JP2017158421A - ブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータ - Google Patents

ブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータ Download PDF

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Abstract

【課題】効率的なモータ構成部品の配置構造を可能とするアキシャルギャップ型のブラシレスモータのステータ(ブラシレスモータ)を提供する。【解決手段】ステータ20は、ティース24の内側端部24aよりベース部23の内周縁部23aが径方向外側に後退した形状をなすステータコア21を用い、その後退部分にコイル素線の平角線40の一部(巻き始め部分44等)が配置されて構成される。【選択図】図10

Description

本発明は、アキシャルギャップ型のブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータに関するものである。
従来、ブラシレスモータには、ステータとロータとが軸方向に対向配置されたアキシャルギャップ型のものがある。この種のモータのステータとしては、例えば特許文献1等に示されているように、円環板状をなすベース部の一面において軸方向に突出形成された複数のティースが周方向に並んで配置されてなるステータコアと、該ステータコアの個々のティースの外周面に沿うように集中巻きにて巻回された複数のコイルとを備える。複数のコイルは三相コイルにて構成され、各相のコイルにそれぞれ対応した駆動電流の供給がなされる。
特開2015−116033号公報
ところで、モータの小型化を図る上で、ステータコアに対するコイルの結線等、モータ構成部品の配置の自由度を高くして効率的とし、ステータの小型化を図ることも一つの対策である。
本発明の目的は、効率的なモータ構成部品の配置構造を可能とするアキシャルギャップ型のブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータを提供することにある。
上記課題を解決するブラシレスモータのステータは、円環板状をなすベース部の一面において軸方向に突出形成された複数のティースが周方向に並んで配置されてなるステータコアと、該ステータコアの個々のティースの外周面に沿うように集中巻きにて巻回された複数のコイルとを備えるブラシレスモータのステータであって、前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向外側に後退して形成されている、又は前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向内側に後退して形成されている。
この構成によれば、ティースの内側端部よりベース部の内周縁部が径方向外側に後退した形状、又はティースの外側端部よりベース部の外周縁部が径方向内側に後退した形状をなすステータコアを用いることで、その後退部分にコイル素線等のモータ構成部品の配置が可能となる。つまり、モータ構成部品の配置の自由度が高くなってその配置を効率的に行うことが可能となり、ステータの小型化、ひいてはモータの小型化が図れる。
また、上記のブラシレスモータのステータにおいて、前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向外側に後退して形成した態様に対し、前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向外側に延出して形成されている、又は前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向内側に後退して形成した態様に対し、前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向内側に延出して形成されている。
この構成によれば、ベース部の内周縁部が後退形状をなすのに対応してベース部の外周縁部がティースの外側端部より径方向外側に延出した形状をなす、又はベース部の外周縁部が後退形状をなすのに対応してベース部の内周縁部がティースの内側端部より径方向内側に延出した形状をなすことで、後退部分の磁路の減少が延出部分で補われ、ステータコア全体で適切な磁路の確保がなされる。
また、上記のブラシレスモータのステータにおいて、前記ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退長さよりも、前記ベース部の外周縁部又は内周縁部の延出長さが同等以上に設定されている。
この構成によれば、ベース部における後退部分よりも延出部分が同等以上の長さとなることから、ベース部の厚みを径方向で一定としたときのベース部の径方向の断面積が同等若しくは増加するため、より十分な磁路の確保が可能となる。
また、上記のブラシレスモータのステータにおいて、前記ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退部分に、前記コイルを構成するコイル素線の一部が配置されている。
この構成によれば、ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退部分にコイル素線の一部が配置されることで、コイル素線の配置を効率的とすることが可能となる。
また、上記のステータにおいて、前記コイルは、三相コイルにて構成されて各相毎に更に複数のコイル部を有し、隣接のコイル部同士が渡り線にて接続されるものであり、前記渡り線の一部が、前記コイル部よりも軸方向一方側に突出するようにして構成されている。
この構成によれば、各相毎の隣接のコイル部同士を接続する渡り線の一部が、ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退部分に配置されコイル部よりも軸方向一方側に突出する構成とされて、コイル素線の配置が効率的に行われる。
上記課題を解決するブラシレスモータのステータは、円環板状をなすベース部の一面において軸方向に突出形成された複数のティースが周方向に並んで配置されてなるステータコアと、該ステータコアの個々のティースの外周面に沿うように集中巻きにて巻回された複数のコイルとを備えるブラシレスモータのステータであって、前記ステータコアの内周部及び外周部の少なくとも一方には、径方向に窪む切り欠き部が設けられている。
この構成によれば、ステータコアの内周部及び外周部の少なくとも一方に設けられた径方向に窪む切り欠き部に、コイル素線等のモータ構成部品の配置が可能となる。つまり、モータ構成部品の配置の自由度が高くなってその配置を効率的に行うことが可能となり、ステータの小型化、ひいてはモータの小型化が図れる。
また、上記のステータにおいて、前記切り欠き部は、周方向に複数並設されている。
この構成によれば、ステータコアの切り欠き部が周方向に複数並設されるため、モータ構成部品の配置の自由度がより高くなり、その配置をより一層効率的に行うことが可能となる。
また、上記のステータにおいて、前記切り欠き部には、前記コイルを構成するコイル素線の巻き始め端及び巻き終わり端の少なくとも一方が挿通されている。
この構成によれば、コイル素線の巻き始め端及び巻き終わり端の少なくとも一方の配置の自由度が高くなってその配置を効率的に行うことが可能となり、ステータの小型化、ひいてはモータの小型化が図れる。
また、上記のブラシレスモータのステータにおいて、前記コイルを構成するコイル素線は、平角線である。
この構成によれば、曲げ方向に制限を受け易い平角線のステータコアへの配置の自由度を高くすることの効果は大である。
また、上記課題を解決するブラシレスモータは、上記のステータと、周方向に複数の磁石磁極を有するロータとが軸方向に対向配置されて構成されている。
この構成によれば、ステータコアにおけるコイル素線等のモータ構成部品の配置が効率的となることでステータの小型化が図られ、モータの小型化が図れる。
本発明のブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータによれば、効率的なモータ構成部品の配置構造が可能となる。
一実施形態におけるブラシレスモータの斜視図。 ブラシレスモータの側面図。 (a)は第1のステータの平面図、(b)は第2のステータの平面図。 ブラシレスモータの一部を平面状に展開した模式図。 (a)はステータコアの平面図、(b)はステータコアの径方向断面図。 (a)はコイル群の平面図、(b)はコイル群の側面図。 (a)はコイル群の底面図、(b)はコイル群の径方向断面図。 (a)はコイル群の斜視図、(b)はコイル群の底面側の斜視図。 一つの相のコイルを示す斜視図。 (a)はステータの斜視図、(b)はステータの底面側の斜視図。 (a)は別例におけるステータコアの平面図、(b)は同じく別例におけるステータコアの径方向断面図。 別例におけるステータコアの斜視図。 別例におけるブラシレスモータの断面図。 同別例におけるステータコアの斜視図。 別例におけるステータコアの斜視図。 別例におけるステータコアの斜視図。
以下、アキシャルギャップ型のブラシレスモータのステータ及びブラシレスモータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、円柱状をなす回転軸2に一体回転可能に固定された円盤状のロータ10と、ロータ10の軸方向の両側に配置された一対のステータ20,30(即ち第1のステータ20及び第2のステータ30)とを備えたアキシャルギャップ型のブラシレスモータである。なお、ロータ10及びステータ20,30は、図示しないハウジングに収容されるとともに、回転軸2は、該ハウジングに対して回転可能に支持されている。
図1及び図2に示すように、ロータ10は、円板状をなすロータコア11と、ロータコア11の軸方向の両端面に固定された第1の磁石12及び第2の磁石13とを備えている。ロータコア11は、その径方向の中央部に回転軸2が圧入されることにより回転軸2と一体回転可能となっている。
ロータコア11の軸方向の一端面(図1及び図2において上側の端面)に固定された第1の磁石12は、N極とS極とが周方向に交互に並ぶように設けられており、周方向に8個の磁極(ロータコア11と反対側の軸方向の端面に形成される磁極)を有している。第1の磁石12の8個の磁極は、周方向に等角度間隔に設けられている。
ロータコア11の軸方向の他端面(図1及び図2において下側の端面)に固定された第2の磁石13は、第1の磁石12と同様の形状をなしており、周方向に等角度間隔に設けられた8個の磁極を有する。この第2の磁石13は、第1の磁石12に対して磁極1つ分だけ周方向にずれるようにロータコア11に対して固定されている。そのため、軸方向に重なる第1の磁石12の各磁極と第2の磁石の各磁極は、互いに異なる磁極(N極とS極)となっている。
なお、本実施形態のロータ10の磁極の数(各磁石12,13において周方向に並ぶ磁極の数)は、2m×n(m,nは自然数)となっている。本実施形態では、m=2、n=4であることから、ロータ10の磁極の数は「8」となっている。また、各磁石12,13を円環状の一体の磁石で構成してもよく、また磁極毎で個々に分離した複数の磁石にて構成してもよい。
図3(a)に示すように、前記第1のステータ20は、第1のステータコア21と、第1のステータコア21に巻装された第1のコイル群22とを備えている。
第1のステータコア21は、円環板状をなしバックヨークとして機能する第1のベース部23と、第1のベース部23からロータ10側に向けて軸方向に突出した(軸方向に延びる)12個の第1のティース24とを有する。第1のステータコア21は、電磁鋼板の積層又は圧粉磁心、若しくはこれらの組み合わせにより作製されている。12個の第1のティース24は、周方向に等角度間隔(本実施形態では30°間隔)に設けられている。第1のティース24は、軸方向から見た形状が略扇状をなし軸方向に所定高さで突出した柱状をなしており、12個の第1のティース24は全て同じ形状をなしている。また、周方向に隣り合う第1のティース24同士は周方向に離間しており、この隙間が第1のスロット25となる。第1のスロット25は、それぞれ径方向に同幅をなしている。
また、図5(a)(b)に示すように、本実施形態の第1のステータコア21は、第1のベース部23の内周縁部23aが第1のティース24の内側端部24aよりも径方向外側に後退させて構成されている。なお、第1のティース24の内側端部24aが第1のベース部23の内周縁部23aより突出する部分は、第1のベース部23の裏面側まで軸方向に延出して裏面と面一となっている。一方、第1のベース部23の外周縁部23bは、第1のティース24の外側端部24bよりも十分に大きく、第1のコイル群22(第1のコイル26)の装着状態における該コイル群22の外側端部よりも径方向外側に延出されている。
この場合、第1のティース24の外側端部24bから第1のベース部23の外周縁部23bまでの延出長さ(径方向長さ)t2は、第1のティース24の内側端部24aから第1のベース部23の内周縁部23aまでの後退長さ(径方向長さ)t1よりも大きくなるように設定されている。具体的には、第1のティース24の外側端部24bから第1のベース部23の外周縁部23bまでの延出長さt2は、第1のティース24自身の径方向長さt0の約2/5、第1のティース24の内側端部24aから第1のベース部23の内周縁部23aまでの後退長さt1は、第1のティース24自身の径方向長さt0の約1/5(後述の平角線40の幅寸法程度)に設定されている。
つまり、第1のベース部23の板厚(軸方向長さ)は径方向で一定としているため、第1のティース24の内側端部24aから第1のベース部23の内周縁部23aまでの後退部分、換言すれば隣接の第1のティース24の内側端部24a間で第1のベース部23の内周部分が切り欠かれた部分の断面積(軸方向且つ径方向に沿った切断面における断面積)S1よりも、第1のティース24の外側端部24bから第1のベース部23の外周縁部23bまで延出するベース部23の部分の断面積S2の方が大きくなるようにしている。これは、隣接の第1のティース24の内側端部24a間における第1のベース部23の内側部分が切欠き形状となり磁路減少が懸念されるところ、第1のベース部23の外周部分を十分外側に延出させることで磁路減少(磁気抵抗増)とならないようにしている。また一方で、第1のベース部23の内側の切欠き部分は、第1のコイル群22を構成する一部分の配置スペースとして有効利用するようにしている。
図3(a)に示すように、第1のコイル群22は、各第1のティース24に集中巻にて巻回された12個の第1のコイル26から構成されている。本実施形態の12個の第1のコイル26は、U相、V相、W相の三相コイルよりなり、巻回方向が全て同じ方向となっている。
12個の第1のコイル26のうち周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた4個の第1のコイル26が第1のU相コイル26uとなっている。また、残りの8個の第1のコイル26のうち周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた4個の第1のコイル26が第1のV相コイル26vとなっている。更に、残りの4個の第1のコイル26は、周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた第1のW相コイル26wとなっている。そして、本実施形態では、第1のステータ20を第1のティース24の先端側から見ると(即ち図3(a)に示す状態)、12個の第1のコイル26は、時計方向に、第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v、第1のW相コイル26wの順に周方向に繰り返し並んでいる。このように、本実施形態の第1のコイル群22は、U相、V相、W相の3相のコイル26から構成されている。
また、図6(a)(b)、図7(a)(b)、図8(a)(b)、図9及び図10(a)(b)に示すように、本実施形態の第1のコイル群22(第1のコイル26)は、断面が扁平長方形状をなす平角線40を用いて構成されている。
各4個ずつの第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v、第1のW相コイル26wは、それぞれ1本の平角線40にて連続的に形成されている。また、第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v、第1のW相コイル26wは、それぞれ第1のティース24に直接巻回せず、第1のティース24に相当する治具に対して各相毎で巻回が行われて作製され、各相のコイル26u,26v,26wを互いに組み合わせた状態で第1のティース24(第1のステータコア21)に対して組み付けられる。なお、第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v及び第1のW相コイル26wは、同様な巻回態様となっている。そのため、具体的な巻回態様については、第1のU相コイル26uの巻回態様を中心に説明する。
第1のU相コイル26uは、4個のコイル部、即ちU相第1コイル部26u1、U相第2コイル部26u2、U相第3コイル部26u3、U相第4コイル部26u4を有し、隣接するもの同士が渡り線41で接続された1本の平角線40にて構成されている(図9参照)。1本の平角線40による巻回手順としては、先ずU相第4コイル部26u4の巻回が行われ、その後、渡り線41の形成が行われて時計回り90°隣り合うU相第3コイル部26u3に移行する。次いで、U相第3コイル部26u3の巻回が行われ、その後、渡り線41の形成が行われて時計回り90°隣り合うU相第2コイル部26u2に移行する。次いで、U相第2コイル部26u2の巻回が行われ、その後、渡り線41の形成が行われて時計回り90°隣り合うU相第1コイル部26u1に移行する。そして、U相第1コイル部26u1の巻回が行われる。
更に、個々のコイル部26u1,26u2,26u3,26u4の具体的な巻回態様としては、第1のティース24に対して装着した状態として説明すると、先ずU相第4コイル部26u4において、平角線40は、その巻き始め端42が第1のティース24の内側端部24aの側面下方から上方に向けて立ち上げられ(図10(b)参照)、ティース24の突出基端部分で水平方向に曲げられて、ティース24の突出基端外周面に沿った形状にて巻回される。この平角線40の巻回に際し、平角線40の延びる方向がティース24の外周面の周回方向、平角線40の幅方向がティース24の突出方向(軸方向)、平角線40の厚み方向(幅寸法より小)がティース24の突出方向と直交する方向に向けられて巻回される。そして、平角線40は、ティース24の突出基端から突出先端、即ち下から上に3段積み重ねるようにしてティース24周りを3周巻回される。
次いで、上記のように巻回された1層目の平角線40の外側に重なるようにして2層目の平角線40の巻回が行われる。2層目に巻回する平角線40は、ティース24の突出先端から突出基端、即ち上から下に3段積み重ねるようにして再度ティース24周りを3周巻回される。次いで、上記のように巻回された2層目の平角線40の外側に重なるようにして3層目の平角線40の巻回が行われる。3層目に巻回する平角線40は、ティース24の突出基端から突出先端、即ち下から上に3段積み重ねるようにして再々度ティース24周りを3周巻回される。
そして、平角線40のU相第4コイル部26u4の巻き終わり部分43がティース24の突出先端に位置し(図10(a)参照)、そこから90°隣り合うU相第3コイル部26u3の巻回位置に向けて渡り線41が形成される。渡り線41は、ティース24の突出先端の位置にあるU相第4コイル部26u4の巻き終わり部分43から平角線40の幅方向において斜め下方に向けて曲げられて、且つベース部23の内周縁部23aに沿うようにして厚み方向にも曲げられて形成される。渡り線41は、次に巻回が行われるU相第3コイル部26u3の上下方向(軸方向)3段分の更にもう1段下がった位置にある該コイル部26u3の巻き始め部分44に向けて、この場合ティース24の基端よりも更に下側であってベース部23と同等の位置となるまで斜め下方に傾斜している。言い換えると、渡り線41の一部は、コイル部26u3よりも下方に渡り線41(平角線40)の1本の幅分程度突出する(図6、図7参照)。この場合、渡り線41の一部は、ベース部23の裏面からは突出しない、若しくは突出しても僅かである(図10(b)参照)。
次いで、渡り線41の先端がU相第3コイル部26u3の巻き始め部分44において、平角線40がティース24の内側端部24aの側面下方から上方に向けて立ち上げられる。そして、ティース24の突出基端部分で水平方向に曲げられこの突出基端から順に平角線40が巻回されて、U相第4コイル部26u4と同様にしてU相第3コイル部26u3が巻回される。更にそこから、渡り線41の形成、U相第2コイル部26u2の巻回、更に渡り線41の形成が成されて、最後にU相第1コイル部26u1の巻回が成される。U相第1コイル部26u1の巻回終了後の平角線40の巻き終わり端45は、第1のステータコア21の径方向外側に引き出されて給電点46となる(図6、図7参照、他図面は径方向外側への引き出しは省略)。
このようにして、1本の平角線40にて、U相第1コイル部26u1、U相第2コイル部26u2、U相第3コイル部26u3、U相第4コイル部26u4を有する第1のU相コイル26uが形成される。また、これと同様に1本の平角線40にて、V相第1コイル部26v1、V相第2コイル部26v2、V相第3コイル部26v3、V相第4コイル部26v4を有する第1のV相コイル26vが形成され、W相第1コイル部26w1、W相第2コイル部26w2、W相第3コイル部26w3、W相第4コイル部26w4を有する第1のW相コイル26vが同様に形成される。
なお、第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v及び第1のW相コイル26wのそれぞれの平角線40の巻き始め端42は、互いに接続されて第1のコイル群22としたときの中性点47となる(図7(a)参照、他図面は中性点としての接続は省略)。つまり、第1のU相コイル26u、第1のV相コイル26v及び第1のW相コイル26wは、Y結線(スター結線)による結線態様となっている。このようにして構成した第1のコイル群22は先に一体的に構成された後に、第1のステータコア21(第1のティース24)に対して組み付けられる。
図1、図2及び図3(a)(b)に示すように、前記第2のステータ30は、第1のステータ20と同様の構成をなしている。即ち、第2のステータ30は、第1のステータコア21と同様の形状をなす第2のステータコア31と、第2のステータコア31に巻装された第2のコイル群32とを備えている。
第2のステータコア31は、第1のベース部23と同様の円環板状をなしてバックヨークとして機能する第2のベース部33と、第2のベース部33からロータ10側に向けて軸方向に突出した(軸方向に延びる)12個の第2のティース34とを有する。第2のステータコア31も第1のステータコア21と同様に、電磁鋼板の積層又は圧粉磁心、若しくはこれらの組み合わせにより作製されている。また、12個の第2のティース34は、第1のティース24と同じ形状をなしており、周方向に等角度間隔(本実施形態では30°間隔)に設けられている。また、隣り合う第2のティース34の間の隙間は第2のスロット35となり、第2のスロット35はそれぞれ径方向に同幅をなしている。
また、この第2のステータコア31についても第1のステータコア21と同様に、第2のティース34の内側部分が第2のベース部33よりも内側に突出している。第2のティース34の外側端部34bから第2のベース部33の外周縁部33bまでの突出長さ(t2)は、第2のベース部33の内周縁部33aから第2のティース34の内側端部34aまでの突出長さ(t1)よりも大きくなるように設定されている。
第2のコイル群32は、各第2のティース34に集中巻にて巻回された12個の第2のコイル36から構成されている。本実施形態の12個の第2のコイル36は、U相、V相、W相の三相コイルよりなり、巻回方向が全て同じ方向となっている。また、第2のティース34の先端側(軸方向一側)から見た各第2のコイル36の巻回方向は、第1のティース24の先端側(軸方向一側)から見た第1のコイル26の巻回方向と同じ方向となっている。
12個の第2のコイル36のうち周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた4個の第2のコイル36が第2のU相コイル36uとなっている。また、残りの8個の第2のコイル36のうち周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた4個の第2のコイル36が第2のV相コイル36vとなっている。更に、残りの4個の第2のコイル36は、周方向に等角度間隔(本実施形態では90°間隔)となる位置に設けられた第2のW相コイル36wとなっている。即ち、本実施形態の第2のコイル群32は、U相、V相、W相の3相のコイルから構成されている。そして、本実施形態では、第2のステータ30を第2のティース34の先端側から見ると(即ち図3(b)に示す状態)、12個の第2のコイル36は、反時計方向に、第2のU相コイル36u、第2のV相コイル36v、第2のW相コイル36wの順に周方向に繰り返し並んでいる。従って、第1のステータ20の第1のコイル群22と第2のステータ30の第2のコイル群32とは、軸方向の一方側から見て、3相のコイル26u,26v,26wと3相のコイル36u,36v,36wとの周方向の並び順が等しくなっている。
この第2のコイル36についても第1のコイル26と同様に、断面が扁平長方形状をなす平角線40が用いられている(図9等参照)。なお、この第2のコイル群32(第2のコイル36)の具体的な巻回態様についても第1のコイル群22(第1のコイル26)と同様であり、説明及び図示を省略する。
図1及び図2に示すように、第1のステータ20は、ロータ10に対して第1の磁石12側に配置され、第1のティース24の先端面(軸方向端面)と第1の磁石12とが軸方向に対向している。また、第2のステータ30は、ロータ10に対して第2の磁石13側に配置され、第2のティース34の先端面(軸方向端面)と第2の磁石13とが軸方向に対向している。そして、軸方向に対向する第1のステータ20とロータ10との間、並びに、軸方向に対向する第2のステータ30とロータ10との間には、僅かな空隙が設けられている。また、第1のステータコア21の第1のベース部23、第2のステータコア31の第2のベース部33、及びロータコア11は、軸方向と直交するとともに、互いに平行をなしている。更に、第1及び第2のステータ20,30とロータ10とは、中心軸線が一致している。なお、第1のステータ20及び第2のステータ30は、図示しないモータハウジングの内部に収容されるとともに、該モータハウジングに固定されている。
また、図2、図3(a)(b)及び図4に示すように、第1のステータ20の第1のコイル群22と第2のステータ30の第2のコイル群32とは、周方向の位置が相対的にずれている。
詳述すると、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、周方向に機械角で((360/3n)/2)°相対的にずれている(「3n」は各ステータ20,30におけるスロット数である)。この((360/3n)/2)°を第1のずれ角度θ1とすると、本実施形態では、n=4であることから、第1のずれ角度θ1は15°である。従って、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、周方向に機械角で15°(基準線L1と基準線L2との間の角度)相対的にずれている。本実施形態では、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、第1のコイル26(若しくは第2のコイル36)の半分分だけ周方向に相対的にずれることになるため、12個の第1のティース24の周方向の位置が、12個の第2のスロット35の周方向の位置と同じ位置になっている。
また、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、同相のコイル26,36が周方向に機械角で((360/(2m×n))×m)°相対的にずれている(「2m×n」は各磁石12,13における磁極の数である)。この((360/(2m×n))×m)°を第2のずれ角度θ2とする。本実施形態では、m=1、n=4であることから、第2のずれ角度θ2は45°である。従って、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、同相のコイル(即ち、第1のU相コイル26uと第2のU相コイル36u、第1のV相コイル26vと第2のV相コイル36v、第1のW相コイル26wと第2のW相コイル36w)が周方向に機械角で45°相対的にずれている。例えば、図3(a)の左上に図示された第1のU相コイル26uに対して、図3(b)の下中央に図示された第2のU相コイル36uは、基準線L1と基準線L3との間の45°だけ周方向にずれている。そして、周方向に隣り合う2つの第1のU相コイル26uの中間に、第2のU相コイル36uが1つずつ位置している。
そして、このような構成のブラシレスモータ1は、図4に示すように、第1のコイル26及び第2のコイル36への通電により第1のステータ20及び第2のステータ30にて発生される回転磁界に応じてロータ10が回転駆動する。なお、第1のU相コイル26uに供給されるU相の交流電流と、第1のV相コイル26vに供給されるV相の交流電流と、第1のW相コイルに供給されるW相の交流電流とは、互いに位相がずれている。同様に、第2のU相コイル36uに供給されるU相の交流電流と、第2のV相コイル36vに供給されるV相の交流電流と、第2のW相コイルに供給されるW相の交流電流とは、互いに位相がずれている。
第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、周方向の位置が相対的にずれている。即ち、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、周方向に機械角で第1のずれ角度θ1(本実施形態では15°)だけ相対的にずれている。また、第1のコイル群22と第2のコイル群32とは、同相のコイル(即ち、第1のU相コイル26uと第2のU相コイル36u、第1のV相コイル26vと第2のV相コイル36v、第1のW相コイル26wと第2のW相コイル36w)が周方向に機械角で第2のずれ角度θ2(本実施形態では45°)だけ相対的にずれている。
そのため、第1のステータ20の各第1のコイル26には、第2のステータ30の周方向に隣り合う2つの第2のコイル36がそれぞれ軸方向に対向することになる。同様に、第2のステータ30の各第2のコイル36には、第1のステータ20の周方向に隣り合う2つの第1のコイル26がそれぞれ軸方向に対向することになる。従って、第1のステータ20と第2のステータ30との間では、一方のステータの1つのコイルとこの1つのコイルと軸方向に対向する他方のステータの2つのコイルとの間で磁束が流れる。
例えば、第1のステータ20のS極になった各第1のU相コイル26uと、各第1のU相コイル26uと軸方向に対向する第2のステータ30のN極になった第2のV相コイル36v及び第2のW相コイル36wとの間で磁束が流れる。図4には、コイル26,36への通電により第1のU相コイル26u及び第2のU相コイル36uにおいて磁束が最大になった状態を図示するとともに、第1及び第2のステータ20,30における磁束の流れを矢印にて図示している。本実施形態では、図4に示す状態のときには、第2のV相コイル36v内の磁束及び第2のW相コイル36w内の磁束は、それぞれ第1のU相コイル26u内の磁束の半分程度となる。同様に、第1のV相コイル26v内の磁束及び第1のW相コイル26w内の磁束は、それぞれ第2のU相コイル36u内の磁束の半分程度となる。
従って、一方のステータの各コイルに対して他方のステータのコイルが1つずつ軸方向に対向する場合に比べて、即ち、一方のステータの1つのコイルとこの1つのコイルと軸方向に対向する他方のステータの1つのコイルとの間で磁束が流れる場合に比べて、磁束の分散(磁束の集中の抑制)が可能となっている。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)第1及び第2のステータ20,30は同様な構成であるため以下では第1のステータ20側について説明すると、ティース24の内側端部24aよりベース部23の内周縁部23aが径方向外側に後退した形状をなすステータコア21を用い、その後退部分(切り欠き部23c(図5(a)参照))にコイル26を構成する平角線40(渡り線41)の一部の配置がなされている。つまり、モータ構成部品の一つである平角線40の配置の自由度が高くなってその配置を効率的に行うことができ、ステータ20の小型化、ひいてブラシレスモータ1の小型化を図ることができる。
しかも、曲げ方向に制限を受け易い平角線40を用いる本実施形態において、平角線40のステータコア21への配置の自由度を高くすることの効果は大である。
(2)ベース部23の内周縁部23aが後退形状をなすのに対応してベース部23の外周縁部23bがティース24の外側端部24bより径方向外側に延出した形状をなすことで、後退部分の磁路の減少が延出部分で補われ、ステータコア21全体で適切な磁路の確保が可能である。
特に、本実施形態では、ベース部23の内周縁部23aの後退部分よりも外周縁部23bの延出部分が同等以上の長さとしていることから、ベース部23の厚みを径方向で一定としたときのベース部23の径方向の断面積が同等若しくは増加するため、より十分な磁路の確保が可能である。
(3)各相毎の隣接のコイル部26u1〜26u4同士を接続する渡り線41の一部が、ベース部23の内周縁部23aの後退部分に配置されコイル部26u1〜26u4よりも軸方向一方側、この場合ロータ10とは反対側に突出する構成とされて、平角線40(渡り線41)の配置が効率的に行われている。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ロータ10の磁石極数は8極であったが、8極以外、例えば16極で構成してもよい。また、ロータ10の磁石12,13を円環状の一体の磁石で構成してもよく、また磁極毎で個々に分離した複数の磁石にて構成してもよい。
・ステータ20,30のコイル磁極数も12極以外で構成してもよい。この場合、ステータ20,30のずれ角等はロータ10との関係で適宜変更する。
・図11(a)(b)に示すステータコア21aのように、ベース部23の外周縁部23bがティース24の外側端部24bより径方向内側に後退した形状としてもよい。この後退部分にモータ構成部品の一つである平角線40を配置すれば、平角線40の配置が効率的となる。また、ベース部23の外周縁部23bが後退形状をなすのに対応してベース部23の内周縁部23aがティース24の内側端部24aより径方向内側に延出した形状としてもよい。このようにすれば、ベース部23の外周縁部23bの後退部分の磁路の減少が内周縁部23aの延出部分で補われ、ステータコア21a全体で適切な磁路の確保が可能である。なお、上記実施形態のように、ベース部23の外周縁部23bの後退長さに対して内周縁部23aの延出長さを同等以上としてもよい。
・ステータコア21,31を電磁鋼板の積層又は圧粉磁心、若しくはこれらを組み合わせて作製してもよい。
・2組のステータ20,30とロータ10(磁石12,13)とを有するモータ1に適用したが、1組のステータとロータとで構成されるモータに適用してもよい。
・ベース部23の内周縁部23aの後退部分に、平角線40以外のモータ構成部品を配置してもよい。
・コイル素線として断面が扁平長方形状の平角線40を用いたが、断面円形状の丸線等を用いてもよい。
・上記実施形態では、第1のステータコア21は、ティース24の内側端部24aよりベース部23の内周縁部23aが径方向外側に後退した形状を有している。これにより、第1のステータコア21のベース部23の内周部には、隣接のティース24の内側端部24a間において、径方向外側に窪む切り欠き部23c(図5(a)参照)が設けられている。そして、図12に示すように、コイル26から引き出されたコイル素線の引き出し線26a(上記の巻き始め端42及び巻き終わり端45の少なくとも一方)が、切り欠き部23cに軸方向に挿通された構成としてもよい。このような構成によれば、径方向において、第1のステータコア21の体格内に引き出し線26aを収めることができ、その結果、ブラシレスモータ1の径方向への大型化を抑制できる。なお、上記では、第1のステータコア21(第1のステータ20)を例にとって説明したが、第2のステータコア31(第2のステータ30)においても同様に変更可能である。
また、図12では、第1のステータコア21の内周部に切り欠き部23cが形成された構成を例にとって説明したが、これに特に限定されるものではない。例えば、図11に示す構成のように、ベース部23の外周縁部23bが、ティース24の外側端部24bよりも径方向内側に後退されることで、第1のステータコア21の外周部における隣接のティース24の外側端部24b間に切り欠き部を有する構成に適用してもよい。すなわち、第1のステータコア21の外周部における隣接のティース24の外側端部24b間の切り欠き部に、コイル26から引き出されたコイル素線の引き出し線26aが挿通される構成としてもよい。
・図13に示すブラシレスモータ50は、上記実施形態と略同様のロータ10及び一対のステータ20,30と、それらを収容するモータケース51と、モータケース51の軸方向両側に設けられた一対の駆動回路(第1駆動回路52及び第2駆動回路53)を備えている。なお、本例において、上記実施形態と同一の構成や対応する構成には同一の符号を付してその詳細の説明を省略する。
モータケース51は、有底筒状をなすヨークハウジング54と、ヨークハウジング54の開口側端部を閉塞する態様で、該ヨークハウジング54に固定されたエンドフレーム55とを備えている。ロータ10の回転軸2は、ヨークハウジング54とエンドフレーム55の各々に設けられた軸受56によって回転可能に支持されている。また、回転軸2は、エンドフレーム55及び第1駆動回路52を軸方向に貫通して外部に突出しており、該突出部分が出力部として構成されている。
ここで、本例における第1及び第2のステータ20,30の各ステータコア61について説明する。なお、第1及び第2のステータ20,30の各ステータコア61は互いに同一形状をなすため、以下では、第1のステータ20のステータコア61を例にとって説明する。また、本例のステータコア61は、上記実施形態のステータコア21に対してベース部23の形状のみが異なっている。
図14に示すように、本例のステータコア61のベース部62の内周縁部62aは、回転軸2の軸線を中心とする円形をなし、ティース24の内側端部24aと軸方向に重なるように構成されている。また、ベース部62の外周縁部62bは、回転軸2の軸線を中心とする円形をなし、その外周縁部62bの径(ベース部62の外径)は、ティース24の外側端部24bの径よりも大きく設定されている。そして、ベース部62の外周縁部62bには、複数の切り欠き部63が周方向において互いに間隔を空けて設けられている。本例では、各切り欠き部63の個数は、スロット25の個数(つまり、ティース24の個数)と同数に設定されている。また、各切り欠き部63は、各スロット25の径方向外側に設けられるとともに、周方向において各スロット25と同幅をなしている。
また、ベース部62の外周縁部62bにおける各切り欠き部63の周方向間の部位(切り欠き部63が形成されていない部位)は、径方向外側に突出する凸部64となる。各凸部64は、各ティース24の径方向外側に設けられている。また、ティース24の周方向両側面と、該ティース24の径方向外側に位置する凸部64の周方向両端部とは、軸方向から見て、同一直線上に並ぶように構成されている。なお、径方向において、各凸部64の外側端部(ベース部62の外周縁部62b)は、装着状態のコイル26の外側端部よりも外側に位置している。
図13に示すように、第1駆動回路52は、エンドフレーム55の軸方向外側面に固定されている。また、第2駆動回路53は、ヨークハウジング54の底部54aの軸方向外側面に固定されている。
第1のステータ20の一部のコイル26からは、該コイル26を構成するコイル素線の端部(巻き始め端42及び巻き終わり端45の少なくとも一方)である引き出し線26aが軸方向に引き出されている。引き出し線26aは、第1のステータ20において、ステータコア61の切り欠き部63を通ってベース部62の裏面側(ティース24とは反対側)に引き出される。更に、引き出し線26aは、エンドフレーム55に形成された挿通孔(図示略)を通ってモータケース51の外部に引き出されて、第1駆動回路52と接続されている。
同様に、第2のステータ30の一部のコイル36からは、該コイル36を構成するコイル素線の端部(巻き始め端42及び巻き終わり端45の少なくとも一方)である引き出し線36aが軸方向に引き出されている。引き出し線36aは、第2のステータ30において、ステータコア61の切り欠き部63を通ってベース部62の裏面側(ティース24とは反対側)に引き出される。更に、引き出し線36aは、ヨークハウジング54の底部54aに形成された挿通孔(図示略)を通ってヨークハウジング54の外部に引き出されて、第2駆動回路53と接続されている。
なお、上記の各引き出し線26a,36aの形成態様(各引き出し線26a,36aの数や、どのコイル26,36から引き出すか等)は、コイル26,36の巻線態様に応じて適宜決定される。
以上のように、第1のステータ20及び第1駆動回路52の系統と、第2のステータ30及び第2駆動回路53の系統とは、互いに電気的に分かれて構成されている。そして、第1駆動回路52は、第1のステータ20の各コイル26に供給する三相駆動電流を制御し、第2駆動回路53は、第2のステータ30の各コイル36に供給する三相駆動電流を制御する。
次に、本例の特徴的な効果について説明する。
ベース部62の外周縁部62b(各凸部64の径方向外側端部)は、径方向において、各ティース24の外側端部24bよりも外側に位置するため、ベース部62の外周部分を十分外側に延出させることができ、それにより、ベース部62における磁路の減少を抑えることができる。
そして、このように、ベース部62の外周縁部62bを外側に延出させた上で、該外周縁部62bには、径方向内側に窪む凹状をなす切り欠き部63が設けられる。このため、上記のようにベース部62における磁路の減少を極力抑制しつつも、ベース部62(ステータコア61)の軸方向における投影面積の増加を抑えることができる。ステータコア61を圧粉磁心(磁性粉体のプレス成形)で構成する場合、ステータコア61の軸方向の投影面積が大きくなると、大型のプレス機が必要となり、製造コストが増加してしまう。このため、ステータコア61の軸方向における投影面積の増加を抑えることで、製造コストの増加を抑えることが可能となる。
また、第1のコイル26から引き出された引き出し線26a、及び第2のコイル36から引き出された引き出し線36aは、それぞれ対応するステータ20,30におけるベース部62の切り欠き部63に挿通される。これにより、径方向において、ステータコア61の体格内に引き出し線26a,36aを収めることができ、その結果、ブラシレスモータ50の径方向への大型化を抑制できる。
また、ブラシレスモータ50は、第1のステータ20のコイル26と接続され、該コイル26に供給する駆動電流を制御するための第1駆動回路52と、第2のステータ30のコイル36と接続され、該コイル36に供給する駆動電流を制御するための第2駆動回路53とを備える。この構成によれば、第1のステータ20及び第1駆動回路52の系統と、第2のステータ30及び第2駆動回路53の系統とが互いに電気的に分かれて構成され、更に、それら2系統のコイル26,36同士が、ロータ10を隔てて分かれて構成される。このため、一方の系統の故障によりその系統のコイルが発熱したとき、その熱が他方の系統のコイルに影響を与えることを極力抑えることができ、それにより、冗長性の向上を図ることができる。
なお、図14に示す構成では、ベース部62の内周縁部62aは、ティース24の内側端部24aと軸方向に重なるように構成されたが、これ以外に例えば、上記実施形態のように、ベース部62の内周縁部62aを、ティース24の内側端部24aよりも径方向外側に後退させてもよい。また、反対に、ベース部62の内周縁部62aを、ティース24の内側端部24aよりも径方向内側に延ばしてもよい。
また、図14に示す構成では、各切り欠き部63は、各スロット25の径方向外側に設けられたが、これ以外に例えば、図15に示すように、各切り欠き部63を各ティース24の径方向外側に設けてもよい。この場合、各切り欠き部63の周方向間に位置するベース部62の各凸部64は、各スロット25の径方向外側に設けられる。このような構成においても、ティース24に巻回されたコイル26の引き出し線26aを、切り欠き部63に挿通させることが好ましい。
また、図14に示す構成では、切り欠き部63がベース部62の外周縁部62bに設けられたが、これに限らず、例えば図16に示すように、ベース部62の内周縁部62aに設けてもよい。同図に示す構成では、ベース部62の内周縁部62aは、ティース24の内側端部24aよりも径方向内側に延びており、該内周縁部62aには、複数の切り欠き部63が周方向において互いに間隔を空けて設けられている。このような構成においても、ティース24に巻回されたコイル26の引き出し線26aを、切り欠き部63に挿通させることが好ましい。
なお、同図に示す例では、各切り欠き部63は、各スロット25の径方向内側に設けられているが、各切り欠き部63を各ティース24の径方向内側に設けてもよい。この場合、各切り欠き部63の周方向間に位置するベース部62の各凸部64は、各スロット25の径方向内側に設けられる。
また、同図に示す構成では、ベース部62の外周縁部62bは、ティース24の外側端部24bよりも径方向外側に延びているが、これに限らず、ベース部62の外周縁部62bを、ティース24の外側端部24bと径方向において同位置、又は、ティース24の外側端部24bよりも径方向内側に後退させてもよい。
・上記した実施形態並びに各別例は適宜組み合わせてもよい。
1…ブラシレスモータ、10…ロータ、12,13…磁石、20,30…ステータ、21,21a,31…ステータコア、23,33…ベース部、23a,33a…内周縁部、23b,33b…外周縁部、23c…切り欠き部、24,34…ティース、24a,34a…内側端部、24b,34b…外側端部、26,36…コイル、26u1〜26u4…コイル部、40…平角線(コイル素線)、41…渡り線、42…巻き始め端、45…巻き終わり端、t1…後退長さ、t2…延出長さ、50…ブラシレスモータ、61…ステータコア、62…ベース部、63…切り欠き部。

Claims (10)

  1. 円環板状をなすベース部の一面において軸方向に突出形成された複数のティースが周方向に並んで配置されてなるステータコアと、該ステータコアの個々のティースの外周面に沿うように集中巻きにて巻回された複数のコイルとを備えるブラシレスモータのステータであって、
    前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向外側に後退して形成されている、又は前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向内側に後退して形成されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  2. 請求項1に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向外側に後退して形成した態様に対し、前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向外側に延出して形成されている、又は前記ティースの外側端部より前記ベース部の外周縁部が径方向内側に後退して形成した態様に対し、前記ティースの内側端部より前記ベース部の内周縁部が径方向内側に延出して形成されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  3. 請求項2に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退長さよりも、前記ベース部の外周縁部又は内周縁部の延出長さが同等以上に設定されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記ベース部の内周縁部又は外周縁部の後退部分に、前記コイルを構成するコイル素線の一部が配置されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  5. 請求項4に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記コイルは、三相コイルにて構成されて各相毎に更に複数のコイル部を有し、隣接のコイル部同士が渡り線にて接続されるものであり、前記渡り線の一部が、前記コイル部よりも軸方向一方側に突出するようにして構成されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  6. 円環板状をなすベース部の一面において軸方向に突出形成された複数のティースが周方向に並んで配置されてなるステータコアと、該ステータコアの個々のティースの外周面に沿うように集中巻きにて巻回された複数のコイルとを備えるブラシレスモータのステータであって、
    前記ステータコアの内周部及び外周部の少なくとも一方には、径方向に窪む切り欠き部が設けられていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  7. 請求項6に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記切り欠き部は、周方向に複数並設されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  8. 請求項6又は7に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記切り欠き部には、前記コイルを構成するコイル素線の巻き始め端及び巻き終わり端の少なくとも一方が挿通されていることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載のブラシレスモータのステータにおいて、
    前記コイルを構成するコイル素線は、平角線であることを特徴とするブラシレスモータのステータ。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のステータと、周方向に複数の磁石磁極を有するロータとが軸方向に対向配置されて構成されていることを特徴とするブラシレスモータ。
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