以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
<<1.第一の実施形態>>
<1−1.背景>
現在、町のいたるところに監視カメラが設置されており、近年、監視カメラの数は増加傾向にある。また、今後、その数がますます増えることが予想される。これらの監視カメラから得られる画像を利用することにより、様々な情報を得ることができ、人々の生活をより安全・快適で豊かなものにすることができる。
例えば、監視カメラから得られる画像を利用して、犯罪行動を早期に発見したり、その予兆を発見することにより犯罪行動を未然に防いだりすることができる。また、カメラから得られる画像を利用して、災害や事故等の発見や原因究明に役立てることもできる。
また、監視カメラの設置者以外のユーザへ、当該監視カメラから得られる画像を配信することも考えられる。例えば、児童にICタグを持たせておき、監視カメラと接続されたICタグリーダで児童のタグ情報を読み取った際に、児童の保護者に監視カメラで撮影された画像を配信することで、児童の登下校の見守りに利用することも考えられる。
上記のような監視カメラの応用は、例えば、単に人がカメラの画像を確認することで実現することもできるし、また、情報処理装置が行う画像解析技術により実現することもできる。
上記のように、監視カメラから得られる画像を利用することにより様々な応用が考えられるが、現状、監視カメラから得られる画像は、防犯目的等の限定的な目的でのみ利用されることが多い。上記のような応用が行われ難い理由としては、例えば、プライバシー侵害やセキュリティ低下の問題があげられる。
例えば、監視カメラにより得られる画像が設置者以外のユーザに提供されると、当該監視カメラが人物を撮影している場合に、当該人物のプライバシーが侵害される恐れがある。例えば、当該人物がいつどこにいたのか、また、当該人物が何をしていたのか、という情報がユーザの目視により確認され得る。
また、監視カメラにより得られる画像から、警備の隙等の情報を確認できてしまう場合、当該画像が犯罪者などの悪意あるユーザに提供されてしまうと、防犯レベル(セキュリティ)が低下する恐れがある。
上記のような問題に関し、例えば、特許文献1には、認証結果情報によって送信される映像が異なることで、個人情報が登録された人物のプライバシーを保護することが可能な技術が開示されている。また、特許文献2には、見守り対象者ではない対象外オブジェクトを検出してマスキング処理を施すことで、見守り対象者ではない人物のプライバシーを保護する技術が開示されている。また、特許文献3には、画像を人物ごとの前景と背景に分けて送信し、受信装置が画像を生成することにより、配信データ量を抑えつつ、プライバシーを保護した画像配信システムが開示されている。
しかし、特許文献1に記載された技術では、個人の識別結果により配信する映像を変えることでプライバシーを保護することができるが、複数の人物がカメラに映る場合に対応することが出来ないという課題がある。例えば、あらかじめ個人情報が登録された人物と、個人情報が登録されていない人物が同時にカメラに映る場合に、映像に処理を施して送信すると、個人情報が登録されていない人物の情報が取得できず監視カメラとしての機能を果たすことができず、利便性が大きく低下する。一方、映像に処理を施さずに送信すると個人情報が登録されている人物のプライバシーを保護することが出来ない。
また、特許文献2に記載された技術では、登録された人物の位置情報を利用することにより複数の人物がカメラに映る場合に対象の人物以外のプライバシーを保護している。したがって、監視対象の人物の情報をあらかじめシステムへ登録しておく必要があるという課題がある。監視カメラシステムは、行政、商店街、ショッピングセンター等により個別に設置されており、システム間の連携は十分ではない。そのため、監視対象の人物を細かく見守るためには、それぞれの監視カメラシステムに見守り対象人物の情報を登録しておく必要がある。しかし、複数のシステムに個人情報を登録しておくことは煩雑であるため利便性が低く、また、情報流出等のセキュリティリスクも高まる。
また、特許文献3に記載された技術では、登録された人物の個人認証を行うことにより、複数の人物がカメラに映る場合に対象の人物以外のプライバシーが保護される。したがって、特許文献2に記載された技術と同様、監視対象の人物の情報をあらかじめシステムへ登録しておく必要があり、複数の監視システムでの利用が十分に想定されておらず、利便性が十分ではない。
上記の特許文献2、3に記載の技術はいずれも、監視される側の人物が複数人であることを想定しているが、監視する側の人物が複数人であることを想定していないことも課題である。例えば、児童の見守りには、各児童の保護者が自分の子供がどこにいてどのような状況であるかを知るという用途の他に、学校の教師が自分の学校の児童がどこにいてどのような状況であるかを知るという用途もある。また、児童の見守りには、行政の担当者が地域の児童の様子を見守る用途もある。しかし、例えば、学校の教師が他校の児童の情報を細かく知ることは、プライバシーの保護に反する恐れがある。
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態による監視システムは、プライバシーを保護しつつ、利便性を向上させることが可能である。以下、本発明の第一の実施形態において上記の効果を実現するための構成例を詳細に説明する。
<1−2.構成例>
(監視システム)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る監視システム99の構成例を示す説明図である。図1に示すように、本実施形態に係る監視システム99は、監視対象用端末1(1A,1B)、センサ2、監視装置3、配信先端末4(4A〜4D)、及び通信網5を有する情報処理システムである。
監視対象用端末1は、センサ2によりセンシング(情報を収集)される監視対象に対応する情報処理装置である。監視対象用端末1と監視対象とは、例えば一対一で対応していてもよい。本実施形態に係る監視対象は、例えば人物であってもよく、以下において、監視対象は児童である例を説明する。また、監視対象用端末1は、監視対象用端末1に対応する監視対象(児童)により保持されてもよい。なお、本発明は上記の例に限定されず、監視対象は動物や自動車等であってもよいし、また、監視対象用端末1は、監視対象用端末1に対応する監視対象に取り付けられ(着用され)てもよい。
図1に示す例では、監視対象である監視対象ユーザU102と監視対象用端末1Aとが対応し、また、監視対象である監視対象ユーザU104と監視対象用端末1Bが一対一で対応する。
また、監視対象用端末1は、監視対象用端末1に対応する監視対象を識別する識別情報と、当該監視対象に関する配信レベル定義情報と、を監視装置3に送信する。配信レベル定義情報は、例えば、監視対象用端末1に対応する監視対象に関するどのような内容の情報をどのような頻度で配信するか等の配信レベルを、配信先ごとに定義する情報である。配信レベル定義情報については図3を参照して後述する。また、監視対象用端末1の構成例については図2を参照して後述する。
なお、図1では、監視対象用端末1が通信網5を介して監視装置3に接続される例を示したが、監視対象用端末1はと監視装置3は直接接続されてもよい。
また、図1では、監視対象用端末1の一例としてスマートフォンを示したが、監視対象用端末1はスマートフォンに限定されない。例えば、監視対象用端末1は、PND(Portable/Personal Navigation Device)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。また、監視対象用端末1はICタグであってもよい。
センサ2は、監視対象に関するセンシングに基づき監視情報を生成する。例えば、センサ2は、画像情報を取得するカメラや、音声情報を取得するマイク、ICタグから情報を取得するICタグリーダ、監視対象に関する生体情報を取得する生体センサ等、監視対象や、監視対象周囲の情報をセンシングする装置であってもよい。センサ2は、監視対象に関するセンシングに基づく監視情報を監視装置3に提供する。なお、以下では、センサ2がカメラであり、監視情報が画像情報である例を説明する。
監視装置3は、センサ2から取得した監視情報に基づく配信情報の配信を行う情報処理装置である。例えば、監視装置3は、監視情報と、監視対象用端末1から受信した識別情報に基づいて、監視対象用端末1を認証する。例えば、監視情報から抽出される識別情報と、監視対象用端末1に対応する監視対象の識別情報のマッチングに基づいて、認証が行われる。
また、監視情報と、認証済みの監視対象用端末1から受信した配信レベル定義情報に基づいて配信情報を生成し、通信網5を介して配信先端末4に配信情報を送信(配信)する。なお、監視装置3の構成例については図4を参照して後述する。また、配信情報の例については、図12を参照して後述する。
配信先端末4は、監視装置3から配信情報を受信する情報処理装置である。また、配信先端末4は、受信した配信情報を表示したり、蓄積したり、統計的に処理したりしてもよい。配信先端末4は、例えばタブレット端末やPC(Personal Computer)、サーバ等であってもよい。
例えば、図1に示す例において、配信先端末4A、4Bは、それぞれ監視対象ユーザU102,U104(児童)の保護者である配信先ユーザU202,U204が保有するタブレット端末である。また、図1に示す例において、配信先端末4Cは、監視対象ユーザU102(児童)が通う学校に設置され、当該学校の教師によって利用されるPCである。また、図1に示す例において、配信先端末4Dは、目視による監視以外の目的として、統計データを収集するためのサーバである。
通信網5は、通信網5に接続されている装置、またはシステムから送信される情報の有線、または無線の伝送路である。例えば、通信網5は、インターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。また、通信網5は、IP−VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網を含んでもよい。
上述したように、本実施形態による監視システム99は、監視対象に関するプライバシーを保護しつつ、配信レベル定義情報で定義される配信先に、配信レベル定義情報で定義される配信レベルで配信することが可能であり、利便性を向上させることが可能である。以下、このような効果を有する監視システム99が備える、本実施形態に係る監視対象用端末1−1(1)と、監視装置3−1(3)の構成について順次詳細に説明する。
(監視対象用端末)
図1に示した監視対象用端末1(1A、1B)の構成例として、本実施形態に係る監視対象用端末1−1の構成例を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る監視対象用端末1−1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、監視対象用端末1−1は、記憶部111、通信制御部112、及び通信部113を備える情報処理装置である。
記憶部111は、監視対象用端末1−1の動作に用いられるプログラム及びデータを記憶する。また、図2に示すように、記憶部111は、識別DB111A、及び配信レベル定義DB111Bを記憶する。
識別DB111Aには、監視対象を識別するための識別情報が格納される。識別情報は、例えば顔画像、顔画像から抽出される特徴量、画像情報から抽出される画像歩容特徴等であってもよい。なお、識別情報は、センサ2から取得される情報と対応した情報であってもよく、例えばセンサ2が生体センサの場合の識別情報は生体情報であってもよく、センサ2がICタグリーダの場合の識別情報はICタグの識別IDであってもよい。
配信レベル定義DB111Bには、監視対象用端末1−1に対応する監視対象に関する配信レベル定義情報が格納される。図3は、配信レベル定義情報の例を示す説明図である。
図3に示す配信レベル定義情報T11は、例えば図1に示す監視対象用端末1Aが有する記憶部111に記憶される配信レベル定義DB111Bに格納される、監視対象ユーザU102に関する配信レベル定義情報を示す表である。また、図3に示す配信レベル定義情報T12は、例えば図1に示す監視対象用端末1Bが有する記憶部111に記憶される配信レベル定義DB111Bに格納される、監視対象ユーザU104に関する配信レベル定義情報を示す表である。
図3に示すように、配信レベル定義情報は、配信先に関する情報(配信先ユーザ、または配信先端末の情報)と、配信レベル(配信内容、配信頻度等)を関連付ける(関係を定義する)情報である。配信内容は、例えば画像情報、属性情報、非特定情報のうちいずれか、またはそれらの組み合わせであってもよい。配信内容に画像情報が含まれる場合、例えば、監視情報に含まれる画像情報のうち、当該監視対象に関する領域が、配信レベル定義情報で関連付けられた配信先に配信されてもよい。また、配信内容に属性情報が含まれる場合、例えば、画像情報(監視情報)から抽出される属性情報(例えば、年齢、性別等)が配信レベル定義情報で関連付けられた配信先に配信されてもよい。また、配信内容に非特定情報が含まれる場合、当該監視対象を特定出来ない情報(非特定情報)が配信レベル定義情報で関連付けられた配信先に配信されてもよい。例えば、配信内容に非特定情報が含まれる場合、画像情報(監視情報)のうち、当該監視対象に関する領域に、モザイク処理、マスク処理、解像度低下処理のうちいずれかの処理が施されて、配信先に配信されてもよい。なお、配信先に配信される配信情報の例については、図12を参照して後述する。
また、図3では、配信先ユーザ、及び配信先端末の情報として、図1に示した配信先ユーザ、及び配信先端末の符号を示したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、配信レベル定義情報に含まれる配信先ユーザ、及び配信先端末の情報は、例えばそれぞれ、ユーザID、及び配信先端末を識別する情報等であってもよい。また、図3において、「その他」は、各表に含まれる配信先ユーザ以外の全ての配信先ユーザ、または各表に含まれる配信先端末4以外の全ての配信先端末4を意味する。
例えば、図3に示す配信レベル定義情報T11では、監視対象ユーザU102の保護者である配信先ユーザU202の保有する配信先端末4Aには、監視対象ユーザU102に関する画像情報、及び属性情報が常時配信される。また、配信レベル定義情報T11では、監視対象ユーザU102の学校の教師である配信先ユーザU302の保有する配信先端末4Cには、監視対象ユーザU102に関する画像情報、及び属性情報が1分間に1回配信される。また、配信レベル定義情報T11では、その他の配信先端末4には、監視対象ユーザU102を特定出来ない非特定情報が常時配信される。
図2に示す通信制御部112は、通信部113を制御して、監視装置3−1から情報を受信させ、また監視装置3−1へ情報を送信させる。例えば、通信制御部112は、通信部113が監視装置3−1から識別情報要求を受信した場合に、通信部113を制御して監視装置3−1へ識別情報を送信させてもよい。また、通信制御部112は、通信部113が監視装置3−1から配信レベル定義情報要求を受信した場合に、通信部113を制御して監視装置3−1へ配信レベル定義情報を送信させてもよい。
通信部113は、監視対象用端末1−1による他の装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部113は、任意の無線通信プロトコルまたは有線通信プロトコルをサポートし、例えば図1を参照して説明した通信網5を介して、または直接に他の装置との間の通信接続を確立する。また、通信部113は、通信制御部112の制御に従って情報の送受信を行う。
(監視装置)
以上、本実施形態に係る監視対象用端末1−1の構成例を説明した。続いて、図1に示した監視装置3の構成例として、本実施形態に係る監視装置3−1の構成例を図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る監視装置3−1の構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、監視装置3−1は、取得部311、属性情報抽出部312、識別情報抽出部313、認証部314、通信制御部316、配信情報生成部315、通信制御部316、及び通信部317を備える情報処理装置である。
取得部311は、センサ2から、監視対象に関するセンシングに基づく監視情報を取得する。なお、上述したように、本実施形態において、センサ2はカメラであり、監視情報は画像情報である。
属性情報抽出部312は、監視情報に基づいて、監視対象の属性情報を抽出する。属性情報抽出部312は、例えば監視情報から、画像中の人物(監視対象)の位置を検出し、さらに当該監視対象の年齢、性別等の情報を抽出してもよい。例えば、属性情報抽出部312は、検出された人物の顔の目、鼻、口といった特徴点の位置を検出し、顔から当該人物の年齢、性別等の属性情報を推定して取得してもよい。
また、属性情報抽出部312により抽出された属性情報は、例えば監視対象の位置等の情報に基づいて、後述する識別情報抽出部313が識別情報を抽出した監視対象と対応付けられ、配信情報生成部315に提供される。
識別情報抽出部313は、監視情報に基づいて、監視対象を識別するための識別情報を抽出する。識別情報抽出部313により抽出される識別情報は、例えば、上述した監視対象用端末1−1から監視装置3−1に送信される識別情報と同様の情報であってもよい。例えば、識別情報抽出部313により抽出される識別情報は、顔画像、顔画像から抽出される特徴量、画像情報から抽出される画像歩容特徴、生体情報、ICタグの識別ID等であってもよい。
識別情報抽出部313は、画像情報(監視情報)における監視対象の位置を特定してもよく、監視対象の位置と、識別情報とを対応付けて、属性情報抽出部312、及び認証部314に提供してもよい。
認証部314は、監視情報と、監視対象に対応する監視対象用端末1−1から受信される当該監視対象の識別情報に基づいて、監視対象用端末1−1を認証する。例えば、認証部314は、監視対象用端末1−1される識別情報と、識別情報抽出部313により抽出される識別情報のマッチングを行い、監視情報(画像情報)に当該監視対象が含まれる(映っている)か否かを判定してもよい。また、認証部314は、監視情報に当該監視対象が含まれる場合に、監視対象用端末1−1を認証してもよい。
認証部314による識別情報のマッチングは、識別情報に応じて多様な手法で行われ得る。例えば、認証部314は、識別情報が顔画像、または顔画像から抽出される特徴量等である場合に、下記非特許文献1に記載されるような顔認識技術を用いて、識別情報のマッチングを行ってもよい。また、認証部314は、識別情報が画像歩容特徴である場合に、下記非特許文献2に記載されるような歩容認証技術を用いて、識別情報のマッチングを行ってもよい。
非特許文献1:赤松茂. "コンピュータによる顔の認識―サーベイ―." 電子情報通信学会論文誌 D 80.8 (1997),pp.2031−2046.
非特許文献2:槇原靖, 佐川立昌, 向川康博, 越後富夫, 八木康史, "周波数領域に拡張した方向変換モデルによる歩容認証", 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2006),pp.168−173.
なお、認証部314による識別情報のマッチングは、係る例に限定されず、例えば、識別情報が生体情報である場合には、生体情報のマッチングが認証部314により行われてもよい。また、以下では、識別情報が顔画像であり、認証部314は顔画像に基づくマッチングを行う例を説明する。
配信情報生成部315は、監視情報と、認証部314により認証された監視対象用端末1−1から受信される当該監視対象用端末に対応する監視対象に関する配信レベル定義情報に基づいて、配信情報を生成する。例えば、配信情報生成部315は、図3を参照して説明した配信レベル定義情報に基づき、配信先端末4に応じた配信内容となるように、監視情報に処理を施して、配信先端末4に配信される配信情報を生成する。
配信情報生成部315は、認証部314により認証された監視対象用端末1−1が複数存在する場合には、認証された複数の監視対象用端末1−1の配信レベル定義情報に基づいて、配信情報を生成してもよい。
監視対象に関する配信レベル定義情報における配信内容に、画像情報が含まれる場合、配信情報生成部315は、監視情報に含まれる画像情報のうち当該監視対象に対応する領域が含まれる配信情報を生成してもよい。
監視対象に関する配信レベル定義情報における配信内容に、画像情報が含まれる場合、配信情報生成部315は、当該監視対象の属性情報を含む配信情報を生成してもよい。
また、監視対象に関する配信レベル定義情報における配信内容が非特定情報である場合、配信情報生成部315は、監視情報に含まれる画像情報のうち当該監視対象に対応する領域に、監視対象を特定出来なくするための処理を施して配信情報を生成してもよい。配信情報生成部315が施す、監視対象を特定出来なくするための処理は、例えばモザイク処理、マスク処理、解像度低下処理等であってもよい。
なお、配信情報生成部315が生成する配信情報の例については、図12を参照して後述する。
通信制御部316は、通信部317を制御して、通信部317に、他の装置との情報の送受信を行わせる。例えば通信制御部316は、通信部317を制御して、監視対象用端末1−1へ、識別情報を要求する識別情報要求、及び配信レベル定義情報を要求する配信レベル定義情報要求を送信させてもよい。また、通信制御部316は、通信部317を制御して、配信先端末4へ、配信情報生成部315により生成された配信情報を送信(配信)させる。なお、通信制御部316は、例えば、配信レベル定義情報に含まれる配信先端末を識別する情報に基づいて、配信情報の送信制御を行ってもよい。
通信部317は監視装置3−1による他の装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部317は、任意の無線通信プロトコルまたは有線通信プロトコルをサポートし、例えば図1を参照して説明した通信網5を介して、または直接に他の装置との間の通信接続を確立する。また、通信部317は、通信制御部316の制御に従って情報の送受信を行う。
<1−3.動作例>
以上、本発明の第一の実施形態に係る監視システム99の構成例について説明した。続いて、本実施形態の動作例について、図5〜12を参照して説明する。図5は本実施形態に係る監視システム99の処理フローを示すシーケンス図である。
図5に示すように、まず、監視装置3−1の取得部311が、センサ2から監視情報(画像情報)を取得する(S101)。図6は、ステップS101において取得される監視情報D101の例を説明するための模式図である。図6に示すように、監視情報D101には、人物である監視対象ユーザU102、U104、U106が含まれるが、ステップS101の時点では人物の位置等は検出されていない。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1の識別情報抽出部313が監視情報に基づいて識別情報を抽出する(S102)。図7は、ステップS102の処理結果例を説明するための説明図である。図7に示すイメージ画像D102は、ステップS102の処理結果を模式的に示したものであり、実際にイメージ画像D102が生成されなくてもよい。図7に示すように、ステップS102の処理により、監視情報から監視対象ユーザU102、U104、U106の位置が検出され、抽出された識別情報と対応付けられる。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1の属性情報抽出部312が、監視情報に基づいて属性情報を抽出する(S103)。図8は、ステップS103の処理結果例を説明するための説明図である。図8に示すイメージ画像D103は、ステップS103の処理結果を模式的に示したものであり、実際にイメージ画像D103が生成されなくてもよい。図7に示すように、ステップS103の処理により、監視情報から監視対象ユーザU102、U104、U106の属性情報が抽出され、それぞれ監視対象ユーザU102、U104、U106と対応付けられる。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1から、監視対象用端末1−1に識別情報要求が送信され(S104)、監視対象用端末1−1から監視装置3−1に識別情報が送信される(S105)。図9は、ステップS105において監視装置3−1が受信する識別情報の例を示す説明図である。図9に示す例では、図1に示した監視対象用端末1A,1Bが識別情報要求に応答して識別情報を監視装置3−1に送信している。図9に示した表D105のように、監視装置3−1は、監視対象用端末ごとに、識別情報を受信する。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1の認証部314が、ステップS103で抽出された識別情報と、ステップS105で受信された識別情報のマッチングを行い、監視対象用端末を認証する(S106)。図10は、ステップS106の処理結果例を説明するための説明図である。図10に示すイメージ画像D106は、ステップS106の処理結果を模式的に示したものであり、実際にイメージ画像D106が生成されなくてもよい。図10に示すように、ステップS106の処理により、認証された監視対象用端末1−1が、当該監視対象用端末1−1と対応する監視対象ユーザと対応付けられる。また、図10に示す監視対象ユーザU106のように、対応する監視対象用端末1−1が存在しない場合もある。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1から、ステップS106で認証された監視対象用端末1−1に配信レベル定義情報要求が送信され(S107)、監視対象用端末1−1から監視装置3−1に配信レベル定義情報が送信される(S108)。ステップS108において監視装置3−1が受信する配信レベル定義情報は、図10を参照して説明した監視対象用端末1−1と監視対象ユーザの対応に基づき、監視対象ユーザと対応付けられる。図11は、監視対象ユーザと配信レベル定義情報の対応を説明するための説明図である。図11に示すイメージ画像D108は監視対象ユーザと配信レベル定義情報の対応を模式的に示したものであり、実際にイメージ画像D108が生成されなくてもよい。図11に示す例では、図3を参照して説明した配信レベル定義情報T11、及びT12が、それぞれ監視対象ユーザU102、U104と対応付けられている。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1の配信情報生成部315が、図3に示した配信レベル定義情報T11、T12に基づいて配信情報を生成する(S109)。図12は、ステップS109で生成される配信情報の例を示す説明図である。図12に示す配信情報C11、C12、C13、C14は、それぞれ図1に示す配信先端末4A、4B、4C、4Dに配信(送信)される配信情報である。図12に示すように、配信情報は画像情報であってもよい。
配信先端末4Aに配信される配信情報C11には、図3に示した配信レベル定義情報T11に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域(画像情報)、及び属性情報C112が含まれる。また、配信情報C11では、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU104に関する属性情報C114が含まれ、監視対象ユーザU104に係る領域は監視対象ユーザU104を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。また、配信情報C11では、対応する配信レベル定義情報が存在しない監視対象ユーザU106に係る領域は監視対象ユーザU106を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。なお、以下に説明する配信情報C12〜C14においても、監視対象ユーザU106に係る領域については同様であるため、説明を省略する。
配信先端末4Bに配信される配信情報C12では、図3に示した配信レベル定義情報T11に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域は監視対象ユーザU102を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。また、配信情報C12には、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域の画像情報が含まれる。
配信先端末4Cに配信される配信情報C13には、図3に示した配信レベル定義情報T11に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域の画像情報、及び属性情報C132が含まれる。また、配信情報C13では、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU104に関する属性情報C134が含まれ、監視対象ユーザU104に係る領域は監視対象ユーザU104を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。
配信先端末4Dに配信される配信情報C14には、図3に示した配信レベル定義情報T11に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域は監視対象ユーザU102を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。また、配信情報C14では、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU104に関する属性情報C144が含まれ、監視対象ユーザU104に係る領域は監視対象ユーザU104を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。
続いて、図5に示すように、監視装置3−1から配信先端末4に、上述した配信情報が送信される(S110)。
以上説明したステップS101からS110の処理は、例えば、定期的に、または随時繰り返されてもよい。
<1−4.効果>
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。本実施形態によれば、監視装置3−1が、監視対象用端末1−1から受信した配信レベル定義情報に基づいて、配信先ごとに配信情報を生成して送信を行うことで、監視対象と配信先の関係により、配信される情報を異ならせることが可能である。係る構成により、監視対象のプライバシーを保護しつつ、利便性を向上させることが可能である。
また、監視対象に関するプライバシー情報である識別情報は、監視対象用端末1−1と監視装置3−1との間でのみ利用され、配信先端末4に提供されないため、個人情報流出等のセキュリティリスクが低い。なお、監視装置3−1が、処理の度に、または定期的に識別情報を削除することで、さらにセキュリティリスクを低減させることも可能である。
<<2.第二の実施形態>>
続いて、以下では、第二の実施形態として、監視対象用端末に記憶される配信レベル定義情報を更新することが可能な例を説明する。
本実施形態に係る監視システムの装置構成は、図1を参照して説明した第一の実施形態に係る監視システム99の装置構成と同様であるが、監視対象用端末1、及び配信先端末4の機能が一部異なる。
本実施形態に係る配信先端末4は、配信先端末4のユーザの入力に基づき、監視対象用端末1へ、配信レベル定義情報の更新を要求する配信レベル定義更新要求を送信する。また、本実施形態に係る監視対象用端末1は、配信先端末4から受信した配信レベル定義更新要求に基づいて、配信レベル定義情報を更新する。
係る構成により、配信先端末4のユーザが、配信レベル定義情報を更新したい場合に、監視対象用端末1の配信レベル定義情報を更新させることが可能である。
例えば、監視対象用端末1Aを保持した児童(監視対象ユーザU102)が下校中に、あらかじめ想定していた経路を大きく外れたことを保護者(配信先ユーザU202)が配信先端末4Aで確認したとする。本実施形態によれば、上記のような場合に、例えば保護者(配信先ユーザU202)は、近隣にいる同級生の保護者に、児童(監視対象ユーザU102)を保護してもらう対象として知らせるため、監視対象用端末1Aの配信レベル定義情報を更新することが可能である。
以下では、上記のような効果を有する本実施形態に係る監視システムが有する監視対象用端末1(1A、1B)の構成例として、監視対象用端末1−2の構成例を説明する。
<2−1.構成例>
図13は、本実施形態に係る監視対象用端末1−2の構成例を示すブロック図である。なお、図13に示す各構成のうち、図2に示した各構成と実質的に同様の構成については同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態に係る監視対象用端末1−2は、通信制御部122の機能構成が図2に示した通信制御部112の機能構成と一部異なる点、及び、配信レベル定義更新部124を備える点で、図2に示した監視対象用端末1−1と異なる。以下、監視対象用端末1−2が備える通信制御部122、及び配信レベル定義更新部124について説明する。
通信制御部122は、図2を参照して説明した通信制御部112の機能に加え、通信部113が配信先端末4から配信レベル定義更新要求を受信した場合に、配信レベル定義更新要求を配信レベル定義更新部124に提供する機能を有する。
配信レベル定義更新部124は、配信先端末4から受信された配信レベル定義更新要求に基づいて、記憶部111に記憶される配信レベル定義DBに格納された配信レベル定義情報を更新する。配信レベル定義更新部124は、更新後の配信レベル定義情報を、記憶部111に記憶される配信レベル定義DBに格納させてもよい。
<2−2.動作例>
以上、本発明の第二の実施形態に係る監視対象用端末1−2の構成例について説明した。続いて、本実施形態の動作例について、図14、15を参照して説明する。
本実施形態に係る監視システムの処理フローは、図5を参照して説明した処理フローと一部を除いて同様である。本実施形態に係る監視システムの処理フローは、図5を参照して説明した処理フローに加え、配信レベル定義情報の更新に係る処理を含む。配信レベル定義情報の更新に係る処理は、図5を参照して説明した各ステップうち、いずれのステップの前、または後に行われてもよい。
以下、配信レベル定義情報の更新に係る処理について説明する。配信先端末4のユーザ入力により、配信先端末4から監視対象用端末1−2に配信レベル定義更新要求が送信されたのち、監視対象用端末1−2の配信レベル定義更新部124が、配信レベル定義DB111Bに格納される配信レベル定義情報を更新する。
図14は、配信レベル定義更新部124により更新が行われた後の配信レベル定義情報の一例を示す説明図である。図14に示す配信レベル定義情報T21は、当該更新後における、図1に示す監視対象用端末1Aが有する記憶部111に記憶される配信レベル定義DB111Bに格納される、監視対象ユーザU102に関する配信レベル定義情報を示す表である。
図14に示すように、配信レベル定義情報T21は、図3を参照して説明した配信レベル定義情報T11に加え、配信先端末4Bを保有する配信先ユーザU204に関する配信レベルの情報を含む。配信レベル定義情報T21によれば、配信先端末4Bに送信される配信情報には、監視対象ユーザU102に関する画像情報と、監視対象ユーザU102が保護対象であることを指定する保護対象指定情報が含まれる。
図15は、配信レベル定義情報の更新後において、図14に示した配信レベル定義情報T21、及び図3に示した配信レベル定義情報12に基づいて、配信情報生成部315により生成される配信情報の例を示す説明図である。図15に示す配信情報C21、C22、C23、C24は、それぞれ図1に示す配信先端末4A、4B、4C、4Dに配信(送信)される配信情報である。
配信情報C21、C23,C24は、それぞれ図12を参照して説明した配信情報C11、C13,C14と同様であるため、説明を省略する。なお、配信情報C21、C23,C24に含まれる属性情報C212、C214、C232、C234、C244は、それぞれ図12を参照して説明した属性情報C112、C114、C132、C134、C144に対応する。
配信先端末4Bに配信される配信情報C22には、図14に示した配信レベル定義情報T21に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域の画像情報、及び監視対象ユーザU102が保護対象であることを指定する保護対象指定情報C222が含まれる。係る構成により、例えば、配信先端末4Bを保有する、配信先ユーザU204は、監視対象ユーザU102が保護対象であることを知ることができ、配信先ユーザU204が監視対象ユーザU102を保護することで、監視対象ユーザU102が犯罪に巻き込まれることを未然に防ぐことができる。
なお、配信情報C22に含まれる監視対象ユーザU104、U106に関する情報は、図12を参照して説明したC12に含まれる監視対象ユーザU104、U106に関する情報と同様であるため、説明を省略する。
<2−3.効果>
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。本実施形態によれば、監視対象用端末に記憶される配信レベル定義情報を更新することが可能であり、より利便性とセキュリティを向上させることが可能である。
例えば、下校中の児童が自宅への経路から大きく離れてしまった場合、通常時には当該児童の情報へアクセス出来ない人物(例えば、近くの商店の店員等、ある程度の信頼ができる人物)に当該児童の情報を知らせることで、当該人物に当該児童を保護してもらい、保護者が迎えに行くことにより、当該児童が犯罪に巻き込まれることを未然に防ぐことが可能である。
また、防犯用途以外では、ショッピングセンターでの買い物の際に児童を自由に遊ばせておき、この状態では保護者のみが当該児童の情報にアクセスできるようにしておき、帰宅時にはショッピングセンターの店員に当該児童の情報へアクセスできるようにすることで、例えば、帰宅時に離れたところにいる児童を連れてきてもらう、といったサービスを展開することもできる。
<2−4.補足>
なお、上記では、配信先端末4から送信される配信レベル定義更新要求に基づいて配信レベル定義が更新される例を説明したが、以下に説明する第三の実施形態と同様に、監視対象用端末1−2のユーザ操作に基づいて、配信レベル定義が更新されてもよい。また、監視システムが、配信レベル定義を更新するための更新専用端末をさらに備え、当該更新専用端末から送信される配信レベル定義更新要求に基づいて配信レベル定義が更新されてもよい。
<<3.第三の実施形態>>
続いて、以下では、第三の実施形態として、監視装置から配信先端末に配信される配信情報に含まれる可能性がある情報を、監視対象である監視対象用端末のユーザが確認して、配信レベル定義情報を更新することが可能な例を説明する。
本実施形態に係る監視システムの装置構成は、図1を参照して説明した第一の実施形態に係る監視システム99の装置構成と同様であるが、監視対象用端末1、及び監視装置3の機能が一部異なる。
本実施形態に係る監視装置3は、監視装置3から配信先端末4に配信される配信情報に含まれる可能性がある情報を監視対象が確認するための確認情報を生成し、監視対象用端末1に送信する。監視対象用端末1のユーザ(監視対象)は、確認情報を目視等により確認して、必要に応じて監視対象用端末1を操作し、配信レベル定義情報を更新させる。係る構成により、監視対象である監視対象用端末1のユーザは、配信情報に含まれる情報を制御することが可能となるため、監視対象のプライバシーがより強固に保護される。
以下では、上記のような効果を有する本実施形態に係る監視システムが有する監視対象用端末1(1A、1B)、及び監視装置3の構成例として、監視対象用端末1−3、及び監視装置3−3の構成例を順次詳細に説明する。
<3−1.構成例>
(監視対象用端末)
図16は、本実施形態に係る監視対象用端末1−3の構成例を示すブロック図である。なお、図16に示す各構成のうち、図2に示した各構成と実質的に同様の構成については同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
図16に示すように、本実施形態に係る監視対象用端末1−3は、通信制御部132の機能構成が図2に示した通信制御部112の機能構成と一部異なる点と、配信レベル定義更新部134、出力制御部135、出力部136、及び操作部137を備える点で、図2に示した監視対象用端末1−1と異なる。以下、監視対象用端末1−3が備える通信制御部132、配信レベル定義更新部134、出力制御部135、出力部136、及び操作部137について説明する。
通信制御部132は、図2を参照して説明した通信制御部112の機能に加え、通信部113が監視装置3−3から確認情報を受信した場合に、確認情報を出力制御部135に提供する機能を有する。
配信レベル定義更新部134は、操作部137を介して得られる、監視対象である監視対象ユーザの入力に基づいて、記憶部111に記憶される配信レベル定義DBに格納された配信レベル定義情報を更新する。なお、配信レベル定義更新部134は、更新後の配信レベル定義情報を、記憶部111に記憶される配信レベル定義DBに格納させてもよいし、通信制御部132に提供してもよい。
出力制御部135は、出力部136を制御して、確認情報を出力させる。例えば、出力部136がディスプレイ等の表示装置である場合、出力制御部135は、確認情報を画像情報に変換して、出力部136に表示させてもよい。また、出力部136がスピーカ等の音声出力装置である場合、出力制御部135は、確認情報を音声情報に変換して、出力部136に音声出力させてもよい。
出力部136は、出力制御部135に制御されて、確認情報を出力する。出力部136は、例えばディスプレイ等の表示装置、またはスピーカ等の音声出力装置により実現されてもよい。
操作部137は、監視対象である監視対象ユーザの入力を受け付け、配信レベル定義更新部134に提供する。例えば、ユーザは、操作部137を操作して、配信先に関する情報を追加、変更してもよいし、配信レベルを変更してもよい。なお、操作部137は、例えばマウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、またはダイヤル等により実現されてもよい。
(監視装置)
図17は、本実施形態に係る監視装置3−3の構成例を示すブロック図である。なお、図17に示す各構成のうち、図4に示した各構成と実質的に同様の構成については同一の符号を付してあるため、説明を省略する。
図17に示すように、本実施形態に係る監視装置3−3は、属性情報抽出部332、認証部334、及び通信制御部336の機能構成が図4に示した属性情報抽出部312、認証部314、通信制御部316の機能構成と一部異なる点と、確認情報生成部338を備える点で、図4に示した監視装置3−1と異なる。以下、監視装置3−3が備える属性情報抽出部332、認証部334、及び通信制御部336、及び確認情報生成部338について説明する。
属性情報抽出部332は、図4を参照して説明した属性情報抽出部312の機能に加え、抽出された属性情報を、識別情報抽出部313が識別情報を抽出した監視対象と対応付けて、確認情報生成部338に提供する機能を有する。
認証部334は、図4を参照して説明した認証部314の機能に加え、認証された監視対象用端末1−3の情報を確認情報生成部338に提供する機能を有する。
通信制御部336は、図4を参照して説明した通信制御部316の機能に加え、通信部
317を制御して、後述する確認情報生成部338が生成する確認情報を、監視対象用端末1−3へ送信させる機能を有する。
確認情報生成部338は、配信情報に含まれる可能性がある情報を監視対象が確認するための確認情報を生成する。係る構成により、監視対象は、配信情報に含まれる可能性がある情報を確認することが可能となるため、監視対象のプライバシーがより強固に保護される。
例えば、確認情報生成部338は、画像情報である監視情報をそのまま確認情報として生成してもよい。
また、確認情報生成部338は、当該監視対象に関する画像情報、属性情報等を含み、当該監視対象以外の人物(監視対象)を特定できる情報を含まないような確認情報を生成してもよい。例えば、確認情報生成部338は、画像情報(監視情報)のうち、当該確認情報を受信する監視対象用端末1−3に対応した監視対象以外の人物(監視対象)に係る領域に、当該監視対象以外の人物を特定できなくするための処理を施して確認情報を生成してもよい。
係る構成によれば、確認情報を確認する監視対象以外の人物(監視対象)を特定できる情報が、当該確認情報を確認する監視対象に提供されないため、当該監視対象以外の人物のプライバシーが保護される。
<3−2.動作例>
以上、本発明の第三の実施形態に係る監視対象用端末1−3、及び監視装置3−3の構成例について説明した。続いて、本実施形態の動作例について、図18〜20を参照して説明する。図18は本実施形態に係る監視システムの処理フローを示すシーケンス図である。
図18に示すステップS301〜S306の処理は、図5を参照して説明したステップS101〜S106の処理と同様であるため、説明を省略する。
続くステップS307において、監視装置3−3の確認情報生成部338が、確認情報を生成する。
続いて、監視装置3−3から、監視対象用端末1−3に確認情報が送信され(S308)、確認情報を受信した監視対象用端末1−3は確認情報を出力する(S309)。
続いて、監視対象用端末1−3の操作部137を介したユーザの入力に基づき、配信レベル定義更新部134により、配信レベル定義情報が更新される(S310)。
図19は、ステップS310において、配信レベル定義更新部134により更新が行われた後の配信レベル定義情報の一例を示す説明図である。図19に示す配信レベル定義情報T31は、当該更新後における、図1に示す監視対象用端末1Aが有する記憶部111に記憶される配信レベル定義DB111Bに格納される、監視対象ユーザU102に関する配信レベル定義情報を示す表である。
図19に示すように、配信レベル定義情報T31は、配信先ユーザU202が保有する配信先端末4A、及び配信先ユーザU302が保有する配信先端末4Cへの配信内容が画像情報のみであり、属性情報が削除されている点で、図3を参照して説明した配信レベル定義情報T11と異なる。
続く図18に示すステップS311、S312の処理は、図5を参照して説明したステップS107、S108の処理と同様であるため、説明を省略する。
続いて、監視装置3−1の配信情報生成部315が、図19に示した配信レベル定義情報T31,及び図3に示した配信レベル定義情報T12に基づいて配信情報を生成する(S312)。
図20は、ステップS312において配信情報生成部315により生成される配信情報の例を示す説明図である。図20に示す配信情報C31、C32、C33、C34は、それぞれ図1に示す配信先端末4A、4B、4C、4Dに配信(送信)される配信情報である。
配信情報C32、及びC34は、それぞれ図12を参照して説明した配信情報C13、及びC14と同様であるため、説明を省略する。なお、配信情報C34に含まれる属性情報C344は、図12を参照して説明した属性情報C144に対応する。
配信先端末4Aに配信される配信情報C31には、図19に示した配信レベル定義情報T31に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域の画像情報が含まれ、監視対象ユーザU102に係る属性情報が含まれない。また、配信情報C31では、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU104に関する属性情報C314が含まれ、監視対象ユーザU104に係る領域は監視対象ユーザU104を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。
配信先端末4Cに配信される配信情報C33には、図19に示した配信レベル定義情報T31に基づき、監視対象ユーザU102に係る領域の画像情報が含まれ、監視対象ユーザU102に係る属性情報が含まれない。また、配信情報C31では、図3に示した配信レベル定義情報T12に基づき、監視対象ユーザU104に関する属性情報C334が含まれ、監視対象ユーザU104に係る領域は監視対象ユーザU104を特定出来ないようにモザイク処理が施されている。
<3−3.効果>
以上、本発明の第三の実施形態について説明した。本実施形態によれば、監視対象である監視対象用端末1−3のユーザは、配信情報に含まれ得る情報を確認して、配信情報に含まれる情報を制御可能となるため、監視対象のプライバシーがより強固に保護される。
<<4.ハードウェア構成>>
以上、本発明の各実施形態を説明した。上述した通信制御処理、配信レベル定義更新処理、属性情報抽出処理、識別情報抽出処理、認証処理、配信情報生成処理、確認情報生成処理等の情報処理は、ソフトウェアと、監視対象用端末1(1−1,1−2、1−3)、監視装置3(3−1、3−3)、配信先端末4のハードウェアとの協働により実現される。以下では、本発明の実施形態に係る情報処理装置である監視対象用端末1(1−1,1−2、1−3)、監視装置3(3−1、3−3)、配信先端末4のハードウェア構成例として、情報処理装置1000のハードウェア構成について説明する。
図21は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1000のハードウェア構成を示す説明図である。図21に示したように、情報処理装置1000は、CPU(Central Processing Unit)1001と、ROM(Read Only Memory)1002と、RAM(Random Access Memory)1003と、入力装置1004と、出力装置1005と、ストレージ装置1006と、通信装置1007とを備える。
CPU1001は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置1000内の動作全般を制御する。また、CPU1001は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM1002は、CPU1001が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM1003は、CPU1001の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバスにより相互に接続されている。主に、CPU1001、ROM1002及びRAM1003とソフトウェアとの協働により、例えば、通信制御部、配信レベル定義更新部、属性情報抽出部、識別情報抽出部、認証部、配信情報生成部、確認情報生成部等の機能が実現される。
入力装置1004は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU1001に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置1000のユーザは、該入力装置1004を操作することにより、情報処理装置1000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。なお、入力装置1004は、操作部137に対応する。
出力装置1005は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置及びランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置1005は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置を含む。例えば、表示装置は、撮像された画像や生成された画像などを表示する。一方、音声出力装置は、音声データなどを音声に変換して出力する。なお、出力装置1005は、出力部136に対応する。
ストレージ装置1006は、データ格納用の装置である。ストレージ装置1006は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置1006は、CPU1001が実行するプログラムや各種データを格納する。なお、ストレージ装置1006は、記憶部111に対応する。
通信装置1007は、例えば、通信網に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。また、通信装置1007は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、有線による通信を行うワイヤー通信装置、またはブルートゥース(登録商標)通信装置を含んでもよい。なお、通信装置1007は、通信部113、317に対応する。
<<5.むすび>>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、プライバシーを保護しつつ、利便性を向上させることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、監視装置3がセンサ2から監視情報を提供される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、監視装置3がカメラ等のセンサを筐体内に含む装置であり、センサ2の機能を有してもよい。係る場合、監視装置3の取得部は、監視装置3に含まれるセンサから監視情報を取得してもよい。
また、上記実施形態では、センサ2がカメラである例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、例えばセンサ2はマイクや電波センサ、赤外線センサ、ICタグリーダ等であってもよい。
また、上記実施形態では、識別情報が顔画像である例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、識別情報は、顔画像、顔画像から抽出される特徴量、画像情報から抽出される画像歩容特徴や三次元形状、生体情報、またはICタグの識別子であってもよい。また、識別情報は、上記の組み合わせであってもよく、係る構成により、監視対象のマッチング精度が向上し得る。また、監視対象用端末が加速度センサを有し、センサ2から取得される画像情報から抽出される移動量と、加速度センサから取得される移動量のマッチングにより、マッチング精度をより向上させることも可能である。
また、上記実施形態では、属性情報が年齢と性別を含む例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、属性情報は、位置情報、身長、体重、体温、心拍等を含んでもよい。
また、上記実施形態では、配信先端末への配信情報の送信制御に、配信先端末を識別する情報が用いられる例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、ユーザIDを用いた送信制御が行われてもよい。係る例により、配信先ユーザが、複数の配信先端末を利用して情報の配信を受け取ることが可能となる。
また、上記実施形態では、監視対象を特定出来なくするための処理が、当該監視対象に関する領域へのモザイク処理である例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、監視対象を特定出来なくするための処理は、当該監視対象に関する領域を塗りつぶすマスキング処理、または当該監視対象に関する領域をアバター等の他の画像で置き換える処理であってもよい。
また、上記実施形態では、監視装置が常に配信情報を配信先端末へ送信する例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、例えば、監視装置は、配信先端末からの要求に応じて、配信情報を配信してもよい。
また、上記実施形態では、監視対象用端末と、配信先端末が異なる装置である例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、監視対象用端末と配信先端末の両方の機能を同一の装置が有してもよい。係る構成によれば、例えば、待ち合わせの際、ユーザがお互いの位置や状況を常に把握することが可能となる。
また、上記実施形態では、配信レベル定義更新部が、配信レベル定義情報を自由に変更(更新)可能な例を説明したが、本発明は係る例に限定されず、配信レベル定義情報の変更可能な範囲が制限されてもよい。例えば、保護者が保有する配信先端末に関する配信レベルは変更できないように制限されてもよい。係る構成によれば、監視(見守り)対象である児童を監視(見守り)できなくなってしまうといった事態を避けることが可能である。
また、上記実施形態では、配信レベル定義更新部により更新された更新後の配信レベル定義情報が、当該更新以降にセンサから取得される監視情報に基づく配信情報の生成に適用される例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、更新後の配信レベル定義情報は、当該更新以前(過去)にセンサから取得された監視情報に基づいた配信情報の生成に適用されてもよい。例えば、配信先端末からの要求があった場合に配信を行う構成において、過去にセンサから取得された監視情報に基づいて、時間をおいて配信情報を生成して、配信先端末に送信することが想定される。係る場合に、過去にセンサから取得した監視情報に基づく配信情報生成への配信レベル定義情報の更新は特に有効である。
なお、上記実施形態では、監視対象が人物である例を説明したが、本発明は係る例に限定されない。例えば、監視対象は動物であってもよく、係る場合、認証部により、例えば動物の体の模様に基づくマッチングが行われてもよい。また、監視対象は自動車であってもよく、係る場合、認証部により、例えば自動車のナンバーに基づくマッチングが行われてもよい。
また、上記実施形態における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、上記実施形態の処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
また、上記実施形態によれば、CPU1001、ROM1002、及びRAM1003などのハードウェアを、上述した監視対象用端末1(1−1,1−2、1−3)、監視装置3(3−1、3−3)、配信先端末4の各構成と同様の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも提供可能である。また、該コンピュータプログラムが記録された記録媒体も提供される。