JP2017158148A - 撮像モジュール、撮像装置 - Google Patents
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Abstract
Description
前述のように撮像レンズは、複数枚のレンズにより構成されるため、大型であり、ライトフィールドカメラの小型化、薄型化が困難であった。また、隔壁シートを配置する場合には、隔壁とマイクロレンズアレイとの位置合わせが困難であるという問題があった。
請求項1の発明は、入射する光を電気信号に変換する複数の画素(162)が2次元配列された平板状の撮像素子部(16,36)と、光軸方向において、前記撮像素子部よりも光の入射側に設けられ、少なくとも1枚のレンズシートを備えるレンズ部(13,23,43)と、前記撮像素子部に電気的に接続され、回路パターンが設けられた基板部(18,364)と、を備える撮像モジュールであって、前記レンズシートは、シート面に沿って少なくとも一方向に配列され、一方の面側に単位レンズ形状(142,152,242)を有する光透過部(14,15,24)と、隣り合う前記光透過部間に設けられ、前記レンズシートの厚み方向に沿って延びる光吸収部(143,153,243)と、を有し、前記基板部は、前記撮像素子部の周囲の少なくとも一部に設けられ、光軸方向において、前記撮像素子部の光の入射側の面(16s,36s)は、前記基板部の光の入射側の面(18s,36s)よりも光の入射側、もしくは、同じ位置に位置すること、を特徴とする撮像モジュール(10,20,30,40)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、前記レンズ部(13,23,43)の撮像素子部側の面と前記撮像素子部(16,36)の光の入射側の面(16s,36s)とは、光透過性を有する接合層(17,47)を介して接合されていること、を特徴とする撮像モジュール(10,20,30,40)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュールにおいて、光軸方向から見て、前記レンズ部(43)は、前記撮像素子部(36)の光の入射側の面を被覆していること、を特徴とする撮像モジュール(40)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3に記載の撮像モジュールにおいて、光軸方向から見て、前記レンズ部(43)は、前記撮像素子部(36)及び前記基板部(364)の光の入射側の面を被覆していること、を特徴とする撮像モジュールである。
請求項5の発明は、請求項1から請求項4に記載の撮像モジュールにおいて、前記撮像素子部(36)と前記基板部(364)とは、同一部材に形成されていること、を特徴とする撮像モジュール(30,40)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5に記載の撮像モジュールにおいて、前記レンズ部(13,43)よりも光の入射側に、光透過性を有する保護シート(11,41)を有し、前記保護シートの撮像素子部側の面と前記レンズ部の光の入射側の面とは、光透過性を有する樹脂層(12,42)により接合されていること、を特徴とする撮像モジュール(10,30,40)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記レンズ部(13,43)は、第1のレンズシート(14)と、前記第1のレンズシートよりも撮像素子部側に配置される第2のレンズシート(14)を有し、前記第1のレンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の第1単位レンズ形状(142)を有する第1光透過部(141)と、前記第1光透過部と交互に配列され、前記第1光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第1のレンズシートの厚み方向に沿って、前記第1単位レンズ形状側から反対側である前記第1のレンズシートの裏面側へ延びる第1光吸収部(143)と、を有し、前記第2のレンズシートは、柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の第2単位レンズ形状(152)を有する第2光透過部(151)と、前記第2光透過部と交互に配列され、前記第2光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第2のレンズシートの厚み方向に沿って、前記第2単位レンズ形状側から反対側である前記第2のレンズシートの裏面側へ延びる第2光吸収部(153)と、を有し、光軸方向から見て、前記第1光透過部の配列方向と、前記第2光透過部の配列方向とは、角度αをなして交差し、前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、を特徴とする撮像モジュール(10,30,40)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記レンズ部(23)は、少なくとも1枚のレンズシートを有し、前記レンズシートは、シート面に沿って複数の方向に配列され、光の入射側の面に凸状の単位レンズ形状(242)を有する光透過部(241)と、互いに隣り合う前記光透過部間に、各前記光透過部を囲むようにして設けられ、前記レンズシートの厚み方向に沿って、前記単位レンズ形状側の面から反対側である前記レンズシートの裏面側に延びる光吸収部と、を備えること、を特徴とする撮像モジュール(20)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、前記光吸収部(143,153,243)の屈折率は、前記光透過部(141,151,241)の屈折率以上であること、を特徴とする撮像モジュール(10,20,30,40)である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の撮像モジュール(10,20,30,40)を備える撮像装置(1)である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の撮像装置において、筐体(100)と、前記筐体に設けられ、前記撮像モジュール(10,20,30,40)に光を取り込む開口部(101)と、を有し、前記撮像モジュールは、前記レンズ部(13,23)よりも光軸方向において光の入射側に光透過性を有する保護シート(11)を備え、前記保護シートは、前記開口部に配置されること、を特徴とする撮像装置(1)である。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、第1実施形態のカメラ1を説明する図である。
図2は、第1実施形態の撮像モジュール10を説明する図である。
図1を含め、以下に示す各図において、理解を容易にするために、XYZ直交座標系を適宜設けて示している。この座標系では、撮影者が、撮像装置を基本的な姿勢で支持し、光軸Oを水平として画像を撮影するとき、水平方向(左右方向)をX方向、鉛直方向(上下方向)をY方向とし、光軸Oの軸方向をZ方向とし、撮影者側から見て左側(被写体側から見て右側)に向かう方向を+X方向、鉛直方向上側に向かう方向を+Y方向、光軸O方向をZ方向とし、被写体側に向かう方向を+Z方向とする。
このカメラ1は、スマートフォン等の携帯電話やタブレット端末等の携帯端末に用いられる撮像装置であり、この筐体100は、携帯端末本体の筐体に相当する。カメラ1は、筐体100内に、さらに不図示の制御部、記憶部等を備えている。
開口部101は、被写体側からの光を、カメラ1内の撮像モジュール10へ取り込む部分である。
この開口部101には、開口部101を塞ぐように後述する撮像モジュール10の保護シート11が配置されている。
光軸Oは、レンズ部13及び後述するイメージセンサ16の受光領域161の中心を通り、Z方向(光軸O方向)から見て、レンズ部13及びイメージセンサ16の受光領域161の幾何学的中心に直交している。
保護シート11は、透光性を有するシート状の本体層111と、その撮像素子側(−Z側)の面に、所定の波長域の赤外線を遮蔽する機能を有する赤外線遮蔽層112を備えている。本体層111は、ガラス製としてもよいし、樹脂製としてもよい。
赤外線遮蔽層112は、赤外線、特に、波長が700〜1100nmの領域である近赤外線を遮蔽し、その以外の波長域の光を透過する機能を有している。赤外線遮蔽層112は、所定の波長域(700〜1100nm)の赤外線を吸収することにより遮蔽する層としてもよいし、所定の波長域の赤外線を反射することにより遮蔽する層としてもよい。
また、赤外線遮蔽層112が、所定の波長域の赤外線を反射することにより遮蔽する層である場合、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、ITO、ATO等のスパッタリング膜、蒸着膜等(高屈折率層と低屈折率層の多層誘電膜等)により形成される。
撮像モジュール10がこのような赤外線遮蔽層112を備えることにより、ノイズを発生させ、画質の劣化を招く赤外線(特に、近赤外線)を遮蔽することができ、画質の向上を図ることができる。
接合層12の屈折率は、レンズ部13の第1レンズシート14の光透過部141の屈折率と等しい、もしくは、屈折率差が可能なかぎり小さいことが好ましい。また、接合層12の屈折率は、保護層11の屈折率と等しい、もしくは、屈折率差が可能な限り小さいことが好ましい。
このような接合層12として、例えば、エポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
接合層12の厚さは、撮像モジュール10の薄型化の観点から、可能な限り薄い方が好ましく、5〜30μmとすることが好ましい。
図4は、第1実施形態のレンズ部13の第1レンズシート14及び第2レンズシート15を説明する図である。図4(a)では、第1レンズシート14の光透過部141の配列方向及び第1レンズシート14の厚み方向に平行な断面の一部を拡大して示し、図4(b)では、図4(a)に示す断面をさらに拡大して示している。図4では、第1レンズシート14の符号を示し、括弧内に対応する第2レンズシート15の符号を示している。
レンズ部13は、光軸O方向(Z方向)に沿って被写体側(+Z側)から順に、第1レンズシート14、第2レンズシート15を備えている。
本実施形態の第1レンズシート14では、光透過部141は、その配列方向R1が上下方向(Y方向)に平行であり、その長手方向(稜線方向)が左右方向(X方向)に平行となっている。
光透過部141は、光を透過する部分であり、イメージセンサ側(−Z側)に、凸形状の単位レンズ形状142を有している。第1レンズシート14のイメージセンサ側の面は、単位レンズ形状142が複数配列されたレンズ形状面14aとなっている。また、第1レンズシート14の被写体側(+Z側)の面(レンズ形状面14aとは反対側の面)である裏面14bは、略平面状となっている。
単位レンズ形状142の表面には、反射防止機能を有する不図示の反射防止層が形成されている。この反射防止層は、反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により形成される。
光透過部141の裏面14b側(+Z側)には、光透過部141がシート面に平行な方向に連続しているランド部144が形成されている。ランド部144は、その厚みが可能な限り薄い方が好ましく、ランド部144の厚さが0であること(即ち、ランド部144が存在しない形態)が、迷光や後述のクロストーク等を抑制し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。
このような光透過部141は、例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂を用いて、紫外線成形法等により形成されている。
なお、これに限らず、光透過部141は、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。また、光透過部141は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いて熱溶融押出成形法等により形成されてもよいし、ガラスにより形成されてもよい。
光吸収部143は、その配列方向及び第1レンズシート14の厚み方向に平行な断面における断面形状が楔形形状、もしくは、矩形形状である。ここでいう楔形形状とは、一方の端部の幅が広く、他方に向けて次第に幅が狭くなる形状をいい、三角形形状や台形形状等を含む。
光吸収部143は、光透過部141内を進む光のうち、隣接する他の光透過部141側へ向かうような迷光を吸収する機能を有する。
このような光吸収部143は、カーボンブラック等の光吸収性を有する材料(以下、光吸収材という)や、光吸収材を含有した樹脂等により形成される。
光吸収部143に用いられる光吸収材は、可視光領域の光を吸収する機能を有する粒子状等の部材が好適である。このような部材としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、顔料や染料、顔料や染料で着色された樹脂粒子等が挙げられる。
また、光吸収材としては、カーボンブラック等と上記のような着色された樹脂粒子とを組み合わせて用いてもよい。
このような光吸収材を含有する樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等の紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
本実施形態の光吸収部143は、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。
また、光吸収部143を形成する材料は、光透過部141間の溝状の部分に、例えば、真空充填により充填してもよいし、毛細管現象を利用して充填してもよい。
光透過部141(単位レンズ形状142)の配列ピッチPは、約20〜230μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状142の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状142のレンズ開口幅D1(光透過部141の配列方向において、光吸収部143の最もレンズ形状面14a側の端部と光透過部141との境界となる点t1〜点t2間の寸法)は、約20〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状142のレンズ高さH1(第1レンズシート14の厚み方向(Z方向)において、光吸収部143のレンズ形状面14a側の面から単位レンズ形状142の最も凸となる点(頂点)t3までの寸法)は、約2〜40μmとすることが好ましい。
光吸収部143の幅D2(光透過部141の配列方向における、光吸収部143の最もレンズ形状面14a側端部の寸法)は、約1〜30μmとすることが好ましい。
光吸収部143の高さH2(第1レンズシート14の厚み方向(Z方向)における光吸収部143の寸法)は、約20〜470μmとすることが好ましい。
光吸収部143と光透過部141との界面がシート面の法線方向(Z方向)となす角度θは、0〜10°程度とすることが好ましい。
第1レンズシート14は、上記寸法範囲で形成されることによって、その焦点距離が約24〜300μm(空気中の換算値)となる。
第2レンズシート15は、前述の第1レンズシート14と略同様の形状であり、単位レンズ形状152を有する光透過部151、光吸収部153等を有している。
しかし、第2レンズシート15では、凸状の単位レンズ形状152が形成されるレンズ形状面15aの位置、及び、光透過部151及び光吸収部153の配列方向R2は、前述の第1レンズシート14とは異なる。即ち、第2レンズシート15では、レンズ形状面15aは、被写体側(+Z側)に位置し、裏面15bは、イメージセンサ側(−Z側)に位置している。
第2レンズシート15は、第1レンズシート14と同様の材料を用いて形成される。
本実施形態の第1レンズシート14と第2レンズシート15とは、単位レンズ形状142,152がその頂点(点t3)で互いに接した状態で積層されて配置されており、第1レンズシート14の単位レンズ形状142と第2レンズシート15の単位レンズ形状152との間の点t3以外の他の隙間部分には、空気が位置する形態となっている。
なお、これに限らず、光軸O方向(Z方向)において、単位レンズ形状142の頂点t3と単位レンズ形状152の頂点t3との間にわずかに空間が有り、接していない形態としてもよい。
さらに、本実施形態では、第1レンズシート14が接合層12により保護シート11に接合され、第2レンズシート15が接合層17によりイメージセンサ16に接合されているので、各レンズシートを保持する支持部材等が不要となり、部材数の低減や撮像モジュール10の組み立て作業の容易化を図ることができる。
また、イメージセンサ16の駆動時の発熱によるレンズ部13の反り等の変形を抑制する観点から、この接合層17は、耐熱性を有することが好ましい。
このような接合層17としては、エポキシ樹脂製、ウレタン樹脂製等の粘着剤、接着剤が好適である。
また、接合層17は、その屈折率が光透過部151の屈折率N1よりも小さいものも適用可能であり、この場合、例えば、シリコーン系粘着剤等が適用可能である。
イメージセンサ16は、受光領域161に複数の画素162(後述する図5(a)参照)が2次元方向に配列されており、各画素162は、その画素162に入射した光の強度を検出可能である。本実施形態では、イメージセンサ16の画素162は、受光領域161において、左右方向及び上下方向(X方向及びY方向)に複数配列されているものとする。
イメージセンサ16は、非受光領域163の被写体側(+Z側)に端子164を有しており、後述の基板18と電気的に接続されている。
このイメージセンサの厚みは、約0.1〜0.2mmである。
基板18は、開口部18a内にイメージセンサ16が位置している。即ち、開口部18aの面がイメージセンサ16の側面に対面しており、イメージセンサ16を取り巻くようにイメージセンサの外側に設けられている。
また、基板18の被写体側の面18sは、光軸O方向において、イメージセンサ16の被写体側の面16sと同じ位置に位置し、基板18の被写体側の面18sとイメージセンサ16の被写体側の面16sとは、同一平面上に位置している。
したがって、撮像モジュール10を光軸O方向(Z方向)から見た場合に、基板18の開口部18a内にイメージセンサ16及びレンズ部13が位置している。
なお、これに限らず、光軸O方向(Z方向)において、基板18の被写体側(+Z側)の面18sは、イメージセンサ16の被写体側の面16sよりも−Z側(筐体100内部側)に位置していてもよい。
この基板18は、被写体側の面に端子181,182を有している。端子181は、イメージセンサ16の非受光領域163に設けられた端子164と電気的に接続されている。また、端子182は、後述するリードフレーム19の端子191と電気的に接続されている。
なお、必要に応じて、基板18には、不図示のキャパシタ等を配置してもよい。
本実施形態のリードフレーム19の厚さは、約0.2mmである。したがって、基板18の被写体側に配置した場合にも、基板18の被写体側の面18s(イメージセンサ16の被写体側の面16s)と開口部101までの空間に十分収納可能である。
リードフレーム19は、イメージセンサ(−Z側)の面に端子191を有しており、前述のように、基板18の端子182と電気的に接続されている。
従って、レンズ部13は、光学的には、マイクロレンズが2次元方向(X方向及びY方向)に配置され、各マイクロレンズ間に遮光壁が形成された状態に略等しい。
そして、第1レンズシート14の単位レンズ形状142により、その配列方向であるY方向(上下方向)において集光され、また、第2レンズシート15の単位レンズ形状152により、その配列方向であるX方向(左右方向)において集光される。また、光透過部141,151内を光軸O方向に対して大きな角度をなす方向へ進む光の少なくとも一部は、光吸収部143,153に入射して吸収される。そして、レンズ部13を透過した光は、イメージセンサ16の受光領域161で結像する。
そして、イメージセンサ16の受光領域161上には、この疑似的なマイクロレンズにより結像された像が、それぞれ重なることなく形成される(後述の図5(a)参照)。
撮影時に撮像モジュール10により得られた、各画素162が検出した入射光の強度及び入射方向の情報は、カメラ1の記憶部に記憶される。そして、制御部により各種演算等が行われることにより、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更した(リフォーカス処理を行った)画像データとして生成可能である。
一般的に、ライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイの1つのマイクロレンズに対して、イメージセンサ16の所定の領域内に位置する複数個の画素162が対応している。そして、それぞれのマイクロレンズによる像が、対応する領域内に投影されることが重要である。
このとき、例えば、図5(b)に示すように、各マイクロレンズの像が隣の領域等に投影され、像が重なると、被写体面上で異なる位置と角度を有する光が同一の画素162に入射するクロストークという現象が生じ、光の入射方向や強度を分解できなくなる。
これを解消するために、従来のライトフィールドカメラでは、マイクロレンズアレイよりも被写体側に設けられた撮像レンズの絞りを利用したり、マイクロレンズアレイの各単位レンズに対応した隔壁を有する隔壁シートをマイクロレンズアレイのイメージセンサ側等に別体で用意したりする必要があった。
以上のことから、本実施形態では、撮影後に、その焦点距離や被写界深度等を変更可能であり、焦点距離や被写界深度を変更可能な撮像モジュール10及びカメラ1とすることができる。
また、本実施形態によれば、レンズ部13は、イメージセンサ側の面(本実施形態では、第2レンズシート15の裏面15b)がイメージセンサ16に接合され、被写体側の面(本実施形態では、第1レンズシート14の裏面14b)が保護シート11に接合されており、前述の特許文献1に用いられるような撮像レンズを保持するレンズホルダー(ハウジング)や等各レンズシートを保持する保持部材が不要となり、撮像モジュール10及びカメラ1の大幅な薄型化、軽量化を図ることができ、また、位置決め等が容易に行え、組み立て作業が容易に行える。さらに、レンズ部13は、第1レンズシート14及び第2レンズシート15が単位レンズ形状142,152の頂点で接するように(もしくは近接して)配置されているので、保護シート11からイメージセンサ16までの光軸方向における距離を小さくできる。
さらに、撮像モジュール10の薄型化により、カメラ1が搭載される携帯端末本体等の薄型化を妨げることがなく、カメラ1の意匠性の向上にも寄与できる。
また、本実施形態によれば、接合層12及び接合層17は、その屈折率が光透過部141,151の屈折率N1と等しい、もしくは、可能な限り屈折率差が小さいので、光が保護シート11を透過して出射する際や、空気層からレンズ部13(第1レンズシート14)に入射する際の反射による光量の損失や、第2レンズシート15から出射する際の空気層との界面での反射による光量の損失を低減でき、明るい画像を得ることができる。
しかも、本実施形態の撮像モジュール10及びカメラ1は、パンフォーカスでの撮影画像も形成可能であり、様々な焦点距離及び被写界深度での撮影画像が形成可能となり、カメラ機能の向上を図ることができる。
従って、マイクロレンズアレイと隔壁シートとの位置合わせ精度ずれによる歩留りの低下を抑制できる。また、位置合わせが不要となるので、ハンドリングが容易となり、撮像モジュール10及びカメラ1の製造が容易に行え、生産コスト低減できる。
また、本実施形態によれば、従来のライトフィールドカメラで必要であった、撮像レンズや、マイクロレンズアレイとは別体の光線分割用の隔壁シート等が不要となり、小型化が困難であったライトフィールドカメラの薄型化及び軽量化、生産コストの低減等を図ることができる。
以下、第1実施形態の他の形態の一例を説明する。
<レンズ形状面14a,15aの向き>
図6は、レンズ部13の第1レンズシート14のレンズ形状面14a及び第2レンズシート15のレンズ形状面15aの向きの例を説明する図である。
なお、図6において、第1レンズシート14及び第2レンズシート15は、理解を容易にするために、Z方向(光軸O方向)において離間している形態を示しているが、実際には、一体に積層されている、もしくは、近接して配置されているものとする。
図6に示すように、レンズ部13の第1レンズシート14及び第2レンズシート15は、そのレンズ形状面14a,15aが被写体側(+Z側)であるか、イメージセンサ側(−Z側)であるかは、適宜選択できる。
また、図6(b)に示すように、第1レンズシート14のレンズ形状面14a及び第2レンズシート15のレンズ形状面15aは、いずれもイメージセンサ側(−Z側)となるように配置されていてもよい。
さらに、図6(c)に示すように、第1レンズシート14のレンズ形状面14aは、被写体側(+Z側)であり、第2レンズシート15のレンズ形状面15aは、イメージセンサ側(−Z側)となるように配置されていてもよい。
また、図6(b),(c)に示すように、第2レンズシート15のレンズ形状面15aがイメージセンサ16側に位置する場合、接合層17の屈折率は、光透過部151の屈折率よりも小さいことが好ましい。
また、図6(c)に示す形態の場合、光学密着を抑制する観点から、第1レンズシート14と第2レンズシート15との間に、不図示の接合層を全面に設けて、第1レンズシート14と第2レンズシート15とを一体に接合してもよい。この場合、第1レンズシート14と第2レンズシート15とを接合する接合層は、その接合層と各裏面14b,15bとの界面での光の反射を防ぐ観点から、その屈折率が、光透過部141,151の屈折率N1と等しい、もしくは、屈折率差が可能な限り小さいものが好ましい。
レンズ部13は、第1レンズシート14の光透過部141(単位レンズ形状142)が左右方向(X方向)に配列され、第2レンズシート15の光透過部151(単位レンズ形状152)が上下方向(Y方向)に配列される形態としてもよい。
また、第1レンズシート14の光透過部141(単位レンズ形状142)の配列方向R1と、第2レンズシート15の光透過部151(単位レンズ形状152)の配列方向R2とがなす角度αは、90°±10°の範囲、即ち、80°〜100°の範囲内であれば、レンズ部として所望される光学的機能は維持される。従って、角度αは、90°に限定されず、80°〜100°の範囲内としてもよい。
図7は、レンズ部13の各光透過部141,151の配列方向R1,R2とイメージセンサ16の画素162の配列方向G1,G2との関係を示す図である。
第1実施形態では、図7(a)に示すように、イメージセンサ16の画素162が光軸O方向(Z方向)に対して直交する2方向G1,G2(第1実施形態ではY方向及びX方向)に配列され、第1レンズシート14の光透過部141の配列方向R1は、画素162の配列方向の1つの方向G1(Y方向)に平行であり、第2レンズシート15の光透過部151の配列方向R2は、画素162の配列方向のもう1つの方向G2(X方向)に平行である例を示した。
このとき、光軸O方向(Z方向)から見て、第1レンズシート14の光透過部141の配列方向R1と画素162の配列方向の1つの方向G1となす角度β、第2レンズシート15の光透過部151の配列方向R2が画素162の配列方向のもう1つの方向G2となす角度γは、いずれも0°である。
このような形態とすることにより、イメージセンサ16の画素162とレンズ部13の各光透過部141,151との位置合わせが容易となり、製造作業の簡略化や作業時間の短縮、歩留りの向上等を図ることができる。
なお、図7(b)では、画素162の配列方向G1,G2は、それぞれY方向及びX方向に平行である例を示しているが、これに限らず、光透過部141,151の配列方向R1,R2がY方向及びX方向に平行であり、画素162の配列方向G1,G2とそれぞれ角度β,γをなす形態としてもよいし、画素162の配列方向G1,G2及び光透過部141,151の配列方向R1,R2が、それぞれ角度β,γをなし、かつ、いずれもY方向及びX方向に平行でない形態としてもよい。
図8は、第2実施形態の撮像モジュール20を説明する図である。
第2実施形態の撮像モジュール20は、レンズ部23が異なる以外は、前述の第1実施形態の撮像モジュール10と同様の形態である。従って、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の撮像モジュール20は、保護シート11、レンズ部23、イメージセンサ16、接合層17、基板18、リードフレーム19等を備えている。
図9は、第2実施形態のレンズ部23を被写体側(+Z側)見た正面図である。図10(a)は、図9に示す矢印A1−A2でのレンズ部23の断面(YZ断面)の一部を拡大した拡大図であり、図10(b)は、図9に示す矢印B1−B2でのレンズ部23の断面(XZ断面)の一部を拡大した拡大図である。
本実施形態のレンズ部23は、1枚のレンズシート24により形成されている。
レンズシート24は、光軸O方向(Z方向)において、イメージセンサ側の面がイメージセンサ16の受光領域161上に接合層17を介して固定され、被写体側の面が接合層12により保護シート11に接合されている。
レンズシート24は、図9及び図10に示すように、シート面に沿ってX方向及びY方向に等間隔に配列される複数の光透過部241と、互いに隣り合う光透過部241間に、各光透過部241を囲むようにして設けられる光吸収部243とを備えている、いわゆるマイクロレンズアレイシートである。
光透過部241の裏面24b側(−Z側)には、シート面に平行な方向に連続しているランド部244が形成されている。
このランド部244は、その厚みが可能な限り薄い方が好ましく、ランド部244の厚さが0であること(即ち、ランド部244が存在しない形態)が、迷光等を防止し、高画質の画像を提供する観点から理想的である。
光透過部241の屈折率N1は、1.38〜1.60程度である。
光透過部241は、前述の第1実施形態に示した第1レンズシート14及び第2レンズシート15の光透過部141,151と同様の材料により形成可能である。
光吸収部243は、図9及び図10に示すように、レンズシート24の厚み方向(Z方向)に平行な断面における断面形状が楔形形状、もしくは、矩形形状に形成されている。
光吸収部243は、光透過部241内を進む光のうち、隣接する他の光透過部241側へ向かうような迷光を吸収する機能を有する。
光吸収部243は、前述の第1実施形態の第1レンズシート14及び第2レンズシート15の光吸収部143,153と同様の材料により形成可能であり、本実施形態の光吸収部243は、カーボンブラックを含有するアクリル系樹脂により形成されている。
光透過部241(単位レンズ形状242)の配列ピッチPは、約20〜230μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状242の曲率半径Rは、約10〜180μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状242のレンズ開口径D1(シート面の法線方向(Z方向)から見た場合の単位レンズ形状242の直径)は、約20〜200μmとすることが好ましい。
単位レンズ形状242のレンズ高さH1(レンズシート24の厚み方向(Z方向)において、光吸収部243のレンズ形状面24a側の面から単位レンズ形状242の最も凸となる頂点t3までの寸法)は、約2〜40μmとすることが好ましい。
レンズシート24の総厚T(レンズシート24の厚み方向(Z方向)における単位レンズの頂点t3から裏面24bまでの寸法)は、約30〜480μmとすることが好ましい。
光吸収部243の高さH2(レンズシート24の厚み方向(Z方向)における光吸収部243の寸法)は、約20〜470μmとすることが好ましい。
光吸収部243と光透過部241との界面がシート面の法線方向となす角度θは、0°≦θ≦10°とすることが好ましい。本実施形態のように、レンズシート24をイメージセンサ16に貼り付けた場合、光吸収部243の影となる部分減らしてイメージセンサ16の有効画素数を多く保つためには、光吸収部243の幅D2を小さくするのが好ましく、なおかつ、光吸収部243の高さH2を高く設定する場合、光吸収部243の上端と下端の幅の差を極力小さくした方がよいということがあるので、上述の範囲が好ましい。
レンズシート24は、上記寸法範囲で形成されることによって、その焦点距離が約24〜300μm(空気中の換算値)となる。
さらに、本実施形態によれば、上記効果に加えて、レンズ部23として用いる部材は1枚のレンズシート24であるので、撮像モジュール20及びカメラ1のさらなる生産コストの低減や薄型化、軽量化を実現できる。
上述の第2実施形態において、単位レンズ形状242(光透過部241)は、Y方向及びX方向に複数が配列される例、即ち、正方格子状に配置される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、単位レンズ形状242(光透過部241)は、光軸O方向(Z方向)から見て、六方格子状や、長方格子状等に配置されるようにしてもよい。
単位レンズ形状242(光透過部241)は、図11(a)に示すように、レンズシート24のシート面の法線方向(Z方向,光軸O方向)から見た形状が矩形状(正方形状)に形成されるようにしてもよい。この場合、単位レンズ形状242は、被写体側(+Z側)に膨らんだ略四角錐形状に形成される。具体的には、単位レンズ形状242は、図11(b)及び図11(c)に示すように、四角錐形状の角部(頂部や稜線)が面取りされ、曲面状に形成された形態となる。
また、単位レンズ形状242(光透過部241)は、レンズシート24のシート面の法線方向(Z方向)から見た形状が多角形状となる略多角錐形状に形成され、その略多角錐形状がシート面の被写体側(+Z側)に膨らみ、角部(頂部や稜線)が面取りされた形態となるようにしてもよい。
このとき、単位レンズ形状242の集光作用を発揮する観点から、接合層17は、その屈折率が光透過部241の屈折率よりも小さいものとすることが好ましい。
また、このとき、前述の第1実施形態に示した接合層12によって、保護シート11とレンズ部23(レンズシート24)が接合された形態としてもよい。このような形態とすることにより、保護シート11を透過した光がレンズ部23(レンズシート24の光透過部241)へ入射するまでの各部材と空気層との界面等での反射による光量損失を低減できる。
また、このとき、レンズ部23(レンズシート24)が接合層12及び接合層17によって、保護シート11及びイメージセンサ16に接合された形態としてもよい。このような形態とすることにより、前述のような反射による光量損失の低減に加え、レンズ部23の位置ずれをより強力に抑制できる。
図12は、第3実施形態の撮像モジュール30を説明する図である。
第3実施形態の撮像モジュール30は、基板に形成されている端子及び回路と、イメージセンサに形成されている受光領域とが同一部材(同一ウエハ)上に形成されている点以外は、前述の第1実施形態の撮像モジュール10と同様の形態である。従って、第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の撮像モジュール30は、保護シート11、接合層12、レンズ部13、接合層17、イメージセンサ36、リードフレーム19を有している。
本実施形態のイメージセンサ36は、受光領域361と、その外側に位置する非受光領域363とを有している。非受光領域363には、電気信号を伝達する不図示の回路パターンと、リードフレームの端子191と電気的に接続される端子365とを備える回路部364が形成されている。この回路部364は、前述の第1実施形態の基板18に相当する。即ち、本実施形態の撮像モジュール30は、前述の第1実施形態の撮像モジュール10等では別部材であった基板とイメージセンサとが、一体となり、同一の部材(同一のウエハ)に形成されている。
なお、非受光領域363は、形成される回路部364の容量等に応じて、適宜広げてよい。また、レンズ部13は、第2実施形態のレンズ部23としてもよい。
本実施形態によれば、前述の第1実施形態の効果に加えて、部材数の削減や、組み立て作業の簡略化や生産効率の向上、生産コストの低減等の効果が得られる。
図13は、第4実施形態の撮像モジュール40を説明する図である。
第4実施形態の撮像モジュール40は、レンズ部43及び保護シート41の大きさが前述の第1実施形態とは異なり、かつ、イメージセンサ36が前述の第3実施形態と同様である点以外は、前述の第1実施形態の撮像モジュール10と同様の形態である。従って、第1実施形態及び第3実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の撮像モジュール40は、保護シート41、接合層42、レンズ部43、接合層47、イメージセンサ36、リードフレーム19を有している。
また、本実施形態のリードフレーム19は、イメージセンサ36の外側に位置し、後述の回路部364の端子365に電気的に接続されている。本実施形態では、接合層47は、絶縁性が高いことが好ましい。
なお、撮像モジュール40は、光軸O方向から見て、レンズ部43及び保護シート41がイメージセンサ36の被写体側の面36sを被覆し、かつ、イメージセンサ36の被写体側の面36sよりも大きい形態としてもよい。
このような形態とした場合にも、イメージセンサ16の被写体側の面16sや、基板18の被写体側の面18sを保護することができ、開口部101から侵入する異物がイメージセンサ16の被写体側の面16sや基板18の被写体側の面18sの破損を防止できるという効果が得られる。
例えば、レンズ部43がイメージセンサ36の被写体側の面36s等を被覆するが、保護シート41はレンズ部43よりも小さく、受光領域361を被覆する程度である形態としてもよし、保護シート41がイメージセンサ36の被写体側の面36s等を被覆するが、レンズ部43は保護シート41よりも小さく、受光領域361を被覆する程度である形態等としてもよい。
上記説明では、レンズ部43は、第1レンズシート14、第2レンズシート15を備える例を示したが、これに限らず、第2実施形態のようなレンズシート24を備える形態としてもよい。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態において、保護シート11のイメージセンサ側に設けられた赤外線遮蔽層112は、保護シート11とは別体のシート状等の部材であって、不図示の接合層等により保護シート11に接合された形態としてもよい。また、保護シート11が、所定の領域(700〜1100nm)の波長域の赤外線を遮蔽する機能を有していてもよい。
また、レンズ部13,23とイメージセンサ16との間に、赤外線を遮蔽する赤外線遮蔽層が設けられる形態としてもよく、赤外線遮蔽層は、光軸O方向(Z方向)において、イメージセンサ16よりも被写体側(+Z側)であれば、特にその位置を限定されない。
また、第1実施形態等において、接合層12の厚みが十分に確保できるのであれば、接合層12が赤外線吸収材等を含有する等して、赤外線遮蔽層としての機能を有する形態としてもよい。
撮像モジュール10が接合層12を備えない場合には、レンズ部13の被写体側の面(前述の第1実施形態では第1レンズシート14の裏面14b)に、反射防止機能を有する不図示の反射防止層を形成することにより、レンズ部13への光の入射時の反射を抑制し、レンズ部13への入射光量の増加を図ることができる。
なお、第3,第4実施形態においても、回路部364は、受光領域361の周囲を取り囲むように設けなくともよく、例えば、回路部364は、受光領域361の少なくとも1辺に隣接して設けられる形態としてもよい。
図14は、変形形態の第1レンズシート14を説明する図である。
この場合、第1レンズシート14では、ランド部144がレンズ形状面14a側に位置し、単位レンズ形状142は連続して配列され、裏面14bに光吸収部143の裏面側端部が位置している。
なお、図14及び上記説明では、第1レンズシート14に例に挙げて説明したが、第2レンズシート15やレンズシート24についても同様に、光吸収部153,243を裏面15b,24b側からレンズ形状面15a,24a側へ延びる形態としてもよい。
図15は、変形形態のレンズ部13を説明する図である。
図15に示すように、単位レンズ形状142,152は、その配列方向及び厚み方向に平行な断面形状が凹形状であり、円の一部形状等である形態としてもよい。このような形態とする場合には、図15に示すように、光吸収部143は裏面14b側からレンズ形状面14a側へ厚み方向(Z方向)に沿って延びる形態とすることが好ましい。また、第1レンズシート14と第2レンズシート15との間に、光透過部141,151よりも屈折率が高い樹脂層53が充填され、この樹脂層53により第1レンズシート14と第2レンズシート15が接合される形態とすることが好ましい。
また、第2実施形態において、単位レンズ形状242の配列ピッチPやレンズ開口径D1、曲率半径R等は、レンズシート24の垂直方向(Y方向)と左右方向(X方向)とにおいて同様である例を示したが、これに限定されるものでなく、垂直方向と左右方向で各寸法が相違するようにしてもよい。
このとき、光学密着やイメージセンサ16,36の受光領域161,361の傷付き等を防止する観点から、レンズ部13,23,43とイメージセンサ16,36との間に不図示のスペーサを配置する等してもよい。
また、光軸O方向において、レンズ部13,23,43とイメージセンサ16,36との間に空間が存在する形態としてもよい。
図16は、変形形態の第1レンズシート14を説明する図である。
基材層145は、光透過性を有する樹脂製のシート状の部材であり、光透過部141を紫外線成形等で形成する際に、基材(ベース)となる部材である。
また、基材層145が剥離性を有していない場合には、基材層145に相当する部分を削る等により、光吸収部143の裏面側端部から裏面14bまでの厚みを薄くしてもよい。
なお、このような基材層145を有する場合には、光吸収部143の裏面側先端から裏面14bまでの寸法D4(基材層145及びランド部144を含む)は、約1〜50μmとすることが、迷光やクロストーク等を抑制する観点から好ましい。
このような基材層145を備える形態とすることにより、第1レンズシート14のハンドリングが容易になる。
図17は、変形形態のレンズ部13のレンズシート65を説明する図である。
レンズシート65は、基材層651の両面に、単位レンズ形状142,152を有する光透過部141,151及び光吸収部143,153が形成されている。このレンズシート65は、第1レンズシート14と第2レンズシート15とが、基材層651の両面にそれぞれ一体に形成された形態に等しい。
この基材層651は、樹脂製のシート状の部材であり、光透過性を有している。このような基材層651としては、PET樹脂やトリアセチルセルロース(TAC)製のシート状の部材等が挙げられる。また、基材層651の厚さは、可能な範囲で薄いことが、迷光を抑制し、クロストークを低減して、各画素に入射する光の強度や光の入射方向の精度を向上させる観点から好ましい。
また、基材層651の屈折率は、光透過部141,151の屈折率N1に等しい、もしくは、可能な限り屈折率差が小さいことが好ましい。
なお、この形態のレンズ部13を、接合層12や接合層17により保護シート11,イメージセンサ16に接合する形態とする場合には、接合層12及び接合層17の屈折率は光透過部141,151の屈折率N1よりも小さいことが好ましい。
このとき、不図示の3枚目のレンズシート(以下、第3レンズシートという)は、第1レンズシート14及び第2レンズシート15と同様の形状のレンズシートであり、その光透過部の配列方向が、第1レンズシート14及び第2レンズシート15の光透過部141,151の配列方向R1,R2に対して、それぞれ45°±10°をなしているものとすることが好ましい。第3レンズシートのレンズ形状面は、被写体側(+Z側)であっても、イメージセンサ側(−Z側)であってもよい。
なお、レンズ部13内において、第3レンズシート、第4レンズシートの光軸O方向(Z方向)の位置については、特に限定しない。
この場合、撮像モジュール20は、レンズシート24のイメージセンサ側(−Z側)に配置された不図示のレンズシートが接合層17によりイメージセンサ16に接合される形態となる。この不図示のレンズシートは、単位レンズ形状が設けられるレンズ形状面を、レンズシート24側(+Z側)に向くようにして配置されてもよいし、イメージセンサ側を向くようにして配置されてもよい。また、不図示のレンズシートの単位レンズ形状の各寸法は、レンズシート24と同等としてもよいし、相違してもよい。
また、レンズ部13,23の配置や組み立てを容易にするために、アライメントマークを第1レンズシート14及び第2レンズシート15、レンズシート24に設けてもよい。
また、例えば、23.6×15.8mm、36×24mm、43.8×32.8mm等の大きな受光領域161を有するイメージセンサ16を使用することにより、ノイズの低減や取得する焦点距離や被写界深度等の情報の精度や情報量の向上を図り、画質のさらなる向上や、カメラ1の性能向上を図ってもよい。また、このような大きな受光領域を有するイメージセンサ16を備えたカメラにおいても、薄型化、軽量化等を実現することができる。
10,20,30,40 撮像モジュール
11,41 保護シート
12,42 接合層
13,23,43 レンズ部
14 第1レンズシート
15 第2レンズシート
24 レンズシート
141,151,241 光透過部
142,152,242 単位レンズ形状
143,153,243 光吸収部
16,36 イメージセンサ
161,361 受光領域
17,47 接合層
18 基板
19 リードフレーム
Claims (11)
- 入射する光を電気信号に変換する複数の画素が2次元配列された平板状の撮像素子部と、
光軸方向において、前記撮像素子部よりも光の入射側に設けられ、少なくとも1枚のレンズシートを備えるレンズ部と、
前記撮像素子部に電気的に接続され、回路パターンが設けられた基板部と、
を備える撮像モジュールであって、
前記レンズシートは、
シート面に沿って少なくとも一方向に配列され、一方の面側に単位レンズ形状を有する光透過部と、
隣り合う前記光透過部間に設けられ、前記レンズシートの厚み方向に沿って延びる光吸収部と、
を有し、
前記基板部は、前記撮像素子部の周囲の少なくとも一部に設けられ、
光軸方向において、前記撮像素子部の光の入射側の面は、前記基板部の光の入射側の面よりも光の入射側、もしくは、同じ位置に位置すること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1に記載の撮像モジュールにおいて、
前記レンズ部の撮像素子部側の面と前記撮像素子部の光の入射側の面とは、光透過性を有する接合層を介して接合されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1又は請求項2に記載の撮像モジュールにおいて、
光軸方向から見て、前記レンズ部は、前記撮像素子部の光の入射側の面を被覆していること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項3に記載の撮像モジュールにおいて、
光軸方向から見て、前記レンズ部は、前記撮像素子部及び前記基板部の光の入射側の面を被覆していること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項4に記載の撮像モジュールにおいて、
前記撮像素子部と前記基板部とは、同一部材上に形成されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項5に記載の撮像モジュールにおいて、
前記レンズ部よりも光の入射側に、光透過性を有する保護シートを有し、
前記保護シートの撮像素子部側の面と前記レンズ部の光の入射側の面とは、光透過性を有する樹脂層により接合されていること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記レンズ部は、第1のレンズシートと、前記第1のレンズシートよりも撮像素子部側に配置される第2のレンズシートを有し、
前記第1のレンズシートは、
柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の第1単位レンズ形状を有する第1光透過部と、
前記第1光透過部と交互に配列され、前記第1光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第1のレンズシートの厚み方向に沿って、前記第1単位レンズ形状側から反対側である前記第1のレンズシートの裏面側へ延びる第1光吸収部と、
を有し、
前記第2のレンズシートは、
柱状であってシート面に沿って一方向に配列され、一方の面側に凸状の第2単位レンズ形状を有する第2光透過部と、
前記第2光透過部と交互に配列され、前記第2光透過部の長手方向に延在し、かつ、前記第2のレンズシートの厚み方向に沿って、前記第2単位レンズ形状側から反対側である前記第2のレンズシートの裏面側へ延びる第2光吸収部と、
を有し、
光軸方向から見て、前記第1光透過部の配列方向と、前記第2光透過部の配列方向とは、角度αをなして交差し、
前記角度αは、80°≦α≦100°を満たすこと、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記レンズ部は、少なくとも1枚のレンズシートを有し、
前記レンズシートは、
シート面に沿って複数の方向に配列され、光の入射側の面に凸状の単位レンズ形状を有する光透過部と、
互いに隣り合う前記光透過部間に、各前記光透過部を囲むようにして設けられ、前記レンズシートの厚み方向に沿って、前記単位レンズ形状側の面から反対側である前記レンズシートの裏面側に延びる光吸収部と、
を備えること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の撮像モジュールにおいて、
前記光吸収部の屈折率は、前記光透過部の屈折率以上であること、
を特徴とする撮像モジュール。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の撮像モジュールを備える撮像装置。
- 請求項10に記載の撮像装置において、
筐体と、
前記筐体に設けられ、前記撮像モジュールに光を取り込む開口部と、
を有し、
前記撮像モジュールは、前記レンズ部よりも光軸方向において光の入射側に光透過性を有する保護シートを備え、
前記保護シートは、前記開口部に配置されること、
を特徴とする撮像装置。
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