JP2017160825A - 動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関 - Google Patents

動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関において、カムに対して適正に潤滑油を供給可能であると共に、滑り筒に作用する応力による損傷を抑制する。【解決手段】ケーシング41及びシリンダ部44と、ケーシング41に移動自在に支持される滑り筒42と、滑り筒42の上端部に連結されるピストン46と、滑り筒42の下端部のローラ45に作用して滑り筒42を移動可能なカム47と、ピストン46の移動により作動油を圧縮可能な圧縮室59とを設け、滑り筒42は、外周部に設けられる潤滑油貯留部80と、外周部に軸方向に沿って設けられて上端部が潤滑油貯留部80に連通する第1潤滑油供給路81と、外周部に周方向に沿って設けられて第1潤滑油供給路81の下端部が連通する第2潤滑油供給路82と、上端部が第2潤滑油供給路82に連通して下端部がカム47に向けて開口する第3潤滑油供給路83が設けられる。【選択図】図5

Description

本発明は、ディーゼルエンジンやガスエンジンなどの内燃機関にて、排気弁を駆動するための動弁装置、この動弁装置を備えるクロスヘッド式内燃機関に関するものである。
クロスヘッド式内燃機関において、排気弁を開閉する動弁装置は、下部動弁装置と上部動弁装置を備えている。動弁装置は、下部動弁装置で圧縮した作動油を上部動弁装置へ供給し、伝達された作動油の駆動力を用いて排気弁を空気ばねの付勢力に抗して押し下げ、閉止状態にある排気弁を開閉するものである。この下部動弁装置は、ケーシング内にばねにより下方に付勢された滑り筒が上下方向に沿って移動自在に支持されている。そして、この滑り筒は、カムにより押し上げられることでピストンを上昇させ、作動油を圧縮して供給可能となっている。
従来の動弁装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
特開2015−098795号公報
上述した下部動弁装置にて、回転するカムは、カム部がローラを介して滑り筒を押し上げることから、このカムとローラとの摺動面に対して潤滑油を供給する必要がある。従来、滑り筒は、外周面に上下方向に沿う油溝が周方向に所定間隔で複数形成されており、潤滑油は、この複数の油溝を通してカムやローラに供給されていた。一方で、下部動弁装置は、回転するカムがローラを介して滑り筒を押し上げるとき、滑り筒は、外周面がケーシングの内周面に押し付けられるため、水平方向にスラスト荷重が作用する。この滑り筒は、前述したようにスラスト荷重が作用する位置に油溝が形成されていることから、この油溝に局部的な過大応力が作用し、損傷するおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、カムに対して適正に潤滑油を供給可能であると共に、滑り筒に作用する応力による損傷を抑制する動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の動弁装置は、装置本体と、前記装置本体に対して軸方向に沿って移動自在に支持される滑り筒と、前記滑り筒の軸方向と交差する回転軸心により回転自在に支持されて前記滑り筒を移動させるカムと、を備える動弁装置において、前記滑り筒は、外周部に設けられて供給された潤滑油を前記装置本体との間に貯留する潤滑油貯留部と、外周部に軸方向に沿って設けられて一端部が前記潤滑油貯留部に連通する第1潤滑油供給路と、外周部に周方向に沿って設けられて前記第1潤滑油供給路に連通する第2潤滑油供給路と、一端部が前記第2潤滑油供給路に連通して他端部が前記カムに向けて開口する第3潤滑油供給路と、を備えることを特徴とするものである。
従って、カムが回転すると、滑り筒がカムの回転力により軸方向に往復移動する。このとき、潤滑油貯留部の潤滑油が第1潤滑油供給路を通して第2潤滑油供給路に供給され、第3潤滑油供給路を通してカムに供給されて潤滑される。この第3潤滑油供給路は、滑り筒の外周部に設けられる第2潤滑油供給路からカムに向けて開口するため、カムの回転力により滑り筒にスラスト荷重が作用しても、この滑り筒は、スラスト荷重が作用する位置に第1潤滑油供給路が設けられていないことから、局部的な過大応力による応力集中が発生しない。その結果、カムに対して適正に潤滑油を供給することができると共に、滑り筒に作用する応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置では、前記滑り筒は、軸方向の他端部に前記カムの回転軸心に平行な回転軸心により回転自在なローラ部を備え、前記第1潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心方向の幅より前記滑り筒の径方向の外側にずれた位置に設けられることを特徴としている。
従って、第1潤滑油供給路がローラ部の回転軸心方向の幅より外側にずれた位置に設けられることで、カムの回転力により滑り筒にスラスト荷重が作用しても、この滑り筒は、スラスト荷重が作用する位置に第1潤滑油供給路が設けられていないことから、局部的な過大応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置では、前記第1潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心に対して前記滑り筒の径方向の対称位置に設けられることを特徴としている。
従って、第1潤滑油供給路がローラ部の回転軸心に対して滑り筒の径方向の対称位置に設けられることで、カムの回転方向に拘わらず、滑り筒への局部的な過大応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置では、前記第3潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心を含む平面において前記ローラ部の回転軸心に直交する前記滑り筒の径方向の対称位置に設けられることを特徴としている。
従って、第3潤滑油供給路がローラ部の回転軸心に直交する滑り筒の径方向の対称位置に設けられることで、カムの回転方向に拘わらず、滑り筒への局部的な過大応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置では、前記第2潤滑油供給路は、前記滑り筒の外周面に設けられる円周溝であり、前記第3潤滑油供給路は、前記円周溝から前記ローラ部に向けて開口する貫通孔であることを特徴としている。
従って、第3潤滑油供給路が第2潤滑油供給路として円周溝からローラ部に向けて開口する貫通孔であることで、第3潤滑油供給路を滑り筒の外周面を加工して形成する必要がなく、滑り筒への局部的な過大応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置では、前記第3潤滑油供給路は、前記滑り筒の軸方向及び径方向に対して傾斜して設けられることを特徴としている。
従って、第3潤滑油供給路が傾斜して設けられることで、第3潤滑油供給路をカムに向けて最短距離で形成することができ、加工を容易として加工性を向上することができる。
また、本発明のクロスヘッド式内燃機関は、前記動弁装置が適用される下部動弁装置と、前記下部動弁装置からの作動油により排気弁を駆動する上部動弁装置と、を備えることを特徴とするものである。
従って、下部動弁装置にて、カムが回転すると、滑り筒がカムの回転力により軸方向に往復移動し、ピストンが滑り筒と一体に往復移動する。すると、圧縮室に供給された作動油が圧縮されて吐出される。このとき、潤滑油貯留部の潤滑油が第1潤滑油供給路を通して第2潤滑油供給路に供給され、第3潤滑油供給路を通してカムに供給されて潤滑される。この第3潤滑油供給路は、滑り筒の外周部に設けられる第2潤滑油供給路からカムに向けて開口するため、カムの回転力により滑り筒にスラスト荷重が作用しても、この滑り筒は、スラスト荷重が作用する位置に第3潤滑油供給路が設けられていないことから、局部的な過大応力が作用しない。その結果、カムに対して適正に潤滑油を供給することができると共に、滑り筒に作用する応力による損傷を抑制することができる。
本発明の動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関によれば、カムに対して適正に潤滑油を供給することができると共に、滑り筒に作用する応力による損傷を抑制することができる。
図1は、本実施形態の下部動弁装置を表す断面図である。 図2は、下部動弁装置における滑り筒を表す断面図である。 図3は、滑り筒の右側面図である。 図4は、滑り筒の左側面図である。 図5は、滑り筒の水平断面を表す図2のV−V断面図である。 図6は、潤滑油の供給孔を表す滑り筒の要部縦断面図である。 図7は、潤滑油の供給孔を表す滑り筒の要部水平断面図である。 図8は、ディーゼルエンジンを表す概略図である。 図9は、本実施形態の動弁装置を表す概略図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る動弁装置及びクロスヘッド式内燃機関の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図8は、ディーゼルエンジンを表す概略図である。
本実施形態にて、図8に示すように、ディーゼルエンジン10は、例えば、船舶推進用の主機として用いられ、2ストローク1サイクルのユニフロー掃気方式のクロスヘッド式内燃機関である。このディーゼルエンジン10は、下方に位置する台板11と、台板11上に設けられる架構12と、架構12上に設けられるシリンダジャケット13とを備えている。この台板11と架構12とシリンダジャケット13は、上下方向に延在する複数のテンションボルト14及びナット15により一体に締結されて固定されている。
シリンダライナ16とシリンダカバー17は、空間部を区画しており、この空間部内にピストン18が上下に往復動自在に設けられることで、燃焼室19が形成される。また、シリンダカバー17は、排気弁20が設けられており、動弁装置21により開閉可能となっている。この排気弁20は、燃焼室19と排気管22とを開閉するものである。ここで、シリンダジャケット13とシリンダライナ16とシリンダカバー17により燃焼装置が構成されている。
そのため、燃焼室19に対して、図示しない燃料噴射ポンプから供給された燃料(例えば、低質油、天然ガス、またはその混合燃料)と、図示しない圧縮機により圧縮された燃焼用ガス(例えば、空気、EGRガス、またはその混合ガス)が供給されることで燃焼する。そして、この燃焼で発生したエネルギによりピストン18が上下動する。また、このとき、排気弁20により燃焼室19が開放されると、燃焼によって生じた排ガスが排気管22に押し出される一方、図示しない掃気ポートから空気が燃焼室19に導入される。
ピストン18は、下端部にピストン棒23の上端部が連結結されている。台板11は、クランクケースを構成しており、クランクシャフト24を回転自在に支持する軸受25が設けられている。また、クランクシャフト24は、クランク26を介して連接棒27の下端部が回動自在に連結されている。架構12は、上下方向に延在する一対のガイド板28が所定間隔を空けて固定されており、一対のガイド板28の間にクロスヘッド29が上下に移動自在に支持されている。クロスヘッド29は、ピストン棒23の下端部と連接棒27の上端部がそれぞれ連結されている。
そのため、燃焼室19からエネルギが伝達されたピストン18は、ピストン棒23と共に、ディーゼルエンジン10の設置面の方向(台板11側の方向、即ち、軸方向における下向き)に押し下げる。すると、ピストン棒23は、クロスヘッド29を同方向に押し下げ、連接棒27及びクランク26を介してクランクシャフト24を回転させる。
図9は、本実施形態の動弁装置を表す概略図である。
動弁装置21は、図9に示すように、下部動弁装置31と上部動弁装置32を備えている。動弁装置21は、下部動弁装置31で圧縮した作動油を上部動弁装置32へ供給し、伝達された作動油の駆動力を用いて排気弁20を押し下げ、閉止状態にある排気弁20を開閉するものである。
上部動弁装置32にて、排気弁20は、軸部20aと傘部20bとから構成され、シリンダカバー17に固定されたケーシング33に移動自在に支持されている。上部動弁装置32は、空気ばね34の付勢力が軸部20aを上方に向けて作用することで、排気弁20により燃焼室19と排気管22との間を閉止している。また、上部動弁装置32は、空気ばね34に加えて、下部動弁装置32から供給される作動油を受け入れるシリンダ部35と、このシリンダ部35内に移動自在に設けられたピストン36を備えている。このピストン36は、軸部20aの上端部に一体に固定されることで、排気弁20と一体に上下動する。
下部動弁装置31は、ケーシング(下部ケーシング、装置本体)41内に滑り筒42が上下方向(軸方向)に沿って移動自在に支持されており、この滑り筒42は、圧縮コイルばね43の付勢力により下方に付勢支持されている。ケーシング41は、上部にシリンダ部(上部ケーシング、装置本体)44が設けられ、両者が図示しない複数のボルトにより締結されている。滑り筒42は、下端部にローラ(ローラ部)45が回転自在に設けられる一方、上端部にピストン46が連結され、このピストン46がシリンダ部44内で上下方向(軸方向)に沿って移動自在に設けられている。一方、ケーシング41は、滑り筒42の下方に、ローラ45に接触するカム47が配置されている。このカム47は、クランクシャフト24(図8参照)に同期して回転する。そして、下部動弁装置31のシリンダ部44と上部動弁装置32のシリンダ部35とが作動油配管48により接続されている。
そのため、下部動弁装置31にて、回転するカム47によりローラ45を介して滑り筒42が押し上げられると、ピストン46がシリンダ部44内の作動油を圧縮する。すると、シリンダ部44内で圧縮された作動油が作動油配管48を通して上部動弁装置32へ供給される。上部動弁装置32にて、作動油がシリンダ部35に供給されると、ピストン36が押し下げられ、排気弁20が空気ばね34の付勢力に抗して下降し、閉止状態にある燃焼室19と排気管22を連通する。
以下、下部動弁装置31について詳細に説明する。図1は、本実施形態の下部動弁装置を表す断面図である。
下部動弁装置31において、図1に示すように、ケーシング41は、円筒形状をなし、上下方向(軸方向)に沿う摺動部51が上下に開口して設けられている。滑り筒42は、ケーシング41の摺動部51に嵌合すると共に、上下方向(軸方向)に沿って移動自在に支持されている。滑り筒42は、下端部にローラ45が軸方向に直行する方向に沿う支持軸52により回転自在に装着されており、滑り筒42とローラ45は、一体となって上下方向(軸方向)に沿って移動可能となっている。また、滑り筒42は、外周面に上下方向(軸方向)に沿うキー溝53が所定長さにわたって形成されている。一方、ケーシング41は、水平方向に沿う取付孔54が形成されており、キー55がケーシング41の外部から取付孔54に嵌合し、先端部が滑り筒42のキー溝53に挿入されている。そのため、滑り筒42は、キー55によりケーシング41に対して周方向に回転不能となる。この場合、キー溝53の長さは、滑り筒42の最大ストロークより長く形成されている。
ケーシング41は、上部にシリンダ部44が一体に固定されている。シリンダ部44は、上下方向(軸方向)に沿う摺動部56が下方に開口して設けられている。摺動部56は、摺動部51より小径であるが、同心状に設けられている。滑り筒42は、中心部に上方に向かって延出する突出部57が設けられ、突出部57は、上端部に連結部材58を介してピストン46が一体に連結されている。ピストン46は、ケーシング41の摺動部56に上下移動自在に嵌合することで、ピストン46の上方に圧縮室59が区画される。そのため、滑り筒42が上昇すると、連結部材58を介してピストン46が上昇し、圧縮室59内の作動油を圧縮することができる。
シリンダ部44は、側部に作動油供給口(作動油供給部)61が設けられ、作動油供給口61は、チャンバ62に連結されている。また、シリンダ部44は、上端部に作動油吐出口63が形成され、作動油吐出口(作動油吐出部)63と圧縮室59とが上下方向(軸方向)に沿う第1連結流路64により連通されている。更に、シリンダ部44は、シリンダ部44の中心を通って径方向に沿う第2連結流路65が第1連結流路64と交差するように設けられている。第2連結流路65は、一端部がチャンバ62に連通し、他端部がシリンダ部44に上下方向(軸方向)に貫通する油孔66に連通されている。そして、第2連結流路65とチャンバ62との間に逆止弁67が設けられ、第2連結流路65と油孔66との間にリリーフ弁68が設けられている。逆止弁67は、圧縮室59側から作動油供給口61側への作動油の流れを阻止し、リリーフ弁68は、圧縮室59の圧力が所定圧力を超えると開放される。
滑り筒42は、突出部57の周囲にばね収容空間部69が設けられ、圧縮コイルばね43が収容されている。この圧縮コイルばね43は、上端部がシリンダ部44の下面に接触し、下端部が滑り筒42に接触している。そのため、滑り筒42は、圧縮コイルばね43の付勢力によりケーシング41及びシリンダ部44に対して下方に付勢支持されている。なお、シリンダ部44に形成された油孔66は、下端部がばね収容空間部69に開放されている。また、滑り筒42は、ばね収容空間部69からローラ45側に貫通するドレン孔70が形成されている。
そのため、作動油が作動油供給口61に供給されると、チャンバ62、逆止弁67、第2連結流路65、第1連結流路64を介して圧縮室59に供給される。一方、カム47が回転すると、カム47の回転力がローラ45を介して滑り筒42に往復移動力として伝達される。滑り筒42が往復移動すると、ピストン46が同様に往復移動し、ピストン46の上昇時に圧縮室59内の作動油を圧縮する。そして、圧縮された作動油が第1連結流路64から作動油吐出口63に吐出される。
また、シリンダ部44は、上端部がチャンバ62に連通し、下端部が下方に延出してケーシング41側に開口する第1潤滑油供給孔(上部供給経路)71が形成されている。一方、ケーシング41は、下端部がキー55に形成された連通孔55aを介して滑り筒42のキー溝53に連通し、上端部が上方に延出してシリンダ部44側に開口する第2潤滑油供給孔(下部供給経路)72が形成されている。第1潤滑油供給孔71は、下端部が第2潤滑油供給孔72の上端部に連通している。そして、滑り筒42は、キー溝53からローラ45及びカム47(図9参照)に潤滑油を供給可能となっている。
図2は、下部動弁装置における滑り筒を表す断面図、図3は、滑り筒の右側面図、図4は、滑り筒の左側面図、図5は、滑り筒の水平断面を表す図2のV−V断面図で、図6は、潤滑油の供給孔を表す滑り筒の要部縦断面図、図7は、潤滑油の供給孔を表す滑り筒の要部水平断面図である。
滑り筒42は、図2から図5に示すように、潤滑油貯留部80と、第1潤滑油供給路81と、第2潤滑油供給路82と、第3潤滑油供給路83とが設けられている。
滑り筒42は、前述したように、円筒形状をなし、下端部にローラ45(図1参照)を収容するローラ収容部91が形成されると共に、ローラ45の支持軸(図示略)が貫通する支持孔92が形成されている。この場合、滑り筒42の中心線O1が上下方向(軸方向)に沿って設けられ、ローラ45の軸心線O2が図2の紙面に直交する方向に沿って設けられており、滑り筒42の中心線O1とローラ45の軸心線O2がほぼ直交している。なお、ローラ45の軸心線O2は、カム47の軸心線と一致することで、平行をなしている。
また、滑り軸42は、外周面に上下方向に沿うキー溝53が滑り筒42の中心線O1に沿って形成されている。潤滑油貯留部80は、滑り軸42の外周面にて、キー溝53の長さ(滑り筒42の中心線O1方向の長さ)で、周方向に沿って設けられている。即ち、潤滑油貯留部80は、キー溝53の周方向に沿う滑り軸42の外周面を凹ませる凹部として構成される。そのため、滑り軸42がケーシング41の摺動部51に組付けられたとき、滑り軸42の凹部とケーシング41の内壁面(摺動部51)との間に空間部が形成され、この空間部が潤滑油貯留部80となる。
第1潤滑油供給路81は、滑り筒42の外周部に滑り筒42の中心線O1に沿って複数(本実施形態では、4つ)設けられる溝部である。第1潤滑油供給路81は、軸方向の上端部(一端部)が潤滑油貯留部80に連通し、軸方向の下端部(他端部)が滑り筒42の下端部の中途部まで延出されている。この4つの第1潤滑油供給路81は、ローラ45の軸心線O2の方向の幅W1より外側にずれて大きい幅W2の位置に設けられている。そして、各第1潤滑油供給路81は、ローラ45の軸心線O2に対して滑り筒42の径方向の対称位置に設けられている。
即ち、ローラ45の軸心線O2を含む平面において軸心線O2と直交する方向を軸心線O3と規定すると、各第1潤滑油供給路81は、軸心線O2及び軸心線O3を含む平面において軸心線O3から軸心線O2側に所定角度θだけずれた位置に形成されている。そして、各第1潤滑油供給路81の位置は、ローラ45の軸心線O2に対して滑り筒42の径方向の対称位置に形成されると共に、軸心線O3に対しても滑り筒42の径方向の対称位置に形成される。
第2潤滑油供給路82は、滑り筒42の外周部に周方向に沿って設けられる円周溝部である。各第1潤滑油供給路81は、下端部がこの第2潤滑油供給路82に交差して連通すると共に、より下方まで延出して行き止まりとなっている。
第3潤滑油供給路83は、図6及び図7に詳細に示すように、第2潤滑油供給路82から滑り筒42内を貫通してローラ45及びカム47(図1参照)に向けて開口する複数(本実施形態では、2つ)の貫通孔である。各第3潤滑油供給路83は、上端部(一端部)が第2潤滑油供給路82に連通して下端部(他端部)がローラ45に向けてローラ収容部91に開口している。この2つの第3潤滑油供給路83は、図2及び図5に示すように、滑り筒42の外周面と軸心線O3とが交差する第2潤滑油供給路82の底部位置から軸心線O3に沿って中心線O1に向けて形成されている。そのため、各第3潤滑油供給路83は、滑り筒42の中心線O1及び軸心線O3に対して傾斜している。そして、各第3潤滑油供給路83は、ローラ45の軸心線O2に対して軸心線O3に沿う滑り筒42の径方向の対称位置に設けられている。
そのため、図1及び図2に示すように、作動油が作動油供給口61に供給されると、チャンバ62を介して第2連結流路65側に供給されると共に、第1潤滑油供給孔71側に潤滑油として供給される。第1潤滑油供給孔71側に供給された潤滑油(作動油)は、第2潤滑油供給孔72からキー溝53に供給され、キー溝53に供給された潤滑油は、潤滑油貯留部80に貯留される。そして、潤滑油貯留部80に貯留された潤滑油は、各第1潤滑油供給路81から第2潤滑油供給路82に供給され、各第3潤滑油供給路83を通してローラ45及びカム47に供給される。
このとき、カム47が回転すると、カム47がローラ45を介して滑り筒42を上方に押し上げることから、滑り筒42は、カム47の回転方向(軸心線O3方向の一方側)に沿う方向(カム48とローラ45とが接触する部分におけるローラ45の接線方向)に向けて応力が作用し、外周面がケーシング41の内周面(摺動部51)に押し付けられ、スラスト荷重が作用する。ところが、この滑り筒42は、カム47の回転方向に沿う方向に第1潤滑油供給路81が設けられていないことから、局部的な過大応力による応力集中が発生しない。
このように本実施形態の動弁装置にあっては、ケーシング41及びシリンダ部44と、ケーシング41に移動自在に支持される滑り筒42と、滑り筒42の下端部のローラ45に作用して滑り筒42を移動させるカム47とを備え、滑り筒42は、外周部に設けられる潤滑油貯留部80と、外周部に軸方向に沿って設けられて上端部が潤滑油貯留部80に連通する第1潤滑油供給路81と、外周部に周方向に沿って設けられて第1潤滑油供給路81の下端部が連通する第2潤滑油供給路82と、上端部が第2潤滑油供給路82に連通して下端部がカム47に向けて開口する第3潤滑油供給路83が設けられる。
従って、カム47の回転力により滑り筒42にスラスト荷重が作用しても、この滑り筒42は、スラスト荷重が作用する位置に第1潤滑油供給路81が設けられていないことから、局部的な過大応力による応力集中が発生しない。その結果、カム47に対して適正に潤滑油を供給することができると共に、滑り筒42に作用する応力による損傷を抑制することができる。
本実施形態の動弁装置では、第1潤滑油供給路81を滑り筒42におけるローラ45の回転軸心方向の幅より滑り筒42の径方向の外側にずれた位置に設けている。従って、カム47の回転力により滑り筒42にスラスト荷重が作用しても、第1潤滑油供給路81が径方向にずれた位置に設けられていることから、局部的な過大応力による応力集中の発生を抑制することができる。
本実施形態の動弁装置では、複数の第1潤滑油供給路81をローラ45の軸心線O2に対して対称位置に設けている。従って、カム47の回転方向に拘わらず、滑り筒42への局部的な過大応力による損傷を抑制することができる。
本実施形態の動弁装置では、複数の第3潤滑油供給路83をローラ45の軸心線O2に対して対称位置に設けている。従って、滑り筒42が軸心線O2に対して対称形状となり、カム47の回転方向に拘わらず同じ滑り筒42を使用することができ、部品コストを低減することができると共に、部品管理を容易に行うことができ、また、誤組みを抑制して組み付け性を向上することができる。
また、複数の第1潤滑油供給路81と複数の第3潤滑油供給路83をローラ45の中心線O1に対して対称位置に設けることで、滑り筒42の形状が中心線O1に対して対称形状となり、カム47の回転方向が相違する下部動弁装置31に対して部品の共用化を可能とすることができる。その結果、部品の種類を減少して部品コストを低減することができると共に、部品の管理を容易とすることができ、また、誤った部品の組付けをなくすことができる。
本実施形態の動弁装置では、第2潤滑油供給路82を滑り筒42の外周面に設けられる円周溝とし、第3潤滑油供給路83を円周溝の底部からカム47に向けて開口する貫通孔としている。従って、第3潤滑油供給路83を既設の第2潤滑油供給路82から設けることで、滑り筒42の外周面を加工して形成する必要がなく、滑り筒42への局部的な過大応力による損傷の原因がなくなり、滑り筒42の損傷を抑制することができる。
本実施形態の動弁装置では、第3潤滑油供給路83を滑り筒42の軸方向及び径方向に対して傾斜して設けている。従って、第3潤滑油供給路83をカム47に向けて最短距離で形成することができ、加工を容易として加工性を向上することができる。
また、本実施形態のクロスヘッド式内燃機関にあっては、下部動弁装置31と、下部動弁装置31からの作動油により排気弁20を駆動する上部動弁装置32とを設けている。従って、下部動弁装置31の作動時に、カム47に対して適正に潤滑油を供給することができると共に、滑り筒42に作用する応力による損傷を抑制することができる。その結果、動弁装置21の信頼性を向上することができる。
なお、上述した実施形態では、滑り筒42に4つの第1潤滑油供給路81と2つの第3潤滑油供給路83を設けたが、その数は限定されるものではなく、1つでも複数であってもよい。また、潤滑油貯留部80をキー溝53と一体に滑り筒42の全周に設けたが、第1潤滑油供給路81に連通されていれば、周方向の一部に設けてもよい。
10 ディーゼルエンジン(クロスヘッド式内燃機関)
11 台板
12 架構
13 シリンダジャケット
18 ピストン
19 燃焼室
20 排気弁
21 動弁装置
31 下部動弁装置
32 上部動弁装置
41 ケーシング(装置本体)
42 滑り筒
43 圧縮コイルばね
44 シリンダ部(装置本体)
45 ローラ(ローラ部)
46 ピストン
47 カム
48 作動油配管
53 キー溝
55 キー
59 圧縮室
61 作動油供給口
63 作動油吐出口
71 第1潤滑油供給孔
72 第2潤滑油供給孔
80 潤滑油貯留部
81 第1潤滑油供給路
82 第2潤滑油供給路
83 第3潤滑油供給路

Claims (7)

  1. 装置本体と、
    前記装置本体に対して軸方向に沿って移動自在に支持される滑り筒と、
    前記滑り筒の軸方向と交差する回転軸心により回転自在に支持されて前記滑り筒を移動させるカムと、
    を備える動弁装置において、
    前記滑り筒は、
    外周部に設けられて供給された潤滑油を前記装置本体との間に貯留する潤滑油貯留部と、
    外周部に軸方向に沿って設けられて一端部が前記潤滑油貯留部に連通する第1潤滑油供給路と、
    外周部に周方向に沿って設けられて前記第1潤滑油供給路に連通する第2潤滑油供給路と、
    一端部が前記第2潤滑油供給路に連通して他端部が前記カムに向けて開口する第3潤滑油供給路と、
    を備えることを特徴とする動弁装置。
  2. 前記滑り筒は、軸方向の他端部に前記カムの回転軸心に平行な回転軸心により回転自在なローラ部を備え、
    前記第1潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心方向の幅より前記滑り筒の径方向の外側にずれた位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載の動弁装置。
  3. 前記第1潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心に対して前記滑り筒の径方向の対称位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載の動弁装置。
  4. 前記第3潤滑油供給路は、前記ローラ部の回転軸心を含む平面において前記ローラ部の回転軸心に直交する前記滑り筒の径方向の対称位置に設けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の動弁装置。
  5. 前記第2潤滑油供給路は、前記滑り筒の外周面に設けられる円周溝であり、前記第3潤滑油供給路は、前記円周溝から前記ローラ部に向けて開口する貫通孔であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の動弁装置。
  6. 前記第3潤滑油供給路は、前記滑り筒の軸方向及び径方向に対して傾斜して設けられることを特徴とする請求項5に記載の動弁装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項の動弁装置が適用される下部動弁装置と、
    前記下部動弁装置からの作動油により排気弁を駆動する上部動弁装置と、
    を備えることを特徴とするクロスヘッド式内燃機関。
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