JP2017157398A - アニオン伝導性膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 デンドライトを発生する亜鉛種等を活物質とする電池の更なる長寿命化を可能とする材料を提供する。【解決手段】 本発明は、バインダーポリマー、層状複水酸化物、及び、アニオン性界面活性剤成分を含むアニオン伝導性膜である。バインダーポリマーは、共役ジエン系ポリマー及び/又は(メタ)アクリル系ポリマーであることが好ましい。本発明はまた、本発明のアニオン伝導性膜を含んで構成されるセパレータでもある。本発明は更に、本発明のセパレータを用いて構成される電池でもある。【選択図】なし

Description

本発明は、アニオン伝導性膜に関する。より詳しくは、電池のセパレータ等として好適に用いることができるアニオン伝導性膜に関する。
近年、小型携帯機器から自動車等大型用途まで多くの産業において、電池の重要性が急速に高まっており、主にその容量、エネルギー密度や二次電池化の面において優位性を持つ新たな電池系が種々開発・改良されている。例えば、亜鉛種を負極活物質とする亜鉛負極が、電池の普及とともに古くから研究されてきており、特に、空気・亜鉛一次電池、マンガン・亜鉛一次電池、銀・亜鉛一次電池は実用化され、広く世界で使用されている。
しかしながら、蓄電池の負極に亜鉛を用いると、充電時に負極表面で形成されるデンドライトによって正極と負極とが短絡し、電池が充放電できなくなるという課題があった。
このような課題に対し、多くの技術開発がなされており、例えば、正極と、亜鉛及び亜鉛化合物の少なくとも一方を負極活物質として含む負極と、上記負極ないし負極活物質上に形成されたイオン交換樹脂を含む被膜と、アルカリ水溶液を電解液として含む電解質とを有し、上記負極、被膜及び電解質からなる群より選ばれる少なくとも1種のものが、亜鉛の標準電極電位より貴であり且つ亜鉛の融点より低い融点を有する金属、該金属を含む酸化物、該金属を含む塩、及び、該金属を含むイオンからなる群より選ばれる少なくとも1種のものを含むアルカリ二次電池が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、アルカリ水溶液中で実質的な溶解度を示さず、かつ電池の充放電反応の電位範囲で酸化・還元反応を伴わない水酸化物被覆された亜鉛アルカリ二次電池用の亜鉛負極活物質が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更に、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する化合物とを含むアニオン伝導性材料によってセパレータを形成し、デンドライトを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献3〜5参照。)。
なお、アニオン伝導性材料と同様の材料をリチウムイオン二次電池の負極用合剤として用いる技術が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
特開2013−54877号公報 特開平5−144431号公報 国際公開第2014/119665号 特開2015−15229号公報 特開2015−95286号公報 特開2013−134896号公報
上記のとおり、デンドライトを発生する亜鉛種等を活物質とする電池において正極と負極との短絡を抑制し、電池を長寿命化させるための種々の方法が開発されているが、電池の更なる長寿命化へのニーズがあり、更に電池の寿命を長くすることができる材料の開発が求められている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、デンドライトを発生する亜鉛種等を活物質とする電池の更なる長寿命化を可能とする材料を提供することを目的とする。
本発明者は、デンドライトを発生する亜鉛種等を活物質とする電池の更なる長寿命化を可能とする材料について種々検討し、バインダーポリマーと、層状複水酸化物とを含むアニオン伝導性膜を用いることに着目した。このようなアニオン伝導性膜では、層状複水酸化物の部分が水酸化物イオンを選択的に透過し、また、バインダーポリマーがデンドライトの成長を抑制する。更に、本発明者は、バインダーポリマーと、層状複水酸化物とを含み、更にアニオン性界面活性剤成分を含むアニオン伝導性膜を形成した。本発明者は、このアニオン伝導性膜が、セパレータとして望ましい電気化学的特性(充分な電子的絶縁性及びイオン伝導性)でありながら、機械的強度により優れたものとなり、電池のセパレータとして用いた場合に、デンドライトの成長による正極と負極との短絡をより充分に防止することができるため、電池を長寿命化させることができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。なお、このように機械的強度に優れるアニオン伝導性膜は、製造の観点(ロールへの巻き取り、電池等への組み込み)からも好適であると考えられる。
すなわち本発明は、バインダーポリマー、層状複水酸化物、及び、アニオン性界面活性剤成分を含むアニオン伝導性膜である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<アニオン伝導性膜>
本発明のアニオン伝導性膜は、バインダーポリマー、層状複水酸化物、及び、アニオン性界面活性剤成分を含む。本発明のアニオン伝導性膜が、機械的強度に優れるものとなる理由は、以下の通りであると考えられる。アニオン伝導性膜を形成するための材料(以下、このような成膜前の材料をアニオン伝導性膜形成材料とも言う。)中で、バインダーポリマーに対する分散性が低い層状複水酸化物同士が凝集している。層状複水酸化物同士が凝集すると、凝集を原因とした空隙が形成されるため、膜強度が低下すると考えられる。なお、この課題自体が、本発明者が新規に見出したものである。ここで、アニオン伝導性膜形成材料に対してアニオン性界面活性剤成分を添加すると、アニオン性界面活性剤成分が層状複水酸化物の表面に対して吸着し易く、層状複水酸化物の一次粒子間が静電反発して、層状複水酸化物が細かくなり、その凝集が抑制される。
以下、各成分について説明する。
(アニオン性界面活性剤成分)
上記アニオン性界面活性剤成分とは、その使用目的に関わらず、親水性基及び疎水性基を有し、界面活性剤として機能し得る成分であって、親水性基がアニオン性基である成分のすべてを意味する。すなわち、アニオン性界面活性剤成分は、その他の機能を併せ持つものであってもよい。上記使用目的としては、例えば分散剤、湿潤浸透剤等としての使用目的が挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤成分の親水性基としては、例えばカルボン酸(塩)基、カルボン酸エステル基、スルホン酸(塩)基、スルホン酸エステル基、リン酸(塩)基等が挙げられる。中でも、上記アニオン性界面活性剤成分は、スルホン酸(塩)基、スルホン酸エステル基、及び、リン酸(塩)基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。塩を形成する原子又は原子団としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属原子;アルミニウム等の3価の金属原子;アンモニウム等が挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤成分の疎水性基としては、例えばアルキル基、アリール基、ポリオキシアルキレン基、アルケニル基や、これらの基が2種以上結合したものが挙げられる。
上記疎水性基の炭素数は、例えば、3以上であることが好ましく、6以上であることがより好ましく、12以上であることが更に好ましい。また、該炭素数は、30以下であることが好ましく、24以下であることがより好ましい。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、ナトリウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネート等のアルキルスルホネート塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレートスルホネート塩、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩等のアリル基を有する硫酸エステルまたはその塩;アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレンの硫酸エステル塩;アリールスルホン酸−ホルマリン縮合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
なお、上記アニオン系界面活性剤としては、バインダーポリマーの原料として用いられるモノマー成分と反応してバインダーポリマーの一部を構成する反応性界面活性剤を用いることも可能である。すなわち、上記アニオン性界面活性剤成分は、通常の界面活性剤(バインダーポリマーとは別の化合物)であってもよく、バインダーポリマーの一部を構成する構成単位であってもよいが、バインダーポリマーとは別の化合物であることが好ましい。
中でも、上記アニオン性界面活性剤は、アルキルアリールスルホネート塩であることが好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸塩であることがより好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムであることが更に好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜100質量%中、上記アニオン性界面活性剤成分の含有量は、本発明の効果をより優れたものとする観点からは、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、更に好ましくは0.05質量%以上である。また、該含有量は、アニオン伝導性膜形成材料の混練の際の混練物の粘度を充分なものとし、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分をより均一な状態とする観点や、電池特性をより優れたものとする観点からは、好ましくは7質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下であり、更に好ましくは3質量%以下であり、特に好ましくは2質量%以下である。
なお、本明細書中、該アニオン性界面活性剤成分の含有量は、アニオン性界面活性剤(バインダーポリマーとは別の化合物)、及び、バインダーポリマー中の、該化合物由来の構成単位の合計量である。言い換えれば、該成分の含有量は、本発明のアニオン伝導性膜を得る際に用いられたすべてのアニオン性界面活性剤の合計量である。本発明のアニオン伝導性膜に含まれるアニオン性界面活性剤成分は、その添加のタイミングが特に限定されるものではなく、例えば、市販品であるバインダーポリマーの水分散体に乳化重合用乳化剤として微量含まれているものであってもよいが、該水分散体に対して更に添加されたものであってもよく、更に添加することによって該成分の含有量を上記好ましい範囲内とすることで、本発明の効果がより優れたものとなる。
(バインダーポリマー)
上記バインダーポリマーとしては、アニオン伝導性膜形成材料を増粘等させて材料中の成分同士を結着させることができるものであればよく、例えば、ポリエチレン等の脂肪族炭化水素基含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアクリルアミド等のアミド基含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;(メタ)アクリル系ポリマー;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー;アンモニウム塩含有ポリマー;ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性重合体;天然ゴム;共役ジエン系ポリマー;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー等が挙げられ、これらの中の1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。これらポリマーが官能基を有する場合には、それを主鎖及び/又は側鎖に有していても良く、架橋剤との結合部位として存在してもよい。また、上記バインダーポリマーは、有機架橋剤化合物により架橋されていてもよい。
上記バインダーポリマーは、重量平均分子量が、1万以上、650万以下であることが好ましい。重量平均分子量は、2万以上であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算された重量平均分子量として測定することができる。
装置:東ソー株式会社製 HCL−8220GPC
カラム:TSKgel Super AWM−H
溶離液(LiBr・HO、リン酸入りNMP):0.01mol/L
上記バインダーポリマーは、ガラス転移温度(Tg)が−40℃以上、50℃以下であることが好ましい。これは、バインダーポリマーのTgが−40℃未満の場合にはアニオン伝導性膜の機械的強度が不足し、デンドライト抑制効果が低くなるおそれがある。また、Tgが50℃を超える場合には、アニオン伝導性膜が硬脆くなりすぎ、電池を形成する際にアニオン伝導性膜にクラック等が入ることにより、電池の寿命性能を低下させるおそれがある。本発明のアニオン伝導性膜中に、層状複水酸化物の凝集を原因とした空隙が形成されることを抑制するためには、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分を充分に混練して層状複水酸化物の凝集を抑制し、層状複水酸化物と層状複水酸化物以外の成分を均一な状態にすることが好ましい。バインダーポリマーのTgが−40℃以上、50℃以下であると、層状複水酸化物との混練の際の混練物がより適度な流動性となり、層状複水酸化物の凝集物を解砕したりアニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分をより均一な状態としたりすることができる。バインダーポリマーのTgは、より好ましくは、−15℃以上、30℃以下であり、更に好ましくは、−10℃以上、20℃以下である。
バインダーポリマーのTgは、ポリマーをガラス板に塗布し、120℃で1時間乾燥することにより、ポリマーフィルムを形成し、得られたポリマーフィルムについて、示差走査熱量計(装置名:熱分析装置DSC3100S、BRVKER)を用いて測定されるものである。
上記バインダーポリマーは、中でも、共役ジエン系ポリマー及び/又は(メタ)アクリル系ポリマーであることが好ましい。
共役ジエン系ポリマー及び/又は(メタ)アクリル系ポリマーを含む本発明のアニオン伝導性膜は、亜鉛酸イオン等の金属イオンの浸透は抑制し、水酸化物イオンは透過する良好な水酸化物イオンの選択的透過性を有し、かつ、空隙の少ない膜であることから、この膜をセパレータとして用いることで、電池をより長寿命化させることができる。なお、共役ジエン系重合体を用いて形成されたアニオン伝導性膜はアルカリ耐性を有することから、アルカリ性の電解液と接触する電池のセパレータの材料として好適に用いることができる。また、共役ジエン系ポリマーは比較的疎水性であり、凝集しやすいところ、本発明のアニオン伝導性膜ではアニオン性界面活性剤の作用によりこの凝集を充分に解砕することが可能である。
<共役ジエン系ポリマー>
上記共役ジエン系ポリマーは、共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位を有するものである限り特に限定されないが、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位を有するものであることが好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
上記共役ジエン系モノマーは、脂肪族共役ジエン系モノマーであることが好ましい。脂肪族共役ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン等が挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン系モノマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記共役ジエン系ポリマーとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の単独重合体であってもよく、共重合体であってもよいが、例えば、共重合体であることが好ましく、中でも、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位を更に有する共重合体であることがより好ましい。
上記芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、p−エトキシスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−アセトキシスチレン、o−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらの中でも、アニオン伝導性膜の耐熱性や機械的強度を高くできる点でスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニルモノマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記共役ジエン系ポリマーは、脂肪族共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位と、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位との質量比が、例えば1/9以上であることが好ましく、2/8以上であることがより好ましく、3/7以上であることが更に好ましい。該質量比は、例えば9/1以下であることが好ましく、8/2以下であることがより好ましく、7/3以下であることが更に好ましい。
上記共役ジエン系ポリマーとしては、本発明の効果をより顕著なものとする観点から、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体が好ましく、スチレン−ブタジエン系共重合体がより好ましい。
上記共役ジエン系ポリマーは、脂肪族共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位以外の、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位を有していてもよい。
その他の不飽和モノマーとしては、例えば、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩等の酸基含有ビニルモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有ビニルモノマー、(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニルモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、イソプロピレングリコールジアクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート等の二官能ビニルモノマー;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコシシラン基含有ビニルモノマーを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記共役ジエン系ポリマー100質量%中、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位の質量割合は、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
<(メタ)アクリル系ポリマー>
上記(メタ)アクリル系ポリマーとは、本明細書中、共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位を有さず、(メタ)アクリル系モノマー由来の構成単位を有するポリマーを言う。上記(メタ)アクリル系モノマーとは、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基を有するモノマー又はそのようなモノマーの誘導体を言う。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸系ポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸系ポリマーとは、(メタ)アクリル酸系モノマー由来の構成単位を有するポリマーを言い、(メタ)アクリル酸系モノマーとは、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基を有し、かつ、カルボン酸基(−COOH基)、カルボン酸塩基(−COOM基)、又は、その酸無水物基(−C(=O)−O−C(=O)−基)をもつモノマーである。上記Mは、金属塩、アンモニウム塩、又は、有機アミン塩を表す。金属塩を形成する金属原子としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の1価の金属原子;カルシウム、マグネシウム等の2価の金属原子;アルミニウム、鉄等の3価の金属原子が好適である。有機アミン塩を形成する有機アミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンや、トリエチルアミンが好適である。上記(メタ)アクリル酸系モノマーは、(メタ)アクリル酸(塩)であることが好ましい。(メタ)アクリル酸(塩)は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有し、かつ、カルボン酸基(−COOH基)又はカルボン酸塩基(−COOM基)をもつモノマーである。
例えば、(メタ)アクリル酸系ポリマーを得るためのモノマー成分が、(メタ)アクリル酸系モノマー、及び、その他の共重合可能な不飽和モノマーを含んでなるものであることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸系ポリマー100質量%中、(メタ)アクリル酸系モノマー由来のモノマー単位の含有量が0.1〜5質量%、その他の共重合可能な不飽和モノマー由来のモノマー単位の含有量が95〜99.9質量%であることが好ましい。上記(メタ)アクリル酸系モノマー由来のモノマー単位の含有量が0.3質量%以上、その他の共重合可能な不飽和モノマー由来のモノマー単位の含有量が99.7質量%以下であることがより好ましく、(メタ)アクリル酸系モノマー由来のモノマー単位の含有量が0.5質量%以上、その他の共重合可能な不飽和モノマー由来のモノマー単位の含有量が99.5質量%以下であることが更に好ましい。このような範囲内とすることにより、モノマー成分が安定に共重合する。
その他の共重合可能な不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸系モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマー、芳香環を有する不飽和モノマー、その他の共重合可能な不飽和モノマー等が挙げられる。
なお、上記(メタ)アクリル酸系モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリロイル基若しくはメタクリロイル基、又は、これらの基における水素原子が他の原子若しくは原子団に置き換わった基を有し、かつ、カルボン酸エステル基をもつモノマー又はそのようなモノマーの誘導体等が挙げられる。
上記カルボン酸エステル基をもつ(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、イソアミルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、ノニルアクリレート、ノニルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ヘキサデシルアクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタアクリレート等;これら以外の(メタ)アクリル酸系モノマーのエステル化物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することが好適である。
上記(メタ)アクリル酸系ポリマー100質量%中、上記(メタ)アクリル酸系モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマー由来のモノマー単位の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することが更に好ましい。また、該(メタ)アクリル酸系モノマー以外の(メタ)アクリル系モノマー由来のモノマー単位の含有量は、99.9質量%以下であることが好ましく、99.5質量%以下であることがより好ましい。
上記芳香環を有する不飽和モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等が挙げられ、好ましくはスチレンである。
すなわち、(メタ)アクリル酸系ポリマーが、スチレンを含むモノマー成分から得られたスチレン(メタ)アクリル酸系ポリマーであることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。このような形態によって、コストを削減しつつ本発明の効果を充分に発揮することができる。
上記(メタ)アクリル酸系ポリマー100質量%中、上記芳香環を有する不飽和モノマー由来のモノマー単位の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることが一層好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。また、該モノマー単位の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。なお、上記(メタ)アクリル酸系ポリマーの原料となるモノマー成分として、芳香環を有する不飽和モノマーを用いなくてもよい。
上記その他の共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えば、アクリロニトリルや、トリメチロールプロパンジアリルエーテル等の多官能性不飽和モノマー等が挙げられる。
上記バインダーポリマーは、例えば、上述したポリマーが含む構成単位を形成するモノマー成分を重合することにより製造することができる。
モノマー成分の重合方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の方法を挙げることができる。これらの方法の中でも、簡便に製造できる観点から、乳化重合法を用いることが好ましい。上記モノマー成分の重合方法として乳化重合法を用いる場合には、モノマー成分、界面活性剤、及び、水を主成分とする分散媒(以下、水性分散媒とも言う。)を混合した後に乳化重合を行なってもよく、モノマー成分、界面活性剤、及び、水性分散媒を撹拌することによって乳化させ、プレエマルションを調製した後に乳化重合を行なってもよく、モノマー成分、界面活性剤、及び、水性分散媒のうちの少なくとも1種類(の一部)を、その残部であるプレエマルションに混合して乳化重合を行なってもよい。界面活性剤としては、本発明に係るアニオン性界面活性剤を用いることができる他、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることも可能である。モノマー成分、界面活性剤、及び、水性分散媒は、それぞれ一括添加してもよく、分割添加してもよく、あるいは連続滴下してもよい。
上記各モノマー成分の重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては通常用いられているものを使用することができ、特に限定されず、熱によってラジカル分子を発生させるものであればよい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解系開始剤;過酸化水素とアスコルビン酸、t−ブチルヒドロパーオキサイドとロンガリット、過硫酸カリウムと金属塩、過硫酸アンモニウムと亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系開始剤等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
上記重合開始剤の使用量としては、バインダーポリマーの原料として用いられた全モノマー成分100質量%に対して、0.02質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。該使用量は、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
上記バインダーポリマーを製造する重合反応の温度は、重合反応が進行する限り特に限定されないが、20℃以上、100℃以下であることが好ましい。該温度は、より好ましくは、40℃以上、90℃以下である。
また、重合反応の時間は、特に限定されないが、生産性を考慮すると、1時間以上、10時間以下が好ましい。該時間は、5時間以下であることがより好ましい。
上記バインダーポリマーの含有量は、アニオン伝導性膜の機械的強度及びイオン伝導性の観点から、アニオン伝導性膜100質量%中、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、25質量%以上であることが特に好ましい。また、該含有量は、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましい。
(層状複水酸化物)
上記層状複水酸化物とは、下記一般式:
[M 1−x (OH)](An−x/n・mH
(Mは、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mnのいずれかである二価金属イオンを表す。Mは、Al、Fe、Mn、Co、Cr、Inのいずれかである三価金属イオンを表す。An−は、OH、Cl、NO 、CO 2−、COO等の1価以上、3価以下のアニオンを表す。mは、0以上の数であり、nは、1以上、3以下の数である。xは、0.20以上、0.40以下の数である。)に代表される化合物である。なお、An−は、2価以下のアニオンを表すことが好ましい。
このような層状複水酸化物は、天然産のもの(例えばハイドロタルサイト(Hydrotalcite)、マナッセイト(Manasseite)、モツコレアイト(Motukoreaite)、スティッヒタイト(Stichtite)、ショグレナイト(Sjogrenite)、バーバートナイト(Barbertonite)、パイロアウライト(Pyroaurite)、イオマイト(Iomaite)、クロロマガルミナイト(Chlormagaluminite)、ハイドロカルマイト(Hydrocalmite)、グリーン ラスト1(Green Rust 1)、ベルチェリン(Berthierine)、タコバイト(Takovite)、リーベサイト(Reevesite)、ホネサイト(Honessite)、イヤードライト(Eardlyite)、メイキセネライト(Meixnerite)等)の他、人工的に合成されたものであってもよく、150℃以上、900℃以下で焼成することにより脱水した化合物や層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物であってもよい。
上記層状複水酸化物は、Mg−Al系層状複水酸化物であることが好ましく、ハイドロタルサイトであることがより好ましい。
上記層状複水酸化物は粒子状であることが好ましく、その形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が後述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記層状複水酸化物は、平均粒子径が5μm以下であるものが好ましく、より好ましくは1μm以下であり、更に好ましくは0.5μm以下であり、特に好ましくは0.3μm以下である。一方、平均粒子径は、0.001μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.01μm以上である。
上記平均粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。
上記層状複水酸化物の含有量は、本発明のアニオン伝導性膜においてアニオン伝導性を発現することが可能な量である限り特に限定されないが、アニオン伝導性膜100質量%中、30質量%以上であることが好ましい。これにより、アニオン伝導性膜の機械的強度及びイオン伝導度を改善することができる。該質量割合は、より好ましくは40質量%以上であり、更に好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは60質量%以上である。また、該質量割合は、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下であり、特に好ましくは75質量%以下である。
本発明のアニオン伝導性膜は、バインダーポリマーと層状複水酸化物とアニオン性界面活性剤とを含む限り、後述する酸基含有ポリマーや、その他の成分を含んでいてもよい。
(酸基含有ポリマー)
本発明のアニオン伝導性膜は、更に、酸基含有ポリマーを含むことが好ましい。酸基含有ポリマーの立体障害により、アニオン伝導性膜形成材料中における層状複水酸化物の再凝集を防ぎ、分散安定性をより向上することができ、得られる膜の機械的強度がより優れたものとなる。
上記酸基含有ポリマーは、カルボン酸(塩)基やスルホン酸(塩)基等の酸基を有するポリマーであって、本発明のアニオン伝導性膜中に含まれているバインダーポリマーとは異なるポリマーであればよいが、層状複水酸化物の分散安定性をより優れたものとする観点からは、酸基含有モノマー由来のモノマー単位を主体として構成されるものが好ましい。「主体として構成される」とは、全モノマー単位100mol%中、酸基含有モノマー由来のモノマー単位が50mol%以上であることである。全モノマー単位100mol%中の酸基含有モノマー由来のモノマー単位は、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることが更に好ましく、80mol%以上であることが一層好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。上記酸基含有ポリマーとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリメチレングルタル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等のカルボン酸塩含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー等が好適なものとして挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
中でも、上記酸基含有ポリマーとしては、カルボキシル基含有ポリマー、カルボン酸塩含有ポリマーがより好適なものとして挙げられ、中でも、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸塩が更に好適であり、酸含有基ポリマーの分子鎖の広がりが大きくなり、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分をより均一な状態とする観点から、ポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩が特に好適である。塩を形成する原子又は原子団としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等が挙げられる。
上記酸基含有ポリマーは、重量平均分子量が、1000以上、650万以下であることが好ましい。重量平均分子量は、2000以上であることがより好ましい。また、重量平均分子量は、200万以下であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、バインダーポリマーの重量平均分子量の測定方法と同じ方法で測定することができる。
本発明のアニオン伝導性膜100質量%中、上記酸基含有ポリマーの含有量は、本発明の効果をより顕著なものとする観点からは、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.02質量%以上であり、更に好ましくは0.05質量%以上である。また、該含有量は、アニオン伝導性膜をセパレータとして望ましい電気化学的特性とするとともに、アニオン伝導性膜形成材料の混練の際の混練物の粘度を充分なものとし、アニオン伝導性膜形成材料に含まれる成分をより均一な状態とする観点からは、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明のアニオン伝導性膜に含まれる酸基含有ポリマーは、その添加のタイミングが特に限定されるものではなく、例えば、市販品であるバインダーポリマーの水分散体に微量含まれているものであってもよいが、該水分散体に対して更に添加してもよく、このようにして含有量を上記好ましい範囲内とすることにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
(その他の成分)
上記その他の成分とは、上述したバインダーポリマー、層状複水酸化物、アニオン性界面活性剤、及び、酸基含有ポリマー以外の固形分を言う。上記その他の成分としては、例えば、バインダーポリマーや酸基含有ポリマー以外のポリマー、層状複水酸化物以外の無機化合物、カーボン、セラミックス、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記その他の成分の含有量は、材料の均一性や膜の成形性の観点からアニオン伝導性膜100質量%に対して、20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
上記その他の成分を2種類以上含む場合、上記含有量は上記のその他の成分の合計量である。
本発明のアニオン伝導性膜の平均膜厚は10μm以上、1000μm以下であることが好ましい。10μmより薄いと成膜時の破損が多く発生するおそれがある。また、1000μmより厚くなるとコスト面から不利となる上、水酸化物イオンの透過能力も低くなるおそれがある。該平均膜厚は、20μm以上であることがより好ましい。また、該平均膜厚は、500μm以下であることがより好ましい。
上記平均膜厚は、デジマチックマイクロメーター(ミツトヨ社製)を用い、膜の任意の10点を測定し、その平均値を求めることにより算出されるものである。
本発明のアニオン伝導性膜は、アニオン伝導性膜形成材料を調製し、得られたアニオン伝導性膜形成材料を膜状に成型することで得ることができる。
本発明におけるアニオン伝導性膜形成材料の調製方法としては、例えば、次のような方法が挙げられる。
バインダーポリマー、層状複水酸化物、及び、アニオン性界面活性剤成分と共に、必要に応じて、酸基含有ポリマー、その他の成分を混合する。混合には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ロールミル、ボールミル等を使用することができる。混合の際、媒体として、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を用いてもよい。
なお、バインダーポリマーがエマルション粒子を形成する場合、アニオン性界面活性剤成分の少なくとも一部が、乳化剤としてエマルション粒子を形成していてもよい。
本発明のアニオン伝導性膜形成材料における水性分散媒等の媒体の含有割合は、成形時の膜収縮を抑制する観点からアニオン伝導性膜形成材料100質量%中、20質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。該含有割合は、より好ましくは、25質量%以上、50質量%以下である。
なお、アニオン伝導性膜形成材料が含む上記バインダーポリマーや酸基含有ポリマー、アニオン性界面活性剤等が分散媒又は溶液の形態である場合、用いられている分散媒や溶媒も媒体に含める。
上記アニオン伝導性膜形成材料からアニオン伝導性膜を製造する方法は、特に限定されず、アニオン伝導性膜形成材料をロールで圧延して膜状に成形する方法、平板プレス等で圧延して膜状に成形する方法や、射出成形法、押出成形法、キャスト法等の膜状に成形する方法を用いることができる。これらの成形方法は単独で用いてもよく、2種以上の方法を組み合わせて用いてもよい。
このようにしてアニオン伝導性膜を製造する方法、すなわち、バインダーポリマーと層状複水酸化物とアニオン性界面活性剤成分とを含むアニオン伝導性膜形成材料を膜状に成形する工程を含むアニオン伝導性膜の製造方法もまた、本発明の1つである。この製造方法に用いるアニオン伝導性膜形成材料としては上述したものが好ましく、製造されるアニオン伝導性膜も上述した本発明のアニオン伝導性膜であることが好ましい。
上記製造方法は、アニオン伝導性膜形成材料を膜状に成形する工程の後に、膜を加熱する工程を含むことが好ましい。これにより、効率的にアニオン伝導性膜を形成することができる。
成膜後の加熱処理では、加熱温度は、適宜設定すればよいが、例えば60℃以上、180℃以下とすることができる。該加熱温度は、160℃以下とすることが好ましく、150℃以下とすることがより好ましい。また、加熱温度は段階的に変化させてもよい。このような温度範囲とすることにより、アニオン伝導性膜をセパレータとして用いて構成される電池をより長寿命化させることができる。
上記温度範囲内とする加熱時間は、例えば10分以上、12時間以下とすることができる。
該加熱温度は、1時間以上とすることが好ましい。また、該加熱時間は、6時間以下とすることが好ましい。
<セパレータ>
本発明のアニオン伝導性膜は、電池のセパレータとして好適に用いることができるものであり、そのようなセパレータを用いることで、電池を長寿命化させることができる。
このような、本発明のアニオン伝導性膜を含んで構成されるセパレータもまた、本発明の1つである。
<電池>
本発明のセパレータを用いて構成される電池もまた、本発明の1つである。
本発明の電池では、アニオン伝導性膜がセパレータの機能を発揮するが、更に別のセパレータを本発明のアニオン伝導性膜に積層して用いてもよい。
このような別のセパレータとしては、不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素原子含有樹脂、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリスチレン等のアリール基含有樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、寒天、有機無機複合樹脂、イオン交換樹脂、スルホン酸塩含有樹脂、四級アンモニウム塩含有樹脂、四級ホスホニウム塩含有樹脂、シクロオレフィンポリマー、セラミックス等の無機物等からなる膜が挙げられる。これらのセパレータは1種又は2種以上を用いてもよい。
本発明の電池を構成する正極の活物質としては、一次電池や二次電池の正極活物質として通常用いられるものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、酸素(酸素が正極活物質となる場合、正極は、酸素の還元や水の酸化が可能なペロブスカイト型化合物、コバルト含有化合物、鉄含有化合物、銅含有化合物、マンガン含有化合物、バナジウム含有化合物、ニッケル含有化合物、イリジウム含有化合物、白金含有化合物;パラジウム含有化合物;金含有化合物;銀含有化合物;炭素含有化合物等より構成される空気極となる);オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物;二酸化マンガン等のマンガン含有化合物;酸化銀;コバルト酸リチウム等のリチウム含有化合物;鉄含有化合物;金属亜鉛や酸化亜鉛等の亜鉛種等が挙げられる。
これらの中でも、正極活物質がニッケル含有化合物や亜鉛種であることが、本発明の好適な実施形態の1つである。
また、空気電池や燃料電池等の、正極活物質が酸素である電池もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
本発明の電池を構成する負極の活物質としては、炭素、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、ニッケル、錫、カドミウム、水素吸蔵合金、シリコン含有材料等、電池の負極活物質として通常用いられるものを用いることができる。これらの中でも、本発明のアニオン伝導性膜の特性を充分に発揮させる点からは、デンドライトを発生し易い活物質である、リチウム種、マグネシウム種、亜鉛種、ニッケル種、カドミウム種が好ましく、亜鉛種がより好ましい。
本発明の電池を構成する電極は、集電体上に活物質層を形成することで製造することができる。
電極を構成する集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
本発明の電池を構成する電解液としては、電池の電解液として通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、水含有電解液、有機溶剤系電解液等が挙げられ、中でも水含有電解液が好ましい。水含有電解液とは、水のみを電解液原料として使用する電解液(水系電解液)や、水に有機溶剤を加えた液を電解液原料として使用する電解液を指す。また、本発明のアニオン伝導性膜は、加温条件・加湿条件においても、アニオン伝導性を発現することができる。また、本発明のアニオン伝導性膜は、本発明のアニオン伝導性膜等を固体電解質として使用し、電解液が存在しない条件下においても、アニオン伝導性を発現することができる。
上記水系電解液としては、アルカリ性電解液が好ましい。アルカリ性電解液は、例えば、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。
また、上記水含有電解液は、有機溶剤系電解液に用いられる有機溶剤を含んでいてもよい。該有機溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。上記有機溶剤系電解液の電解質としては、特に限定はないが、LiPF、LiBF、LiB(CN)、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LiTFSI)等が好ましい。
有機溶剤を含む水含有電解液の場合、電解液100質量%に対して、水の含有量は、好ましくは10質量%以上、99.9質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上、99.9質量%以下である。
本発明のアニオン伝導性膜は、固体電解質としても使用することができると共に、イオン交換膜としても使用することが可能である。本発明のアニオン伝導性膜をイオン交換膜として使用する場合、別途電解質材料として、電解液やゲル電解質を用いることができる。
なお、本発明の電池においてゲル電解質を用いる場合、ゲル電解質としては、電池の電解質として用いることができるものであれば特に限定されないが、例えば、上記セパレータと同様の化合物を含む固体電解質や、架橋剤より架橋されたゲル電解質等が挙げられる。
本発明の電池の形態は一次電池;充放電が可能な二次電池(蓄電池);メカニカルチャージ方式の電池(亜鉛負極を機械的に交換する電池);第三極方式の電池(負極、充電に適した電極、及び、放電に適した電極を用いて構成される電池);燃料電池等、いずれの形態であってもよいが、二次電池又は燃料電池が好ましい。
本発明の電池の種類は特に限定されないが、アルカリ乾電池、ニッケル−水素電池、ニッケル−カドミウム電池、マンガン−亜鉛電池、ニッケル−亜鉛電池、燃料電池、空気電池等、アルカリ性電解液を使用する電池であることが好ましい。
本発明のアニオン伝導性膜は、水酸化物イオンの選択的な透過性を有し、かつ、機械的強度が充分に高く、デンドライトの成長を効果的に抑制することができるため、デンドライトを生じる電極活物質、中でも、亜鉛種を用いる電池のセパレータ等に好適に用いることができ、電池を長寿命化することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
<突刺強度試験>
突刺強度は日本工業規格JIS Z 1707(食品包装用プラスチックフィルム通則)に準拠して以下のように測定した。
試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50mm±5mmの速度で突き刺し、針が貫通するまでの最大応力を測定した。試験片の数は5個以上とし、その平均値を求めた。
<充放電試験>
以下の条件で充放電試験を行った。
・仕込みセル数:5セル(平均値を記載)
・セル構成
作用極:酸化亜鉛粉末/PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)合剤をスズメッキパンチング鋼板集電体に貼り付けたもの
対極:酸化亜鉛/PTFE合剤を、亜鉛金属を溶接したスズメッキパンチング鋼板集電体に貼り付けたもの
参照極:水銀電極
電解液:酸化亜鉛を飽和させた6.7mol/L濃度のKOH水溶液
セパレータ:アニオン伝導性膜
・充放電条件
充放電電流値:60mA/cm−10min
(実施例1)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(TRD2001、JSR製、固形分濃度:48%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:微量、ポリカルボン酸塩:1質量%未満)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は3.0Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、450サイクルを達成した。
(実施例2)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(JSR0589、JSR製、固形分濃度:50%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:1質量%未満)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.0Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、410サイクルを達成した。
(実施例3)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(JSR0573、JSR製、固形分濃度:48%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:微量)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.4Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、440サイクルを達成した。
(実施例4)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(JSR0573、JSR製、固形分濃度:48%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:微量)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)と純水とを100:100:3:3.1:19の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.7Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、410サイクルを達成した。
(実施例5)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(JSR0573、JSR製、固形分濃度:48%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:微量)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)とポリアクリル酸ナトリウム(アクアリックDL453、日本触媒製、固形分35%)と純水とを100:100:3:3.1:1.4:18.6の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は2.6Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、430サイクルを達成した。
(実施例6)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(JSR0623A、JSR製、固形分濃度:49%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:0.3質量%未満)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.6Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、400サイクルを達成した。
(実施例7)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(TRD102A、JSR製、固形分濃度:48%、アルキルベンゼンスルホン酸塩:1質量%未満、ポリカルボン酸塩:1質量%未満)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は3.5Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、480サイクルを達成した。
(実施例8)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(SR−107、日本エイアンドエル製、固形分濃度:48%)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)と純水とを100:100:3:3.1:19の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.8Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、390サイクルを達成した。
(実施例9)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)とスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体(SR−140、日本エイアンドエル製、固形分濃度:48%)とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)と純水とを100:100:3:3.1:19の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は2.0Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、410サイクルを達成した。
(調製例1)
(ノニオン性スチレン−ブタジエン系共重合体の調製)
滴下ロート、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内にポリオキシエチレンラウリルエーテル0.5質量部、脱イオン水57質量部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガスで置換した。
一方、滴下ロートにポリオキシエチレンラウリルエーテル0.5質量部、スチレン58質量部、1,3−ブタジエン40質量部、t−ドデシルメルカプタン0.5質量部および脱イオン水38質量部を仕込み、プレエマルションを調製した。その後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら撹拌下で65℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部を添加し、次いで、前記で得られたプレエマルションを5時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、脱イオン水5質量部で滴下ロートを洗浄し、得られた洗浄液をフラスコ内に滴下した。その後、フラスコ内の内容物を65℃で2時間維持し、重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却し、不揮発分含量が49質量%、体積平均粒子径が220nmの共役ジエン系共重合体の水分散液を得た。
得られた共役ジエン系共重合体の水分散液における最低造膜温度は−1℃であった。
(実施例10)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)と調製例1により合成したスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)と純水とを100:100:3:3.1:19の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.5Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、400サイクルを達成した。
(実施例11)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)と調製例1により合成したスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオペレックスG65、花王製、固形分65%)と純水とを100:100:3:0.77:19.7の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は1.1Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、400サイクルを達成した。
(比較例1)
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)と調製例1により合成したスチレン−ブタジエン系共重合体の水分散体とカルボキシメチルセルロース(CMC1380、ダイセルファインケム製)と純水とを100:100:3:20の質量比でニーダー混練し、ロール圧延を行うことで、厚さ100μmとし、この膜を80℃で1時間、更に120℃で1時間の加熱処理を行うことでアニオン伝導性膜を作製した。
このアニオン伝導性膜の突刺強度は0.3Nとなった。また、充放電評価を行ったところ、200サイクルを達成した。

Claims (8)

  1. バインダーポリマー、層状複水酸化物、及び、アニオン性界面活性剤成分を含む
    ことを特徴とするアニオン伝導性膜。
  2. 前記バインダーポリマーは、共役ジエン系ポリマー及び/又は(メタ)アクリル系ポリマーである
    ことを特徴とする請求項1に記載のアニオン伝導性膜。
  3. 前記アニオン性界面活性剤成分は、スルホン酸(塩)基、スルホン酸エステル基、及び、リン酸(塩)基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアニオン伝導性膜。
  4. 前記層状複水酸化物は、ハイドロタルサイトである
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。
  5. 前記アニオン伝導性膜100質量%中、前記アニオン性界面活性剤成分の含有量は0.01質量%以上、7質量%以下である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。
  6. 更に、酸基含有ポリマーを含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアニオン伝導性膜。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のアニオン伝導性膜を含んで構成される
    ことを特徴とするセパレータ。
  8. 請求項7に記載のセパレータを用いて構成される
    ことを特徴とする電池。
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