、外周面上にトナーを担持した状態でD方向に回転する現像ローラー203aを備えている。現像ローラー203aは、電子写真感光体201に近接して対向配置されており、また、現像バイアスが印加されている。これによって、電子写真感光体201の外周面上にトナーが供給され、静電潜像を現像したトナー像が形成される。
1次転写ローラー204は、電子写真感光体201とともに中間転写ベルト102を挟持しており、中間転写ベルト102がA方向へ回転走行するのに合わせてE方向に回転する。1次転写ローラー204は、例えば、金属の芯金の表面を弾性体で被覆したもので、不図示の電源からトナーと逆極性の1次転写バイアスが印加されている。これによって、電子写真感光体201の外周面上に担持されているトナー像が中間転写ベルト102上へ1次転写される。
クリーニング装置205は、1次転写後に電子写真感光体201の外周面上に残留するトナーをクリーニングブレード205aによって掻き取って回収する。
除電ランプ206は、電子写真感光体201の外周面を除電露光することによって、残留電荷を除電する。
なお、クリーニング装置205等によって除去し切れなかった残留トナーが帯電ローラー202に付着して汚損すると、帯電性能が劣化するおそれがあるので、帯電ローラー202をクリーニングするクリーニング部材を更に設けてもよい。
〈トナー〉
以上のような画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
重合トナーとは、トナーを形成する結着樹脂の生成とトナー粒子形状の形成が、結着樹脂を得るための原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理とにより並行して行われて得られるトナーを意味する。
より具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応により樹脂微粒子を得る工程と、必要によりその後に行われる樹脂微粒子同士を融着させる工程を経て形成されるトナーを意味する。
トナーとしては、結着樹脂が結晶性樹脂からなるものを用いることが好ましい。トナーとして結晶性樹脂からなる結着樹脂を含有するものを用いることによって、得られる画像におけるカブリの発生を抑制することができる。これは、現像手段4Y、4M、4C及び4Bkにおいてトナーが摩擦帯電されたときの帯電のバラツキが低減されることによるものと考えられる。
トナーの体積平均粒径、すなわち、50%体積粒径(Dv50)は2〜9μmの範囲内、より好ましくは3〜7μmの範囲内であることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに、上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期にわたってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
トナーは、それのみで一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来公知の材料を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μmの範囲内、より好ましくは25〜80μmの範囲内のものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させた、いわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
《導電性基体の作製》
導電性基体101〜111を以下のようにして作製した。
〈導電性基体101〜104及び107〜111の作製〉
原管として、A6063材料を適用した引抜管を使用した。原管は、内径をすべて28.0mmとし、外径を30.2mmから30.4mmの間で0.05mmきざみで、長さ362mmのものを準備した。原管として、偏肉量が小さいものを選定した(図4参照。)。
次いで、上記ドラム原管を固定し、直径28.4mmの回転刃物で原管の両端面を1mmずつ削り落として端面加工をしつつ、インロー加工を施し、外径中心位置と内径中心位置の距離Lを表1に記載のとおりとなるようにしてずらし、インロー加工部の周方向に沿って肉厚に偏りのある、長さ360mmの端面加工管を得た。インロー加工部は、インロー径28.4mm、深さ10mmとした。
このインロー加工部をチャックしてドラムを回転させ、外周面粗加工及び外周面仕上げ加工を施して表面切削し、外径29.95mmの導電性基体1〜4及び7〜11を作製した。
〈導電性基体105及び106の作製〉
原管として、A6063材料を適用した引抜管を使用した。原管は、内径を28.0mm、外径を30.3mmで偏肉量が大きいものを選定し、長さ362mmのものを準備した(図5参照。)。
次いで、上記ドラム原管を旋盤にセットして外径をチャックし、回転させて刃物をあて、原管の両端面を1mmずつ削り落として端面加工をしつつ、インロー加工を施し、長さ360mmの端面加工管を得た。インロー加工部は、インロー径28.4mm、深さ10mmとした。
このインロー加工部をチャックしてドラムを回転させ、外周面粗加工及び外周面仕上げ加工を施して表面切削し、外径29.95mmの導電性基体105及び106を作製した。
《電子写真感光体の作製》
電子写真感光体101〜111を以下のようにして作製した。
〈電子写真感光体101〜111の作製〉
(1)下引き層の形成
下記組成の分散液を一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、下引き層形成用塗布液を調製した。
分散機としてサンドミルを用いて、10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて上記導電性基体上に、乾燥後の厚さが1.5μmとなるようにして浸漬塗布法で塗布し、下引き層を形成した。
バインダー:ポリアミド樹脂 ダイアミドX4685(ダイセル・エボニック社製)
100質量部
無機微粒子:酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 300質量部
溶媒:エタノール 1440質量部
1−プロパノール 360質量部
(2)電荷発生層の形成
下記原料を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層形成用塗布液を調製した。
その後、下引き層の上に、電荷発生層形成用塗布液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥後の厚さ0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:Y−TiPh(チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料で780nmに充分大きな吸収を有する)) 20質量部
バインダー:ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製)
10質量部
溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
(3)電荷輸送層
下記原料を混合し、溶解して電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
この塗布液を上記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥後の厚さ28μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質:CTM−A 150質量部
バインダー:ポリカーボネート(FPC6535A:三菱ガス化学社製)
300質量部
酸化防止剤:Irganox1010(BASFジャパン社製) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン 1500質量部
トルエン 375質量部
添加剤:シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 0.25質量部
上記で用いた電荷発生物質(Y−TiPh)と電荷輸送物質(CTM−A)の構造式を下記に示す。
Figure 2017161795
以上のようにして、導電性基体上に、下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成し、これを120℃で乾燥熱処理することにより、電子写真感光体101〜111を作製した。
《評価》
作製した各電子写真感光体について、表面切削面状態、振れ精度及び鳴き(共振)を評価した。
評価結果を表1に示す。
〈表面切削面状態〉
(1)削り残し
作製した各電子写真感光体について、表面切削した外周面に削り残し(刃物が届かない部分)の有無を目視にて観察し、下記評価基準に従って評価した。
○:削り残しなし
×:削り残しがわずかでもあり
(2)面乱れ
作製した各電子写真感光体について、表面切削した外周面の面乱れ(切削共振うねり)を目視による観察、及びコニカミノルタ社製ビズハブC368でのハーフトーン画像の均一性の判定により、下記評価基準に従って評価した。
○:目視判別難、画像非発生
○△:目視判別可(わずか)、画像非発生
△:目視判別可、画像非発生
△×:目視判別明瞭、画像非発生
×:目視判別明瞭、画像発生
〈振れ(寸法)精度〉
作製した各電子写真感光体について、両端のインロー加工部に振れ測定用フランジ治具を装着し、渦電流式変位センサ(キーエンス社ASシリーズ)を装備した専用測定治具にて、振れ精度(mm)を測定し、下記評価基準に従って評価した。
◎:0.03mm以下
○:0.03mmより大きく、0.05mm以下
×:0.05mmより大きい
〈鳴き(共振)〉
作製した各電子写真感光体をビズハブC368改造機(AC帯電成分は外部電源から供給)に搭載し、共振をFFTアナライザで測定して聴覚にて確認し、下記評価基準に従って評価した。AC帯電周波数は、1.2kHzとした。
◎:鳴きが発生せず
○:実用上問題なし
○△:鳴きがごくわずかに発生するが、実用上問題なし
×:鳴きが継続的に可聴
Figure 2017161795
〈まとめ〉
表1から明らかなように、本発明の電子写真感光体は、比較例の電子写真感光体と比べて、表面切削面状態及び振れ精度が良好で、鳴き(共振)が十分に抑制されていることが確認された。
以上から、導電性基体の外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)を上記式(1)を満たすようにすることが有用であることがわかる。
[実施例2]
《導電性基体の作製》
導電性基体201及び202を以下のようにして作製した。
〈導電性基体201及び202の作製〉
原管として、A6063材料を適用した引抜管を使用した。原管は、内径27.5mm及び25.8mm、外径30.3mm、長さ362mmのものを準備した。原管として、偏肉量が小さいものを選定した(図4参照。)。
次いで、上記ドラム原管を固定し、直径28.4mmの回転刃物で原管の両端面を1mmずつ削り落として端面加工をしつつ、インロー加工を施し、外径中心位置と内径中心位置の距離Lを表2に記載のとおりとなるようにしてずらし、インロー加工部の周方向に沿って肉厚に偏りのある、長さ360mmの端面加工管を得た。インロー加工部は、インロー径28.4mm、深さ10mmとした。
このインロー加工部をチャックしてドラムを回転させ、外周面粗加工及び外周面仕上げ加工を施して表面切削し、外径29.95mmの導電性基体201及び202を作製した。表面加工時の防振治具は、引抜管内径に応じて防振治具外径を微調整した。
《電子写真感光体の作製》
実施例1と同様にして、導電性基体201及び202に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を形成し、電子写真感光体201及び202を作製した。
《評価》
作製した電子写真感光体201及び202について、実施例1と同様にして、表面切削面状態、振れ精度及び鳴き(共振)を評価した。
評価結果を表2に示す。
Figure 2017161795
〈まとめ〉
表2からも明らかなように、導電性基体の平均肉厚を2mm以下とした場合であっても、表面切削面状態及び振れ精度が良好で、鳴き(共振)が十分に抑制されていることが確認された。
[実施例3]
《電子写真感光体の作製》
実施例1で作製した電子写真感光体106と同じものを三つ作製し、それぞれ電子写真感光体106A、106B、106Cとした。
《評価》
作製した各電子写真感光体について、帯電安定性及び減耗について評価した。
評価結果を表3に示す。
〈帯電安定性〉
作製した各電子写真感光体をビズハブC368改造機(AC帯電成分は外部電源から供給)に搭載し、AC帯電周波数を0.8kHz、1.2kHz、3.2kHzに変更した場合の帯電安定性をハーフトーン画像の均一性で判定し、下記評価基準に従って評価した。
○:ハーフトーン画像が均一
△:わずかに濃度ムラあり
×:濃度ムラあり
〈減耗〉
作製した各電子写真感光体をビズハブC368改造機に搭載し、AC帯電周波数をそれぞれ0.8kHz、1.2kHz、3.2kHzに変更して標準プリント画像での実写を行い、各電子写真感光体が100k(100000)回転した場合に相当する減耗量を測定し、下記評価基準に従って評価した。
○:2.0μm未満
△:2.0μm以上3.0μm以下
×:3.0μmより大きい
Figure 2017161795
〈まとめ〉
表3から明らかなように、AC帯電方式による帯電プロセスにおける周波数が1〜3kHzの範囲内であることが、帯電安定性に優れるとともに、減耗量が抑えられることが確認された。
1 導電性基体
2 感光層
2a 電荷発生層
2b 電荷輸送層
3 下引き層
4 表面保護層
5 金属酸化物微粒子
10 電子写真感光体
11 開口部
12 インロー加工部
13、15 原管
14、16 端面加工管
100 画像形成装置
101Y、101M、101C、101Bk 作像ユニット
102 中間転写ベルト
103 露光装置
104 2次転写ローラー対
105 給紙カセット
106 ピックアップローラー
107 搬送経路
108 タイミングローラー
109 定着装置
110 排出ローラー
111 排紙トレー
200 帯電バイアス電源装置
201 電子写真感光体
201a 感光層
201b 導電性基体
201c 支軸
202 帯電ローラー
202a 高導電体層
202b 導電層
202c 芯金
204d 摺動接点
203 現像装置
203a 現像ローラー
204 一次転写ローラー
205 クリーニング装置
205a クリーニングブレード
206 除電ランプ
A〜E 方向
D1、D4 外径中心位置
D2 内径中心位置
D3 加工中心位置
H 画像露光
L 距離
P 記録シート
W1、W2 肉厚

Claims (5)

  1. 導電性基体上に、感光層を有して構成される電子写真感光体であって、
    前記導電性基体の外径中心位置と内径中心位置との距離L(mm)が、前記導電性基体の外径をD(mm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
    0.0013×D≦L≦0.0050×D (1)
  2. 前記導電性基体の端部に、前記導電性基体の外径中心位置と同心のインローが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記導電性基体の平均肉厚が、2mm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. AC帯電方式による帯電プロセスに供される画像形成装置であって、
    請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記AC帯電方式による帯電プロセスにおける周波数が、1〜3kHzの範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019088484A (ja) * 2017-11-14 2019-06-13 株式会社三洋物産 遊技機

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