JP2017152129A - 薄型電池 - Google Patents

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裕也 浅野
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智博 植田
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Abstract

【課題】電極群の厚さが変化する段差部位で外装体の亀裂が発生しにくく、かつ凸形状の膨らみが生じにくい薄型電池の提供。【解決手段】電極群103と非水電解質とこれらを密閉収納する外装体108とを含み、電極群103は第1電極と第2電極とセパレータとを具備し、第1電極は第1集電体シートと第1活物質層を含み、第2電極は第2集電体シートと第2活物質層を含み、第1集電体シート及び第2集電体シートはそれぞれ第1方向に延在し、かつリード113、123に接続されるタブ114、124を含み、外装体108はリード113、123を挟持する封止代と、活物質層と対向する第1部位と、第1部位と封止代との間の第2部位とを有し、第1部位は平坦面を有するか、第1方向と交わる複数の第1線状凸部108aを有し、第2部位は第1方向と交わり、かつ高さが第1線状凸部108aの高さよりも大きい第2線状凸部108bを有する、薄型電池。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の電極群を含む薄型電池に関する。
近年、生体貼付型装置、携帯電話機、音声録音再生装置、腕時計、動画および静止画撮影機、液晶ディスプレイ、電卓、ICカード、温度センサ、補聴器、感圧ブザーなどの小型の電子機器の電源として、薄型電池が用いられている。このような薄型電池には柔軟性が求められる。例えば、生体貼付型装置もしくはウェアラブル携帯端末に搭載される薄型電池は、生体の動きに追従するように変形することが求められる。そこで、外装体が屈曲部の内側で縮みやすく、外側で伸びやすくなるように、外装体に波形の凹凸を設けることが提案されている(特許文献1、2)。
国際公開第2012/140709号パンフレット 特開2015−130332号公報
薄型電池の外装体の内部は、電極群と非水電解質とを収納した状態で減圧されている。そのため、薄型電池の外観は、電極群の厚さが変化する段差部位に応じて凹凸を生じやすい。電極群の厚さが変化する段差部位では、薄型電池が屈曲するときに、亀裂が発生したり、凸形状の膨らみが生じたりしやすい。
上記を鑑み、本発明の一局面は、シート状の電極群と、前記電極群に含浸された非水電解質と、前記電極群および前記非水電解質を密閉収納する外装体と、を含み、前記電極群は、シート状の第1電極と、シート状の第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されているセパレータと、を具備し、前記第1電極は、第1集電体シートおよび前記第1集電体シートに付着した第1活物質層を含み、前記第2電極は、第2集電体シートおよび前記第2集電体シートに付着した第2活物質層を含み、前記第1集電体シートは、前記第1集電体シートの一辺の一部から第1方向に延在する第1タブを含み、前記第1タブに前記外装体の外部に引き出される第1リードが接続されており、前記第2集電体シートは、前記第2集電体シートの一辺の一部から前記第1方向に延在する第2タブを含み、前記第2タブに前記外装体の外部に引き出される第2リードが接続されており、前記外装体は、前記第1リードおよび前記第2リードを挟持する封止代を有し、前記外装体は、前記第1活物質層および前記第2活物質層と対向する第1部位と、前記第1部位と前記封止代との間の第2部位と、を有し、前記第1部位が、平坦面を有するか、または前記第1方向と交わる複数の縞状の第1線状凸部を有し、前記第2部位が、前記第1方向と交わる少なくとも1つの第2線状凸部を有し、前記第1線状凸部の高さよりも前記第2線状凸部の高さが大きい、薄型電池に関する。
本発明によれば、薄型電池が屈曲するときに、電極群の厚さが変化する段差部位で、亀裂が発生しにくく、かつ凸形状の膨らみが生じにくくなる。
第1実施形態に係る薄型電池の外装体の一部を切り欠いた平面図である。 同薄型電池の要部の縦断面図である。 電極群の厚さ方向における第1線状凸部と第2線状凸部との位置関係を示す図である。 第2実施形態に係る薄型電池の要部の縦断面図である。 第3実施形態に係る薄型電池の要部の縦断面図である。
本発明の実施形態に係る薄型電池は、シート状の電極群と、電極群に含浸された非水電解質と、電極群および非水電解質を密閉収納する外装体とを具備する。電極群は、シート状の第1電極と、シート状の第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置されているセパレータとを具備する。第1電極は、第1集電体シートおよび第1集電体シートに付着した第1活物質層を含む。第2電極は、第2集電体シートおよび第2集電体シートに付着した第2活物質層を含む。第1集電体シートは、第1集電体シートの一辺の一部から第1方向に延在する第1タブを有し、第2集電体シートは、第2集電体シートの一辺の一部から第1方向に延在する第2タブを含む。
第1タブには、外装体の外部に引き出される第1リードが接続されており、第2タブには、外装体の外部に引き出される第2リードが接続されており、外装体は、第1リードおよび第2リードを挟持する封止代を有する。
なお、外装体の封止代とは、例えば、二枚のフィルム材の周縁部を接合して外装体を形成する場合、もしくは一枚のフィルム材を折り畳んで折り目以外の周縁部を接合して外装体を形成するときの周縁部をいう。例えば外装体の外形が矩形もしくは矩形に近い形状であれば、4つの辺のうちの一つに沿う周縁部が第1リードおよび第2リードを挟持する封止代となる。
外装体は、第1活物質層および第2活物質層と対向する第1部位と、第1部位と封止代との間の第2部位と、を有する。第2部位は、通常、第1集電体シートの第1活物質層を有さない領域および第2集電体シートの第2活物質層を有さない領域(特に第1タブおよび第2タブ)と対向しており、第1リードの少なくとも一部および第2リードの少なくとも一部とも対向している。
ここで、第1部位は、平坦面を有するか、または第1方向と交わる複数の縞状の第1線状凸部を有する。第2部位は、第1方向と交わる少なくとも1つの第2線状凸部を有する。第1部位は、複数の第1線状凸部を有さなくてもよい。ただし、第1部位が複数の第1線状凸部を有する場合には、第1線状凸部の高さよりも第2線状凸部の高さを大きくする。なお、第2部位に第2線状凸部が2つ以上設けられている場合、少なくとも1つの第2線状凸部の高さが、最も高さの大きい第1線状凸部の高さより大きければよい。
線状凸部は、細長い隆起部またはリブ(rib)もしくは畝(ridge)のような形状を有する。線状凸部が複数設けられる場合には、隣接する線状凸部間に凹部が形成される。凹部は、細長い窪みもしくは溝(groove)のような形状を有する。縞状に設けられた複数の線状凸部は、必ず凹部を含み、その断面は波形を呈する。よって、縞状に設けられた複数の第1線状凸部の断面は波形である。第2線状凸部は、少なくとも1つ存在すればよいが、第1線状凸部のように断面が波形になるように、縞状に複数の第2線状凸部を設けてもよい。複数の第1線状凸部の高さは、概ね均一であることが望ましく、全ての第1線状凸部の平均(m1)と標準偏差(σ1)とが0.9≦(m1−σ1)/m1を満たすことが望ましい。同様に、複数の第2線状凸部の高さは、概ね均一であることが望ましく、全ての第2線状凸部の平均(m2)と標準偏差(σ2)とが0.9≦(m2−σ2)/m2を満たすことが望ましい。
薄型電池は、通常、第1部位と第2部位との境界に、電極群の厚さの変化に応じた段差を有する。第1部位と第2部位との境界では、外装体に不可避の変形が生じている。第2部位に第2線状凸部を設けない場合、薄型電池が屈曲するときに、変形箇所が起点となって亀裂や膨らみの不具合が生じることが多い。一方、第2部位に第2線状凸部を設ける場合には、薄型電池が屈曲するときの応力は、第2線状凸部または隣接する第2線状凸部間の凹部の幅が拡大または縮小することで緩和される。よって、亀裂や膨らみの不具合が発生しにくくなる。
第1線状凸部および第2線状凸部は、いずれも第1方向と交わるように形成される。第1線状凸部および第2線状凸部が延びる方向を第2方向とするとき、第1方向と第2方向とが成す角度は、80〜100度(°)が好ましく、90度であることがより好ましい。これにより、第1方向に沿って薄型電池が屈曲するときに、より屈曲しやすくなる。また、電極群の厚さが変化する段差部位で、より亀裂が発生しにくく、かつ凸形状の膨らみが生じにくくなる。
各電極の活物質層と対向する第1部位は、外装体内が減圧されることで電極群に張り付いているため、亀裂や膨らみの不具合を生じにくい。よって、第1部位は、縞状に設けられた複数の第1線状凸部を有さなくてもよい。第1部位が平坦面を有する場合、平坦面は概ね平坦であればよく、僅かな凹凸が存在してもよい。ただし、平坦面であるというためには、そのような凹凸が有する段差は10μm以下が望ましく、5μm以下がより望ましい。第1部位の全面が平坦である必要はないが、第1部位の全面が平坦な場合、薄型電池の製造が容易になる。
第1部位が複数の縞状の第1線状凸部を有する場合、薄型電池が屈曲するときの亀裂や膨らみの不具合を抑制するには、第1線状凸部の高さよりも第2線状凸部の高さを大きくして、第2部位の凹凸を優先的に応力緩和に関与させることが望ましい。これにより、上記不具合を抑制できるだけでなく、電池の厚さが第1線状凸部によって過度に大きくなることも回避される。第1線状凸部の高さは、できるだけ小さいことが望ましい。
第1線状凸部および第2線状凸部の高さは、線状凸部を第2方向から見たときの断面形状を正弦波と見なしたときの正弦波の振幅に相当する。すなわち、線状凸部の高さは、隣接する凹部の底部(外装体の電池内面側の表面)と凸部の頂部(外装体の電池外面側の表面)との高低差に相当する。線状凸部に隣接する2つの凹部の底部のレベルが異なる場合には、それぞれの凹部の底部と凸部の頂部との高低差を求め、2つの値の平均値として線状凸部の高さを求めればよい。
好ましい形態では、電極群の厚さ方向において、第2線状凸部の高さの中心点は、第1部位の最外部よりも中央寄りに位置している。これにより、第2線状凸部が過度に突出することがなく、薄型電池を使用機器に搭載しやすくなる。また、第2線状凸部の頂部が第1部位の最外部よりも突出している場合でも、突出の程度が小さく、かつ第2線状凸部は柔軟性を有するため、使用機器に搭載する際の妨げとはなりにくい。なお、第2線状凸部が2つ以上設けられている場合には、最も高い第2線状凸部の中心点が、第1部位の最外部よりも中央寄りに位置していればよい。
ここで、第2線状凸部の高さの中心点とは、第2線状凸部に隣接する凹部の底部から凸部の頂部までの高さの半分の高さに位置する点である。隣接する2つの凹部の底部のレベルが異なる場合には、それぞれの凹部の底部から凸部の頂部までの高さの半分の高さに位置する点を求め、2つの点の中間点を中心点として求めればよい。
第1部位の最外部とは、第1部位を構成する外装体の外面側の表面であり、電極群の厚さ方向の中央から最も離れた部位である。第1部位が第1線状凸部を有する場合には、最も高い第1線状凸部の頂部が第1部位の最外部である。また、第1部位が第1線状凸部を有さず、平坦である場合には、通常、第1部位を構成する外装体の外面側の表面の任意の点が第1部位の最外部である。
より好ましい形態では、電極群の厚さ方向において、第2線状凸部の頂部は、第1部位の最外部よりも中央寄りに位置している。これにより、第2線状凸部が薄型電池の主要部から突出することがなく、薄型電池を使用機器に更に搭載しやすくなる。なお、第2線状凸部が2つ以上設けられている場合には、最も高い第2線状凸部の頂部が、第1部位の最外部よりも中央寄りに位置していればよい。
薄型電池の厚さは、特に限定されないが、柔軟性を考慮すると、3mm以下、さらには2mm以下もしくは1.5mm以下であることが好ましい。薄型電池の厚さの下限は、例えば50μmである。
非水電解質の少なくとも一部が、ゲル電解質を形成している場合、ゲル電解質により、第1活物質層とセパレータとの間、および、第2活物質層とセパレータとの間を接着することができる。これにより、電極群の曲げ性能は高められるが、一方で、電池を大きく曲げた際には外装体にかかる負荷は大きくなりやすい。このような場合、第2部位に設けられた第2線状凸部は、外装体にかかる負荷を緩和する顕著な効果を発揮する。
本発明の実施形態に係る電池搭載デバイスは、上記薄型電池と、薄型電池からの電力供給により駆動される可撓性を有する電子機器を具備し、薄型電池と電子機器とが一体となってシート化されている。薄型電池と一体となってシート化される電子機器としては、例えば、生体貼付型装置もしくはウェアラブル(wearable)携帯端末、携帯電話機、音声録音再生装置、腕時計、動画および静止画撮影機、液晶ディスプレイ、電卓、ICカード、温度センサ、補聴器、感圧ブザーなどが挙げられる。特に、生体貼付型装置は、生体に密着した状態で使用されるため、可撓性が要求される。生体貼付型装置としては、生体情報測定装置、イオントフォレシス経皮投薬装置などが挙げられる。
シート状の電池搭載デバイスの厚さは、薄型電池より厚くてもよいが、5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。電池搭載デバイスの厚さが5mm程度以下であれば、比較的良好な柔軟性が得られる。電池搭載デバイスの厚さの下限は、例えば50μmである。
電極群の構成は、特に限定されないが、例えば以下を挙げることができる。
最もシンプルな構造の電極群は、1つの第1電極と、1つの第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在するセパレータとを具備する。この場合、第1電極は、第1集電体シートおよびその一方の表面に付着した第1活物質層を含む片面電極であり得る。第2電極も、第2集電体シートおよびその一方の表面に付着した第2活物質層を含む片面電極であり得る。
次にシンプルな構造の電極群は、1つの第1電極と、第1電極を挟持する2つの第2電極とを含む3層構造を有する。このような薄型電池は、厚さが小さく、かつ十分に実用的な容量を備える。この場合、第2電極は、第2集電体シートおよびその一方の表面に付着した第2活物質層を含む片面電極であり得る。一方、第1電極は、第1集電体シートおよびその両方の表面に付着した第1活物質層を含む両面電極であり得る。
別の構造の電極群は、例えば、2つ以上の第1電極と、3つ以上の第2電極とを具備し、第1電極と第2電極とが交互に積層されている。このような電極群のうち、最もシンプルな構造は、2つの第1電極と、2つの第1電極の間に介在する1つの第2電極と、2つの第1電極の外側にそれぞれ1つずつ配置された第2電極とを含む。このような薄型電池は、厚さが小さいだけでなく、高容量を備える。この場合、第1電極は、第1集電体シートおよびその両方の表面に付着した第1活物質層を含む両面電極であり得る。2つの第1電極の間に介在する1つの第2電極も、第2集電体シートおよびその両方の表面に付着した第2活物質層を含む両面電極であり得る。一方、最外にそれぞれ配置される第2電極は、第2集電体シートおよびその一方の表面に付着した第2活物質層を含む片面電極であり得る。
以下、本発明の実施形態を更に詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態に係る薄型電池について、図1および図2を参照しながら説明する。図1は薄型電池の外装体の一部を切り欠いた平面図であり、図2は、薄型電池の要部を示す縦断面図である。なお、図2は、図1に示す薄型電池のII−II線矢視断面図に相当する。
薄型電池100は、電極群103と、非水電解質(図示せず)と、これらを収納する外装体108とを備える。電極群103は、1つの第1電極110と、第1電極110を挟持する一対の第2電極120とを含み、第1電極110と第2電極120との間にはセパレータ107が介在している。第1電極110は、第1集電体シート111およびその両方の表面に付着した第1活物質層112を含む。第2電極120は、第2集電体シート121およびその一方の表面に付着した第2活物質層122を含む。
第1集電体シート111は、その一辺から延在する第1タブ114を有する。第1タブ114には第1リード113が接続され、第1リード113は外装体108の外部に引き出されている。
同様に、第2集電体シート121は、その一辺から延在する第2タブ124を有する。一対の第2集電体シート121の第2タブ124は、互いに重ねられ、例えば溶接により電気的に接続される。これにより、集合タブ124Aが形成される。集合タブ124Aには、第2リード123が接続され、第2リード123は外装体108の外部に引き出されている。
外装体108の外部に導出された第1リード113および第2リード123の端部は、それぞれ第1外部端子または第2外部端子として機能する。外装体108と各リードとの間には、密閉性を高めるためにシール材130を介在させることが望ましい。シール材130には、熱溶着性を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。
図1において、電極群103は概ね矩形で示されているが、電極群103の形状は、これに限定されない。タブを除く電極の形状は、タブが突出する直線部分を有する形状であればよく、矩形(正方形を含む)、台形、平行四辺形、一部に直線部分を有する略楕円形、少なくとも一つの丸角を有する略矩形、略台形、略平行四辺形などが挙げられる。生産性の観点からは、矩形または略矩形が好ましい。電極群が矩形または略矩形である場合、その長辺と短辺との長さの比は、例えば、長辺:短辺=1:1〜8:1である。通常、長辺に沿った方向は、タブが延在する第1方向である。
タブの形状も特に限定されない。タブの形状は、例えば、矩形(正方形を含む)、台形、平行四辺形、半円形、半楕円形、先端が円弧状の矩形、少なくとも一つの丸角を有する略矩形、略台形、略平行四辺形などである。
図2に示すように、外装体108は、第1活物質層112および第2活物質層122と対向する第1部位108Aと、第1集電体シート111の第1活物質層112を有さない領域(特に第1タブ114)と第1リード113の一部および第2集電体シート121の第2活物質層122を有さない領域(特に第2タブ124)と第2リード123の一部と対向する第2部位108Bと、に区分することができる。
なお、各タブと各リードとの接続位置は図示例に限られない。例えば、各タブと各リードとの接続位置は、各活物質層の端部に、より近くてもよい。すなわち、外装体の第2部位の大半の領域を第1リードおよび第2リードと対向させてもよい。この場合、第1タブおよび第2タブと第2部位との対向領域は、より小さくてもよい。
図示例では、第1部位108Aは、第1方向と垂直に交わるように縞状に設けられた複数の第1線状凸部108aを有する。第2部位108Bは、第1方向と垂直に交わるように縞状に設けられた複数の第2線状凸部108bを有する。第2線状凸部108bの高さは第1線状凸部108aの高さよりも大きく形成されている。
薄型電池100が屈曲するときには、第1線状凸部108aよりも優先的に、第2線状凸部108bまたは隣接する第2線状凸部108b間の凹部の幅が拡大または縮小する。第1線状凸部108aも同様に作用すると考えられるが、第1部位108Aが電極群103に比較的強固に密着しているため、外装体の応力緩和には寄与しにくいものと考えられる。第2線状凸部108bは、少なくとも1つ形成されていればよい。ただし、電極群103の段差部位において、外装体108の亀裂や凸形状の膨らみを抑制する効果を高める観点からは、2つ以上、更には3つ以上の第2線状凸部108bを形成するが望ましい。
図3は、図2中に描かれる外装体108だけを概念的に抽出した図であり、電極群103の厚さ方向における第1線状凸部108aと第2線状凸部108bとの位置関係を示している。
図3中、ラインLaは、第1部位108Aの最外部、すなわち最も高い第1線状凸部108a(max)の頂部(外装体の電池外面側の表面)のレベルを示している。ラインLbは、第1線状凸部108a(max)に隣接する凹部の底部(外装体の電池内面側の表面)のレベルを示している。図示例では、ラインLaとラインLbとの高低差(間隔)haはほぼ同じであり、高低差haが第1線状凸部108a(max)の高さに相当する。
図3中、ラインLAは、第2部位108Bに形成されている最も高い第2線状凸部108b(max)の頂部(外装体の電池外面側の表面)のレベルを示している。ラインLBは、第2線状凸部108b(max)に隣接する凹部の底部(外装体の電池内面側の表面)のレベルを示している。図示例では、ラインLAとラインLBとの高低差(間隔)hbはほぼ同じであり、高低差hbが第2線状凸部108b(max)の高さに相当する。ラインLCは、第2線状凸部108b(max)の中心点のレベルを示す。
ラインLAは、第1部位108Aの最外部のレベルを示すラインLaよりも電極群103の中央寄りに位置している。このとき、ラインLaとラインLAとの高低差(間隔)Δhが小さいほど、第2線状凸部108bの相対的な高さは大きくなり、応力緩和の効果が高くなる。
第2線状凸部108b(max)の高さhbと、第1線状凸部108a(max)の高さhaとの比:hb/haは、1より大きければよいが、応力緩和の効果を高める観点から、hb/ha比は1<hb/ha≦5を満たすことが望ましく、1<hb/ha≦10を満たすことがより望ましい。
第1線状凸部108aのピッチ(隣接する第1線状凸部108aの間隔)Paは、特に限定されないが、例えば0.5〜3.0mmであればよい。第2線状凸部108bのピッチ(隣接する第2線状凸部108bの間隔)Pbも特に限定されないが、例えば0.5〜3.0mmであればよい。各ピッチは一定でなくてもよい。Paは全ての隣接する第1線状凸部108a間のピッチの平均値として求めればよい。Pbは全ての隣接する第2線状凸部108b間のピッチの平均値として求めればよい。
第1線状凸部108aおよび第2線状凸部108bは、例えば、外装体の素材であるフィルム材の第1部位108Aおよび第2部位108Bに対応する部位を、第1線状凸部108aおよび/または第2線状凸部108bに対応する複数の稜線および複数の谷線を有する金型で1回以上プレス加工することにより形成することができる。次に、第1線状凸部108aが形成された第1部位108Aおよび第2線状凸部108bが形成された第2部位108Bを具備するフィルム材から封筒状の外装体108が成形される。ただし、第1線状凸部108aおよび/または第2線状凸部108bの形成方法は、これに限定されない。
外装体108の開口から第1リード113および第2リード123の端部が導出された状態で外装体108に電極群103を収容し、減圧下で電極群103に非水電解質を含浸させる工程が行なわれる。外装体108の開口端部と各リードとの間にシール材130を介在させて減圧下でシール材130を加熱し、外装体108の開口を封口すれば、密閉状態の薄型電池が得られる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る薄型電池100Xの要部を概念的に示す縦断面図である。第1実施形態と同じ要素には同じ符号を付して示す。本実施形態に係る薄型電池100Xは、外装体の第2部位108Bと電極群103との間に、少なくとも1つのスペーサ131を具備する。スペーサ131は、第2線状凸部108bに対応する形状の線状部材または線状凸部を有する部材であり、第2線状凸部108bの内側に沿って配置されている。
薄型電池の製造工程は、減圧下で非水電解質を電極群103に含浸させたり、減圧下でシール材130を加熱して外装体108の開口を封口したりする工程を有する。外装体108は、このような減圧下での作業中にスペーサ131の形状に沿って変形する。これにより、スペーサ131の形状に沿った第2線状凸部108bが形成される。スペーサ131を用いることで、第2線状凸部108bの形状、数、高さなどを制御することが容易となる。
スペーサ131の材質は、特に限定されないが、熱溶着性を有する熱可塑性樹脂が好ましい。熱溶着性を有する熱可塑性樹脂で形成されたスペーサ131は、電極群103もしくはタブの任意の部位に熱溶着により固定することができる。よって、製造中、または電池を屈曲した際にスペーサ131が所望の位置から移動したり、脱落したりすることを防止できる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを用いることができる。なお、図示例では、スペーサ131が集合タブ124Aに固定された複数の線状部材である場合を示したが、これに限定されない。例えば、複数の線状凸部を有する板状部材をスペーサとして用いてもよい。また、線状部材を1つだけ用いて第2線状凸部を1つだけ形成してもよい。
なお、上記第2実施形態では、スペーサを電池内部に収容する場合について説明したが、例えば非水電解質を電極群に含浸させるときや、外装体108の開口を封口するときの減圧下での作業中に、外装体108の第2部位108Bに電池の外部から治具で外力を加えてもよい。これにより、治具の形状に沿って外装体が変形し、その後も変形が維持されて第2線状凸部108bが形成される。例えば、減圧前は外装体108に緩みがあるため、外装体108の一部を電池の外部側から2枚の板状治具の間に挟み込むことが可能である。このとき、第2部位108Bに線状の皺が形成されるように外装体108が変形する。その後、減圧下での作業が終了し、減圧が開放された後にも変形が維持され、皺状の第2線状凸部108bが形成される。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る薄型電池100Yの要部を概念的に示す縦断面図である。ここでも、第1実施形態と同じ(もしくは対応する)要素には同じ符号を付して示す。本実施形態に係る薄型電池100Yは、2つの第1電極110と、2つの第1電極110の間に介在する1つの第2電極120と、2つの第1電極110の外側にそれぞれ1つずつ配置された第2電極120とを含む。第1電極110は、第1集電体シート111およびその両方の表面に付着した第1活物質層112を含む。2つの第1電極110の間に介在する1つの第2電極120も、第2集電体シート121およびその両方の表面に付着した第2活物質層122を含む。一方、最外にそれぞれ配置される第2電極120は、第2集電体シート121およびその一方の表面に付着した第2活物質層122を含む片面電極である。
薄型電池100Yの外装体108の第1部位108Aは平坦であり、第1線状凸部を有さない。このような場合でも、薄型電池100Yが屈曲するときには、第2線状凸部108bまたは隣接する第2線状凸部108b間の凹部の幅が拡大または縮小するため、電極群103の段差部位では外装体108に亀裂が発生しにくく、かつ凸形状の膨らみも生じにくい。なお、第2線状凸部108bの本数は、第1実施形態に係る薄型電池100に比べて少なくなっているが、第2部位108Bは比較的緩やかに電極群103に接触しているため、充分な応力緩和の効果を発揮する。
ただし、第2線状凸部108bの高さが大きいほど応力緩和の効果が大きくなる。よって、図5中、最も高い第2線状凸部108b(max)の頂部のレベルを示すラインLAと、第1部位の最外部のレベルを示すラインLaとの高低差(間隔)Δhは小さいほど望ましい。例えばΔhは、第2線状凸部108b(max)の高さhbの50%以下であることが望ましく、0〜30%であることがより望ましい。
次に、電極群を構成する電極、リード、セパレータ、非水電解質、外装体などについて説明する。
(負極)
負極は、第1または第2集電体シートとしての負極集電体シートと、第1または第2活物質層としての負極活物質層とを有する。負極集電体シートには、金属フィルム、金属箔などが用いられる。負極集電体シートの材料は、銅、ニッケル、チタンおよびこれらの合金ならびにステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。負極集電体シートの厚みは、例えば5〜30μmであることが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質を含み、必要に応じて結着剤と導電剤を含む。負極活物質層は、気相法(例えば蒸着)で形成される堆積膜でもよい。負極活物質としては、Li金属、Liと電気化学的に反応する金属もしくは合金、炭素材料(例えば黒鉛)、ケイ素合金、ケイ素酸化物などが挙げられる。負極活物質層の厚みは、例えば1〜300μmであることが好ましい。
(正極)
正極は、第1または第2集電体シートとしての正極集電体シートと、第1または第2活物質層としての正極活物質層とを有する。正極集電体シートには、金属フィルム、金属箔などが用いられる。正極集電体シートの材料は、例えば、銀、ニッケル、パラジウム、金、白金、アルミニウムおよびこれらの合金ならびにステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。正極集電体シートの厚さは、例えば1〜30μmであることが好ましい。
正極活物質層は、正極活物質および結着剤を含み、必要に応じて導電剤を含む。正極活物質は、特に限定されないが、薄型電池が二次電池である場合には、LiCoO2、LiNiO2のようなリチウム含有複合酸化物を、薄型電池が一次電池である場合には、二酸化マンガン、フッ化カーボン(フッ化黒鉛)、リチウム含有複合酸化物などを用いることができる。正極活物質層の厚みは、例えば1〜300μmであることが好ましい。
活物質層に含ませる導電剤には、グラファイト、カーボンブラックなどが用いられる。導電剤の量は、活物質100質量部あたり、例えば0〜20質量部である。活物質層に含ませる結着剤には、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ゴム粒子などが用いられる。結着剤の量は、活物質100質量部あたり、例えば0.5〜15質量部である。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔膜や不織布が好ましく用いられる。セパレータの材料(樹脂)としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリアミド、ポリアミドイミドなどが好ましい。セパレータの厚さは、例えば8〜30μmである。
(リード)
負極リードおよび正極リードは、負極集電体シートまたは正極集電体シートにそれぞれ溶接などにより接続される。負極リードとしては、銅リード、銅合金リード、ニッケルリードなどが好ましく用いられる。正極リードとしては、ニッケルリード、アルミニウムリードなどが好ましく用いられる。
(非水電解質)
薄型電池がリチウムイオン電池である場合、非水電解質としては、リチウム塩と、リチウム塩を溶解させる非水溶媒との混合物が好ましい。リチウム塩としては、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、イミド塩類などが挙げられる。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
電極群に含浸された非水電解質の少なくとも一部は、ゲル電解質を形成していることが好ましい。ゲル電解質は、少なくとも、各活物質層と各セパレータとの界面領域に存在することが好ましい。活物質層とセパレータとの界面領域にゲル電解質が存在することで、電極とセパレータとの接着性が向上する。ゲル電解質は、各活物質層が有する空隙の内部および/または各セパレータの細孔内にも存在することが好ましい。
ゲル電解質は、例えば、非水電解質と、非水電解質で膨潤する樹脂とを含む。非水電解質で膨潤する樹脂としては、フッ化ビニリデン単位を含むフッ素樹脂が好ましい。フッ化ビニリデン単位を含むフッ素樹脂は、非水電解質を保持しやすく、ゲル化し易い。
フッ化ビニリデン単位を含むフッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ化ビニリデン(VdF)単位とヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位とを含む共重合体(PVdF−HFP)、フッ化ビニリデン(VdF)単位とトリフルオロエチレン(TFE)単位とを含む共重合体などが挙げられる。フッ化ビニリデン単位を含むフッ素樹脂に含まれるフッ化ビニリデン単位の量は、フッ素樹脂が非水電解質で膨潤しやすいように、1モル%以上であることが好ましい。
活物質層とセパレータとの界面領域にゲル電解質を配置する場合、例えば、活物質層の表面および/またはセパレータの表面に非水電解質で膨潤する樹脂を、例えば薄膜状に塗布する。その後、活物質層とセパレータとを、樹脂の塗膜を介して積層し、得られた積層体もしくは電極群に、非水電解質を含浸させる。これにより、樹脂が非水電解質で膨湿し、界面領域にゲル電解質が形成される。ゲル電解質にフッ化ビニリデン単位を含むフッ素樹脂を用いる場合、塗膜に含まれる樹脂の量は、活物質層とセパレータとの界面領域の単位表面積あたり(すなわち活物質層またはセパレータの単位表面積あたり)、1〜30g/m2であることが好ましい。
外装体は、例えば、水蒸気に対するバリア層およびその両面にそれぞれ形成された樹脂層を具備するラミネートフィルムで形成されている。バリア層に用いられる材料は、特に限定されないが、金属層、セラミックス層などを用いることが好適である。例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、鉄、白金、金、銀などの金属材料や、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどのセラミックス材料が好ましい。バリア層の厚さは、例えば、0.01〜50μmであることが好ましい。外装体の内面側に配置される樹脂層の材料は、熱溶着の容易さ、耐電解質性および耐薬品性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などであることが好ましい。内面側の樹脂層の厚さは、10〜100μmであることが好ましい。外装体の外面側に配置される樹脂層は、強度、耐衝撃性および耐薬品性の観点から、6,6−ナイロンのようなポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルなどが好ましい。外面側の樹脂層の厚さは、5〜100μmであることが好ましい。
《実施例1》
以下の手順で、一対の負極と、これらに挟まれた正極とを有する薄型電池を作製した。
(1)負極の作製
負極集電体シートとして、厚さ8μmの電解銅箔を準備した。電解銅箔の一方の表面に、負極合剤スラリーを塗布し、乾燥後、圧延して、負極活物質層を形成し、負極シートを得た。負極合剤スラリーは、負極活物質である黒鉛100質量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)8質量部と、適量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して調製した。負極活物質層の厚みは97μmであった。負極シートから5mm×5mmの負極タブを有する47.5mm×18mmサイズの負極を切り出し、負極タブから活物質層を剥がして銅箔を露出させた。その後、一方の負極の負極タブの先端部分に銅製の負極リードを超音波溶接した。
(2)正極の作製
正極集電体シートとして、厚さ15μmのアルミニウム箔を準備した。アルミニウム箔の両方の表面に、正極合剤スラリーを塗布し、乾燥後、圧延して、正極活物質層を形成し、正極シートを得た。正極合剤スラリーは、正極活物質であるコバルト酸リチウム100質量部と、導電剤であるアセチレンブラック1.2質量部と、結着剤であるPVdF1.2質量部と、適量のNMPとを混合して調製した。正極活物質層の厚み(片面あたり)は54μmであった。正極シートから5mm×5mmのタブを有する45mm×16mmサイズの正極を切り出し、正極タブから活物質層を剥がしてアルミニウム箔を露出させた。その後、正極タブの先端部分にアルミニウム製の正極リードを超音波溶接した。
(3)非水電解質
非水電解質は、エチレンカーボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)を主成分とする混合溶媒に、LiPF6を溶解させることにより調製した。
(4)薄型電池の組み立て
上記混合溶媒100重量部に対し、PVdFを5重量部溶解してポリマー溶液を調製した。得られたポリマー溶液を49mm×18mmサイズの微多孔性ポリエチレンフィルム(厚さ9μm)からなるセパレータの両面に塗布した後、溶媒を揮散させ、PVdF膜を形成した。塗布されたPVdF量は15g/m2であった。その後、負極活物質層と正極活物質層とが互いに向かい合うように、一対の負極の間にセパレータを介して正極を配置し、電極群を形成した。
(5)外装体の作製と電池の組み立て
外装体の素材として、アルミニウム箔のバリア層、ポリプロピレン内層およびナイロン外層を有するラミネートフィルム材(厚さ73μm)を用いて、以下の要領で封筒状の外装体を形成した。まず、ラミネートフィルム材を29mm×120mmの矩形に切り出し、長手方向の中央で二つ折りにした。
次に、ラミネートフィルム材の第1部位108Aに対応する部位に、高さ(ha)100μm、ピッチ(Pa)0.9mmの折り目と平行な縞状の複数の第1線状凸部108aをプレス加工により形成した。
次に、ラミネートフィルム材の第2部位108Bに対応する部位に、高さ(hb)250μm、ピッチ(Pb)0.9mmの折り目と平行な5本の第2線状凸部108bをプレス加工により形成した。
次に、第1線状凸部108aと第2線状凸部108bとが形成された二つ折りのラミネートフィルム材で電極群103を挟み込み、折り目の反対側から電極群103の各リードを導出させた。次に、折り目と交わる二辺の接合代を溶着させて、電極群103を収容した状態の封筒状の外装体108を成形した。次に、封筒状の外装体108の開口端部と重なる各リードの部位をシール材(熱可塑性樹脂)130で包囲した後、開口から非水電解質を注液し、−650mmHgの減圧下で開口端部(封止代)を熱溶着した。その後、薄型電池を45℃環境下でエージングし、電極群全体に非水電解質を含浸させた。最後に0.25MPaの圧力で30秒間、電池を25℃でプレスし、厚さ0.8mmの電池A1を作製した。電池A1において、第2線状凸部108bの頂部は、第1部位の最外部(第1線状凸部108aの頂部)より中央寄りに位置しており、電極群の厚さ方向における第1部位の最外部(ラインLa)と第2線状凸部108bの頂部(ラインLA)との高低差(間隔)Δhは50μmであった。
[評価]
(初期の電池容量)
25℃の環境下で、電池Aに対して以下の充放電を行い、初期容量(C0)を求めた。ただし、電池A1の設計容量を1C(mAh)とする。
(1)定電流充電:0.2CmA(終止電圧4.2V)
(2)定電圧充電:4.35V(終止電流0.05CmA)
(3)定電流放電:0.5CmA(終止電圧2.5V)
(屈曲試験後の容量維持率)
伸縮可能な一対の固定部材を水平に対向配置し、各固定部材に放電状態の電池A1を張り付けて固定した。そして、25℃の環境下で、電池の曲率半径がR30mmになるように固定部材の両端距離を縮めた後、再び、固定部材の両端を元に戻し、電池をフラットな状態に戻した。この操作を1000回繰り返した後に、電池の表裏を入れ替え、電池の反対面に対して1000回の屈曲を行った。
その後、薄型電池に対して、上記と同じ条件で充放電を行い、屈曲試験後の放電容量(Cx)を求めた。得られた放電容量Cxと初期容量C0から、以下の式より容量維持率を求めた。
屈曲試験後の容量維持率(%)=(Cx/C0)×100
10個の電池A1を作製して、それぞれに同様の試験を行い、容量維持率の平均値を求めた。結果を表1に示す。また、電極群の厚さが変化する段差部位に外装体の亀裂または凸形状の膨らみ(皺)が生じた不良電池の数を目視で確認した。
《実施例2》
ラミネートフィルム材の第1部位108Aに対応する部位に、第1線状凸部を形成しなかったこと以外、実施例1と同様に、10個の電池A2を作製し、評価した。結果を表1に示す。
《比較例1》
ラミネートフィルム材の第2部位108Bに対応する部位に、第2線状凸部を形成しなかったこと以外、実施例1と同様に、10個の電池B1を作製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2017152129
表1に示すように、実施例1、2では高い容量維持率が得られ、かつ不良電池は発生しなかったのに対し、比較例1では4個の不良電池が発生し、そのため容量維持率も低下した。
《実施例3》
以下の手順で、3つの負極と、2つの正極とを有する薄型電池を作製した。
(1)負極の作製
実施例1と同様にして、5mm×5mmの負極タブを有する47.5mm×18mmサイズの片面負極を作製した。また、実施例1と同様の負極集電体シートと負極合剤スラリーを用いて、同様の方法で、厚み97μmの負極活物質層を両面に有する両面負極を作製した。準備した3つの負極のうち、1つの片面負極のタブの先端部分に、銅製の負極リードを超音波溶接した。
(2)正極の作製
実施例1と同様にして、二つの正極を作製し、一方の正極の正極タブの先端部分にアルミニウム製の正極リードを超音波溶接した。
(3)薄型電池の組み立て
一対の片面負極を最外層に配置して、2つの正極と3つの負極とをセパレータを介して交互に積層して、電極群を形成した。
(4)外装体の作製と電池の組み立て
実施例1と同じ素材を用いて、以下の要領で封筒状の外装体を形成した。まず、ラミネートフィルム材を29mm×120mmの矩形に切り出し、長手方向の中央で二つ折りにした。
次に、ラミネートフィルム材の第1部位108Aに対応する部位に、高さ(ha)200μm、ピッチ(Pa)0.9mmの折り目と平行な縞状の複数の第1線状凸部108aをプレス加工により形成した。
次に、ラミネートフィルム材の第2部位108Bに対応する部位に、高さ(hb)500μm、ピッチ(Pb)0.9mmの折り目と平行な5本の第2線状凸部108bをプレス加工により形成した。
次に、実施例1と同様に、電極群103を収容した状態の封筒状の外装体108を成形し、各リードの部位をシール材130で包囲した後、開口から非水電解質を注液し、−650mmHgの減圧下で開口端部(封止代)を熱溶着した。その後、薄型電池を45℃環境下でエージングし、電極群全体に非水電解質を含浸させた。最後に0.25MPaの圧力で30秒間、電池を25℃でプレスし、厚さ1.5mmの電池A3を作製した。電池A3において、第2線状凸部108bの頂部は、第1部位の最外部(第1線状凸部108aの頂部)より中央寄りに位置しており、電極群の厚さ方向における第1部位の最外部(ラインLa)と第2線状凸部108bの頂部(ラインLA)との高低差(間隔)Δhは100μmであった。電池A3について、上記と同様の評価を行なった。結果を表2に示す。
《実施例4》
ラミネートフィルム材の第1部位108Aに対応する部位に、第1線状凸部を形成しなかったこと以外、実施例3と同様に、10個の電池A4を作製し、評価した。結果を表2に示す。
《比較例2》
ラミネートフィルム材の第2部位108Bに対応する部位に、第2線状凸部を形成しなかったこと以外、実施例3と同様に、10個の電池B2を作製し、評価した。結果を表2に示す。
Figure 2017152129
表2に示すように、実施例3、4では高い容量維持率が得られ、かつ不良電池は発生しなかったのに対し、比較例2では5個の不良電池が発生し、そのため容量維持率も低下した。
本発明の薄型電池は、例えば、生体貼付型装置もしくはウェアラブル携帯端末のような小型の電子機器への使用に適している。
100,100X,100Y:薄型電池、103:電極群、107:セパレータ、108:外装体、108A:第1部位、108B:第2部位、108a:第1線状凸部、108b:第2線状凸部、110:第1電極、111:第1集電体シート、112:第1活物質層、113:第1リード、114:第1タブ、120:第2電極、121:第2集電体シート、122:第2活物質層、123:第2リード、124:第2タブ、124A:集合タブ、130:シール材、131:スペーサ

Claims (6)

  1. シート状の電極群と、前記電極群に含浸された非水電解質と、前記電極群および前記非水電解質を密閉収納する外装体と、を含み、
    前記電極群は、
    シート状の第1電極と、
    シート状の第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に配置されているセパレータと、
    を具備し、
    前記第1電極は、第1集電体シートおよび前記第1集電体シートに付着した第1活物質層を含み、
    前記第2電極は、第2集電体シートおよび前記第2集電体シートに付着した第2活物質層を含み、
    前記第1集電体シートは、前記第1集電体シートの一辺の一部から第1方向に延在する第1タブを含み、前記第1タブに前記外装体の外部に引き出される第1リードが接続されており、
    前記第2集電体シートは、前記第2集電体シートの一辺の一部から前記第1方向に延在する第2タブを含み、前記第2タブに前記外装体の外部に引き出される第2リードが接続されており、
    前記外装体は、前記第1リードおよび前記第2リードを挟持する封止代を有し、
    前記外装体は、前記第1活物質層および前記第2活物質層と対向する第1部位と、前記第1部位と前記封止代との間の第2部位と、を有し、
    前記第1部位が、平坦面を有するか、または前記第1方向と交わる複数の縞状の第1線状凸部を有し、
    前記第2部位が、前記第1方向と交わる少なくとも1つの第2線状凸部を有し、前記第1線状凸部の高さよりも前記第2線状凸部の高さが大きい、薄型電池。
  2. 前記電極群の厚さ方向において、前記第2線状凸部の高さの中心点が、前記第1部位の最外部よりも中央寄りに位置する、請求項1に記載の薄型電池。
  3. 前記電極群の厚さ方向において、前記第2線状凸部の頂部が、前記第1部位の前記最外部より中央寄りに位置する、請求項2に記載の薄型電池。
  4. 前記電極群が、1つの前記第1電極と、前記第1電極を挟持する2つの前記第2電極とを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄型電池。
  5. 前記電極群が、2つ以上の前記第1電極と、3つ以上の前記第2電極とを具備し、前記第1電極と前記第2電極とが交互に積層されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄型電池。
  6. 厚さが3mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄型電池。
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