JP6092547B2 - 太陽光導光装置 - Google Patents

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本発明は、太陽光導光装置に関する。
太陽光を室内に導入して室内照明に用いることは、エネルギー問題の観点から有望である。建造物の内部に光を供給するための1つの技術は、入射する太陽光の方向転換である。
特許文献1には、透明材料にて製作された複数の棒状の要素部材と、前記複数の要素部材が互いに平行に並ぶように支持する支持部とを具備し、前記複数の要素部材は、窓に取り付けた時に、室外側から入射した太陽光をそれぞれの下側の反射面で反射して室内側の天井方向に導く太陽光照明器が記載されている。
特許文献2には、透明樹脂板2の下面側に、三角形状の単位プリズム3aがその幅方向に連続して並設されてなる構成を有するプリズム面3を備え、当該プリズム面3を構成する単位プリズム3aの頂部角度αが120°以上170°未満であり、且つ、単位プリズム3aにおける一方の底部角度βと他方の底部角度γとの間に差があることを特徴とする導光板が記載されている。
特許文献3には、板面が垂直となるように建物の開口部近傍に設置され、太陽光を屋内側奥方に導く導光板であって、透明樹脂板の一側に、三角形状の単位プリズムが幅方向に連続して並設されてなる構成を有するプリズム面を備え、当該プリズム面を構成する単位プリズムの頂部角度が60°より大きく100°未満である導光板が記載されている。
特許文献4には、一の方向に延びる複数のスリットが該一の方向に垂直な方向に配列して形成された窓用光制御透明板において、前記複数のスリットが前記透明板の表面に対して、前記垂直な方向において傾斜度が変化するように傾斜していることを特徴とする窓用光制御透明板が記載されている。
特許文献5には、可視光を透過し、赤外光を反射する多層フィルムと、光を方向転換する日照調整フィルムを形成する、前記多層フィルムに隣接する、光を方向転換する層であって、複数のプリズム構造を形成する主面を含む、光を方向転換する層と、を含む、光を方向転換する日照調整フィルムが記載されている。
特許文献6には、第1主表面及び前記第1主表面の反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、前記第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、第1主表面及び前記第1主表面と反対側の第2主表面を有し、前記第2主表面が前記第1光学フィルムの第1主要構造化表面の前記構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムとを含む、光管理フィルム構成体であって、前記第1光学フィルムの前記第1主表面及び前記第2光学フィルムの前記第2主表面は、前記第1主表面の前記構造が一部を占める密閉容積を画定し、前記構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体が記載されている。
特開2009−266794号公報 特開2010−186695号公報 特開2010−218921号公報 特開2000−268610号公報 特開2010−527815号公報 国際公開第2011/084391号パンフレット
快適な室内照明環境を実現するためには、室内に十分な光が照射され、均一な照度が得られることが求められる。しかし従来技術は、グレア発生による不快さ、照度の不足等の問題を十分解決したものではなく、室内に広範囲に亘って十分かつ均一な光を与える太陽光導光装置は未だ提供されていない。
本発明の目的は、十分かつ均一な室内照明を可能にする太陽光導光装置を提供することである。
本発明の一態様は、基板と、複数のプリズム構造を形成する第1表面と平坦な第2表面とを有する、該基板上に配置された太陽光導光層と、該太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置された光拡散層と、を有する太陽光導光装置であって、該太陽光導光層と該光拡散層とは、該太陽光導光装置に入射する太陽光が該光拡散層に到達する前に該太陽光導光層に到達するように配置されており、該光拡散層の可視光線反射率が90%以上、かつ正反射率が2.0%未満である、太陽光導光装置を提供する。
本発明によれば、十分かつ均一な室内照明を可能にする太陽光導光装置が提供される。
図1は、本発明の太陽光導光装置の一態様を説明する模式図である。 図2は、本発明における太陽光導光層の一態様を説明する模式図である。 図3は、実施例1及び比較例1で用いたプリズムフィルム1の形状を示す模式図である。
以下、本発明の実施の態様を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での当業者による種々の変形が可能である。
本発明の一態様は、基板と、複数のプリズム構造を形成する第1表面と平坦な第2表面とを有する、該基板上に配置された太陽光導光層と、該太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置された光拡散層と、を有する太陽光導光装置であって、該太陽光導光層と該光拡散層とは、該太陽光導光装置に入射する太陽光が該光拡散層に到達する前に該太陽光導光層に到達するように配置されており、該光拡散層の可視光線反射率が90%以上、かつ正反射率が2.0%未満である、太陽光導光装置を提供する。
本開示で用いる以下の用語は特記がない限り以下の意味を有する。
用語「平坦」とは、構造化されていないことを指し、平面及び曲面を包含するが、典型的には平面である。
用語「光学フィルム」とは、少なくとも光学的に透過性であり、典型的には光学的に透明であるフィルムを指す。
用語「光学的に透明」とは、一般的には、人間の裸眼に透明に見えることを指し、典型的には、可視光スペクトル、特に約400〜約700ナノメートルにわたって高い光透過を有し、低いヘーズを呈することを指す。更に具体的には、光学的に透明な材料は、400〜700nmの波長帯において、少なくとも約90%の視感透過率及び約2%未満のヘーズを有する。視感透過率及びヘーズは、例えば、ASTM−D 1003−95の方法に準拠して決定することができる。
用語「順序付けられた配列」とは、規則的な反復パターンの構造を指す。
図1を参照し、太陽光導光装置100は、基板110と、該基板上に配置された太陽光導光層120と、光拡散層130とを備える。光拡散層130は、太陽光導光層120からの出射光を受光可能な面上に配置されている。また太陽光導光層120と光拡散層130とは、太陽光導光装置100に入射する太陽光が光拡散層130に到達する前に太陽光導光層120に到達するように配置されている。
太陽光導光層は、太陽光が入射できる任意の形状及び位置に配置でき、プリズム構造を適宜設計することによって太陽光を所望の方向に方向転換することができる。例えば、太陽光導光層は建造物の窓の一部又は全部の領域に配置され、室外から下向きに入射した太陽光を室内の天井方向に方向転換できる。好ましい態様において、太陽光導光層は、入射した太陽光が上向きに方向転換されるが下向きには方向転換されないように設計及び配置される。
太陽光導光層は基板のいずれの表面に取り付けてもよい。例えば基板が建造物の窓自体(例えば窓ガラス)である場合、太陽光導光層は、室内に面する表面及び室外に面する表面のいずれに取り付けてもよい。典型的には、太陽光導光層は室内に面する表面に取り付けられる。
光拡散層は、太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置されている。光拡散層は、本発明所定の高い可視光線反射率及び低い正反射率を有する。従って光拡散層は、太陽光導光層からの光を反射及び広範囲に拡散させて、広範囲の領域に、十分高くかつ均一な明るさを与える。
一例として、太陽光導光装置は、図1に示すように、略水平方向に法線を有する平面の基板及び太陽光導光層、並びに、略鉛直方向に法線を有する平面の光拡散層を少なくとも有する。この場合、太陽光導光層に下向きに入射した太陽光が上向きに方向転換されて出射され、この出射光が光拡散層で拡散反射されて、光拡散層の下部に、広範囲に亘って高く均一な明るさを有する照明空間が形成される。なお本開示で下向き及び上向きとは特記がない限りそれぞれ水平方向(鉛直に対して垂直の方向)に対する方向を意味する。
太陽光導光層から出射された光の光拡散層への入射角は限定されず、所望される照明態様に応じて適宜設計される。
本発明に係る太陽光導光装置においては、太陽光導光層で方向転換された光を光拡散層が高い反射率及び低い正反射率で拡散反射する。これにより、透過又は吸収による光量の大きな低下を伴わずに、光を広範囲に亘って均一に照射できる。また、本発明によれば、光拡散層が反射と拡散との両者を実現できるため、例えば太陽光導光層との組合せでの透過型拡散層を使用する必要がない。従って本発明は、透過型拡散層の使用によって生じる光量の低下という問題を回避できる点でも有利である。
典型的な態様において、太陽光導光層には太陽光が直接入射し、そして光拡散層には太陽光導光層からの出射光が直接入射する。しかし一態様において、太陽光導光装置は光方向転換層を更に有してもよい。例えば、一態様において、光方向転換層は、太陽光の進路において太陽光導光層よりも前に配置できる。また、別の態様において、光方向転換層は、太陽光の進路において太陽光導光層と光拡散層との間に配置できる。太陽光導光層と光拡散層との間に光方向転換層が存在する場合、光拡散層は、太陽光導光層からの出射光が光方向転換層を介して光拡散層に入射できるような位置に配置すればよい。このような配置もまた本発明の範囲内である。光方向転換層は、本発明の目的を損なわない範囲で配置される。典型的には、光方向転換層は、高反射率を有する反射性層又は高透過率を有する透過性層である。光方向転換層としては、例えば光ダクトが挙げられる。
以下、各部材の好適な態様について更に説明する。
<基板>
基板は、少なくとも光学的に透過性であり、典型的には光学的に透明である。基板は例えば窓等の建材自体であってもよい。この場合、太陽光導光層を窓自体に積層できる。基板は、様々なガラス等の、様々な又は異なる種類のグレージング基材から、又はポリカーボネート又はポリメチルメタクリレート等のポリマー材料から作製できる。いくつかの形態において、基板はまた、追加的な層又は処理を含んでもよい。追加的な層の例としては、例えば、グレア低減、着色性、耐破砕性等を与えるように設計されたフィルム等の追加的な層が挙げられる。基板の追加的な処理としては、例えば、ハードコート等の様々な種類のコーティング、及び修飾的エッチング等のエッチングが挙げられる。
<太陽光導光層>
太陽光導光層は、複数のプリズム構造を形成する第1表面と平坦な第2表面とを有する。太陽光導光層は、少なくとも光学的に透過性であり、典型的には光学的に透明である。典型的な態様において、太陽光導光層は、太陽光が第2表面から太陽光導光層に入射して第1表面から出射するように配置する。プリズム構造の形状、サイズ及び配列は、太陽光導光層と光拡散層との間の位置関係に応じた光の所望の出射態様に適合するように当業者によって設計できる。好ましい態様において、プリズム構造は規則的又はランダムな配列で線状に(例えば概略水平方向に)延びている。また、例として、非対称構造のプリズム構造により、太陽光導光層に入射した太陽光が上向きに方向転換されるが下向きには方向転換されないような設計が可能である。以下、太陽光導光層の好適な例を挙げる。
太陽光導光層は、例えば国際公開第WO2011/084391号パンフレットに記載されるような光管理フィルム構成体であることができる。以下、この光管理フィルム構成体の概要について説明するが、言及しない部分の態様についても国際公開第WO2011/084391号パンフレットの記載に基づき当業者が理解及び実施できる。この光管理フィルム構成体は、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有し、第2主表面が第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムとを含む光管理フィルム構成体であって、第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める、光管理フィルム構成体である。上記非対称構造は、複数の多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含み、多面屈折性プリズムの断面は、3つ以上の面を含むことができる。
第1光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を含み、第1主表面に微細構造化表面を有する。第2光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を含む。第2光学フィルムの第2主表面は、第1フィルムの表面の微細構造の実質的に全部と接触し、かつ結合される。第1光学フィルム及び第2光学フィルムは、第1光学フィルム上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める。
第1光学フィルムは、スペクトルの可視光領域において、高い光学透明性を有する任意の好適なフィルムであることができる。第1光学フィルムは、単一層フィルム又は多層フィルム構成であることができる。第1光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を有する。第1主表面は微細構造化表面を含む。この微細構造化表面は、複数の非対称多面屈折性プリズムの順序付けられた配列を含む。プリズムは、入射する太陽光(これはフィルムと垂直な方向から15〜80°の角度で入射する)が部屋の天井の方へと上方に方向変換される一方で、下からの入射光が下方向へと方向転換されないように、非対称であることが望ましい。
複数の非対称多面屈折性プリズムは、太陽光導光層を含む窓又は他の開口部を含む部屋の天井に向けて、入射する太陽光を効果的に方向変換するように設計される。典型的に、非対称多面屈折性プリズムは、3つ以上、より典型的には4つ以上の面を含む。プリズムは光学フィルムの表面から生じる順序付けられた配列の突起部として観察できる。典型的にはこれらの突起部のアスペクト比(すなわち、フィルムの上の構造の最大高さHの、フィルム又はその部分に取り付けられる構造の基部の幅Wに対する比率)は1以上であり、すなわち、突起部の高さは、少なくとも突起部の基部における幅と、少なくとも同等である。いくつかの実施形態において、突起部の高さは少なくとも50マイクロメートルである。いくつかの実施形態において、突起部の高さは250マイクロメートル以下である。これは、非対称構造は、典型的には、第1光学フィルムの第1主表面から50マイクロメートル〜250マイクロメートルだけ突出していることを意味する。
この光方向転換を生じるように、多面屈折性プリズムを設計するために使用される基準は、例えば、図2に例示される。図2は、太陽光導光層の一態様を説明する模式図であり、フィルム10及び単一のプリズム11の断面を含む光方向変換フィルム120を示す。プリズム11は4つの面、フィルム10に隣接する面A、面Aに接合される面B、面Aに接合される面C、並びに面B及び面Cに接合される面Dを有する。
面Bはこれが、第1光学フィルムの第2主表面に入射し、面Aを透過する太陽光線に対して、全内部反射を生じるような様式で角度を有する。太陽光は、第1光学フィルムの第2主表面上から入射して、典型的には、時刻、時期、フィルムの地理的位置などによって、第1光学フィルムの第1主表面の垂線から約15〜80°の角度を形成する。入射光線はプリズム11に入り、全内部反射の現象により面Bから反射される。全内部反射を達成するため、面Bが面Aと垂直ではなく、図1に示されるように、垂線から角θだけオフセットされていることが望ましい。角θの値の選択は、例えば、光管理フィルムを調整するために使用される組成物材料の屈折率、光管理フィルムの使用のために推奨される地理的位置などを含む様々な可変の特性に依存するが、典型的には、角θの値は6〜14°又は更に6〜12°である。
面Cは、面Aに接合され、面Aを面Dに接続する。面Cが面Aに対して垂直ではなく、垂線から角αだけオフセットされていることが好ましい。他の特性の中でもとりわけ、角αのオフセットは、面Dを通じてプリズム11から出る光が、隣接するプリズム(図示せず)に入ることを防ぐのを助ける。角度θでは、角度αの値の選択は、隣接するプリズムの近さ、面Dの特性及び大きさなどを含む、様々な可変特性に依存する。典型的には、角度αは、5〜25°、又は更に9〜25°の範囲である。
面Dは、方向転換された光線がプリズムから出る、プリズムの面である。図2において面Dは、単一の面として示されるが、面Dは一連の面を含むことがある。また、図2において面Dは、曲面として示されるが面Dは全ての実施形態において湾曲している必要はない。面Bから反射される光線は、面Dにより、部屋の間接照明を改善するために有効な方向、すなわち、光拡散層に光を有効に照射する方向に反射される。これは、面Dから反射する光線は、面Aと垂直、又は垂直から離れた角度で、光拡散層(例えば部屋の天井に配置された光拡散層)に向けて方向転換されることを意味する。
いくつかの実施形態において、面Cは湾曲していてもよく、面Dは湾曲していてもよく、又は面Cと面Dの組み合わせが単一の連続的な曲面を形成してもよい。他の実施形態において、面C若しくはD又は、面C及びDが共に、一連の面を含み、一連の面は構造化表面を含む。構造化表面は、規則的又は不規則的であってよく、すなわち、構造は規則的パターン又はランダムパターンを形成し、均一であってもよく、又は構造は異なってもよい。これらの構造は、これらが微細構造上にあるために、典型的には非常に小さい。典型的には、これらの構造の各寸法(高さ、幅及び長さ)は、面Aの寸法よりも小さい。
面Dは、国際公開第WO2011/084391号パンフレットに記載されるような副次的な面を有してもよい。例えば、面Dは、ある点で面Bに接合される副次的な面を有してもよい。この点は、光管理フィルムの第2光学フィルム(図示せず)が、フィルム10に接合される場所である。面Dはまた、面Bに接合され、光管理フィルムの第2光学フィルム(図示せず)がフィルム10に接合され得る結合ゾーンを形成するように設計される副次的な面を有してもよい。
フィルム構成体の全表面上に亘って、微細構造が存在してもよく、又は微細構造は、第1光学フィルムの第1表面の一部の上にのみ存在してもよい。フィルム構成体は、大きな窓ガラス物品(例えば、窓)に取り付けることができるため、望ましい光方向転換効果を生じるために、窓ガラス物品の全表面が微細構造表面を含むことは必要ではないか又は望ましくない場合がある。窓ガラス物品の一部のみが光方向転換フィルム構成体を含むか、あるいは、全窓ガラス物品表面がフィルム構成体によって被覆される場合は、フィルム構成体の一部のみが光方向転換微細構造を含むことが望ましい場合がある。
複数の非対称多面屈折性プリズムの順序付けられた配列は、微細構造の配列を形成できる。配列は種々の要素を有することができる。例えば、配列は、線形(すなわち、一連の平行な線)、正弦波形状(すなわち、一連の波形の線)、ランダム、又はこれらの組み合わせであることができる。広範な配列が可能であるが、配列要素が別個であり得る、すなわち、配列要素が交差又は重複しないことが望ましい。配列要素としては、国際公開第WO2011/084391号パンフレットで図4〜7を参照して記載されるような配列要素が挙げられる。配列要素としては、線形配列要素、正弦波形状配列要素等を例示でき、正弦波形状配列要素は互いに位相が不一致であってもよい。また配列要素はランダムな配列要素であってもよい。
第1光学フィルムの第2主表面は、基板に積層されるように設計される。典型的には、この表面は、接着剤コーティングなどのコーティングを含み、これは太陽光導光層を基板表面へと接着させる。ここで用語「接着剤」は、2つの被着体を一緒に接着するのに有用なポリマー組成物を指す。接着剤の例は、熱活性化接着剤及び感圧接着剤である。好適な接着剤の例としては、熱活性化接着剤、感圧接着剤、熱活性化接着剤、感圧接着剤及び硬化性接着剤が挙げられる。好適な光学的に透明な硬化性接着剤の例としては、米国特許第6,887,917号(Yangら)に記載されるものが挙げられる。接着剤の特性により、接着剤コーティングは、これに取り付けられた剥離ライナーを有してもよい。典型的には、感圧接着剤が使用される。
広範な感圧接着剤組成物が好適である。いくつかの実施形態において、感圧接着剤は光学的に透明である。
好適な感圧接着剤としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、スチレンブロックコポリマー、ポリビニルエーテル、(アクリレートとメタクリレートの両方を含む)ポリ(メタ)アクリレート、ポリオレフィン、シリコーン又はポリビニルブチラールに基づくものが挙げられる。
基板と太陽光導光層との間に適用した接着剤を、熱、水分又は放射線によって架橋させてもよい。架橋度は、特定の性能要件を満たすように制御できる。
光学的に透明であることに加え、感圧接着剤は、これを窓などの大きな基板に積層するために、一時的除去可能性を有することが好ましい。一時的に除去可能な接着剤は、比較的低い初期接着性を有するものであり、基板からの一時的除去可能性及びこれへの再配置性を可能にし、時間をかけて接着を構成し、十分な強度の結合を形成する。一時的に除去可能な接着剤の例は、例えば、米国特許第4,693,935号(Mazurek)に記載される。あるいは、又は加えて、一時的に除去可能であることの代わりに、又はこれに加えて、感圧接着剤層は、微細構造化表面を含んでもよい。この微細構造化表面は、接着剤が基板に積層される際の空気の排出を可能にする。
感圧接着剤は本質的に粘着性であってよい。望ましい場合には、感圧接着剤を形成するため、粘着付与剤を基材に加えることができる。感圧接着剤の光学的透明性を低減させない限り、例えば、油、可塑剤、酸化防止剤、紫外線(「UV」)安定剤、水素添加ブチルゴム、顔料、硬化剤、ポリマー添加剤、増粘剤、連鎖移動剤及びその他の添加物などの他の材料を、特別な目的のために加えることができる。
本開示の感圧接着剤は、例えば、制御された光透過率及びヘーズなどの望ましい光学的特性を呈する。いくつかの実施形態において、感圧接着剤でコーティングされる基板は、基板単独と実質的に同じ光透過率を有することができる。
太陽光導光層はまた、赤外線反射性を有してもよい。これにより、望ましくない赤外光(熱)の建造物内への導入を低減又は回避する一方、望ましい可視光を建造物内に入れることができる。第1光学フィルムとして有用な、好適な多層フィルムの例としては、例えば、米国特許第6,049,419号、同第5,223,465号、同第5,882,774号、同第6,049,419号、同第RE34,605号、同第5,579,162号及び同第5,360,659号に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、第1光学フィルムは、交互のポリマー層が協調して赤外光を反射する、多層フィルムである。いくつかの実施形態において、ポリマー層の少なくとも1つが複屈折性ポリマー層である。
第1光学フィルムは、既に記載された接着剤コーティングに加えて、又はその代わりに、第2主表面上に追加的なコーティングを有してもよい。例えば、第2主表面は、防眩コーティングを含むことができる。
第1光学フィルムの第1主表面上の微細構造層は、様々な方法で形成できる。典型的には、微細構造層は、熱可塑性材料又は熱硬化性材料を含む。
上述した微細構造化フィルムは、エンボス加工、押出成形、キャスト及び硬化、圧縮成形、及び射出成形等の様々な方法を用いて製造される。エンボス加工の一方法が、米国特許第6,322,236号に記載されており、この方法は、パターン化ロールを形成するためのダイヤモンド旋削技法を含み、そのパターン化ロールは後に、微細構造化表面をフィルムの上にエンボス加工するために使用される。規則的配列の複数の非対称構造を有する上記のフィルムを形成するために、同様の方法を使用できる。
反復パターンを持つ微細構造化表面を有するフィルムを生成するために、他の手法に従ってもよい。例えば、フィルムは、特定のパターンをその上に有する金型を使用して射出成形されてもよい。結果として得られる射出成形フィルムは、金型内のパターンを補完する表面を有する。別の同様の手法において、フィルムは圧縮成形されてもよい。
いくつかの実施形態において、構造化フィルムは、キャスト及び硬化を使用して調製される。キャスト及び硬化において、硬化性混合物が表面上にコーティングされて、そこに構造化ツールが適用されるか、又は混合物が微細構造ツール内にコーティングされて、コーティングされた微細構造化ツールを表面に接触させる。硬化性混合物がその後硬化され、ツールが取り除かれて、微細構造化表面を提供する。好適な微細構造化ツールの例としては、微細構造化型及び微細構造化ライナーが挙げられる。好適な硬化性混合物の例としては、ポリウレタン、ポリエポキシド、ポリアクリレート、シリコーンなどを調製するために使用される硬化性材料などの熱硬化性材料が挙げられる。
光管理フィルム構成体は、第2光学フィルムを含む。第2光学フィルムは、第1主表面及び第2主表面を有する。第2光学フィルムの第2主表面は、第1光学フィルムの表面の微細構造の実質的に全部と接触し、かつ結合される。第2光学フィルムは、第1光学フィルムと共に、第1光学フィルム上の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める。この体積を画定するために使用される第1光学フィルムの表面は、第1光学フィルムの第1主表面の平面である。この平面は、構造がそこから突出する第1光学フィルムの表面である。
第2光学フィルムは、第1光学フィルムと同じ材料から作製されてもよく、又はこれは異なっていてもよい。第2光学フィルムは、微細構造表面を保護し、微細構造が損傷を受けること、汚れ、ないしは別の方法により光の方向転換を不可能になることを防ぐ。
第2光学フィルムの第2主表面は、第1光学フィルムの微細構造化表面の非対称多面屈折性プリズムの頂部と接触する。第2光学フィルムと非対称多面屈折性プリズムの頂部との接触領域において、これらの要素が結合される。この結合は、接着剤結合、熱積層、超音波溶接など、2つのポリマー単位を積層するために有用な形態であることができる。例えば、第2光学フィルムのフィルムを軟化させるように加熱し、該フィルムを第1光学フィルムの微細構造化表面に接触する。加熱されたフィルムは、冷却した際に、第1光学フィルムの微細構造化層の接触点と結合を形成する。同様に、第2光学フィルムは、第1光学フィルムの微細構造化表面に乾燥積層され、その後、熱が直接的又は間接的に適用されて積層物品を生成できる。あるいは、超音波溶接機を、乾燥した積層構造に適用できる。典型的には、接着剤結合が使用される。接着剤結合が使用される際、熱活性化接着剤又は感圧接着剤のいずれかも使用できる。一般的に、感圧接着剤、特に、上記の光学的に透明な感圧接着剤が使用される。
接着剤結合を生じるため、接着剤は、第1光学フィルムの微細構造表面、又は第2光学フィルムの第2主表面のいずれに適用してもよい。典型的には、接着剤は、第2光学フィルムの第2主表面に適用される。適用される接着剤コーティングは、連続的又は非連続的であることができる。接着剤コーティングは、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーテング、ロッドコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング又はスクリーン印刷若しくはインクジェット印刷等の印刷技術を含む、様々なコーティング技術のいずれかによって適用できる。接着剤は、溶媒系(すなわち、溶液、分散液、懸濁液)、又は100%固体組成物として適用できる。溶媒系接着剤組成物が使用される場合、典型的に、コーティングは積層前に、風乾又は、例えば、強制空気炉などの炉を使用して、高温で乾燥される。接着剤でコーティングされた第2光学フィルムはその後、第1光学フィルムの微細構造化表面に積層できる。積層プロセスは、上記の微細構造化プリズムの頂部に均一かつ均等な接触を提供するように良好に制御できる。
微細構造化表面のための保護層であることに加えて、第2光学フィルムはまた、太陽光導光層に追加的な機能を提供できる。例えば、第2光学フィルムは、赤外光を反射し得る多層フィルムであることができる。このようにして、太陽光導光層はまた、望ましくない赤外光(熱)の建造物内への導入を低減又は回避する一方、望ましい可視光を建造物内に入れることができる。第2光学フィルムとして有用な、好適な多層フィルムの例としては、例えば、米国特許第6,049,419号、同第5,223,465号、同第5,882,774号、同第6,049,419号、同第RE34,605号、同第5,579,162号及び同第5,360,659号に記載されるものが挙げられる。いくつかの実施形態において、第2光学フィルムは、交互のポリマー層が協調して赤外光を反射する、多層フィルムである。いくつかの実施形態において、ポリマー層の少なくとも1つが複屈折性ポリマー層である。
第2光学フィルムの第1主表面は一般的に部屋の内部に露出されるため、第1主表面上に追加的なコーティングを有することが望ましい場合がある。例えば、第1主表面は保護コーティングを含むことができる。好適なコーティングの例としては、例えば、ハードコート、傷防止コーティング、低表面エネルギーコーティング又は簡単清掃コーティングが挙げられる。
第1光学フィルム及び第2光学フィルムは、それぞれ、フィルムを光学的に透明にするポリマー材料から調製されることが好ましい。好適なポリマー材料の例としては、例えば、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタン、酢酸アセテート、エチルセルロース、ポリアクリレート、ポリカーボネート、シリコーン及びこれらの組み合わせ又はブレンドが挙げられる。光学フィルムは、充填剤、安定剤、抗酸化剤、塑性剤等のポリマー材料の他に、他の組成物を含有できる。いくつかの実施形態において、光学フィルムは、UV吸収剤(UVA)又はヒンダードアミン光安定剤(HALS)などの安定剤を含有できる。好適なUVAとしては、例えば、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN P、213、234、326、327、328、405及び571として入手可能な化合物等のベンゾトリアゾールUVAが挙げられる。好適なHALSとしては、Ciba(Tarrytown,NY)からTINUVIN 123、144及び292として入手可能な化合物が挙げられる。
光を方向転換する太陽光導光層の能力の測定は、実験室での試験により判定できる。このような試験の例は、太陽光導光層上に、強度を制御された光線を照射して、所望の方向(例えば上方)に方向転換される光の量を測定することである。光線は、所定の角度で固定されてもよく、又は所定の角度範囲にわたって変化してもよい。所望の方向に方向転換される光の量は、例えば、光検出器で測定できる。あらゆる方向における光の分布を測定してもよい。測定値の種類は一般的に、双方向透過分布関数(BTDF)と称される。このような測定を行うため、Radiant Imaging(WA)から、商標名IMAGING SPHEREで入手可能な器具を使用できる。
<光拡散層>
光拡散層は、太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置される。典型的には、光拡散層は、建造物の室内の天井、側壁等の所望の面上に任意の種々の方法で取付可能である。例えば、任意の面上に、光拡散層を直接又は下地層を介してコーティングしてもよく、予め作製した光拡散層を直接又は接着層を介して接着してもよい。また予め任意の基材上に光拡散層を積層して積層板を作製し、この積層板を任意の面上に取付けてもよい。
光拡散層の可視光線反射率は約90%以上である。ここで可視光線反射率は、JIS R−3106−1998に準拠して測定される値であり、測定波長380〜780nmにおける全反射率である。可視光線反射率が約90%以上であることにより、太陽光導光層からの光を高い光量のまま拡散でき、高照度での照明が実現される。可視光線反射率は、好ましくは約93%以上、又は約95%以上、又は約100%である。
光拡散層の正反射率は約2.0%未満である。ここで正反射率は、JIS K−7375−2008に準拠して測定される値である。正反射率が約2.0%未満であることにより、広範囲に亘って均一な照度を与える照明が実現される。正反射率は、好ましくは約1.6%以下、又は約1.3%以下、又は約0.0%である。
本発明者らは、光拡散層、特にポリマーと光拡散粒子とを含む光拡散層において、表面光沢と正反射率とが一般的に良好な正の相関を有することを見出した。すなわち、光拡散層の表面光沢を低く制御することが、正反射率を低減するための有効な手段であることを見出した。光拡散層の表面光沢は、正反射率を低減する効果を良好に得る観点から、好ましくは約25以下、又は約20以下、又は約17以下である。表面光沢は低いほど好ましい。ここで表面光沢は、JISK5600−4−7(60°受光角)に準拠して測定される値である。
光拡散層の照度均一性は、好ましくは約0.5以上、又は約0.7以上、又は約0.8以上、又は約1.0である。ここで光拡散層の照度均一性は、以下の方法で測定される値である。光拡散層試料を水平に置き、試料の上部の高さ300mmの位置に設置した光源(100V6WのLED電球,例えばLDA6D−E17,パナソニック社製)から入射角0°で試料に光を照射する。試料の光照射部からみて照射部からの水平方向に距離300mmの位置から試料面に対して45°方向に試料を撮影するように設置したデジタルカメラ(例えばD90,ニコン社製)を用いて、照射開始から10分後の照射部(視野150mm×250mm)を撮影する。従って得られた画像は、試料の光照射部及びデジタルカメラ直下付近の視野を含んでいる。得られた画像から、輝度測定システム(例えばRISA−DCJ,Hiland社製)を用いた解析で輝度値(cd/m2)を得る。輝度値に基づき、以下の式に従って照度均一性を算出する。
(照度均一性)=(視野内の試料光照射部の輝度値)/(視野内の試料の最大輝度値)
光拡散層は、太陽光導光層からの光の入射角に左右されず、幅広い入射角の入射光を拡散反射させることができる。光拡散層は、例えば、コーティング、シート又は板等の形状を有することができる。光拡散層は、単一層でも多層でもよいが、典型的には単一層である。光拡散層として、従来公知の拡散反射材料を用いてもよい。
好ましい態様において、光拡散層は、ポリマーと光拡散粒子とを含む、コーティング、シート又は板の形状の、光拡散粒子含有ポリマー層である。光拡散粒子としては有機又は無機の種々の材料を使用でき、例えばシリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、ガラスビーズ、樹脂ビーズ等が挙げられる。光拡散効果を良好に得るために、光拡散粒子として白色顔料を用いることが好ましい。白色顔料の好適例は、酸化チタン、硫酸バリウム等である。
好ましい態様において、光拡散粒子の粒径は、低い正反射率を良好に得る観点から、好ましくは約0.08μm以上、又は約0.1μm以上、又は約0.2μm以上であり、高い可視光線反射率を良好に得る観点から、好ましくは約10μm以下、又は約8.0μm以下、又は約5.0μm以下である。粒径はレーザー回折散乱法で測定される値である。
光拡散粒子含有ポリマー層中のポリマーの好ましい例は、ポリオレフィン、塩化ビニルポリマー、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ポリエステル等である。
光拡散粒子含有ポリマー層中の光拡散粒子の量は、光拡散層に所望の特性(特に可視光線反射率、正反射率、及び表面光沢)を与えるように、光拡散粒子の種類に応じて適宜決定される。一般的な態様においては、光拡散粒子含有ポリマー層中の光拡散粒子(特に白色顔料)の量は、ポリマー100質量部に対して、所望の可視光線反射率を実現する観点から好ましくは約20質量部以上、又は約30質量部以上、又は約50質量部以上である。
光拡散粒子含有ポリマー層は、光拡散粒子及びポリマーに加え、追加成分を任意に含有できる。追加成分としては、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。追加成分の種類及び量は光拡散層の所望の特性に応じて適宜設定できる。
光拡散層の厚みは、一般的な態様において、光隠ぺい性及び施工性の観点から、好ましくは約50μm以上、又は約80μm以上、又は約100μm以上であることができ、曲面施工性及び材料不燃性の観点から、好ましくは約500μm以下、又は約300μm以下、又は約250μm以下であることができる。
好ましい態様においては、光拡散粒子を光拡散粒子含有ポリマー層中に均一に分散させる。そのような光拡散粒子含有ポリマー層の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の方法を例示できる。ポリマーと、そのポリマー中に分散した、光拡散粒子及び任意の追加成分を含有する、ペースト又はペイントを準備する。ペースト又はペイントは揮発性溶媒を含んでもよい。このペースト又はペイントを基材上に適用し、固化(例えば、揮発性溶媒の乾燥、又は溶融したポリマーを冷却すること等によって)させる。ペースト又はペイントの適用方法としては、通常のコータ、例えば、バーコータ、ナイフコータ、ロールコータ、ダイコータ等によるコーティング、並びに、溶融押出、及び他の公知の任意の方法が挙げられる。
光拡散粒子含有ポリマー層の表面はマット処理されていてもよい。例えば、マット処理をされて微小な表面凹凸を有する工程基材に光拡散粒子含有ポリマー層の材料配合物をキャストし、その工程基材を剥離することで、表面に微小な表面凹凸を有する光拡散粒子含有ポリマー層を得ることができる。マット処理された工程基材を得る方法としては、例えば、樹脂溶液(例えばシリコーン樹脂溶液)と該樹脂溶液中に分散したシリカ粒子とを含む処理剤を基板(例えば、ポリエステルフィルム等のポリマーフィルム)の表面にコーティングし、乾燥させて、ランダムなマット表面状態を有する工程基材を得る方法が挙げられる。この場合、処理剤中のシリカ粒子の粒径、粒径分布及び配合量等をコントロールすることで、光拡散粒子含有ポリマー層表面の微小な表面凹凸を所望の形態及び寸法に調整することができる。
別の態様において、光拡散粒子を、ストライプパターン、ドットパターン等のパターン状に存在させて光拡散部を形成することもできる。このような光拡散部を有する光拡散粒子含有ポリマー層の形成には、例えば、印刷法、例えばスクリーン印刷法等を有利に使用できる。また、表面に所望のエンボスパターンを形成することで光拡散部を形成することもできる。
<追加の部材>
太陽光導光装置は、基板、太陽光導光層及び光拡散層に加え、追加の部材を更に有してもよい。追加の部材の例としては、前述の光方向転換層、遮熱層等が挙げられる。光方向転換層は、反射性層又は透過性層であることができる。反射性層としては光ダクト用途に使用される公知の層等を使用できる。透過性層としては太陽光導光層と同様の手段で種々設計可能な、複数のプリズム構造を有する層を使用できる。
以下、実施例及び比較例を例示して本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<光拡散層>
以下の光拡散フィルム1〜5につき、以下の特性評価を行った。
Figure 0006092547
塩化ビニル樹脂:ゼオン121(日本ゼオン社製)
可塑剤:アデカザイザーPN260(旭電化工業社製)及びDOP(大八化学工業社製)
酸化チタン:中間粒子径0.5μm(レーザー回折散乱法)
安定化剤:CZ−19J(勝田化工社製)、IM−181PSJ (勝田化工社製)、AP−539(アデカアーガス社製)、Tinuvin326(チバ社製)
光拡散フィルム1〜3は、酸化チタンの含有量が異なる以外は同一の組成である。
光拡散フィルム1、3、及び4については、マット処理をされて微小な表面凹凸を有する工程基材に上記組成で配合された樹脂配合物をキャストし、その工程基材を剥離することで、表面に微小な表面凹凸を有する光拡散フィルムを得た。
マット処理された工程基材は以下の方法で得た。
以下配合の処理剤を調製した。ポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、テトロンフィルムG2)に、処理剤を乾燥厚さが5μmとなるようにナイフコータによって塗布し、乾燥させた(155℃×60秒)。
シリコーン樹脂溶液(KS−847T,信越化学工業社製) 100質量部
白金酸触媒(CAT−PL−50T,信越化学工業社製) 1質量部
トルエン 500質量部
シリカ粒子(OK−421、2次粒子径 3μm(TEM測定),デグサジャパン社製) 6質量部
一方、光拡散フィルム2は、シリカ粒子配合量を1質量部とした以外は上記と同様にして作製した工程基材を用いて作製した。
光拡散フィルム5は、無機フィラーを含有しない発泡ポリエステル樹脂,MC−PET(古河電工社から入手可能)である。
[可視光線反射率]
JIS R−3106−1998に準拠し、分光光度計(日立社製,U−4100)を用い、測定波長380〜780nmにおける全反射率として測定した。
[正反射率]
JIS K−7375−2008に準拠し、分光光度計(コニカミノルタ社製,CM−3700d)を用いて測定波長380〜780nmにて得た測定値から、以下の式に従って算出した。
(正反射率)=((測定されるSCI値)-(測定されるSCE値))/(可視光線反射率)
(式中、可視光線反射率は、上記のJIS R−3106−1998に準拠して得た値である)
[表面光沢]
JISK5600−4−7(60°受光角)に準拠し、光沢度測定計(村上色彩社製、GMX−203)で測定した。
[照度均一性]
試料を水平に置き、試料の上部の高さ300mmの位置に設置した光源(LDA6D−E17,LED電球,パナソニック社製,100V6W)から入射角0°で試料に光を照射した。試料の光照射部からみて照射部からの水平方向に距離300mmの位置から試料面に対して45°方向に試料を撮影するように設置したデジタルカメラ(D90,ニコン社製)を用いて、照射開始から10分後の照射部(視野150mm×250mm)を撮影した。従って得られた画像は、試料の光照射部及びデジタルカメラ直下付近の視野を含んでいる。得られた画像から、輝度測定システム(RISA−DCJ,Hiland社製)を用いた解析で輝度値(cd/m2)を得た。輝度値に基づき、以下の式に従って照度均一性を算出した。
(照度均一性)=(視野内の試料の光照射部輝度値)/(視野内の試料の最大輝度値)
結果を表2に示す。
Figure 0006092547
<太陽光導光装置の照度及び照度均一性>
[実施例1]
導光層として、図1を参照して説明した態様の一例である、図3に示す断面形状のプリズム構造を有するフィルム(プリズムフィルム1)を用いた。プリズムフィルム1において、図1中のB面に対応する面は平面であり、C面及びD面にそれぞれ対応する面は曲面である。プリズム構造はエッジとエッジの間隔が約8μmで配列されている。
試験用空間として、前面が開口した、外寸:奥行450mm×幅350mm×高さ350mm、内寸:奥行420mm×幅290mm×高さ280mmの箱を準備した。すなわち前面の開口部(内寸)は幅290mm×高さ280mmである。箱の内側の、床面及び前面を除く全面に、光拡散フィルム1(光拡散層として)を貼り付けた。厚み5mmのガラス(基板として)に、プリズムフィルム1を導光層(本発明の太陽光導光層に対応する)として貼り付けて得た積層板を、導光層が箱内側になるように該前面の開口部に取り付けて開口部を塞ぎ、窓部とした。光源(遠藤照明社製,ERS3149SによるLED光)から窓部を介して箱内に光を照射した。光源は、箱の前面から前方に350mm離れた、発光面中心高さが350mmの位置に置き、窓部のガラス表面に対する入射角が45°となるように下向きに光を窓部に入射させた。
床面照度
光照射開始から10分後に、色彩照度計(コニカミノルタ社製,CL−200)により、箱の床面の3点(箱前面から奥行方向に、それぞれ50mm(床面1)、225mm(床面2)、及び430mm(床面3)離れた位置の3点)の照度を測定した。
床面照度の均一性
上記で得た床面照度から、以下の式に従って均一性を算出した。
床面照度の均一性=(3点の床面照度のうちの最小値)/(3点の床面照度のうちの最大値)
[比較例1]
光拡散層を光拡散フィルム4に変更したことを除いて実施例1と同様に試験を行った。
[比較例2]
導光層を用いず上記ガラスのみで窓部を形成したことを除いて実施例1と同様に試験を行った。
結果を表3に示す。
Figure 0006092547
本発明は、太陽光を用いた各種建造物の室内照明に好適に適用できる。
100 太陽光導光装置
110 基板
120 太陽光導光層
130 光拡散層
10 フィルム
11 プリズム
本開示は下記も包含する。
[1] 基板と、
複数のプリズム構造を形成する第1表面と平坦な第2表面とを有する、前記基板上に配置された太陽光導光層と、
前記太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置された光拡散層と、
を有する太陽光導光装置であって、
前記太陽光導光層と前記光拡散層とは、前記太陽光導光装置に入射する太陽光が前記光拡散層に到達する前に前記太陽光導光層に到達するように配置されており、
前記光拡散層の可視光線反射率が90%以上、かつ正反射率が2.0%未満である、
太陽光導光装置。
[2] 前記光拡散層が表面光沢25以下を有する、上記態様1に記載の太陽光導光装置。
[3] 前記光拡散層が照度均一性0.5以上を有する、上記態様1又は2に記載の太陽光導光装置。
[4] 前記光拡散層がポリマー及び光拡散粒子を含む、上記態様1〜3のいずれかに記載の太陽光導光装置。
[5] 前記太陽光導光層が、
第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、
第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有し、第2主表面が第1光学フィルムの第1主要構造化表面の構造の実質的に全部と隣接するように配置されてこれらと接触し結合される、第2光学フィルムと
を含む光管理フィルム構成体であって、
第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める光管理フィルム構成体である、上記態様1〜4のいずれかに記載の太陽光導光装置。

Claims (5)

  1. 基板と、
    複数のプリズム構造を形成する第1表面と平坦な第2表面とを有する、前記基板上に配置された光学的に透明な太陽光導光層と、
    前記太陽光導光層からの出射光を受光可能な面上に配置された光拡散層と、
    を有する太陽光導光装置であって、
    前記太陽光導光層と前記光拡散層とは、前記太陽光導光装置に入射する太陽光が前記光拡散層に到達する前に前記太陽光導光層に到達するように配置されており、
    前記太陽光導光層が、光の方向を転換させる層であり、
    前記光拡散層の可視光線反射率が90%以上、かつ正反射率が2.0%未満である、
    太陽光導光装置。
  2. 前記光拡散層が表面光沢25以下を有する、請求項1に記載の太陽光導光装置。
  3. 前記光拡散層が照度均一性0.5以上を有する、請求項1又は2に記載の太陽光導光装置。
  4. 前記光拡散層がポリマー及び光拡散粒子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光導光装置。
  5. 前記太陽光導光層が、
    第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第1光学フィルムであって、第1主表面は非対称構造を含む微細構造化表面を含む、第1光学フィルムと、
    第1主表面及び第1主表面と反対側の第2主表面を有する第2光学フィルムであって、第2光学フィルムの第2主表面が、第1光学フィルムの第1主表面の構造と、隣接するように配置され、接触し、結合される、第2光学フィルムと
    を含む光管理フィルム構成体であって、
    第1光学フィルムの第1主表面及び第2光学フィルムの第2主表面は、第1主表面の構造が一部を占める密閉容積を画定し、構造は画定される合計容積の20〜80%を占める光管理フィルム構成体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽光導光装置。
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