JP2017155129A - 高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート - Google Patents

高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート Download PDF

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Abstract

【課題】高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート(高耐熱性ポリエチレンナフタレートフィルム)を提供する。
【解決手段】本発明のポリエチレンナフタレートシートは、多価カルボン酸とポリアルコールとの重縮合体であるポリエチレンナフタレートの結晶を含むポリエチレンナフタレートシートであって、高分子鎖が高配向し且つ結晶サイズが50nm以下であるポリエチレンナフタレートの結晶を含むナノ配向結晶を含み、耐熱温度が280℃以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート(または高耐熱性ポリエチレンナフタレートフィルム)に関する。より具体的には、本発明に係る高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート(または高耐熱性ポリエチレンナフタレートフィルム)は、ポリエチレンナフタレートのナノ配向結晶を含むシート状(またはフィルム状)の高分子材料である。
ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate,PET)や、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate,PBT)や、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate,PEN)等の石油由来ポリエステル(以下「ポリエステル」という。)は、汎用プラスチックであるポリオレフィンよりも力学的特性、耐熱性、透明性等が優れている高性能・高機能プラスチックとして知られている。特にPETは安価なため、各種ボトル、容器、工業用製品、工業用部品等に大量に使用されており(国内年産量:約70万トン)、またリサイクル可能な物質としても有名である。またPBTやPEN等は、高性能樹脂であるエンジニアリングプラスチックに分類されている。ここで、エンジニアリングプラスチックは、耐熱温度が100℃以上で、引張強度が50MPa以上、引張弾性率が2.5GPa以上の樹脂と定義される。さらに耐熱温度が150℃以上のエンジニアリングプラスチックは「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ばれ、電子機器等のより高い耐熱性が要求される分野においてその需要が高まってきている。
PET等のポリエステルの機械的特性(引張強度、引張弾性率等)や耐熱性を向上させるべく、ポリエステルを延伸処理したポリエステルシートやポリエステルフィルム(延伸シートや延伸フィルム)が利用されている。しかし、従来のポリエステル延伸シート製品やポリエステル延伸フィルム製品は、ポリエステル本来の高性能が十分には実現できていないのが現状である。その理由は、従来のポリエステル延伸シートやポリエステル延伸フィルムは、その構造が折りたたみ鎖結晶(Folded chain crystals,FCC)と非晶とが積層した積層ラメラ構造からできており、低性能である非晶を50%以上含むためである。例えば、従来のPET一軸延伸シートは、室温における引張強度(σ)が230MPa、引張弾性率(E)が2.3GPaであるが、耐熱温度(T)が約120℃であり、PETの融点(T)250〜265℃や平衡融点(T 0)310℃よりも著しく低くなっており、高い耐熱性が要求される分野においては利用することが困難であった。このことが、PETを工業製品へ本格的に展開することに対する障害となっていた。
ここで、特許文献1および2、並びに非特許文献1〜3には、PET等のポリエステルの一軸延伸シートに関する技術が記載されている。しかし、上記文献に記載されているポリエステル一軸延伸シートはいずれも上述の積層ラメラ構造からなるものである。非特許文献1の図4および6には一軸延伸PETの小角X線散乱パターン(SAXSパターン)から積層ラメラ構造であることを示す典型的な4点像が示されており、また非特許文献1の図8には、PETの一軸延伸シートが、非晶と結晶とが積層した積層ラメラ構造であることが模式的に示されている。また、非特許文献3の図5にも、一軸延伸PETの小角X線散乱パターン(SAXSパターン)が示されており、積層ラメラ構造の典型的な4点像が示されている。
特開平7−329170号公報(1995年12月19日公開) 特許第3804023号公報(2006年8月2日)
T. Uchiyama et. al.,Polymer 48 (2007), 542-555 TOSHIO KUNUGI et. al., Journal of Applied Polymer Science, Vol. 31, 429-439 (1986) M. EVSTATIEV et. al., POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE, JULY 1992, Vol. 32, No. 14
上記したように、ポリエステルシートやポリエステルフィルムは、比較的安価で且つ機械特性にも優れているにもかかわらず、耐熱性が不十分であるがために、工業製品へ本格的に展開することが困難であった。
そこで、本発明は、ポリエステルの中でも特にポリエチレンナフタレートに高耐熱性を付与し、高耐熱性ポリエチレンナフタレートシート(高耐熱性ポリエチレンナフタレートフィルム)を提供することを目的とした。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリエチレンナフタレートの融液を臨界伸長ひずみ速度以上の速度で伸長しつつ結晶化を行うことによって、ポリエチレンナフタレートのナノ配向結晶(Nano-oriented crystals,NOC)を含むポリエチレンナフタレートシートを取得することに初めて成功した。そして、ポリエチレンナフタレートのナノ配向結晶を含むポリエチレンナフタレートシートでは、従来の一軸延伸シートに比して、高い耐熱温度(T≒309℃)と高い融点(T≒309℃)とを備えるものであることを見出し、本発明を完成させるに至った(ポリエチレンナフタレートにおける別の例でも、高い耐熱温度(T≒291℃)と高い融点(T≒306℃)とを有していた)。
すなわち本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、ポリエチレンナフタレートの結晶を含むポリエチレンナフタレートシートであって、
上記結晶は、高分子の分子鎖が配向しており、且つ結晶サイズが50nm以下であるポリエチレンナフタレートの結晶(ナノ結晶(nano crysatl, NC)ともいう。)を含むナノ配向結晶であり、
耐熱温度が、280℃以上であることを特徴としている。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、融点が、285℃以上であってもよい。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、上記ナノ配向結晶は、紡錘状の結晶が数珠状に連なったような構造からなるものであってもよい。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、上記ナノ配向結晶の結晶形態が単斜晶であってもよい。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、高温加工に用いられるポリエチレンナフタレートシートであってもよい。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、透明導電層付き積層体の基材に用いられるポリエチレンナフタレートシートであってもよい。
また、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、フレキシブル回路基板の基材に用いられるポリエチレンナフタレートシートであってもよい。
また、本発明は、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートを基材としたフレキシブル回路基板であってもよい。
本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、従来のポリエチレンナフタレートシートに比して、高い耐熱性と高い融点とを備えている。それゆえ、本発明によれば、耐熱性が不十分であるがゆえに、エンジニアリングプラスチックまたはスーパーエンジニアリングプラスチックとしての利用が困難であったポリエチレンナフタレートシートを、耐熱性が要求される工業製品へ利用することが可能となり得る。
(a)および(b)は、実施例に係る試料の偏光顕微鏡像(through方向からの観察結果)を表す図である。 実施例に係る試料の小角X線散乱イメージを表す図であり、(a)はthrough方向からの観察結果、(b)はedge方向からの観察結果、(c)はend方向からの観察結果を示す。 実施例に係る試料の広角X線散乱イメージを表す図であり、(a)はthrough方向からの観察結果、(b)はedge方向からの観察結果、(c)はend方向からの観察結果を示す。 図2の(b)に示したSAXSにおけるedge方向からの観察結果における反射の指数付けを示す図である。 実施例に係る試料を構成するNOCの構造を示す模式図である。 実施例に係る試料について耐熱温度を検討した結果を示すプロット図である。 実施例に係る試料について耐熱温度を検討した結果を示すプロット図である。 比較例に係る試料について耐熱温度を検討した結果を示すプロット図である。 図2(b)をカラーイメージで示した構造解析例を示す図である。A*、B*およびC*(図面中では太字で示す。以下本明細書を通して同様である。)はNOCの逆格子ベクトルであり、β* NCはA*とC*のなす角度である。Unique axisは、B*//TDである。ψは、C*とMDのなす角度であり、φは、A*とNDのなす角度であり、時計回りを正とした。 NOCの3次元(3D)形態モデルとNCのサイズを示す模式図である。A、BおよびC(図面中では太字で示す。以下本明細書を通して同様である。)はNCサイズに対応したNOCの単斜晶格子ベクトルであり、βNCはAとCのなす角でβNC=98.7である。 実施例に係る試料の作製に用いられたロール圧延伸長結晶化装置の模式図である。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。また、本明細書中に記載された公知文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。なお、本明細書において、範囲を示す「〜」は特記しない限り「以上、以下」を示す。例えば「A〜B」と表記すれば、「A以上、B以下」を意味する。
(1)本発明のポリエチレンナフタレートシート
本発明は、高い耐熱温度と融点とを備えたポリエチレンナフタレートの結晶を含むポリエチレンナフタレートシートに関する。上記「ポリエチレンナフタレートシート」とは、平均厚みが0.15mm以上のシート状のポリエチレンナフタレートのみならず、平均厚みが0.15mm未満のフィルム状のポリエチレンナフタレートをも含む意味である。なお、上記平均厚みは特に制限されず、用いる目的に応じて適宜押出量などで調整すればよい。具体的な厚みは1μm〜10mmの範囲、さらに2μm〜5mm、特に3μm〜1mmの範囲が好ましく挙げられる。ここで上記「厚み」とは、一定の静的荷重の下で測定した、高分子シートの片方の面ともう一つの面との距離をいう。また「平均厚み」とは高分子シートの厚みの最大値と最小値との平均値を意味する。なお高分子シートの厚みは、マイクロメーターを用いる、または光学式実体顕微鏡(オリンパス株式会社製、SZX10−3141)と対物マイクロメーターで校正したスケールを用いることによって測定され得る。
上記「ポリエチレンナフタレート」(polyethylene naphthalate,PEN)は、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとの重縮合体を意味する。本発明におけるポリエチレンナフタレートは、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールとをエステル交換反応させてモノマーであるビスヒドロキシエチレン−2,6−ナフタレートを得た後に、当該モノマーを重縮合反応させることによって作製することができる。本発明におけるポリエチレンナフタレートは、ホモポリマーのみならず、コポリマーであってもよい。詳細は後述するが、本発明のポリエチレンナフタレートシートは、ポリエチレンナフタレートのナノ配向結晶(nano-oriented crystal,NOC)を含むものである。本発明のポリエチレンナフタレートシートは、例えば、融液状態のポリエチレンナフタレートを圧延伸長して結晶化(固化)することによって製造することができる。
本発明のポリエチレンナフタレートシートは、高い耐熱温度を備えている。ここで、「耐熱温度」とは、光学顕微鏡を用いた試験片サイズ直読法により測定した耐熱温度を意味する。上記「試験片サイズ直読法」は、CCDカメラ付光学顕微鏡(オリンパス株式会社製BX51N−33P−OC)と、ホットステージ(Linkam社製、L-600A)と、画面上のサイズを定量できる画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics社製、Image−Pro PLUS)とを用いて実施される。試験片のサイズは、たて0.7mm、よこ0.5mmの試験片を用いた。試験片を、昇温速度1K/分で室温から最高温度Tmaxまで加熱し、その時、試験片がたて方向(MD)またはよこ方向(TD)に3%以上ひずみ(収縮または膨張)が生じたときの温度を耐熱温度とした。すなわち、歪(ε)がε>3%またはε<−3%になる温度を耐熱温度(T)とした。ただし、融点(T)まで|ε|>3%となる温度が観察されない場合には、T=Tとした。
本発明のポリエチレンナフタレートシートの耐熱温度は、280℃以上(より好ましくは290℃以上、さらに好ましくは300℃以上)であることを特徴としている。PENの平衡融点は312℃(参考文献:Intern. J. Polymeric Mater., 2001, Vol. 50, pp.335-344)であることが知られているので、本発明のポリエチレンナフタレートの耐熱温度は、PENの平衡融点より32℃低い温度(より好ましくは平衡融点より22℃低い温度、さらに好ましくは平衡融点よりも12℃低い温度)、よりも高温であるともいえる。従来公知のPENの一軸延伸シートの耐熱温度が130〜180℃であることと比較すると、本発明のポリエチレンナフタレートシートの耐熱性が顕著に高いことは一目瞭然である。後述する実施例に係る試料(PENシート)の耐熱温度が309℃となっており、従来公知のPENの一軸延伸シートよりも、耐熱温度が顕著に上昇していることは、当業者が予想できない顕著な効果といえよう。
また、本発明のポリエチレンナフタレートシートは高い耐熱性に加え、融点も高くなっている。つまり、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートの融点は、285℃以上(より好ましくは290℃以上、さらに好ましくは300℃以上)であることが好ましい。PENの平衡融点は312℃(参考文献:Intern. J. Polymeric Mater., 2001, Vol. 50, pp.335-344)であることが知られているので、本発明のポリエチレンナフタレートの融点は、PENの平衡融点より27℃低い温度(より好ましくは平衡融点より22℃低い温度、さらに好ましくは平衡融点よりも12℃低い温度)、よりも高温であるともいえる。PEN自体の融点が268〜283℃であることと比較すると(参考文献:W. G. Kampert, et al. Polymer vol.42, 8703 (2001))、本発明のポリエチレンナフタレートシートの融点が顕著に高いことが理解される。後述する実施例に係る試料(PENシート)の融点が309℃となっており、PEN自体の融点よりも、本発明のPENシートの融点が顕著に上昇していることは、当業者が予想できない顕著な効果といえよう。
また、本発明のポリエチレンナフタレートシートは、融点と耐熱温度との差(融点−耐熱温度)が20K以下であることが好ましく、15K以下であることがより好ましく、10K以下であることがさらに好ましく、5K以下であることが最も好ましい。ポリエチレンナフタレートシートの融点と耐熱温度との差が上記範囲であれば、融点に対して耐熱温度が十分に高いため、ポリエチレンナフタレートシートを、耐熱性が要求される工業製品へ利用することが可能となり得る。後述する実施例に係る試料(PENシート)では、耐熱温度および融点が、共に309℃となっており、従来公知のPENの一軸延伸シートの融点と耐熱温度との差が100K以上であることと比較すると、本発明のPENシートの融点と耐熱温度との差が顕著に小さくなっていることは、当業者が予想できない顕著な効果といえよう。
ここで、平衡融点(T 0)とは、高分子の分子鎖(以下、適宜「高分子鎖」ともいう。)が伸びきった状態で結晶化した巨視的サイズの完全結晶の融点を意味し、下記で算出される。
0=ΔH÷ΔS、ΔH:融解エンタルピー、ΔS:融解エントロピー
一方、融点とは結晶が融液に変わるときの温度Tである。
ここで、本発明のポリエチレンナフタレートシートは、ポリエチレンナフタレートのナノ配向結晶(nano-oriented crystal,NOC)を含むものである。ここで、NOCは、結晶サイズが50nm以下であり、かつ高分子鎖が伸長方向(machine direction, MD)に配向したポリエチレンナフタレートの結晶(ナノ結晶(nano crystal,NC)ともいう。)を含むものである。
本発明のポリエチレンナフタレートシートは、高い耐熱性が要求されるため、NOCを主体として含んでいることが好ましい。例えば、本発明のポリエチレンナフタレートシートは、ポリエチレンナフタレートのNOCを60%以上(好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上)含むものであることが好ましい。ポリエチレンナフタレートシート中に含まれるNOCの割合(NOC分率)は、X線回析法によって算出することができる(参考文献:Kiyoka N Okada, et al.Polymer Journal (2010) 42, 464-473)。NOC分率は、f(NOC)ともいう。NOCは高配向であり、非NOCは等方的であるため、X線散乱の強度比からNOC分率を算出することができる。
ポリエチレンナフタレートシートを構成するNOCに含まれるNCの高分子鎖や、NOCを構成するNC自体が配向しているかどうかは、偏光顕微鏡による観察や、公知のX線回析(小角X線散乱法、広角X線散乱法)により確認することができる。偏光顕微鏡観察やX線回析(小角X線散乱法、広角X線散乱法)の具体的方法については、後述する実施例が適宜参照される。
上記NOCを構成するNCは、NCに含まれる高分子鎖が高配向しているものである。このため、NOCの配向関数fは、0.9以上(より好ましくは0.95以上、さらに好ましくは0.97以上)となっている。上記配向関数fは、例えば公知の広角X線散乱法(以下「WAXS法」という。)によって測定され得る。WAXS法による配向関数fの測定は、例えば検出器としてイメージングプレート(Imaging Plate)を利用した場合、X線散乱強度解析ソフトウェア(株式会社リガク製、R−axis display)を用いることによって測定され得る。配向関数fの算出方法については、後述する実施例の説明が参照される。結晶性高分子の場合には、配向関数fが大きいほどMD方向の機械的強度が増大することが知られている。このため、本発明のポリエチレンナフタレートシートは、高い機械的強度を備えていることが理解される。
また本発明のポリエチレンナフタレートシートに含まれるNOCに含まれているNCの結晶サイズは、50nm以下(好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは25nm以下)である。ここで、NCの結晶サイズは、公知の小角X線散乱法(以下「SAXS法」という。)により求めることができる。なお、NCの結晶サイズの下限は特に制限されないが、3nm以上(好ましくは5nm以上、より好ましくは8nm以上、さらに好ましくは10nm以上)が融点の観点から好ましい。SAXS法における、散乱ベクトル(q)−小角X線散乱強度(I)曲線の1次のピークは、NOC分率が大きい場合には、平均サイズdの微結晶がランダムにお互いに詰まっている場合の微結晶間最近接距離(=結晶サイズd)に相当するため(参考文献:A.Guinier著、「X線結晶学の理論と実際」、理学電機(株)、p513、1967)、結晶サイズdは下記のBraggの式から求められる。
Braggの式: d=2π÷q
本発明のポリエチレンナフタレートシートを構成するNOCの構造を、偏光顕微鏡とX線回析の結果から推定した。図5に実施例で得られたPENのNOCの構造モデルを示す。実施例で得られたポリエチレンナフタレートシートを構成するNOCは、紡錘状の結晶(NC)が伸長方向(MD)に沿って数珠状に連なったような構造であるということが分かった。紡錘状とは、紡錘に似た形状を意味し、円柱状で真中が太く、両端が次第に細くなるような形状を意味する。またはラグビーボールにも似た形状であるため、「紡錘状」は「ラグビーボール状」とも表現できる。
NOCに含まれるNCと、NCに含まれる高分子鎖とは、おおよそMDの方向に高配向しており、シートの幅方向(Tangential direction:TD)およびシート厚さ方向(Normal direction:ND)にも弱い相関で配列していることが分かった。これは本発明のポリエチレンナフタレートシートの特徴的構造である。なお、後述する実施例に係るポリエチレンナフタレートシート(表2のサンプル1)に含まれるNOCを構成するNCの結晶サイズは、図5に示すように伸長方向(MD)に約26nm、シートの幅方向(TD)に約18nm、およびシート厚さ方向(ND)に約20nmであるということが分かった。NOCを構成するNCのごとく紡錘状の結晶の結晶サイズは、MD、TD、NDのサイズを測定し、最も大きいサイズを結晶サイズとすればよい。つまり、図5に示すNCの結晶サイズは、約26nmであるといえる。
本発明のポリエチレンナフタレートシートに含まれるNOCは、好ましくは三斜晶(または、三斜晶系)の結晶構造(Unit cell構造)を有する。本発明のポリエチレンナフタレートシートに含まれるNOCがこのような結晶構造を有することが、本発明のポリエチレンナフタレートシートが高い耐熱性を発揮する一因となっていると考えられる。
また、本発明のポリエチレンナフタレートシートに含まれるNOCは、好ましくは単斜晶の結晶形態(Morphology)を有する。本発明のポリエチレンナフタレートシートに含まれるNOCがこのような結晶形態を有することが、本発明のポリエチレンナフタレートシートが高い耐熱性を発揮する一因となっていると考えられる。
本発明のポリエチレンナフタレートシートは、優れた耐熱性を有することから、例えば、200℃を超えるような、高温での加工処理に供される高温加工用ポリエチレンナフタレートシートとして好適に使用できる。
具体的な高温加工用としては、例えば、ITOなどの透明導電層を設ける基材として好適に用いることができる。すなわち、透明導電層の電気抵抗を下げるには高温での加熱処理が必要であるため、従来のポリエチレンナフタレートシートに比べ、より高温での加工が可能となる。
また、めっきやはんだ処理などに供される用途、例えば、はんだリフロー処理を行うフレキシブル回路基板の基材として好適に使用できる。フレキシブル回路基板は、これまでポリイミドが使用されており、ポリエステルに関しても検討はされていたものの、補強板に用いるレベルの寸法安定性でしかなかった(特開2012−15441号公報、特開2010−165986号公報等)。
しかしながら、本発明の高耐熱性ポリエチレンナフタレートシートは、ポリエチレンナフタレートでありながらポリイミドと同等の高耐熱性を具備させることができることから、はんだと直接しない補強板として使用するだけでなく、はんだと接触する基板そのものにも使用することができる。
(2)本発明のポリエチレンナフタレートシートの製造方法
本発明のポリエチレンナフタレートシートの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、下記のようにして製造することができる。なお、下記の製造方法は、融液状態のポリエチレンナフタレートを圧延伸長して結晶化(固化)を行う方法であり、一旦固化したポリエチレンナフタレートシートを圧延伸長して延伸シートを作製する方法とは全く異なる方法である。
図11に本発明のポリエチレンナフタレートシートを製造するための装置(ロール圧延伸長結晶化装置10)の概略図を示す。ロール圧延伸長結晶化装置10は、過冷却融液供給機(ポリエチレンナフタレートを融解し、ポリエチレンナフタレートの融液を供給する押出機2aと、押出機2aからの融液を過冷却状態に冷却する冷却アダプター2bとを備える。)および挟持ロール3から構成されている。上記過冷却融液供給機において、押出機2aの吐出口にスリットダイ(図示せず)が設けられており、当該スリットダイの先端の形状は方形となっている。このスリットダイから吐出されたポリエチレンナフタレート融液は、冷却アダプター2b内を通過する際に過冷却状態になるまで冷却され(過冷却状態の融液を「過冷却融液」という)、過冷却融液が挟持ロール3に向かって吐出される。平衡融点(PENの場合、312℃)と結晶化温度の差を「過冷却度ΔT」と定義すると、特に最適な過冷却度は、高分子の種類とキャラクタリゼーションにより著しく異なるために特に限定されるものではないが、例えばΔT=25〜100℃(より好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜85℃、最も好ましくは55〜85℃)が好ましい。
上記挟持ロール3は、回転可能な対のロールが対向するように備えられており、過冷却融液供給機から供給された過冷却融液1を挟み、ロールの回転方向に伸長し、シート状に成形することができるようになっている。
本発明のポリエチレンナフタレートシートを製造する場合、過冷却融液1を過冷却融液供給機から供給し、挟持ロール3に挟んで臨界伸長ひずみ速度以上の伸長ひずみ速度で圧延伸長することによって結晶化させればよい。そうすることによって、過冷却融液1が配向融液となり、その状態を維持したまま結晶化させることができ、配向融液に含まれる分子鎖同士が会合して異物の助けを借りずに核生成(「均一核生成」という)および成長が起こることによってNOCが生成し、本発明のポリエチレンナフタレートシートを製造することができる。
ここで、図11に示すロール圧延伸長結晶化装置10を用いて本発明のポリエチレンナフタレートシートの製造方法をさらに説明をする。図11において、挟持ロール3による圧延伸長開始(A)から、圧延伸長終了(B)までの間の領域(以下「領域AB」という)に着目する。ロール圧延伸長結晶化装置10の挟持ロール3の半径をR、挟持ロール3の角速度ω、挟持ロール3の回転する角度をθ、領域ABの任意の場所における過冷却融液の厚みをL、圧延伸長終了後のB点におけるポリエチレンナフタレートシートの厚みをL、挟持ロールにおけるシート引取速度をV、伸長ひずみ速度をεとする。領域ABにおけるロール回転角θは非常に小さい。
θ<<1(rad)・・・(1)
ロールの半径Rは、シートの厚さLやLよりも非常に大きい。
R>>L,L・・・(2)
領域ABの任意の場所における微小体積Φについて、微小体積の中心を原点にとって考える。過冷却融液およびポリエチレンナフタレートシートが移動する方向(MD)をx軸、過冷却融液シートの巾の方向(TD)をy軸、過冷却融液シートの厚さ方向をz軸にとる。微小体積Φを直方体で近似して、直方体の各辺の長さをx,y,Lとする。
シート成形においては、過冷却融液シートの巾つまりyは、x,Lよりも十分大きく、圧延伸長により変化しないと見なせる。
y=const>>x,L・・・(3)
よって、挟持ロールによる圧延伸長過程において、過冷却融液シートはz軸方向に圧縮され、x軸方向に伸長される。つまり、挟持ロールによる圧延伸長は、x軸とz軸にのみ関与する。
ここで、x軸方向における伸長ひずみ速度テンソルをεxx、z軸方向における伸長ひずみ速度テンソルをεzzとすれば、両者の関係は、
εxx=−εzz・・・(5)
で与えられる。
(5)式の導出において、
圧延伸長における微小体積Φに関する質量保存則、
Φ≒xyL=const・・・(4)
を用いた。
図11の領域ABのz軸方向におけるひずみ速度εzzは定義式から、
εzz≡(1/L)×(dL/dt)・・・(6)
で与えられる。ただし、tは時間である。
ここで、
=2R(1−cosθ)+L・・・(7)
であるので、(6)式と(7)式、および(1)式から、
εzz≒−2ω√{(R/L)×(1−L/L)}・・・(8)
が近似的に得られる。
(5)式と(8)式から、求めるべき伸長ひずみ速度
εxx≒2ω√{(R/L)×(1−L/L)}・・・(9)
が得られる。
εxxは(9)式からLの関数である。
εxxはL=2L・・・(10)
で極大値を持つ。これは、L=2Lでεxxが最大となり、過冷却融液に対して最大の伸長ひずみ速度がかかることを意味する。
極大値の伸長ひずみ速度をεmaxと書くと、
(9)式に(10)式を代入して、
εmax≒ω√(R/L)・・・(11)
ここで超臨界伸長ひずみ速度において成形するためには、εmaxが臨界伸長ひずみ速度ε以上であることが条件である。
よって(11)式を伸長ひずみ速度εと定義し、
となる。
V=Rω・・・(13)
ω(R,V)=V/R・・・(14)
上記式(12)および(14)から、
である。
したがって、上記式(15)を用いて、伸長ひずみ速度ε(R,L,V)が臨界伸長ひずみ速度以上となるように、挟持ロールの半径R、伸長後の高分子シートの平均厚みL、および挟持ロールにおけるシート引取速度Vを設定すれば、所望の本発明のポリエチレンナフタレートシートが製造されることになる。
ここで上記臨界伸長ひずみ速度ε*(R,L,V)は、いかなる方法によって決定された速度であってもよいが、例えば、下記の近似式(式i)を用いて算出されるものであってもよい。
(式i)
ここで上記臨界点のシート引取速度Vは、過冷却状態のポリエチレンナフタレート融液を供給し、半径がRである一対の挟持ロールに挟んで当該ポリエチレンナフタレート融液をシート引取速度Vで圧延伸長することにより、厚さLのポリエチレンナフタレートシートへと結晶化させた際にNOCが生成する臨界点のシート引取速度Vである。
また本発明のポリエチレンナフタレートシートの製造方法において、上記臨界伸長ひずみ速度ε*(R,L,V)は、下記の近似式(式ii)を用いて算出されるものであってもよい。
(式ii)
ここで上記臨界点のポリエチレンナフタレートシートの厚さLは、過冷却状態のポリエチレンナフタレート融液を供給し、半径がRである一対の挟持ロールに挟んで当該ポリエチレンナフタレート融液をシート引取速度Vで圧延伸長することにより、厚さLのポリエチレンナフタレートシートへと結晶化させた際にNOCが生成する臨界点のポリエチレンナフタレートシートの厚さLである。
また本発明のポリエチレンナフタレートシートの製造方法において、例えば、NOC分率が0.6となる伸長ひずみ速度ε(R,L,V)を、臨界伸長ひずみ速度ε*(R,L,V)としてもよい(参考文献:Kiyoka N Okada, et al.Polymer Journal (2010) 42, 464-473)。
なおNOCが生成したかどうかの判断は、特に限定されるものではないが、例えば後述する実施例において説明するX線回析法によって判断することができる。
ポリエチレンナフタレート融液の流動性が高い場合は、ロールを用いて圧延伸長結晶化する場合に、挟持ロールで伸長することが困難な場合があり、臨界伸長ひずみ速度以上で伸長を行うことができない場合がある(後述の「(1)実施例に係る試料の調製」の項を参照のこと。)。このため、本発明のポリエチレンナフタレートシートを作製する際には、臨界伸長ひずみ速度以上で伸長を行うことができる程度の流動性(メルトフローレート:Melt flow rate:MFR)に調整しておくことが好ましい。すなわち本発明のポリエチレンナフタレートシートを製造する方法においては、ポリエチレンナフタレート融液の流動性を調整する工程が含まれていることが好ましいといえる。
本発明のポリエチレンナフタレートシートを製造する方法においては、ポリエチレンナフタレート融液の流動性は、臨界伸長ひずみ速度以上で伸長を行うことができる程度の流動性に調整しておけばよいが、例えば、300℃におけるポリエチレンナフタレート融液のMFRが80(g/10min)以下が好ましく、60(g/10min)以下がさらに好ましく、40(g/10min)以下がよりさらに好ましく、20(g/10min)以下が最も好ましい。なお、300℃におけるポリエチレンナフタレート融液のMFRの下限は、臨界伸長ひずみ速度以上で伸長を行うことができる程度であれば特に限定されるものではないが、通常、3g/10min以上であることが好ましい。
以下実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例に係る試料の調製
本実施例においては、表1に示すポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate,PEN)が試料の材料として用いられた。
表1中の「M」は数平均分子量、「M」は重量平均分子量、「M/M」は分散指数をそれぞれ表す。PENのM、M、M/Mは、東ソー製HLC−8320GPCを用いて測定された。カラムにはTSK−gel GMHHR−M×2を40℃で使用し、PENの溶媒としてクロロホルムとHFIP(ヘキサフルオロイソプロピルアルコール)との1:1混合溶媒を使用した。なお測定によって得られた分子量は、ポリスチレン換算の分子量である。
また表1中の「MFR[300℃]」は、300℃でのメルトフローレート(Melt flow rate、MFR)を表す。MFRは、ヒーターで加熱された円筒容器内で一定量の合成樹脂を、定められた温度(300℃)で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定する。値は単位(g/10min)で表される。試験機械はJIS K6760で定められた押出し形プラストメータが用いられ、測定方法はJIS K7210に規定されている。
図11に模式的に示すロール圧延伸長結晶化装置を用い、表1に示すPENの伸長結晶化を行った。伸長結晶化の条件は表2に記載の通りである。なお、表2はPENの伸長結晶化を行った結果を示す。MFRが高く(融液の流動性が高い(すなわち、粘度が低い)状態に)なるほど、融液をロールで圧延する条件が制限されるため、ロールによる圧延伸長結晶化には、PEN融液の流動性をある程度低く(例えばMFR[300℃]を80(g/10min)以下)しておくことが好ましい。
表2中の「最高温度(Tmax)/℃」はPENを押出成形機のヒーターで融解し、PEN融液を調製する際の押出機の設定温度を表す。また表2中の「融液の温度(Tmelt)/℃」は、PEN融液をロールにて圧延伸長する際のロールの表面温度(≒PEN融液の温度≒結晶化温度(T))を表す。また表2中の「伸長ひずみ速度(ε)/s−1」は、PEN融液をロールにて圧延伸長する際の伸長ひずみ速度を表す。また表2中の「試料厚さ/mm」は、伸長結晶化によって得られた試料の厚さを表す。
なお、ある伸長ひずみ速度において得られるPENのNOCのNOC分率を検討した結果、伸長ひずみ速度が2.7×10−1の場合に、NOC分率が0.91であったので、2.7×10−1は臨界伸長ひずみ速度を超えていることがわかった。よって、表2に示したサンプル1およびサンプル2の伸長ひずみ速度はいずれも2.7×10−1を超えている為、これらは臨界伸長ひずみ速度以上の速度であるといえる。
(2)比較例に係る試料の調製
比較例では、表1のPENを押出成形機(TOYO SEIKI製、ラボプラストミル)を用いてPENシートを作製した。押出成形の条件は、設定温度300℃で樹脂を溶融させてダイからシート状に押し出し、温度80℃に設定したキャストロール上に設置させ、シートを固化させた。
上記で得られたPENシートを、延伸機(TOYO SEIKI製、バッチ延伸機)を用いて延伸し、PEN一軸延伸シートを作製した。延伸は、雰囲気温度150℃で、MD方向に延伸倍率が5倍となるようにPENシートを延伸した。
上記で得られたPEN一軸延伸シートを金枠に固定し、200℃で1分間固定を行って、比較例に係る試料(厚さ:0.055mm)を調製した(この試料を、以下で、「比較例に係る試料」と記す。)。
(3)偏光顕微鏡観察
上記で得られた各試料について、偏光顕微鏡観察を行った。偏光顕微鏡は、オリンパス(株)製BX51N−33P−OCを用い、クロスニコルで観察を行った。レタデーション変化を定量的に測定するために、鋭敏色検板を偏光顕微鏡のポラライザーとアナライザー(偏光板)の間に挿入した(参考文献:高分子素材の偏光顕微鏡入門 粟屋 裕、アグネ技術センター、2001年、p.75−103)。偏光顕微鏡による観察は、室温25℃で行った。試料に対して、シート厚さ方向(ND、through方向)から、観察を行った。
図1に偏光顕微鏡観察を行った結果を示す。図1(a)および(b)には、実施例に係る試料の代表例として、表2のサンプル2の偏光顕微鏡像を示す。なお、図1(a)は、鋭敏色検板に対してMDを平行に置いた場合の偏光顕微鏡像であり、図1(b)は消光角の場合の偏光顕微鏡像である。
鋭敏色検板を挿入した状態で試料を回転することにより、伸長方向(MD)の色(すなわちレタデーション)が赤紫→黄(図1(a))→赤紫と変化し、明確な消光角(赤紫色)を示した(図1(b))。よって、このレタデーションの変化から、実施例に係る試料(表2のサンプル2)の試料は、伸長方向(MD)に高分子鎖が配向していることがわかった。
(4)X線回析(小角X線散乱法)
各試料を、SAXS法を用いて観察した。SAXS法は、「高分子X線回折 角戸 正夫 笠井 暢民、丸善株式会社、1968年」や「高分子X線回折 第3.3版 増子 徹、山形大学生協、1995年」の記載に準じて行われた。より具体的には、(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)SPring-8、ビームライン BL03XUにおいて、X線の波長λ=0.06〜0.15nm、カメラ長300mm〜3mで、検出器にイメージングプレート(Imaging Plate)を用いて、室温25℃で行った。MDとTDに垂直な方向(through)とTDに平行な方向(edge)とMDに平行な方向(end)の3方向について観察した。throughとedgeの試料についてはMDをZ軸方向にセットし、endについてはTDをZ軸方向にセットし、X線の露出時間は5秒〜180秒で行った。イメージングプレートを株式会社リガク製の読取装置と読込みソフトウェア(株式会社リガク、raxwish,control)とで読取り、2次元イメージを得た。
実施例に係る試料の代表例として、表2のサンプル1のSAXSイメージを図2に示す。図2の(a)はthrough方向からの観察結果、(b)はedge方向からの観察結果、(c)はend方向からの観察結果を示す。
図2(a)において、MDに強い2点像とTDに弱い2点像が直交していた。
図2(b)において、2点像がMDとNDとからそれぞれ、ψとφだけ傾いていた(詳細は、図9を参照)。
図2(c)において、TDとNDとに伸びた散漫散乱であった。
図2(a)および(b)において2点像を示したことから、PENのナノ配向結晶(NOC)は3D的格子状に配列していることがわかった。ただし、SAXSの2点像は、パラクリスタル格子(参考文献:A. Guinier, A Theory of Technique of the Radiocrystallography, Tokyo: Rigaku Denki, 1967, Chap.10&11)による回折の一次ピークであるため、より正確には、PENのNOCは「3D的パラクリスタル格子」である。
以上より、PENのNOCの格子形(結晶形態)は単斜晶(Monoclinic)であり、Unique axis(参考文献:International tables for crystallography, Vol.A, (ed. T. Hahn) Netherlands: Kluwer Academic Publishers, 1996, pp.106-107)はTDであることがわかった(詳細は、図9を参照)。
なお、データは省略するが、実施例に係るその他の試料(表2のサンプル2)についても図2と同様の結果であった。
(5)X線回析(広角X線散乱法)
各試料を、WAXS法を用いて観察した。WAXS法は、(財)高輝度光科学研究センター(JASRI)SPring-8、ビームラインBL03XUで、X線の波長(λ)はλ=0.06〜0.15nm、カメラ長(R)はR=300mm〜3mで、検出器にイメージングプレート(Imaging Plate)を用いて、室温25℃で行った。throughとedgeの試料についてはMDをZ軸方向にセットし、endについてはTDをZ軸方向にセットし、X線の露出時間は10秒〜180秒で行った。イメージングプレートを株式会社リガク製の読取装置と読込みソフトウェア(株式会社リガク、raxwish,control)とで読取り、2次元イメージを得た。
実施例に係る試料の代表例として、表2のサンプル1のWAXSイメージを図3に示す。図3の(a)はthrough方向からの観察結果、(b)はedge方向からの観察結果、(c)はend方向からの観察結果を示す。
図3(a)および(b)より、実施例に係る試料の高分子鎖(結晶のc軸)はMDに高配向していることがわかった。また、図3(c)はアーク状パターンを示し、二軸配向していることがわかった。よって、実施例に係る試料はNOCである。
以上より、PENのNOCのUnit cell構造は、三斜晶系(Triclinic)のβフォームであることがわかった(参考文献:S. Buchner, D. Wiswe, and H.G. Zachmann, Polymer, 30, 480 (1989))。
(6)配向関数fの検討
図3の(a)を表計算ソフトウェア(WaveMetrics社製、Igor Pro)で解析を行うことにより、実施例に係る試料の配向関数fを得た。図3の(a)に示す020反射について、偏角(β)−広角X線散乱強度(I)曲線は、バックグラウンド補正をして得られた。より具体的には、
配向関数の式:f=(3<cosβ>-1)÷2
ただし、
を用いて、fを算出する。
上記検討の結果、実施例に係る試料(表2のサンプル1)の配向関数f≒0.98であることが分かった。よって、配向関数f≒1であるため、実施例に係る試料に含まれる高分子鎖が高配向していることが分かった。
(7)NCの結晶サイズおよびNOCの構造の検討
図2のMD方向、TD方向、ND方向の2点像から、実施例に係る試料のNCの結晶サイズ(d)を求めた。図4は、図2の(b)に示したSAXSにおけるedge方向からの観察結果における反射の指数付けを示す図である。尚、図4は、図2の(b)に示した白黒イメージをカラーイメージで示している。SAXS法における、散乱ベクトル(q)−小角X線散乱強度(I)曲線の1次のピークは、平均サイズdの微結晶がランダムにお互いに詰まっている場合の微結晶間最近接距離(=結晶サイズd)に相当するため(参考文献:A.Guinier著、「X線結晶学の理論と実際」、理学電機(株)、p513、1967)、結晶サイズdは下記のBraggの式から求められる。
Braggの式: d=2π÷q
実施例に係る試料(表2のサンプル1)の結晶サイズ(DEN界面(参考文献:特許第5765707号)も含むNCの結晶サイズ)は、MD方向に約26nm、TD方向に約18nm、およびND方向に約20nmであることが分かった。また、実施例に係る試料(表2のサンプル2)の結晶サイズ(NCの結晶サイズ)は、MD方向に26nm、TD方向に18nmであるということが分かった。
顕微鏡観察およびX線観察の結果、実施例に係る試料は図5のような構造であると推定された。つまり、実施例に係る試料に含まれるNOCは、紡錘状(またはラグビーボール状)のNCがMDに沿って数珠状に連なったような構造であり、NCを構成する高分子鎖は、MDに高配向している。また、NCは、TDおよびNDにも弱い相関で配向している。
(8)耐熱温度の検討
実施例に係る試料(表2のサンプル1および2)、および比較例に係る試料の耐熱温度Tを、光学顕微鏡を用いた試験片サイズ直読法により測定した。ホットステージ(Linkam社製、L-600A)内に試験片(たて0.7mm、よこ0.5mm)を置き、昇温速度1K/分で室温から最高温度Tmaxまでホットステージ内を昇温した。この時、CCDカメラ付光学顕微鏡(オリンパス(株)製BX51N−33P−OC)で観察と記録を行った。画像解析ソフトウェア(Media Cybernetics社製、Image−Pro PLUS)を用いて、試験片のたて方向(MD)、およびよこ方向(TD)を定量的に計測し、MDまたはTDに3%以上収縮(又は膨張)を開始した時の温度を、耐熱温度Tとした。すなわち、歪(ε)がε>3%またはε<−3%になる温度を耐熱温度(T)とした。ただし、融点(T)まで|ε|>3%となる温度が観察されない場合には、T=Tとした。
また実施例に係る試料(表2のサンプル1および2)、および比較例に係る試料の融点Tも併せて検討した。
実施例に係る試料(図6および図7)、および比較例に係る試料(図8)について耐熱温度を検討した結果をそれぞれ示す。
図6によれば、融点(T)まで、MD、TDともに歪(ε)が3%を超えなかった。よってTの定義から、実施例に係る試料(表2のサンプル1)の耐熱温度Tおよび融点Tは、約309℃であるとした。よって、実施例に係る試料(表2のサンプル1)のNOCは高耐熱性を示すことがわかった。
また、図7によれば、MDに3%以上ひずんだ時の温度(T(MD))が約302℃であり、TDに3%以上ひずんだ時の温度(T(TD))が約291℃であることが分かった。よって実施例に係る試料(表2のサンプル2)の耐熱温度Tは、約291℃であるとした。また実施例に係る試料(表2のサンプル2)の融点Tは、約306℃であった。
一方、図8によれば、MD方向に3%以上ひずんだ時の温度(T(MD))が約172℃であることが分かった。よって比較例に係る試料の耐熱温度は、約172℃であるとした。また比較例に係る試料の融点Tは、約277℃であった。
実施例と比較例とを比較すると、耐熱温度および融点について実施例に係る試料が、比較例に係る試料を大きく上回るものであった。これは、本実施例に係る試料が奏する顕著な効果であるといえる。
また比較例に係る試料の耐熱温度と融点Tとの差は100K以上であるのに対して、実施例に係る試料(表2のサンプル2)の耐熱温度と融点Tとの差は15K程度であった。また、実施例に係る試料(表2のサンプル1)の耐熱温度と融点Tとの差はなかった。この結果から、実施例に係る試料は、融点に対して耐熱温度が低いという従来の問題点が大きく改善されているといことが分かった。
(9)NOCの3D形態モデル
2次元イメージ解析ソフトウェア(株式会社リガク、Display Win)を用いて、図2(b)の解析を行った(図9)。図9中、A*、B*およびC*はNOCの逆格子ベクトルであり、β* NCはA*とC*のなす角度(すなわち、2点像間の角度)である。また、Unique axis(参考文献:International tables for crystallography, Vol.A, (ed. T. Hahn) Netherlands: Kluwer Academic Publishers, 1996, pp.106-107)(逆格子)は、B*//TDである。ψは、NOCのC*とMDのなす角度であり、φは、NOCのA*とNDのなす角度であり、時計回りを正とした。
解析の結果、実施例に係る試料(表2のサンプル1)のNOCの方位はψ=3.6°、φ=−5.1°であることがわかった。
ここで、上記「(7)NCの結晶サイズおよびNOCの構造の検討」より、NCの結晶サイズは、MD方向(=C)26nm、TD方向(=B)18nmおよびND方向(=A)20nmであり、また、上記「(4)X線回析(小角X線散乱法)」より、NOCの結晶形態は単斜晶であるため、NCは図10の模式図で示されるようにMDからφ傾いた方向に強い相関で配列し、NDからψ傾いた方向に弱い相関で配列していることがわかった。
続いて、AとCのなす角であるβNCを算出した。βNCの算出は、以下の式を用いて行われた。
上記の式によりβNCを算出した結果、実施例に係る試料(表2のサンプル1)のβNCは、98.7°であることがわかり、Unique axisはB//B*であることがわかった。
上述の通り、本発明に係るポリエチレンナフタレートシートは、従来のポリエチレンナフタレートシートに比して、高い耐熱性を備えている。それゆえ、本発明によれば、耐熱性が不十分であるがゆえに、エンジニアリングプラスチックまたはスーパーエンジニアリングプラスチックとしての利用が困難であったポリエチレンナフタレートシートを、耐熱性が要求される工業製品等へ利用することが可能となり得る。
1 過冷却融液
2a 押出機
2b 冷却アダプター
3 挟持ロール
10 ロール圧延伸長結晶化装置

Claims (8)

  1. ポリエチレンナフタレートの結晶を含むポリエチレンナフタレートシートであって、
    上記結晶は、高分子の分子鎖が配向しており、且つ結晶サイズが50nm以下であるポリエチレンナフタレートの結晶を含むナノ配向結晶であり、
    耐熱温度が、280℃以上であることを特徴とする、ポリエチレンナフタレートシート。
  2. 融点が、285℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  3. 上記ナノ配向結晶は、紡錘状の結晶が数珠状に連なったような構造からなる、請求項1または2に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  4. 上記ナノ配向結晶の結晶形態が単斜晶であることを特徴とする、請求項1または3に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  5. 高温加工に用いられる請求項1〜4の何れか1項に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  6. 透明導電層付き積層体の基材に用いられる請求項5に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  7. フレキシブル回路基板の基材に用いられる請求項5に記載のポリエチレンナフタレートシート。
  8. 請求項7に記載のポリエチレンナフタレートシートを基材としたフレキシブル回路基板。
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