JP2017156398A - 偏光板のセットおよび液晶パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液晶セルの視認側に配置される第1の偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置される第2の偏光板とを有する偏光板のセットにおいて、前記第2の偏光板は反射型偏光子を有し、前記第1の偏光板のカール力をC1とし、前記第2の偏光板のカール力をC2としたとき、カール力の差C2−C1が0.4〜1.0gfである偏光板のセット。
【選択図】図3
Description
前記第2の偏光板は反射型偏光子を有し、
前記第1の偏光板のカール力をC1とし、前記第2の偏光板のカール力をC2としたとき、カール力の差C2−C1が0.4〜1.0gfである偏光板のセット。
[2]前記第1の偏光板および前記第2の偏光板は、いずれもポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を有し、前記偏光子の厚みがいずれも20μm以下である[1]に記載の偏光板のセット。
[3]前記第1の偏光板が有する偏光子の厚みが10μm以上であり、前記第2の偏光板が有する偏光子の厚みが10μm以下である[2]に記載の偏光板のセット。
[4]前記第2の偏光板は、前記偏光子の一方の面に保護フィルムが積層され、もう一方の面に前記反射型偏光子が積層された[2]または[3]に記載の偏光板のセット。
[5]前記保護フィルムの透湿度が500g/(m2・24hr)以下である[4]に記載の偏光板のセット。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の偏光板のセットと液晶セルとを備え、前記液晶セルの厚みが0.4mm以下である液晶パネル。
偏光子20、21としては、前記のカール力を満たす限り、任意の適切なものを用いることができる。偏光子は、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理して架橋させる工程、及びホウ酸水溶液による架橋処理後に水洗する工程を経て、製造される。
を形成する方法を用いることも有用である。
保護フィルム30a、30b、31a、31bとしては、適宜の透明樹脂から形成されているものを用いることができる。具体的には、透明性や均一な光学特性、機械強度、熱安定性などに優れるポリマーからなるものを用いるのが好ましい。このような透明樹脂膜としては、例えば、トリアセチルセルロース及びジアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート及びポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリメチル(メタ)アクリレート及びポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルスルホン系フィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリノルボルネン系フィルムなどを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (a)
Re=(nx−ny)×d (b)
本発明の第2の偏光板11は、反射型偏光子50を有する。図4は、本発明に用いられる反射型偏光子の一例の概略断面図である。反射型偏光子50は、複屈折性を有する層Aと複屈折性を実質的に有さない層Bとが交互に積層された多層積層体である。例えば、図示例では、A層のx軸方向の屈折率nxがy軸方向の屈折率nyより大きく、B層のx軸方向の屈折率nxとy軸方向の屈折率nyとは実質的に同一である。したがって、A層とB層との屈折率差は、x軸方向において大きく、y軸方向においては実質的にゼロである。その結果、x軸方向が反射軸となり、y軸方向が透過軸となる。A層とB層とのx軸方向における屈折率差は、好ましくは0.2〜0.3である。なお、x軸方向は、反射偏光子の延伸方向に対応する。
偏光子と保護フィルムとの貼合は、接着剤又は粘着剤により貼合することができる。偏光子と保護フィルムとを貼合する接着剤層は、その厚さを0.01〜30μm程度とすることができ、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μmである。接着剤層の厚さがこの範囲にあれば、積層される保護フィルムと偏光子との間に浮きや剥がれを生じず、実用上問題のない接着力が得られる。偏光子と保護フィルムとを貼合する粘着剤層は、その厚さを5〜50μm程度とすることができ、好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは10〜25μmである。
接着剤層の形成には、被着体の種類や目的に応じて、適宜、適切な接着剤を用いることができ、また必要に応じてアンカーコート剤を用いることもできる。接着剤として、例えば、溶剤型接着剤、エマルジョン型接着剤、感圧性接着剤、再湿性接着剤、重縮合型接着剤、無溶剤型接着剤、フィルム状接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。
粘着剤としては、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などを包含する粘着特性に優れるものであればよいが、さらに耐久性などに優れるものが好ましい。具体的には、粘着剤層を形成する粘着剤として、アクリル系樹脂を含有する粘着剤(アクリル系粘着剤)が好ましい。
偏光板と液晶セルとの積層には粘着剤層を使用することができ、反射型偏光子50の積層に使用する接着層には接着剤又は粘着剤を使用することができ、いずれの貼合も粘着剤を使用することが好ましい。粘着剤層は、光学的な透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性、接着性などを包含する粘着特性に優れるものであればよいが、さらに耐久性などに優れるものが好ましい。具体的には、粘着剤層を形成する粘着剤として、アクリル系樹脂を含有する粘着剤(アクリル系粘着剤)が好ましい。
液晶セルは、2枚のセル基板と、それら基板間に挟持された液晶層とを有する。セル基板は、一般にガラスで構成されることが多いが、プラスチック基板であってもよい。その他、本発明の液晶パネルに用いる液晶セル自体は、この分野で採用されている各種のもの(例えば、駆動モードとしてIPSモード,VAモード,TNモードなどのような公知のもの)で構成することができる。昨今液晶セルの厚みが薄くなり、その剛性が弱くなったことで、液晶パネルとしたときに非常に反りが生じやすい。それゆえ液晶パネルの反りの低減が可能な従来の偏光板のセットは、厚みの大きな(例えば0.5mm以上)の液晶セルに対しては効果を発揮することができたが、これを薄型の液晶セルに適用した場合には、やはり液晶パネルに反りを生じることがある。しかしながら、本発明の偏光板のセットによれば、当該液晶セルの厚みが0.4mm以下であっても、さらには0.3mm以下であっても、顕著に反りを低減することができる。本発明において、液晶セルの厚みは液晶層と、液晶層を挟持する一対の基板の厚みを含むものである。
別の観点から、本発明の液晶パネルは、85℃で250時間過熱したときの反り量の絶対値が0.5mm以下であり、好ましくは0.3mm以下である。本発明の偏光板のセットを液晶セルに貼合することで、本発明の液晶パネルは、高温環境下での反りが抑制され、最終製品の筐体に収まる前面板一体型液晶表示パネルとなる。
株式会社ニコン製のデジタルマイクロメーター“MH−15M”を用いて測定した。
図3に示すように、まず偏光板を100mm四方の正方形に切り出し、このとき偏光板の各辺が偏光板の吸収軸方向に対して45度傾くようにした。次に切り出した偏光板を85℃の環境下に5分間静置する熱処理を行い、偏光板70をカールさせた。カールした偏光板における吸収軸方向に対して直交する対角線から半分側をテープによりガラス板に固定した。この状態で固定していない偏光板の頂点を電子天秤に押し付け力を加え、偏光板が平坦になった状態の力をカール力とした。
作製した液晶パネルの高温環境下における反り量を次の方法で測定した。まず、作製した液晶表示パネルを、85℃の環境下に250時間静置した後、第1の偏光板を上側にして株式会社ニコン製の二次元測定器“NEXIV VMR−12072”の測定台上に置いた。次いで、測定台の表面に焦点を合わせ、そこを基準とし、液晶パネルの4角部、4辺の各中央及び液晶パネル表面の中央に焦点を合わせ、基準とした焦点からの距離を測定した後、測定台からの距離が絶対値で最も長い距離を反り量とし、液晶パネルの視認側にパネルの淵が反った反りをプラスの反り、背面側にパネルの淵が反った反りをマイナスの反りとした。結果を表1にまとめた。
透湿度は、温度40℃、相対湿度90%の条件下において、JIS Z 0208に規定されるカップ法に準拠して測定した。
視認側偏光板は、次のように作製した。厚み30μmのポリビニルアルコールフィルム(平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上)を乾式延伸により約5倍に縦一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.05/5/100である28℃の水溶液に60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100である72℃の水溶液に300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥処理を行って、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向している厚み12μmの偏光子を得た。
視認側偏光板は、次のように作製した。実施例1と同様に厚み12μmの偏光子を作製し、その両面に実施例1に記載の水系接着剤を塗布し、一方の面に保護フィルムとして厚さ25μmのトリアセチルセルロースフィルム〔コニカミノルタオプト株式会社製の商品名“KC2UA”〕と、厚さ20μmのトリアセチルセルロースフィルム〔コニカミノルタオプト株式会社製の商品名“KC2CTW”、波長590nmにおける面内位相差値R0=1.2nm、厚み方向位相差値Rth=1.3nm〕を貼り合せた。偏光板を80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。その後、厚さ20μmのトリアセチルセルロースフィルム側に20μm厚の粘着剤〔リンテック株式会社製の商品名“#KT”〕を貼合し、視認側偏光板を得た。
視認側偏光板は、次のように作製した。実施例1と同様に厚み7μmの偏光子を作製し、その両面に実施例1に記載の水系接着剤を塗布し、一方の面に保護フィルムとして厚さ25μmのトリアセチルセルロースフィルム〔コニカミノルタオプト株式会社製の商品名“KC2UA”〕に厚み7μmのアクリル系ハードコート層が積層されたフィルムと、厚さ20μmのトリアセチルセルロースフィルム〔コニカミノルタオプト株式会社製の商品名“KC2CTW”、波長590nmにおける面内位相差値R0=1.2nm、厚み方向位相差値Rth=1.3nm〕を貼合した。偏光板を80℃で5分間乾燥させ、40℃で168時間養生した。その後、厚さ20μmのトリアセチルセルロースフィルム側に20μm厚の粘着剤〔リンテック株式会社製の商品名“#KT”〕を貼合し、視認側偏光板を得た。
視認側偏光板には、実施例2で使用した視認側偏光板を用いた。
視認側偏光板には、実施例1で使用した視認側偏光板を用いた。
視認側偏光板には、実施例2で使用した視認側偏光板を用いた。
背面側偏光板には、比較例1で使用した背面側偏光板を用いた。
上記実施例1〜3及び比較例1〜3で作製した偏光板のセットを使用し、以下のように液晶パネルを作製した。まず視認側偏光板を液晶セルの短辺に対して吸収軸が平行になるように対角7インチサイズに裁断し、背面側偏光板を液晶セルの長辺に対して吸収軸が平行になるように対角7インチサイズに裁断した。次いで、粘着剤層を介して、裁断した一対の偏光板を2つの偏光板の短辺が液晶セルの短辺と平行になるように液晶セルに貼り合わせた。使用した液晶セルの厚みは0.4mmであった。
20、21 偏光子
30a、30b、31a、31b 保護フィルム
32、33 粘着剤層
40 接着層
50 反射型偏光子
60 液晶層
61 基板
62 液晶セル
70 偏光板
71 100mm
72 吸収軸方向
73 固定具
74 力
Claims (6)
- 液晶セルの視認側に配置される第1の偏光板と、前記液晶セルの背面側に配置される第2の偏光板とを有する偏光板のセットにおいて、
前記第2の偏光板は反射型偏光子を有し、
前記第1の偏光板のカール力をC1とし、前記第2の偏光板のカール力をC2としたとき、カール力の差C2−C1が0.4〜1.0gfである偏光板のセット。 - 前記第1の偏光板および前記第2の偏光板は、いずれもポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光子を有し、前記偏光子の厚みがいずれも20μm以下である請求項1に記載の偏光板のセット。
- 前記第1の偏光板が有する偏光子の厚みが10μm以上であり、前記第2の偏光板が有する偏光子の厚みが10μm以下である請求項2に記載の偏光板のセット。
- 前記第2の偏光板は、前記偏光子の一方の面に保護フィルムが積層され、もう一方の面に前記反射型偏光子が積層された請求項2または3に記載の偏光板のセット。
- 前記保護フィルムの透湿度が500g/(m2・24hr)以下である請求項4に記載の偏光板のセット。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の偏光板のセットと液晶セルとを備え、前記液晶セルの厚みが0.4mm以下である液晶パネル。
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