JP2017155370A - 抄造体のコーティング方法およびコーティング物 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体的な対象物上への抄造体のコーティングを実現することができる抄造体のコーティング方法を提供する。
【解決手段】本発明の抄造体のコーティング方法は、3次元構造を有するコーティング対象物を、容器の内部に設置された支持部材であるフィルターの表面上に配置する工程と、コーティング対象物の表面上に沿って、立体フィルターを配置する工程と、立体フィルターの表面上に、バインダー樹脂と繊維フィラーと溶媒とを含むスラリーを導入する工程と、フィルターの裏面側からスラリーを吸引することにより、立体フィルターの表面上に立体抄造体を形成する吸引工程と、を含み、吸引工程において、吸引方向に向かって流れるスラリーの流路が、コーティング対象物の表面と立体フィルターの表面との間に形成されており、かつ、フィルターにまで達しているものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、抄造体のコーティング方法およびコーティング物に関する。
これまでの抄造体を利用した成形品の製造プロセスとしては、例えば、特許文献1に記載の手法が挙げられる。同文献には、主材と木材パルプと無機繊維と凝集用バインダーとを含むスラリーを抄造し、シートを形成した後、該シートを積層して加圧加熱し、加熱乾燥させることにより不燃性ボードを得ると記載されている。
このような「抄造体」とは、繊維材料を漉く手法を使用して得られた物の状態を示す技術用語として一般的に使用されている。この状態は、例えば、特許文献2および3に記載されている。同文献によれば、当該抄造体は、繊維や樹脂等の原料を分散媒に分散させた原料スラリーから、液体分が脱水され、フィルター上に残った湿潤状態の固形分を指す、と記載されている。ここでいう上記湿潤状態とは、乾燥および加熱処理を施す前の硬化状態、すなわち、ポストキュア前の硬化状態を意味する。
また、同文献によれば、当該抄造体は、成形型内で加熱して乾燥成形することにより得られる成形体に利用される。すなわち、抄造体は成形材料として用いられると記載されている。
特開2006−336159号公報 特許第4675276号 特許第5426399号
本発明者が検討した所、上記の製造プロセスの抄造工程(漉き方法)を利用して、立体物の表面に抄造体をコーティングしようとした場合、次のような課題が見出された。
(1)立体物を網の上に置き、立体物とともに網でスラリーを漉いたとしても、立体物の表面(上面や側面)に抄造体が堆積しないこと、
(2)立体物の表面形状に沿った形状を有する立体網を、当該立体物に重ねた状態で、上記抄造工程を行った場合でも、その立体網上には抄造体が堆積しないこと、が判明した。
このような事象について、さらに検討した結果、1層の立体網が立体物の上に隙間無く積層している場合、それらの間をスラリー中の分散媒が移動できないため、スラリー中の固形分である原料が、立体網で漉かれ難くなり、その結果、当該立体網上に堆積できないことが判明した。
本発明者は、このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、立体物と立体網との間にスラリーの溶媒が移動できるような流路を形成することにより、立体網の表面上に抄造体を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、3次元構造を有するコーティング対象物を、容器の内部に設置された支持部材であるフィルターの表面上に配置する工程と、
前記コーティング対象物の表面上に沿って、立体フィルターを配置する工程と、
前記立体フィルターの表面上に、バインダー樹脂と繊維フィラーと溶媒とを含むスラリーを導入する工程と、
前記フィルターの裏面側から前記スラリーを吸引することにより、前記立体フィルターの表面上に立体抄造体を形成する吸引工程と、を含み、
前記吸引工程において、吸引方向に向かって流れる前記スラリーの流路が、前記コーティング対象物の表面と前記立体フィルターの表面との間に形成されており、かつ、前記フィルターにまで達している、抄造体のコーティング方法が提供される。
また、本発明によれば、3次元構造を有するコーティング対象物の表面上に積層されており、バインダー樹脂と繊維フィラーとを含む立体抄造体と、
前記コーティング対象物と前記立体抄造体との間に形成された接着層と、を備える、コーティング物が提供される。
本発明によれば、立体的な対象物上への抄造体のコーティングを実現することができる抄造体のコーティング方法およびその製造方法により得られたコーティング物が提供される。
本実施形態に係る抄造体のコーティング方法の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る抄造体のコーティング方法の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る抄造体のコーティング方法の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る抄造体のコーティング方法の一例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る立体フィルターの変形例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る立体フィルターの変形例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る抄造体の構造の一部を示す斜視模式図である。 本実施形態に係る立体フィルターの変形例を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、本実施の形態では図示するように前後左右上下の方向を規定して説明する。しかし、これは構成要素の相対関係を簡単に説明するために便宜的に規定するものである。従って、本発明を実施する製品の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本実施形態の抄造体のコーティング方法について説明する。
本実施形態の抄造体のコーティング方法は、3次元構造を有するコーティング対象物(対象物110)を、容器102の内部に設置された支持部材であるフィルター104の表面103上に配置する工程と、コーティング対象物(対象物110)の表面(上面112および側壁114)上に沿って、立体フィルター120を配置する工程と、立体フィルター120の表面123上に、バインダー樹脂Aと繊維フィラーBと溶媒とを含むスラリー106を導入する工程と、フィルター104の裏面105側からスラリー106を吸引することにより、立体フィルター120の表面123上に立体抄造体140を形成する吸引工程と、を含むものである。本実施形態の吸引工程において、吸引方向に向かって流れるスラリー106の流路Lが、コーティング対象物(対象物110)の表面(上面112および側壁114)と立体フィルター120の表面123との間に形成されており、かつ、当該流路Lがフィルター104にまで達している。
本発明者が検討した所、対象物110に対する立体フィルター120の構造を調整することにより、スラリー106の流路Lを形成できるとともに、その流路Lを適切に制御することが可能である、という知見が見出された。具体的には、立体フィルター120の裏面125と対象物110のコーティング領域における表面(上面112および側壁114)との間に、フィルター104の孔108に繋がる間隙を形成することが挙げられる。フィルター104の裏面105側から吸引を実施することで、スラリー106が立体フィルター120の表面123を通過し、その間隙を流れて、フィルター104の孔108に到達することができる。このとき、その間隙を流れるスラリー106の流れが流路Lとなる。
こうした知見に基づいて、立体フィルター120の裏面125側を移動する流路Lを形成することができれば、その表面123にてスラリー106を漉くことができ、スラリー106の固形分を表面123に堆積させることが可能になる。
言い換えると、このような流路Lにより、立体フィルター120の表面123上において、スラリー106の吸引力が発生し、スラリー106中の溶媒は立体フィルター120の表面123を通過できるが、一方、スラリー106中の固形成分である凝集体F(バインダー樹脂Aや繊維フィラーB等の抄造体の構成材料)はその表面123上に堆積することができる。
以上により、立体フィルター120の表面123上に、スラリー106を脱溶媒した立体抄造層130を形成することができる。そして、立体抄造層130を乾燥させることにより、立体抄造体140を形成することができる。したがって、本実施形態によれば、3次元構造を有する立体抄造層130および立体抄造体140を安定的に製造することができる。
本実施形態の抄造体のコーティング方法について、図1〜4を用いて詳述する。図1〜図4は、抄造体のコーティング方法の一例を示す断面図である。
図1から図3に示す本実施形態の抄造体のコーティング方法は、対象物110を設置する設置工程と、立体フィルター120を配置する配置工程と、スラリー106を導入する導入工程と、スラリー106を吸引する吸引工程とを含むものである。これにより、立体フィルター120の表面123上に沿って形成された立体抄造層130を得ることができる。
以下、各工程について、抄造装置100を使用した例を用いて説明する。
(対象物110の設置工程)
上記対象物110の設置工程は、3次元構造を有するコーティング対象物(対象物110)を、容器102の内部に設置された支持部材であるフィルター104の表面103上に配置することができる。
まず、図1に示す抄造装置100を準備する。図1に示す抄造装置100は、容器102、支持部材である支持ステージ、不図示の吸引装置を備える。
容器102は、液体であるスラリー106を、その内部に配置された対象物110の高さ以上に貯めることができる収容構造を有している。容器102の上部からスラリー106が供給される。例えば、容器102の上部にスラリー106の供給口が形成されていてもよい。一方、容器102の下部には吸引口が形成されている。吸引口には不図示の吸引装置が接続している。吸引装置により、所望の吸引力に制御できる。この吸引力により、吸引口から容器102の外部にスラリー106が排出される。
容器102の内部には、支持部材(フィルター104)が形成されている。フィルター104は、対象物110や立体フィルター120を、その表面103上に保持することができる。フィルター104は、例えば、平板形状とすることができる。
また、フィルター104は、スラリー106が通過できる孔108が複数形成されている。つまり、フィルター104は、表面103から裏面105にスラリー106(とくに溶媒)が通過できるメッシュ構造や多孔質構造を有している。この孔108が形成されている孔領域は、立体フィルター120の載置領域に沿って設けられていることが好ましい。具体的には、立体フィルター120の裏面125から対象物110の表面の間の間隙領域に、当該孔領域が形成されていることが好ましい。つまり、フィルター104の間隙領域における裏面105側からスラリー106を確実に吸引することができる。これにより、立体フィルター120と対象物110の間にスラリー106の流路Lを安定的に形成することができる。また、対象物110の載置面(裏面)の領域に、当該孔領域が形成されていてもよい。これにより、上記吸引工程において、対象物110をフィルター104に安定的に固定することが可能になる。以上のように、フィルター104において、孔108の孔径や孔領域を調整することで、流路Lの流量を制御することができる。例えば、立体フィルター120の載置領域の外側に、当該孔領域が形成されていなくてもよい。これにより、スラリー106が上記間隙領域において吸引されやすい構成とすることができるので、流路Lの流量を増加させることが可能になる。
なお、図1に示す孔108は、メカニズムを理解するために描写されているものであり、微細な孔であってよい。
続いて、容器102の内部のフィルター104の表面103上に、対象物110を静置する。対象物110は、立体構造を有していれば特に限定されないが、球体、立方体、角錐、円柱、円錐、多面体等が挙げられる。つまり、対象物110は、一部に曲面を有していても良い。また、対象物110が表面に多孔質を有しない場合でも、本実施形態の抄造体のコーティング方法を用いることにより、その対象物110の表面に立体抄造体140を容易に形成することが可能になる。
(立体フィルター120の配置工程)
次いで、上記配置工程は、対象物110の表面(上面112および側壁114)上に沿って、立体フィルター120を配置することができる。
立体フィルター120は、スラリー106の液体(溶媒)を通過させ、一方で、スラリー106の固形分(凝集体F)を通過させずに、その表面123に凝集体Fを堆積させることができる。具体的には、立体フィルター120は、網目構造または多孔質構造を有している。メッシュ粗さや孔径は、例えば凝集体Fの粒径に応じて調整できる。ただし、立体フィルター120は、ある程度粒径が大きい凝集体Fをフィルタリングできればよく、微細な凝集体Fやプロセス上不可避に通過してしまう凝集体Fを許容できる。
また、立体フィルター120は、立体フィルター120の裏面125と対象物110の表面との間に間隙を保持できるものであればよく、例えば、第1フィルター122と第2フィルター124とを有する2層構造であってもよい。第1フィルター122と第2フィルター124を重ねることにより、それらの間隙に流路Lを形成することが可能にある。第1フィルター122は、スラリー106の溶媒を通過させ、一方で、スラリー106の固形分(凝集体F)を通過させずに済む。これにより、第1フィルター122の表面123上に立体抄造体140が形成されることになる。
このような第1フィルター122および第2フィルター124は、対象物110の表面形状に沿った構造を有しており、網目構造または多孔質構造を有することができる。
なお、2層構造の一例を説明したが、これに限定されず、多層構造の立体フィルター120であってもよい。
また、立体フィルター120の変形例としては、図6に示すように、内側に向かって内壁面(裏面125)よりも突出する凸部126が形成されていてもよい。立体フィルター120の内側に形成された凸部126が、立体フィルター120と対象物110との間隙を確保することができる。図6に示す変形例の場合、立体フィルター120は1層構造とすることができる。1層構造の場合には、立体フィルター120は熱可塑性樹脂などの熱変形材料で構成されていることが好ましい。これにより、脱網が不要となり、立体的な対象物110の表面に立体抄造体140を形成することが容易になる。
また、立体フィルター120の材料は、特に限定されないが、例えば、加熱や光照射により溶融する材料を用いることができる。例えば、立体フィルター120は熱可塑性樹脂で構成されていてもよい。これにより、以後の抄造工程後において、立体フィルター120を脱網(脱型)する工程が不要となるため、プロセスの安定性を向上できるとともに、立体フィルター120の形状の応用幅を広げることができる。
例えば、上述の溶融可能な材料を使用した場合、立体フィルター120の形状は、図5に示すようなアンダーカット形状にも適用することが可能である。本実施形態においては、アンダーカット形状とは、断面視における立体フィルター120の下部の幅W2が、吸引方向において、一部または全体に亘って、上部の幅W1よりも狭まっている形状を指す。
したがって、上述の脱網工程が不要となれば、脱網できないアンダーカット形状のような特殊な形状の対象物110の表面上に立体抄造体140を形成することができる。つまり、通常、シートを手作業で張付する方法では追従が難しい形状であっても、その形状に追従した立体抄造体140を形成できる。
また、立体フィルター120は、対象物110の表面全体を覆うことが好ましい。一部覆わない構成としてもよいが、流路Lに固形分(凝集体F)に起因した詰まり物が形成されないようにする観点から、継ぎ目無く全体を覆う構造であるほうがより好ましい。
また、立体フィルター120は、フィルター104の表面103に達する構造であることが好ましい。これにより、立体フィルター120とフィルター104との隙間から、流路Lに固形分(凝集体F)が進入することを抑制できる。
(スラリー106の導入工程)
次いで、上記導入工程は、立体フィルター120の表面123上に、バインダー樹脂Aと繊維フィラーBと溶媒とを含むスラリー106を導入することができる。
本実施形態の製造方法に用いられるスラリー106は、バインダー樹脂Aと繊維フィラーB等の固形分と、分散媒である液状の溶媒を含むものである。当該固形分が、立体抄造層130および立体抄造体140を構成することになるが、その詳細については後述する。
ここで、容器102の内部にスラリー106を導入する場合、固形分と溶媒とを混合したスラリー106を導入してもよく、先に溶媒を導入し後で固形分を添加してもよい。
いずれもの場合も、凝集剤を除いた状態で、容器102中のスラリー106を攪拌し、固形分を分散させる工程を行うことが好ましい。固形分を構成する各材料成分を溶媒に分散させる方法としては、とくに限定されないが、たとえばディスパーザーを用いて撹拌する方法が挙げられる。
溶媒としては、とくに限定されないが、上記固形分を分散させる過程において揮発しにくいことと、立体抄造層130中への残存を抑制するために脱溶媒をしやすいこと、脱溶媒によってエネルギーが増大してしまうことを抑制すること、等の観点から、沸点が50℃以上200℃以下であるものが好ましい。このような溶媒としては、たとえば水や、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類や、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラールなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、供給量が豊富であり、安価、環境負荷が低い、安全性も高く扱いやすいという理由から水を用いることがとくに好ましい。
その後、スラリー106中に、凝集剤を添加することができる。これにより、溶媒中の固形分をフロック状に凝集させて凝集体Fを得ることがより容易となる。
(スラリー106の吸引工程)
続いて、上記吸引工程は、フィルター104の裏面105側からスラリー106を吸引することにより、立体フィルター120の表面123上に立体抄造体140を形成することができる。
具体的には、図1に示すように、容器102の下部の吸引口からスラリー106を吸引する。これにより、スラリー106の液体(溶媒)は、立体フィルター120の表面123を通過し、対象物110の表面に沿って流れ、フィルター104の孔108を通過して、吸引口から容器102の外部に排出されることなる。このような溶媒の流れにより、立体フィルター120と対象物110の間隙には、流路Lが形成されることになる。すると、立体フィルター120は、溶媒を通すが、スラリー106の固形分(凝集体F)は通さない。つまり、凝集体Fと溶媒を互いに分離することができる。これにより、スラリー106を脱水した凝集体Fの堆積体(立体抄造層130)を立体フィルター120上に形成できる。そして、吸引工程において、流路Lを安定的に形成し続けることで、立体フィルター120の表面123の全体に亘って、スラリー106の凝集体Fを堆積させて、立体抄造層130を形成することができる。
本実施形態において、吸引方向は、図1において上方から下方へ方向であって、フィルター104を通過した後のスラリー106の流れ方向と一致させることができる。詳細に説明すると、まず、吸引方向に向かって流れるスラリー106は、立体フィルター120と対象物110との間の間隙において、流体(連続体)を構成している。この流体が、対象物110の表面に沿って移動し、最終的には、吸引方向に向かって移動することになる。この様な意味で、スラリー106は吸引方向に向かって流れると言える。そして、当該流体が、記間隙の間を移動する流れを、流路Lとすることができる。
本実施形態においては、立体抄造層130が適切な厚みとなるまで、吸引工程とともに、スラリー106の導入工程を行っても良い。また、吸引工程においては、最初から最後にかけて、連続的または段階的に吸引力を増加させてもよい。また、吸引工程中、凝集体Fの分散性を高めるために、攪拌工程を同時に行っても良い。
以上により、図2に示す立体フィルター120の表面形状に沿って形成された立体抄造層130を形成することができる。
続いて、図3に示すように、得られた立体抄造層130を取り出して、乾燥炉内に入れて乾燥させることができる。これにより、立体抄造層130中の溶媒をさらに除去することができる。これにより、3次元構造を有する立体抄造体140を製造することができる。
また、本実施形態の抄造体のコーティング方法は、さらに、立体フィルター120を溶融させることにより、コーティング対象物(対象物110)と乾燥させた立体抄造層130である立体抄造体140とを固定する接着層150を形成する接着工程を含むことができる。
図4に示すように、図3で得られた立体抄造体140、立体フィルター120、および対象物110の積層体に対して、例えば、加熱処理を行う。この加熱処理により、立体フィルター120が溶融し、接着層150を構成することになる。本実施形態においては、立体フィルター120として、例えば、上述の熱可塑性樹脂を使用することができる。
これにより、立体抄造体140と対象物110との密着性を向上させることができる。また、立体フィルター120の脱網工程を削減できるので、製造プロセスの生産性を高めることが可能になる。
その後、立体抄造体140、接着層150および対象物110の積層体に対して、加圧成形してもよい。立体抄造体140に対して加圧成形を行うことにより、対象物110の表面形状に一層フィットした立体抄造体140とすることができる。また、立体抄造体140の表面を滑らかにすることも可能になる。これにより、対象物110の表面に立体抄造体140がコーティングされた上に、確実に固定されている成形体160を得ることができる(図4)。
また、本実施形態においては、例えば、加熱加圧プレス処理等の成型方法を実施することにより、上記の立体フィルター120の溶融、立体抄造体140の乾燥、および成形を一括して実施することも可能である。
また、本実施形態においては、立体抄造層130を形成するプロセスを、立体抄造層130が濡れた状態で、複数回、繰り返して行うことも可能である。これにより、対象物110のコーティング層を複数層形成することができる。つまり、対象物110の表面に、同種または異種の立体抄造体140を複数形成することができる。濡れた状態の立体抄造層130を一括して、立体抄造体140に成形することで、製造プロセスの生産性を高めることができる。
以上のように説明した本実施形態の抄造体のコーティング方法により得られたコーティング物(成形体160)は、3次元構造を有するコーティング対象物(対象物110)の表面上に積層されており、バインダー樹脂Aと繊維フィラーBとを含む立体抄造体140と、コーティング対象物(対象物110)と立体抄造体140との間に形成された接着層150と、を備えるものである(図4)。
本実施形態の接着層150は、熱可塑性樹脂で構成されており、加熱工程により溶融して、立体抄造体140と対象物110とを固定することができる。
本実施形態の対象物110においては、一例として、側壁114を有している。その側壁114上に立体抄造体140が形成されている。通常の紙抄き手法では、漉き方向に対して垂直面を構成するような側壁114の表面には、固形分を堆積させ難い。これに対して、本実施形態のコーティング方法においては、このような通常の紙抄き構造では堆積させ難い構造においても、確実に固形分を堆積させることができる。したがって、平面形状を対象としていた紙抄き手法では困難な形状である3次元構造の対象物110に立体抄造体140をコーティングしたコーティング物(成形体160)を実現することができる。
また、本実施形態のコーティング物(成形体160)は、断面視において、コーティング対象物(対象物110)および立体抄造体140がアンダーカット形状を有していてもよい。本実施形態によれば、抄造シートを手作業で貼り付ける方法では追従が難しい形状に対しても、簡単に立体抄造体140をコーティングすることが可能になる。本実施形態のコーティング方法は、幅広い3次元構造を有する対象物110に対して適用可能であり、また、手作業よりも優れた追従性を有するものである。
また、本実施形態の変形例について説明する。
前述の実施形態においては、支持ステージ(支持部材であるフィルター104)を用いた例を説明した。しかしながら、本実施形態の抄造体のコーティング方法においては、この態様に限定されず、図8に示すように、吸引部170と多孔質部(立体フィルター120)が、流路でつながっていればよい。
一例として、図8に示すような対象物110の周囲を覆う立体フィルター120に吸引部170を接続した構造を用いて説明する。図8においては、立体フィルター120に差し込んだ吸引パイプ(吸引部170)から吸引する。このとき、吸引部170と立体フィルター120との接続部分である吸引口に近い部分から順に遠い部分に向かって、外側のフィルター(第1フィルター122)が抄造層で塞がれていく。最終的には、吸引口から一番遠い部分の第1フィルター122が抄造層で埋まることになる。
立体フィルター120は、例えば、図8A〜Cに示すような第1フィルター122と第2フィルター124の積層構造としてもよい。立体フィルター120は、対象物110の一部を覆っても良いが、全周囲を覆うこともできる。全周囲を覆う場合、立体フィルター120は、成形時溶融により接着層150となるか、または成形時に消失する材料で構成されていることがこのましい。例えば、脱網不要の観点から熱可塑性樹脂等で構成されていてもよい。
図8Aは、対象物110側(内側)のフィルター(第2フィルター124)と、外側のフィルター(第1フィルター122)は、いずれも多孔質を有している。例えば、網を用いても良い。流路は、第1フィルター122と第2フィルター124との間、第2フィルター124と対象物110との間に形成される。内側の第2フィルター124の内側から吸引力が働くことになるので、内側の第2フィルター124および外側の第1フィルター122ともに、対象物110に吸着される。言い換えると、吸引力によって、立体フィルター120と対象物110との密着性を維持することが容易になる。
図8Bは、内側の第2フィルター124が多孔質体ではない点で、図8Aの第2フィルター124と相違する。この場合、第1フィルター122と第2フィルター124との間隙に流路を形成することができる。このような第2フィルター124は、例えば、スラリーを通さない構造としてもよく、フィルムであってもよい。これにより、対象物110を濡らさないで、対象物110の表面に沿って抄造体を形成することが可能になる。
図8Cは、所定の強度を有する筐体(ケース)を利用する例を示す。図8Cの立体フィルター120は、図8A、Bと比較して厚みや強度を有することができる。たとえば、立体フィルター120の表層部分に流路が掘られていても良い。このような立体フィルター120を使用することにより、フィルター形状が変動しにくいため、寸法安定性に優れた抄造体を形成することができる。
ここで、本実施形態の立体抄造体140の構造について説明する。
図7は、本実施形態に係る立体抄造体140の一部である抄造体10の一例を示す斜視模式図である。図7においては、抄造体10のうちの点線で示される領域の拡大模式図が示されている。
本実施形態の抄造体10は、バインダー樹脂Aおよび繊維フィラーB(上述の固形分)を含む。また、繊維フィラーBは、図7に示すように、平面方向に配列されていることが好ましい。言い換えれば、抄造体10は、平面方向から見た場合、繊維フィラーBの配向はランダムである一方、厚み方向から見た場合、繊維フィラーBは平面方向に配列されていることが好ましい。
また、抄造体10に含まれるバインダー樹脂Aは、繊維フィラーBどうしを結着する結着材として機能する。抄造体10中のバインダー樹脂Aは、完全硬化していない状態、例えば、Bステージ状態にある。抄造体10を、使用するバインダー樹脂Aの硬化温度で加熱することにより、バインダー樹脂Aを完全硬化して成形体を得ることができる。抄造体10は、成形体を製造するための成形材料として使用される。
本実施形態に係る抄造体10は、以下の点において構造上の特徴1〜3を有するものである。
(特徴1)抄造体10の表面の平面視において、繊維フィラーBがランダムに配向している。
(特徴2)抄造体10の厚み方向における断面視において、繊維フィラーBの配向状態が高度に制御されており、繊維フィラーBが特定方向に配向している。言い換えれば、抄造体10の厚み方向におけて、繊維フィラーBは積層した状態である。
(特徴3)繊維フィラーB同士がバインダー樹脂Aで結着している。
立体抄造体140の一部を構成する抄造体10は、たとえば平板状の形状を有することができる。
図7に示される抄造体10の断面拡大図では、繊維フィラーBが平面方向に配列されており、繊維フィラーBの間にバインダー樹脂Aが介在している場合が例示されている。この場合、繊維フィラーB同士は、たとえばバインダー樹脂Aによって互いに結着される。
図7に示される抄造体10の平面拡大図では、繊維フィラーBが面内においてランダムに配置されており、互いに絡み合っている場合が例示されている。繊維フィラーBは、平面視において、直線状の形状を有していてもよく、湾曲していてもよく、折れ曲がっていてもよい。また、平面視においても、繊維フィラーBの間には、たとえばバインダー樹脂Aが介在している。
以下、立体抄造体140の各成分について説明する。
本実施形態の立体抄造体140は、バインダー樹脂Aおよび繊維フィラーBを含むものである。また、当該立体抄造体140は、凝集剤やイオン交換能を有する粉末状物質等をさらに含むことができる。
(バインダー樹脂A)
バインダー樹脂Aは、繊維フィラーB同士の間をつなぐ結着剤として機能するものであれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、又はこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。これらの樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
バインダー樹脂Aは、湿式抄造により繊維等と複合化することから、常温で粒子状又は繊維状であり、水に不溶であるものが好ましい。これらのなかでも熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリフェニレンスルフィドから選ばれる少なくとも一種の樹脂が、成形体の耐熱性を高めることができる点で、更に高融点であるため好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂が、成形体の耐熱性を高めることができる点で特に好ましい。これらのうち、機械強度や耐薬品性が良好であるという観点では、熱硬化性樹脂が好ましく、成形性が良好であることや、樹脂の透明性などのデザイン性が必要であるという観点では、熱可塑性樹脂が好ましい。一方、熱硬化性樹脂としては、たとえば、非加熱状態にある常温(25℃)において固形状の形態にあるものを使用することが、安定的に作製する観点から好ましい。
粒子状又は繊維状である熱硬化性樹脂としては、たとえば平均粒径500μm以下であるものを含むことができる。たとえば平均粒径500μm以下である固体状態のものを使用することにより、凝集工程において、凝集状態をより形成しやすくすることができる。機械特性をより効果的に向上させる観点からは、粒子状又は繊維状である熱硬化性樹脂の平均粒径が1nm以上300μm以下であることがより好ましい。このような平均粒径を有する粒子状又は繊維状である熱硬化性樹脂は、たとえばアトマイザー粉砕機等を用いて粉砕処理を行うことにより得ることが可能である。なお、熱硬化性樹脂の平均粒径は、たとえば(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、重量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
バインダー樹脂Aの含有量としては、抄造体10全体に対して、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。これにより、抄造体10を加熱加圧成形した場合に、外観が良好で且つ樹脂偏在の少ない成形体を作製することができる。
また、バインダー樹脂A中の熱硬化性樹脂の含有量の下限値は、好ましくは、抄造体10全体に対して5重量%以上であり、より好ましくは、15重量%以上であり、最も好ましくは、20重量%以上である。これにより、抄造体10の加工性や軽量性をより効果的に向上させることができる。一方で、バインダー樹脂A中の熱硬化性樹脂の含有量の上限値は、好ましくは、抄造体10全体に対して、80重量%以下であり、より好ましくは、60重量%以下であり、最も好ましくは、40重量%以下である。これにより、抄造体10を硬化して得られた成形体の熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
(繊維フィラーB)
繊維フィラーBは、たとえば金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維などの再生繊維;セルロース繊維などの半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、成形品の熱伝導性を向上させる観点からは、金属繊維および無機繊維のうちの一種または二種以上を含むことが好ましく、金属繊維および炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。また、成形品の機械的特性を向上させる観点からは、合成繊維および無機繊維のうちの一種または二種以上を含むことがより好ましい。とくに、成形品の曲げ強さを向上させる観点からは、炭素繊維を含むことがとくに好ましい。また、成形品の耐衝撃性を向上させる観点からは、アラミド繊維を含むことがとくに好ましい。成形品の電磁波遮蔽性能を向上させる観点からは、金属繊維を含むことがより好ましい。
上記金属繊維は、単独の金属元素で構成される金属繊維であっても、複数の金属で構成される合金繊維であってもよい。金属繊維は、たとえばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または二種以上の金属元素を含むことが好ましい。なお、本実施形態において、上記金属繊維としては、たとえば日本精線(株)やベカルトジャパン(株)製のステンレス繊維、虹技(株)製の銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維、鋼繊維、チタン繊維、リン青銅繊維などが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。これらの金属繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、これらのうち、熱伝導性という観点では銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維のいずれか1種以上が好ましく、電磁波シールド性という観点ではステンレス繊維、銅繊維、アルミニウム繊維のいずれか1種以上が好ましい。
繊維フィラーBとしては、必要特性に応じてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤などで表面処理したものや、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理をしたものを使用してもよい。
また、繊維フィラーBには、バインダー樹脂Aとの密着性、親和性を高める表面処理をあらかじめ施してもよい。表面処理方法としては、例えば、紫外線照射処理、電子線照射処理、プラズマ照射処理、表面層形成処理等が挙げられる。
このうち、表面層としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤のようなカップリング剤、各種界面活性剤、各種油剤等が挙げられる。
また、繊維フィラーBの含有量は、抄造体10全体に対して、例えば、1重量%以上90重量%以下であることが好ましく、特に求められる要求に応じて使い分けることが好ましい。例えば、樹脂の加工性や軽量性が要求された場合は、抄造体10全体の含有量の1重量%以上30重量%未満にすることが好ましく、繊維フィラーBとバインダー樹脂Aの性質をバランスよく発現することが要求された場合は、抄造体10全体の含有量の30重量%以上60重量%未満にすることが好ましく、熱伝導性や剛性など繊維フィラーBの性質が要求された場合には、抄造体10全体の含有量の30重量%以上90重量%以下にすることが望ましい。繊維フィラーBの含有量を抄造体10全体の含有量の1重量%以上とすることで、繊維フィラーBの性能を発現させることができる。一方で、繊維フィラーBの含有量を、抄造体10全体の含有量の90重量%以下とすることで、軽量性、加工性の悪化を防止できる。
また、本実施形態に係る繊維フィラーBの平均繊維長さは、特に限定されないが、要求される特性に応じて使い分けることが望ましく、例えば、500μm以上10mm以下であることが好ましい。平均繊維長さを500μm以上とすることで、繊維フィラーBによる特性を発現させることができる。
一方で、平均繊維長さを500μm以上10mm以下とすることで、成形加工性を確保することができる。なお、成形加工性とは、抄造体10の表面平滑性および脱型性のことをいう。
なかでも、繊維フィラーBによる特性を発揮させるとともに、成形加工性を確保する観点から、繊維フィラーBの平均繊維長さは、1mm以上、さらには3mm以上、8mm以上であることが好ましい。
また、繊維フィラーBの平均径は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、特に5μm以上80μm以下であることが好ましい。1μm以上とすることで、抄造体10の剛性を確保することができ、100μm以下とすることで、成形加工性を確保することができる。
繊維の長さおよび径は、例えば、得られた抄造体10を電子顕微鏡で観察することにより、確認することができる。
上記繊維フィラーBは、高アスペクト比の繊維フィラーBと低アスペクト比の繊維フィラーBをそれぞれ単独または併用してもよい。繊維フィラーBのアスペクト比は、繊維長/繊維幅により求められる。
高アスペクト比の繊維フィラーBとしては、アスペクト比が、好ましくは、100以上であり、より好ましくは、150以上であり、最も好ましくは、200以上である。これにより、抄造体10を成形して得られた成形体の特性を向上することができる。一方、高アスペクト比の繊維フィラーBのアスペクト比は、抄造体10の製造容易性や、抄造体10を成形して得られた制振材の強度を向上させる観点から、好ましくは、1000以下であり、より好ましくは、700以下である。
また、低アスペクト比の繊維フィラーBのアスペクト比は、好ましくは、50以下であり、より好ましくは、30以下であり、最も好ましくは、20以下である。これにより、抄造体10を成形して得られた成形体の特性を向上することができる。一方で、低アスペクト比の繊維フィラーBのアスペクト比が、たとえば1以上とすることができる。抄造体10を成型して得られる成形体の機械強度と特性とのバランスを向上させる観点からは、低アスペクト比の繊維フィラーBが3以上であることがより好ましい。
本発明に用いられる繊維フィラーBには、有機繊維をフィブリル化したパルプ繊維をさらに含むことができる。パルプ繊維としては、特に限定されるものではないが、例えば、リンターパルプや木材パルプ等のセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹などの天然繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維やその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維やその共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維をフィブリル化したパルプ状繊維が挙げられる。繊維フィラーBの分散性を向上させる観点からは、アラミド繊維により構成されるアラミドパルプ、およびアクリロニトリル繊維により構成されるポリアクリロニトリルパルプのうちのいずれか一方または双方を含むことが好ましい。
有機繊維のフィブリル化方法については特に限定されないが、有機繊維を水に分散させたスラリーとしてビーターもしくはリファイナーなどで叩解することにより、フィブリル化処理有機繊維を作製することができる。叩解時のスラリー濃度は任意であるが、固形分濃度0.1〜10重量%が好ましい。
また、上記パルプ繊維の含有量としては、抄造体10に対して、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%、特に好ましくは5〜20重量%である。これにより、樹脂粒子の歩留りが高く、樹脂粒子脱落を抑えた取り扱い性の良い抄造体10を得ることができ、加熱加圧成形した成形体の機械的特性を高めることができる。
本実施形態の抄造体10には、材料歩留まり等の向上を目的として抄造薬剤を添加することができる。抄造薬剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル系重合体、ビニル系重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンオキシド等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらより選ばれる1種、又は2種以上が用いられる。また、抄造薬剤として用いられる熱可塑性樹脂は、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、オキサゾリン基、カルボン酸塩基及び酸無水物基から選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましく、2種以上の官能基を有していてもよい。中でも、アミノ基を有する熱可塑性樹脂がより好ましい。
本実施形態の抄造体10には、さらに添加剤を添加することができる。添加剤としては、充填剤、導電性付与剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制震剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤などが例示される。
上記充填剤としては、破砕ガラス、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、ベントナイト、ゾノトライト、セピオライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ワラステナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化アルミ、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカが例示される。
本実施形態において、繊維フィラーBを用いる場合、抄造体10は、さらにイオン交換能を有する粉末状物質を含んでもよい。このようなイオン交換能を有する粉末物質を用いることにより、繊維フィラーBの繊維長を長く維持したまま高い収率で、繊維フィラーBとバインダー樹脂Aとの凝集体Fを効率よく作製することができるため、繊維フィラーBとバインダー樹脂Aとの配合比率を広範囲に調整することが可能となる。このため、求められる要求に応じて、繊維フィラーBの特性と、バインダー樹脂Aの特性とのバランスに優れた幅広い抄造体10を、より効率的に得ることができる。
上記イオン交換能を有する粉末状物質としては、粘土鉱物、鱗片状シリカ微粒子、ハイドロタルサイト類、フッ素テニオライト及び膨潤性合成雲母から選ばれる少なくとも1種の層間化合物を含むことが好ましい。
上記粘土鉱物としては、天然物でも合成されたものであっても特に限定されるものではないが、例えば、スメクタイト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム及び燐酸チタニウムなどが挙げられる。上記ハイドロタルサイト類としては、イオン交換能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト状物質などが挙げられる。上記フッ素テニオライトとしては、イオン交換能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、リチウム型フッ素テニオライト、ナトリウム型フッ素テニオライトなどが挙げられる。上記膨潤性合成雲母としては、イオン交換能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウム型四珪素フッ素雲母、リチウム型四珪素フッ素などが挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらのうちでは、粘土鉱物がより好ましく、スメクタイトが天然物から合成物まで存在し、選択の幅が広いという点においてさらに好ましい。
上記スメクタイトとしては、イオン交換能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト及びスチーブンサイトなどが挙げられる。上記モンモリロナイトは、アルミニウムの含水ケイ酸塩であるが、モンモリロナイトを主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライトなどの鉱物を含んでいるベントナイトであってもよい。着色や不純物を気にする用途に用いる場合などには、不純物が少ない合成スメクタイトが好ましい。
上記イオン交換能を有する粉末状物質として、例えば、クニミネ工業(株)製のクニピア(ベントナイト)、スメクトンSA(合成サポナイト)、AGCエスアイテック(株)製のサンラブリー(鱗片状シリカ微粒子)、コープケミカル(株)製のソマシフ(膨潤性合成雲母)、ルーセンタイト(合成スメクタイト)、堺化学工業(株)製のハイドロタルサイトSTABIACE HT−1(ハイドロタルサイト)などが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。
上記イオン交換能を有する粉末状物質の含有量は、抄造体10全体の0.1重量%以上30重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは、2重量%以上20重量%以下である。上記範囲内であれば、繊維フィラーBとバインダー樹脂Aのように性質の異なる構成材料の作業性を向上させる効果を得ることができる。尚、繊維フィラーBとバインダー樹脂Aとの比率や、高分子凝集剤の種類や量などに合せて、イオン交換能を有する粉末状物質の含有量を調整することが好ましい。
(凝集剤E)
本実施形態の抄造体10は、凝集剤E(高分子凝集剤)を含むことができる。凝集剤Eは、抄造体10の製造プロセスにおいて、バインダー樹脂Aと繊維フィラーBとを含む原料成分をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
上記高分子凝集剤は、特にイオン性などにより限定されるものではなく、カチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤などを用いることができる。このようなものとして、例えば、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。これらの高分子凝集剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、高分子凝集剤として、ポリマー構造や分子量、水酸基やイオン性基などの官能基量などは、必要特性に応じて特に制限無く使用可能である。また、高分子凝集剤としては、例えば、和光純薬工業(株)製や関東化学工業(株)製、住友精化(株)製のポリエチレンオキシドや、ハリマ化成(株)製のカチオン性PAMであるハリフィックス、アニオン性PAMであるハーマイドB−15、両性PAMであるハーマイドRB−300、三和澱粉工業(株)製カチオン化澱粉であるSC−5などが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。
また、上記高分子凝集剤の添加量としては、特に限定はされないが、抄造体10全体に対して、例えば、0.01重量%以上1重量%以下が好ましい。更に好ましくは、0.05重量%以上0.5重量%以下である。これにより、収得よく抄造体10の構成材料を凝集させることができる。高分子凝集剤の添加量を上記下限値以上とすることにより、収得の低下を抑制でき、また、上記上限値以下とすることにより、凝集力を適切にでき、脱水などが生じることを抑制できる。
本実施形態の抄造体10は、構成材料として、さらに無機粉末及び金属粉末から選ばれる少なくとも一種のフィラー粉末を含むことにより、特性を調整することができる。無機粉末としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化マグネシウムなどの酸化物類や、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素などの窒化物類や、硫酸バリウム、硫酸鉄、硫酸銅などの硫化物類や、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物類や、カオリナイト、タルク、天然マイカ、合成マイカなどの鉱物類ならびに、炭化ケイ素などの炭化物類などが挙げられ、そのまま使用してもよいが、必要特性に応じてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤などで表面処理をしたものを使用してもよい。また、金属粉末としては、単独の金属元素で構成される金属粉末であっても、複数の金属で構成される合金粉末であってもよいが、金属粉末を構成する金属元素としては、アルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデン及びタングステンなどが挙げられる。
本実施形態の抄造体10には、上述の構成材料の他に、特性向上を目的とした酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、樹脂の硬化触媒や硬化促進剤、顔料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤などの紙力向上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、サイズ定着剤、消泡剤、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性製紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤などのサイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミなどの凝結剤などを、生産条件調整や、要求される物性を発現させることを目的に様々な添加剤を使用することができる。
また、本実施形態の抄造体10は、上述の構成材料を適切に選択することで、様々な特性を発揮することが可能になる。例えば、成形品の耐衝撃性を向上させる観点からは、アラミド繊維を含むことがとくに好ましい。成形品の電磁波遮蔽性能を向上させる観点からは、金属繊維を含むことがより好ましい。磁性による電磁波吸収効果を向上させる観点から、磁性金属からなる粒子を含むことが好ましい。また、熱伝導性を向上させる観点から、例えば100以上の高アスペクト比の繊維フィラーBを含むことが好ましい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 抄造体
30 フィルター
100 抄造装置
102 容器
103 表面
104 フィルター
105 裏面
106 スラリー
108 孔
110 対象物
112 上面
114 側壁
120 立体フィルター
122 第1フィルター
124 第2フィルター
123 表面
125 裏面
126 凸部
130 立体抄造層
140 立体抄造体
150 接着層
160 成形体
170 吸引部
A バインダー樹脂
B 繊維フィラー
F 凝集体
L 流路

Claims (13)

  1. 3次元構造を有するコーティング対象物を、容器の内部に設置された支持部材であるフィルターの表面上に配置する工程と、
    前記コーティング対象物の表面上に沿って、立体フィルターを配置する工程と、
    前記立体フィルターの表面上に、バインダー樹脂と繊維フィラーと溶媒とを含むスラリーを導入する工程と、
    前記フィルターの裏面側から前記スラリーを吸引することにより、前記立体フィルターの表面上に立体抄造体を形成する吸引工程と、を含み、
    前記吸引工程において、吸引方向に向かって流れる前記スラリーの流路が、前記コーティング対象物の表面と前記立体フィルターの表面との間に形成されており、かつ、前記フィルターにまで達している、抄造体のコーティング方法。
  2. 請求項1に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記立体フィルターが、第1フィルターと第2フィルターとを有する2層構造であり、
    前記第1フィルターは、前記スラリー中の前記溶媒が通過できるものであり、
    前記第1フィルターと前記第2フィルターとの間隙に、前記流路が形成されており、
    前記立体抄造体は、前記第1フィルターの表面上に形成される、抄造体のコーティング方法。
  3. 請求項1に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記立体フィルターが、内側に向かって内壁面よりも突出する凸部が形成されている、抄造体のコーティング方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記立体フィルターが、熱可塑性樹脂で構成される、抄造体のコーティング方法。
  5. 請求項4に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    加熱処理して、前記立体フィルターを溶融させることにより、前記コーティング対象物と前記立体抄造体とを固定する接着層を形成する工程をさらに含む、抄造体のコーティング方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記立体抄造体を加圧成形する工程をさらに含む、抄造体のコーティング方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記立体フィルターは、網目構造または多孔質構造を有している、抄造体のコーティング方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記バインダー樹脂が、熱硬化性樹脂を含む、抄造体のコーティング方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の抄造体のコーティング方法であって、
    前記繊維フィラーが、パルプを含む、抄造体のコーティング方法。
  10. 3次元構造を有するコーティング対象物の表面上に積層されており、バインダー樹脂と繊維フィラーとを含む立体抄造体と、
    前記コーティング対象物と前記立体抄造体との間に形成された接着層と、を備える、コーティング物。
  11. 請求項10に記載のコーティング物であって、
    前記接着層が、熱可塑性樹脂で構成される、コーティング物。
  12. 請求項10または11に記載のコーティング物であって、
    前記コーティング対象物が、側壁を有しており、
    前記立体抄造体は、前記側壁に沿って積層されている、コーティング物。
  13. 請求項10から12のいずれか1項に記載のコーティング物であって、
    断面視において、前記コーティング対象物および前記立体抄造体が、アンダーカット形状を有している、コーティング物。
JP2016040733A 2016-03-03 2016-03-03 抄造体のコーティング方法およびコーティング物 Pending JP2017155370A (ja)

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