JP2017160399A - 微少空隙を有するポリフェニレンエーテル紛体と製造方法 - Google Patents

微少空隙を有するポリフェニレンエーテル紛体と製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子量体においても、ゆるみ嵩密度が高く、溶剤溶解性が高い、取扱性が良好なポリフェニレンエーテル紛体を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル紛体であり、一粒子において、6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%であることを特徴とする、ポリフェニレンエーテル紛体。
【選択図】なし

Description

本発明は、微少空隙を有するポリフェニレンエーテル紛体及びその製造方法に関するものである。
ポリフェニレンエーテルは、加工性及び生産性に優れ、溶融射出成型や溶融押出成型等の成型方法により所望の形状の製品や部品を効率良く生産でき、電気・電子材料分野及び自動車分野における部品用材料として幅広く用いられている。
また、近年、ポリフェニレンエーテルの新たな工業用途として、電子材料としての用途、表面をコーティングする用途等が検討されている。特に、ポリフェニレンエーテルをトルエン等の芳香族有機溶剤に溶解させた樹脂組成物を、木材、金属、ガラス等の有機物又は無機物表面に対して、塗装及び塗布による被覆を行い、材料の耐熱性を向上させる用途においては、ポリフェニレンエーテルを効率的に溶解させるだけでなく、被覆表面の密着性及び機械的強度に優れることが重要となり、両特性を同時に満たすポリフェニレンエーテルが求められている。一般的に、ポリフェニレンエーテルは、分子量が低いほど溶剤への溶解性が高いため、溶解させて使用する場合には低分子量体が優先的に使用されるが、機械的強度をより高めるためには、取扱い易く、溶解性の高い高分子量ポリフェニレンエーテルが必要である。また、ポリフェニレンエーテルの化学修飾を行うにあたっても、原料である種々の分子量を有するポリフェニレンエーテルの芳香族炭化水素系溶剤への溶解性が優れていることは、プロセスの時間短縮や取扱い性の向上となり、非常に重要な課題である。
これまで開示されているポリフェニレンエーテルの例として、例えば、溶剤溶解性を高めることや変性させることを目的とした低分子量のポリフェニレンエーテル(例えば、特許文献1及び2参照。)、ガスバリア性を高めることを目的とした高分子量のポリフェニレンエーテル(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。
また、ポリフェニレンエーテルの芳香族炭化水素の良溶媒と、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒である脂肪族炭化水素との混合溶媒中で、ポリフェニレンエーテルの重合を実施する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特許文献5には、還元粘度0.4〜3.0dL/gを有する高分子量のポリフェニレンエーテルと、還元粘度0.05〜0.6dL/gを有する低分子量のポリフェニレンエーテルとを混合し、2峰性の分子量分布を持つポリフェニレンエーテルを連続的に製造する方法が提案されている。
特許文献6には、所定の分子量以上の成分と所定の分子量以下の成分とを特定量もった低分子量のポリフェニレンエーテル紛体は、ゆるめ見かけ比重が高いほど、溶剤溶解性が良好であることが記載されている。
特許文献7、8には、ポリフェニレンエーテルが溶解した溶液とアセトン貧溶媒を混合し、ポリフェニレンエーテル紛体を析出させ、アセトン貧溶媒で洗浄する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜8に記載のポリフェニレンエーテルは、溶剤溶解性、被覆表面の密着性及び機械的強度特性の全てを満足するものではない。例えば、特許文献5に関して、低分子量体で分子量分布が狭いポリフェニレンエーテルに高分子量のポリフェニレンエーテルが混在していると、その高分子特性が明確に現れる傾向にある。例えば、溶剤への溶解時に速度斑や濃度斑が生じやすい傾向があるため、かかる不都合を回避する観点から、低分子量体でありながら分子量分布が狭いポリフェニレンエーテルが要求されるようになってきている。また、本質的に溶解度に関する問題を解決できていない。
また、特許文献6に開示されている方法で得られるゆるめ見かけ比重が高く、溶解性が高い、ポリフェニレンエーテルは、数平均分子量が1万程度のポリマーに限られており、比較例で示されているように数平均分子量が1万5千を超える高分子量ポリフェニレンエーテル紛体の場合、高いゆるめ見かけ比重と優れた溶解性とを両立できていない。
特許文献7、8においては、アセトンを貧溶媒として使用し、ポリフェニレンエーテルの析出及び洗浄を行うことで、得られるポリフェニレンエーテル紛体中の副生成物量や金属不純物量の低減が記載されているが、嵩比重や溶解性改良に関しては、精査されていない。
また、取扱い性を向上させるために、ポリフェニレンエーテル紛体のゆるめ見かけ比重を増大させるために、ポリフェニレンエーテル紛体の圧縮造粒が特許文献9〜14に開示されている。これらは、ポリフェニレンエーテル紛体を圧縮し、粉砕することで、粒度調整、微粉低減、押出機への紛体供給、輸送及び貯蔵の効率化に着目した技術であり、溶解性に関しては、未だ十分には検討されていない。
米国特許出願公開第2003/0130438号明細書 特開2004−99824号公報 国際公開第2002/12370号 特公昭50−6520号公報 特開平11−012354号公報 国際公開第2012/050138号 特公昭53−86800号公報 特公昭59−176319号公報 特開2007−532357号公報 特許第5119373号公報 特許第5066634号公報 特開2000−167827号公報 特許第4152521号公報 中国特許第101983987号公報
ポリフェニレンエーテル紛体は、その代表良溶媒である芳香族炭化水素系溶剤に対する溶剤溶解性が問題となることが多い。ポリフェニレンエーテル紛体の溶剤溶解性は、そのゆるみ見かけ比重や分子量により大きく左右される。一般的に、ゆるみ見かけ比重が低いポリフェニレンエーテル紛体は、粒子形状がポーラスであることから溶剤が粒子中に浸透しやすく、溶剤溶解性が良好であることが知られている。また、ポリフェニレンエーテルの分子量が小さいほど溶剤溶解性は高くなる。
一方で、ゆるみ見かけ比重が低いポリフェニレンエーテル紛体は、ゆるめ見かけ比重が低いポリフェニレンエーテル紛体は、輸送時の運搬性等取扱性に劣るという問題を有している。
そこで、本発明においては、高分子量体においても、ゆるみ嵩密度が高く、溶剤溶解性が高い、取扱性が良好なポリフェニレンエーテル紛体の提供を目的とする。
そこで、上述した従来の課題に対して鋭意研究を行った結果、ポリフェニレンエーテルの析出工程及び圧縮工程により、ポリフェニレンエーテル粒子中の空隙サイズ、および割合を制御することで、高分子量体でありながら、高いゆるみ嵩密度と優れた溶解度を両立させたポリフェニレンエーテル紛体、及びその製造方法を見出すに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ポリフェニレンエーテル紛体であり、
一粒子において、
6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、
6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%である
ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル紛体。
[2]
前記ポリフェニレンエーテルの還元粘度が、0.30〜1.0dL/gである、[1]に記載のポリフェニレンエーテル紛体。
[3]
前記ポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度が、0.35〜0.70g/cm3である、[1]又は[2]に記載のポリフェニレンエーテル紛体。
[4]
ポリフェニレンエーテルとその良溶媒とを含むポリフェニレンエーテル溶液と、貧溶媒とを混合することで、ポリフェニレンエーテルを析出させ、
析出後の前記ポリフェニレンエーテルを、貧溶媒で洗浄し、
洗浄後の前記ポリフェニレンエーテルを、ガラス転移温度(Tg)以下の温度で圧縮し、
圧縮後の前記ポリフェニレンエーテルを粉砕して、ポリフェニレンエーテル紛体を得る
ことを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[5]
前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒が、ベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、[4]に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[6]
前記貧溶媒が、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種のケトン系溶媒を含む、[4]又は[5]に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[7]
前記貧溶媒が、0.05〜20質量%の水を含む、[6]に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[8]
圧縮後かつ粉砕前の前記ポリフェニレンエーテルの密度が、0.7〜1.0g/cm3である、[4]〜[7]のいずれか記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[9]
圧縮前のポリフェニレンエーテル中における前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の含有量を、0.005〜0.4質量%とすることを特徴とする、[4]〜[8]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
[10]
圧縮前のポリフェニレンエーテル中における前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の含有量を、0.01〜0.1質量%とすることを特徴とする、[4]〜[9]のいずれかに記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
本発明によれば、高分子量体においても、ゆるみ嵩密度が高く溶剤溶解性が高い、取扱性が良好なポリフェニレンエーテル、及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について、詳細に説明する。以下の本実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、この本実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
[ポリフェニレンエーテル紛体]
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体は、一粒子において、6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%である。
<ポリフェニレンエーテル>
本実施の形態に係るポリフェニレンエーテル紛体は、ポリフェニレンエーテル粒子の集合体としてよい。
本実施の形態に係るポリフェニレンエーテルは、特に限定されないが、下記式(1)で表されるフェノール化合物を重合して得られるホモ重合体及び/又は共重合体の紛体であることが好ましい。
式(1)中、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される。
前記式(1)中、R1、R2、R3、及びR4で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(1)中、R1、R2、R3、及びR4で示されるアルキル基としては、炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示すものとし、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられ、メチル、エチルが好ましく、メチルがより好ましい。
前記式(1)中、R1、R2、R3、及びR4で示されるアルキル基は、置換可能な位置で1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。
このような置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル等)、アルケニル基(例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル等)、アルキニル基(例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル等)、アラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ等)等が挙げられる。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体の還元粘度(0.5dL/gクロロホルム溶液、30℃測定)は、優れた溶解性、優れた被覆性及び機械的特性の観点から、0.3〜1.0dL/gの範囲が好ましく、0.32〜0.70dL/gの範囲がより好ましく、0.35〜0.55dL/gの範囲がさらに好ましい。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体としては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテル紛体をブレンドしたものであってもよい。例えば、還元粘度0.40dL/g以下のポリフェニレンエーテル紛体と還元粘度0.45dL/g以上のポリフェニレンエーテル紛体との混合物であってもよいが、それらの混合物の還元粘度は、0.30〜0.55dL/gの範囲であることが好ましい。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体は、ゆるみ嵩密度が0.35〜0.70g/cm3である。該ゆるみ嵩密度の下限は0.35g/cm3以上であることがより好ましく、0.40g/cm3以上であることが更に好ましい。該ゆるみ嵩密度の上限は、0.70g/cm3以下であることがより好ましく、0.65g/cm3以下であることが更に好ましく、0.60g/cm3以下であることが特に好ましい。
ポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度が0.70g/cm3以下であれば、溶剤に溶解する際にポリフェニレンエーテル紛体が溶剤で膨潤して溶剤中に沈み込んでしまうことなく、ポリフェニレエーテル紛体を均一に分散させることが可能であり、溶剤への溶解性に優れる。また、ポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度が0.35g/cm3以上であれば、ポリフェニレンエーテル紛体は、溶剤に溶解する際に所謂ダマ状になることがなく、溶剤中に均一に分散するため、短時間で溶剤に溶解することが可能であり、更にはポリフェニレンエーテル紛体を容器に詰め運搬する際の運搬効率、ポリフェニレンエーテル紛体を取り扱う際の計量性や取扱性に優れる。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体の数平均分子量(Mn)としては、10,000〜27,000であることが好ましく、より好ましくは13,000〜25,000であり、さらに好ましくは15,000〜19,000である。
なお、数平均分子量(Mn)は、後述の実施例における測定方法により測定した値とする。
本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体の平均粒径としては、50〜2,000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜1,500μmであり、さらに好ましくは200〜1,300μmである。
なお、平均粒径は、後述の実施例における測定方法により測定した値とする。
(重合工程)
本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、まず、溶液重合により以下のフェノール化合物を重合して上記式(1)により表されるポリフェニレンエーテルを含むポリマー溶液を得る(重合工程)。
フェノール化合物として、例えば、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−メチル−5−エチルフェノール、2−エチル−5−メチルフェノール、2−アリル−5−メチルフェノール、2,5−ジアリルフェノール、2,3−ジエチル−6−n―プロピルフェノール、2−メチル−5−クロルフェノール、2−メチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−n−ブチルフェノール、2,5−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−クロルフェノール、2−メチル−5−フェニルフェノール、2,5−ジフェニルフェノール、2,5−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−5−トリルフェノール、2,5−ジトリルフェノール、2,6−ジメチル−3−アリルフェノール、2,3,6−トリアリルフェノール、2,3,6−トリブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジメチル−3−n−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−3−t−ブチルフェノール等が挙げられる。
上記フェノール化合物の中でも、特に、安価であり入手が容易であるため、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノールが好ましく、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールがより好ましい。
上記フェノール化合物は、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジエチルフェノールとを組み合わせて使用する方法、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジフェニルフェノールとを組み合わせて用いる方法、2,3,6−トリメチルフェノールと2,5−ジメチルフェノールとを組み合わせて使用する方法、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとを組み合わせて用いる方法等が挙げられる。このとき、混合比は任意に選択できる。また使用するフェノール化合物の中には、製造の際の副産物として含まれている少量のm−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が含まれていてもよい。
本実施の形態では、上記式(1)で表されるフェノール化合物の他に、使用する化合物の中に下記式(2)で表される二価のフェノール化合物が含まれていてもよい。
下記式(2)で表されるような二価のフェノール化合物は、対応する一価のフェノール化合物と、アルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等)、又はジハロゲン化脂肪族炭化水素との反応や、対応する一価のフェノール化合物同士の反応等により、工業的に有利に製造できる。
式(2)中、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される。
式(2)中、Xは、単結合、2価のヘテロ原子、炭素数1〜12の2価の炭化水素基からなる群から選択される。
詳細には、上記式(2)で表される二価のフェノール化合物としては、例えば、下記一般式(2−a)、式(2−b)、式(2−c)で表される化合物が挙げられる。
式(2−a)、式(2−b)、式(2−c)中、R5、R6、R7、及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7のアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される。
式(2−a)、式(2−b)、式(2−c)中、Xは、単結合、2価のヘテロ原子、炭素数1〜12の2価の炭化水素基からなる群から選択される。
上記式(2−a)、式(2−b)、式(2−c)で表される代表的な化合物としては、R5及びR6がメチル基で、R7及びR8が水素で、Xが両方のアリール基を直結している化合物;R5及びR6がメチル基で、R7及びR8が水素で、Xがメチレンである化合物;R5及びR6がメチル基で、R7及びR8が水素で、Xがチオである化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xがエチレンである化合物;R5及びR6がメチル基で、R7及びR8が水素で、Xがイソプロピリデンである化合物;R5及びR6がメチル基で、R7及びR8が水素で、Xがシクロヘキシリデンである化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xが両方のアリール基を直結している化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xがメチレンである化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xがエチレンである化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xがチオである化合物;R5、R6及びR7がメチル基で、R8が水素で、Xがイソプロピリデンである化合物;R5、R6、R7及びR8がメチル基で、Xがメチレンである化合物;R5、R6、R7及びR8がメチル基で、Xがエチレンである化合物;R5、R6、R7及びR8がメチル基で、Xがイソプロピリデンである化合物;等であるが、これらに限定されない。
さらに、本実施の形態では、上記式(1)で表されるフェノール化合物の他に、多価フェノール化合物を共存させることが可能である。
多価フェノール化合物としては、例えば、分子内に3個以上9個未満のフェノール性水酸基を有し、その内の少なくとも1個のフェノール性水酸基の2,6位にアルキル基またはアルキレン基を有する化合物が挙げられる。
多価フェノール化合物の例を以下に列挙する。4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシ−3−エトキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルエチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、2,2’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(3,5,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(2−ヒドロキシフェニル)メチレン]−ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−エチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)メチル]−6−メチルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)メチル]−6−シクロヘキシルフェノール、3,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,2−ベンゼンジオール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,4,6−トリス[(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、2,2’−メチレンビス[6−[(4/2−ヒドロキシ−2,5/3,6−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4/2−ヒドロキシ−2,3,5/3,4,6−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−[(4−ヒドロキシ−2,3,5−トリメチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−6−メチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,4−ジヒドロキシ−3−メチルフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、4,4’−メチレンビス[2−[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]−3,6−ジメチルフェノール]、6,6’−メチレンビス[4−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]−1,2,3−ベンゼントリオール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−シクロヘキシルフェニル)メチル]フェノール]、4,4’−シクロヘキシリデンビス[2−シクロヘキシル−6−[(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メチル]フェノール]、4,4’,4’’,4’’’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリデン)テトラキス(2,6−ジメチルフェノール)、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多価フェノール化合物におけるフェノール性水酸基の数は3個以上であれば特に制限はないが、数が多くなると加熱時の分子量変化が大きくなる可能性があるため、好ましくは3〜6個、さらに好ましくは3〜4個である。
また、多価フェノール化合物における2,6位のアルキル基またはアルキレン基としてはメチル基が好ましい。
最も好ましい多価フェノール化合物は、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−[(4−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−[(3−ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’,4’’,4’’’−(1,4−フェニレンジメチリデン)テトラキス(2,6−ジメチルフェノール)である。
なお、後述するが、重合工程で得られたポリマー溶液を前記良溶媒の沸点以上に加温し、ポリマー濃度を調整することにより、濃縮したポリマー溶液を得てもよい(濃縮工程)。当該濃縮工程は必要に応じて行う。次に、ポリマー溶液とポリフェニレンエーテルの貧溶媒とを混合することによってポリフェニレンエーテルを析出させ、スラリーを生成する(析出工程)。
本実施の形態で用いる溶液重合とは、ポリフェニレンエーテルの良溶媒中で重合が行われ、重合中にポリフェニレンエーテルの沈殿が析出しない重合方法である。
溶液重合により得られる全ポリフェニレンエーテル分子は、溶解した状態にあり、分子量分布は広くなる傾向にある。ポリフェニレンエーテルが溶解したポリマー溶液に対し、必要に応じて濃縮工程を実施し、その後、析出工程でポリフェニレンエーテルに対する貧溶媒と混合することによって粒子状のポリフェニレンエーテルが得られる。
重合工程において用いるポリフェニレンエーテルの良溶媒としては、以下に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも一種が、ポリフェニレンエーテルの溶解性の観点から好ましい。
ポリフェニレンエーテルの重合方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、米国特許第3306874号明細書記載の、第一銅塩とアミンとのコンプレックスを触媒として用い、2,6−キシレノールを酸化重合する方法が挙げられる。
また、米国特許第3306875号明細書、米国特許第3257357号明細書、及び米国特許第3257358号の明細書、特公昭52−17880号公報、特開昭50−51197号公報、特開昭63−152628号公報の各公報等に記載された方法も、ポリフェニレンエーテルの製造方法として好ましい。
効率良くポリフェニレンエーテルを製造する観点及び上述した好適な範囲の分子量分布をもつポリフェニレンエーテルを製造する観点から、重合工程におけるモノマー濃度は、重合液の全量を基準として、10〜30質量%が好ましく、13〜27質量%がより好ましい。前記濃度が10質量%以上であると、ポリフェニレンエーテルの製造効率が高くなる。一方、前記濃度が30質量%を超えると、上述した好適な数平均分子量に調整することが困難になる傾向がある。この原因について本発明者らは以下のように推定している。すなわち、前記モノマー濃度が30質量%を超えて高くなると、重合終結時の液粘度が高くなり、均一な撹拌が困難となる。そのため、不均一な反応が起こり、予想外の分子量のポリフェニレンエーテルが得られる場合がある。
ポリフェニレンエーテルの重合工程においては、酸素含有ガスを供給しながら行うことが好ましい。
前記酸素含有ガスとしては、純酸素の他、酸素と窒素等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの、空気、空気と窒素あるいは希ガス等の不活性ガスとを任意の割合で混合したもの等が使用できる。
重合工程における反応系内の圧力は、常圧でもよく、必要に応じて減圧や加圧でもよい。上述した酸素含有ガスの供給速度は、除熱や重合速度等を考慮して任意に選択できるが、重合に用いるフェノール化合物1モル当たりの純酸素供給速度としては、5NmL/分以上が好ましく、10NmL/分以上がより好ましい。
ポリフェニレンエーテルの重合工程においては、反応系に、反応速度向上の観点から、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキサイド、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム等の中性塩、ゼオライト等を添加してもよい。
また、従来から重合活性に向上効果を有することが知られている界面活性剤を、重合溶媒中に添加してもよい。このような界面活性剤としては、例えば、Aliquat336やCapRiquat(株式会社同仁化学研究所製)で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。分子量制御の観点から、界面活性剤の使用量は重合反応原料の全量に対して0.1質量%を超えない範囲が好ましい。
ポリフェニレンエーテルの重合工程において、反応系には、一般的にポリフェニレンエーテルの製造に用いられる公知の触媒を添加してもよい。
前記触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化還元能を有する遷移金属イオンと、この金属イオンと錯形成可能なアミン化合物とを含むものが挙げられ、具体的には、銅化合物とアミンとを含む触媒、マンガン化合物とアミンとを含む触媒、コバルト化合物とアミンとを含む触媒等が挙げられる。
ポリフェニレンエーテルの重合工程において、重合反応は、若干のアルカリ性条件下で効率良く進行するため、若干のアルカリ又はアミンを添加することが好ましい。
重合工程におけるより好適な触媒としては、構成成分として、下記式(3)で表されるジアミン化合物、銅化合物、及びハロゲン化合物を含む触媒が挙げられる。
上記式(3)中、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基からなる群から選ばれるいずれかを示す。但し、R9、R10、R11及びR12の全てが同時に水素ではないものとする。
13は、炭素数2〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を示す。
上記式(3)により示されるジアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−エチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−N−エチルエチレンジアミン、N−n−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−プロピルエチレンジアミン、N−i−プロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−プロピルエチレンジアミン、N−n−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−n−ブチルエチレンジアミン、N−i−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−i−ブチルエチレンジアミン、N−t−ブチルエチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’−トリメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−1−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノ−2−メチルプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,5−ジアミノペンタン等が挙げられる。
好ましいジアミン化合物は、金属触媒との錯体形成能の観点から、前記式(3)中、2つの窒素原子をつなぐアルキレン基(R13)の炭素数が2又は3のものである。
これらのジアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、通常、重合工程で用いられるフェノール化合物100モルに対して0.01〜10モルの範囲である。
触媒の構成成分となり得る前記銅化合物としては、第一銅化合物、第二銅化合物又はこれらの混合物を使用できる。
第一銅化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等が挙げられる。
第二銅化合物としては、例えば、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等が挙げられる。
これらの中で特に好ましい銅化合物は、重合反応活性の観点から、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅である。
また、これらの銅化合物は、酸化物(例えば、酸化第一銅)、炭酸塩、水酸化物等と対応するハロゲン又は酸とから合成してもよい。例えば、塩化第一銅は、酸化第一銅とハロゲン化合物(例えば、ハロゲン化水素の溶液)とを混合することにより合成できる。
これらの銅化合物は、1種単独でも用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
触媒の構成成分となり得る前記ハロゲン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。またこれらは、水溶液や適当な溶媒を用いた溶液として使用してもよい。
これらの中で好ましいハロゲン化合物は、重合反応活性の観点から、塩化水素の水溶液、臭化水素の水溶液である。
これらのハロゲン化合物は、1種単独でも用いてもよく、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
触媒の構成成分のうちの銅化合物とハロゲン化合物との使用量は特に限定されないが、触媒の構成成分として銅化合物とハロゲン化合物を両方用いる場合、銅原子のモル数に対してハロゲン原子が2倍〜20倍であることが好ましい。
また、銅原子の使用量、特に限定されないが、使用されるフェノール化合物100モルに対して0.02〜0.6モルの範囲であることが好ましい。
重合工程において用いる触媒としては、上述した化合物の他、例えば、3級モノアミン化合物又は2級モノアミン化合物を、それぞれ単独で又は組み合わせて含有させてもよい。
前記3級モノアミン化合物とは、脂環式3級アミンを含む脂肪族3級アミンである。
3級モノアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、アリルジエチルアミン、ジメチル−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
これらの3級モノアミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、重合工程において用いるフェノール化合物100モルに対して15モル以下が好ましい。
前記3級モノアミン化合物は、通常使用される全量を全て重合工程の反応系内に初期から加える必要はない。すなわち、その内の一部を途中で加えてもよいし、その一部を重合開始から逐次加えてもよい。また、重合の開始と同時にフェノール化合物又はフェノール化合物の溶液に加え、これと共に加えてもよい。
前記2級モノアミン化合物としては、第2級脂肪族アミンが挙げられる。
第2級脂肪族アミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−i−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジペンチルアミン類、ジヘキシルアミン類、ジオクチルアミン類、ジデシルアミン類、ジベンジルアミン類、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
また、2級モノアミン化合物としては、芳香族を含む2級モノアミン化合物も適用できる。
芳香族を含む2級モノアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
上述した2級モノアミン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、重合工程において用いるフェノール化合物100モルに対して15モル以下が好適である。
前記2級モノアミン化合物は、通常使用される全量を全て重合工程の反応系内に初期から加える必要はない。すなわち、その内の一部を途中で加えてもよいし、その一部を重合開始から逐次加えてもよい。また、重合の開始と同時にフェノール化合物又はフェノール化合物の溶液に加え、これと共に加えてもよい。
ここまで記載の重合工程の後、得られたポリフェニレンエーテルに対して所定の後処理工程を行ってもよい。
当該後処理工程の具体的な方法については、特に限定されるものではないが、通常、塩酸や酢酸等の酸、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩、ニトリロトリ酢酸及びその塩等を反応液に加えることで、触媒を失活させる方法が挙げられる。
また、重合終結時の重合溶液は、ポリフェニレンエーテルが良溶媒に溶解した状態であるため、触媒の洗浄除去を目的として、ポリフェニレンエーテルの溶解能が低く、ポリフェニレンエーテルの良溶媒と相分離する溶媒(例えば、水等)を主成分とする溶液を用いて、繰り返し洗浄処理を行う方法も好適である。
(濃縮工程)
本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、重合工程で得られたポリフェニレンエーテルとその良溶媒とを含有するポリフェニレンエーテル溶液を、必要に応じて、良溶媒の沸点以上に加熱し、良溶媒を系外に抜出すことにより、ポリフェニレンエーテル溶液を濃縮してもよい((濃縮工程))。
濃縮後の溶液におけるPPEの含有量としては、15〜45質量%が好ましく、より好ましくは20〜38質量%であり、さらに好ましくは25〜35質量%である。
(析出工程)
本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、重合工程で得られたポリフェニレンエーテルの良溶媒溶液(必要に応じて、濃縮工程を経たポリフェニレンエーテルの良溶媒溶液)を、貧溶媒(例えば、ケトン系溶媒)と混合することで、ポリフェニレンエーテルを析出させる(析出工程)。
この析出工程では、例えば、貧溶媒を含む初期仕込み液を予め投入した析出槽に、上述した重合工程、又は上述した濃縮工程を経て得られたポリマー溶液と、貧溶媒とを添加して撹拌する。これにより、ポリフェニレンエーテルが析出し、スラリーが生成する。
析出工程後の段階で得られるポリフェニレンエーテルは、6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の15〜40%であり、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、6.5μm超の径を有する空隙の体積の20〜100%であり、ポーラスな粒子である。
この範囲であれば、後述する洗浄工程、乾燥工程、圧縮工程、粉砕工程を経て得られるポリフェニレンエーテル粒子や紛体は、本発明の効果を示す。
まず、析出槽の初期仕込み液としては、安定運転の観点から、貧溶媒と良溶媒とを、これらの質量比(初期仕込み貧溶媒/初期仕込み良溶媒)が、0.4〜3.0の範囲になるように仕込むことが好ましく、より好ましくは0.6〜2.8であり、さらに好ましくは1.0〜2.5である。
析出槽に添加する貧溶媒と析出槽に添加するポリマー溶液中の良溶媒との質量比(貧溶媒/良溶媒)は、0.6〜3.0の範囲であることが好ましく、0.9〜2.6であることがさらに好ましく、1.0〜2.0の範囲であることがさらに好ましい。
この範囲であれば、析出槽内での流動状態が極めて安定し、これにより、粒径分布のバラツキが非常に少ないポリフェニレンエーテル粒子を得ることができる。また、流動状態が安定するため、析出槽内でのスケール(スケーリング)が極めて少なく、安定した運転が可能となる。貧溶媒とポリマー溶液中の良溶媒との質量比が0.6未満の場合、粒子の析出が不十分であり、ポリマーの回収量が低下してしまう。また、上記質量比が3.0より大きい場合、ポリフェニレンエーテルの良溶媒溶液の濃度にもよるが、粒子の凝集が効率よく起こらない。
析出槽内の溶液におけるPPEの含有量としては、5〜30質量%が好ましく、より好ましくは7〜28質量%であり、さらに好ましくは9〜25質量%である。
本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法における析出工程で用いられる貧溶媒としては、ケトン系溶媒が好ましい。
なお、貧溶媒とは、ポリフェニレンエーテルを全く溶解しないか、わずかに溶解できる溶媒である。
ケトン系溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、3,5,5,−トリメチルシクロヘキサノンを用いることができる。乾燥効率の観点から、沸点のより低い貧溶媒が好ましく、具体的には、アセトン、メチルエチルケトンが好ましく、アセトンがさらに好ましい。
これらのケトン系溶媒は、1種のみを単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
前記析出工程で使用する貧溶媒は、ポリフェニレンエーテル粒子の粒径の均一化及び肥大化の観点から、ケトン系溶媒と水との組合せが好ましい。
このときの析出槽内の全溶媒(良溶媒及び貧溶媒)における水の含有量は、析出粒子径の均一化及び肥大化の観点から、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%である。
析出槽中におけるポリフェニレンエーテルの滞留時間は、析出する粒子の成長と、析出槽底部滞留によるスケールを抑制することのバランスを図り、析出粒径の安定性を維持する観点から、0.25〜5分間であることが好ましい。より好ましくは0.5〜3分間である。
析出槽としては、内部に傾斜パドル翼、スクリュー翼、及びリボン翼から選ばれる少なくとも一段の撹拌翼を備えたものが好ましい。
上述した析出工程においては、これらの撹拌翼によって撹拌を行うことが好ましい。また、撹拌翼は下方吐出であることが好ましい。また、流動性を安定させる観点から、析出槽は、少なくとも一枚のバッフルを備えるものを用いることが好ましい。
撹拌翼による撹拌の先端速度としては、2.0〜6.0m/sであることが好ましく、より好ましくは3.0〜5.5m/sである。
析出槽は、流動安定性の観点からドラフトチューブを備えていることが好ましい。
この場合、ドラフトチューブ内部には、析出槽中央に強い流れを作る観点から傾斜パドル翼、スクリュー翼、及びリボン翼からなる群より選ばれる少なくとも一段の撹拌翼を備えていることが好ましく、当該ドラフトチューブ内部の撹拌翼は、下方吐出翼であることが好ましい。上述した析出工程においては、当該下方吐出翼である撹拌槽によって撹拌を行うことが好ましい。これにより、ドラフトチューブ内を下降流、ドラフトチューブ外を上昇流として循環させることができ、撹拌運転状態が安定する効果が得られる。
また、析出工程において用いる析出槽としては、前記ドラフトチューブの外側にも強い流れを作る観点から、ドラフトチューブの外側にリボン翼である撹拌翼を備えるものが好ましく用いられる。当該ドラフトチューブの外側のリボン翼である撹拌翼は、ドラフトチューブ内の下降流を加速して循環させる観点から上方吐出翼であることが好ましく、上述した析出工程において、当該前記上方吐出翼である撹拌翼によって撹拌を行うことが好ましい。
(洗浄工程)
続いて、本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、析出後の前記ポリフェニレンエーテルを、貧溶媒で洗浄する(洗浄工程)。
この洗浄工程では、例えば、析出工程において得られたスラリーを固液分離することで、溶剤と湿潤ポリフェニレンエーテルとに分離し、湿潤ポリフェニレンエーテルを貧溶媒(好適にはケトン系溶媒)で洗浄しながら、固液分離し、その後、湿潤ポリフェニレンエーテルを乾燥させる。
必要に応じて、固液分離前に、洗浄性を高める目的で、前記析出工程によって得られたスラリーに、貧溶媒を追加し、さらに希釈し、スラリーを撹拌してもよい。
本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法における洗浄工程で使用される貧溶媒としては、ケトン系溶剤が好ましい。
ケトン系溶媒としては、前述の析出工程において用いられるものと同じとしてよく、より具体的には、アセトン、メチルエチルケトンがより好ましく、アセトンがさらに好ましい。
洗浄工程において使用される貧溶媒(b)と、洗浄に供される析出工程後のポリフェニレンエーテル(a)との質量比(b/a)は、1.0〜5.0の範囲であることが好ましく、1.5〜4.0であることがさらに好ましく、2.0〜3.0の範囲であることがさらに好ましい。
ケトン系溶媒を用いる本発明の好適形態では、ケトン系溶媒とは別のポリフェニレンエーテルの貧溶媒であるアルコール類を用いた場合と比較して、湿潤ポリフェニレンエーテルを洗浄する際に、より少ない溶媒量で、より効果的に良溶媒成分を除去することができ、洗浄工程で要する貧溶媒量を削減することができることも、発明者らは見出した。
さらに、洗浄工程で使用する貧溶媒を蒸発潜熱の低いケトン系溶媒にすると、乾燥機内で、短時間で貧溶媒成分を揮発させることができる。これにより、後述の乾燥工程において乾燥機に滞留する時間を、より高い沸点を有する良溶媒(例えば、芳香族炭化水素系溶媒)を揮発させるために、使うことができ、後述の乾燥工程を効率化することができる。
洗浄工程において固液分離する装置としては、特に限定されるものではないが、遠心分離機(振動型、スクリュー型、デカンタ型、バスケット型等)、真空濾過機(ドラム型フィルター、ベルトフィルター、ロータリーバキュームフィルター、ヤングフィルター、ヌッチェ等)、フィルタープレス、及びロールプレスを用いることが可能である。
(乾燥工程)
続いて、本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、洗浄後の前記ポリフェニレンエーテルを、乾燥させる(乾燥工程)。
乾燥処理は、湿潤ポリフェニレンエーテルが融着しない程度の高温で行うことが可能である。
乾燥工程における温度としては、少なくとも60℃以上の温度により行うことが好ましく、80℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましく、140℃以上がさらにより好ましく、150℃以上がよりさらに好ましい、160℃以上が最も好ましい。湿潤ポリフェニレンエーテルの乾燥を60℃以上の温度で行うと、ポリフェニレンエーテル紛体中の芳香族炭化水素系良溶媒の含有量を効率よく低減できる。
乾燥処理前に入る湿潤ポリフェニレンエーテルとしては、前述の洗浄工程により、ポリフェニレンエーテル中の芳香族炭化水素系溶媒等の良溶媒の含有量を出来るだけ低下させたものが好ましい。良溶媒の含有量が少なければ少ないほど、乾燥機内で高温にした時に起こりうるポリフェニレンエーテルの融着を抑制することができる。
乾燥工程後のポリフェニレンエーテルのゆるみ嵩密度は、0.2〜0.6g/cm3である。該ゆるみ嵩密度の下限は0.22g/cm3以上であることがより好ましく、0.25g/cm3以上であることが更に好ましい。該ゆるみ嵩密度の上限は、0.5g/cm3以下であることがより好ましく、0.45g/cm3以下であることが更に好ましい。
乾燥処理後のポリフェニレンエーテルに残存する溶媒量(例えば、PPEに残留するトルエン等の量)は、後加工での作業環境の観点、及び押出加工時の残留揮発分のガスがバックフローすることを防止し、運転の安定化を保つことができるという観点から、1.5質量%未満であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以下であり、さらに好ましくは0.1質量%以下である。
ポリフェニレンエーテル紛体を高効率で得るためには、乾燥温度を上昇させる方法、乾燥雰囲気中の真空度を上昇させる方法、乾燥中に撹拌を行う方法等が有効であるが、特に、乾燥温度を上昇させる方法が製造効率の観点から好ましい。乾燥工程は、混合機能を備えた乾燥機を使用することが好ましい。混合機能としては、撹拌式、転動式の乾燥機等が挙げられる。これにより処理量を多くでき、生産性を高く維持できる。
(圧縮工程)
続いて、本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、洗浄後の前記ポリフェニレンエーテル(任意選択的に洗浄かつ乾燥後のポリフェニレンエーテル)を、ガラス転移温度(Tg)以下の温度で圧縮する(圧縮工程)。
ここでは、ポリフェニレンエーテル成形体を調製してよい。
圧縮する際には、ポリフェニレンエーテルがTg超の温度にならないよう、Tg以下の温度で行う。
その好ましい温度としては、20℃〜Tg以下、より好ましくは20〜160℃程度であり、圧縮時にポリフェニレンエーテル紛体がTg超になることなく、加圧が可能であればよい。Tgを越えると、ポリフェニレンエーテル中に含まれ得るアミンが離脱し、加工時に品質の低下をもたらす。
また、本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法における圧縮工程で使用される成型装置としては、例えば、圧縮ロールタイプ、打錠成型タイプ等の圧縮成型機が挙げられる。
特に、対向して設けられた一対の加圧ロール間に見かけ比重の低いポリフェニレンエーテル紛体を通過させ、後述の粉砕工程で圧縮により得られた板状のポリフェニレンエーテル成形体を粉砕して、所望の粒径に調製することができるロールタイプの圧縮方法の使用が好ましい。
板状のポリフェニレンエーテル成形体を造る際のロール式圧縮成形機(直径228mm、幅63mm)による圧縮力は5〜60kNが好ましく、7〜50kNがより好ましく、10〜40kNがさらに好ましい。圧縮力は(ロール幅)x(ロール圧力)で表される。
圧縮力が5kN未満の場合、圧縮効果が小さく、アセトンによる析出で得られた粒子内部の空隙割合の低下が不十分であり、見かけ比重の向上が不十分となる。また、圧縮成形体が脆く、粉砕時、微粉が生じやすい。また圧縮力が70kN以上の場合、ポリフェニレンエーテル紛体は若干溶融し、変色してしまう。
圧縮成形は、非加熱又は加熱しているポリフェニレンエーテル紛体を圧縮し、得られるポリフェニレンエーテル成形体のみかけ密度が、好適には0.70〜1.0g/cm3、より好適には0.72〜0.85g/cm3となるように圧力を加える工程を含む。成形体のみかけ密度は、(板状の成形体の重さ)/(成形体の体積)として見積もることができる。
ポリフェニレンエーテル紛体を圧縮する際には、必要であれば、バインダーとなる添加剤存在下でも圧縮工程を行ってよい。例えば、ポリフェニレンエーテル紛体と添加剤を事前にブレンダーで混合し、その後圧縮成形機にポリフェニレンエーテル混合物を供給してもよい。
(粉砕工程)
続いて、本実施形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法においては、圧縮後の前記ポリフェニレンエーテルを粉砕して、ポリフェニレンエーテル紛体を得る(粉砕工程)。
前記圧縮後に得られたポリフェニレンエーテルは、粉砕機を用いて粉砕してもよく、これにより微粉率を調整することができる。
粉砕機としては、特に制限されるわけではないが、例えば、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、フレーククラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル、ボールミル、高速回転ミル、及びジェットミル等を使用することが可能である。
粉砕は、非加熱又は加熱しているポリフェニレンエーテル紛体を圧縮し、その後の粉砕することで得られたポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度が0.35〜0.70g/cm3となり、さらに105μm以下の微粉が0〜20%、好適には0〜15%、より好適には0〜10%となるように、粉砕機のロータ回転数を調整してよい。
さらに、一粒子において、6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%となるように、ポリフェニレンエーテル紛体の圧縮及び粉砕を行えば、本発明の効果が十分に得られる。
純度の観点から、乾燥工程後のポリフェニレンエーテルに残留している芳香族炭化水素系良溶媒を、バインダー成分として含むことが好ましい。
ポリフェニレンエーテル紛体における良溶媒(例えば、芳香族炭化水素系溶媒)の含有量としては、0.005〜0.3質量%が好ましく、0.005〜0.25質量%が好ましく、0.01〜0.1質量%がさらに好ましい。圧縮時の紛体温度や圧縮力にもよるが、ポリフェニレンエーテル紛体に残留している芳香族炭化水素系量溶剤が0.005質量%未満の場合、圧縮成形効果が不十分であり、0.3質量%を超えた場合、ポリフェニレンエーテル紛体が溶融してしまい、変色してしまう。
本発明のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法は、上述の本実施の形態のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法に限定されることなく、前述の、重合工程、析出工程、洗浄工程、乾燥工程、圧縮工程、粉砕工程の、順序や回数等を適宜調整してよい。
以下、本実施形態について、具体的な実施例と、これとの比較例を挙げて具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。実施例及び比較例に適用した、物性及び特性等の測定方法を下記に示す。
(1)数平均分子量(Mn)の測定
測定装置として、昭和電工(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーSystem21を用い、標準ポリスチレンにより検量線を作成し、この検量線を利用して、得られたポリフェニレンエーテル紛体の数平均分子量(Mn)の測定を行った。
標準ポリスチレンとして、分子量が、3650000、2170000、1090000、681000、204000、52000、30200、13800、3360、1300、550のものを用いた。
カラムは、昭和電工(株)製K−805Lを2本直列につないだものを使用した。
溶媒は、クロロホルムを使用し、溶媒の流量は1.0mL/min、カラムの温度は40℃として測定した。
測定用試料としては、ポリフェニレンエーテルの1g/Lクロロホルム溶液を作製して用いた。
検出部のUVの波長は、標準ポリスチレンの場合は254nm、ポリフェニレンエーテルの場合は283nmとした。
(2)ゆるみ嵩密度の測定
パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製:パウダーテスタTYPE PT−E)を用いて、その操作マニュアルに従って、製造中のポリフェニレンエーテル及び得られたポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度を測定した。
具体的には、以下の(2−1)〜(2−7)に従って測定した。
(2−1)ケーシング前面の2個のピンに固定シュートをはめ、振動台に、バイブロシュート、スペースリング、フルイ(目開き710μm)、フルイオサエ、オサエバーの順で取り付け、各々をノブナットで固定した。
(2−2)矩形バットを固定シュートの真下に置き、テーブル・カップベースの凹みに、ゆるみ見かけ比重測定用カップ(以下、単に「カップ」とも記す。)を置いた。この際、カップと固定シュートとの中心をあわせた(カップ空重量は事前に秤量した)。
(2−3)スコップを用いて測定用の紛体を適当量フルイの上に静かに入れた。
(2−4)振動・タッピング切替スイッチをVIB.にセットした。タイマーは右側一杯にセットし、レオスタットの電圧が0になっていることを確認し、スタートボタンを押した。
(2−5)レオスタットの電圧を徐々に上げ紛体をカップに流出させた。カップに紛体が山盛りになるまでの時間が20〜30秒位になるように、レオスタットの電圧を調整した。カップに紛体が山盛りに充填されたらレオスタットの電圧を0にして振動を停止した。
(2−6)ブレードを垂直に立ててカップに山盛りに充填された紛体の側面をすり切って、カップ内の紛体の重量(紛体重量)を秤量した。
(2−7)カップの内容量は100cm3(cc)なので、紛体重量÷100の計算でゆるみ嵩密度(g/cm3)を算出し、記録した。
(3)粒子の解析
レーザー回析散乱法の粒度分布計である、島津製作所製レーザー回析散乱式粒度分布測定装置を使用して、湿式法(メタノール溶媒)で、得られたポリフェニレンエーテル紛体の体積平均粒子径を測定した。
体積平均粒子径の粒径分布の累積曲線から、中央累積値にあたる粒子の径(メジアン径)を平均粒径(μm)とした。
同様に体積平均粒子径の粒径分布の累積曲線から得られる粒径105μm以下の粒子の紛体における含有率を微粉率(質量%)として算出した。
(4)残留トルエン量の分析
乾燥工程後且つ圧縮工程前のポリフェニレンエーテル中に含まれる芳香族炭化水素系良溶媒の量(質量ppm)を、信和化工社製キャピラリーカラム(製品名:HR−1)を取り付けた島津製作所製ガスクロマトグラフィーを使用して、分析した。検出器としては、FIDを用い、t-ブチルベンゼンを内部標準物質とした内部標準検量線法を用いた。
(5)粒子内空隙の評価
得られたポリフェニレンエーテル紛体のポリフェニレンエーテル一粒子中に含まれる空隙を、リガク製高分解能3D X線顕微鏡を用いて解析した。
撮影条件は、投影数1000枚、露光時間8秒/枚であり、空間分解度0.54μm/pixである。
上記ポリフェニレンエーテル一粒子の空隙の評価は、ポリフェニレンエーテル粒子の集合体であるポリフェニレンエーテル紛体の中から無作為に選択された3つのポリフェニレンエーテル粒子についての評価の平均値とした。
空隙の評価は、下記の手順により、行った。
(5−1)下記の画像解析により粒子の内部空間(粒子の外表面より内側の空間)を数値化する。
・3DのX線画像において、外部空間(粒子の外表面より外側の空間)を含まない直方体部分をトリミングする。
(5−2)Percentile法(Doyle,W(1962),“Operation useful for similarity−invariant pattern recognition”, Journal of the Association for Computing Machinery 9:259−267参照)にて、空隙部分(空隙が占める部分)と樹脂部分(樹脂が占める部分)とに領域分割(2値化)する。
(5−3)空隙部分及び樹脂部分の体積をそれぞれ集計し、(A)6.5μm以下の中空部分の体積(ノイズ)、(B)6.5μm超の中空部分の体積、(C)中実部の体積として、式:(B)/{(A)+(C)}による計算により、6.5μm超の径を有する空隙の体積の粒子の全体積に対する割合を百分率(%)で評価した。
なお、ポリフェニレンエーテルは真比重が小さく、空気とのコントラスト差が小さい。また粒子内の解像度付近(6.5μm)のサイズの小さな空間は、2値化後にノイズとして残ってしまう。そのため6.5μm以下の空間はノイズとみなし、空隙率を算出する際には、排除して考えた。
またなお、粒子の空隙部分の径とは、空隙部分の最大径をいう。
また、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積の6.5μm超の径を有する空隙の体積に対する割合を百分率(%)で評価した。
(6)溶剤溶解性の評価
5Lのポリプロピレン製広口瓶に、トルエンを2kg仕込み、ポリフェニレンエーテル紛体1kgを投入後、さらにトルエン2kg投入し、瓶の蓋を閉めた。その後、当該瓶を15回上下に振り撹拌した後、ダブルアクションラボシェイカー(アズワン製)に設置し撹拌を1時間行った。温度は50℃にした。1時間後目視にて溶剤への溶解性を確認し、下記の評価基準により溶剤溶解性を評価した。
A:ポリフェニレンエーテル紛体が、完全に溶解している、又はほぼ溶解している。
B:ポリフェニレンエーテル紛体が、多量に残っている。
(7)還元粘度(ηsp/c)の計測
ポリフェニレンエーテル紛体の0.5g/dLのクロロホルム溶液を調整し、ウベローデ粘度管を用いて30℃における還元粘度(ηsp/c)(dL/g)を求めた。
<製造例1>
重合槽底部に酸素含有ガス導入のためのスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフルを備え、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた40リットルのジャケット付き重合槽に、0.5L/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、4.57gの酸化第二銅、24.18gの47質量%臭化水素水溶液、11.00gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、62.72gのジ−n−ブチルアミン、149.92gのブチルジメチルアミン、20.65kgのトルエン、及び3.12kgの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ重合槽の内温が25℃になるまで撹拌した。次に、重合槽へ32.8NL/分の速度で乾燥空気をスパージャーより導入し始め、重合を開始した。乾燥空気を140分間通気し、重合混合物を得た。なお、重合中は内温が40℃になるようコントロールした。重合終結時の重合混合物(重合液)は均一な溶液状態であった。
乾燥空気の通気を停止し、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の2.5質量%水溶液を10kg添加した。70℃で150分間、重合混合物を撹拌し、その後20分静置し、液−液分離により有機相と水相とを分離した。
分取した有機相はポリフェニレンエーテル13.1質量%を含むトルエン溶液であり、これをポリマー溶液(1)とした。
<製造例2>
乾燥空気の通気時間を125分間とし、重合時間を変更することにより、分子量を制御した。その他の条件は、製造例1と同様に製造してポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をポリマー溶液(2)とした。
<製造例3>
重合槽底部に酸素含有ガス導入のためのスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフルを備え、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた40リットルのジャケット付き重合槽に、0.5L/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、4.02gの酸化第二銅、29.876gの47質量%臭化水素水溶液、9.684gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、46.88gのジ−nブチルアミン、122.28gのブチルジメチルアミン、17.53kgのトルエン、及び1.5kgの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ重合槽の内温が25℃になるまで撹拌した。次に、重合槽へ32.8NL/分の速度で乾燥空気をスパージャーより導入すると同時に、プランジャーポンプより1.62kgの2,6−ジメチルフェノールと、3.12kgのトルエンからなる溶液とを30分かけて重合槽に添加した。乾燥空気を86分間通気し、重合混合物を得た。なお、重合中は内温が40℃になるようにコントロールした。重合終結時の重合混合物(重合液)は均一な溶液状態であった。
乾燥空気の通気を停止し、重合混合物にエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製試薬)の2.5質量%水溶液を10kg添加した。70℃で150分間、重合混合物を撹拌し、その後20分静置し、液−液分離により有機相と水相とを分離した。
分取した有機相はポリフェニレンエーテル13.1質量%を含むトルエン溶液であり、これをポリマー溶液(3)とした。
<実施例1>
前記製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、ジャケット付きの撹拌槽に入れ、ジャケットに120℃の熱媒を流して加温した。発生するトルエンを主成分とする蒸気をコンデンサーにより冷却して、トルエンを系外に抜出し、撹拌槽内のポリマー濃度が30.5質量%になるまで濃縮した。この操作を繰返し、ポリマー濃度が30質量%のポリマー溶液を製造した。
次に、国際公開第2003/064499号の実施例1に記載されているドラフトチューブと、4枚傾斜パドル翼とを備えたジャケット付き析出槽を用いてポリマーの析出を行った。
なお、ドラフトチューブ外部にバッフル4枚を追加して備えた析出槽とした。この析出槽運転中の析出槽内液量は1100mLであった。当該析出槽にトルエン500gとアセトン550gを仕込み、1500rpm(インペラ径=67mm、先端速度=5.3m/s)で撹拌した。
析出槽にはオーバーフローラインを設け、内液量が1100mLを超えると内液はオーバーフローして槽外に排出される仕組みとした。フィードラインの位置は国際公開第2003/064499号の実施例1に記載されている位置と同じ位置とした。
終濃度で水4.0質量%を含むアセトン256g/minと、上記の30質量%ポリマー溶液308g/minとを析出槽内に30分間かけて添加(フィード)した。
パドル翼は、1500rpmで回し続けた。ポリフェニレンエーテルを析出させることにより得られたスラリー液を、前記析出槽から564g/minで排出し、スラリーポンプにより洗浄槽にフィードした。
洗浄槽には、別ラインよりアセトンを151g/minでフィードし、スラリー液と撹拌することにより、ポリフェニレンエーテル粒子中のトルエンを置換洗浄した。スラリー濃度12.9質量%の洗浄スラリー液を製造した。当該スラリー液を10kg毎に分けて、バスケットセントル(タナベウィルテック製0−15型)にて濾過した。
各濾過後、ポリマー(a)に対するアセトン(b)の比(b/a)が2.5となる量のアセトンをバスケットセントル内の湿潤ポリフェニレンエーテルにスプレー状に吹き付け、再度濾過し、湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。前記洗浄操作を二回行った。
ついで、湿潤ポリフェニレンエーテルを、130℃、1mmHgで60分保持し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル紛体を得た。
前記乾燥工程後得られたポリフェニレンエーテル紛体を、ホソカワミクロン製造粒装置(装置名:CS−25)を用いて、ロール回転数7rpm、ロールクリアランス1.5mm、圧縮力30kNの条件で圧縮し、板状の圧縮成形体を得た。
さらに圧縮成形体を、ホソカワミクロン製フレーククラッシャー(装置名:FC−200)、φ2mmのスクリーンを使用し、粉砕し、造粒されたポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例2>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にてポリマー溶液を製造した。
析出槽の温度を30℃に設定し、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例3>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて、35質量%まで濃縮した。
析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水4.0質量%を含むアセトンを248g/minとし、上記ポリマー溶液を321g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、アセトンを292g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例4>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて、42質量%まで濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水5.0質量%を含むアセトンを339g/minとし、上記ポリマー溶液を218g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、アセトンを152g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例5>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水10.0質量%を含むアセトンを274g/minとし、上記ポリマー溶液を294g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、アセトンを103g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例6>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水5.0質量%を含むアセトンを358g/minとし、上記ポリマー溶液を190g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にて貧溶媒を追加せず、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例7>
製造例2で得られたポリマー溶液(2)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて、35質量%まで濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水4.0質量%を含むアセトンを248g/minとし、上記ポリマー溶液を321g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、アセトンを292g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例8>
製造例3で得られたポリマー溶液(3)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて、38質量%まで濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水4.0質量%を含むアセトンを304g/minとし、上記ポリマー溶液を256g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、アセトンを191g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<実施例9>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。析出槽へフィードする貧溶媒、及びポリマー溶液としては、それぞれ、終濃度で水4.0質量%を含むメチルエチルケトンを258g/minとし、上記ポリマー溶液を310g/minとして30分間かけてフィードした。洗浄槽にフィードする貧溶媒としては、メチルエチルケトンを151g/minとして、その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<比較例1>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。実施例1に記載の方法と同様に、続く析出工程を行い、湿潤ポリフェニレンエーテルを得た。湿潤ポリフェニレンエーテルの洗浄用の貧溶媒をメタノールとする以外の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<比較例2>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。析出工程により得られる湿潤ポリフェニレンエーテルを洗浄することなく乾燥させ、ポリフェニレンエーテル紛体を得た。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<比較例3>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。析出工程及び洗浄工程では、メタノールを使用した。その他の条件は、表1に示す実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。メタノールを用いて析出を行った場合、得られるポリフェニレンエーテル紛体は見かけの比重が高く、圧縮造粒は行っていない。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
<比較例4>
製造例1で得られたポリマー溶液(1)を、実施例1に記載した濃縮方法と同様の方法にて濃縮した。比較として、析出工程では、メタノールを使用した。また洗浄工程では、アセトンを使用した。その他の条件は、表1に示す通り実施例1と同様に実施しポリフェニレンエーテル紛体を得た。メタノールを用いて析出を行った場合、得られるポリフェニレンエーテル紛体は見かけの比重が高く、圧縮造粒は行っていない。
得られたポリフェニレンエーテル紛体について上述した方法により各測定を行った。測定結果を表1に示す。
表中の記載は、以下の通りである。
・ポリマー溶液濃度:ポリフェニレンエーテルのトルエン溶液中の固形分濃度(質量%)。
・析出温度:析出槽のジャケット温度。
・水含有量:析出槽内の全溶媒に対する水量。
・添加貧溶媒/添加良溶媒:析出工程における、析出槽へ添加したポリフェニレンエーテル溶液中の良溶媒に対する、析出槽へ添加した貧溶媒の質量割合。
・貧溶媒/ポリマー:洗浄工程における、分離したポリフェニレンエーテル固形分に対する、洗浄用の貧溶媒の質量割合。
表1に示すように、実施例1〜9は、一粒子において、6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%である。これらの実施例1〜9は、微少空隙を粒子全体に多く含むことで、溶解度が向上していると考えられ、このため、ゆるみ嵩密度と溶解性とのバランスを保つことができ、ポリフェニレンエーテルが高分子量体であろうとも、PPE紛体は、従来と比較して優れた溶解性を示した。
比較例1、2に示すように、造粒装置へ供給するポリフェニレンエーテル紛体の残留トルエン量が高い場合、圧縮時に成形体が溶融してしまい、空隙が非常に少ない硬い粒子となってしまうため、トルエンに対する溶解度が低下してしまう。
比較例3、4に示すように、メタノールを貧溶媒として使用し、ポリフェニレンエーテル溶液からポリフェニレンエーテル紛体を析出させた場合、一粒のポリフェニレンエーテル紛体に含まれる径6.5μm超の空隙が全体積の2.0〜3.0%程度と少ない。このため、比較例3、4では、特に、高分子量のポリフェニレンエーテル紛体の場合、トルエンへの溶解性が十分でない。
本発明のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法は、自動車用部品、耐熱部品、電子機器用部品、工業用部品、被覆剤、絶縁性被膜等の材料としての産業上の利用可能性がある。

Claims (10)

  1. ポリフェニレンエーテル紛体であり、
    一粒子において、
    6.5μm超の径を有する空隙の体積が、全体積の4.0〜13%であり、かつ、
    6.5μm超9.8μm以下の径を有する空隙の体積が、前記6.5μm超の径を有する空隙の体積の70〜100%である
    ことを特徴とする、ポリフェニレンエーテル紛体。
  2. 前記ポリフェニレンエーテルの還元粘度が、0.30〜1.0dL/gである、請求項1に記載のポリフェニレンエーテル紛体。
  3. 前記ポリフェニレンエーテル紛体のゆるみ嵩密度が、0.35〜0.70g/cm3である、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル紛体。
  4. ポリフェニレンエーテルとその良溶媒とを含むポリフェニレンエーテル溶液と、貧溶媒とを混合することで、ポリフェニレンエーテルを析出させ、
    析出後の前記ポリフェニレンエーテルを、貧溶媒で洗浄し、
    洗浄後の前記ポリフェニレンエーテルを、ガラス転移温度(Tg)以下の温度で圧縮し、
    圧縮後の前記ポリフェニレンエーテルを粉砕して、ポリフェニレンエーテル紛体を得る
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  5. 前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒が、ベンゼン、トルエン、及びキシレンからなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項4に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  6. 前記貧溶媒が、アセトン、メチルエチルケトンからなる群より選ばれる少なくとも一種のケトン系溶媒を含む、請求項4又は5に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  7. 前記貧溶媒が、0.05〜20質量%の水を含む、請求項6に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  8. 圧縮後かつ粉砕前の前記ポリフェニレンエーテルのみかけ密度が、0.7〜1.0g/cm3である、請求項4〜7のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  9. 圧縮前のポリフェニレンエーテル中における前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の含有量を、0.005〜0.4質量%とすることを特徴とする、請求項4〜8のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
  10. 圧縮前のポリフェニレンエーテル中における前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の含有量を、0.01〜0.1質量%とすることを特徴とする、請求項4〜9のいずれか一項に記載のポリフェニレンエーテル紛体の製造方法。
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