JP2017150209A - カーテン、光制御シート及び光制御方法 - Google Patents

カーテン、光制御シート及び光制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制でき、且つ意匠の自由度を高く確保できるカーテンを提供する。【解決手段】光制御シート30を備えたカーテンにおいて、光制御シート30は、入射面10a及び入射面10aに対向する出射面10bを有し、入射面10aから入射した光を偏向して出射面10bから出射する偏向層10と、偏向層10の出射面10b側に偏向層10に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層11と、偏向層10及び第1の色層11に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する光拡散層13と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、カーテン、光制御シート及び光制御方法に関する。
建物等の内部に入射する日光等の光を制御するための技術が存在する。この種の技術に関連するものとして、例えば、建物等の窓を覆うように設置されたりあるいは屋内空間の間に設置されたりする、カーテンがある。カーテンは、生地の選択によって様々な色やデザインを付与することができるため、一般的に意匠性に優れたものといえる。
一方で、カーテンには、機能性を重視したものも種々提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2等には、室内側での採光効果を得るために、入射する光を所望の方向に偏向させて出射する偏向層を備えるロールカーテンが開示されている。
特開2013−155569号公報 特開2012−224975号公報
本開示は、好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制でき、且つ意匠の自由度を高く確保できるカーテン、光制御シート及び光制御方法を提供することを目的とする。
本開示によるカーテンは、光制御シートを備えたカーテンであって、前記光制御シートは、入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層と、前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層と、前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層と、を備えている。
本開示によるカーテンは、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第2の光拡散層を備えていてもよい。
本開示によるカーテンは、前記偏向層、前記第1の色層、前記第1の光拡散層、及び前記第2の光拡散層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第3の光拡散層を備えていてもよい。
本開示によるカーテンは、前記偏向層、前記第1の光拡散層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されていてもよい。
本開示によるカーテンは、前記第1の光拡散層、前記偏向層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されていてもよい。
本開示によるカーテンは、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層が、この順番で位置するように構成されていてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は、表面に凹凸を有する、又は内部に光を拡散する粒子を含む、又は内部に白濁化した部分を含むものでもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は、両側で隣接する層を接合していてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層が接合している層の一方が前記第1の色層であり、前記第1の色層は布を有していてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は、前記第1の色層と接合した状態で保持されており、前記第1の色層は、両方又は一方の面に凹部又は孔部を有し、前記第1の光拡散層の前記第1の色層に接合した面は、前記第1の光拡散層が前記第1の色層の前記凹部又は前記孔部に入り込んだ凸部を有していてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は軟質プラスチックを有し、前記第1の色層は布を有していてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は、三次元架橋樹脂及び無機粒子の両方又はいずれか一方を含んでいてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記第1の光拡散層は、色を発現する第2の色層であってもよい。
本開示によるカーテンは、前記第2の色層、前記偏向層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されていてもよい。
前記第2の色層の全光線透過率は、前記第1の色層の全光線透過率よりも大きくてもよい。
本開示によるカーテンにおいて、前記偏向層は、内部に光を拡散する粒子を含む、又は内部に白濁化した部分を含むものでもよい。
本開示によるカーテンは、ロールカーテン、レールカーテン、又はシェードカーテンであってもよい。
また、本開示による光制御シートは、入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層と、前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層と、前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層と、を備えている。
また、本開示による光制御方法は、
入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層を提供する工程と、
前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層を提供する工程と、
前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層を提供する工程と、を有し、
第1の状態において、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層が前記偏向層の前記入射面及び前記出射面を結ぶ方向に沿って配置され、
第2の状態において、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層の少なくとも1つが前記偏向層の前記入射面及び前記出射面を結ぶ方向に沿って配置されていない、光制御方法、である。
本開示によれば、好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制でき、且つ意匠の自由度を高く確保できる。
本開示の最初の実施の形態の一つによるロールカーテンの斜視図である。 図1に示すロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 図1に示すロールカーテンの光制御シートにおける第1の色層を層主面の法線方向に沿って出射側光拡散層側から見た図である。 図1に示すロールカーテンの光制御シートにおける出射側光拡散層及び入射側光拡散層の一例を示す図である。 図1に示すロールカーテンの光制御シートにおける出射側光拡散層及び入射側光拡散層の一例を示す図である。 図1に示すロールカーテンの光制御シートにおける出射側光拡散層及び入射側光拡散層の一例を示す図である。 図3のVII−VII線に沿う断面図である。 図3のVIII−VIII線に沿う断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シートの天地方向における部分断面図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが展開された状態を示す図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが巻回された状態を示す図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが展開された状態を示す図である。 本開示の別の実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが巻回された状態を示す図である。 本開示の別の実施の形態によるレールカーテンの斜視図である。 本開示の別の実施の形態によるシェードカーテンの斜視図である。
以下、図面を参照しながら本開示の各実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、本件明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」、「層」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「シート」は、フィルムや板や層と呼ばれ得るような部材或いは部分も含む概念である。
さらに、本件明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
さらに、「シート面(フィルム面、板面、層主面)」とは、対象となるシート状(フィルム状、板状)部材或いは部分を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材或いは部分(フィルム状部材、板状部材、層)の平面方向と一致する面のことを指す。
下記の各実施の形態は例示であり、本発明ないし本開示は、下記の各実施の形態に限定されない。
最初の実施の形態においては、光制御シートを有するカーテンが、巻き取り可能なロールカーテン(ロールスクリーン)である例を示す。
(カーテンの構成)
図1は、最初の実施の形態によるロールカーテン1の斜視図であり、図2は、図1のロールカーテン1に設けられる光制御シート30の天地方向における部分断面図である。このロールカーテン1は、例えば窓の内側に垂れ下がるようにして配置されて用いられる採光具である。ロールカーテン1のことを、以下では、単に、カーテン1と呼ぶものとする。
図1及び図2に示すように、本実施の形態によるカーテン1は、偏向層10等の複数の層を含む光制御シート30を備えている。カーテン1は、入射する光を偏向層10が偏向して出射することにより、採光効果を得るように構成されている。カーテン1の上部には、光制御シート30を巻き取るためのロール機構31が設けられており、このロール機構31の一端部には、光制御シート30の巻き取り量を調整するためのチェーン32が取り付けられている。チェーン32は、その両端がロール機構31に接続され、Uの字型にロール機構31から垂れ下がるようになっている。
ロール機構31は、軸部材31Aと、軸部材31Aの両端部を回転可能に支持する枠部材31Bと、を有し、軸部材31Aに、光制御シート30の一端側が配置されている。光制御シート30は、軸部材31Aに直接的に取り付けられてもよいし、間接的に取り付けられてもよい。枠部材31Bは、建物の窓の上縁部等に固定されて、軸部材31A及び光制御シート30を支持する部材である。また、光制御シート30の他端側には、軸部材31Aに平行に延びる軸状の錘部材31Cが設けられている。この錘部材31Cは、軸部材31Aから光制御シート30が垂れ下がった際に、光制御シート30が上下方向に真っ直ぐに延びるように負荷を与えるものである。
カーテン1では、チェーン32が垂れ下がった状態において、チェーン32のうちの一方の垂れ下がり部分を下げると、光制御シート30の巻き取り量が減少して、光制御シート30がより下方まで引き出されるようになっている。また、チェーン32のうちの他方の垂れ下がり部分を下げると、光制御シート30の巻き取り量が増加して、光制御シート30が上方に移動するようになっている。すなわち光制御シート30は、軸部材31Aに対して巻回可能及び展開可能に構成されている。
(光制御シートの構成)
図2においては、光制御シート30に含まれる各層の断面が示されている。図2に示すように、本実施の形態における光制御シート30は、入射面10a及び入射面10aに対向する出射面10bを有し、入射面10aから入射した光を偏向して出射面10bから出射する偏向層10と、対向する主面を有し、偏向層10を支持するシート状に形成された層であって透光性を有する基材層8と、偏向層10の出射面10b側に偏向層10に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層11と、偏向層10及び第1の色層11の間に配置され、これら偏向層10及び第1の色層11に対向して位置するように構成される出射側接着層12及び出射側光拡散層13と、を備えている。さらに、光制御シート30は、偏向層10の入射面10a側に偏向層10に対向して位置するように構成され、色を発現する第2の色層21と、偏向層10及び第2の色層21の間に配置され、これら偏向層10及び第2の色層21に対向して位置するように構成される入射側接着層22及び入射側光拡散層23と、を備えている。光制御シート30に含まれる各層は、シート状に形成され、各々が透光性を有している。
上述の基材層8は、偏向層10の出射面10bに接合して偏向層10を支持している。この基材層8は、光制御シート30に設けられていなくてもよく、この場合には、厚さを抑制することができる。また、基材層8は、偏向層10の入射面10aに接合するように設けてもよい。
偏向層
図示の例において、偏向層10は、入射面10a又は出射面10bに沿って並んで配置される複数のルーバー部101と、ルーバー部101の間に配置され、ルーバー部101とは異なる屈折率を示すベース部102と、を有している。なお、図2においては、図示の明瞭化のために、ベース部102にハッチングが付されていない。図示の例では、偏向層10の法線方向の一方側のルーバー部101の端面及びベース部102の端面が入射面10aを形成し、法線方向の他方側のベース部102の端面が出射面10bを形成している。ルーバー部101の内部は空洞でもよいし、ベース部102とは異なる屈折率、典型的にはベース部102よりも低い屈折率の充填材料を充填してもよい。このような偏向層10では、ベース部102とルーバー部101との界面での反射や屈折に起因して、ぎらつき感や眩しさを感知させることがある。
ルーバー部101は、入射面10aに交差する方向に延びる第1面101aおよび第2面101bを有している。ルーバー部101は、少なくともベース部102との界面のうち第1面101aにおいて、ベース部102とルーバー部101との屈折率差に基いて光の進行方向を変化させる。図2では、図示されたすべてのルーバー部101が形状の異なる第1面101aおよび第2面101bを有する非対称構造の例を示しているが、第1面101aと第2面101bの形状が等しい対称構造であってもよい。また、第1面101aは、全体的に直線状に延びる形状でもよいし、光制御シート30の厚さ方向に沿う縦断面で下方に向けて凸の折れ線状に形成されていてもよい。なお、光の進行方向を変化させる方法は、ベース部102とルーバー部101との屈折率差に基づく全反射や屈折に限定されず、例えば、ベース部102とルーバー部101との界面に金属膜を配置することによって、鏡面反射させてもよい。
このような本実施の形態における偏向層10は、図2の矢印に示すように、入射面10aから入射した光を、斜め上方に跳ね上げるように偏向して出射面10bから出射するようになっている。なお、このように入射した光を跳ね上げることができれば、光制御シート30の断面構造は、必ずしも図2のようなルーバー部101とベース部102とで構成されている必要はない。例えば、入射面10aに沿って複数の光学プリズム体を配置して、入射光を斜め上方に跳ね上げてもよい。光学プリズム体を用いた偏向層10においても、プリズム面での反射や屈折に起因して、ぎらつき感や眩しさを感知させる可能性がある。
本実施の形態のように光制御シート30がロールカーテン1に適用される場合には、偏向層10の厚さは100μm〜300μmに設定されることが好ましい。とりわけ基材層8と偏向層10との積層体の厚さが、150μm〜350μmに設定されることが好ましい。本例では、基材層8と偏向層10との積層体の厚さが、280μmとなっている。
色層
本実施の形態における第1の色層11及び第2の色層21は、色を発現する部材であり、意匠性を確保する目的で設けられる。一方で、第1の色層11及び第2の色層21は、光を拡散することで光制御シート30のぎらつき感や眩しさを抑制する機能も奏し得るため光拡散層として機能することも可能となっている。第1の色層11及び第2の色層21は、透光性を有している。これは、光を全く透過させない場合には、光制御30の採光効果が失われるからである。第1の色層11及び第2の色層21が発現する色は、第1の色層11及び第2の色層21のシート面において部分的に異なっていてもよい。
本実施の形態では、第1の色層11が、偏向層10の出射面10bに出射側接着層12及び出射側光拡散層13を介して積層されている。第2の色層21は、偏向層10の入射面10aに入射側接着層22及び入射側光拡散層23を介して積層されている。偏向層10に起因したぎらつき感や眩しさを目立たなくする観点から、第1の色層11及び第2の色層21は、偏向層10の全面を覆うように設けられていることが好ましい、或いは、ぎらつき感や眩しさをより感知しやすい領域、例えば偏向層10の周縁を除く領域に、第1の色層11及び第2の色層21が設けられていてもよい。
第1の色層11及び第2の色層21が発現する色とは、有彩色、無彩色、またはこれら有彩色及び無彩色の組合せを意味する。本実施の形態において、有彩色とは、L*、a*、およびb*の色空間のうちの、a*及びb*が0でない色のことを意味し、無彩色とは、L*、a*、およびb*の色空間のうちの、a*及びb*が0である色のことを意味する。このようなL*、a*、およびb*は、JIS Z 8781−4:2013に準拠して測定でき、例えば、X−rite社製 SpectroEyeを用いて測定できる。
具体的に、有彩色には、黄色、ベージュ、ピンク、水色、赤、緑、青等が含まれ、また、a*及びb*が0でないオフホワイト、アイボリー等の色味がかった白や灰色も、有彩色に含まれる。また、無彩色は、a*及びb*が0である、白、灰色、黒等である。
第1の色層11及び第2の色層21の材質として、例えば、布、紙、着色プラスチック、着色ガラス、またはこれらのうちの少なくとも2種の組合せ等から選択可能である。さらに、第1の色層11及び第2の色層21とは、パターン状に形成された着色層をも含む概念である。なお、上述の布は、繊維を使用したシートであり、織布でも不織布でもよい。布としては、植物繊維、動物繊維、及び化学繊維のうちのいずれか、または、これらのうちの少なくとも2種を含む織物、編物、レース、フェルト、あるいは不織布が用いられ得る。
ここで、本実施の形態では、第1の色層11及び第2の色層21がともに、布を有している。詳しくは、この例において、厚さ方向で偏向層10に対向して位置する第1の色層11及び第2の色層21の全体が布となっている。より詳しくは、この例において、第1の色層11及び第2の色層21は、図3に示すような織物として形成された布であり、上下方向に延びる経糸と左右方向に延びる緯糸とを有している。図3においては、第1の色層11が示されており、符号112は経糸を示し、符号113は緯糸を示している。第2の色層21をその層主面の法線方向に沿って見た図は、省略するが、第2の色層21は、第1の色層11と同様の折り方の織物で形成されている。第1の色層11と第2の色層21とが、異なる折り方の織物であってもよい。また、第1の色層11及び第2の色層21は、一部分に布を有し、その他の部分に樹脂等からなる光透過層又は光透過部を有していてもよい。また、これら光透過層又は光透過部は、光拡散層又は光拡散部であってもよい。なお、糸の上下及び左右方向と光制御シートの上下及び左右方向は一致していてもよいし、一致していなくてもよい。
上述の植物繊維とは、綿、麻等であり、動物繊維とは、絹、羊毛、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ、モヘア等である。また、化学繊維とは、再生繊維、半合成繊維、合成繊維または無機繊維等である。再生繊維として、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等の繊維状物を例示することができる。また、半合成繊維として、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の繊維状物を例示することができる。また、合成繊維として、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等の繊維状物を例示することができる。さらに、無機繊維として、ガラス、金属等繊維状物を例示することができる。
なお、上述の紙に関しての典型的なものは、障子紙として用いられる紙、例えば和紙が挙げられるが、その他の紙、例えば洋紙等であってもよい。なお、紙等の開口率は、一般的に0%であるが、透光性を有すれば、採光効果が全て失われることはない。開口率とは、色層の層主面の法線方向に沿って色層を外側から見た場合における、色層の全体に対する色層のうちの透明な部分の割合を意味する。また、透光性は、全光線透過率によって評価できる。例えば、色層の開口率が0%であっても、その全光線透過率が例えば40%以上等であれば、偏向層10による良好な採光効果を得ることができることを、本件発明者は確認している。
上述の着色プラスチックは、全体的または部分的に着色が施され、且つ透光性を有する板状のプラスチック材料を意味する。このような着色プラスチックは、全体的に着色が施され、且つ開口率が0%であっても、色層として好適に用いられ得る。また、このような着色プラスチックは、全体的に着色が施された場合であっても、その法線方向に貫通する孔を形成することで、全光線透過率を高くしてもよい。また、このような着色プラスチックは、部分的に着色が施され、着色部分以外の部分が透明である構成を有していてもよい。
また、上述の着色ガラスは、全体的または部分的に着色が施され、且つ透光性を有する板状のガラスを意味する。このような着色ガラスは、全体的に着色が施され、且つ開口率が0%であっても、色層として好適に用いられ得る。また、このような着色ガラスは、全体的に着色が施された場合であっても、法線方向に貫通する孔を形成することで、全光線透過率を高くしてもよい。また、このような着色ガラスは、部分的に着色が施され、着色部分以外の部分が透明である構成を有していてもよい。
また、上述のパターン状に形成された着色層は、偏向層10に中間層を介して積層されるか、または、偏向層10に直接積層される層であって、パターン状に形成された層を意味する。「パターン状に形成された」とは、例えば、着色層形成用材料からなる着色された複数の網点が積層されることで形成されたこと等を意味する。複数の網点から着色層が形成される場合、着色層は、複数の網点の集合によって、単に色を表すように形成されてもよいし、または、図形、デザイン、絵、キャラクター、イメージ、文字、マーク、数字等を表すように形成されてもよい。
色層が着色層である場合、色層は、例えば、偏向層10又は中間層に、着色層形成用材料を直接印刷することで、形成されてもよい。また、色層は、転写用の基材に着色層を形成した後に当該基材に形成された着色層を偏向層10又は中間層に転写することで、形成されてもよい。
本実施の形態では、偏向層10の両側に色層11,21が配置されるが、このような場合には、入射面10a側に位置する第2の色層21の全光線透過率が、第1の色層11の全光線透過率よりも大きくなっていることが好ましい。これは、第2の色層21の全光線透過率が第1の色層11の全光線透過率よりも小さい場合には、偏向層10から出射される光の光量が不所望に小さくなってしまい、採光機能が損なわれる虞があるためである。
また本実施の形態のように光制御シート30がロールカーテン1に適用される場合には、第1の色層11及び第2の色層21の厚さはそれぞれ、100μm〜300μmに設定されることが好ましい。本例では、第1の色層11及び第2の色層21の厚さが、150μmとなっている。
拡散層
本実施の形態において、出射側光拡散層13は、第1の色層11に直接的に対向するように隣接して位置しており、入射側光拡散層23は、第2の色層21に直接的に対向するように隣接して位置している。出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23は、光を拡散し且つ透過する層であり、光制御シート30のぎらつき感や眩しさを抑制する目的で設けられている。
光拡散層13,23は、例えば、図4に示すように表面に凹凸131(231)を有する層、図5に示すように内部に光を拡散する粒子132A(232A)を含む層、図6に示すように内部に白濁化した部分133A(233A)を含む層、又はこれらの組み合わせの中から選択されたものであってもよい。出射側光拡散層13は、第1の色層11に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を第1の色層11の外周部に固定されることで、第1の色層11に積層された状態で保持されてもよい。同様に、入射側光拡散層23も、第2の色層21に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を第2の色層21の外周部に固定されることで、第2の色層21に積層された状態で保持されてもよい。
出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23は、樹脂であってもよいし、無機物であってもよいし、樹脂と無機物とを有していてもよい。例えば、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23が、表面に凹凸131(231)を有する層である場合、表面に凹凸131(231)を含む樹脂またはガラス等の無機物のシート状の層であってもよい。また、例えば出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23が、樹脂であり、上述の光を拡散する粒子132A(232A)を含む層である場合、バインダ樹脂として機能するシート状の基材132B(232B)と、基材132B(232B)に含まれ屈折率が基材132B(232B)とは異なる樹脂の粒子132A(232A)と、を有していてもよい。また、例えば、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23が、無機物であり、上述の光を拡散する粒子132A(232A)を含む層である場合、無機物のシート状の基材132B(232B)と、基材132B(232B)に含まれ屈折率が基材132B(232B)とは異なる無機物の粒子132A(232A)と、を有していてもよい。また、粒子132A(232A)は、アクリル等の樹脂でもよいし、酸化チタン等の無機物であってもよい。
また、例えば出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23が、樹脂であり、白濁化した部分133A(233A)を含む層である場合、当該光拡散層13,23において、白濁化した部分133A(233A)が、樹脂のうちの結晶化した部分であり、その他の部分が非結晶化状態の部分となっていてもよい。また、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23が互いに非相溶の二種の樹脂を有しており、当該光拡散層13,23において、白濁化した部分133A(233A)が一方の樹脂であり、その他の部分が他方の樹脂となっていてもよい。
なお、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23は、樹脂を含む場合、柔軟性を確保するために、軟質プラスチックであることが好ましく、ポリ塩化ビニルであることがより好ましい。出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23がポリ塩化ビニルを有する場合には、防炎性及び難燃性を確保することが可能となり、且つ熱ラミネートによって色層と容易に接合され得ることで、接着層を省略することが可能となる。なお、本件明細書においては、プラスチックは、合成樹脂を意味し、樹脂は、合成樹脂と天然樹脂と含む概念を意味する用語である。軟質プラスチックは、例えば、プラスチックに可塑剤を含有させることによって得ることができる。
図3は、第1の色層11を層主面の法線方向に沿って出射側光拡散層13側から見た図であり、図7は、図3のVII−VII線に沿う断面図であり、図8は、図3のVIII−VIII線に沿う断面図である。図3,7,8に示すように、第1の色層11が厚さ方向で対向する両方又は一方の面に孔部111を有し、出射側光拡散層13は、第1の色層11と接合した状態で保持されている場合、出射側光拡散層13は、その第1の色層11に接合した面に、出射側光拡散層13が第1の色層11の孔部111に入り込んだ凸部134を有していてもよい。そして凸部134によって、出射側光拡散層13が光を拡散してもよい。本実施の形態では、出射側光拡散層13が凸部134を有することによって光拡散性を確保している。
図示の例では、第1の色層11が、織物としての布であり、光制御シート30が展開された際に上下方向に延びる経糸112と、左右方向に延びる緯糸113と、を有している。そして、経糸112と緯糸113とによって開口すなわち孔部111が画成されている。そして、この例では、第1の色層11への押し付けによって、出射側光拡散層13のうちの孔部111に入り込んだ部分が、上述の凸部134となっている。より具体的に、この例では、出射側光拡散層13が、第1の色層11に熱ラミネートで接合されており、この際に、出射側光拡散層13が、第1の色層11に押し付けられ且つ溶融することによって、凸部134が形成されている。
上述のような押し付け時に、凸部134が望ましく形成されるように、出射側光拡散層11は、軟質プラスチックであり、特にはポリ塩化ビニルであることが好ましい。これは、ポリ塩化ビニルは、防炎性及び難燃性を確保することが可能となり、且つ熱ラミネートによって第1の色層11と容易に接合され且つ容易に溶融するからである。しかしながら、第1の色層11に押し付けられた際に凸部134が形成され、その後、凸部134の形状が維持される材料であれば、出射側光拡散層13の材料は特に限定されるものではない。
ここで、図7は、隣接する緯糸113の上方方向における中央位置で左右方向に切断した場合の断面を示しており、同図の符号T1は、この断面で見た際の緯糸113の前面から突出する凸部134の高さを示している。また、図8は、隣接する経糸112の左右方向における中央位置で上下方向に切断した場合の断面を示しており、同図の符号T2は、この断面で見た際の緯糸113の前面から突出する凸部134の高さを示している。ぎらつき感や眩しさを防止する程度の光拡散性を発揮させるためには、高さT1は、1.0μm以上であることが好ましく、高さT2は、1.0μm以上であることが好ましい。このような高さの凸部134を形成するためには、出射側光拡散層13の粘度は、130℃での加熱時に100Pa・s以上10000Pa・s以下であることが好ましい。このような粘度の材料を用いた場合には、熱ラミネートによって第1の色層11に押し付けられ且つ溶融された際に、良好な光拡散性を確保可能となる凸部134を形成可能であることを、本件発明者は確認している。
この例では、上述の凸部134が入り込む孔部111を有する第1の色層11が織物としての布であるが、編物でもよい。また、第1の色層11は、凹部又は孔部を有する、紙、着色プラスチック、又は着色ガラスであってもよい。ただし、第1の色層11が布である場合には、出射側光拡散層13との接合時の安定性を好適に確保できるため、凸部134で光拡散性を確保する場合には、第1の色層11は布であることが好ましい。また、出射側光拡散層13は、凸部134と、光を拡散する粒子132A及び白濁化した部分133Aのうちの少なくとも一方と、を有していてもよい。また、図示省略するが、本実施の形態では、入射側光拡散層23も、第2の色層23の孔部に入り込んだ凸部を有している。
また本実施の形態のように、光制御シート30がロールカーテン1に適用される場合には、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23の厚さは、50μm〜200μmに設定されることが好ましい。本例では、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23の厚さが、100μmとなっている。
接着層
次に本実施の形態における出射側接着層12及び入射側接着層22について説明する。図2の例において、出射側接着層12は、偏向層10と出射側光拡散層13とに沿って延び拡がる層であり、その両側で隣接する偏向層10と出射側光拡散層13とを接合している。入射側接着層22は、偏向層10と入射側光拡散層23とに沿って延び拡がる層であり、その両側で隣接する偏向層10と入射側光拡散層23とを接合している。出射側接着層12及び入射側接着層22は、透光性を有している。出射側接着層12及び入射側接着層13は、例えば、熱可塑性樹脂等のホットメルトタイプの樹脂を有する接着剤であってもよいし、熱硬化樹脂を有する接着剤であってもよいし、感圧接着剤であってもよい。
出射側接着層12及び入射側接着層22は、光拡散層として機能してもよく、この場合、出射側接着層12及び入射側接着層22は、図4及び図5に示したように、内部に光を拡散する粒子を有していてもよいし、白濁化した部分を有していてもよい。一方で、出射側接着層12及び入射側接着層22に光拡散性を持たせない場合には、これらは無色透明の材料であることが好ましい。本実施の形態のように光制御シート30がロールカーテン1に適用される場合には、出射側接着層12及び入射側接着層22の厚さはそれぞれ、20μm〜80μmに設定されることが好ましい。本例では、出射側接着層12及び入射側接着層22の厚さが、50μmとなっている。
上述のように出射側接着層12及び入射側接着層22が光拡散層として機能する場合に、出射側接着層12及び入射側接着層22によって光制御シート30のぎらつき感や眩しさを十分に抑制できる場合には、出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23の少なくとも一方が設けられていなくもよい。例えば、出射側光拡散層13が設けられない場合、出射側接着層12が偏向層10と第1の色層11とを接合することになる。この場合、第1の色層11が布を有すれば、出射側接着層12が布にからみつくため、偏向層10と第1の色層11との接合状態の安定性を好適に確保できる。さらに、出射側接着層12が布の孔部又は凹部に入り込んで凹凸を有することになり、光拡散性を向上させることも可能となる。
(光制御シートの光拡散性)
本実施の形態にかかる光制御シート30は、光拡散層を有することによって、使用時のぎらつき感や眩しさを抑制することができる。ぎらつき感や眩しさを抑制できているか否かの指標には、ヘイズが用いられる。本件発明者は、光制御シート30のヘイズが90%以上99%以下である場合に、季節、時間帯、及び天候等によらず、カーテン1が好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制可能であることを、実験等を通して確認している。本実施の形態では、光制御シート30が、主に出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23によって光拡散性を確保して、全体として、90%以上99%以下のヘイズに調整されている。上述のヘイズは、JIS K 7136:2000に準拠し、ヘイズメーターHM−150(村上色彩技術研究所社製)により測定することができる。
(光制御シートの製造方法)
次に、本実施の形態による光制御シート30の製造方法の一例について説明する。
まず、本実施の形態に係る基材層8と偏向層10との積層体の構成材料および製造工程について説明する。基材層8として、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリカーボネート(PC)等の透明のフィルムを用いることができる。
次に、偏向層10のベース部102は、例えば、電子線、紫外線等の電離放射線の照射により硬化する特徴を有したエポキシアクリレート等の硬化性材料を用いて、基材層8の一方の面側に作製する。ベース部102の成型には、ベース部102にルーバー部101を充填するための溝に対応した凸部を有したロール型を用いる。次に、硬化することによってルーバー部101をなすようになる樹脂組成物を未硬化状態にて、ベース部102の上述の溝内に供給する。ルーバー部101をなす材料の溝内への供給は、例えばドクターブレードを用いて実施される。ルーバー部101をなす材料として、例えば電離放射線硬化型樹脂を用いることができる。溝内に充填された材料を硬化させることにより、ベース部102とルーバー部101とを有する偏向層10が得られる。
この例では、ベース部102とルーバー部101とで屈折率に違いを持たせている。ルーバー部101に充填材料を充填する場合、ベース部102もルーバー部101も、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂および電子線硬化樹脂などの硬化性樹脂を材料として形成されるが、硬化性樹脂の材料や、それに含有される添加剤の種類等を変えることで、ベース部102とルーバー部101に屈折率差を持たせることができる。
次に、第1の色層11、出射側光拡散層13、第2の色層21及び入射側光拡散層23が準備される。そして、この例では、第1の色層11と出射側光拡散層13とが積層され、一体化される。また、第2の色層21と入射側光拡散層23とが積層され、一体化される。出射側光拡散層13は、第1の色層11に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を第1の色層11の外周部に固定されることで、第1の色層11に積層された状態で保持されてもよい。本実施の形態では、熱ラミネートが採用されている。入射側光拡散層23は、第2の色層21に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を第2の色層21の外周部に固定されることで、第2の色層21に積層された状態で保持されてもよい。本実施の形態では、熱ラミネートが採用されている。
次に、第1の色層11と出射側光拡散層13との積層体が、出射側接着剤12を介して基材層8の偏向層10が設けられている面とは反対側の面側に積層され、第2の色層21と入射側光拡散層23との積層体が、入射側接着剤22を介して偏向層10に入射面10a側から積層されることで、光制御シート30が製造される。その後、光制御シート30は、ロール機構31に取り付けられる。
接着層12,22の組成物は、例えば、熱可塑性樹脂であるポリビニルアセタール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレンアクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニルアルコール樹脂等から一種若しくは複数を、可塑剤、酸化防止剤及び紫外線遮蔽剤といった添加剤と共に混合し用いたり、アクリル系樹脂の粘着材と、架橋剤と、希釈剤とを混合して形成されたりする。さらに、接着層12,22には、光拡散性を発揮する粒子が含まれてもよいし、白濁化した部分が含まれていてもよい。このような接着層12,22の組成物を、シート若しくはフィルム状にして偏向層10と色層11,21との間に配置し、圧をかけて空気を押し出した後、加熱することで偏向層10と色層11,21等とを一体化させたりすることができる。
(光制御シートの光制御方法)
次に、光制御シート30を有するロールカーテン1による光制御方法について説明する。
本実施の形態にかかる光制御方法は、入射面10a及び入射面10aに対向する出射面10bを有し、入射面10aから入射した光を偏向して出射面10bから出射する偏向層10を提供する工程と、偏向層10の出射面10b側に偏向層10に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層11を提供する工程と、偏向層10及び第1の色層11に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する光拡散層、例えば出射側光拡散層13及び入射側光拡散層23を提供する工程と、を有する。本実施の形態では、これらの工程が、ロール機構31の軸部材31Aに巻回された状態の光制御シート30を軸部材31Aから展開することによって1度で行われる。
光制御シート30が軸部材31Aから展開された際には、第2の色層21、入射側光拡散層23、入射側接着層22、偏向層10、出射側接着層12,出射側光拡散層13、第1の色層11が、この順番で、偏向層10の入射面10a及び出射面10bを結ぶ方向、すなわち偏向層10の法線方向に沿って配置される第1の状態となる。一方、軸部材31Aに対して光制御シート30が巻回された状態では、上述の各層が、各層のシート方向(層主面方向)に延び拡がる状態にて、偏向層10の入射面10a及び出射面10bを結ぶ方向、すなわち偏向層10の法線方向に沿って配置されていない第2の状態となる。
上述の第1の状態では、光が、第2の色層21に入射した際、第2の色層21によって拡散され、次いで入射側光拡散層23によって拡散され、次いで入射側接着層22を透過する。入射側接着層22が光拡散性を有する場合には、入射側接着層22によっても光が拡散される。次いで、偏光層10は、入射側接着層22を透過した光のうち上方から斜め下方に進行する光を、ルーバー部101によって斜め上方に跳ね上げるように偏向して出射面10bから出射する。次いで、上述のように跳ね上げられた光は、出射側接着層12を透過する。出射側光拡散層12が光拡散性を有する場合には、出射側接着層12によっても光が拡散される。次いで、出射側接着層12を透過した光は、出射側光拡散層13によって拡散され、次いで第1の色層11によっても拡散され、光制御シート30から出射する。
以上に説明した本実施の形態によるカーテン1によれば、光制御シート30に入射した光が拡散されつつ、偏光層10によって、採光効果を得るために所望される方向、本例では上方に跳ね上がる方向に光が偏向されて出射される。これにより、出射される光は、採光効果を得るために所望される方向への進行を維持しつつ、ぎらつき感や眩しさが抑制されるように拡散される。このように光が拡散されることで、第1の色層11は、ぎらつき感や眩しさを抑制するために生じ得る、厚さ、色、開口率等の調整による光透過率等の制約が緩和されることで、意匠の自由度が高く確保される。よって、好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制でき、且つ意匠の自由度を高く確保できる。
また本実施の形態では、偏光層10の入射面10a側に第2の色層21が配置されることで、光拡散性を確保できることに加えて、入射面10a側の美観を向上させることができる。また、入射面10a側で生じ得るぎらつき感や眩しさを抑制できることで、一層美観を向上させることができる。さらには、入射面10a側を第2の色層21で保護できる。
次に別の実施の形態について説明する。上述したが、入射した光を跳ね上げることができれば、偏光層10の断面構造は、上述の実施の形態の構造に限定されるものではない。図9Aは、本実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。別の実施の形態では、偏光層10の構成が最初の実施の形態とは異なっている。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図9Aに示すように、別の実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シート30の偏向層10は、対向する入射面10aと出射面10bとを有し、入射面10aから入射した光を突起部104と空隙部105の界面で偏向して出射面10bから出射させる層である。すなわち、偏向層10は、入射面10a又は出射面10bに沿って並んで配置される複数の突起部104と、突起部104同士の間に形成された空隙部105と、を含んでいる。突起部104は、入射面10a側から出射面10b側に向けた先細り形状に形成されている。図示の例では、最初の実施の形態で説明した基材層8は設けられていないが、突起部104は、基材層8に支持されてもよい。
突起部104には、例えば樹脂やガラスを主成分とした光学プリズム体などの光学素子を用いることができる。なお、図9Aにおける符号Pは、突起部104のシート面方向における幅を示し、符号Hは、突起部104のシート法線方向における高さを示している。また、空隙部105は空気やガス等で満たすことができる。屈折率差が大きいほど突起部104と空隙部105の界面で全反射できる光が多くなるので好ましい。例えば、空隙部105に屈折率が1.0である空気が存在する場合、樹脂やガラスを主成分とした突起部104の屈折率との関係で十分大きな屈折率差を得ることができる。突起部104は、入射面10aに交差する方向に延びる第1面104aおよび第2面104bを有している。突起部104は、少なくとも空隙部105との界面のうち第2面104bにおいて、空隙部104と突起部105との屈折率差に基づいて光の進行方向を変化させる。図9では、図示されたすべての突起部104が形状の異なる第1面104aおよび第2面104bを有する非対称構造の例を示しているが、第1面104aと第2面104bの形状が等しい対称構造であってもよい。このような偏向層10は、図9Aの矢印に示すように、入射面10aから入射した光を、斜め上方に跳ね上げるように偏向して出射面10bから出射する。なお、この実施の形態において、出射面10bは、突起部104の入射面10a側とは反対側の端面又は隣接する当該端面の間をシート面方向に結ぶ仮想面を意味する。また、入射面10aは、突起部104の出射面10b側とは反対側の端面によって形成されている。
なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによれば、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
図9Bは、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。
図9Bに示すように、本実施の形態によるロールカーテンに設けられる光制御シート30の偏向層10は、図9Aの構成と同様の突起部104と空隙部105とを含む。ただし、突起部104は、出射面10b側から入射面10a側に向けた先細り形状に形成されている。
次に別の実施の形態について説明する。図10は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図10に示すように、本実施の形態では、偏光層10に出射側接着層12及び出射側光拡散層13を介して積層される第1の色層11が着色プラスチックを有している。詳しくは、厚さ方向で偏向層10に対向して位置する第1の色層11の全体が着色プラスチックとなっている。また、最初の実施の形態で説明した基材層8は設けられていないが、基材層8は設けられていてもよい。
本実施の形態によれば、第1の色層11が着色プラスチックを有することで、第1の色層11に例えば光を拡散させる粒子等を容易に含有させることができるため、光制御シート30の光学的機能の拡張の自由度を向上させることができる。
なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図11は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図11に示すように、本実施の形態では、偏光層10に出射側接着層12及び出射側光拡散層13を介して積層される第1の色層11が着色層を有している。詳しくは、厚さ方向で偏向層10に対向して位置する第1の色層11の全体が着色層となっている。本実施の形態では、着色層である第1の色層11が、出射側光拡散層13に直接的に積層されて形成されている。この場合、着色層である第1の色層11は、例えば、出射側光拡散層13に着色層形成用材料を直接印刷することにより、形成されてもよい。また、着色層である第1の色層11は、偏向層10に直接的に積層されて形成されてもよい。この場合、着色層である第1の色層11は、例えば、偏向層10に、着色層形成用材料を直接印刷することで、形成されてもよい。また、着色層である第1の色層11は、転写用の基材に着色層を形成した後に当該基材に形成された着色層を偏向層10に転写することで、形成されてもよい。また、最初の実施の形態で説明した基材層8は設けられていないが、基材層8が設けられていてもよい。
本実施の形態によれば、第1の色層11を容易に偏光層10に設けることができることで、製造効率を向上させることができる。なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図12は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図12に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10aは外部に露出している。
本実施の形態では、出射側接着層12が光拡散層として機能するようになっており、例えば、内部に光を拡散する粒子および白濁化した部分のうちの少なくともいずれか一方を有している。出射側光拡散層13は、軟質プラスチック、一例としてポリ塩化ビニルであり、図7及び図8に示すように、出射側光拡散層13が第1の色層11の孔部111に入り込んだ凸部134を有し、凸部134によって光を拡散するようになっている。出射側光拡散層13は、第1の色層11に熱ラミネートで接合されており、この際に、出射側光拡散層13が、第1の色層11に押し付けられ且つ溶融することによって、凸部134が形成されている。第1の色層11は布であるが、凹部又は孔部を有する、紙、着色プラスチック、又は着色ガラスであってもよい。また、最初の実施の形態で説明した基材層8は設けられていないが、基材層8が設けられていてもよい。
本実施の形態によれば、光制御シート30の厚さを抑制できることで使い勝手を向上させつつ、入射面10a側に光拡散層が設けられなくても出射側接着層12及び出射側光拡散層13が光を拡散することで、望ましい光拡散性を確保し易くなる。
なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。ただし、入射面10aに層を設ける工程は不要となる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図13は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には、入射側光拡散層23が配置されている。
本実施の形態では、出射側接着層12が光拡散層として機能するようになっており、内部に光を拡散する粒子および白濁化した部分のうちの少なくともいずれか一方を有している。出射側光拡散層13は、軟質プラスチック、一例としてポリ塩化ビニルであり、図7及び図8に示すように、出射側光拡散層13が第1の色層11の孔部111に入り込んだ凸部134を有し、凸部134によって光を拡散するようになっている。出射側光拡散層13は、第1の色層11に熱ラミネートで接合されており、この際に、出射側光拡散層13が、第1の色層11に押し付けられ且つ溶融することによって、凸部134が形成されている。第1の色層11は布であるが、凹部又は孔部を有する、紙、着色プラスチック、又は着色ガラスであってもよい。また、最初の実施の形態で説明した基材層8は設けられていないが、基材層8が設けられていてもよい。
入射側光拡散層23は、例えば、図4に示した表面に凹凸231を有する層、図5に示した内部に光を拡散する粒子232Aを含む層、図6に示した内部に白濁化した部分233Aを含む層、又はこれらの組み合わせの中から選択されたものであってもよい。入射側光拡散層23は、偏光層10に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を偏光層10の外周部に固定されることで、偏光層10に積層された状態で保持されてもよい。
本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。ただし、入射側光拡散層23を他の層と積層した後に、偏光層10に設ける工程は不要となる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図14は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図14に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置され、これらはそれぞれ図13を示して説明した実施の形態と同様の構成となっている。一方で、偏光層10の入射面10a側には、入射側光拡散層23が配置されている。この入射側光拡散層23が、図14中の入射側光拡散層23の一部拡大部分Zに示すように、表面保護剤234Aを含んでいる。
表面保護剤234Aは、三次元架橋樹脂及び無機粒子の両方又はいずれか一方であってもよい。出射側光拡散層13が内部に光を拡散する粒子232Aを含む層である場合には、出射側光拡散層13は、内部に粒子232Aと表面保護剤234Aとを有することになる。また、出射側光拡散層13が白濁化した部分233Aを有する層である場合には、出射側光拡散層13は、内部に白濁化した部分233Aと表面保護剤234Aとを有することになる。
本実施の形態によれば、入射側光拡散層23が表面保護剤234Aを有することで、光拡散性を有しつつ、耐摩耗性や耐衝撃性等を向上させることができ、光制御シート30の厚さを抑制しながら耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。ただし、入射側光拡散層23を他の層と積層した後に、偏光層10に設ける工程は不要となる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図15は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図15に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置され、これらはそれぞれ別の実施の形態と同様の構成となっている。一方で、偏光層10の入射面10a側には、入射側接着層22と表面保護シート25とが配置されている。入射側接着層22は、偏光層10と表面保護シート25とを接合している。
本実施の形態において、入射側接着層22は、光拡散層として機能するようになっており、例えば、内部に光を拡散する粒子及び白濁化した部分のうちの少なくともいずれか一方を有している。本実施の形態における表面保護シート25は、無色透明の基材層25Aと基材層25Aに積層された表面保護層25Bと、を有する。基材層25Aは例えばポリエチレンであり、表面保護層25Bはポリエチレンのバインダ部とバインダ部内に設けられる表面保護剤とを有していてもよい。表面保護剤は、三次元架橋樹脂及び無機粒子の両方又はいずれか一方であってもよい。また、表面保護層25は単層であってもよい。
本実施の形態によれば、入射側接着層22が光拡散性を有し、表面保護シート25を接合することで容易に耐摩耗性や耐衝撃性等を向上させることができるため、効率的に光拡散性を確保しながら耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンは、最初の実施の形態と同様の手順で製造され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図16は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図16に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置されている。偏光層10の入射面10a側には、入射側光拡散層23、入射側接着層22、及び第2の色層21が、この順で配置されている。
本実施の形態では、例えば、入射側接着層22によって入射側光拡散層23と第2の色層21とを接合した積層体を、偏向層10の作製後に、偏向層10に積層してもよい。この際、入射側光拡散層23は、偏向層10に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよい。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図17は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図17に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側光拡散層13、出射側接着層12、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。本実施の形態では、例えば、出射側接着層12によって出射側光拡散層13と第1の色層11とを接合した積層体を、偏向層10の作製後に、偏向層10に積層してもよい。この際、出射側光拡散層13は、偏向層10に、熱ラミネートで接合されてもよいし、図示省略する接着層によって接合されてもよいし、例えば外周部を偏光層10の外周部に固定されることで、偏光層10に積層された状態で保持されてもよい。
本実施の形態によれば、第1の色層11の偏向層10側の面に孔部や凹部がある場合に、とりわけ第1の色層11が布である場合に、出射側接着層12が第1の色層11に直接的に接することで、出射側接着層12が孔部や凹部に入り込んで凸部が形成されることで、光拡散性を確保することができる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図18は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図18に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に位置する出射側接着層12が、偏向層10と第1の色層11とを接合している。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。本実施の形態における出射側接着層12は光拡散層として機能するようになっており、例えば、内部に光を拡散する粒子および白濁化した部分のうちの少なくともいずれか一方を有している。
本実施の形態によれば、第1の色層11の偏向層10側の面に孔部や凹部がある場合に、とりわけ第1の色層11が布である場合に、出射側接着層12が第1の色層11に直接的に接することで、出射側接着層12が孔部や凹部に入り込んで凸部が形成されることで、光拡散性を向上させることができる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図19は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図19に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側光拡散層13、出射側接着層12、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。複数の層の構成は、図17に示した別の実施の形態と同様であるが本実施の形態における出射側接着層12は光拡散層として機能するようになっており、例えば、内部に光を拡散する粒子および白濁化した部分のうちの少なくともいずれか一方を有している。
本実施の形態によれば、第1の色層11の偏向層10側の面に孔部や凹部がある場合に、とりわけ第1の色層11が布である場合に、出射側接着層12が第1の色層11に直接的に接することで、出射側接着層12が孔部や凹部に入り込んで凸部が形成されることで、光拡散性を効果的に向上させることができる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図20は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図20に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、第1出射側接着層12A、出射側光拡散層13、第2出射側接着層12B、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。
第1出射側接着層12A及び第2出射側接着層12Bは、上述の出射側接着層12と同様の層であり、例えば、熱可塑性樹脂等のホットメルトタイプの樹脂を有する接着剤であってもよいし、熱硬化樹脂を有する接着剤であってもよいし、感圧接着剤であってもよい。また、本実施の形態における出射側光拡散層13は、基材層13Aと、基材層13Aに支持された拡散層本体13Bと、を有する。基材層13Aは、例えばポリエチレンの無色透明のシートであり、拡散層本体13Bは、表面に凹凸を有する層、内部に光を拡散する粒子を含む層、内部に白濁化した部分を含む層、又はこれらの組み合わせの中から選択されたものであってもよい。
本実施の形態によれば、出射側光拡散層13が2層構造であるため、光学的な機能の追加を容易に行うことができる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図21は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図21に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、第1出射側接着層12A、出射側光拡散層13、第2出射側接着層12B、及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。本実施の形態では、出射側光拡散層13が、色を発現するようになっている。すなわち、本実施の形態における出射側光拡散層13の材質としては、例えば、布、紙、着色プラスチック、及び着色ガラス、またはこれらのうちの少なくとも2種の組合せ等から選択可能である。とりわけ、出射側光拡散層13は、光拡散性を確保し易い布であることが好ましい。また、第1の偏向層11と同様の材料であることが好ましい。
本実施の形態によれば、第1の色層11の偏向層10側の面及び出射側光拡散層13の第1の色層11側の面に孔部や凹部がある場合、とりわけ第1の色層11及び出射側光拡散層13が布である場合に、第2出射側接着層12が第1の色層11及び出射側光拡散層13に直接的に接することで、両面に凸部が形成され得ることで、光拡散性を効果的に向上させることができる。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図22は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図22に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12及び第1の色層11が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には、入射側光拡散層23が配置されている。
本実施の形態では、光制御シート30が容易に作製され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図23は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図23に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、第1の色層11、及び出射側光拡散層13が、この順で配置されている。一方で、偏光層10の入射面10a側には層が配置されず、入射面10aは外部に露出している。
本実施の形態では、光制御シート30が容易に作製され得る。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図24は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図24に示すように、本実施の形態では、偏光層10の出射面10b側に、出射側接着層12、出射側光拡散層13、及び第1の色層11が、この順で配置されている。偏光層10の入射面10a側には、入射側光拡散層23、入射側接着層22、及び第2の色層21が、この順で配置されている。このうち、第1の色層11は、複数の開口が形成された色層本体115と、前記複数の開口に設けられた光拡散部116と、を有している。
本実施の形態によれば、第1の色層11の光拡散性が向上する。また、本実施の形態における光制御シート30及びこれを備えるカーテンによっても、最初の実施の形態と同様の手順で同様の光制御方法を実施することができる。
次に別の実施の形態について説明する。図25は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図25は、本実施の形態における偏向層10のルーバー部101を拡大して示した断面図である。本実施の形態は、図25に示すように、偏向層10が光を拡散する粒子101cを含む点で、最初の実施の形態と異なっている。とりわけ、本実施の形態では、ルーバー部101が、その内部に粒子101cを有している。
本実施の形態によれば、ルーバー部101とベース部102との界面で反射されずに、ルーバー部101に進入した光を粒子101cで拡散させて、ルーバー部101から出射することができる。これにより、光制御シート30の光拡散性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、ルーバー部101に粒子101cが含まれているが、粒子101cは、ベース部102にも含まれていてもよいし、ベース部102のみに含まれていてもよい。また、ルーバー部101及びベース部102の少なくともいずれか一方が、白濁化した部分を有することで、光拡散性を確保してもよい。また、図9A及ぶ図9Bに示したような突起部104が、粒子101c又は白濁化した部分を有していてもよい。また、その他の上述した各実施の形態における偏向層10が、粒子101c又は白濁化した部分を有していてもよい。
次に別の実施の形態について説明する。図26は、別の実施の形態による光制御シート30の天地方向における部分断面図である。以下に説明する本実施の形態の構成部分のうちの最初の実施の形態の構成部分と同様のものには、同一の符号を示し、説明は省略する。
図26は、本実施の形態における偏向層10を拡大して示した断面図である。本実施の形態では、図26に示すように、ルーバー部101の第1面101aが、偏向層10の厚さ方向に沿う縦断面で下方に向けて凸の折れ線状に形成されている点で、最初の実施の形態と異なっている。詳しくは、第1面101aは、入射面10a側に位置する入射側面部101a1と、出射面10b側に位置する出射側面部101a2と、の2つの平面部分を有している。入射側面部101a1が偏向層10の法線方向に対してなす角度は、出射側面部101a2が同法線方向に対してなす角度よりも大きくなっている。一方で、第2面101bは、断面視で直線状に延びるように形成されている。
図26において、符号θU1は、入射側面部101a1が、偏向層10の法線方向となす角度を示し、符号θU2は、出射側面部101a2が、偏向層10の法線方向となす角度を示している。ここで、θU1>θU2の関係が成り立つ。また、符号θは、第2面101bが、採光シート2の法線方向となす角度を示している。なお、θU1及びθU2は、偏向層10の法線方向に対して上方に傾く側を正で表し、θは、偏向層10の法線方向に対して下方に傾く側を正で表す。さらに、符号Dは、ルーバー部101の偏向層10の法線方向における長さ寸法を示している。また、符号Pは、入射側面部101a1の入射面側の端部と、上方又は下方(シート面方向)で隣接する他の入射側面部101a1の入射面側の端部とのシート面方向での距離を示している。
なお、最初の実施の形態とは異なる他の上述した各実施の形態における偏向層10が、本実施の形態におけるルーバー部101を有していてもよい。
本実施の形態における偏向層10では、ベース部102が、一例として、以下の材料から形成され得る。
・A-BPEF(新中村化学工業(株)製 2官能アクリレート)
・ライトアクリレート POB-A(共栄社化学(株)製 単官能アクリレート)
・ライトアクリレート PO-A(共栄社化学(株)製 単官能アクリレート)
・Iragacure184(BASF社製 光重合開始剤)
・テトラデカノールエチレンオキシド(10モル)付加物のリン酸エステル
一方、ルーバー部101は、一例として、以下の材料から形成され得る。
・EBECRYL230(ダイセルオルネクス(株)製 ウレタンアクリレート)
・SR610(サートマー社製 2官能アクリレート)
・SR256(サートマー社製 単官能アクリレート)
・Iragacure184(BASF社製 光重合開始剤)
上述した材料から図26に示す偏向層10を実際に製造した際の製造方法の一例を以下に説明する。この一例にかかる製造方法では、まず、連続帯状の透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡製A4300、厚み:100μm)の一方の表面に、液状のベース部102の形成用の材料(重量比 A-BPEF:POB-A:PO-A:Irgacure184:リン酸エステル=50:30:20:3:0.03)を塗布して硬化した。硬化後のベース部102の形成用の材料の厚みは120μmであった。
次に、図26に示すような凸部(θU1=11.4°、θU2=0°、θD=2°、D=165μm、P=59μm)、すなわちルーバー部101の輪郭形状に対応する形状が、平行に複数形成されたロール状の金型を準備した。このロール状の金型を、上記ベース部102の形成用の材料を介してPETフィルムと対向するように配置し、水銀灯により紫外線を照射して上記ベース部102の形成用の材料を架橋硬化した。その後、上記ベース部102の形成用の材料からロール状の金型を剥離して、複数の溝部を有するベース部102(光透過部)を得た。得られたベース部102の屈折率は1.602であった。
次に、得られたベース部102の溝部が形成された側に、液状のルーバー部101の形成用の材料(重量比 EBECRYL230:SR610:SR256:Irgracure184=30:30:40:3)を塗布し、鉄製ドクターブレードを用いてスキージすることによりベース部102の溝部のみに上記ルーバー部101の形成用の材料を充填させた。その後、水銀灯により紫外線を照射してルーバー部101の形成用の材料を架橋硬化してルーバー部101(光制御部)を得た。得られたルーバー部101の屈折率は1.474であった。このようにして、図26に示す偏向層10を得ることができる。
次に別の実施の形態について説明する。図27Aは、本実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが展開された状態を示す図である。図27Bは、本実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが巻回された状態を示す図である。
図27A及び図27Bに示すように、本実施の形態では、光制御シート30が、互いに分離された第1シート301及び第2シート302を有している。ロール機構31は、第1シート301の一端側を軸部材に直接的又は間接的に取り付け、第1シート301を前記軸部材に巻回又は前記軸部材から展開するための第1ロール機構311と、第2シート302の一端側を軸部材に直接的又は間接的に取り付け、第2シート302を前記軸部材に巻回又は前記軸部材から展開するための第2ロール機構312と、第1シート301の他端側及び第2シート302の他端側に連結した連結部材313と、を有している。
本実施の形態におけるロールカーテンでは、図27Aに示すように、連結部材313が下方に移動された際に、第1ロール機構311からの第1シート301と第2ロール機構312からの第2シート302とが、同時に展開されるようになっている。展開状態においては、第1シート301と第2シート302とが、各シートの法線方向で空間を空けて互いに対向した状態となる。一方、連結部材313が上方に移動された際には、第1ロール機構311に第1シート301が巻回されるのと同時に、第2ロール機構312に第2シート302が巻回される。
本実施の形態においては、光制御シート30に、偏向層10と、第1の色層11と、少なくとも一つの光拡散層とが含まれる。展開された際に、偏向層10の出射面10b側に第1の色層11が配置される条件を充足すれば、第1シート301と第2シート302とに対する複数の層の振り分けは、任意に決定することができる。本実施の形態では、一例として、第1シート301に偏向層10が含まれ、第2シート302に第1の色層11と出射側光拡散層13とが含まれている。
本実施の形態にかかる光制御方法は、入射面10a及び入射面10aに対向する出射面10bを有し、入射面10aから入射した光を偏向して出射面10bから出射する偏向層10を提供する工程と、偏向層10の出射面10b側に偏向層10に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層11を提供する工程と、偏向層10及び第1の色層11に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する光拡散層、すなわち出射側光拡散層13を提供する工程と、を有する。本実施の形態では、これらの工程が、ロール機構31から第1シート301と第2シート302とを同時に展開することによって1度で行われる。
光制御シート30が展開された際には、例えば、偏向層10、出射側光拡散層13、第1の色層11が、この順番で、偏向層10の入射面10a及び出射面10bを結ぶ方向、すなわち偏向層10の法線方向に沿って配置される第1の状態となる。一方、光制御シート30が巻回された状態では、上述の各層が、偏向層10の入射面10a及び出射面10bを結ぶ方向、すなわち偏向層10がシート状に延び拡がった際のその法線方向に沿って配置されていない第2の状態となる。
上述の第1の状態では、光制御シート30に入射した光が拡散されつつ、偏光層10によって、採光効果を得るために所望される方向、本例では上方に跳ね上がる方向に光が偏向されて出射される。これにより、出射される光は、採光効果を得るために所望される方向への進行を維持しつつ、ぎらつき感や眩しさが抑制されるように拡散される。そして、第1の色層11は、ぎらつき感や眩しさを抑制するために生じ得る、厚さ、色、開口率等の調整による光透過率等の制約が緩和されることで、意匠の自由度が高く確保される。よって、好適な採光性能を確保しつつ、ぎらつき感や眩しさを抑制でき、且つ意匠の自由度を高く確保できる。
次に別の実施の形態について説明する。図28Aは、本実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートが展開された状態を示す図である。図28Bは、本実施の形態によるロールカーテンの概略側面図であり、光制御シートの一部が巻回された状態を示す図である。本実施の形態では、図27を示して説明した実施の形態で説明したロール機構31における連結部材313が設けられていない点で、図27を示して説明した実施の形態と異なっている。本実施の形態では、連結部材313がないことで、図28Bに示すように、第1シート301と第2シート302とを別々に操作することができる。
次に別の実施の形態について説明する。上述した各実施の形態では、光制御シート30をロールカーテンに適用した例を説明した。しかしながら、光制御シート30は、ウィンドウフィルム、障子、すだれ等にも適用され得る。また、光制御シート30を、レールカーテン(狭義の意味で単にカーテンとも呼ばれる)やシェードカーテンに適用することもできる。
別の実施の形態では、図29に示すように、光制御シート30がレールカーテン2に適用されている。光制御シート30を備えたレールカーテンは、例えば、その一端側、具体的には上端側にカーテンレールに接続するための複数のフックが配置されており、そのフックで窓や屋内空間の上部に配置されたカーテンレールに支持され、カーテンレールに沿って開閉されるようになっている。なお、光制御シート30は、最初の実施の形態で説明した光制御シート30および図9〜図26を示して説明した実施の形態で説明した光制御シート30のいずれかから選択可能である。
また別の実施の形態では、図30に示すように、光制御シート30がシェードカーテン3に適用されている。光制御シート30を備えたシェードカーテンは、折り畳み機構を設けることで、光制御シート30を折り畳み可能及び展開可能に構成することができる。
以上、本開示の各実施の形態を説明したが、本開示は、上述の各実施の形態に限定されることなく種々の変更を加えることが可能である。例えば、光制御シート30は、ブラインド、アコーディオンカーテン等にも適用可能である。
また、上述の各実施の形態では、光制御シート30の複数の構成を説明したが、光制御シート30は、これらに限定されるものではない。以下に、光制御シート30の変形例を説明する。
例えば、図17〜図21を示して説明した実施の形態では、偏向層10の入射面10aが外部に露出しているが、入射面10aを覆うように光拡散層が設けられてもよい。この追加された光拡散層には、図24を示して説明した実施の形態で説明したような表面保護剤234Aが含まれてもよい。
また、図17〜図21を示して説明した実施の形態において、入射面10aを覆うように、図15を示して説明した実施の形態で説明したような、表面保護シート25が設けられてもよい。この場合に、表面保護シート25と偏向層10との間に、光拡散層が設けられてもよい。
また、図17〜図21を示して説明した実施の形態において、入射面10aを覆うように、最初の実施の形態で説明したような、第2の色層21が接着剤を介して設けられてもよい。
また、上述の実施の形態で説明した光制御方法は、ロール機構31を操作することで行われるが、ロール機構31を用いずに行われてもよい。例えば図27A,27Bを示して説明した実施の形態で説明した第1シート301と第2シート302とを手作業で配置することで、光制御方法が行われてもよい。
1…ロールカーテン
2…レールカーテン
3…シェードカーテン
8…基材層
10…偏向層
10a…入射面
10b…出射面
101…ルーバー部
101a…第1面
101a1…入射側面部
101a2…出射側面部
101b…第2面
102…ベース部
104…突起部
104a…第1面
104b…第2面
105…空隙部
11…第1の色層
111…孔部
112…経糸
113…緯糸
115…色層本体
116…光拡散部
12…出射側接着層
12A…第1出射側接着層
12B…第2出射側接着層
13…出射側光拡散層
131…凹凸
132A…粒子
132B…基材
133A…白濁化した部分
134…凸部
21…第2の色層
22…入射側接着層
23…入射側光拡散層
231…凹凸
232A…粒子
232B…基材
233A…白濁化した部分
234A…表面保護剤
25…表面保護シート
25A…基材層
25B…表面保護層
30…光制御シート
301…第1シート
302…第2シート
31…ロール機構
311…第1ロール機構
312…第2ロール機構
313…連結部材
31A…軸部材
31B…枠部材
31C…錘部材
32…チェーン

Claims (19)

  1. 光制御シートを備えたカーテンであって、
    前記光制御シートは、
    入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層と、
    前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層と、
    前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層と、を備えている、カーテン。
  2. 前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第2の光拡散層を備えている、請求項1に記載のカーテン。
  3. 前記偏向層、前記第1の色層、前記第1の光拡散層、及び前記第2の光拡散層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第3の光拡散層を備えている、請求項2に記載のカーテン。
  4. 前記偏向層、前記第1の光拡散層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  5. 前記第1の光拡散層、前記偏向層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  6. 前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層が、この順番で位置するように構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  7. 前記第1の光拡散層は、表面に凹凸を有する、又は内部に光を拡散する粒子を含む、又は内部に白濁化した部分を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  8. 前記第1の光拡散層は、両側で隣接する層を接合している、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  9. 前記第1の光拡散層が接合している層の一方が前記第1の色層であり、前記第1の色層は布を有する、請求項8に記載のカーテン。
  10. 前記第1の光拡散層は、前記第1の色層と接合した状態で保持されており、
    前記第1の色層は、両方又は一方の面に凹部又は孔部を有し、
    前記第1の光拡散層の前記第1の色層に接合した面は、前記第1の光拡散層が前記第1の色層の前記凹部又は前記孔部に入り込んだ凸部を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  11. 前記第1の光拡散層は軟質プラスチックを有し、前記第1の色層は布を有する、請求項10に記載のカーテン。
  12. 前記第1の光拡散層は、三次元架橋樹脂及び無機粒子の両方又はいずれか一方を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  13. 前記第1の光拡散層は、色を発現する第2の色層である、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  14. 前記第2の色層、前記偏向層、及び前記第1の色層が、この順番で位置するように構成されている、請求項13に記載のカーテン。
  15. 前記第2の色層の全光線透過率は、前記第1の色層の全光線透過率よりも大きい、請求項14に記載のカーテン。
  16. 前記偏向層は、内部に光を拡散する粒子を含む、又は内部に白濁化した部分を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  17. ロールカーテン、レールカーテン、又はシェードカーテンである、請求項1乃至3のいずれかに記載のカーテン。
  18. 入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層と、
    前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層と、
    前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層と、を備えている、光制御シート。
  19. 入射面及び前記入射面に対向する出射面を有し、前記入射面から入射した光を偏向して前記出射面から出射する偏向層を提供する工程と、
    前記偏向層の前記出射面側に前記偏向層に対向して位置するように構成され、色を発現する第1の色層を提供する工程と、
    前記偏向層及び前記第1の色層に対向して位置するように構成され、光を拡散し且つ透過する第1の光拡散層を提供する工程と、を有し、
    第1の状態において、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層が前記偏向層の前記入射面及び前記出射面を結ぶ方向に沿って配置され、
    第2の状態において、前記偏向層、前記第1の色層、及び前記第1の光拡散層の少なくとも1つが前記偏向層の前記入射面及び前記出射面を結ぶ方向に沿って配置されていない、
    光制御方法。
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