JP2017154418A - テープ印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塵埃等がテープ排出口から装置内に進入するのを極力抑制することができる。【解決手段】 印刷テープTを装置外に排出するテープ排出口23と、印刷テープTを切断する切断機構24と、切断機構24を作動させるカットボタン14と、カットボタン14の押込みに連動してテープ排出口23を閉塞し、カットボタン14の戻りに連動してテープ排出口23を開放する遮蔽部材52、53と、カットボタン14が押し込まれたとき、カットボタン14を押込み位置A2でロックするロック機構56と、を備えた。【選択図】 図5
Description
本発明は、印刷テープを切断する切断機構を備えたテープ印刷装置に関するものである。
従来、この種のテープ印刷装置(テープ印字装置)として、印刷テープ(印字テープ)を装置外に排出するテープ排出口と、テープ排出口に配設され、固定刃および可動刃から成る鋏状の切断機構と、可動刃後部の作動レバーに固着されたカットボタン(押し操作ボタン)と、固定刃に対し可動刃が開くように付勢する捩じりばね等の付勢バネと、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。このテープ印刷装置では、ユーザーが、カットボタンを付勢バネの弾性力に抗して押すと、固定刃の刃部に可動刃の刃部が咬み合わさるように接近して、印刷テープを切断する。一方、カットボタンへの押し力を解除すると、付勢バネにより、固定刃に対し可動刃が所定角度で開いた状態になる。
しかしながら、上記従来のテープ印刷装置では、切断機構による切断時を除き、テープ排出口が開放された状態となる。すなわち、印刷テープを切断した後、常に、テープ排出口が開放された状態となるため、塵埃等がテープ排出口から装置内に進入してしまうという問題があった。例えば、装置内に侵入した塵埃等がサーマル印刷ヘッドに付着してしまうと、サーマル印刷ヘッドによる印刷不備(例えば印字カスレ等)が生じる虞がある。
本発明は、塵埃等がテープ排出口から装置内に進入するのを極力抑制することができるテープ印刷装置を提供することを課題としている。
本発明のテープ印刷装置は、印刷テープを装置外に排出するテープ排出口と、印刷テープを切断する切断機構と、切断機構を作動させるカットボタンと、カットボタンの押込みに連動してテープ排出口を閉塞し、カットボタンの戻りに連動してテープ排出口を開放する遮蔽部材と、カットボタンが押し込まれたとき、カットボタンを押込み位置でロックするロック機構と、を備えたことを特徴とする。
上記のテープ印刷装置において、遮蔽部材は、切断機構の切断刃であることが好ましい。
上記のテープ印刷装置において、遮蔽部材は、切断機構による切断に先行して、印刷テープを押えるテープ押え部材であることが好ましい。
これらの構成によれば、ユーザーがカットボタンを押して印刷テープの切断を行ったとき、ロック機構によって、カットボタンが押込み位置でロックされる。そのため、カットボタンを押して切断を行った後も、カットボタンが押込み位置に位置したままになり、これに連動する遮蔽部材も、テープ排出口を閉塞した状態のままとなる。このように、印刷テープを切断した後も、テープ排出口が閉塞された状態が維持されるため、塵埃等がテープ排出口から装置内に進入するのを極力抑制することができる。なお、ロック機構は、押込み位置でロックされたカットボタンが再度押されたときに、カットボタンのロックが解除される構成でも良いし、印刷開始時等の所定の状態になったときに、カットボタンのロックが解除される構成でも良い。
これらの場合、当該テープ印刷装置の外殻を成す装置ケースを、更に備え、押込み位置は、カットボタンが装置ケースから非突出となる位置であることが好ましい。
この構成によれば、印刷テープを切断した後、カットボタンが装置ケースから非突出となる状態が維持される。すなわち、装置ケースから突出した状態のカットボタンが押し込まれて装置ケースから突出しなくなった状態が、デフォルトの状態となる。そのため、この状態でテープ印刷装置を収納することができ、テープ印刷装置の収納性を高めることができる。
一方、印刷テープを収容したテープカートリッジを装着するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着部を開閉する開閉蓋と、開閉蓋の開放に伴って、ロック機構によるカットボタンのロックを解除させるロック解除機構と、を更に備えたことが好ましい。
この構成によれば、開閉蓋の開放に伴って、カットボタンのロックが解除される。そのため、カットボタンが元の位置に戻り、これに連動して遮蔽部材がテープ排出口を開放する。このように、開閉蓋を開放してテープカートリッジを装着するときに、遮蔽部材がテープ排出口を開放した状態になるため、テープカートリッジの装着が、遮蔽部材によって妨げられてしまうのを避けることができる。すなわち、テープカートリッジを装着する際に、テープカートリッジから引き出された印刷テープをテープ排出口に通す場合にも、これが遮蔽部材によって妨げられることがない。
一方、カットボタンを、当該テープ印刷装置の電源をON/OFFする電源ボタンとして兼用し、カットボタンがロックされるとき、電源をOFFにすることが好ましい。
この構成によれば、テープ印刷装置の電源をOFFにするときには、カットボタンが押込み位置でロックされた状態になる。そのため、電源OFF時に、テープ排出口を閉塞し忘れるという事態を避けることができる。よって、電源OFF時に、塵埃等が装置内に進入してしまうのを抑制することができる。
また、ロック機構は、切断機構を作動させる第1の押込み位置から更に押し込まれた第2の押込み位置にカットボタンが押し込まれたときに、カットボタンをロックすることが好ましい。
この構成によれば、カットボタンを押し込む深さ(カットボタンの押込み方向の位置)を調整することで、印刷テープを切断した後に、カットボタンをロックするか、カットボタンを元の位置に戻すか、をユーザーが選択することができる。すなわち、印刷テープを切断した後に、遮蔽部材によってテープ排出口を閉塞した状態を維持するか、テープ排出口を開放した状態にするか、をユーザーが容易に選択することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置について説明する。このテープ印刷装置は、印刷テープに対し印刷を行った後、手動の切断機構により印刷テープを切断して、ラベルを作成するものである。特に、本テープ印刷装置は、当該切断機構によって、テープ排出口から塵埃等が入り込むのを防止する構造を有するものである。
図1に示すように、テープ印刷装置1は、装置ケース11(筐体)により外殻が形成され、装置ケース11の表面下部には、各種キーを備えたキーボード12が配設される。一方、装置ケース11の表面上部には、キーボード12からの入力結果等を表示する長方形のディスプレイ13が配設される。また、装置ケース11の上部右側面には、後述の切断機構24を作動させるためのカットボタン14が配設される。
一方、図2および図3に示すように、装置ケース11の裏面には、開閉蓋21が広く配設される。そして、開閉蓋21を開放すると、その内部には、テープカートリッジTCを着脱自在に装着するカートリッジ装着部22が窪入形成される。
また、カートリッジ装着部22と装置ケース11上端部との間には、印刷テープTを装置外に排出するためのテープ排出口23が配設される。そして、装置ケース11の内部には、テープ排出口23に臨むように、切断機構24が配設される。切断機構24は、カットボタン14の押込みによって作動し、テープ排出口23上の印刷テープTを切断するものである。
図3に示すように、開閉蓋21は、ヒンジ部21aを介して装置ケース11に回動自在に取り付けられ、カートリッジ装着部22の開放部分を開閉自在に取り付けられる。テープカートリッジTCは、開閉蓋21を開放した状態で、カートリッジ装着部22に装着され、開閉蓋21を開放した状態で、カートリッジ装着部22から取り外される。
また、開閉蓋21の内側上部には、長板状の作動突起21bが突設される。開閉蓋21を閉塞すると、装置ケース11に形成された突起挿入孔11aを介して、作動突起21bが、装置ケース11内の切断機構24に到達する構成を有する。
一方、カートリッジ装着部22には、サーマル印刷ヘッド31と、後述のプラテンローラー44に嵌合するプラテン駆動軸32と、後述のリボン巻取りリール43に嵌合する巻取り駆動軸33と、が配設される。
これに対し、テープカートリッジTCは、印刷テープTを巻回したテープリール41と、インクリボンRを巻回したリボン繰出しリール42と、インクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール43と、サーマル印刷ヘッド31に対峙するプラテンローラー44と、これらを収容するカートリッジケース45と、を備える。また、カートリッジケース45には、サーマル印刷ヘッド31が入り込むヘッド開口46が貫通形成される。
テープカートリッジTCがカートリッジ装着部22に装着されると、サーマル印刷ヘッド31が、ヘッド開口46に入り込み、プラテン駆動軸32が、プラテンローラー44の中心穴に嵌合され、巻取り駆動軸33が、リボン巻取りリール43の中心穴に嵌合される。この状態では、印刷テープTは、テープリール41から繰り出され、サーマル印刷ヘッド31とプラテンローラー44との対峙位置を通ってテープ排出口23に繰り出され、テープ排出口23から装置外に繰り出される。一方、インクリボンRは、リボン繰出しリール42から繰り出され、サーマル印刷ヘッド31とプラテンローラー44との対峙位置を通った後、ヘッド開口46の周壁を周回して、リボン巻取りリール43に巻き取られる。
この状態において、印刷動作が指令されると、テープ印刷装置1は、プラテン駆動軸32および巻取り駆動軸33を駆動して、プラテンローラー44およびリボン巻取りリール43を同期回転させることで、テープカートリッジTCから印刷テープTおよびインクリボンRを引き出しつつ、印刷テープTおよびインクリボンRを送る。そして、この送りと同期してサーマル印刷ヘッド31を駆動することで、印刷テープTに対しインクリボンR上のインクを転写して、所望の印刷を行う。その後、ユーザーがカットボタン14を押し込んで切断機構24を作動させることで、印刷テープTの印刷済み部分が切断され、ラベルが作成される。
次に図4および図5を参照して、切断機構24の詳細について説明する。図4および図5に示すように、切断機構24は、カットボタン14が取り付けられたカッターホルダー51と、カッターホルダー51に固定された切断刃52と、カッターホルダー51に対し左右方向に進退動自在に支持されたテープ押え部材53と、テープ押え部材53を左方向に付勢する付勢バネ54と、を備える。また、切断機構24は、テープ押え部材53と対峙する押え受け部材55と、カッターホルダー51を前進位置でロックするロック機構56と、を備える。詳細は後述するが、ロック機構56は、カッターホルダー51を前進位置でロックすることで、カッターホルダー51を介して、カットボタン14を押込み位置A2でロックするものである。
カッターホルダー51は、装置ケース11に対し左右方向に進退自在に支持されると共に、図外の付勢手段によって、右方向に付勢される。その結果、ユーザーが、当該付勢手段の付勢力に抗してカットボタン14を左方向に押し込むと、カッターホルダー51は、このカットボタン14の押込みに伴って、左方向に前進する(図5参照)。一方、カットボタン14の押込みを止めてカットボタン14への力を解除すると、ロック機構56によってカッターホルダー51が前進位置でロックされていなければ、当該付勢手段の付勢力によって、カッターホルダー51が右方向に後退し、カットボタン14が元の位置に戻る構成となる。
なお、以下、カットボタン14を押し込む前の位置(上記元の位置)を、戻り位置A1と呼称し、カットボタン14を押し込んだ先の位置を、押込み位置A2と呼称する。なお、図4および図5に示すように、戻り位置A1は、カットボタン14が装置ケース11から突出する位置であり、押込み位置A2は、カットボタン14が装置ケース11に没入し装置ケース11から非吐出となる位置である。
なお、以下、カットボタン14を押し込む前の位置(上記元の位置)を、戻り位置A1と呼称し、カットボタン14を押し込んだ先の位置を、押込み位置A2と呼称する。なお、図4および図5に示すように、戻り位置A1は、カットボタン14が装置ケース11から突出する位置であり、押込み位置A2は、カットボタン14が装置ケース11に没入し装置ケース11から非吐出となる位置である。
また、カッターホルダー51は、ロック機構56と係合する係合ピン51aが形成される。詳細は後述するが、カッターホルダー51は、カットボタン14が押込み位置A2まで押し込まれたときに、ロック機構56が係合ピン51aと係合し、その位置でカッターホルダー51がロックされる。
切断刃52は、上記したように、カッターホルダー51に固定される。そして、切断刃52は、カッターホルダー51の前進に伴って、印刷テープT側に移動し、印刷テープTを切断する。すなわち、カットボタン14の押込みに伴い、この押込み力によって、印刷テープTを切断する構成を有する。なお、少なくとも、カットボタン14を押込み位置A2まで押し込むと、印刷テープTの切断が完了する。
また、切断刃52は、印刷テープTの切断時に、テープ排出口23を閉塞するように構成される。すなわち、切断刃52は、カットボタン14の押込みに連動してテープ排出口23を閉塞し、カットボタン14の戻りに連動してテープ排出口23を開放する「遮蔽部材」として機能する。より言えば、切断刃52は、カットボタン14が押込み位置A2に位置するとき、テープ排出口23を閉塞し、カットボタン14が戻り位置A1に位置するとき、テープ排出口23を開放する。
テープ押え部材53は、上記したように、カッターホルダー51に対し左右方向に進退動自在に支持される共に、付勢バネ54によって左方向に付勢される。そして、テープ押え部材53は、カッターホルダー51の前進に伴って、印刷テープT側に移動し、切断刃52による印刷テープTの切断に先行して、印刷テープTを押える。すなわち、カットボタン14の押込みに伴い、印刷テープTの切断の前に、印刷テープTを押える構成を有する。このとき、テープ押え部材53は、付勢バネ54により押え受け部材55側に押し付けられ、押え受け部材55との間で挟圧する形で、印刷テープTを保持する。
また、テープ押え部材53は、印刷テープTの送り経路において、切断刃52の下流側に配設される。よって、印刷テープTの送り経路において、切断刃52の下流側で印刷テープTを押さえ、保持する構成となる。ゆえに、テープ押え部材53は、印刷テープTを切断して得られたテープ片(ラベル)を保持する役割も担う。
また、テープ押え部材53は、印刷テープTの送り経路において、切断刃52の下流側に配設される。よって、印刷テープTの送り経路において、切断刃52の下流側で印刷テープTを押さえ、保持する構成となる。ゆえに、テープ押え部材53は、印刷テープTを切断して得られたテープ片(ラベル)を保持する役割も担う。
また、テープ押え部材53は、押え受け部材55側に押し付けられたとき、テープ排出口23を閉塞するように構成される。すなわち、テープ押え部材53は、切断刃52と同様、カットボタン14の押込みに連動してテープ排出口23を閉塞し、カットボタン14の戻りに連動してテープ排出口23を開放する「遮蔽部材」として機能する。より言えば、切断刃52と同様、テープ押え部材53は、カットボタン14が押込み位置A2に位置するとき、テープ排出口23を閉塞し、カットボタン14が戻り位置A1に位置するとき、テープ排出口23を開放する。
次に図6ないし図11を参照して、ロック機構56について説明する。図6に示すように、ロック機構56は、カッターホルダー51の係合ピン51aに係合するロック部材61と、ロック部材61を回転不能且つ軸方向(前後方向)に移動自在に支持する支持軸62と、ロック部材61を後方(支持軸62の先端側)に付勢するロック付勢バネ63と、を備える。
ロック部材61は、上記したように回転不能且つ支持軸62の軸方向に移動自在に支持されると共に、側面視で直角三角形形状に形成されたピン係合部71と、板状に形成された突起受け部72と、を有する。ロック部材61は、支持軸62の支持によって、ピン係合部71が係合ピン51aと対峙するピン対峙位置B1と、ピン対峙位置B1から後方(支持軸62の先端側)に退避した第1退避位置B2と、ピン対峙位置B1から前方(支持軸62の基端側)に退避した第2退避位置B3との間で移動自在に構成される。
突起受け部72は、開閉蓋21を閉塞したときの作動突起21bを受ける突起受け面72aを有する。
図7に示すように、開閉蓋21を閉塞すると、開閉蓋21の作動突起21bが突起受け面72aに接触し、突起受け部72を前方(支持軸62の基端側)に押圧する。この押圧力を受けて、ロック部材61がロック付勢バネ63の付勢力に抗して前方に移動し、第1退避位置B2からピン対峙位置B1に移動する。一方、図8に示すように、開閉蓋21を開放すると、作動突起21bからの押圧力が解除されるため、ロック付勢バネ63の付勢力によって、ロック部材61がピン対峙位置B1から第1退避位置B2に戻る。このように、突起受け部72によって、開閉蓋21を閉塞したときの作動突起21bを受けることで、ロック部材61が、開閉蓋21の開閉に伴い、ピン対峙位置B1と第1退避位置B2との間で移動する。なお、開閉蓋21の開放に伴ってロック機構56によるカットボタン14のロックを解除させる「ロック解除機構」は、作動突起21b、ロック付勢バネ63および突起受け部72により構成される。
図7に示すように、開閉蓋21を閉塞すると、開閉蓋21の作動突起21bが突起受け面72aに接触し、突起受け部72を前方(支持軸62の基端側)に押圧する。この押圧力を受けて、ロック部材61がロック付勢バネ63の付勢力に抗して前方に移動し、第1退避位置B2からピン対峙位置B1に移動する。一方、図8に示すように、開閉蓋21を開放すると、作動突起21bからの押圧力が解除されるため、ロック付勢バネ63の付勢力によって、ロック部材61がピン対峙位置B1から第1退避位置B2に戻る。このように、突起受け部72によって、開閉蓋21を閉塞したときの作動突起21bを受けることで、ロック部材61が、開閉蓋21の開閉に伴い、ピン対峙位置B1と第1退避位置B2との間で移動する。なお、開閉蓋21の開放に伴ってロック機構56によるカットボタン14のロックを解除させる「ロック解除機構」は、作動突起21b、ロック付勢バネ63および突起受け部72により構成される。
ピン係合部71は、係合ピン51aからの力を受けてロック部材61を第2退避位置B3に退避させるための誘い斜面71aと、係合ピン51aの移動を規制するための規制面71bと、を有する。
図9ないし図11に示すように、ロック部材61がピン対峙位置B1に位置した状態で、カッターホルダー51が前進していくと、カッターホルダー51の係合ピン51aが誘い斜面71aに接触し、ピン係合部71を押圧する(図9参照)。この押圧力によって、ピン係合部71が前方(支持軸62の基端側)に移動し、ロック部材61が、ピン対峙位置B1から第2退避位置B3に移動する(図10参照)。そして、カッターホルダー51の前進が進み、係合ピン51aが誘い斜面71aを超えると、係合ピン51aからの力が解除され、ロック付勢バネ63の付勢力によって、ロック部材61が第2退避位置B3からピン対峙位置B1に戻る。その結果、係合ピン51aが規制面71bに対面して接触し、係合ピン51aの右方向への移動を規制する(図11参照)。これによって、上記付勢手段による右方向への付勢に抗して、カッターホルダー51の位置がロックされた状態となる。すなわち、カッターホルダー51が前進位置でロックされ、カッターホルダー51を介して、カットボタン14が押込み位置A2でロックされる。本実施形態では、切断刃52による切断が完了されたところで、カッターホルダー51およびカットボタン14がロックされる構成となる。
図9ないし図11に示すように、ロック部材61がピン対峙位置B1に位置した状態で、カッターホルダー51が前進していくと、カッターホルダー51の係合ピン51aが誘い斜面71aに接触し、ピン係合部71を押圧する(図9参照)。この押圧力によって、ピン係合部71が前方(支持軸62の基端側)に移動し、ロック部材61が、ピン対峙位置B1から第2退避位置B3に移動する(図10参照)。そして、カッターホルダー51の前進が進み、係合ピン51aが誘い斜面71aを超えると、係合ピン51aからの力が解除され、ロック付勢バネ63の付勢力によって、ロック部材61が第2退避位置B3からピン対峙位置B1に戻る。その結果、係合ピン51aが規制面71bに対面して接触し、係合ピン51aの右方向への移動を規制する(図11参照)。これによって、上記付勢手段による右方向への付勢に抗して、カッターホルダー51の位置がロックされた状態となる。すなわち、カッターホルダー51が前進位置でロックされ、カッターホルダー51を介して、カットボタン14が押込み位置A2でロックされる。本実施形態では、切断刃52による切断が完了されたところで、カッターホルダー51およびカットボタン14がロックされる構成となる。
本テープ印刷装置1では、開閉蓋21を閉塞すると、作動突起21bからの力が突起受け部72に作用し、ロック部材61がピン対峙位置B1に位置した状態になる。この状態で、カットボタン14が押し込まれると、カッターホルダー51が前進していき、これに伴って、テープ押え部材53により印刷テープTを押え、切断刃52により印刷テープTを切断する。そして、切断が完了したところで、ロック機構56により、カッターホルダー51がロックされる。すなわち、カッターホルダー51を介して、カットボタン14が押込み位置A2でロックされる。これにより、テープ押え部材53および切断刃52によって、テープ排出口23を閉塞した状態が維持される。すなわち、印刷テープTの切断後も、テープ排出口23を閉塞した状態が維持される。
一方、この状態で開閉蓋21が開放されると、ロック付勢バネ63の付勢力によって、ロック部材61が第1退避位置B2に移動し、カッターホルダー51に対するロックが解除される(すなわち、カットボタン14に対するロックが解除される)。その結果、上記付勢手段の付勢力によって、カッターホルダー51が後退し、カットボタン14が戻り位置A1に移動する。これにより、テープ押え部材53および切断刃52が、テープ排出口23を開放した状態に移行する。このように、開閉蓋21の開放により、テープ排出口23が開放される。
以上、実施形態の構成によれば、ユーザーがカットボタン14を押して印刷テープTの切断を行ったとき、ロック機構56によって、カットボタン14が押込み位置A2でロックされる。そのため、カットボタン14を押して切断を行った後も、カットボタン14が押込み位置A2に位置したままになり、これに連動する遮蔽部材(切断刃52およびテープ押え部材53)も、テープ排出口23を閉塞した状態のままとなる。このように、印刷テープTを切断した後も、テープ排出口23が閉塞された状態が維持されるため、塵埃等がテープ排出口23から装置内に進入するのを極力抑制することができる。
また、ロックされる押込み位置A2が、カットボタン14が装置ケース11から非突出となる位置であることで、印刷テープTを切断した後、カットボタン14が装置ケース11から非突出となる状態が維持される。すなわち、装置ケース11から突出しなくなった状態が、デフォルトの状態となる。そのため、この状態でテープ印刷装置1を収納することができ、テープ印刷装置1の収納性を高めることができる。
さらに、開閉蓋21の開放に伴って、カットボタン14のロックが解除される構成であるため、開閉蓋21を開放してテープカートリッジTCを装着するとき、切断刃52およびテープ押え部材53がテープ排出口23を開放した状態になる。そのため、テープカートリッジTCの装着が、切断刃52やテープ押え部材53によって妨げられてしまうのを避けることができる。すなわち、テープカートリッジTCを装着する際に、テープカートリッジTCから引き出された印刷テープTをテープ排出口23に通す場合にも、これが切断刃52やテープ押え部材53によって妨げられることがない。
またさらに、切断刃52の下流側(印刷テープTの送り経路の下流側)に配設されたテープ押え部材53を「遮蔽部材」として用いる構成であるため、装置外からの塵埃等が、切断刃52に付着してしまうのを極力抑制することができる。すなわち、サーマル印刷ヘッド31だけでなく、切断刃52に、塵埃等が付着してしまうのも抑制することができる。
なお、上記実施形態において、カットボタン14を、当該テープ印刷装置1の電源をON/OFFする電源ボタンとして兼用する構成でも良い。かかる場合、カットボタン14がロックされるとき、電源がOFFされ、カットボタン14のロックが解除されるとき、電源がONされる構成とする。かかる構成によれば、テープ印刷装置1の電源をOFFにするときには、カットボタン14が押込み位置A2でロックされた状態になるため、電源OFF時に、テープ排出口23を閉塞し忘れるという事態を避けることができる。よって、電源OFF時に、塵埃等が装置内に進入してしまうのを抑制することができる。一方で、テープ印刷装置1の電源をONにするときには、ロックが解除され、カットボタン14が戻り位置A1に位置する状態になるため、電源ON時に、テープ排出口23を開放し忘れるという事態を避けることができる。よって、遮蔽部材(切断刃52やテープ押え部材53)が印刷の妨げになる事態(いわゆるジャム)を避けることができる。
また、上記実施形態において、切断機構24を作動させるカットボタン14の押込み位置と、カットボタン14をロックするカットボタン14の押込み位置と、を異なる位置(押込み方向の位置)にする構成でも良い。すなわち、ロック機構56は、切断機構24を作動させる第1の押込み位置から更に押し込まれた第2の押込み位置にカットボタン14が押し込まれたときに、カットボタン14をロックする構成とする。かかる構成によれば、カットボタン14を押し込む深さ(カットボタン14の押込み方向の位置)を調整することで、印刷テープTを切断した後に、カットボタン14をロックするか、カットボタン14を元の位置に戻すか、をユーザーが選択することができる。すなわち、印刷テープTを切断した後に、切断刃52やテープ押え部材53によってテープ排出口23を閉塞した状態を維持するか、テープ排出口23を開放した状態にするか、をユーザーが容易に選択することができる。特に、上記のカットボタン14を電源ボタンとして兼用する構成において、このような構成を採用することで、電源をOFFにするときのみ、テープ排出口23を閉塞した状態にすることができる。
なお、上記実施形態においては、切断刃52およびテープ押え部材53を「遮蔽部材」として用いる構成であったが、装置ケース11に、テープ排出口23を開閉するカバー部材を取り付け、このカバー部材を「遮蔽部材」として用いる構成でも良い。すなわち、当該カバー部材が、カットボタン14の押込みに連動してテープ排出口23を閉塞し、カットボタン14の戻りに連動してテープ排出口23を開放するように構成しても良い。
また、上記実施形態においては、切断刃52およびテープ押え部材53が、テープカートリッジTCを装着する際の妨げにならないように、開閉蓋21の開放に伴って、カッターホルダー51やカットボタン14のロックを解除する構成であったが、これに代えて、切断刃52の側面(後側:テープカートリッジTCの装着方向手前側)に刃を付ける構成でも良い。かかる場合、テープカートリッジTCを装着する際、テープカートリッジTCから引き出された印刷テープTを、当該刃で切断することができるので、切断刃52およびテープ押え部材53が、テープカートリッジTCを装着する際の妨げになることがない。
さらに、上記実施形態においては、テープ押え部材53を、切断刃52の下流側(印刷テープTの送り経路の下流側)に配設する構成であったが、テープ押え部材53を、切断刃52の上流側(印刷テープTの送り経路の上流側)に配設する構成でも良い。
またさらに、上記実施形態においては、開閉蓋21が開放されたときのみ、カッターホルダー51やカットボタン14のロックを解除させる構成であったが、電動の機構によって、印刷開始時等にロックを解除させる構成でも良い。例えば、テープ印刷装置1が、ロック部材61をピン対峙位置B1から第2退避位置B3まで押圧する電動の押圧機構を更に備え、これによって、印刷開始時等に、ロック部材61をピン対峙位置B1から第2退避位置B3まで押圧し、ロックを解除させる構成でも良い。
また、ロック機構56として、ロックされたカットボタン14が再度押されたときに、カットボタン14のロックを解除されるもの採用する構成でも良い。
11…装置ケース、14…カットボタン、23…テープ排出口、24…切断機構、51…カッターホルダー、51a…係合ピン、52…切断刃、53…テープ押え部材、54…付勢バネ、55…押え受け部材、56…ロック機構、61…ロック部材、62…支持軸、71…ピン係合部、72…突起受け部、A2…押込み位置
Claims (7)
- 印刷テープを装置外に排出するテープ排出口と、
前記印刷テープを切断する切断機構と、
前記切断機構を作動させるカットボタンと、
前記カットボタンの押込みに連動して前記テープ排出口を閉塞し、前記カットボタンの戻りに連動して前記テープ排出口を開放する遮蔽部材と、
前記カットボタンが押し込まれたとき、前記カットボタンを押込み位置でロックするロック機構と、を備えたことを特徴とするテープ印刷装置。 - 前記遮蔽部材は、前記切断機構の切断刃であることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
- 前記遮蔽部材は、前記切断機構による切断に先行して、前記印刷テープを押えるテープ押え部材であることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
- 当該テープ印刷装置の外殻を成す装置ケースを、更に備え、
前記押込み位置は、前記カットボタンが前記装置ケースから非突出となる位置であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。 - 前記印刷テープを収容したテープカートリッジを装着するカートリッジ装着部と、
前記カートリッジ装着部を開閉する開閉蓋と、
前記開閉蓋の開放に伴って、前記ロック機構による前記カットボタンのロックを解除させるロック解除機構と、を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。 - 前記カットボタンを、当該テープ印刷装置の電源をON/OFFする電源ボタンとして兼用し、前記カットボタンがロックされるとき、前記電源をOFFにすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
- 前記ロック機構は、前記切断機構を作動させる第1の押込み位置から更に押し込まれた第2の押込み位置に前記カットボタンが押し込まれたときに、前記カットボタンをロックすることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
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JP2016040775A JP2017154418A (ja) | 2016-03-03 | 2016-03-03 | テープ印刷装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022134691A (ja) * | 2021-03-04 | 2022-09-15 | カシオ計算機株式会社 | 印刷装置、及びカッター装置 |
-
2016
- 2016-03-03 JP JP2016040775A patent/JP2017154418A/ja active Pending
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