JP2017157607A - 静電チャック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電チャック部の面内温度均一性に優れる静電チャック装置を提供する。【解決手段】一主面を、板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部2と、静電チャック部2の載置面と反対側の面に間隙を有するパターンで接着された加熱部材50と、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材62と、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層40と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材64と、静電チャック部2を冷却する機能を有するベース部10とをこの順に備える静電チャック装置100。【選択図】図1

Description

本発明は、静電チャック装置に関する。
半導体製造プロセスにおいては、ウエハの加工に当たり、試料台に簡単にウエハを取付け、固定するとともに、このウエハを所望の温度に維持する装置として静電チャック装置が使用されている。
半導体素子の高集積化や高性能化に伴い、ウエハの加工の微細化が進んでおり、生産効率が高く、大面積の微細加工が可能なプラズマエッチング技術がよく用いられている。静電チャック装置に固定されたウエハにプラズマを照射すると、このウエハの表面温度が上昇する。そこで、この表面温度の上昇を抑えるために、静電チャック装置のベース部に水等の冷却媒体を循環させてウエハを下側から冷却しているが、この際、プラズマによるウエハへの入熱のウエハ面内のばらつきにより、ウエハの面内で温度分布が発生する。例えば、ウエハの中心部では温度が高くなり、縁辺部では温度が低くなる傾向にある。
例えば、ヘリウム等のガスを用いたウエハの面内温度分布を調整する静電チャック装置やウエハと静電チャックの吸着面との間の接触面積を調整した静電チャック装置では、局所的な温度制御を行うことが難しかった。
また、従来のヒータ機能付き静電チャック装置では、ヒータの急速な昇降温により、静電チャック部やベース部やヒータ自体にクラックが発生することがあり、静電チャック装置としての耐久性が不十分であるという問題点があった。
かかる問題を解決するために、例えば、プラズマエッチング装置等の処理装置に適用した場合に、シリコンウエハ等の板状試料の面内に局所的な温度分布を生じさせることにより、プラズマ印加に伴うシリコンウエハ等の板状試料の局所的な温度制御を行うことが可能な静電チャック装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−159684号公報
ウエハの面内温度のばらつきをより一層抑制するために、ウエハを固定する静電チャック部の面内温度均一性をより高めることが求められている。
本発明は、静電チャック部の面内温度均一性に優れる静電チャック装置を提供することを目的とし該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 一主面を、板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部と、前記静電チャック部の前記載置面と反対側の面に間隙を有するパターンで接着された加熱部材と、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材と、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材と、前記静電チャック部を冷却する機能を有するベース部とをこの順に備える静電チャック装置である。
<2> 前記熱伝導層が、金属、金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1つを含有する<1>に記載の静電チャック装置である。
<3> 前記第1のシート材及び前記第2のシート材の厚さが、各々独立に、20μm〜500μmである<1>又は<2>に記載の静電チャック装置である。
<4> 前記第1のシート材及び前記第2のシート材が、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1つを含有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の静電チャック装置である。
<5> 前記第1のシート材のショア硬度(A)が、10〜70である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の静電チャック装置である。
本発明によれば、静電チャック部の面内温度均一性に優れる静電チャック装置が提供される。
本発明の静電チャック装置の積層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の静電チャック装置の積層構成の他の一例を示す断面模式図である。
<静電チャック装置>
本発明の静電チャック装置は、一主面を、板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部と、前記静電チャック部の前記載置面と反対側の面に間隙を有するパターンで接着された加熱部材と、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材と、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材と、前記静電チャック部を冷却する機能を有するベース部とをこの順に備える。
まず、本発明の静電チャック装置における静電チャック部、加熱部材、シート材、及びベース部の積層構成について説明する。
図1は、本発明の静電チャック装置の積層構成の一例を示す断面模式図である。
静電チャック装置100は、ウエハを固定する静電チャック部2と、静電チャック部2を加熱する加熱部材50と、静電チャック部2を冷却する機能を有する厚みのある円板状のベース部10とを有する。静電チャック部2とベース部10との間には、静電チャック部2側から順に、加熱部材50、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材62、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層40及び体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材64を有する。
図2は、本発明の静電チャック装置の積層構成の他の一例を示す断面模式図である。
静電チャック装置102は、ウエハを固定する静電チャック部2と、静電チャック部2を加熱する加熱部材50と、静電チャック部2を冷却する機能を有する厚みのある円板状のベース部10とを有する。静電チャック部2とベース部10との間には、静電チャック部2側から順に、加熱部材50、高分子材料層30、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材66、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層40及び体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材64を有する。
加熱部材50は、静電チャック部2の載置面と反対側の面(加熱部材設置面という)上に位置し、静電チャック部2に、間隙を有するパターンで接着されている。加熱部材50は、例えば、幅の狭い帯状の金属材料を蛇行させた1つ又は複数のパターンにより構成することができる。図1及び図2には、4つの加熱部材50が示されている。これらの加熱部材50は、通常、1つのパターンで連なっているが、複数の、同一種又は異種のパターンにより構成されていてもよい。例えば、直径の異なる複数の輪状の加熱部材を同心円状に配置してもよい。
加熱部材50は、図1及び図2に図示しない接着剤、粘着剤等によって加熱部材設置面に固定することができる。
熱伝導層40は、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材62又は体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材66と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材64との間に介在する。通常、加熱部材50から発される熱は、静電チャック装置100の上下方向に伝達し、静電チャック装置100の横方向に拡散しにくい。
なお、静電チャック装置100の上下方向とは、静電チャック部2からベース部10に垂線を下ろしたときの、垂線と平行する方向をいい、静電チャック装置100の横方向とは、当該垂線と直交する方向をいう。
熱伝導層40は、加熱部材50から発される熱を、静電チャック装置100の横方向に拡散する機能を有する。熱伝導層40は、金属、金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。具体的には、金属粒子、金属酸化物粒子、及び金属窒化物粒子等の1種又は2種以上を、バインダー樹脂に分散させたシートを用いてもよいし、金属板を用いてもよい。
図1及び図2のシート材62、シート材64及びシート材66は、いずれも体積抵抗率が1Ω・cm以上の絶縁層である。熱伝導率が2〜20W/(m・K)である物質は、一般に、電気伝導度も高いため、静電チャック部2とベース部10との導通(ショート不良)を回避すべく、熱伝導層40は絶縁層であるシート材62又は66とシート材64との間に位置する。図1のシート材62は、ショア硬度(A)が、10〜70である。
体積抵抗率が1Ω・cm以上のシート材を、以下、「絶縁性シート材」と称する。
絶縁性シート材は、柔らかくてもよいし、硬くてもよいが、シート材62のように、ショア硬度(A)が10〜70となる硬度の低い材質のシート材を用いることで、静電チャック部2の加熱部材設置面に加熱部材50がある場所は、加熱部材50上又は加熱部材50の側面に隣接し、加熱部材50がない場所は静電チャック部2に隣接している。
静電チャック装置100の製造方法の詳細は後述するが、静電チャック装置100は、加熱部材50を固定した静電チャック部2の加熱部材設置面側に、シート材62と、熱伝導層40と、シート材64とを積層して、静電チャック部2とベース部10とを挟み、加圧することで、製造することができる。このとき、シート材62として、硬度が低い材質のシートを使用することで、シート材62が加熱部材50同士の間隙を埋設し、また、加熱部材50を静電チャック部2に固定化することができる。
図1及び図2では、熱伝導層は1層であり、絶縁性シート材は2層であるが、熱伝導層は2層以上あってもよく、また、絶縁性シート材も3層以上あってもよい。ただし、静電チャック部2とベース部10との導通を回避する観点から、熱伝導層と絶縁性シート材との積層体の最外層は、絶縁性シート材であることが好ましい。
具体的には、熱伝導層をA1、A2、・・・、絶縁性シート材をB1(第1のシート材)、B2(第2のシート材)、・・・としたとき、例えば、
(1)B1/A1/B2、
(2)B1/A1/B3/A2/B2、
(3)B1/A1/A2/B2
等の層構成が挙げられる。
(2)及び(3)において、2つの熱伝導層のうち、A1は金属板、A2は、熱伝導性粒子を含むシート等のように、熱伝導層の組成を変えてもよいし、金属板又は熱伝導性粒子を含むシートに揃えて、同じ組成にしてもよい。
複数の絶縁性シートの体積抵抗率は、同じで合ってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図1のように、加熱部材と加熱部材設置面とによって形成される凹凸をシート材で補う場合は、加熱部材と熱伝導層との動通を回避すべく、第1のシート材を厚くして、体積抵抗率を高くすることが考えられる。また、図2のように、加熱部材と加熱部材設置面とによって形成される凹凸を高分子材料層で補い、高分子材料層が絶縁性を有する場合は、第1のシート材を薄くして、体積抵抗率を小さくすることができる。
図2のように、加熱部材50の間隙を高分子材料層30で埋設することもできる。
図2の高分子材料層30は、静電チャック部2の加熱部材設置面に加熱部材50がある場所は、加熱部材50上又は加熱部材50の側面に隣接し、加熱部材50がない場所は静電チャック部2に隣接している。図2では、加熱部材50とシート材66との間にも高分子材料層30が介在し、シート材66は加熱部材50接触していないが、この構成は本発明の一実施形態に過ぎない。例えば、静電チャック部2の加熱部材設置面から加熱部材50のベース部10側表面までの距離と、静電チャック部2の加熱部材設置面から高分子材料層30のベース部10側表面までの距離を揃えて、シート材66が加熱部材50にも高分子材料層30にも接触する構成にしてもよい。
加熱部材50の間隙、又は間隙と上部を高分子材料層30で埋設した場合は、硬い第1のシート66として、硬い(ショア硬度が70超)絶縁性シート材を用いることもできるし、柔らかい(ショア硬度が70以下)絶縁性シート材を用いることもでき、材質の選択の範囲が広がる。
本発明の静電チャック装置の積層構成は図1〜図2に示す構成に限られない。
以下、図面の符号を省略して説明する。
〔熱伝導層〕
熱伝導層は、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である。
金属塊などの熱伝導率の高い物質は、50W/(m・K)以上の熱伝導率を有しているが、熱伝導層に混合させた際の熱伝導率は、2W/(m・K)以上であることが好ましく、10W/(m・K)以上であることがより好ましい。熱伝導層の熱伝導率は、真空理工社製熱定数測定装置TC−7000型により測定することができる。
熱伝導層は、2〜20W/(m・K)の熱伝導率を達成する観点から、熱伝導性材料として、金属、金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
金属としては、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛、錫等が挙げられ、これらの合金であってもよい。金属は、以上の中の1つ又は2つ以上を用いることができる。
金属酸化物としては、上記金属の酸化物の1つ又は2つ以上を用いることができ、中でも、酸化アルミニウムが好ましい。
金属窒化物としては、上記金属の窒化物の1つ又は2つ以上を用いることができ、中でも、窒化アルミニウムが好ましい。
金属、金属酸化物及び金属窒化物の中でも、金属酸化物及び金属窒化物が好ましく、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムがより好ましく、窒化アルミニウムが更に好ましい。
熱伝導層は、熱伝導性材料として金属を用いる場合は、金属板、金属箔等を用いることができる。
また、金属、金属酸化物及び金属窒化物を、それぞれ粒子状にして、金属粒子、金属酸化物粒子、及び金属窒化物粒子にし、バインダー樹脂に分散させたシートを熱伝導層としてもよい。より具体的には、アクリル系樹脂等のバインダー樹脂を有機溶剤に溶解し、金属粒子、金属酸化物粒子、及び金属窒化物粒子のいずれか1つ以上の熱伝導性粒子をバインダー樹脂溶液に分散させて、熱伝導性粒子分散液を調製した後、熱伝導性粒子分散液を絶縁性シート材表面に塗布等し、乾燥することで、熱伝導性材料の粒子を含む樹脂シートとしての熱伝導層が得られる。
熱伝導性粒子分散液の被付与面への付与方法としては、塗布に限らず、スクリーン印刷による付与、スピンコートによる塗布の他、スプレー、ハケ、バーコーターによる塗布、インクジェット法による吐出等が挙げられる。熱伝導性粒子分散液の付与後は、熱伝導性粒子分散液の付与面を加熱して溶媒を飛ばすことが好ましい。熱伝導性粒子分散液付与面の加熱は、熱伝導層の厚さ、熱伝導性粒子分散液中の金属粒子、金属酸化物粒子、及び金属窒化物粒子、バインダー樹脂及び溶媒の濃度、種類等により異なるが、80℃〜120℃で、30秒〜5分間の条件で行うことが好ましい。
熱伝導層の層厚は、特に制限されず、熱伝導率が2〜20W/(m・K)となる範囲で調整することができる。熱伝導層として金属板又は金属箔を用いるとき、金属板及び金属箔は熱伝導性が高いことから、層厚を薄くすることができ、例えば、5〜20μmとすることができる。
熱伝導層として熱伝導性粒子を含む樹脂シートを用いるときは、例えば、10〜100μmとすることができる。
〔絶縁性シート材〕
静電チャック装置は、2つの絶縁性シート材を有する。具体的には、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材とを有する。第1のシート材と第2のシート材とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
絶縁性シート材は、熱伝導層の存在による静電チャック部とベース部との導通(ショート不良)を予防するために、熱伝導層を挟みこむように、静電チャック装置に備えられている。体積抵抗率が1000Ω・m以上あれば、一般に、電気絶縁性があると認められる。静電チャック装置が少なくとも体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材を有することで、静電チャック部とベース部との導通を抑制することができるため、第2のシート材は、第1のシート材よりも小さな体積抵抗率の材質とすることができる。静電チャック部とベース部との導通の回避をより確実なものとするために、第2のシート材の体積抵抗率を1000Ω・cm以上としてもよい。絶縁性シート材の体積抵抗率は、第1のシート材、第2のシート材共に、1000Ω・cm以上であることが好ましく、10000Ω・cm以上であることがより好ましい。絶縁性シート材の体積抵抗率は大きいほどよく、上限は特にないが、1×1017Ω・cmより大きく、静電チャック装置用に用い得る部材は、一般に入手することができない。
絶縁性シート材の体積抵抗率は、三菱化学アナリテック社のハイレスタ−UX MCP−HT800により測定することができる。
絶縁性シート材は、第1のシート材については体積抵抗率が1000Ω・cm以上、第2のシート材については体積抵抗率が1Ω・cm以上となるシート材であれば特に制限されないが、絶縁性シート材は、静電チャック部とベース部との温度差により生じる応力を緩和する部材として機能することが好ましい。かかる観点から、絶縁性シート材は、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーからなる群より選択されるいずれかを含有することが好ましい。
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサンを主成分としたもので、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、ポリジフェニルシロキサン系に分けられる。一部をビニル基、アルコキシ基等で変性したものもある。具体例として、KEシリーズ〔信越化学工業(株)製〕、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ〔以上、東レダウコーニングシリコーン(株)製〕などが挙げられる。
フッ素系エラストマーとしては、ハードセグメントがフッ素系樹脂であり、ソフトセグメントがフッ素系ゴムである構造を有するエラストマー、シリコーン系エラストマーに含まれる炭化水素基の一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換されたエラストマー等が挙げられる。
絶縁性シート材は、シリコーン系エラストマー、又はフッ素系エラストマーを、それぞれ単独で含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよいし、1種以上のシリコーン系エラストマーと1種以上のフッ素系エラストマーの両方を含んでいてもよい。
絶縁性シート材の厚さは、より高い絶縁性を発現する観点から、第1のシート材及び第2のシート材共に、20μm〜500μmであることが好ましい。絶縁性シート材の厚さが20μm以上であることで、絶縁性が高くなると共に、静電チャック部とベース部との温度差により生じる応力を緩和し易く、500μm以下であることで、静電チャック部の面内温度均一性の低下を抑制することができる。
絶縁性シート材のショア硬度(A)(JIS Z 2246:2000)は、静電チャック部とベース部との温度差により生じる応力を緩和する観点から、20〜80であることが好ましい。
更に、第1のシート材のショア硬度(A)が、10〜70であると、第1のシート材によって加熱部材の間隙を埋設することができ、静電チャック装置の構成材料を少なくすることができる。
絶縁性シート材のショア硬度(A)は、30〜80であることがより好ましく、30〜70であることが更に好ましい。
特に、第1のシート材のショア硬度(A)は、15〜65であることがより好ましく、20〜60であることが更に好ましい。ショア硬度(A)が70以下であることで、絶縁性シート材は、表面凹凸に追従し易い。ショア硬度(A)が10未満である絶縁性シート材は入手することができない。
〔静電チャック部〕
静電チャック部は、一主面を、板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵する。
より具体的には、例えば、上面が半導体ウエハ等の板状試料を載置する載置面とされた載置板と、この載置板と一体化され該載置板を支持する支持板と、これら載置板と支持板との間に設けられた静電吸着用内部電極及び静電吸着用内部電極の周囲を絶縁する絶縁材層(チャック内絶縁材層)と、支持板を貫通するようにして設けられ静電吸着用内部電極に直流電圧を印加する給電用端子とにより構成されていることが好ましい。
静電チャック部において、第1の接着層と隣接する面は、静電チャック部の支持体の表面である。
載置板及び支持板は、重ね合わせた面の形状を同じくする円板状のもので、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)複合焼結体、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、酸化イットリウム(Y)焼結体等の機械的な強度を有し、腐食性ガス及びそのプラズマに対する耐久性を有する絶縁性のセラミックス焼結体からなるものであることが好ましい。
載置板の載置面には、直径が板状試料の厚みより小さい突起部が複数個形成され、これらの突起部が板状試料を支える構成であることが好ましい。
静電チャック部の厚さ(載置板及び支持板の合計の厚み)は0.7mm〜5.0mmが好ましい。静電チャック部の厚さが0.7mm以上であることで、静電チャック部の機械的強度を確保することができる。静電チャック部の厚さが5.0mm以下であることで、静電チャック装置の横方向の熱移動が増加しにくく、所定の面内温度分布が得られ易くなるため、熱容量が増加しにくく、熱応答性が劣化しにくい。
静電吸着用内部電極は、電荷を発生させて静電吸着力で板状試料を固定するための静電チャック用電極として用いられるもので、その用途によって、その形状や、大きさが適宜調整される。
静電吸着用内部電極は、酸化アルミニウム−炭化タンタル(Al−Ta)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−タングステン(Al−W)導電性複合焼結体、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タングステン(AlN−W)導電性複合焼結体、窒化アルミニウム−タンタル(AlN−Ta)導電性複合焼結体等の導電性セラミックス、又は、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属により形成されている。
静電吸着用内部電極の厚さは、特に限定されるものではないが、0.1μm〜100μmが好ましく、5μm〜20μmがより好ましい。静電吸着用内部電極の厚さが0.1μm以上であることで、充分な導電性を確保することができ、厚さが100μm以下であることで、載置板及び支持板と、静電吸着用内部電極との間の熱膨張率差が大きくなりにくく、載置板と支持板との接合界面にクラックが入りにくい。
このような厚さの静電吸着用内部電極は、スパッタ法、蒸着法等の成膜法、又はスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
チャック内絶縁材層は、静電吸着用内部電極を囲繞して腐食性ガス及びそのプラズマから静電吸着用内部電極を保護するとともに、載置板と支持板との境界部、すなわち静電吸着用内部電極以外の外周部領域を接合一体化するものである。チャック内絶縁材層は、載置板及び支持板を構成する材料と同一組成または主成分が同一の絶縁材料により構成されていることが好ましい。
給電用端子は、静電吸着用内部電極に直流電圧を印加するために設けられた棒状のものである。給電用端子の材料としては、耐熱性に優れた導電性材料であれば特に制限されるものではないが、熱膨張係数が静電吸着用内部電極及び支持板の熱膨張係数に近似したものが好ましく、例えば、静電吸着用内部電極を構成している導電性セラミックス、又は、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、コバール合金等の金属材料が好適に用いられる。
給電用端子は、絶縁性を有する碍子によりベース部に対して絶縁されていることが好ましい。
また、給電用端子は支持板に接合一体化され、さらに、載置板と支持板とは、静電吸着用内部電極及びチャック内絶縁材層により接合一体化されて静電チャック部を構成していることが好ましい。
〔加熱部材〕
加熱部材は、静電チャック部の載置面と反対側の面に位置し、シリコーン樹脂シート等の接着剤等を介して、静電チャック部に、間隙を有するパターンで接着されている。
加熱部材の形態は特に制限されないが、相互に独立した2つ以上のヒーターパターンからなるヒータエレメントであることが好ましい。
ヒータエレメントは、例えば、静電チャック部の載置面と反対側の面(加熱部材設置面)の中心部に形成された内ヒータと、内ヒータの周縁部外方に環状に形成された外ヒータとの、相互に独立した2つのヒータにより構成することができる。内ヒータ及び外ヒータは、それぞれが、幅の狭い帯状の金属材料を蛇行させたパターンを、加熱部材設置面の中心軸を中心として、この軸の回りに繰り返し配置し、かつ隣接するパターン同士を接続することで、1つの連続した帯状のヒーターパターンとすることができる。
内ヒータ及び外ヒータをそれぞれ独立に制御することにより、静電チャック部の載置板の載置面に静電吸着により固定されている板状試料の面内温度分布を精度良く制御することができる。
ヒータエレメントは、厚みが0.2mm以下、好ましくは0.1mm以下の一定の厚みを有する非磁性金属薄板、例えば、チタン(Ti)薄板、タングステン(W)薄板、モリブデン(Mo)薄板等をフォトリソグラフィー法により、所望のヒーターパターンにエッチング加工することで形成されることが好ましい。
ヒータエレメントの厚みが0.2mm以下であることで、ヒータエレメントのパターン形状が板状試料の温度分布として反映されにくく、板状試料の面内温度を所望の温度パターンに維持し易くなる。
また、ヒータエレメントを非磁性金属で形成すると、静電チャック装置を高周波雰囲気中で用いてもヒータエレメントが高周波により自己発熱しにくく、板状試料の面内温度を所望の一定温度又は一定の温度パターンに維持し易くなる。
また、一定の厚みの非磁性金属薄板を用いてヒータエレメントを形成すると、ヒータエレメントの厚みが加熱面全域で一定となり、さらに発熱量も加熱面全域で一定となるので、静電チャック部の載置面における温度分布を均一化することができる。
〔高分子材料層〕
静電チャック装置は、加熱部材の間隙を埋設する高分子材料層を有していてもよい。
静電チャック部の載置面と反対側の面(加熱部材設置面)の内、加熱部材が設けられていない面上に位置する高分子材料層の静電チャック装置の積層方向における層厚は、少なくとも、加熱部材設置面から加熱部材の第1のシート材側の表面までの最短距離と同じ厚さである。高分子材料層により、加熱部材表面(加熱部材の第1のシート材側表面)を被覆する場合、加熱部材表面上の高分子材料層の層厚(加熱部材設置面表面から加熱部材の第1のシート材側表面までの距離)は、静電チャック部の面内温度均一性の観点から、1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜25μmであることがより好ましい。
高分子材料層を構成し得る高分子材料としては、ポリイミド樹脂等の耐熱樹脂、シリコーン接着剤(シリコーンゴム)、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、RTV(Room Temperature Vulcanizing)ゴム、及びフッ素シリコーンゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
以上の中でも、耐熱性の観点から、ポリイミド樹脂等の耐熱樹脂、シリコーン接着剤、フッ素樹脂、及びフッ素シリコーンゴムが好ましく、ポリイミド樹脂、シリコーン接着剤、及びフッ素樹脂がより好ましい。また、シリコーン接着剤(シリコーンゴム)は液状であることが好ましい。
〔ベース部〕
ベース部は、静電チャック部を冷却する機能を有し、加熱部材により加熱された静電チャック部を所望の温度に調整するための部材であり、静電チャック部に固定された板状試料のエッチング等により生じた発熱を下げる機能も有する。
ベース部の形状は特に制限されないが、通常、厚みのある円板状である。ベース部は、その内部に水を循環させる流路が形成された水冷ベース等であることが好ましい。
ベース部を構成する材料は、熱伝導性、導電性、及び加工性に優れた金属、これらの金属を含む複合材、並びに、セラミックスが挙げられる。具体的には、例えば、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅(Cu)、銅合金、ステンレス鋼(SUS)等が好適に用いられる。ベース部の少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理が施されているか、アルミナ等の絶縁膜が成膜されていることが好ましい。
<静電チャック装置の製造方法>
静電チャック装置の製造方法は、本発明の静電チャック装置の積層構成を形成し得る方法であれば、特に制限されず、静電チャック部、加熱部材、第1のシート材、熱伝導層、第2のシート材、ベース部をこの順に積層して、静電チャック部とベース部とを、ホットプレス等により加圧して挟んでもよいし、各層間に接着剤を介在させて、互いに隣接する層を接着してもよい。接着剤を用いる場合は、接着剤シートを用いてもよいし、液状の接着剤を用いてもよいが、接着層の層厚を小さくする観点から、接着剤と、接着剤を溶解する溶媒とを含む塗布液(以下、接着用溶液と称する)を用いることが好ましい。
静電チャック装置の製造にあたっては、予め、静電チャック部の加熱部材設置面上に接着剤又は粘着剤で加熱部材を固定しておくことが好ましい。
また、図2に示される静電チャック装置のように、静電チャック部及び加熱部材による凹部に高分子材料を埋設し、高分子材料層及び加熱部材の高さを揃えるか、凹部及び加熱部材を高分子材料で被覆し、高分子材料層の表面を平坦にしておくことが好ましい。
加熱部材は、1つ又は複数の個別の加熱部材を、間隔を空けつつ、加熱部材設置面上にそれぞれ固定してもよいし、加熱部材設置面上に膜状又は板状の加熱部材を貼り付けてから、加熱部材の一部をエッチング等により除去して加熱部材設置面を露出させ、間隙を形成してもよい。
絶縁性シート材は、片面又は両面に予め接着用溶液を塗布しておくことが好ましい。
熱伝導層として金属板又は金属箔を用いる場合は、金属板の片面又は両面に予め接着用溶液を塗布しておくことが好ましい。
加熱部材付き静電チャック部とベース部とで、接着用溶液を塗布済みの絶縁性シート材、接着用溶液を塗布済みの金属板又は金属箔、及び接着用溶液を塗布済みの絶縁性シート材をこの順に積層した積層体を挟み、ホットプレス等により加圧することで、静電チャック装置が得られる。
熱伝導層として、金属粒子、金属酸化物粒子、及び金属窒化物粒子を含む樹脂シートを用いる場合は、既述の熱伝導性粒子分散液を絶縁性シート材表面に塗布すればよい。この場合は、例えば、次のように処方することができる。第1のシート材となる絶縁性シート材の表面のうち、加熱部材側に接着用溶液を塗布し、反対の面に熱伝導性粒子分散液を塗布する。第2のシート材となる絶縁性シート材の表面のうち、ベース部側に接着用溶液を塗布し、反対の面を、第1のシート材となる絶縁性シート材の熱伝導性粒子分散液塗布面を隣接させて、絶縁性シート材と熱伝導層との積層体を作成する。その後、加熱部材付き静電チャック部とベース部とで、得られた積層体を挟み、ホットプレス等により加圧することで、静電チャック装置が得られる。
接着用溶液の接着剤は、公知の接着剤を用いることができ、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系等の種々の接着剤を用いることができる。接着剤は市販品でもよく、例えば、シリコーン接着剤(シリコーン粘着剤を含む)として、東レ・ダウコーニング社製、シリコーン粘着剤(例えば、SD 4580 PSA、SD 4584 PSA、SD 4585 PSA、SD 4587 L PSA、SD 4560 PSA等)、モメンティブ社製、シリコーン接着剤(例えば、XE13−B3208、TSE3221、TSE3212S、TSE3261−G、TSE3280−G、TSE3281−G、TSE3221、TSE326、TSE326M、TSE325等)、信越シリコーン社製、シリコーン接着剤(例えば、KE−1820、KE−1823、KE−1825、KE−1830、KE−1833等)等が挙げられる。
接着用溶液は、接着剤を溶解する有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、接着剤を溶解し得るものであれば特に制限されず、例えば、アルコール及びケトンからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
接着用溶液は、薄膜での均一塗布の観点から、接着剤の濃度が、0.05質量%〜5質量%となる範囲で調製することが好ましい。接着用溶液中の接着剤の濃度は、0.1質量%〜1質量%であることがより好ましい。
更に、接着用溶液は、接着剤の加水分解を促進するために触媒を含でいてもよい。触媒としては、塩酸、硝酸、アンモニア等が挙げられ、中でも、塩酸、及びアンモニアが好ましい。
静電チャック装置内に触媒が残存することを抑制する観点から、接着用溶液は、触媒を含まないことが好ましく、接着剤として、反応性官能基がエポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、又はメルカプト基である接着剤を含むことが好ましい。
また、高分子材料層の形成は、高分子材料と高分子材料を溶解する溶媒とを含む高分子材料層用溶液を用いることが好ましい。
高分子材料を溶解する溶媒としては、高分子材料の種類にもよるが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、例えば、高分子材料として、ポリイミド樹脂を用いる場合、溶媒はメチルエチルケトンを用いることが好ましい。
高分子材料層用溶液の高分子材料の濃度は、用いる高分子材料の種類、溶液の塗布方法等にもよるが、例えば、スピンコートによる塗布の場合は、均一塗布の観点から、0.05質量%〜5質量%とすることが好ましく、0.1質量%〜1質量%であることがより好ましい。また、塗布方法がスクリーン印刷である場合は、高分子材料層用溶液の高分子材料の濃度は、印刷容易性の観点から、30質量%〜70質量%とすることが好ましく、40質量%〜60質量%であることがより好ましい。
接着用溶液及び高分子材料層用溶液の、被付与面への付与方法としては、スクリーン印刷による付与、スピンコートによる塗布の他、スプレー、ハケ、バーコーターによる塗布、インクジェット法による吐出等が挙げられる。接着用溶液及び高分子材料層用溶液の付与後は、溶液の付与面を加熱して溶媒を飛ばすことが好ましい。溶液付与面の加熱は、接着剤層ないし高分子材料層の厚さ、溶液中の接着剤ないし高分子材料の濃度、種類等により異なるが、80℃〜120℃で、30秒〜5分間の条件で行うことが好ましい。
また、静電チャック部は次のように製造することが好ましい。
まず、酸化アルミニウム−炭化ケイ素(Al−SiC)複合焼結体により板状の載置板及び支持板を作製する。この場合、炭化ケイ素粉末及び酸化アルミニウム粉末を含む混合粉末を所望の形状に成形し、その後、例えば1600℃〜2000℃の温度、非酸化性雰囲気、好ましくは不活性雰囲気下にて所定時間、焼成することにより、載置板及び支持板を得ることができる。
次いで、支持板に、給電用端子を嵌め込み保持するための固定孔を複数個形成する。
給電用端子を、支持板の固定孔に密着固定し得る大きさ、形状となるように作製する。この給電用端子の作製方法としては、例えば、給電用端子を導電性複合焼結体とした場合、導電性セラミックス粉末を、所望の形状に成形して加圧焼成する方法等が挙げられる。
このとき、給電用端子に用いられる導電性セラミックス粉末としては、静電吸着用内部電極と同様の材質からなる導電性セラミックス粉末が好ましい。
また、給電用端子を金属とした場合、高融点金属を用い、研削法、粉末治金等の金属加工法等により形成する方法等が挙げられる。
次いで、給電用端子が嵌め込まれた支持板の表面の所定領域に、給電用端子に接触するように、上記の導電性セラミックス粉末等の導電材料をテルピネオールとエチルセルロース等とを含む有機溶媒に分散した静電吸着用内部電極形成用塗布液を塗布し、乾燥して、静電吸着用内部電極形成層とする。
この塗布法としては、均一な厚さに塗布する必要があることから、スクリーン印刷法等を用いることが望ましい。また、他の方法としては、蒸着法あるいはスパッタリング法により上記の高融点金属の薄膜を成膜する方法、上記の導電性セラミックスあるいは高融点金属からなる薄板を配設して静電吸着用内部電極形成層とする方法等がある。
また、支持板上の静電吸着用内部電極形成層を形成した領域以外の領域に、絶縁性、耐腐食性、耐プラズマ性を向上させるために、載置板及び支持板と同一組成または主成分が同一の粉末材料を含むチャック内絶縁材層を形成する。このチャック内絶縁材層は、例えば、載置板及び支持板と同一組成または主成分が同一の絶縁材料粉末をテレピノールとエチルセルロース等とを含む有機溶媒に分散した塗布液を、上記所定領域にスクリーン印刷等で塗布し、乾燥することにより形成することができる。
次いで、支持板上の静電吸着用内部電極形成層及び絶縁材の上に載置板を重ね合わせ、次いで、これらを高温、高圧下にてホットプレスして一体化する。このホットプレスにおける雰囲気は、真空、あるいはAr、He、N等の不活性雰囲気が好ましい。また、圧力は5〜10MPaが好ましく、温度は1600℃〜1850℃が好ましい。
このホットプレスにより、静電吸着用内部電極形成層は焼成されて導電性複合焼結体からなる静電吸着用内部電極となる。同時に、支持板及び載置板は、チャック内絶縁材層を介して接合一体化される。
また、給電用端子は、高温、高圧下でのホットプレスで再焼成され、支持板の固定孔に密着固定される。
そして、これら接合体の上下面、外周およびガス穴等を機械加工し、静電チャック部とする。
2 静電チャック部
10 ベース部
40 熱伝導層
50 加熱部材
62 第1のシート材
64 第2のシート材
100 静電チャック装置

Claims (5)

  1. 一主面を、板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した静電チャック部と、前記静電チャック部の前記載置面と反対側の面に間隙を有するパターンで接着された加熱部材と、体積抵抗率が1000Ω・cm以上の第1のシート材と、熱伝導率が2〜20W/(m・K)である熱伝導層と、体積抵抗率が1Ω・cm以上の第2のシート材と、前記静電チャック部を冷却する機能を有するベース部とをこの順に備える静電チャック装置。
  2. 前記熱伝導層が、金属、金属酸化物及び金属窒化物からなる群より選択される少なくとも1つを含有する請求項1に記載の静電チャック装置。
  3. 前記第1のシート材及び前記第2のシート材の厚さが、各々独立に、20μm〜500μmである請求項1又は請求項2に記載の静電チャック装置。
  4. 前記第1のシート材及び前記第2のシート材が、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーからなる群より選択される少なくとも1つを含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
  5. 前記第1のシート材のショア硬度(A)が、10〜70である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電チャック装置。
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