JP2017159252A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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啓人 今井
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智弘 千葉
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Kokichi Sasaki
康吉 佐々木
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Makoto Tsuji
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Satoyuki Mizuno
智行 水野
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武史 平林
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Abstract

【課題】圧損の上昇を抑えつつ、良好な触媒性能(例えばNOx浄化率)を維持し得る排ガス浄化用触媒を提供する。【解決手段】本発明に係る排ガス浄化用触媒は、基材と、該基材の表面に形成された触媒層とを備えている。触媒層は、金属を担持したシリカアルミノフォスフェート粒子34であって、表面部の少なくとも一部がシリカ32により被覆されたシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子30を含んでいる。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子30の表面を被覆するシリカ量が、式Y=1−[Pa/(Sia+Ala+Pa)]/[Pb/(Sib+Alb+Pb)]において0.7≦Yを満足する量であり、かつ、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子30の平均粒径Dが4μm≦D≦7μmである。【選択図】図3

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒に関する。詳しくは、内燃機関の排気通路内に配置され、該内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に関する。
自動車エンジン等の内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などの有害成分が含まれており、大気汚染の原因となることが知られている。排ガス中の有害成分を浄化する触媒として、白金、ロジウム、パラジウム等の貴金属を多孔質担体に担持させた三元触媒が広く用いられている。また、有害成分の中でもNOxは三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有用な触媒としてSCR触媒(Selective Catalytic Reduction:選択還元型NOx触媒)の開発が進められている。
SCR触媒の一つの典型的な構成では、ハニカムやフィルタ等の基材表面にSCR触媒がバインダとともに保持された構成の触媒層を備える。例えば、触媒層に用いられるSCR触媒としては、銅担持ゼオライトや鉄担持ゼオライト等のゼオライトが挙げられる。このような触媒層を備えたフィルタに還元剤溶液(例えば尿素水)を供給すると、該還元剤溶液が加水分解することでアンモニアが生成する。このアンモニアがSCR触媒に吸着し、吸着したアンモニアの還元作用(例えば4NH+2NO+2NO→4N+6HO)により排ガス中のNOxが浄化される。SCR触媒に関する技術文献として特許文献1が挙げられる。
特開2011−177676号公報
特許文献1には、金属担持結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子の表面がリン酸アンモニウムで修飾されてなるSCR触媒を用いることが提案されている。同文献には、かかる構成によって、触媒の低温活性が高まることが記載されている。しかし、本発明者の知見によれば、シリカアルミノフォスフェート粒子を用いたSCR触媒においては、エンジンの運転・停止を繰り返すことによって触媒の劣化が進行し、触媒性能(例えばNOx浄化率)が低下するという欠点がある。そのため、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能の低下を抑制し得る排ガス浄化用触媒が望まれている。また、排ガスが浄化される過程においては、基材のセル内を排ガスが通過する際に圧力損失(圧損)が生じ得る。かかる圧損が甚だしくなると、エンジン性能等に悪影響を与える虞がある。燃費の悪化やエンジンの故障などの弊害を防止すべく、圧損は出来るだけ小さく抑えたい。つまり、圧損の上昇を抑えつつ、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能の低下を抑制し得る排ガス浄化用触媒が望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、圧損の上昇を抑えつつ、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能(例えばNOx浄化率)の低下を抑制し得る排ガス浄化用触媒を提供することである。
本発明によって提供される排ガス浄化用触媒は、内燃機関の排気通路内に配置され、該内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒である。この排ガス浄化用触媒は、基材と、該基材の表面に形成された触媒層とを備える。前記触媒層は、金属を担持したシリカアルミノフォスフェート粒子であって、表面部の少なくとも一部がシリカにより被覆されたシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を含んでいる。前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の表面を被覆するシリカ量が、下記式(1):
Y=1−[P/(Si+Al+P)]/[P/(Si+Al+P)] (1)
(ここで式中、Si、AlおよびPは、前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面をXPS(X線光電子分光)で分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子分率であり、
Si、AlおよびPは、前記シリカで被覆される前のシリカアルミノフォスフェート粒子表面をXPSで分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子分率である);
において0.7≦Yを満足する量であり、かつ、
前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dが4μm≦D≦7μmである。
かかる構成によると、基材のセル内を排ガスが通過する際の圧損の上昇を抑えつつ、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能(例えばNOx浄化率)の低下を抑制することができる。したがって、燃費の悪化やエンジンの故障などの弊害を防ぎつつ、より高性能な排ガス浄化用触媒を提供することができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい一態様では、前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の表面を被覆するシリカ量が、0.75≦Y≦1を満足する量である。このようにすれば、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能(例えばNOx浄化率)の低下をより良く抑えることができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい一態様では、前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率Siが80at%以上であり、かつ、Pの原子分率Pが10at%以下である。このような原子分率Si、Pを有するシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子によると、高いNOx浄化性能を発揮し得るとともに、その浄化性能を良好に維持することができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい一態様では、前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径が4μm〜5.5μmである。このようなシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径の範囲内であると、圧損の低減と、触媒の浄化性能維持と、をより高いレベルで両立させることができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒の好ましい一態様では、前記シリカアルミノフォスフェート粒子が、銅担持SPAO−34である。銅担持SPAO−34を用いることで、NOxの浄化率が高く、NOx浄化性能がより良く向上した最適な排ガス浄化用触媒を実現することができる。
また、本発明によると、上述した排ガス浄化触媒を備えた排ガス浄化装置が提供される。すなわち、この排ガス浄化装置は、ここで開示される何れかの排ガス浄化触媒と、前記排ガス浄化触媒よりも前記排気通路の上流からアンモニアを生成するための還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給手段とを備える。この構成によれば、従来に比して圧損が小さく、なおかつ、浄化性能がより良く向上した(例えばエンジンの運転・停止を繰り返し行うことによるNOx浄化率の低下が抑制された)排ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る排ガス浄化用触媒の概略構成説明図である。 本発明の一実施形態に係る排ガス浄化用触媒におけるリブ壁部分の構成を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を模式的に示す図である。 シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子のD50と圧損上昇率および耐久後NOx浄化率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば多孔質担体の組成など)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば排ガス浄化用触媒の配置に関するような一般的事項)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される排ガス浄化用触媒は、基材と、該基材の表面に形成された触媒層とを備えている。
図1は排ガス浄化用触媒の一典型例の模式図である。本実施形態に係る排ガス浄化用触媒100は、複数の規則的に配列されたセル12と、該セル12を構成するリブ壁14を有するハニカム基材10を備える。
ここで開示される排ガス浄化用触媒100を構成する上記基材10としては、従来のこの種の用途に用いられる種々の素材及び形態のものが使用可能である。例えば、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスまたは合金(ステンレス等)から形成されたハニカム構造を備えるハニカム基材などを好適に採用することができる。この実施形態では、ハニカム基材10は、排気ガスの流れ方向(図1および図2の矢印方向)に延びるほぼ筒状に形成されている。一例として外形が円筒形状であるハニカム基材であって、その筒軸方向に排ガス通路としての貫通孔(セル)が設けられ、各セルを仕切る隔壁(リブ壁)に排ガスが接触可能となっているものが挙げられる。基材の形状はハニカム形状の他にフォーム形状、ペレット形状などとすることができる。また基材全体の外形については、円筒形に代えて、楕円筒形、多角筒形を採用してもよい。
図2は、図1のハニカム基材10におけるリブ壁14の表面部分の構成を模式的に示す図である。図2に示すように、リブ壁14は、基材10と、その表面に形成された触媒層20を備えている。触媒層20は、図3に示すように、金属を担持したシリカアルミノフォスフェート粒子(シリコアルミノフォスフェート粒子とも称する。)34であって、表面部の少なくとも一部がシリカ32により被覆されたシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子30を含んでいる。ここでいう「シリカアルミノフォスフェート(SAPO)」とは、基本骨格を構成する元素として少なくともケイ素(Si)とアルミニウム(Al)とリン(P)とを含むリン酸塩系ゼオライト全般をいい、典型的にはゼオライトのSiO四面体のSiの一部をAlとPとで置き換えた骨格構造を有する。
シリカアルミノフォスフェート粒子は、結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子であることが好ましい。結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子としては、従来公知の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を特に制限なく使用することができる。結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子としては、SAPO−5、SAPO−11、SAPO−14、SAPO−17、SAPO−18、SAPO−34、SAPO−39、SAPO−42、SAPO−47等が例示される。これらの1種または2種以上を用いることができる。好ましい一態様では、上記結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子は、酸素8員環で規定される細孔入口を有する結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子であり得る。中でも、チャバサイト(CHA)型の結晶性シリカアルミノフォスフェート粒子を使用することが好ましく、SAPO−34を使用することが特に好ましい。シリカアルミノフォスフェート粒子におけるシリカの含有量は特に限定されないが、SiOとして概ね0.1質量%〜20質量%、好ましくは0.5質量%〜15質量%、より好ましくは1質量%〜12質量%である。シリカアルミノフォスフェート粒子におけるアルミナの含有量は特に限定されないが、Alとして概ね20質量%〜60質量%、好ましくは30質量%〜50質量%、より好ましくは35質量%〜45質量%である。シリカアルミノフォスフェート粒子における酸化リンの含有量は特に限定されないが、Pとして概ね30質量%〜70質量%、好ましくは40質量%〜60質量%、より好ましくは45質量%〜55質量%である。
シリカアルミノフォスフェート粒子には、金属が担持されている。該金属としては、銅(Cu)や鉄(Fe)が例示される。金属の担持量としては特に限定されないが、概ね0.5質量%〜10質量%(好ましくは1質量%〜5質量%)であり得る。シリカアルミノフォスフェート粒子は、上述したCu、Fe、Si、AlおよびP以外の任意の金属成分を含んでいてもよい。そのような金属成分として、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、鉛(Pb)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、タングステン(W)、インジウム(In)、イリジウム(Ir)等が例示される。シリカアルミノフォスフェート粒子に上記金属を含有させることで、NOxをより効率良く浄化できるようになる。
ここで開示されるシリカアルミノフォスフェート粒子は、表面部の少なくとも一部がシリカにより被覆されている。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の表面を被覆するシリカ量は、下記式(1)で表わされる指標Yにおいて0.7≦Yを満足する量であり、好ましくは0.75≦Y(例えば0.75≦Y≦1)、より好ましくは0.8≦Y、さらに好ましくは0.85≦Yである。
ここで指標Yは、下記の式(1)で求められる。
Y=1−[P/(Si+Al+P)]/[P/(Si+Al+P)] (1)
上記式中、Si、AlおよびPは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面をXPS(X線光電子分光)で分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量(すなわちSi、AlおよびPの合計を100at%としたとき)に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子(モル)分率である;
また、Si、AlおよびPは、シリカで被覆される前のシリカアルミノフォスフェート粒子(すなわちシリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子)表面をXPSで分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量(すなわちSi、AlおよびPの合計を100at%としたとき)に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子(モル)分率である。
なお、XPS(X線光電子分光)法は、物質の表層10nm以内の表層の元素分析(元素存在比率の算出)が可能な表面分析方法であり、ここではJIS K0167:2011に準拠して測定するものとする。
上記式(1)によって求められる指標Yは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiおよびAl(特にSi)の存在率を凡そ示している。換言すれば、かかる指標Yは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子において、リンがどの程度表面部に存在していないかを示している。すなわち、指標Yが大きければ大きいほど、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面にシリカがより多く、かつ、リンがより少なく存在していることを示している。ここで、本発明者の知見によれば、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面にリンが多く存在すると、エンジンの運転・停止を繰り返すことによって触媒の劣化(典型的には100℃以下の水蒸気に晒されることによる触媒性能の低下)が進行し、その結果、触媒性能(例えばNOx浄化率)が低下する場合がある。これに対し、ここで開示される排ガス浄化用触媒では、上記式(1)によって求められる指標Yが0.7≦Yであり、従来に比して粒子表面に存在するリンの量が少ない。このため、この排ガス浄化用触媒では、上述した触媒の劣化が進行しにくく、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能(例えばNOx浄化率)の低下を抑制することができる。
好ましい一態様では、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率(Si)は、概ね80at%以上である。触媒の劣化を抑制する観点からは、Siの原子分率(Si)は、好ましくは82at%以上、より好ましくは85at%以上、さらに好ましくは87at%以上である。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率(Si)の上限は特に限定されないが、触媒としての機能をより良く発揮させる等の観点から、概ね95at%以下とすることが適当であり、好ましくは92at%以下、より好ましくは90at%以下である。ここに開示される技術は、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率(Si)が80at%以上95at%以下(好ましくは85at%以上90at%以下)である態様で好ましく実施され得る。
シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率(Si)と、シリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率(Si)との比の値(Si/Si)は、触媒の劣化を抑制する観点から、好ましくは2.1以上、より好ましくは2.2以上、さらに好ましくは2.3以上、特に好ましくは2.4以上である。また、上記比の値(Si/Si)は、触媒としての機能をより良く発揮させる等の観点から、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。
また好ましい一態様では、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるPの原子分率(P)は、概ね10at%以下である。触媒の劣化を抑制する観点からは、Pの原子分率(P)は、好ましくは8at%以下、より好ましくは6at%以下、さらに好ましくは5at%以下、特に好ましくは3at%以下である。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるPの原子分率(P)の下限は特に限定されないが、触媒としての機能をより良く発揮させる等の観点から、概ね0.5at%以上とすることが適当であり、好ましくは1at%以上、より好ましくは2at%以上である。ここに開示される技術は、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるPの原子分率(P)が0.5at%以上10at%以下(好ましくは1at%以上5at%以下)である態様で好ましく実施され得る。
シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるPの原子分率(P)と、シリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるPの原子分率(P)との比の値(P/P)は、触媒の劣化を抑制する観点から、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下、さらに好ましくは0.22以下である。また、上記比の値(P/P)は、触媒としての機能をより良く発揮させる等の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.13以上である。
また好ましい一態様では、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるAlの原子分率(Al)は、概ね3at%以上である。Alの原子分率Alは、好ましくは5at%以上、より好ましくは9at%以上、さらに好ましくは10at%以上である。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるAlの原子分率(Al)の上限は特に限定されないが、概ね20at%以下とすることが適当であり、好ましくは15at%以下、より好ましくは12at%以下である。ここに開示される技術は、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるAlの原子分率(Al)が3at%以上20at%以下(好ましくは9at%以上15at%以下)である態様で好ましく実施され得る。
シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるAlの原子分率(Al)と、シリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるAlの原子分率(Al)との比の値(Al/Al)は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.21以上である。また、上記比の値(Al/Al)は、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.25以下である。
上記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の形状(外形)は特に制限されないが、強度、製造容易性等の観点から、通常は、球状または楕円球状のシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を好ましく使用し得る。
シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dは、概ね4μm≦D≦7μmである。シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dが大きすぎると、排ガスを浄化する過程において基材のセル内を排ガスが通過する際に圧損が上昇する場合がある。圧損低減の観点からは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dは、好ましくは6.8μm以下、より好ましくは6.5μm以下、さらに好ましくは6.2μm以下、特に好ましくは5.8μm以下(例えば5.5μm以下)である。一方、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dが小さすぎると、該粒子の比表面積が増えるので、該粒子の表面をシリカで均一に被覆することができなくなり、前述したリンと水分との反応を十分に抑制できない場合があり得る。シリカで均一に被覆する観点からは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dは、好ましくは4.2μm以上、より好ましくは4.5μm以上、さらに好ましくは4.8μm以上、特に好ましくは5.2μm以上である。例えば、平均粒径Dが4μm以上6.5μm以下(好ましくは4.5μm以上6μm以下)であるシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子が、触媒の劣化抑制と圧損低減とを高いレベルで両立させる観点から好適である。なお、上記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径(D50径)は、レーザ散乱法に基づく測定により把握するものとする。
ここで開示されるシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の好適例として、前記式(1)で表わされるYが0.7以上0.95以下であり、かつ、平均粒径Dが4μm以上7μm以下であるもの;前記式(1)で表わされるYが0.8以上0.95以下であり、かつ、平均粒径Dが4.2μm以上5μm以下であるもの;前記式(1)で表わされるYが0.75以上0.95以下であり、かつ、平均粒径Dが5μm以上5.5μm以下であるもの;前記式(1)で表わされるYが0.85以上0.95以下であり、かつ、平均粒径Dが6μm以上6.8μm以下であるもの;等が挙げられる。このようなシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の指標Yおよび平均粒径Dを両立して有することにより、基材のセル内を排ガスが通過する際の圧損の上昇を抑えつつ、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによる触媒性能(例えばNOx浄化率)の低下を効果的に抑制することができる。したがって、燃費の悪化やエンジンの故障などの弊害を防ぎつつ、より高性能な排ガス浄化用触媒を提供することができる。
シリカアルミノフォスフェート粒子の表面をシリカで被覆する方法としては、従来公知の種々の被覆方法を用いることができる。例えば、シリカゾルと水やアルコールなどの溶媒とシリカアルミノフォスフェート粒子とを混合して、該粒子表面にシリカを被覆させる方法、シリカゾルを乾式でシリカアルミノフォスフェート粒子とを混合して、該粒子表面にシリカを被覆する方法、テトラメトキシシランなどのアルコキシシランやシリコーンなどの有機ケイ素化合物を乾式または湿式の方法によってシリカアルミノフォスフェート粒子に被覆した後、熱処理を行ってシリカへと変換して被覆する方法、シリコーンまたはシリカターゲット材をスパッタリング等の薄膜成形技術を用いて物理的にシリカアルミノフォスフェート粒子に被覆する方法などが挙げられる。シリカを均一に被覆する観点からは、シリカゾルを乾式または湿式でシリカアルミノフォスフェート粒子と混合して、該粒子表面にシリカを被覆する方法が好ましい。
好ましい一態様では、上記シリカの被覆は、シリカアルミノフォスフェート粒子の整粒(粒度調整)を行った後に実行する。すなわち、先に整粒によってシリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子の粒径を、前記平均粒径Dを実現し得る好適な粒径に整えてから、得られた整粒粉をシリカで被覆することが好ましい。シリカで被覆した後、整粒を行うと、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子が割れてシリカ未修飾面が新たに露出したりシリカが剥がれたりすることで、粒子表面のシリカ量(ひいては前記Yの値)が低下傾向になり得るが、シリカの被覆よりも先に整粒を行うことで、そのような不都合を解消または緩和し得る。ここで開示される技術は、シリカの被覆よりも先に整粒を行う態様で好ましく実施され得る。整粒方法は特に限定されず、従来公知の解砕・粉砕装置を使用することができる。例えば、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、ジェットミルなどを用いて行なうことができる。解砕・粉砕は湿式で行っても乾式で行ってもよい。
触媒層20は、必要に応じてシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子以外の成分を含み得る。例えば、触媒層20は、担体と、該担体に担持された貴金属とを含んでもよい。担体としては、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、これらの固溶体または複合酸化物など、従来この種の担体として用いられている物質を含有することができる。例えば、アルミナを含む担体であることが好ましい。該担体に担持される貴金属としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(Ag)などの金属触媒粒子や、該金属触媒粒子を含んだ複合粒子などを好適に用いることができる。かかる貴金属は、NOx浄化で余ったアンモニアを除去し得る触媒機能(酸化触媒機能)を有するものであることが好ましい。そのような酸化触媒機能を有する貴金属としては、白金が例示される。
触媒層20を形成するにあたっては、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子と適当な溶媒(例えば水)と他の触媒層構成成分とを含むスラリーを基材(例えばハニカム基材)10の表面に付与するとよい。触媒層20を上記付与により形成するプロセスにおいて、基材10の表面にスラリーを適当に密着させるため、スラリーにはバインダを含有させもよい。バインダとしては、例えばシリカゾルやアルミナゾル等の使用が好ましい。バインダとしてシリカゾルを用いる場合、スラリーに添加されるシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子は、シリカで被覆される前のシリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子であってもよい。この場合、スラリーの混練時にシリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子の表面がシリカにより被覆される。つまり、かかる態様によれば、シリカの被覆とスラリーの調製とを同時に行うことができる。スラリーの粘度は、該スラリーが基材(例えばハニカム基材)のセル内へ容易に流入し得るように適宜調整するとよい。基材10の表面に付与されたスラリーの乾燥条件は基材または担体の形状及び寸法により左右されるが、典型的には80〜300℃程度(例えば100〜250℃)であり、焼成条件は約400〜1000℃程度(例えば500〜700℃)である。
ここで開示される触媒層20のコート量(成形量)としては、特に限定されない。基材としてストレートフロー型の基材(例えばハニカム基材)を用いる場合には、触媒層20のコート量(成形量)としては、概ね50g/L〜300g/L程度が適当であり、70g/L〜250g/L(例えば150g/L〜220g/L)が好ましい。また、基材としてウォールフロー型の基材(例えばフィルタ基材)を用いる場合には、触媒層20のコート量(成形量)としては、概ね20g/L〜200g/L程度が適当であり、50g/L〜180g/L(例えば60g/L〜150g/L)が好ましい。ここで触媒単位容積(1L)は、基材の純容積に加えて内部の空隙(セル)容積を含む(即ち当該空隙(セル)内に形成された触媒層を含む)嵩容積(1L)をいう。
ここに開示される排ガス浄化用触媒100は、前述のように圧損の低減と触媒の劣化抑制(耐久性)とを高いレベルで両立させ得ることから、種々の形態の排ガス浄化装置の構成要素(例えばSCR触媒、三元触媒、NSR触媒またはこれらを組み合わせた触媒)として好ましく利用され得る。例えば、ここに開示される何れかのシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を含む触媒層20を基材10の表面に備えた排ガス浄化用触媒100と、該排ガス浄化触媒10よりも排気通路の上流からアンモニアを生成するための還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給手段(図示せず)と、を備えた排ガス浄化装置の構成要素として好ましく使用され得る。
上記還元剤溶液供給手段は、排ガス浄化用触媒100よりも排気管の上流側に配置されているとよい。還元剤溶液供給手段は、排ガス浄化用触媒100の排ガス流通方向における上流からアンモニアを生成するための還元剤溶液(例えば尿素水)を供給する。還元剤溶液供給手段は、典型的には噴霧ノズルとポンプとタンクとを備えている。噴霧ノズルは、ポンプを介してタンクに接続されている。ポンプは、タンク内の還元剤溶液を噴霧ノズルへ供給する。噴霧ノズルへ供給された還元剤溶液は、排気管内に噴霧され、該排気管内で上流から流れてくる排ガスとともに下流へと流されるとともに、加水分解してアンモニアを発生させる。このアンモニアが排ガス浄化用触媒100のシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子(SCR触媒)に吸着し、吸着したアンモニアの還元作用により排ガス中のNOxが浄化される。ここに開示される技術によれば、従来に比して圧損が小さく、なおかつ、浄化性能がより良く向上した(例えばエンジンの運転・停止を繰り返し行うことによるNOx浄化率の低下が抑制された)排ガス浄化装置を実現することができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
(1)排ガス浄化用触媒の作製
<実施例1>
Cu担持SAPO34(Cu担持量:3.2質量%、Si/Al/Pのモル比:17/50/33)を整粒し、平均粒径D50が4.2μmとなるように分級した。このCuイオン交換SAPO34:100gと、シリカゾル(Si含有量がSiO換算で10質量%)と、純水とを混合することによって、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子のスラリーを得た。シリカゾルの添加量は、スラリーの固形分全体に占めるSi含有量がSiO換算で20質量%となるように調整した。また、スラリーの水分量は、コージェライトハニカム基材への塗布可能なスラリー粘度となるように調整した。得られたスラリーをコージェライトハニカム基材に塗布し、余分なスラリーを除去した後、100℃で乾燥、500℃で熱処理(焼成)することにより、基材の表面に触媒層を形成した。触媒層のコート量(基材の容積1L当たりの質量)は206g/Lとした。このようにして、本例に係る排ガス浄化用触媒を作製した。
<実施例2>
整粒・分級後のCu担持SAPO34の平均粒径を5.4μmに変更したこと以外は実施例1と同じ手順で排ガス浄化用触媒を作製した。
<実施例3>
整粒・分級後のCu担持SAPO34の平均粒径を6.5μmに変更したこと以外は実施例1と同じ手順で排ガス浄化用触媒を作製した。
<比較例1>
整粒・分級後のCu担持SAPO34の平均粒径を3.7μmに変更したこと、シリカゾルの添加量をSi含有量がSiO換算で3.5質量%となるように変更したこと、および、触媒層のコート量を173.5g/Lに変更したこと以外は実施例1と同じ手順で排ガス浄化用触媒を作製した。
<比較例2>
整粒・分級後のCu担持SAPO34の平均粒径を3.7μmに変更したこと以外は実施例1と同じ手順で排ガス浄化用触媒を作製した。
<比較例3>
整粒・分級後のCu担持SAPO34の平均粒径を8.8μmに変更したこと以外は実施例1と同じ手順で排ガス浄化用触媒を作製した。
(2)XPSの測定
各例のシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面を、アルバック・ファイ株式会社製X線光電子分光装置を用いてXPS(X線光電子分光)分析した。そして、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSi、AlおよびPの合計を100at%としたときのSi、AlおよびPそれぞれの原子分率(Si、AlおよびP)を算出した。また、シリカで被覆する前のシリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子(すなわちスラリーに添加する前のCu担持SAPO34)表面についてもXPSで分析し、シリカ未修飾シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSi、AlおよびPの合計を100at%としたときのSi、AlおよびPそれぞれの原子分率(Si、AlおよびP)を算出した。
そして、得られたSi、AlおよびPならびにSi、AlおよびPを用いて、前記Yの値を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2017159252
(3)圧損の測定
各例の排ガス浄化用触媒の圧損上昇率を測定した。具体的には、まず、触媒層をコートする前の基材(リファレンス)を準備し、5〜7m/minの風量で空気を流通させたときの圧力(コート前の圧力)を測定した。次に、前記作製した各例の排ガス浄化用触媒(触媒層付きの基材)を用いて、上記と同様に5〜7m/minの風量で空気を流通させたときの圧力(コート後の圧力)を測定した。そして、圧損上昇率(%)=「コート後の圧力/コート前の圧力(リファレンス)」を算出した。結果を表2および図4に示す。図4のグラフは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径と圧損上昇率との関係を示している。
(4)耐久性試験
各例の排ガス浄化用触媒について触媒性能(耐久性)を評価した。耐久性試験は、「1.排ガス浄化用触媒を水に30分間浸漬する。2.排ガス浄化用触媒を取り出し、エアガンにより余分な水分を吹き払う。3.排ガス浄化用触媒を電気炉にて200℃で30分間熱処理する。4.上記1〜3を10回繰り返す。」ことにより行った。かかる耐久条件は、エンジンの運転・停止を繰り返して使用することを模擬したものである。
また、上記耐久性試験前後(すなわち耐久条件にさらしていない初期の状態と、耐久条件にさらした後の状態)におけるNOx浄化率を測定した。具体的には、各触媒サンプルを流通式管に入れ、外部ヒーターによって410℃に加熱した。次に、リッチの排ガス組成を模擬したガス(リッチ模擬ガス)とリーンの排ガス組成を模擬したガス(リーン模擬ガス)とを交互に流し、NOx浄化処理を行なった。リッチ模擬ガスは、O:NO:NH:HO=0ppm:100ppm:660ppm:5ppmとした。リーン模擬ガスは、O:NO:NH:HO=10ppm:50ppm:0ppm:5ppmとした。リッチ模擬ガスとリーン模擬ガスとの供給サイクルは10s:60s、サイクル数は計10回とした。SV(空間速度)は85700h−1とした。そして、触媒サンプルへ流入するガスおよび流出するガスのNOx濃度を測定し、下記式によりNOx浄化率を算出した。
NOx浄化率(%)=[(8〜10サイクルの間に触媒へ流入する総NOx量)−(8〜10サイクルの間に触媒から流出した総NOx量)]/(8〜10サイクルの間に触媒へ流入する総NOx量)
なお、上記NOx浄化率測定条件は、SCR反応を模擬したものである。結果を表2および図4に示す。図4のグラフは、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径と耐久後のNOx浄化率との関係を示している。
Figure 2017159252
表2および図4に示されるように、平均粒径(D50)が3.7μm以下のシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を用いた比較例1、2の触媒は、圧損上昇率は低く抑えられていたものの、耐久後のNOx浄化率が72%を下回り、耐久性に欠けていた。比較例1、2においては、シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径を小さくしてシリカの物理的な被覆面積が増えたことで、該粒子表面においてシリカで被覆しきれていない部位が生じ(Yが0.65を下回り)、そこから触媒の劣化が進行し、耐久後のNOx浄化率が低下したものと推測される。一方、平均粒径が8.8μmのシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を用いた比較例3の触媒は、Yが0.92と大きくなり、耐久後のNOx浄化率は高い値を示したものの、圧損も格段に上昇した。これに対し、平均粒径が4μm以上7μm以下であり、かつ、Yが0.7以上であるシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を用いた実施例1〜3の触媒は、初期のNOx浄化率が90%以上となり、耐久後においても高いNOx浄化率を維持していた。また、圧損上昇率も2.05以下となり、比較例3に比べて良好な結果が得られた。この結果から、平均粒径が4μm以上7μm以下であり、かつ、Yが0.7以上であるシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を用いることによって、基材のセル内を排ガスが通過する際の圧損の上昇を抑えつつ、エンジンの運転・停止を繰り返し行うことによるNOx浄化率の低下を抑制し得ることが確認できた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 基材
20 触媒層
30 シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子
32 シリカ
100 排ガス浄化用触媒

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路内に配置され、該内燃機関から排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒であって、
    基材と、該基材の表面に形成された触媒層とを備えており、
    前記触媒層は、金属を担持したシリカアルミノフォスフェート粒子であって、表面部の少なくとも一部がシリカにより被覆されたシリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子を含んでおり、
    前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の表面を被覆するシリカ量が、下記式(1):
    Y=1−[P/(Si+Al+P)]/[P/(Si+Al+P)] (1)
    (ここで式中、Si、AlおよびPは、前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面をX線光電子分光(XPS)で分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子分率であり、
    Si、AlおよびPは、前記シリカで被覆される前のシリカアルミノフォスフェート粒子表面をXPSで分析した場合に、元素換算で、Si、AlおよびPの合計量に占めるSi、AlおよびPそれぞれの原子分率である);
    において0.7≦Yを満足する量であり、かつ、
    前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径Dが4μm≦D≦7μmである、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の表面を被覆するシリカ量が、0.75≦Y≦1を満足する量である、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子表面におけるSiの原子分率Siが80at%以上であり、かつ、Pの原子分率Pが10at%以下である、請求項1または2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記シリカ被覆シリカアルミノフォスフェート粒子の平均粒径が4μm〜5.5μmである、請求項1〜3の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記シリカアルミノフォスフェート粒子が、銅担持SPAO−34である、請求項1〜4の何れか一つに記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載の排ガス浄化触媒と、
    前記排ガス浄化触媒よりも前記排気通路の上流からアンモニアを生成するための還元剤溶液を供給する還元剤溶液供給手段と
    を備えた、排ガス浄化装置。


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