JP2017068097A - 採光フィルム、採光フィルム複合体及びこれらを設置してなる窓 - Google Patents
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Abstract
【課題】窓に入光する太陽光を採光フィルムにて天井方向と床面方向の両方にスプリットさせて天井面方向と床面方向の両方の照度を向上させ室内全体の明るさを高める事ができる採光フィルム、採光フィルム複合体及びこれらを設置してなる窓を提供する。【解決手段】一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルム1であり、該異方性光拡散フィルム1にほぼ垂直にレーザーポインター2の光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインター2の出光方向を傾け、フィルム1に入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルム1を出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向とほぼ対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリットして出光する機能を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、採光フィルム、採光フィルム複合体、及びこれらを設置してなる窓に関する。
従来より、家屋の窓に入射する太陽光を、屋内に効率よく採光する採光フィルムが提案されている(特許文献1〜3参照)。
しかし、これら特許文献1〜3に開示された技術は、表面にレンズ構造が形成されたフィルムを用いてなる方法であるので、例えば、該採光フィルムを家屋の窓に設置した場合に、窓に入光する太陽光を一方向に屈折させて室内に入光する事ができるので、例えば、天井面あるいは床面いずれかの照度を高める事ができる。
しかし、これら特許文献1〜3に開示された技術は、表面にレンズ構造が形成されたフィルムを用いてなる方法であるので、例えば、該採光フィルムを家屋の窓に設置した場合に、窓に入光する太陽光を一方向に屈折させて室内に入光する事ができるので、例えば、天井面あるいは床面いずれかの照度を高める事ができる。
しかし、天井面と床面の両方の照度を高くする事はできない。それゆえ、上記採光フィルムは設置方向を変えることで、天井面あるいは床面のいずれかの照度を高める事ができるが、それぞれ反対側の面の照度はむしろ低くなる。また、これらの採光フィルムはレンズ構造のフィルムよりなるので、高価であり、かつレンズ面に傷が付き易い及びレンズ構造に起因した干渉色が発現する等の課題を有する。
従って、窓に設置した場合に天井面と床面の両方の照度を高める事ができ、かつ上記の課題を解決する採光フィルム及びそれを備えた窓は未だ実現されておらず、その提供が望まれているのが現状である。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、窓に入光する太陽光を採光フィルムにて天井方向と床面方向の両方にスプリットさせて天井面方向と床面方向の両方の照度を向上させ室内全体の明るさを高める事ができ、かつ、安価である等の従来公知の採光フィルムの課題を解決してなる採光フィルム、採光フィルム複合体及びこれらを設置してなる窓を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
(1)一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルムであり、該異方性光拡散フィルムにほぼ垂直にレーザーポインターの光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインターの出光方向を傾け、フィルムに入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルムを出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向とほぼ対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリットして出光する機能を有する事を特徴とする採光フィルム。
(2)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする前記(1)に記載の採光フィルム。
(3)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)と+45度の角度に出光する光の相対光透過度(B)の比((A)/(B))が0.01以上である事を特徴とする前記1又は2に記載の採光フィルム。
(4)フィルム成分と屈折率の異なる微細な部分がフィルムの厚み方向に延びた形で存在する事を特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の採光フィルム。
(5)フィルム内部にフィルムの厚み方向に延びた微細なクレーズが形成されてなるクレーズフィルムである事を特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の採光フィルム。
(6)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムと厚みが0.1〜10mmで、明細書中に記載した方法で測定される0度相対光線透過度が、5以上で、かつ拡散度が30度以下である透光性の基材が複合されてなる採光フィルム複合体。
(7)基材が赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した部材よりなる事を特徴とする前記6に記載の採光フィルム複合体。
(8)基材が紫外線カット機能を有した部材よりなる前記6又は7に記載の採光フィルム複合体。
(9)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムが合わせガラスの中間膜として用いてなる採光フィルム複合体。
(10)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルム複合体の垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルム複合体に対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする前記6〜9のいずれかに記載の採光フィルム複合体。
(11)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムを設置してなる窓。
(12)前記6〜10のいずれかに記載の採光フィルム複合体を設置してなる窓。
(1)一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルムであり、該異方性光拡散フィルムにほぼ垂直にレーザーポインターの光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインターの出光方向を傾け、フィルムに入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルムを出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向とほぼ対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリットして出光する機能を有する事を特徴とする採光フィルム。
(2)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする前記(1)に記載の採光フィルム。
(3)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)と+45度の角度に出光する光の相対光透過度(B)の比((A)/(B))が0.01以上である事を特徴とする前記1又は2に記載の採光フィルム。
(4)フィルム成分と屈折率の異なる微細な部分がフィルムの厚み方向に延びた形で存在する事を特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の採光フィルム。
(5)フィルム内部にフィルムの厚み方向に延びた微細なクレーズが形成されてなるクレーズフィルムである事を特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の採光フィルム。
(6)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムと厚みが0.1〜10mmで、明細書中に記載した方法で測定される0度相対光線透過度が、5以上で、かつ拡散度が30度以下である透光性の基材が複合されてなる採光フィルム複合体。
(7)基材が赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した部材よりなる事を特徴とする前記6に記載の採光フィルム複合体。
(8)基材が紫外線カット機能を有した部材よりなる前記6又は7に記載の採光フィルム複合体。
(9)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムが合わせガラスの中間膜として用いてなる採光フィルム複合体。
(10)明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルム複合体の垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルム複合体に対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする前記6〜9のいずれかに記載の採光フィルム複合体。
(11)前記1〜5のいずれかに記載の採光フィルムを設置してなる窓。
(12)前記6〜10のいずれかに記載の採光フィルム複合体を設置してなる窓。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、窓に入光する太陽光を採光フィルム、採光フィルム複合体及びこれらを設置してなる窓にて天井方向と床面方向の両方に屈折させて天井面と床面の両面の照度を向上させ室内全体の照度を増加させる事ができる。その上、安価である等、従来公知の採光フィルムの課題を解決してなる採光フィルム、採光フィルム複合体、及びこれらを設置してなる窓を提供することができる。
また、本発明の採光フィルムと赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した基材と複合してなる採光フィルム複合体を窓の部材として用いる事により、上記のような照度向上による省エネルギーと太陽光の熱線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。
また、本発明の採光フィルムと紫外線カット機能を有した基材と複合してなる採光フィルム複合体を窓の部材として用いる事により、照度向上による省エネルギー効果に加えて、室内部材や物品の太陽光の紫外線による紫外線劣化の効果が発現できる。
さらに、本発明の採光フィルムを合わせガラスの中間膜として用いる事で、採光フィルムによるスプリット効果に加えてガラスの欠点である耐衝撃性の低さを改善する効果が付加できる。即ち、光のスプリット効果を有した強化ガラスとして展開する事ができる。
また、本発明の採光フィルムと赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した基材と複合してなる採光フィルム複合体を窓の部材として用いる事により、上記のような照度向上による省エネルギーと太陽光の熱線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。
また、本発明の採光フィルムと紫外線カット機能を有した基材と複合してなる採光フィルム複合体を窓の部材として用いる事により、照度向上による省エネルギー効果に加えて、室内部材や物品の太陽光の紫外線による紫外線劣化の効果が発現できる。
さらに、本発明の採光フィルムを合わせガラスの中間膜として用いる事で、採光フィルムによるスプリット効果に加えてガラスの欠点である耐衝撃性の低さを改善する効果が付加できる。即ち、光のスプリット効果を有した強化ガラスとして展開する事ができる。
[採光フィルム]
本発明の採光フィルムは、一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルムであり、該異方性光拡散フィルムにほぼ垂直にレーザーポインターの光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインターの出光方向を傾け、フィルムに入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルムを出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向と対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリット(光のスプリット効果、以下、単にスプリット効果と称する)して出光する機能を有する事が重要である。
例えば、一般に窓の透光材料として広く用いられているガラスを用いた場合は、スプリット効果を有しないので、太陽光は、入光する角度の延長線方向に光が取り込まれるので、床面は非常に明るくなるが、天井面の明るさの向上効果は床面に比べて著しく低い。一方、部屋の明るさ感は、床面だけでなく部屋全体の明るさが重要であり、特に、天井面が明るいことが、明るさを強く感ずる。従って、スプリット効果により、床面のみでなく天井面も明るくできる事は、部屋の明るさを高める点で重要である。
本発明の採光フィルムは、一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルムであり、該異方性光拡散フィルムにほぼ垂直にレーザーポインターの光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインターの出光方向を傾け、フィルムに入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルムを出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向と対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリット(光のスプリット効果、以下、単にスプリット効果と称する)して出光する機能を有する事が重要である。
例えば、一般に窓の透光材料として広く用いられているガラスを用いた場合は、スプリット効果を有しないので、太陽光は、入光する角度の延長線方向に光が取り込まれるので、床面は非常に明るくなるが、天井面の明るさの向上効果は床面に比べて著しく低い。一方、部屋の明るさ感は、床面だけでなく部屋全体の明るさが重要であり、特に、天井面が明るいことが、明るさを強く感ずる。従って、スプリット効果により、床面のみでなく天井面も明るくできる事は、部屋の明るさを高める点で重要である。
[異方性及び拡散方向の確認方法]
確認方法の概略図を図1(1)に示す。
白色系の壁面に採光フィルムや採光フィルム複合体を壁とほぼ平行になるように垂直に垂らして、該採光フィルムの壁面と反対面よりレーザーポインターの光をフィルム面に対してほぼ垂直の方向より照射して、壁面に投影される光の投影像を観察して、該投影像の長径方向と短径方向の幅に対する長径方向の幅の比が1.5以上であれば異方性を有すると判定した。
確認方法の概略図を図1(1)に示す。
白色系の壁面に採光フィルムや採光フィルム複合体を壁とほぼ平行になるように垂直に垂らして、該採光フィルムの壁面と反対面よりレーザーポインターの光をフィルム面に対してほぼ垂直の方向より照射して、壁面に投影される光の投影像を観察して、該投影像の長径方向と短径方向の幅に対する長径方向の幅の比が1.5以上であれば異方性を有すると判定した。
[スプリット効果の確認方法]
確認方法の概略図を図1(2)に示す。
上記図1(1)に示した方法で確認された、長径方向にレーザーポインターの光の角度を傾けた場合に、壁面に投影される光の投影像が、入光角の延長線方向と、該角度のほぼ対角方向の両方方向に光のスポットが生じた場合をスプリット効果ありと判定した。延長線方向と対角方向の光のスポットの明るさの差は問わない。対角方向の光のスポットの明るさが、採光フィルムを窓に組み込んだ場合の天井面の明るさに比例するので、対角方向の光のスポットの明るさが明るい方が好ましい。該対角方向の光のスポットが実質的に見えない場合をスプリット効果が発現しないと判断した。
本発明においては、対角方向以外、例えば、採光フィルムや採光フィルム複合体面に対して鉛直方向や、該鉛直方向と対角方向の中間方向等にもスプリット効果が生ずるマルチスプリット効果の部材であっても良い。
確認方法の概略図を図1(2)に示す。
上記図1(1)に示した方法で確認された、長径方向にレーザーポインターの光の角度を傾けた場合に、壁面に投影される光の投影像が、入光角の延長線方向と、該角度のほぼ対角方向の両方方向に光のスポットが生じた場合をスプリット効果ありと判定した。延長線方向と対角方向の光のスポットの明るさの差は問わない。対角方向の光のスポットの明るさが、採光フィルムを窓に組み込んだ場合の天井面の明るさに比例するので、対角方向の光のスポットの明るさが明るい方が好ましい。該対角方向の光のスポットが実質的に見えない場合をスプリット効果が発現しないと判断した。
本発明においては、対角方向以外、例えば、採光フィルムや採光フィルム複合体面に対して鉛直方向や、該鉛直方向と対角方向の中間方向等にもスプリット効果が生ずるマルチスプリット効果の部材であっても良い。
[採光フィルム及び採光フィルム複合体のスプリット効果の定量化]
本発明における上記スプリット効果は、実施例において詳細に説明する方法で定量化できる。すなわち、上記方法において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事が重要である。該−45度相対光透過度(A)は、採光フィルムを窓に組み込んだ場合の天井面の明るさの尺度になる。従って、該−45度相対光透過度(A)は、出来る限り大きいのが好ましい。該値が1未満ではスプリット効果が不足し、天井面の明るさの向上効果が小さくなるので好ましくない。該−45度相対光透過度(A)は2以上がより好ましい。
本発明における上記スプリット効果は、実施例において詳細に説明する方法で定量化できる。すなわち、上記方法において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事が重要である。該−45度相対光透過度(A)は、採光フィルムを窓に組み込んだ場合の天井面の明るさの尺度になる。従って、該−45度相対光透過度(A)は、出来る限り大きいのが好ましい。該値が1未満ではスプリット効果が不足し、天井面の明るさの向上効果が小さくなるので好ましくない。該−45度相対光透過度(A)は2以上がより好ましい。
本発明の採光フィルム及び採光フィルム複合体は、さらに、明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの前記した方法で検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)と+45度の角度に出光する光の相対光透過度(B)の比((A)/(B))が0.01以上である事が好ましい。0.02以上がより好ましく、0.04以上が更に好ましい。
0.01未満ではではスプリット効果が低下して双方向の照度向上効果が低下するので好ましくない。上限は限定されないが、技術的困難さより2以下が好ましい。
0.01未満ではではスプリット効果が低下して双方向の照度向上効果が低下するので好ましくない。上限は限定されないが、技術的困難さより2以下が好ましい。
[スプリット効果を発現する方法]
スプリット効果を発現する方法は限定されない。例えば、フィルムの構成成分と屈折率の異なる微細な部分がフィルムの厚み方向に延びた形で存在する事が好ましい実施態様である。該屈折率の異なる微細部分に斜めに入光した光が通過することにより、該微細構造界面でのその一部がそのまま通過する角度と対角方向に反射することにより、スプリット効果が発現する。
スプリット効果を発現する方法は限定されない。例えば、フィルムの構成成分と屈折率の異なる微細な部分がフィルムの厚み方向に延びた形で存在する事が好ましい実施態様である。該屈折率の異なる微細部分に斜めに入光した光が通過することにより、該微細構造界面でのその一部がそのまま通過する角度と対角方向に反射することにより、スプリット効果が発現する。
[クレーズフィルム及びその製造方法]
上記構造を形成する方法も限定されないが、フィルム内部にフィルムの厚み方向に延びた微細なクレーズが形成されてなるクレーズフィルムである事が好ましい。
上記構造を形成する方法も限定されないが、フィルム内部にフィルムの厚み方向に延びた微細なクレーズが形成されてなるクレーズフィルムである事が好ましい。
上記クレーズフィルムとしては、例えば、特開平7−241917号公報において開示されて方法が挙げられるが限定されない。
例えば、クレーズフィルムの製造方法として、以下の方法を例示する事ができる。緊張状態に保持された透明性あるいは半透明性の高分子樹脂フィルム面に、先端部が鋭角の支持体を押し付けることにより該高分子樹脂フィルムをその分子配向方向と略平行に折り曲げてそこに局部的な折り曲げ部を形成し、その後高分子樹脂フィルムを支持体の先端部に接触させつつ前記折り曲げ部における折り曲げ線に対して直交する方向に引っ張ることにより、該高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に連続的な縞状のクレーズ領域を形成する。
ここでいうクレーズ領域とは、高分子樹脂フィルムの表面に現れる表面クレーズとその内部に発生する内部クレーズの両方を含むものであって、細かなひび状の模様を有する領域をいう。そしてこのクレーズは、分子束(フィブリル)とボイドから構成されており、全体としてスポンジの構造に似たものとなっている。
[透明性あるいは半透明性高分子樹脂フィルムの種類]
上記のクレーズフィルムの製造に用いられる透明性あるいは半透明性の高分子樹脂フィルムの種類は、例えば、上記方法でクレーズが発現できるフィルムであれば限定されない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂を用いたフィルムが挙げられる。これらの樹脂で、結晶性の低い樹脂を用いるのが好ましい。
上記のクレーズフィルムの製造に用いられる透明性あるいは半透明性の高分子樹脂フィルムの種類は、例えば、上記方法でクレーズが発現できるフィルムであれば限定されない。例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリカーボネート系樹脂を用いたフィルムが挙げられる。これらの樹脂で、結晶性の低い樹脂を用いるのが好ましい。
[クレーズフィルムの構造]
本発明のクレーズフィルム製造するための透明性あるいは半透明性のフィルムは、単層構造であっても良いし、多層構造であっても構わない。後者の多層構造において、各層の厚み比や樹脂種の変更等で、本発明の採光フィルムの最も重要な特性であるスプリット効果特性を制御する事ができるので、多層構造が好ましい。
本発明のクレーズフィルム製造するための透明性あるいは半透明性のフィルムは、単層構造であっても良いし、多層構造であっても構わない。後者の多層構造において、各層の厚み比や樹脂種の変更等で、本発明の採光フィルムの最も重要な特性であるスプリット効果特性を制御する事ができるので、多層構造が好ましい。
[クレーズフィルムのスプリット効果の制御方法]
本発明においては、クレーズフィルムのスプリット効果の制御方法は限定されない。例えば、クレーズ形成工程において、張力や処理速度を変化させる事によって制御しても良いし、クレーズ処理をするフィルムの樹脂種や、多層構造の層構成比等を変えることによって行ってもよい。特に、後者の方法が有効であるので、好ましい実施態様である。
本発明においては、クレーズフィルムのスプリット効果の制御方法は限定されない。例えば、クレーズ形成工程において、張力や処理速度を変化させる事によって制御しても良いし、クレーズ処理をするフィルムの樹脂種や、多層構造の層構成比等を変えることによって行ってもよい。特に、後者の方法が有効であるので、好ましい実施態様である。
[採光フィルム複合体]
本発明においては、採光フィルムを、既存の窓のガラス面等に貼り合わせて用いても良いが、新規に施工する場合は、採光フィルムのみでは、強度や剛性が不足する場合があるので、透光性の基材と複合してなる採光フィルム複合体として用いるのが好ましい実施態様である。すなわち、本発明のフィルム複合体は、採光フィルムと厚みが0.1〜10mmで、明細書中に記載した方法で測定される0度相対光線透過度が3以上で、かつ拡散度が30度以下である透光性の基材と複合してなる事が好ましい。厚みは0.5〜8mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。相対光線透過度は2以上がより好ましい。上限は限定されないが、2000程度である。また、拡散度は25度以下が好ましい。下限は限定されないが、1度程度である。
厚みが0.1mm未満の場合は基材複合による支持体としての効果が不足するので好ましくない。逆に、10mmを超えると支持体効果が飽和し、かつ経済性が悪化するので好ましくない。
相対光線透過度が3未満あるいは、拡散度が30度を超えると−45度相対光透過度(A)が1未満になり、照度向上効果やスプリット効果が低下するので好ましくない。相対光線透過度の上限及び拡散度の下限は限定されない。前者は約2000程度であり、後者は1程度が好ましい。
本発明においては、採光フィルムを、既存の窓のガラス面等に貼り合わせて用いても良いが、新規に施工する場合は、採光フィルムのみでは、強度や剛性が不足する場合があるので、透光性の基材と複合してなる採光フィルム複合体として用いるのが好ましい実施態様である。すなわち、本発明のフィルム複合体は、採光フィルムと厚みが0.1〜10mmで、明細書中に記載した方法で測定される0度相対光線透過度が3以上で、かつ拡散度が30度以下である透光性の基材と複合してなる事が好ましい。厚みは0.5〜8mmが好ましく、1〜5mmがより好ましい。相対光線透過度は2以上がより好ましい。上限は限定されないが、2000程度である。また、拡散度は25度以下が好ましい。下限は限定されないが、1度程度である。
厚みが0.1mm未満の場合は基材複合による支持体としての効果が不足するので好ましくない。逆に、10mmを超えると支持体効果が飽和し、かつ経済性が悪化するので好ましくない。
相対光線透過度が3未満あるいは、拡散度が30度を超えると−45度相対光透過度(A)が1未満になり、照度向上効果やスプリット効果が低下するので好ましくない。相対光線透過度の上限及び拡散度の下限は限定されない。前者は約2000程度であり、後者は1程度が好ましい。
[基材の材質]
採光フィルムの基材の材質は、上記特性を有しておれば、適宜選択できる。例えば、プラスチックス、ガラス及びセラミックス等が挙げられる。
採光フィルムの基材の材質は、上記特性を有しておれば、適宜選択できる。例えば、プラスチックス、ガラス及びセラミックス等が挙げられる。
[採光フィルム複合体の製造方法]
採光フィルム複合体の製造方法は限定されない。例えば、上記した採光フィルムと基材とを透光性の粘着剤や接着剤で貼着して製造する方法が上げられる。既存の窓のガラス面等に貼り合わせて複合体を製造する方法も含まれる。
採光フィルム複合体の製造方法は限定されない。例えば、上記した採光フィルムと基材とを透光性の粘着剤や接着剤で貼着して製造する方法が上げられる。既存の窓のガラス面等に貼り合わせて複合体を製造する方法も含まれる。
[基材の機能]
採光フィルムの基材は、透光性以外に赤外線吸収、赤外線反射機能あるいは紫外線カット機能との他の光学機能を有しているのが好ましい実施態様である。該光学特性機能を付与する事でクレーズフィルムによるスプリット効果に加えて他の光学特性を付加する事ができる。例えば、赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した基材を用いる事で、上記のような照度向上による省エネルギーと太陽光の赤外線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。また、紫外線カット機能を付加することにより、照度向上による省エネルギー効果に加えて、室内部材や物品の太陽光の紫外線による紫外線劣化の効果が発現できる。
採光フィルムの基材は、透光性以外に赤外線吸収、赤外線反射機能あるいは紫外線カット機能との他の光学機能を有しているのが好ましい実施態様である。該光学特性機能を付与する事でクレーズフィルムによるスプリット効果に加えて他の光学特性を付加する事ができる。例えば、赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した基材を用いる事で、上記のような照度向上による省エネルギーと太陽光の赤外線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。また、紫外線カット機能を付加することにより、照度向上による省エネルギー効果に加えて、室内部材や物品の太陽光の紫外線による紫外線劣化の効果が発現できる。
[基材への機能性付与方法]
基材への上記機能を付与する方法は限定されない。例えば、基材に上記機能を発現する機能性の部材を配合する方法や基材表面に該機能を発現する部材を配合した機能層を積層する等の方法が挙げられる。また、基材に上記機能を発現する機能性の部材を配合する方法は、基材の全体に配合しても良いし、基材を多層構造にしてその一部の層に配合しても良い。
基材への上記機能を付与する方法は限定されない。例えば、基材に上記機能を発現する機能性の部材を配合する方法や基材表面に該機能を発現する部材を配合した機能層を積層する等の方法が挙げられる。また、基材に上記機能を発現する機能性の部材を配合する方法は、基材の全体に配合しても良いし、基材を多層構造にしてその一部の層に配合しても良い。
[採光フィルムの合わせガラスの中間膜としての展開]
本発明の採光フィルム複合体としては、前記した採光フィルムを合わせガラスの中間層として用いてなる方法が好ましい実施対応である。該方法で展開する事により、採光フィルムによるスプリット効果に加えてガラスの欠点である耐衝撃性の低さを改善する効果が付加できる。即ち、スプリット効果を有した強化ガラスとして展開する事ができる。
該展開方法は、公知技術で作成されたレンズ構造よりなる採光フィルムの場合は、ガラスとの貼り合わせによりレンズ構造が接着剤や粘着剤により埋められてしまうので、採光機能が低下する。従って、本発明の採光フィルムを用いてのみ、初めて展開できる実施態様である。
本発明の採光フィルム複合体としては、前記した採光フィルムを合わせガラスの中間層として用いてなる方法が好ましい実施対応である。該方法で展開する事により、採光フィルムによるスプリット効果に加えてガラスの欠点である耐衝撃性の低さを改善する効果が付加できる。即ち、スプリット効果を有した強化ガラスとして展開する事ができる。
該展開方法は、公知技術で作成されたレンズ構造よりなる採光フィルムの場合は、ガラスとの貼り合わせによりレンズ構造が接着剤や粘着剤により埋められてしまうので、採光機能が低下する。従って、本発明の採光フィルムを用いてのみ、初めて展開できる実施態様である。
[採光フィルム複合体における採光フィルムの複合方法]
本発明における支持体と採光フィルムの複合方法や合わせガラスの製造方法も限定されない。例えば、透光性の接着剤や粘着剤で積層する方法が挙げられる。
本発明における支持体と採光フィルムの複合方法や合わせガラスの製造方法も限定されない。例えば、透光性の接着剤や粘着剤で積層する方法が挙げられる。
[採光フィルム複合体の特性]
本発明の採光フィルム複合体は、実施例において詳細に説明する方法で光の拡散方向に採光フィルム複合体の垂線方向に対して−45度の角度で採光フィルム複合体に光を入光した時に、−45度で出光した−45度相対光透過度(A)が1以上である事が好ましい。該−45度相対光透過度(A)は、採光フィルム複合体を窓の部材として用いた場合の天井面の明るさの尺度になる。従って、該−45度相対光透過度(A)は、出来る限り大きいのが好ましい。
該値が0.1未満ではスプリット効果が不足し、天井面の明るさの向上効果が小さくなるので好ましくない。該−45度相対光透過度(A)は2以上がより好ましい。
本発明の採光フィルム複合体は、実施例において詳細に説明する方法で光の拡散方向に採光フィルム複合体の垂線方向に対して−45度の角度で採光フィルム複合体に光を入光した時に、−45度で出光した−45度相対光透過度(A)が1以上である事が好ましい。該−45度相対光透過度(A)は、採光フィルム複合体を窓の部材として用いた場合の天井面の明るさの尺度になる。従って、該−45度相対光透過度(A)は、出来る限り大きいのが好ましい。
該値が0.1未満ではスプリット効果が不足し、天井面の明るさの向上効果が小さくなるので好ましくない。該−45度相対光透過度(A)は2以上がより好ましい。
[採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓]
[構成]
本発明の採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の構成は限定されない。例えば、粘着加工をした採光フィルムを、既に、建物の窓に設置されているガラス等の透光部材の表面に貼り付けて用いてもよいし、採光フィルム複合体を新規な窓材として建物に組み込んでも良い。採光フィルム複合体として用いる場合は、複数枚の透光部材の中間部に組み込んでも良い。該方法は、例えば、透光部材がガラス等の耐衝撃性の劣る部材を用いた場合は補強効果が発現するので、好ましい実施態様である。
[構成]
本発明の採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の構成は限定されない。例えば、粘着加工をした採光フィルムを、既に、建物の窓に設置されているガラス等の透光部材の表面に貼り付けて用いてもよいし、採光フィルム複合体を新規な窓材として建物に組み込んでも良い。採光フィルム複合体として用いる場合は、複数枚の透光部材の中間部に組み込んでも良い。該方法は、例えば、透光部材がガラス等の耐衝撃性の劣る部材を用いた場合は補強効果が発現するので、好ましい実施態様である。
[設置場所]
採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の設置場所も限定されない。例えば、部屋の側面の壁に設けることが好ましい。該設置方法により前記した本発明の採光フィルムのスプリット効果を有効に発現する事ができる。しかし、該方法に限定されない。例えば、天井面に備えても良い。天井面に備えた場合は、スプリット効果が床面の平面上の照度の広がりを広げる事ができる。従って、それぞれの設置場所で用いてもよいし、両方に設置して用いても良い。
採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の設置場所も限定されない。例えば、部屋の側面の壁に設けることが好ましい。該設置方法により前記した本発明の採光フィルムのスプリット効果を有効に発現する事ができる。しかし、該方法に限定されない。例えば、天井面に備えても良い。天井面に備えた場合は、スプリット効果が床面の平面上の照度の広がりを広げる事ができる。従って、それぞれの設置場所で用いてもよいし、両方に設置して用いても良い。
[設置態様]
採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の設置態様については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。窓全体に設置してもよいし、例えば、上部のみに設置して下部は、例えば、ブラインドやカーテン等を設ける複合方式であっても良い。例えば、部屋の側面の壁に設ける場合はスプリット方向が天井面と床面方向に垂直になるように設置するのが好ましい。該方向に設置する事で、天井面と床面の両方の照度を高めることができ、部屋全体を明るくすることができる。
また、採光フィルムを、窓の内側(屋内側)になるように設置しても良いし、窓の外側(屋外側)に設置しても良い。窓の内側(屋内側)になるように設置した方が、屋外の環境変化によって採光フィルムの劣化を防ぐことができるので好ましい実施態様である。
採光フィルムあるいは採光フィルム複合体を備えた窓の設置態様については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。窓全体に設置してもよいし、例えば、上部のみに設置して下部は、例えば、ブラインドやカーテン等を設ける複合方式であっても良い。例えば、部屋の側面の壁に設ける場合はスプリット方向が天井面と床面方向に垂直になるように設置するのが好ましい。該方向に設置する事で、天井面と床面の両方の照度を高めることができ、部屋全体を明るくすることができる。
また、採光フィルムを、窓の内側(屋内側)になるように設置しても良いし、窓の外側(屋外側)に設置しても良い。窓の内側(屋内側)になるように設置した方が、屋外の環境変化によって採光フィルムの劣化を防ぐことができるので好ましい実施態様である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。各実施例、比較例で得られた試料についての物性測定方法は以下の通りである。
(1)スプリット効果の定量方法
変角分光測色システムGCMS−4型(株式会社村上色彩技術研究所製、変角分光光度計GPS−2型)を用いて透過光強度の測定を行った。
まず、上記GCMS−4型用の透過光拡散標準板(オパールガラス)を用いて装置の校正を行い、該透過光拡散標準板の受光角度0°における透過光強度Tを基準(1.000)とした。なお、上記透過拡散標準板は、積分球式分光計測で空気層を1.000とした時の波長550nmの透過率が0.3535であった。
次に、透過測定のrモード(一定入射角で変角の透過光強度を測定)で測定した。測定条件は以下とした。
光線入射角:−45°、受光角度:−80°から80°までを5°ピッチ(フィルム法線からの極角方位角は水平)、光源:D65、視野:2°の条件で、試料(採光フィルムあるいは採光フィルム複合体)の主光拡散方向が水平方向になるように試料台に固定(試料台の軸と主光拡散方向の軸とのずれは20°程度までは許容される。主拡散方向は、試料のフィルムやフィルム複合体にレーザーポインターの光を当てる事により、図1(1)に示した方法で評価できる)し、各受光角度における透過光強度を測定した。あおり角は0°とした。採光フィルム複合体の場合は、窓の透光部材として使用する場合と同じ方向より光を入光して測定するのが好ましい。
上記方法で、測定される−45度の相対光線透過度(A)及び+45度の相対光線透過度(B)を求めた。−45度の相対光線透過度(A)及び+45度の相対光線透過度(B)共に、波長550nmの値で表示した。
波長550nmの値で表示したのは、視感強度との相関性が高いとされているためである。
スプリット効果は、−45度の相対光線透過度(A)/+45度の相対光線透過度(B)の値で表示した。
変角分光測色システムGCMS−4型(株式会社村上色彩技術研究所製、変角分光光度計GPS−2型)を用いて透過光強度の測定を行った。
まず、上記GCMS−4型用の透過光拡散標準板(オパールガラス)を用いて装置の校正を行い、該透過光拡散標準板の受光角度0°における透過光強度Tを基準(1.000)とした。なお、上記透過拡散標準板は、積分球式分光計測で空気層を1.000とした時の波長550nmの透過率が0.3535であった。
次に、透過測定のrモード(一定入射角で変角の透過光強度を測定)で測定した。測定条件は以下とした。
光線入射角:−45°、受光角度:−80°から80°までを5°ピッチ(フィルム法線からの極角方位角は水平)、光源:D65、視野:2°の条件で、試料(採光フィルムあるいは採光フィルム複合体)の主光拡散方向が水平方向になるように試料台に固定(試料台の軸と主光拡散方向の軸とのずれは20°程度までは許容される。主拡散方向は、試料のフィルムやフィルム複合体にレーザーポインターの光を当てる事により、図1(1)に示した方法で評価できる)し、各受光角度における透過光強度を測定した。あおり角は0°とした。採光フィルム複合体の場合は、窓の透光部材として使用する場合と同じ方向より光を入光して測定するのが好ましい。
上記方法で、測定される−45度の相対光線透過度(A)及び+45度の相対光線透過度(B)を求めた。−45度の相対光線透過度(A)及び+45度の相対光線透過度(B)共に、波長550nmの値で表示した。
波長550nmの値で表示したのは、視感強度との相関性が高いとされているためである。
スプリット効果は、−45度の相対光線透過度(A)/+45度の相対光線透過度(B)の値で表示した。
(2)0度相対光線透過度及び拡散度
(1)項の測定方法において、光線入射角を、0度°(サンプルに対して垂線方向)に変更する事で同様の測定を行い、0度の相対光透過度を求めた。波長550nmの値で表示した。拡散度は、波長550nmの0度の相対光透過度を100%としたとき、波長550nmの相対光透過度が50%になるときの+側の角度で表示した。
(1)項の測定方法において、光線入射角を、0度°(サンプルに対して垂線方向)に変更する事で同様の測定を行い、0度の相対光透過度を求めた。波長550nmの値で表示した。拡散度は、波長550nmの0度の相対光透過度を100%としたとき、波長550nmの相対光透過度が50%になるときの+側の角度で表示した。
(4)部屋モデルによる天井面及び床面の照度測定
図2に示した概略図の黒色の金属で作った部屋モデルで測定した。部屋モデルの壁面の中央部に採光部材を設置して、該採光部材の中心部にLED光源の懐中電灯で光を入光して天井面及び床面の照度を測定した。実際の測定は、図2で示した部屋モデルを図3に示すように、(有)ハイランド社製のMC−2D型ゴニオメーター方式二軸回転機構の中に組み込み、光源であるLED懐中電灯をゴニオメーター機構に取り付けて入光角度を変更することにより測定した。入光角度は−50度、−45度、−30度、+30度、+45度及び+50度の設定で測定した。−側及び+側の両方の角度で測定したのは、2個の照度計で測定した場合の、2個の照度計間による測定値や、照度計の位置設定差を排除するため処置である。
一方、入光角毎に照度計位置を変更して測定したのは、入光角が小さくなるに従い光が部屋の奥にまで届くためである。入光角を30度、45度及び55度に設定した場合にそれぞれに対して、採光部材の出光面より400mm、300mm及び200mmの位置で測定した。照度計の位置は受光部をスライドして位置変化できる構造になっている。スライド部の横に位置を決めるメジャーを設置し、該メジャーにより位置決めをして測定した。なお、照度計の幅方向の位置は、天井面及び床面共に幅方向の中心部とした。
光源は、配光角が16度のLED光源の懐中電灯を用いた。照度計は、受光部径が14mmφの小型デジタル照度計IM−5M((株)トプコンテクノハウス社製)を用いた。
以上の測定は、暗室において実施した。
図2に示した概略図の黒色の金属で作った部屋モデルで測定した。部屋モデルの壁面の中央部に採光部材を設置して、該採光部材の中心部にLED光源の懐中電灯で光を入光して天井面及び床面の照度を測定した。実際の測定は、図2で示した部屋モデルを図3に示すように、(有)ハイランド社製のMC−2D型ゴニオメーター方式二軸回転機構の中に組み込み、光源であるLED懐中電灯をゴニオメーター機構に取り付けて入光角度を変更することにより測定した。入光角度は−50度、−45度、−30度、+30度、+45度及び+50度の設定で測定した。−側及び+側の両方の角度で測定したのは、2個の照度計で測定した場合の、2個の照度計間による測定値や、照度計の位置設定差を排除するため処置である。
一方、入光角毎に照度計位置を変更して測定したのは、入光角が小さくなるに従い光が部屋の奥にまで届くためである。入光角を30度、45度及び55度に設定した場合にそれぞれに対して、採光部材の出光面より400mm、300mm及び200mmの位置で測定した。照度計の位置は受光部をスライドして位置変化できる構造になっている。スライド部の横に位置を決めるメジャーを設置し、該メジャーにより位置決めをして測定した。なお、照度計の幅方向の位置は、天井面及び床面共に幅方向の中心部とした。
光源は、配光角が16度のLED光源の懐中電灯を用いた。照度計は、受光部径が14mmφの小型デジタル照度計IM−5M((株)トプコンテクノハウス社製)を用いた。
以上の測定は、暗室において実施した。
[採光フィルムの製造法及び特性]
1.採光フィルムA
[フィルムの製膜]
3台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、ホモポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 MA3U メルトフローレート:15(230℃))100重量部を表面層となるように押し出し、第2の押し出し機にて、ホモポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 MA3U メルトフローレート:15(230℃))20重量部とエチレンとブテンが共重合された共重合ポリプロピレン樹脂(住友化学株式会社製 WF345S メルトフローレート:10(230℃))80重量部を中間層となるように押し出し、さらに第3の押し出し機にて、エチレンが共重合された共重合ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 WINTEC WFX4 メルトフローレート:10(230℃))100重量部を第1の押し出し機より押し出した層とは反対面となる表層になるように溶融押し出しをして、Tダイの中で3種3層構成となる様に積層後、第1の押し出し機より押し出した層が、冷却ロールに接触巻き取る様にして、総厚み40μmのフィルムを得た。
層厚み構成は第1の押し出し機より押し出した層側から、8/29/3(μm)であった。
1.採光フィルムA
[フィルムの製膜]
3台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、ホモポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 MA3U メルトフローレート:15(230℃))100重量部を表面層となるように押し出し、第2の押し出し機にて、ホモポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 MA3U メルトフローレート:15(230℃))20重量部とエチレンとブテンが共重合された共重合ポリプロピレン樹脂(住友化学株式会社製 WF345S メルトフローレート:10(230℃))80重量部を中間層となるように押し出し、さらに第3の押し出し機にて、エチレンが共重合された共重合ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ株式会社製 WINTEC WFX4 メルトフローレート:10(230℃))100重量部を第1の押し出し機より押し出した層とは反対面となる表層になるように溶融押し出しをして、Tダイの中で3種3層構成となる様に積層後、第1の押し出し機より押し出した層が、冷却ロールに接触巻き取る様にして、総厚み40μmのフィルムを得た。
層厚み構成は第1の押し出し機より押し出した層側から、8/29/3(μm)であった。
[クレーズの形成]
上記の様にして得られたフィルムに、第1の押し出し機より押し出した層側からクレーズ加工を以下の様にして実施した。スプリングとネジにより上下動して高分子樹脂フィルムの張力を調整する補助具と、先端部が鋭角の支持体とを備えたクレージング装置を使用する。まず、緊張状態に保持した上記フィルム面に、支持体の先端部を押し付けてこれを折り曲げると共に、この高分子樹脂フィルムに補助具により一定の張力を与え、そして高分子樹脂フィルムを支持体に接触させつつ引っ張る。これにより、高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に連続的なクレーズ領域を有するフィルムを得た。
上記の様にして得られたフィルムに、第1の押し出し機より押し出した層側からクレーズ加工を以下の様にして実施した。スプリングとネジにより上下動して高分子樹脂フィルムの張力を調整する補助具と、先端部が鋭角の支持体とを備えたクレージング装置を使用する。まず、緊張状態に保持した上記フィルム面に、支持体の先端部を押し付けてこれを折り曲げると共に、この高分子樹脂フィルムに補助具により一定の張力を与え、そして高分子樹脂フィルムを支持体に接触させつつ引っ張る。これにより、高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行に連続的なクレーズ領域を有するフィルムを得た。
2.採光フィルムB
上記採光フィルムAに於いて、層構成を、12/25/3(μm)とした以外は、採光フィルムAと同様の方法で、フィルムを得た。
上記採光フィルムAに於いて、層構成を、12/25/3(μm)とした以外は、採光フィルムAと同様の方法で、フィルムを得た。
3.採光フィルムC
上記採光フィルムAに於いて、第3の押し出し機から押し出す樹脂を、ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製 F222 メルトフローレート:2(190℃))100重量部とし、層構成を、8/29/8(μm)とした以外は、採光フィルムAと同様の方法で、フィルムを得た。
上記採光フィルムAに於いて、第3の押し出し機から押し出す樹脂を、ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン株式会社製 F222 メルトフローレート:2(190℃))100重量部とし、層構成を、8/29/8(μm)とした以外は、採光フィルムAと同様の方法で、フィルムを得た。
4.採光フィルムD
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)SE800 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、総厚み56μmの両面に熱密着層が積層された光拡散部材光拡散フィルム8を得た。その特性を表1に示す。なお、上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は8/40/8(μm)であった。
第1の押し出し機の押し出し温度は230℃とし、第2の押し出し機温度は250℃とした。
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)SE800 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))が両表層となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより、総厚み56μmの両面に熱密着層が積層された光拡散部材光拡散フィルム8を得た。その特性を表1に示す。なお、上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。層厚み構成は8/40/8(μm)であった。
第1の押し出し機の押し出し温度は230℃とし、第2の押し出し機温度は250℃とした。
5.採光フィルムE
(株)きもとの拡散フィルムであるライトビームフィルム(商標登録)100LSEを用いた。
(株)きもとの拡散フィルムであるライトビームフィルム(商標登録)100LSEを用いた。
上記採光フィルムの特性を表1に示す。
スプリット効果特性は、壁の窓に採光フィルムを設置した場合の天井面と床面への光の配分度合いを示す特性である。−45度で入光している。従ってー45の相対光透過度が天井面に配分される光の度合いを示しており、+45度の相対光透過度が床面に配分される光の度合いを示している。従って、スプリット効果の値が高い方が天井面への配分が高くなる。一般には、天井面が明るい方が部屋の明るさが明るく感ずるので、スプリット効果の値が高い方が好ましいと言える。
表1には、実施例において記載した方法により求められた値を絶対値で表示した結果と共に、該値を対数値として表示した変換値も合わせて表示した。というのは、相対光透過度の対数値と照度とが相関している。従って、採光フィルムを設置した場合の部屋の天井面と床面の照度の比との関係は対数表示の方がより実体にあっている。ただし、対数表示では、相対光透過度が1の場合に0になる。従って、+45度の相対光透過度が1の場合に、スプリット効果の値が無限大となるので好ましくない。そこで、本発明においては、絶対値表示を用いている。従って、スプリット効果の値の下限は照度比の値より著しく低い値まだ許容される事になる。
スプリット効果特性は、壁の窓に採光フィルムを設置した場合の天井面と床面への光の配分度合いを示す特性である。−45度で入光している。従ってー45の相対光透過度が天井面に配分される光の度合いを示しており、+45度の相対光透過度が床面に配分される光の度合いを示している。従って、スプリット効果の値が高い方が天井面への配分が高くなる。一般には、天井面が明るい方が部屋の明るさが明るく感ずるので、スプリット効果の値が高い方が好ましいと言える。
表1には、実施例において記載した方法により求められた値を絶対値で表示した結果と共に、該値を対数値として表示した変換値も合わせて表示した。というのは、相対光透過度の対数値と照度とが相関している。従って、採光フィルムを設置した場合の部屋の天井面と床面の照度の比との関係は対数表示の方がより実体にあっている。ただし、対数表示では、相対光透過度が1の場合に0になる。従って、+45度の相対光透過度が1の場合に、スプリット効果の値が無限大となるので好ましくない。そこで、本発明においては、絶対値表示を用いている。従って、スプリット効果の値の下限は照度比の値より著しく低い値まだ許容される事になる。
(表1)
[基材の種類及び特性]
表2に示す特性の日本ポリエステル(株)社製のポリカーボネート板を用いた。
表2に示す特性の日本ポリエステル(株)社製のポリカーボネート板を用いた。
(表2)
表2
表2
[採光フィルムと基材との複合体の特性]
結果を表3に示す。
結果を表3に示す。
(表3)
表3
表3
[実施例1〜7及び比較例1〜5]
表3に示した系について、前述した部屋モデルによる天井面及び床面の照度測定法に従い、天井面及び床面の照度を測定した。結果を表4に示す。
なお、粘着剤で複合した系は実施例1のみである。粘着剤は光学用の粘着剤を用いた。該粘着剤は、株式会社寺岡製作所製ポリエステルフィルム両面粘着テープ:製品番号761を用いた。他の系は水で貼着するモデル評価で評価した。実施例1と実施例2との比較より、粘着剤で貼着する事で天井面及び床面共に照度を高めることができる。接着剤と水との屈折率差により引き起こされていると推察している。すなわち、粘着剤や接着剤で貼着する事でモデル評価結果より、より好ましい結果が得られると考えている。
本発明の要件を満たすことにより初めて天井面を明るくできる事が示されている。また、採光フィルムの特性制御や基材の特性を変える事で、天井面と床面の明るさの比を変える事が示されている。
実施例1〜6の場合は、基材にUVカット性能が付与されているので、基材自体の耐光性が改善されていると共に、室内の物品の紫外線劣化を防ぐ機能も付加されている。
実施例7の場合は、基材が熱線カット性を有しているので、照度向上による省エネルギーと太陽光の熱線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。
表4より、本発明の要件を満たす事により、初めて、本発明の効果が顕著に発現できる事が判る。
表3に示した系について、前述した部屋モデルによる天井面及び床面の照度測定法に従い、天井面及び床面の照度を測定した。結果を表4に示す。
なお、粘着剤で複合した系は実施例1のみである。粘着剤は光学用の粘着剤を用いた。該粘着剤は、株式会社寺岡製作所製ポリエステルフィルム両面粘着テープ:製品番号761を用いた。他の系は水で貼着するモデル評価で評価した。実施例1と実施例2との比較より、粘着剤で貼着する事で天井面及び床面共に照度を高めることができる。接着剤と水との屈折率差により引き起こされていると推察している。すなわち、粘着剤や接着剤で貼着する事でモデル評価結果より、より好ましい結果が得られると考えている。
本発明の要件を満たすことにより初めて天井面を明るくできる事が示されている。また、採光フィルムの特性制御や基材の特性を変える事で、天井面と床面の明るさの比を変える事が示されている。
実施例1〜6の場合は、基材にUVカット性能が付与されているので、基材自体の耐光性が改善されていると共に、室内の物品の紫外線劣化を防ぐ機能も付加されている。
実施例7の場合は、基材が熱線カット性を有しているので、照度向上による省エネルギーと太陽光の熱線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。
表4より、本発明の要件を満たす事により、初めて、本発明の効果が顕著に発現できる事が判る。
(表4)
表4
表4
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、窓に入射する太陽光を採光フィルムにて天井方向と床面方向の両方に屈折させて天井面方向と床面方向の両方の照度を向上させ室内全体の照度を増加させ、かつ、安価である等の従来公知の採光フィルムの課題を解決してなる採光フィルム、採光フィルム複合体、及びこれらを設置してなる窓を提供することができる。
また、本発明の採光フィルムと赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した部材よりなる基材と複合してなる採光フィルム複合体を窓の部材として用いる事により、上記のような照度向上による省エネルギーと太陽光の熱線カットによる省エネルギーの光と熱の二つの省エネルギー効果を発現する事ができる。従って、産業界への寄与は大きい。
1 サンプル(採光フィルム、採光フィルム複合体)
2 レーザーポインター
3 壁面
4 透過光の投影図
5 部屋モデル治具
6 採光部材(採光フィルム、採光フィルム複合体)
7 LED懐中電灯
8 照度計
Θ 入光角
2 レーザーポインター
3 壁面
4 透過光の投影図
5 部屋モデル治具
6 採光部材(採光フィルム、採光フィルム複合体)
7 LED懐中電灯
8 照度計
Θ 入光角
Claims (12)
- 一方向に光が拡散する異方性光拡散フィルムであり、該異方性光拡散フィルムにほぼ垂直にレーザーポインターの光を当てる事により確認できる光の拡散方向に、該レーザーポインターの出光方向を傾け、フィルムに入光する光の角度がフィルム面に対して斜めになるように変化させた場合に、フィルムを出光する光の投影像が該入光方向の延長方向のみでなく、該延長方向とほぼ対角方向にも投影像が現れる光が少なくとも2方向にスプリットして出光する機能を有する事を特徴とする採光フィルム。
- 明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルムの垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする請求項1に記載の採光フィルム。
- 明細書中に記載した方法で測定される、請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルムに対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)と+45度の角度に出光する光の相対光透過度(B)の比((A)/(B))が0.01以上である事を特徴とする請求項1又は2に記載の採光フィルム。
- フィルム成分と屈折率の異なる微細な部分がフィルムの厚み方向に延びた形で存在する事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の採光フィルム。
- フィルム内部にフィルムの厚み方向に延びた微細なクレーズが形成されてなるクレーズフィルムである事を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の採光フィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の採光フィルムと厚みが0.1〜10mmで、明細書中に記載した方法で測定される0度相対光線透過度が、5以上で、かつ拡散度が30度以下である透光性の基材とが複合されてなる事を特徴とする採光フィルム複合体。
- 基材が赤外線吸収あるいは赤外線反射機能を有した部材よりなる事を特徴とする請求項6に記載の採光フィルム複合体。
- 基材が紫外線カット機能を有した部材よりなる事を特徴とする請求項6又は7に記載の採光フィルム複合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の採光フィルムが合わせガラスの中間膜として用いてなる事を特徴とする採光フィルム複合体。
- 明細書中に記載した方法で測定される、採光フィルム複合体の垂線方向に対して請求項1において検出される光の拡散方向に採光フィルム複合体に対して−45度の角度で光を入光した時に、−45度に出光する光の相対光透過度(A)が1以上である事を特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の採光フィルム複合体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の採光フィルムを設置してなる事を特徴とする窓。
- 請求項6〜10のいずれかに記載の採光フィルム複合体を設置してなる事を特徴とする窓。
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