JP2017150153A - テープ貼り付け治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】貼り付け対象面へのテープ貼り付け作業を、作業者の身体的負担を軽減しながら安定した施工品質にて行える優れたテープ貼り付け治具を提供する。【解決手段】貼り付け対象面AにテープTを貼り付ける治具本体2と、当該治具本体2から上方後方に延びて治具本体2を貼り付け対象面Aに沿って移動操作自在なハンドル3とが備えられ、治具本体2には、ロール状に巻かれたテープTを回転自在に保持自在なテープ保持部10と、治具本体2の貼り付け対象面Aに沿っての移動操作に伴って貼り付け対象面A上を転動することで、テープ保持部10からテープTを繰り出しながら当該テープTを貼り付け対象面Aに押圧して貼り付ける貼り付けローラー20とが備えられている。【選択図】図2

Description

本発明は、貼り付け対象面にテープを貼り付けるのに用いられるテープ貼り付け治具に関する。
貼り付け対象面にテープを貼り付けることは各種の場面で行われているが、例えば、特許文献1に示すように、建物屋上等の防水構造を構築する場合には、多数枚の防水下地パネルを敷き詰めて構成した防水下地面(貼り付け対象面に該当)の目地部分を跨ぐ状態で、防水下地面にテープを貼り付けることが行われている。
この防水下地面へのテープの貼り付け作業は、防水職人等の作業者による完全な手作業にて行われている。この際、作業者は、防水下地面に屈み込む姿勢となり、テープを一方の手の指先で掴んで正確に位置合わせし、防水下地面との間に空気が入り込まないように他方の手の手掌をテープに添えてテープを防水下地面に押し付けるようにして、施工品質を確保している。
特開2011−052394号公報
ところが、上述した従来のテープ貼り付け作業では、作業姿勢が防水下地面に屈み込む姿勢となるので、作業者の身体的負担が大きい問題がある。また、作業者の完全な手作業にて行われるので、個々の作業者の経験や能力に施工品質が大きく影響され、施工品質にバラつきが生じ易い問題もある。
特に、防水下地面の面積が広大となる大規模建物の現場にあっては、作業者の身体的負担が大きいという問題が顕著になるとともに、作業時間も長くかかってしまう。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたものであって、その主たる課題は、貼り付け対象面へのテープ貼り付け作業を、作業者の身体的負担を軽減しながら安定した施工品質にて簡易に行える優れたテープ貼り付け治具を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、テープ貼り付け治具に係り、貼り付け対象面にテープを貼り付ける治具本体と、当該治具本体から上方後方に延びて治具本体を貼り付け対象面に沿って移動操作自在なハンドルとが備えられ、
前記治具本体には、ロール状に巻かれた前記テープを回転自在に保持自在なテープ保持部と、前記治具本体の前記貼り付け対象面に沿っての移動操作に伴って貼り付け対象面上を転動することで、前記テープ保持部からテープを繰り出しながら当該テープを貼り付け対象面に押圧して貼り付ける貼り付けローラーとが備えられている点にある。
上記構成によれば、作業者は、治具本体から上方後方に延びるハンドルを立位姿勢にて操作することで、治具本体を貼り付け対象面に沿って移動操作することができる。そして、この治具本体の移動操作に伴って貼り付けローラーが転動して、治具本体のテープ保持部からテープを繰り出しながら当該テープを貼り付け対象面に押圧して貼り付けることができる。つまり、身体的負担の少ない立位姿勢で歩行する状態で、しかも、転動する貼り付けローラーにてテープを貼り付け対象面に押圧する状態で、貼り付け対象面にテープを貼り付けることができる。
したがって、作業者の身体的負担を軽減しながら安定した施工品質にて簡易に貼り付け対象面にテープを貼り付けることができる。
本発明の第2特徴構成は、前記治具本体には、所定の貼り付け姿勢で前記貼り付け対象面に自立させる姿勢保持部が備えられている点にある。
上記構成によれば、姿勢保持部によって治具本体が所定の貼り付け姿勢で貼り付け対象面に自立するので、テープ貼り付け作業中の作業者の操作負荷を軽減できるとともに、テープ貼り付け作業を一時的に中断した場合でも、特段の手間をかけずに作業を再開することができる。
本発明の第3特徴構成は、前記治具本体における前記貼り付けローラーよりも後方側には、前記貼り付けローラーで前記貼り付け対象面に貼り付けたテープを貼り付け対象面に押圧する押さえローラーが備えられている点にある。
上記構成によれば、治具本体の移動操作に伴い、貼り付けローラーにて貼り付け対象面にテープを貼り付けるのに続いて、その貼り付けたテープを後続の押さえローラーにて貼り付け対象面に押圧することができる。
したがって、テープの一部が貼り付け対象面から浮く等の不具合が生じるのを抑制することができ、施工品質の更なる安定化を達成することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記貼り付けローラー及び前記押さえローラーが、前記貼り付け対象面に対して前記治具本体を所定の貼り付け姿勢で自立させる姿勢保持部に兼用構成されている点にある。
上記構成によれば、まずは、上述の第2特徴構成と同じく、姿勢保持部によってテープ貼り付け作業中の作業者の操作負荷を軽減できるとともに、テープ貼り付け作業を一時的に中断した場合でも、特段の手間をかけずに作業を再開することができる。
そして、本構成では、当該姿勢保持部が貼り付けローラーと押さえローラーにて構成されているので、別途専用の部品にて姿勢保持部を構成するのに比べて構成の簡略化を図ることができる。
本発明の第5特徴構成は、前記貼り付けローラー及び前記押さえローラーが、前記治具本体の走行輪に兼用構成されている点にある。
上記構成によれば、貼り付けローラーと押さえローラーにて走行輪が構成されているので、専用の走行輪を不要又は簡略化して構成の簡略化を図りながら、この走行輪にて治具本体の移動操作を低負荷でスムーズなものにすることができ、作業労力の低減や作業時間の短縮を効率的に図ることができる。
本発明の第6特徴構成は、前記貼り付けローラーの少なくとも表面側には、弾性変形自在な不陸吸収層が備えられている点にある。
上記構成によれば、貼り付けローラーの不陸吸収層の弾性変形によって貼り付け対象面の段差等の不陸を吸収しながら、貼り付けローラーでテープを貼り付け対象面に押圧して貼り付けることができる。したがって、不陸が存在する貼り付け対象面に対しても安定した施工品質でテープを貼り付けることができる。
本発明の第7特徴構成は、前記治具本体には、前記テープを温めるテープ加熱部が備えられている点にある。
つまり、冬季の屋外等の寒冷下でテープ貼り付け作業を行う場合、治具本体のテープ保持部に保持されたテープが過度に温度低下し、この過度な温度低下に原因してテープの貼着性能が低下するなどの不都合が生じる虞がある。
これに対して、上記構成によれば、前記治具本体にテープ加熱部が備えられているので、寒冷下でテープ貼り付け作業を行う場合にテープ加熱部にてテープを温めることで、テープの過度な温度低下に原因する不都合が生じるのを未然に回避することができる。したがって、冬季の屋外等の寒冷下でも安定した施工品質を得ることができる。
本発明の第8特徴構成は、前記治具本体には、前記テープ保持部から繰り出されて前記貼り付けローラーで前記貼り付け対象面に貼り付けられているテープを切断分離するテープカット部が備えられている点にある。
上記構成によれば、テープ保持部から繰り出されて貼り付けローラーで貼り付け対象面に貼り付けられているテープを、別途の切断具を用いることなく、治具本体のテープカット部で迅速に切断分離することができる。
そのため、例えば、貼り付け対象面でテープを貼り付ける位置や方向を変更する場合でも、テープカット部でテープを切断分離した上で治具本体の位置や向きを変更することにより、迅速に対応することができる。したがって、テープ貼り付け作業の作業性を向上させることができる。
本発明の第9特徴構成は、前記テープカット部は、前記治具本体に備えられたペダルの踏み込み動作に連動して前記テープを切断分離するように構成されている点にある。
上記構成によれば、治具本体に備えられたペダルの踏み込み動作によってテープカット部でテープを切断分離することができるので、作業者はハンドルを操作する立位姿勢のままでテープを切断分離することができる。したがって、テープ貼り付け作業の作業性を更に向上させることができる。
テープ貼り付け作業の実施状態を示す作業現場の斜視図 テープ貼付け治具の第1実施形態を示す斜視図 テープ貼付け治具の第1実施形態を示す分解図 テープ貼付け治具の第1実施形態を示す側面図 テープ貼付け治具の第2実施形態を示す側面図 テープ貼付け治具の第3実施形態を示す斜視図
本発明に係るテープ貼り付け治具の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、建物屋上Bに防水下地パネルPを敷設して形成された防水下地面を貼り付け対象面Aとし、テープ貼り付け治具1を使用してテープTの貼り付け作業を実施している状況を示している。
同図1に示すように、このテープ貼り付け治具1には、貼り付け対象面AにテープTを貼り付ける治具本体2と、当該治具本体2から上方後方に延びて治具本体2を貼り付け対象面Aに沿って移動操作自在な棒状のハンドル3とが備えられている。そして、当該テープ貼り付け治具1は、作業者が貼り付け対象面Aの上で身体的負担の少ない立位姿勢でハンドル3を操作して当該貼り付け対象面Aに沿って治具本体2を前方側に移動操作することで、貼り付け対象面Aの目地部分(図中の防水下地パネルPどうしの間の部分)等にテープTを貼り付け可能に構成されている。
また、この治具本体2には、ハンドル3の手元側端の把持部3aの位置を調整する位置調整機構E(図4参照)が備えられ、ハンドル3の把持部3aの位置を作業者の背丈や操作姿勢に応じて適宜に調整自在に構成されている。
なお、貼り付け対象面Aは、防水下地面に限らず、テープTの貼り付けが求められる各種の面であってもよく、また、床側の面に限らず、壁側や天井側の面であってもよい。
前記治具本体2は、図2に示すように、ロール状に巻かれたテープTを保持する保持ローラー10(テープ保持部の一例)と、当該テープTを貼り付け対象面Aに押圧して貼り付ける貼り付けローラー20(テープ貼り付け部の一例)と、貼り付けローラー20で貼り付け対象面Aに貼り付けたテープTを貼り付け対象面Aに押圧する押さえローラー30(テープ押さえ部の一例)とを、金属製等の本体フレーム枠40に左右幅方向に沿うローラー軸芯X1、X2、X3周りで回転自在に組み付けて構成されている。
そして、当該治具本体2は、治具本体2の貼り付け対象面Aに沿っての移動操作に伴って貼り付け対象面Aの上を貼り付けローラー20が転動することで、テープTを介して保持ローラー10を引張回転させる状態で保持ローラー10からテープTを繰り出しながら、当該テープTを貼り付けローラー20にて貼り付け対象面Aに押圧して貼り付け、更に、貼り付けられたテープを押さえローラー30にて押圧するように構成されている。
そのため、テープTの一部が貼り付け対象面Aから浮く等の不具合が生じるのを抑制し、高い施工品質にてテープTを貼り付けることができる。
この治具本体2は、貼り付けローラー20と押さえローラー30を脚部(姿勢保持部の一例)として、テープ貼り付け治具1が所定の貼り付け姿勢(図2に示す姿勢)で貼り付け対象面Aに自立可能に構成されているとともに、両ローラー20、30の夫々を走行輪として、テープ貼り付け治具1が貼り付け対象面Aに沿って走行可能に構成されている。
前記貼り付けローラー20は、前輪として本体フレーム枠40の底部の前端側部位に配設され、前記押さえローラー30は、後輪として本体フレーム枠40の底部の後端側部位に配設されている。保持ローラー10は、本体フレーム枠40における貼り付けローラー20及び押さえローラー30の配設部位よりも上方側に配設されているとともに、側面視で貼り付けローラー20と押さえローラ−30との間において前方側に位置するように配設されている。
テープTは、片面に粘着面t1を備えており、保持ローラー10の下方側から粘着面t1が上を向く状態で前方側に繰り出され、貼り付けローラー20の外周面を上方側から下方側に部分的に周回しながら上下反転して粘着面t1が下を向く状態で後方側に向かい、押さえローラー30の下を通過するように治具本体2にセットされている。
次に、各ローラー10、20、30の具体的構造について説明を加える。なお、各ローラー10、20、30の左右幅は、テープTの幅よりも大に構成されている。また、各ローラー10、20、30は、左右幅方向に沿う軸心周りで回転自在な各種の構造を適宜に採用することができる。
前記保持ローラー10は、図3に示すように、樹脂材等を略円柱状に成形して構成され、ローラー軸心X1(図2参照)方向からロール状のテープTを外挿させることで、ロール状のテープTを回転不能に外嵌保持可能に構成されている。この保持ローラー10の左右の両端面には、ローラー軸芯X1に沿って突出するローラー軸部11が一体形成されている。また、この保持ローラー10の外周面には、ローラー軸心X1方向の他端側で周方向に沿って延びるテープ位置決め用の位置決め凸部12aと、周方向の複数箇所でローラー軸芯X1方向に沿って延びるテープ押し付け用の押し付け凸部12bとが形成されている。
前記貼り付けローラー20は、図3に示すように、回転軸部材21を挿通可能な中心孔部22を備えた略円筒状に構成されている。当該貼り付けローラー20の少なくとも表面側には、弾性変形可能な不陸吸収層23が備えられている。そのため、貼り付け作業時には、不陸吸収層23の弾性変形によって貼り付け対象面Aの段差等の不陸を吸収しながら、貼り付けローラー20の全幅でテープTを貼り付け対象面Aに押圧してテープTを貼り付けることができる。
また、この貼り付けローラー20には、テープ加熱部25が備えられており、テープ貼り付け作業に併行してテープTを温めることができるように構成されている。そのため、寒冷下でテープ貼り付け作業を行う場合に、このテープ加熱部25にてテープTを温めながら作業を行うことで、テープTの過度な温度低下に原因して施工品質や作業性の低下等の不都合が生じるのを未然に回避することができる。
当該テープ加熱部25は、例えば、貼り付けローラー20に蓋付きの収納部を形成し、その収納部に電気的又は化学的に発熱するヒーター等の発熱体を収納して構成したり、当該発熱体を貼り付けローラー20の外周面に付設して構成することができる。
なお、このテープ加熱部25は、保持ローラー10や押さえローラー30等の治具本体2の別途の部位に備えることもできる。
前記押さえローラー30は、貼り付けローラー20と同様の構造を採用しており、回転軸部材31を挿通可能な中心孔部32を備えた略円筒状に構成されている。当該押さえローラー30の少なくとも表面側には、弾性変形可能な不陸吸収層33が備えられている。そのため、不陸吸収層33の弾性変形によって貼り付け対象面Aの段差等の不陸を吸収しながら、押さえローラー30の全幅でテープTを貼り付け対象面Aに押圧することができる。なお、不陸吸収層23、33は、エラストマーやスポンジ等の適宜の弾性材で構成することができる。
次に、本体フレーム枠40の具体的構造について説明を加える。なお、本体フレーム枠40も、保持ローラー10、貼り付けローラー20、押さえローラー30を軸支可能な各種の構造を適宜に採用可能である。
前記本体フレーム枠40は、図2に示すように、前面視矩形状で側面視三角形状のフレーム形状に構成され、保持ローラー10と貼り付けローラー20とを上下二段で軸支する後傾姿勢の前方側保持フレーム41と、押さえローラー30を軸支する前傾姿勢の後方側保持フレーム42とが主要構成として備えられている。
後傾姿勢の前方側保持フレーム41と前傾姿勢の後方側保持フレーム42とは、上端側どうしが重合状態にて左右幅方向に沿う回転軸心X4周りで回転自在に連結され、下端側どうしが前後方向に沿う連結フレーム43を介して連結されている。
前方側保持フレーム41は、平行する左右の第1縦フレーム材41Aと、当該第1縦フレーム材41Aの上端部間に亘る横フレーム材41Bとから正面視で略門の字状に構成されている。
そして、左右の第1縦フレーム材41Aの上下中間部の第1軸受部41aどうしの間に保持ローラー10が軸支され、左右の第1縦フレーム材41Aの下端部の第2軸受部41eどうしの間に貼り付けローラー20が軸支されている。なお、横フレーム材41Bの左右中間部には、ハンドル3の基端部が接続されている。
保持ローラー10を軸支する第1軸受部41aは、テープTの補充や交換等が迅速に行えるように着脱操作が容易な構造を採用しており、具体的には、図3に示すように、第1軸受部41aは、保持ローラー10の両端面のローラー軸部11を前方側から挿脱操作可能に係入可能な前方開口の被係合凹部にて構成されている。
当該被係合凹部には、ローラー軸部11の奥側への移動を許容する移動通路部41cと、当該移動通路部41cの奥側端で下向きに拡がった落ち込み部41dとが備えられている。そして、移動通路部41cを介して保持ローラー10のローラー軸部11を奥側に進入させた後に落ち込み部41dに落とし込むことで、保持ローラー10を軸支可能に構成されている。なお、これとは逆の操作により保持ローラー10を取り外すことができる。
貼り付けローラー20を軸支する第2軸受部41eは、図3に示すように、左右の第1縦フレーム材41Aに亘らせる回転軸部材21を挿通可能な挿通孔部にて構成されている。そして、貼り付けローラー20の中心孔部22に回転軸部材21を挿通させ、且つ、当該回転軸部材21の両端部の各々を当該挿通孔部の各々に挿通させた状態で、回転軸部材21の両端部の外側に止め輪等の抜け止め部材24を取り付けることで、貼り付けローラー20が第2軸受部41eに軸支可能に構成されている。
前記後方側保持フレーム42は、図2に示すように、平行する左右の第2縦フレーム材42Aから構成されている。そして、左右の第2縦フレーム材42Aの下端側に備えられた第3軸受部42aどうしの間に押さえローラー30が軸支されている。
この第3軸受部42aは、前述した第2軸受部41eと同様の構造を採用しており、図3に示すように、押さえローラー30の中心孔部32に回転軸部材31を挿通させ、且つ、当該回転軸部材31の両端部を当該挿通孔部に挿通させた状態で、回転軸部材31の両端部の外側に止め輪等の抜け止め部材34を取り付けることで、ローラー軸心X3周りで回転自在な状態で押さえローラー30を軸支可能に構成されている。
前記連結フレーム43は、図2、図3に示すように、前後方向に沿う左右の連結フレーム材43Aから構成されている。そして、左右の連結フレーム材43Aの長さ方向の一端側が、前方側保持フレーム41の左右の第1縦フレーム材41Aの下端側に対してボルト・ナット等の連結手段にて左右幅方向に沿う横軸芯周りで回転自在に枢支連結されている。また、左右の連結フレーム材43Aの長さ方向の他端側が、後方側保持フレーム42の左右の第2縦フレーム材42Aの下端側に対してボルト・ナット等の連結手段にて左右幅方向に沿う横軸芯周りで回転自在に枢支連結されている。
後方側保持フレーム42の左右の第2縦フレーム材42Aの上端側には、連結ピン等の連結部材44を介して、前方側保持フレーム41の左右の第1縦フレーム材41Aの上端側の被連結孔部41fに回転自在に連結するための複数(本例では3つ)の連結孔部42bが貫通形成されている。なお、連結部材44の取り付けには、止め輪等の抜け止め部材45が使用されている。
これら複数の連結孔部42bは、第2縦フレーム材42Aのフレーム長さ方向に沿って間隔を空けた状態で備えられている。そのため、複数の連結孔部42bのうちの1つの連結孔部42bを選択して、その選択した連結孔部42bと第1縦フレーム材41Aの被連結孔部41fとを連結部材44を介して連結することで、ハンドル3の傾斜角度を適宜に調整し、ハンドル3の把持部3aの位置を調整できるようになっている。
つまり、後方側保持フレーム42の複数の連結孔部42b、連結部材44、前方側保持フレーム41の被連結孔部41fは、ハンドル3の把持部3aの位置を調整する位置調整機構Eを構成している。
以下、位置調整機構Eに用いたハンドル3の把持部3aの位置調整方法について説明を加える。
図4(a)に示すように、後方側保持フレーム42の第2縦フレーム材42Aの複数の連結孔部42bのうち、上下中間側の連結孔部42bを使用すれば、ハンドル3の傾斜角度を標準角度にし、ハンドル3の把持部3a(図1参照)を標準高さ位置に配置することができる。
また、図4(b)に示すように、後方側保持フレーム42の第2縦フレーム材42Aの複数の連結孔部42bのうち、上方側の連結孔部42bを使用すれば、ハンドル3の傾斜角度を標準角度よりも大きい角度にし、ハンドル3の把持部3aを標準高さ位置よりも高い位置に配置することができる。
さらに、図4(c)に示すように、後方側保持フレーム42の第2縦フレーム材42Aの複数の連結孔部42bのうち、下方側に位置する連結孔部42bを使用すれば、ハンドル3の傾斜角度を標準角度よりも小さい角度にし、ハンドル3の把持部3aを標準高さ位置よりも低い位置に配置することができる。
このようにして、このテープ貼り付け治具1は、作業者の背丈や操作姿勢に応じてハンドル3の把持部3aの位置を調整することができ、このことにより、更なる作業性の向上を図ることができる。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明に係るテープ貼り付け治具1の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、前記本体フレーム枠40を構成するのに、後傾姿勢の前方側保持フレーム41と前傾姿勢の後方側保持フレーム42とは、上端側どうしが重合状態で左右幅方向に沿う回転軸心X4周りで回転自在に連結され、下端側どうしが引張コイルバネやゴム等からなる左右一対の引張連結材46で連結され、引張連結材46の引張付勢力によりテープ貼り付け治具1の姿勢を図5(a)に示す姿勢に引張付勢するように構成されている。
このように構成されたテープ貼り付け治具1は、図5(b)に示すようにハンドル3を下方側に移動させた状態では、押さえローラー30が引張連結材46の引張付勢力に抗して貼り付けローラー20から離れる側に移動し、引張連結材46の引張付勢力が押さえローラー30に対して回転軸心X4周りで前方下方側に引き寄せる引き寄せ力Qとして作用する状態となる。そのため、このような状態でテープ貼り付け作業を実施することで、押さえローラー30によるテープTの押圧力が高まり、所望の施工品質を更に効率的に得ることができる。
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明に係るテープ貼り付け治具1の第3実施形態を示している。この第3実施形態のテープ貼り付け治具1は、第2実施形態で説明したテープ貼り付け治具1に対して、テープTを切断分離するテープカット部50を追加したものである。
このテープカット部50は、図6に示すように、切断刃51とペダル52が備えられ、作業者によるペダル52の踏み込み動作に連動して切断刃51がテープTを切断分離するように構成されている。また、テープカット部50には、テープ制動部53が備えられ、作業者によるペダル52の踏み込み動作に連動してテープ制動部53がロール状のテープTを制動状態とするように構成されている。なお、本例では、テープ制動部53は、保持ローラー10を制動状態とすることで、この保持ローラー10を介してテープTを制動状態とするように構成されている。
前記ペダル52は、押さえローラー30の上方域に下方移動自在に配設されている。このペダル52は、踏み込み動作による下方移動の終端にて押さえローラー30に当接して押さえローラー30に踏み込み力を作用させ、この踏み込み力によって押さえローラー30の下方のテープTを固定状態とするように構成されている。
前記切断刃51は、先端を下方に向けて左右幅方向に沿って延びる状態で貼り付けローラー20と押さえローラー30の間に配設され、ペダル52の踏み込み動作に連動して下方に移動することで、貼り付けローラー20と押さえローラー30の間でテープTを切断分離するように構成されている。
前記テープ制動部53は、保持ローラー10の前方下方域に配設され、ペダル52の踏み込み動作に連動して保持ローラー10の外周面に当接し、ペダル52の踏み込み力を押圧力として保持ローラー10に作用させることで、保持ローラー10を制動状態とするように構成されている。
すなわち、このテープカット部50は、ペダル52の踏み込み動作により、切断刃51の後方側にて押さえローラー30の下方のテープTを固定状態とし、切断刃51の前方側にてテープ制動部53によりテープTの繰り出しを抑制した状態としながら、切断刃51を下方に移動させることで、テープTが緩むのを防止しながらテープTを適切に切断できるように構成されている。
前記テープカット部50には、治具本体2における前方側保持フレーム41の左右一対の第1縦フレーム材41Aに、左右幅方向に沿う軸心X5周りで揺動自在に枢支連結された左右一対の揺動フレーム54が備えられている。この揺動フレーム54は、側面視扁平V字状に構成され、それの前後中間部が第1縦フレーム材41Aの下端側に枢支連結されている。
さらに、テープカット部50には、左右一対の第1縦フレーム材41Aの上下中間部位と揺動フレーム54の枢支連結部位よりも後方側とを連結して、図6(a)に示すように揺動フレーム54の後端側を持ち上げた状態に付勢する引張コイルバネ等からなる付勢部材55が備えられている。
そして、当該揺動フレーム54の後端側に、切断刃51とペダル52が備えられ、揺動フレーム54の前端側に、テープ制動部53が備えられている。そのため、ペダルの踏み込み動作に連動して、切断刃51は軸心X5周りで下方側に移動し、テープ制動部53は軸心X5周りで上方後方側に移動するように構成されている。なお、テープ制動部53の先端には、弾性材等からなる滑り止めパット53aが付設されている。
なお、その他の構成は、第2実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第2実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
〔別実施形態〕
(1)前述の各実施形態の改良として、交換用テープを保持自在な交換用テープ保持部をテープ貼り付け治具1に付設してもよい。
このようにすれば、テープ貼り付け作業中にテープTが切れた場合でも迅速に作業を再開することができる。
この交換用テープ保持部は、例えば、上方開口の容器やテープを保持可能な棒状体等から構成することができる。その場合、治具本体2の位置調整機構Eを構成する複数の連結孔部42bのうち、未使用の連結孔部42bを利用して治具本体2に支持させるようにしてもよい。
(2)前述の各実施形態の改良として、ハンドル3の把持部3aの位置を左右幅方向で調整可能に構成してもよい。
このようにすれば、例えば、建物屋上Bの防水下地面の外周側にテープTを貼り付ける場合に、作業者はテープTの貼り付け部位よりも中央側から治具本体2を移動操作することが可能となり、テープ貼り付け作業の安全に実施することができる。
この場合、例えば、ハンドル3の基端側又は中間部に左右幅方向で屈曲自在な屈曲連結部を設けたり、ハンドルの基端側又は中間部に自在継手を設けて構成することができる。
(3)前述の各実施形態では、治具本体2のテープ保持部として、治具本体2に回転自在に備えられる保持ローラー10を例に示したが、治具本体2に回転不能に備えられる棒状部材等であってもよい。その場合、ロール状に巻かれたテープTの内径よりも棒状部材の外径を小さくするなど、テープTを外装させた状態でテープTの相対回転を許容するように構成すればよい。
(4)保持ローラー10は、前述の各実施形態で示したテープTの相対回転が不能な構造に限らず、テープTの相対回転が可能な構造であってもよい。
(5)前述の各実施形態では、位置調整機構Eが、治具本体2の姿勢を変更することでハンドル3の把持部3aの位置を調整するように構成されていたが、ハンドル3に設けた伸縮機構等でハンドル3の長さを変更することで、ハンドル3の把持部3aの位置を調整
するように構成されていてもよい。
(6)前述の各実施形態では、押さえローラー30を設ける場合を例に示したが、押さえローラー30は必ずしも設けなくてもよく、作業者の要望やコスト等に応じて適宜に選択採用すればよい。
(7)前述の第3実施形態では、テープカット部50が、ペダル52の踏み込み動作に連動して切断刃51がテープTを切断分離するように構成されている場合を例に示したが、例えば、ハンドル3に備えられたグリップの握り込み動作に連動して切断刃51がテープTを切断分離するように構成されていてもよく、作業者の要望やコスト等に応じて適宜に変更することができる。
(8)前述の第3実施形態では、テープカット部50が、貼り付けローラー20と押さえローラー30との間でテープTを切断するように構成されている場合を例に示したが、保持ローラー10と貼り付けローラー20との間でテープTを切断するように構成されていてもよい。
(9)ハンドル3の寸法や形状等の具体的構成は、前述の各実施形態で示したものに限らず、作業者の要望等に応じて各種の構成を適宜に採用することができる。
(10)第1軸受部41aと第2軸受部41eと第3軸受部42aの各々は、前述の各実施形態で示した構造に限らず、各ローラー10、20、30を回転自在に支持可能な各種の構造を適宜に採用することができる。
A 貼り付け対象面
T テープ
1 テープ貼り付け治具
2 治具本体
3 ハンドル
10 保持ローラー(テープ保持部)
20 貼り付けローラー
30 押さえローラー
23、33 不陸吸収層
25 テープ加熱部
50 テープカット部
52 ペダル

Claims (9)

  1. 貼り付け対象面にテープを貼り付ける治具本体と、当該治具本体から上方後方に延びて治具本体を貼り付け対象面に沿って移動操作自在なハンドルとが備えられ、
    前記治具本体には、ロール状に巻かれた前記テープを回転自在に保持自在なテープ保持部と、前記治具本体の前記貼り付け対象面に沿っての移動操作に伴って貼り付け対象面上を転動することで、前記テープ保持部からテープを繰り出しながら当該テープを貼り付け対象面に押圧して貼り付ける貼り付けローラーとが備えられているテープ貼り付け治具。
  2. 前記治具本体には、所定の貼り付け姿勢で前記貼り付け対象面に自立させる姿勢保持部が備えられている請求項1記載のテープ貼り付け治具。
  3. 前記治具本体における前記貼り付けローラーよりも後方側には、前記貼り付けローラーで前記貼り付け対象面に貼り付けたテープを貼り付け対象面に押圧する押さえローラーが備えられている請求項1又は2記載のテープ貼り付け治具。
  4. 前記貼り付けローラー及び前記押さえローラーが、前記貼り付け対象面に対して前記治具本体を所定の貼り付け姿勢で自立させる姿勢保持部に兼用構成されている請求項3記載のテープ貼り付け治具。
  5. 前記貼り付けローラー及び前記押さえローラーが、前記治具本体の走行輪に兼用構成されている請求項3又は4記載のテープ貼り付け治具。
  6. 前記貼り付けローラーの少なくとも表面側には、弾性変形自在な不陸吸収層が備えられている請求項1〜5のいずれか1項に記載のテープ貼り付け治具。
  7. 前記治具本体には、前記テープを温めるテープ加熱部が備えられている請求項1〜6のいずれか1項に記載のテープ貼り治具。
  8. 前記治具本体には、前記テープ保持部から繰り出されて前記貼り付けローラーで前記貼り付け対象面に貼り付けられているテープを切断分離するテープカット部が備えられている請求項1〜7のいずれか1項に記載のテープ貼り付け治具。
  9. 前記テープカット部は、前記治具本体に備えられたペダルの踏み込み動作に連動して前記テープを切断分離するように構成されている請求項8記載のテープ貼り付け治具。

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