JP2017155917A - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力が均一となりやすく、かつ、ブレーキを解除したときの引き摺りトルクを低減することが可能な電動ブレーキ装置を提供する。
【解決手段】第1および第2の回転軸32a,32bの回転をそれぞれ第1および第2のピストン部材26a,26bの直線運動に変換する第1および第2の直動機構33a,33bと、電動モータ30から出力された回転を第1および第2の回転軸32a,32bがそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように分配して伝達する差動側動力伝達経路35と、電動モータ30から出力された回転を第1および第2の回転軸32a,32bが同一の回転数で回転するように分配して伝達する非差動側動力伝達経路36と、差動側動力伝達経路35と非差動側動力伝達経路36との間で動力伝達経路を切り換えるクラッチ機構とを有する電動ブレーキ装置。
【選択図】図4

Description

この発明は、電動モータを駆動源とする電動ブレーキ装置に関する。
従来、車両用ブレーキ装置として、油圧を駆動源とする油圧ブレーキ装置が多く採用されてきたが、油圧ブレーキ装置は、ブレーキオイルを使用するので環境負荷が高く、またABS、スタビリティ・コントロール・システム、ブレーキアシスト等といった機能の更なる高機能化が難しい。そこで、ブレーキ装置の更なる高機能化と環境負荷の低減を実現する手段として、電動モータを駆動源とする電動ブレーキ装置が注目されている。
電動ブレーキ装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の電動ブレーキ装置は、車輪と一体に回転するブレーキディスクと、そのブレーキディスクに接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されたブレーキパッドと、そのブレーキパッドの背面の中央部を押圧する1つのピストン部材と、そのピストン部材を収容するピストン収容孔の中心線上に配置された回転軸と、その回転軸の回転をピストン部材の直線運動に変換する直動機構と、前記回転軸を回転駆動する電動モータとを有する。
この電動ブレーキ装置は、電動モータが回転すると、その電動モータの回転駆動力が直動機構を介してピストン部材に伝達し、ピストン部材が直線移動する。そして、このピストン部材がブレーキパッドの背面を押圧することで、ブレーキパッドがブレーキディスクに押し付けられ、そのブレーキパッドとブレーキディスクの接触面間の摩擦によって、ブレーキディスクに制動力が発生する。
特開2015−137667号公報
特許文献1に記載の電動ブレーキ装置は、一般的な大きさの自動車の後輪や小型自動車の前輪に使用することを想定したものである。ここで本願の発明者は、特許文献1のような電動ブレーキ装置を、一般的な大きさの自動車の前輪のブレーキ装置として採用したり、バスやトラック等の大型自動車のブレーキ装置として採用したりすることを検討した。このような部位に電動ブレーキ装置を適用する場合、従来の電動ブレーキ装置で発生する制動力よりも大きな制動力を発生することが必要となる。
ここで、発明者は、電動ブレーキ装置で大きな制動力を発生しようとしたときに、次のような問題があることに気付いた。すなわち、特許文献1に記載の電動ブレーキ装置においては、電動モータから伝達する回転を直線運動に変換する直動機構の個数が1つであり、これに伴いブレーキパッドの背面を押圧するピストン部材の個数も1つとされている。
そのため、ピストン部材からブレーキパッドに作用する押圧力を大きくした場合、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力がブレーキパッドの全面において均一とならない。この結果、フェード現象(ブレーキパッドの摩擦部分が高温となってガスを発生し、そのガスによってブレーキパッドとブレーキディスクの間の摩擦力が低下する現象)が生じやすくなるという問題や、ブレーキパッドが局所的に摩耗しやすくなるという問題があることが分かった。
そして、発明者は、大きな制動力を発生するときにもフェード現象が生じにくく、またブレーキパッドの局所的な摩耗が生じにくい電動ブレーキ装置として、以下の構成のものを社内において発案した。
ブレーキディスクに接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されたブレーキパッドと、
前記ブレーキパッドの背面を前記ブレーキディスクの周方向に離れた2箇所で押圧するように平行に配置された第1および第2のピストン部材と、
前記第1および第2のピストン部材をそれぞれ収容する第1および第2のピストン収容孔をもつキャリパボディと、
前記第1および第2のピストン収容孔の中心線上にそれぞれ配置された第1および第2の回転軸と、
前記第1および第2の回転軸の回転をそれぞれ前記第1および第2のピストン部材の直線運動に変換する第1および第2の直動機構と、
単一の電動モータと、
前記電動モータの回転を前記第1および第2の回転軸がそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように分配して伝達する差動歯車装置を有する動力伝達経路と、
を有する電動ブレーキ装置。
上記構成の電動ブレーキ装置は、ブレーキパッドの背面を周方向に離れた2箇所で押圧する構成なので、ブレーキパッドに作用する押圧力を大きくした場合にも、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力がブレーキパッドの全面において均一となりやすい。また、電動モータから第1および第2の回転軸までの動力伝達経路に、第1および第2の回転軸がそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように回転の分配を行なう差動歯車装置が設けられているので、例えば、第1および第2のピストン部材のいずれか一方とブレーキパッドとの間に異物が噛み込んだ場合にも、第1のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力と、第2のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力とを均一化することができる。
ここで、発明者は、差動歯車装置を用いた上記構成の電動ブレーキ装置を採用したときに、次のような問題があることに気付いた。すなわち、第1のピストン部材に対応する第1の回転軸と、第2のピストン部材に対応する第2の回転軸とがそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように回転の分配を行なう差動歯車装置を設けた場合、第1のピストン部材によるブレーキパッドの背面への押圧力と、第2のピストン部材によるブレーキパッドの背面への押圧力とを均一化することができる。しかしその反面、ブレーキを解除するために、第1および第2のピストン部材を後退させるときに、第1の直動機構の摩擦損失による第1の回転軸の回転負荷と、第2の直動機構の摩擦損失による第2の回転軸の回転負荷との違い等により、第1のピストン部材の後退量と第2のピストン部材の後退量とが同じにならず、ブレーキパッドとブレーキディスクの間のクリアランスがブレーキパッドの全面において均一とならないおそれがある。例えば、ブレーキを解除する方向に電動モータを回転させたときに、第1および第2のピストン部材のうち、摩擦損失が小さい方の直動機構に対応するピストン部材のみが大きく後退し、摩擦損失が大きい方の直動機構に対応するピストン部材はほとんど後退しないおそれがある。このとき、ブレーキパッドとブレーキディスクが部分的に接触したままとなり、過大な引き摺りトルクが発生する問題が生じる。
この発明が解決しようとする課題は、ブレーキをかけたときにブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力がブレーキパッドの全面において均一となりやすく、かつ、ブレーキを解除したときにブレーキパッドとブレーキディスクの間の引き摺りトルクを低減することが可能な電動ブレーキ装置を提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成の電動ブレーキ装置を提供する。
ブレーキディスクに接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されたブレーキパッドと、
前記ブレーキパッドの背面を前記ブレーキディスクの周方向に離れた2箇所で押圧するように平行に配置された第1および第2のピストン部材と、
前記第1および第2のピストン部材をそれぞれ収容する第1および第2のピストン収容孔をもつキャリパボディと、
前記第1および第2のピストン収容孔の中心線上にそれぞれ配置された第1および第2の回転軸と、
前記第1および第2の回転軸の回転をそれぞれ前記第1および第2のピストン部材の直線運動に変換する第1および第2の直動機構と、
単一の電動モータと、
前記電動モータから出力された回転を前記第1および第2の回転軸がそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように分配して伝達する差動歯車装置を有する差動側動力伝達経路と、
前記電動モータから出力された回転を前記第1および第2の回転軸が同一の回転数で回転するように分配して伝達する非差動側動力伝達経路と、
前記電動モータから前記第1および第2の回転軸への動力伝達経路を、前記差動側動力伝達経路と前記非差動側動力伝達経路との間で切り換えるクラッチ機構と、
を有する電動ブレーキ装置。
このようにすると、ブレーキパッドの背面を周方向に離れた2箇所で押圧する構成であるため、ブレーキパッドに作用する押圧力を大きくした場合にも、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力がブレーキパッドの全面において均一となりやすい。
また、第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧するときは、差動側動力伝達経路を介して、電動モータから第1および第2の回転軸への動力伝達を行なうことで、第1のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力と、第2のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力とを均一化することができる。そのため、大きな制動力を発生したときにも、フェード現象を効果的に防止することが可能であり、またブレーキパッドの局所的な摩耗を防止することが可能である。
さらに、第1および第2のピストン部材による前記ブレーキパッドの背面への押圧を解除するときは、非差動側動力伝達経路を介して、電動モータから第1および第2の回転軸への動力伝達を行なうことで、第1の回転軸の回転負荷と第2の回転軸の回転負荷に差がある場合であっても、第1および第2のピストン部材を均一に後退させることが可能である。そのため、ブレーキを解除したときに、ブレーキパッドとブレーキディスクの間に均一なクリアランスを得ることができ、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の引き摺りトルクを低減することが可能である。
前記クラッチ機構としては、
前記差動側動力伝達経路の途中に配置され、前記第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧する方向の前記電動モータの回転を伝達し、その逆方向の前記電動モータの回転の伝達を遮断する差動側の一方向クラッチと、
前記非差動側動力伝達経路の途中に配置され、前記第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧する方向の前記電動モータの回転の伝達を遮断し、その逆方向の前記電動モータの回転を伝達する非差動側の一方向クラッチと、
を有する構成のものを採用することができる。
このようにすると、第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧する方向に電動モータが回転したときは、差動側の一方向クラッチが係合状態となって差動側動力伝達経路で動力伝達が行なわれるとともに、非差動側の一方向クラッチが空転状態となって非差動側動力伝達経路での動力伝達が遮断される。また、第1および第2のピストン部材による前記ブレーキパッドの背面への押圧を解除する方向に電動モータが回転したときは、差動側の一方向クラッチが空転状態となって差動側動力伝達経路の動力伝達が遮断されるとともに、非差動側の一方向クラッチが係合状態となって非差動側動力伝達経路で動力伝達が行なわれる。
前記差動側動力伝達経路には、前記電動モータの側から前記第1および第2の回転軸の側への回転トルクを伝達し、前記第1および第2の回転軸の側から前記電動モータの側への回転トルクの伝達は遮断する逆入力遮断クラッチを設けることができる。
このようにすると、第1および第2のピストン部材から前記ブレーキパッドの背面への押圧を解除するときに、非差動側動力伝達経路を介して、前記電動モータの側から前記第1および第2の回転軸の側に伝達する回転が、差動側動力伝達経路を介して、前記第1および第2の回転軸の側から前記電動モータの側に伝達するトルク循環現象を防止することができる。
前記クラッチ機構としては、
前記差動側動力伝達経路の途中に配置され、正逆両方向の回転を伝達する係合状態と、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態とを切り換え可能な差動側の2方向クラッチと、
前記非差動側動力伝達経路の途中に配置され、正逆両方向の回転を伝達する係合状態と、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態とを切り換え可能な非差動側の2方向クラッチと、
を有する構成のものを採用することができる。
このようにすると、第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧するときは、差動側の2方向クラッチを係合状態に切り換えるとともに、非差動側の2方向クラッチを空転状態に切り換えることで、差動側動力伝達経路での動力伝達を行なうことが可能となる。また、第1および第2のピストン部材から前記ブレーキパッドの背面への押圧を解除するときは、差動側の2方向クラッチを空転状態に切り換えるとともに、非差動側の2方向クラッチを係合状態に切り換えることで、非差動側動力伝達経路での動力伝達を行なうことが可能となる。
前記クラッチ機構としては、
前記第1および第2のピストン部材が前記ブレーキパッドの背面を押圧する方向に前記電動モータが回転するときは、前記差動側の2方向クラッチを係合状態とするとともに前記非差動側の2方向クラッチを空転状態とし、逆方向に前記電動モータが回転するときは、前記差動側の2方向クラッチを空転状態とするとともに前記非差動側の2方向クラッチを係合状態とするクラッチ切り替え機構を更に有するものを採用することができる。
また、前記差動歯車装置としては、
前記電動モータの回転が入力されて定位置で回転する太陽歯車と、前記太陽歯車を囲むように設けられた環状の内歯車と、前記太陽歯車と前記内歯車の両者に噛み合うように前記太陽歯車の外周と前記内歯車の内周との間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の遊星歯車と、その複数の遊星歯車を自転可能かつ公転可能に保持する遊星キャリヤと、前記遊星キャリヤと一体に回転するように設けられた第1の差動出力歯車と、前記内歯車と一体に回転するように設けられた第2の差動出力歯車とを有する遊星式の差動歯車装置を採用することができる。
このようにすると、差動歯車装置がコンパクトな構成となるので、省スペースが要求される車両用ブレーキ装置の用途に特に好適である。
この発明の電動ブレーキ装置は、ブレーキをかけるときは、差動側動力伝達経路を介して、電動モータから第1および第2の回転軸への動力伝達を行なうことで、第1のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力と、第2のピストン部材からブレーキパッドの背面に作用する押圧力とを均一化することができる。そのため、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の圧力がブレーキパッドの全面において均一となりやすい。ブレーキを解除するときは、非差動側動力伝達経路を介して、電動モータから第1および第2の回転軸への動力伝達を行なうことで、第1の回転軸の回転負荷と第2の回転軸の回転負荷に差がある場合であっても、第1および第2のピストン部材を均一に後退させることができる。そのため、ブレーキパッドとブレーキディスクの間の引き摺りトルクを低減することが可能である。
この発明の第1実施形態の電動ブレーキ装置を一部切り欠いて示す図 図1に示す電動ブレーキ装置をアウタ側から見た図 図1のIII−III線に沿った断面図 図3のIV−IV線に沿った断面図 図4のV−V線に沿った断面図 図4の差動側および非差動側の一方向クラッチの近傍の拡大図 図6のVII−VII線に沿った断面図 図6のVIII−VIII線に沿った断面図 図4に示す差動側動力伝達経路および非差動側動力伝達経路を模式的にあらわした図 この発明の第2実施形態の電動ブレーキ装置の差動側および非差動側の2方向クラッチの近傍の拡大図 図10のXI−XI線に沿った断面図 図4に示す直動機構の一例を示す断面図 図12のXIII−XIII線に沿った断面図
図1、図12に、この発明の第1実施形態の電動ブレーキ装置を示す。この電動ブレーキ装置は、車輪(図示せず)と一体に回転するブレーキディスク1と、車輪を支持するナックル2にボルト3で固定されるマウンティングブラケット4と、マウンティングブラケット4にスライドピン5を介してブレーキディスク1の軸方向と平行にスライド可能に支持されたキャリパボディ6と、ブレーキディスク1を間に挟んで軸方向に対向するインナ側ブレーキパッド7およびアウタ側ブレーキパッド8を有する。ここで、電動ブレーキ装置を車体に組み付けた状態で車体幅方向の内側および外側をそれぞれインナ側およびアウタ側という。
図1に示すように、マウンティングブラケット4は、ブレーキディスク1に対してインナ側に配置されるインナパッド支持部10と、ブレーキディスク1に対してアウタ側に配置されるアウタパッド支持部11と、インナパッド支持部10とアウタパッド支持部11をブレーキディスク1の外径側で連結する連結部12とを有する。連結部12は、キャリパボディ6に対してブレーキディスク1の回転方向の入側と出側の2箇所に設けられている。各連結部12に、スライドピン5をスライド可能に支持するピン孔13が形成されている。
図3に示すように、インナパッド支持部10には、インナ側ブレーキパッド7の両端に設けられた一対の耳片14をスライド可能に支持する一対のガイド溝15が形成されている。ガイド溝15は、ブレーキディスク1の軸方向と平行に延びる溝である。このガイド溝15と耳片14の係合により、インナ側ブレーキパッド7は、ブレーキディスク1(図1参照)のインナ側の側面に接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されている。また、インナパッド支持部10には、ボルト3を挿入するためのねじ孔16が形成されている。
図2に示すように、アウタパッド支持部11には、インナパッド支持部10と同様、アウタ側ブレーキパッド8の両端に設けられた一対の耳片17をスライド可能に支持する一対のガイド溝18が形成されている。ガイド溝18は、ブレーキディスク1の軸方向と平行に延びる溝である。このガイド溝18と耳片17の係合により、アウタ側ブレーキパッド8は、ブレーキディスク1のアウタ側の側面に接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されている。
図12に示すように、インナ側ブレーキパッド7およびアウタ側ブレーキパッド8は、ブレーキディスク1に接触する摩擦材20と、摩擦材20の裏面に接着して設けられた裏金21とからなる。インナ側ブレーキパッド7およびアウタ側ブレーキパッド8の耳片14,17(図2、図3参照)は、裏金21に一体に形成されている。
キャリパボディ6は、インナ側およびアウタ側のブレーキパッド7,8を間に挟んで軸方向に向き合うように配置された爪部22およびピストン収容部23と、爪部22およびピストン収容部23をブレーキディスク1の外径側で連結する外殻部24とを有する。爪部22は、アウタ側ブレーキパッド8の背面(アウタ側ブレーキパッド8のブレーキディスク1と対向する側とは反対側の面)に対向して配置されている。
図4に示すように、ピストン収容部23には、ブレーキディスク1(図1参照)の周方向に間隔をおいて第1および第2のピストン収容孔25a,25bが設けられ、この第1および第2のピストン収容孔25a,25bに第1および第2のピストン部材26a,26bがそれぞれ収容されている。第1および第2のピストン部材26a,26bは、インナ側ブレーキパッド7の背面(インナ側ブレーキパッド7のブレーキディスク1と対向する側とは反対側の面)をブレーキディスク1の周方向に離れた2箇所で押圧するように平行に配置されている。
キャリパボディ6には、電動モータ30を駆動源として第1および第2のピストン部材26a,26bを直線移動させる電動式直動アクチュエータ31が取り付けられている。
電動式直動アクチュエータ31は、第1および第2のピストン収容孔25a,25bの中心線上にそれぞれ配置された第1および第2の回転軸32a,32bと、第1および第2の回転軸32a,32bの回転をそれぞれ第1および第2のピストン部材26a,26bの直線運動に変換する第1および第2の直動機構33a,33bと、第1および第2の回転軸32a,32bを回転駆動する単一の電動モータ30と、電動モータ30から出力された回転を差動歯車装置34を介して第1および第2の回転軸32a,32bに伝達する差動側動力伝達経路35と、電動モータ30から出力された回転を差動歯車装置34を介さずに第1および第2の回転軸32a,32bに伝達する非差動側動力伝達経路36とを有する。
差動側動力伝達経路35は、電動モータ30の出力軸37の回転が入力されるように電動モータ30の出力軸37に動力的に連結された差動入力軸38と、差動入力軸38の回転を、第1の差動出力歯車39aと第2の差動出力歯車39bとに分配する差動歯車装置34と、第1の差動出力歯車39aの回転を第1の回転軸32aに伝達する一連の歯車40と、第2の差動出力歯車39bの回転を第2の回転軸32bに伝達する一連の歯車41とを有する。
差動歯車装置34には、第1および第2のピストン部材26a,26bがインナ側ブレーキパッド7の背面を押圧する方向(以下「制動方向」という)の電動モータ30の回転を伝達し、その逆方向(すなわち第1および第2のピストン部材26a,26bによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧を解除する方向。以下「制動解除方向」という)の電動モータ30の回転の伝達を遮断する一方向クラッチ42が組み込まれている。電動モータ30の出力軸37と差動歯車装置34の差動入力軸38との間には、逆入力遮断クラッチ43が組み込まれている。
一方、非差動側動力伝達経路36は、電動モータ30の出力軸37の回転が入力される入力歯車44と、入力歯車44に同時に噛み合う第1および第2の分配歯車45a,45bと、第1の分配歯車45aの回転を第1の回転軸32aに伝達する歯車46と、第2の分配歯車45bの回転を第2の回転軸32bに伝達する歯車47とを有する。この非差動側動力伝達経路36は、第1の回転軸32aの回転負荷と第2の回転軸32bの回転負荷の間に差がある場合であっても、第1および第2の回転軸32a,32bが同一の回転数で回転するように、電動モータ30の出力軸37の回転を第1および第2の分配歯車45a,45bに分配して伝達する。入力歯車44には、制動方向の電動モータ30の回転の伝達を遮断し、制動解除方向の電動モータ30の回転を伝達する一方向クラッチ48が組み込まれている。
差動側動力伝達経路35の一方向クラッチ42と、非差動側動力伝達経路36の一方向クラッチ48は、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達経路を差動側動力伝達経路35と非差動側動力伝達経路36との間で切り換えるクラッチ機構として機能する。すなわち、制動方向に電動モータ30が回転したときは、差動側の一方向クラッチ42が係合状態となって差動側動力伝達経路35で動力伝達が行なわれるとともに、非差動側の一方向クラッチ48が空転状態となって非差動側動力伝達経路36での動力伝達が遮断される。一方、制動解除方向に電動モータ30が回転したときは、差動側の一方向クラッチ42が空転状態となって差動側動力伝達経路35の動力伝達が遮断されるとともに、非差動側の一方向クラッチ48が係合状態となって非差動側動力伝達経路36で動力伝達が行なわれる。
図4、図5に示すように、差動歯車装置34は、差動入力軸38の回転が入力される太陽歯車50と、その太陽歯車50を囲むように設けられた環状の内歯車51と、太陽歯車50と内歯車51の両者に噛み合うように太陽歯車50の外周と内歯車51の内周との間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の遊星歯車52と、その複数の遊星歯車52を自転可能かつ公転可能に保持する遊星キャリヤ53と、遊星キャリヤ53と一体に回転する第1の差動出力歯車39aと、内歯車51と一体に回転する第2の差動出力歯車39bとを有する遊星式の差動歯車装置である。太陽歯車50と第1の差動出力歯車39aと第2の差動出力歯車39bは、同一軸線上で相対回転するように配置されている。
差動歯車装置34は、第1および第2の回転軸32a,32bがそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように差動入力軸38の回転を第1の差動出力歯車39aと第2の差動出力歯車39bとに分配して伝達する。すなわち、第1の回転軸32aの回転負荷が第2の回転軸32bの回転負荷よりも小さいときは、第1の回転軸32aの回転数が第2の回転軸32bの回転数よりも大きくなるように差動入力軸38の回転を第1および第2の差動出力歯車39a,39bに分配して伝達し、一方、第1の回転軸32aの回転負荷が第2の回転軸32bの回転負荷よりも大きいときは、第1の回転軸32aの回転数が第2の回転軸32bの回転数よりも小さくなるように差動入力軸38の回転を第1および第2の差動出力歯車39a,39bに分配して伝達する。
図5に示すように、差動側の一方向クラッチ42は、この実施形態では、太陽歯車50の内周に周方向に間隔をおいて形成された複数のポケット54と、その各ポケット54に収容されたローラ55と、各ローラ55を周方向の一方に向けて付勢するばね56とを有するローラ式の一方向クラッチである。
図6および図8に、逆入力遮断クラッチ43の一例を示す。この逆入力遮断クラッチ43は、電動モータ30の側から回転が入力される外輪部材57と、外輪部材57の内側に挿入された差動入力軸38と、外輪部材57の内周のカム面58と差動入力軸38の外周の円筒面59との間に組み込まれた複数のローラ60と、各ローラ60を径方向に移動可能な状態でローラ60の周方向の間隔を保持するローラ保持器61と、ローラ保持器61と外輪部材57の周方向の相対位置を弾性的に保持するセンタリングばね62と、ローラ保持器61に摩擦接触して回転抵抗を付与する摩擦板63とを有する。外輪部材57は、図では、電動モータ30の出力軸37に一体に形成しているが、出力軸37と別体に形成したものを出力軸37に固定してもよい。
図8に示すように、各カム面58は、カム面58と円筒面59との間に、周方向の中央から周方向の両側に向かって径方向寸法が次第に狭小となるくさび空間を形成する面である。ローラ保持器61は、ローラ60がカム面58と円筒面59の間に噛み込まない中立位置(図8に示すローラ60の位置)と、ローラ60がカム面58と円筒面59の間に噛み込む係合位置との間で、外輪部材57に対して周方向に相対移動可能とされている。係合位置は中立位置に対して周方向両側に設定されている。
センタリングばね62は、ローラ保持器61を中立位置に弾性保持している。すなわち、ローラ保持器61を図8に示す中立位置から外輪部材57に対して周方向に相対変位して係合位置に移動したときに、センタリングばね62の弾性復元力によってローラ保持器61が中立位置に戻る方向に付勢されるようになっている。
図6に示す摩擦板63は、支持部材64に対し回り止めした状態で軸方向に移動可能に支持されている。摩擦板63は、弾性部材65でローラ保持器61に向けて軸方向に押圧され、この弾性部材65の押圧力でローラ保持器61に押し付けられている。支持部材64はキャリパボディ6に固定して設けられた静止部材である。
この逆入力遮断クラッチ43は、外輪部材57の側に回転トルクが入力されたときは、外輪部材57が回転し、このとき、外輪部材57とセンタリングばね62で連結されたローラ保持器61も外輪部材57と一緒に回転するが、ローラ保持器61は摩擦板63と摩擦接触しているため、その摩擦抵抗によってローラ保持器61は外輪部材57に対して周方向に相対移動し、ローラ60がカム面58と円筒面59の間に係合する。このローラ60の係合により、外輪部材57の側(すなわち電動モータ30の側)から差動入力軸38の側(すなわち第1および第2の回転軸32a,32bの側)に回転トルクが伝達し、外輪部材57と差動入力軸38は一体に回転することとなる。一方、差動入力軸38の側に回転トルクが入力されたときは、差動入力軸38が回転するが、このとき、ローラ保持器61はセンタリングばね62で中立位置に保持されているため、ローラ60はカム面58と円筒面59の間に係合しない。そのため、差動入力軸38の側(すなわち第1および第2の回転軸32a,32bの側)から外輪部材57の側(すなわち電動モータ30の側)への回転トルクの伝達が遮断され、差動入力軸38が空転することとなる。
図4に示すように、差動側動力伝達経路35および非差動側動力伝達経路36は、キャリパボディ6に取り付けたカバー66で覆われている。電動モータ30は、差動入力軸38が第1および第2の回転軸32a,32bと平行となるようにキャリパボディ6に固定されている。
図7に示すように、非差動側の一方向クラッチ48は、入力歯車44の内周に周方向に間隔をおいて形成された複数のポケット67と、その各ポケット67に収容されたローラ68と、各ローラ68を周方向の一方に向けて付勢するばね69とを有するローラ式の一方向クラッチである。
図9は、図4に示す差動側動力伝達経路35および非差動側動力伝達経路36を模式的にあらわした図である。電動モータ30(図4参照)の出力軸37から、差動側動力伝達経路35または非差動側動力伝達経路36を経由して第1および第2の回転軸32a,32bに回転が伝達するとき、差動側動力伝達経路35を経由するときの回転の減速比は、非差動側動力伝達経路36を経由するときの回転の減速比よりも大きくなるように、差動側動力伝達経路35の減速比および非差動側動力伝達経路36の減速比が設定されている。これにより、第1および第2のピストン部材26a,26b(図4参照)がインナ側ブレーキパッド7の背面を押圧するときは、差動側動力伝達経路35が比較的大きい減速比をもって回転を伝達することで、高いブレーキ荷重を発生するとともに、第1および第2のピストン部材26a,26bによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧を解除するときは、非差動側動力伝達経路36が比較的小さい減速比をもって回転を伝達することで迅速に押圧を解除し、ブレーキ解除の応答性を高めることが可能となっている。
次に、第1の直動機構33aの構成を説明する。第2の直動機構33bは第1の直動機構33aと同様の構成であるため、対応する部分に同一の符号を付して説明を省略する。
図12、図13に示すように、第1の直動機構33aは、第1のピストン部材26aの内周と第1の回転軸32aの外周との間に周方向に間隔をおいて設けられた複数の遊星ローラ70と、その各遊星ローラ70を自転可能かつ公転可能に保持するキャリヤ71とを有する。第1のピストン部材26aは、第1の回転軸32aの外周と半径方向に対向する円筒状に形成されている。
各遊星ローラ70は、第1の回転軸32aの外周に転がり接触している。第1の回転軸32aの遊星ローラ70に対する接触部分は円筒面とされている。第1の回転軸32aが回転したとき、各遊星ローラ70はローラ軸72を中心に自転しながら、第1の回転軸32aのまわりを第1のピストン部材26aの内周に沿って公転する。
第1のピストン部材26aは、キャリパボディ6に形成された第1のピストン収容孔25aの内面で、ブレーキディスク1の軸方向と平行にスライド可能に支持されている。第1のピストン部材26aの内周には、螺旋凸条73が設けられている。螺旋凸条73は、円周方向に対して所定のリード角をもって斜めに延びる凸条である。各遊星ローラ70の外周には、螺旋凸条73に係合する複数の円周溝74が軸方向に間隔をおいて形成されている。各遊星ローラ70の外周の軸方向に隣り合う円周溝74の間隔は、螺旋凸条73のピッチと同一の大きさとされている。ここでは、遊星ローラ70の外周にリード角が0度の円周溝74を設けているが、円周溝74のかわりに、螺旋凸条73と異なるリード角をもつ螺旋溝を設けてもよい。
キャリヤ71は、遊星ローラ70を間にして軸方向に対向する一対のディスク75,76と、ディスク75,76同士を連結する連結部77と、各遊星ローラ70の中心に設けられこれを自転可能に支持するローラ軸72とを有する。各ローラ軸72の両端部は、各ディスク75,76でそれぞれ支持されている。各ディスク75,76は、第1の回転軸32aを貫通させる環状に形成され、その内周には、第1の回転軸32aの外周に摺接する滑り軸受78がそれぞれ装着されている。
各遊星ローラ70とディスク76との間には、遊星ローラ70を自転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受79が組み込まれている。また、スラスト軸受79とディスク76の間には、スラスト軸受79を介して遊星ローラ70を傾動可能に支持する調心座80が組み込まれている。
キャリパボディ6の第1のピストン収容孔25aの内部には、第1のピストン部材26aから見てブレーキディスク1(図1参照)の側とは反対側に離れた位置に、第1の回転軸32aが貫通した状態となるように円環状に形成された反力受け部材81が設けられている。反力受け部材81の内周には、第1の回転軸32aを回転可能に支持する複数の転がり軸受82が組み込まれている。
キャリヤ71と反力受け部材81の間には、キャリヤ71を公転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受83が組み込まれている。また、キャリヤ71とスラスト軸受83の間には、キャリヤ71と一体に公転する間座84が組み込まれている。
第1のピストン収容孔25aのブレーキディスク1の側の開口縁には、ブーツ85が取り付けられている。ブーツ85は、蛇腹状に折りたたまれた軸方向に伸縮可能な筒状の部材である。ブーツ85の一端は、第1のピストン収容孔25aの内周に接続され、ブーツ85の他端は、第1のピストン部材26aの外周に接続されている。このブーツ85は、第1のピストン収容孔25aと第1のピストン部材26aの摺動面間に異物が侵入するのを防止している。
第1のピストン部材26aのブレーキディスク1の側の端部には、インナ側ブレーキパッド7の背面に形成された係合凸部86に係合する係合凹部87が形成され、この係合凸部86と係合凹部87の係合によって、第1のピストン部材26aが回り止めされている。
この第1の直動機構33aは、第1の回転軸32aが回転したとき、その回転が第1の回転軸32aの外周に転がり接触する遊星ローラ70に伝達し、各遊星ローラ70がローラ軸72を中心に自転しながら第1の回転軸32aのまわりを公転する。このとき、遊星ローラ70の外周の円周溝74と第1のピストン部材26aの内周の螺旋凸条73との係合によって、遊星ローラ70と第1のピストン部材26aが軸方向に相対移動するが、遊星ローラ70はキャリヤ71と共に軸方向の移動が規制されているので、遊星ローラ70はキャリパボディ6に対して軸方向に移動せず、第1のピストン部材26aがキャリパボディ6に対して軸方向に移動する。このようにして、第1の直動機構33aは、第1の回転軸32aの回転を第1のピストン部材26aの直線運動に変換する。これと同様にして、第2の直動機構33bも、第2の回転軸32bの回転を第2のピストン部材26bの直線運動に変換する。
上記の電動ブレーキ装置の動作例を説明する。
ブレーキをかけるときは、図4に示す電動モータ30を制動方向に回転駆動する。このとき、電動モータ30の回転が、逆入力遮断クラッチ43を介して差動入力軸38に入力され、差動側の一方向クラッチ42は係合状態となる。一方、非差動側の一方向クラッチ48は空転状態となる。そして、差動入力軸38と一体に太陽歯車50が回転し、その太陽歯車50の回転が、差動歯車装置34を介して第1の回転軸32aと第2の回転軸32bに分配して伝達される。第1および第2の回転軸32a,32bに伝達した回転は、第1および第2の直動機構33a,33bによって、それぞれ第1および第2のピストン部材26a,26bの直線運動に変換され、第1および第2のピストン部材26a,26bがブレーキディスク1に向けて前進する。その結果、第1および第2のピストン部材26a,26bが、インナ側ブレーキパッド7をブレーキディスク1の周方向に離れた2箇所で押圧し、インナ側ブレーキパッド7をブレーキディスク1に押し付ける。またこのとき、第1および第2のピストン部材26a,26bがブレーキディスク1から受ける軸方向後方の反力によって、キャリパボディ6がマウンティングブラケット4に対してスライド移動し、キャリパボディ6の爪部22がアウタ側ブレーキパッド8の背面を押圧し、アウタ側ブレーキパッド8をブレーキディスク1に押し付ける。このようにして、インナ側ブレーキパッド7およびアウタ側ブレーキパッド8がブレーキディスク1に押し付けられ、そのブレーキパッド7,8とブレーキディスク1の接触面間の摩擦によって、ブレーキディスク1に制動力が発生する。
ブレーキを解除するときは、図4に示す電動モータ30を制動解除方向に回転駆動する。このとき、差動側の一方向クラッチ42は空転状態となるとともに、非差動側の一方向クラッチ48は係合状態となり、電動モータ30の回転が、非差動側動力伝達経路36を経由して第1および第2の回転軸32a,32bに伝達する。第1および第2の回転軸32a,32bに伝達した回転は、第1および第2の直動機構33a,33bによって、それぞれ第1および第2のピストン部材26a,26bの直線運動に変換され、第1および第2のピストン部材26a,26bがブレーキディスク1から遠ざかる方向に後退する。その結果、インナ側ブレーキパッド7およびアウタ側ブレーキパッド8がブレーキディスク1から離反し、制動力が解除される。
ここで、電動モータ30が制動方向に回転するとき、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達は、差動歯車装置34を有する差動側動力伝達経路35を経由して行なわれる。そのため、電動モータ30の回転は、第1および第2の回転軸32a,32bのそれぞれの回転負荷に応じて分配され、第1のピストン部材26aによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力と、第2のピストン部材26bによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力とが均一化される。
例えば、電動モータ30が制動方向に回転し、第1および第2のピストン部材26a,26bが前進しているときに、インナ側ブレーキパッド7の第1のピストン部材26aの側の部分が、第2のピストン部材26bの側の部分よりも先にブレーキディスク1に接触すると、第1のピストン部材26aによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力が、第2のピストン部材26bによるインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力よりも大きくなる。このとき、第1の回転軸32aの回転負荷が第2の回転軸32bの回転負荷よりも大きくなるので、差動歯車装置34が作動し、第2の回転軸32bの回転数が第1の回転軸32aの回転数よりも大きくなるように電動モータ30の回転の分配が行われる。その結果、第1のピストン部材26aのインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力と、第2のピストン部材26bのインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧力とが均一化される。
一方、電動モータ30が制動解除方向に回転するとき、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達は、差動歯車装置34を持たない非差動側動力伝達経路36を経由して行なわれる。そのため、第1の回転軸32aの回転負荷と第2の回転軸32bの回転負荷に差がある場合であっても、第1および第2の回転軸32a,32bが同一の回転数で回転し、第1および第2のピストン部材26a,26bが均一に後退する。
ここで、電動モータ30が制動解除方向に回転するとき、非差動側動力伝達経路36を介して、電動モータ30の側から第1および第2の回転軸32a,32bの側に伝達する回転が、差動側動力伝達経路35を介して、第1および第2の回転軸32a,32bの側から電動モータ30の側に伝達するトルク循環現象が生じる可能性があるが、差動側動力伝達経路35の途中に逆入力遮断クラッチ43が設けられているため、差動側動力伝達経路35を介した第1および第2の回転軸32a,32bの側から電動モータ30の側への回転トルクの伝達は遮断され、トルク循環現象は防止される。
この電動ブレーキ装置は、インナ側ブレーキパッド7の背面を周方向に離れた2箇所で押圧する構成であるため、インナ側ブレーキパッド7に作用する押圧力を大きくした場合にも、インナ側ブレーキパッド7とブレーキディスク1の間の圧力がインナ側ブレーキパッド7の全面において均一となりやすい。
また、この電動ブレーキ装置は、電動モータ30が制動方向に回転するときは、差動側動力伝達経路35を介して、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達が行なわれるので、第1および第2のピストン部材26a,26bが前進してインナ側ブレーキパッド7の背面を押圧するときに、第1のピストン部材26aからインナ側ブレーキパッド7の背面に作用する押圧力と、第2のピストン部材26bからインナ側ブレーキパッド7の背面に作用する押圧力とを均一化することができる。そのため、大きな制動力を発生したときにも、フェード現象(インナ側ブレーキパッド7の摩擦材20が高温となってガスを発生し、そのガスによってインナ側ブレーキパッド7とブレーキディスク1の間の摩擦力が低下する現象)を効果的に防止することが可能であり、またインナ側ブレーキパッド7の局所的な摩耗を防止することが可能である。
また、この電動ブレーキ装置は、電動モータ30が制動解除方向に回転するときは、非差動側動力伝達経路36を介して、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達が行なわれるので、第1および第2のピストン部材26a,26bが後退してインナ側ブレーキパッド7の背面への押圧を解除するときに、第1の回転軸32aの回転負荷と第2の回転軸32bの回転負荷に差がある場合であっても、第1および第2のピストン部材26a,26bを均一に後退させることが可能となっている。そのため、ブレーキを解除したときに、インナ側ブレーキパッド7とブレーキディスク1の間に均一なクリアランスを得ることができ、インナ側ブレーキパッド7とブレーキディスク1の間の引き摺りトルクを低減することが可能となっている。
また、この電動ブレーキ装置は、遊星式の差動歯車装置34を採用しているので、差動歯車装置34がコンパクトであり、省スペースが要求される車両用ブレーキ装置の用途に特に好適である。
次に、この発明の第2実施形態の電動ブレーキ装置を説明する。第1実施形態では、電動モータ30から第1および第2の回転軸32a,32bへの動力伝達経路を差動側動力伝達経路35と非差動側動力伝達経路36との間で切り換えるクラッチ機構として、差動側動力伝達経路35の途中に配置された一方向クラッチ42と、非差動側動力伝達経路36の途中に配置された一方向クラッチ48とを採用していたが、図10に示すように、第2実施形態の電動ブレーキ装置は、第1実施形態の差動側および非差動側の一方向クラッチ42,48に代えて、差動側動力伝達経路35の途中に配置された差動側の2方向クラッチ88と、非差動側動力伝達経路36の途中に配置された非差動側の2方向クラッチ89と、これら2方向クラッチ88,89の空転状態と係合状態を切り換えるクラッチ切り替え機構90とを採用したものである。2方向クラッチとは、正逆両方向の回転を伝達する係合状態と、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態とを切り換え可能なクラッチである。以下、第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図10、図11に示すように、非差動側の2方向クラッチ89は、電動モータ30の出力軸37を挿通させるように設けられた外輪部材91と、外輪部材91の内周の円筒面92と電動モータ30の出力軸37の外周のカム面93との間に組み込まれた複数のローラ94と、各ローラ94を径方向に移動可能な状態でローラ94の周方向の間隔を保持するローラ保持器95と、ローラ保持器95と電動モータ30の出力軸37との周方向の相対位置を弾性的に保持する図示しない中立ばねと、ローラ保持器95に接触する位置とローラ保持器95から離反する位置との間で軸方向に移動可能に支持されたスイッチングプレート96と、スイッチングプレート96をローラ保持器95から離反する方向に付勢する離反ばね97とを有する。スイッチングプレート96は、支持部材64に回り止めした状態で軸方向に移動可能に支持されている。外輪部材91の外周には、電動モータ30の回転が入力される入力歯車44が設けられ、この入力歯車44が第1および第2の分配歯車45a,45b(図4参照)に同時に噛み合っている。
各カム面93は、カム面93と円筒面92との間に、周方向の中央から周方向の両側に向かって径方向寸法が次第に狭小となるくさび空間を形成する面である。ローラ保持器95は、ローラ94がカム面93と円筒面92の間に噛み込まない中立位置(図11に示す位置)と、ローラ94がカム面93と円筒面92の間に噛み込む係合位置との間で、出力軸37に対して周方向に相対移動可能とされている。係合位置は中立位置に対して周方向両側に設定されている。ローラ保持器95は、図示しない中立ばねによって中立位置に弾性保持されている。
この非差動側の2方向クラッチ89は、スイッチングプレート96をローラ保持器95に接触させると、正逆両方向の回転を伝達する係合状態となり、スイッチングプレート96をローラ保持器95から離反させると、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態となる。すなわち、スイッチングプレート96をローラ保持器95に接触させた状態で、出力軸37が正逆いずれかの方向に回転すると、出力軸37と中立ばねで連結されたローラ保持器95も出力軸37と一緒に回転するが、ローラ保持器95はスイッチングプレート96と摩擦接触しているため、ローラ保持器95は出力軸37に対して周方向に相対移動し、ローラ94がカム面93と円筒面92の間に係合する。その結果、出力軸37から外輪部材91に回転が伝達され、出力軸37と外輪部材91が一体に回転することとなる。一方、スイッチングプレート96がローラ保持器95から離反した状態で、出力軸37が正逆いずれかの方向に回転すると、ローラ保持器95は中立ばねで中立位置に保持されているため、ローラ94はカム面93と円筒面92の間に係合しない。そのため、出力軸37から外輪部材91への回転の伝達が遮断され、出力軸37が空転することとなる。
差動側の2方向クラッチ88も、非差動側の2方向クラッチ89と同様の構成である。そのため、対応する部分には同一の符号を付して説明を省略する。差動側の2方向クラッチ88の外輪部材91の外周には太陽歯車50が設けられ、この太陽歯車50が差動歯車装置34の遊星歯車52(図4参照)に噛み合っている。
非差動側の2方向クラッチ89と差動側の2方向クラッチ88は、非差動側の2方向クラッチ89のローラ保持器95と差動側の2方向クラッチ88のローラ保持器95との間に、非差動側の2方向クラッチ89と差動側の2方向クラッチ88の双方のスイッチングプレート96を介在させるように対称に配置されている。
クラッチ切り替え機構90は、出力軸37の外周に形成されたねじ部98と、ねじ部98にねじ係合するナット99と、ナット99に回転抵抗を付与するようにナット99と支持部材64との間に組み込まれた摩擦連結部材100(例えばばね)とを有する。ナット99とその両側のスイッチングプレート96の間には、スラスト軸受101およびばね102が組み込まれている。
このクラッチ切り替え機構90は、出力軸37が制動方向に回転したときは、ナット99がねじ部98に対して相対回転することによって、ナット99が差動側の2方向クラッチ88のスイッチングプレート96を軸方向(図の右方向)に押し動かしてローラ保持器95に接触させ、差動側の2方向クラッチ88を係合状態とする。このとき、非差動側の2方向クラッチ89のスイッチングプレート96は、離反ばね97の付勢力によってローラ保持器95から離反し、非差動側の2方向クラッチ89は空転状態となる。一方、出力軸37が制動解除方向に回転したときは、ナット99がねじ部98に対して相対回転することによって、ナット99が非差動側の2方向クラッチ89のスイッチングプレート96を軸方向(図の左方向)に押し動かしてローラ保持器95に接触させ、非差動側の2方向クラッチ89を係合状態とする。このとき、差動側の2方向クラッチ88のスイッチングプレート96は離反ばね97の付勢力によってローラ保持器95から離反し、差動側の2方向クラッチ88は空転状態となる。
この第2実施形態の電動ブレーキ装置を使用すると、電動モータ30が制動方向に回転したときは、クラッチ切り替え機構90によって、差動側の2方向クラッチ88が係合状態に切り替わり、差動側動力伝達経路35で動力伝達が行なわれるとともに、非差動側の2方向クラッチ89が空転状態に切り替わり、非差動側動力伝達経路36での動力伝達が遮断される。一方、電動モータ30が制動解除方向に回転したときは、クラッチ切り替え機構90によって、差動側の2方向クラッチ88が空転状態に切り替わり、差動側動力伝達経路35の動力伝達が遮断されるとともに、非差動側の2方向クラッチ89が係合状態に切り替わり、非差動側動力伝達経路36で動力伝達が行なわれる。
また、この第2実施形態の電動ブレーキ装置は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
上記第2実施形態では、電動モータ30の出力軸37の回転に応じて軸方向移動するナット99を設け、そのナット99の軸方向移動によって差動側および非差動側の2方向クラッチ88,89の係合状態と空転状態を切り換えるようにしたが、第1および第2の直動機構に作用する軸方向反力に応じて図10に示すナット99に相当する部材が軸方向に移動するようにし、そのナット99の軸方向移動によって差動側および非差動側の2方向クラッチ88,89の係合状態と空転状態を切り換えるようにしてもよい。また、差動側および非差動側の2方向クラッチ88,89として、通電と非通電の切り換えにより係合状態と空転状態を切り換え可能な電磁クラッチ(例えば、図10に示すナット99に相当する部材を軸方向に駆動する電磁石を設けたもの)を採用することも可能である。
また、上記各実施形態では、遊星式の差動歯車装置34を採用したが、これにかえて他の形式の差動歯車装置を採用してもよい。
上記各実施形態では、第1および第2の回転軸32a,32bの回転をそれぞれ第1および第2のピストン部材26a,26bの直線運動に変換する第1および第2の直動機構33a,33bとして、遊星ローラ70を使用した遊星ローラ機構を採用した例を挙げて説明したが、他の形式の直動機構(送りねじ機構、ボールランプ機構等)を用いてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ブレーキディスク
6 キャリパボディ
7 インナ側ブレーキパッド
25a 第1のピストン収容孔
25b 第2のピストン収容孔
26a 第1のピストン部材
26b 第2のピストン部材
30 電動モータ
32a 第1の回転軸
32b 第2の回転軸
33a 第1の直動機構
33b 第2の直動機構
34 差動歯車装置
35 差動側動力伝達経路
36 非差動側動力伝達経路
39a 第1の差動出力歯車
39b 第2の差動出力歯車
42 差動側の一方向クラッチ
43 逆入力遮断クラッチ
48 非差動側の一方向クラッチ
50 太陽歯車
51 内歯車
52 遊星歯車
53 遊星キャリヤ
88 差動側の2方向クラッチ
89 非差動側の2方向クラッチ
90 クラッチ切り替え機構

Claims (6)

  1. ブレーキディスク(1)に接触する位置と離反する位置との間で移動可能に支持されたブレーキパッド(7)と、
    前記ブレーキパッド(7)の背面を前記ブレーキディスク(1)の周方向に離れた2箇所で押圧するように平行に配置された第1および第2のピストン部材(26a,26b)と、
    前記第1および第2のピストン部材(26a,26b)をそれぞれ収容する第1および第2のピストン収容孔(25a,25b)をもつキャリパボディ(6)と、
    前記第1および第2のピストン収容孔(25a,25b)の中心線上にそれぞれ配置された第1および第2の回転軸(32a,32b)と、
    前記第1および第2の回転軸(32a,32b)の回転をそれぞれ前記第1および第2のピストン部材(26a,26b)の直線運動に変換する第1および第2の直動機構(33a,33b)と、
    単一の電動モータ(30)と、
    前記電動モータ(30)から出力された回転を前記第1および第2の回転軸(32a,32b)がそれぞれの回転負荷に応じた回転数で回転するように分配して伝達する差動歯車装置(34)を有する差動側動力伝達経路(35)と、
    前記電動モータ(30)から出力された回転を前記第1および第2の回転軸(32a,32b)が同一の回転数で回転するように分配して伝達する非差動側動力伝達経路(36)と、
    前記電動モータ(30)から前記第1および第2の回転軸(32a,32b)への動力伝達経路を、前記差動側動力伝達経路(35)と前記非差動側動力伝達経路(36)との間で切り換えるクラッチ機構と、
    を有する電動ブレーキ装置。
  2. 前記クラッチ機構は、
    前記差動側動力伝達経路(35)の途中に配置され、前記第1および第2のピストン部材(26a,26b)が前記ブレーキパッド(7)の背面を押圧する方向の前記電動モータ(30)の回転を伝達し、その逆方向の前記電動モータ(30)の回転の伝達を遮断する差動側の一方向クラッチ(42)と、
    前記非差動側動力伝達経路(36)の途中に配置され、前記第1および第2のピストン部材(26a,26b)が前記ブレーキパッド(7)の背面を押圧する方向の前記電動モータ(30)の回転の伝達を遮断し、その逆方向の前記電動モータ(30)の回転を伝達する非差動側の一方向クラッチ(48)と、
    を有する請求項1に記載の電動ブレーキ装置。
  3. 前記差動側動力伝達経路(35)は、
    前記電動モータ(30)の側から前記第1および第2の回転軸(32a,32b)の側への回転トルクを伝達し、前記第1および第2の回転軸(32a,32b)の側から前記電動モータ(30)の側への回転トルクの伝達は遮断する逆入力遮断クラッチ(43)を更に有する、
    請求項2に記載の電動ブレーキ装置。
  4. 前記クラッチ機構は、
    前記差動側動力伝達経路(35)の途中に配置され、正逆両方向の回転を伝達する係合状態と、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態とを切り換え可能な差動側の2方向クラッチ(88)と、
    前記非差動側動力伝達経路(36)の途中に配置され、正逆両方向の回転を伝達する係合状態と、正逆両方向の回転の伝達を遮断する空転状態とを切り換え可能な非差動側の2方向クラッチ(89)と、
    を有する請求項1に記載の電動ブレーキ装置。
  5. 前記クラッチ機構は、
    前記第1および第2のピストン部材(26a,26b)が前記ブレーキパッド(7)の背面を押圧する方向に前記電動モータ(30)が回転するときは、前記差動側の2方向クラッチ(88)を係合状態とするとともに前記非差動側の2方向クラッチ(89)を空転状態とし、逆方向に前記電動モータ(30)が回転するときは、前記差動側の2方向クラッチ(88)を空転状態とするとともに前記非差動側の2方向クラッチ(89)を係合状態とするクラッチ切り替え機構(90)を更に有する、
    請求項4に記載の電動ブレーキ装置。
  6. 前記差動歯車装置(34)は、
    前記電動モータ(30)の回転が入力される太陽歯車(50)と、前記太陽歯車(50)を囲むように設けられた環状の内歯車(51)と、前記太陽歯車(50)と前記内歯車(51)の両者に噛み合うように前記太陽歯車(50)の外周と前記内歯車(51)の内周との間に周方向に間隔をおいて組み込まれた複数の遊星歯車(52)と、その複数の遊星歯車(52)を自転可能かつ公転可能に保持する遊星キャリヤ(53)と、前記遊星キャリヤ(53)と一体に回転するように設けられた第1の差動出力歯車(39a)と、前記内歯車(51)と一体に回転するように設けられた第2の差動出力歯車(39b)とを有する遊星式の差動歯車装置である、
    請求項1から5のいずれかに記載の電動ブレーキ装置。
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