JP2017150049A - 部材の洗浄方法、および、部材の洗浄装置 - Google Patents

部材の洗浄方法、および、部材の洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 油脂が付着している部材を簡易に洗浄可能な部材の洗浄方法を提供する。
【解決手段】 部材を洗浄するとき、最初に、部材にエチレンカーボネートの粒子を噴射し、部材に付着している油脂を除去する。次に、ハイドロフロロエーテルの蒸気と部材とを接触させ、部材から油脂を除去するときに付着したエチレンカーボネートを除去する。次に、部材を冷却し、部材からエチレンカーボネートを除去するときに付着したハイドロフロロエーテルを除去する。また、油脂、エチレンカーボネートおよびハイドロフロロエーテルの混合物である使用済み洗浄剤を再生するとき、S112において、使用済み洗浄剤を冷却し、液体状態の油脂、固体状態のエチレンカーボネート、および、液体状態のハイドロフロロエーテルに相分離させる。これにより、エチレンカーボネートとハイドロフロロエーテルを簡易に回収することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、油脂が付着している部材の洗浄方法、および、部材の洗浄装置に関する。
従来、油脂が付着している部材に対してブラスト材を噴射し、付着している油脂を物理的に除去する部材の洗浄方法が知られている。例えば、特許文献1には、疎油性を有する過冷却液滴をブラスト材として気体とともに部材に噴射する部材の洗浄方法が知られている。
特開2013−253272号公報
しかしながら、特許文献1に記載の部材の洗浄方法では、比較的狭い領域しか洗浄できないため、広範囲に洗浄するためには、噴射ノズルを複数個設置したり、噴射ノズルを走査したりする必要がある。また、疎油性を有しかつ水との相溶性が比較的高いカーボネート系材料の粒子をブラスト材として用いる方法も考えられる。この方法では、噴射されるカーボネート系材料は、部材を洗浄した後にカーボネート系材料と油脂とが混合した使用済みブラスト廃材が発生する。また、部材をカーボネート系材料で洗浄した後に水をカーボネート系材料の洗浄剤として用いた場合、カーボネート系材料と水とに油脂が混合した使用済み洗浄剤が廃液として排出される。この廃液から比較的純度が高いカーボネート系材料を回収するためには、廃液の繰り返しの再生処理や連続蒸留が必要となるため、廃液の再生処理が複雑になるだけでなく、再生コストが増大する。
本発明は、油脂が付着している部材を簡易に洗浄可能な部材の洗浄方法を提供することにある。
本発明は、部材に付着している油脂を除去可能な部材の洗浄方法であって、第一洗浄工程、第二洗浄工程、第一冷却工程、および、相分離工程を含む。
第一洗浄工程は、部材に環状カーボネート系材料の粒子を噴射する。
第二洗浄工程は、第一洗浄工程の後、部材とカーボネート洗浄剤の蒸気とを接触させる。
第一冷却工程は、第二洗浄工程の後、部材を冷却する。
相分離工程は、部材から除去された油脂、第一洗浄工程において部材に噴射された環状カーボネート系材料、および、第二洗浄工程において部材と接触したカーボネート洗浄剤の混合物である使用済み洗浄剤を冷却し、液体状態の油脂、固体状態の環状カーボネート系材料、および、液体状態のカーボネート洗浄剤に相分離する。
本発明の部材の洗浄方法では、第一洗浄工程において、油脂が付着している部材に環状カーボネート系材料の粒子をブラスト材として噴射し、油脂を物理的に除去する。このとき、部材に付着する環状カーボネート系材料の粒子は、第一洗浄工程の次に行われる第二洗浄工程において、カーボネート洗浄剤の蒸気によって除去される。第二洗浄工程において部材に付着するカーボネート洗浄剤は、第一冷却工程において気化することによって除去される。このように、本発明の部材の洗浄方法では、ブラスト材としてのカーボネート系材料の粒子とカーボネート洗浄剤との組み合わせによって油脂が付着している部材を確実に洗浄することが可能である。
さらに、本発明の部材の洗浄方法では、相分離工程において、使用済み洗浄剤を冷却する。使用済み洗浄剤は、冷却されると、使用済み洗浄剤に含まれる油脂、環状カーボネート系材料、および、カーボネート洗浄剤のそれぞれの凝固点および比重の違いによって、天側から液体状態の油脂、固体状態の環状カーボネート系材料、および、液体状態のカーボネート洗浄剤の順に並ぶよう相分離する。本発明の部材の洗浄方法では、この相分離を利用して、液体状態の油脂、固体状態の環状カーボネート系材料、および、液体状態のカーボネート洗浄剤を別々に回収する。これにより、本発明の部材の洗浄方法では、環状カーボネート系材料とカーボネート洗浄剤とを簡易に回収することができる。
また、本発明は、部材に付着している油脂を除去可能な部材の洗浄装置であって、第一洗浄部、カーボネート供給部、第二洗浄部、部材冷却部、洗浄剤供給部、洗浄剤貯留部、および、洗浄剤冷却部を備える。
第一洗浄部は、部材に環状カーボネート系材料の粒子を噴射可能である。
カーボネート供給部は、第一洗浄部に環状カーボネート系材料を供給可能である。
第二洗浄部は、環状カーボネート系材料が噴射された部材とカーボネート洗浄剤の蒸気とを接触させることが可能である。
部材冷却部は、カーボネート洗浄剤の蒸気と接触した部材を冷却する。
洗浄剤供給部は、第二洗浄部にカーボネート洗浄剤の蒸気を供給する。
洗浄剤貯留部は、部材から除去された油脂、第一洗浄部において噴射された環状カーボネート系材料、および、第二洗浄部において部材と接触したカーボネート洗浄剤の混合物である使用済み洗浄剤を貯留可能である。
洗浄剤冷却部は、洗浄剤貯留部に設けられ、使用済み洗浄剤を環状カーボネート系材料の凝固点以下の温度まで冷却可能である。
本発明の部材の洗浄装置では、第一洗浄部において、油脂が付着している部材に環状カーボネート系材料の粒子をブラスト材として噴射し、油脂を物理的に除去する。このとき、部材に付着する環状カーボネート系材料は、第二洗浄部のカーボネート洗浄剤の蒸気によって除去される。第二洗浄部において部材に付着したカーボネート洗浄剤は、部材冷却部において部材を冷却することによって気化する。このように、本発明の部材の洗浄装置では、油脂が付着している部材を確実に洗浄することが可能である。
さらに、本発明の部材の洗浄装置では、洗浄剤貯留部に貯留されている使用済み洗浄剤を洗浄剤冷却部によって冷却することによって、液体状態の油脂、固体状態の環状カーボネート系材料、および、液体状態のカーボネート洗浄剤に相分離させることができる。これにより、本発明の部材の洗浄装置では、環状カーボネート系材料とカーボネート洗浄剤とを簡易に回収することができる。
本発明の第一実施形態による部材の洗浄装置の断面図である。 図1のII矢視図である。 本発明の第一実施形態による部材の洗浄方法のフローチャートであって、部材の洗浄工程のフローチャートである。 本発明の第一実施形態による部材の洗浄方法のフローチャートであって、使用済み洗浄剤の再生工程のフローチャートである。 本発明の第一実施形態による使用済み洗浄剤の再生工程を説明する模式図である。 本発明の第二実施形態による部材の洗浄装置の断面図である。 本発明の第三実施形態による部材の洗浄装置の断面図である。 本発明の第三実施形態による部材の洗浄方法のフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による部材の洗浄方法および部材の洗浄装置を図1〜5に基づいて説明する。本実施形態による「部材の洗浄装置」としての洗浄装置1は、搬送コンベア7によって搬送される部材5に付着している油脂を含む付着物を除去することが可能である。付着物に含まれる油脂としては、例えば、切削や研削、プレス成形加工における機械油などがあげられる。また、油脂を除く付着物としては、切削屑や研削屑などがあげられる。なお、図1では、紙面の上側を「天」側、紙面の下側を「地」側として示す。
最初に、洗浄装置1で部材5の洗浄に用いる洗浄剤を説明する。洗浄装置1では、部材5の洗浄に「環状カーボネート系材料」としてのエチレンカーボネートと、「カーボネート洗浄剤」としてのHFE(ハイドロフロロエーテル)とを用いる。
エチレンカーボネートは、環状カーボネート系材料の一つであって、常温では無色の結晶体である。エチレンカーボネートは、沸点が高く、極性が大きいため、水や有機溶剤と混合しやすい。
ハイドロフロロエーテルは、エチレンカーボネートと相溶性がある一方、油脂と相溶しない材料である。ハイドロフロロエーテルは、沸点が約56度であることから室温レベルでは液体の状態で存在することが可能である。
次に、洗浄装置1の構成を図1、2に基づいて説明する。洗浄装置1は、搬送コンベア7、「第一洗浄部」、「第二洗浄部」、「部材冷却部」、および、「洗浄剤供給部」としての洗浄槽10、カーボネート供給部25、洗浄剤再生部30などを備える。
洗浄槽10は、有底筒状に形成されている。洗浄槽10は、略中央に天地方向に延びるよう形成されている仕切り板11を有する。仕切り板11は、エチレンカーボネートの凝固点以上の温度に維持されるよう図示しないヒータが内蔵されている。
洗浄槽10は、天側に開口12を有する。搬送コンベア7は、図1に示すように、洗浄槽10の開口12から洗浄槽10の内部に入り、仕切り板11の地側を通って開口12から洗浄槽10の外部に出るよう設けられている。
開口12は、図2に示すように、矩形状に形成されている。本実施形態では、開口12は、短辺の長さを長さL1、長辺の長さを長さL2とすると、(L2/L1)が2以上となるよう形成されている。
洗浄槽10は、内部の地側にヒータ13を有する。ヒータ13は、洗浄槽10の内部に貯留されているハイドロフロロエーテルを沸騰させることが可能な熱量を発生する。これにより、洗浄槽10の内部の地側には、ハイドロフロロエーテルの沸騰層Lb10が形成される。また、沸騰層Lb10の天方向には、沸騰層Lb10から蒸発したハイドロフロロエーテルの蒸気が漂っているハイドロフロロエーテルの蒸気層Lv10が形成される。
洗浄槽10は、仕切り板11に対向する側壁101、102の内側に「部材冷却部」としての冷却管14、15を有する。冷却管14、15は、環状カーボネート材料の凝固点以下、望ましくは、凝固点に比べ40度程度低い温度の冷媒が流れている。これにより、仕切り板11からみて冷却管14側に冷気層Lc110が形成される。また、仕切り板11からみて冷却管15側に冷気層Lc210が形成される。冷気層Lc110、Lc210は、環状カーボネート材料の凝固点以下の温度となっている気体の層である。冷気層Lc110、Lc210は、蒸気層Lv10のハイドロフロロエーテルの蒸気が天方向に移動すると当該蒸気を冷却することによって液化することができるため、ハイドロフロロエーテルの蒸気が天方向に移動することを防ぐ機能を有する。図1には、冷気層Lc110、Lc210の天側の境界を点線Lc11で示す。
冷却管14、15の地側には、樋141、151が設けられている。樋141、151は、冷却管14、15によって冷却されたために結露した液体を溜めることが可能なよう形成されている。
本実施形態では、洗浄槽10は、蒸気層Lv10と冷気層Lc210との境界Lv11から開口12までの距離L3とすると、(L3/L1)は、1以上となるよう形成されている。
洗浄槽10は、「第一洗浄部」としての噴射ノズル16を有する。噴射ノズル16は、側壁101に設けられている。噴射ノズル16は、エチレンカーボネートを微粒化し噴射することが可能なよう形成されている。
洗浄槽10は、水分離部17を有する。水分離部17は、側壁102に設けられている。水分離部17は、分離器171および水用ドレン172を有する。水分離部17は、分離器171において、樋141、151に溜まっている液体を水と水以外の液体とに分離する。分離器171において分離された水は、水用ドレン172によって洗浄装置1の系外に排出される。
カーボネート供給部25は、カーボネート貯留タンク26、ヒータ27、高圧ポンプ28、供給配管29などを有する。
カーボネート貯留タンク26は、液体状態のエチレンカーボネートを貯留可能に形成されている。本実施形態では、カーボネート貯留タンク26には、液体状態のエチレンカーボネートが投入される。
ヒータ27は、カーボネート貯留タンク26内に設けられ、図示しない電源が供給する電力によってカーボネート貯留タンク26内のエチレンカーボネートが液体状態を維持可能なよう加熱する。
高圧ポンプ28は、供給配管29を介してカーボネート貯留タンク26と噴射ノズル16とに接続している。供給配管29は、エチレンカーボネートが液体状態を維持可能なよう内部を流れる液体状態のエチレンカーボネートを保温することが可能である。高圧ポンプ28は、粘度が比較的高い流体を圧送可能であって、例えば、20MPaまでの圧力で流体を送り出すことが可能である。
高圧ポンプ28が圧送する液体状態のエチレンカーボネートは、噴射ノズル16によって冷気層Lc110に噴射される。すなわち、エチレンカーボネートが噴射される噴霧層Ls10は、図1に示すように、冷気層Lc110内に形成される。
洗浄剤再生部30は、「洗浄剤貯留部」としての洗浄剤処理タンク31、「洗浄剤冷却部」としての冷却部32、「洗浄剤加熱部」としてのヒータ33、移送管34、回収管35、還流管36などを有する。
洗浄剤処理タンク31は、移送管34に設けられている移送用バルブ301の開閉によって沸騰層Lb10から移送される使用済み洗浄剤を貯留する。ここで、使用済み洗浄剤とは、部材5から除去された油脂、噴射ノズル16から噴射されたエチレンカーボネート、および、部材5と接触したハイドロフロロエーテルの混合物を指す。
移送管34は、使用済み洗浄剤に含まれる固形物を除去するフィルタ302を有する。
冷却部32は、洗浄剤処理タンク31を囲むよう設けられている。冷却部32は、洗浄剤処理タンク31を冷却可能である。
ヒータ33は、洗浄剤処理タンク31内に設けられている。ヒータ33は、洗浄剤処理タンク31を加熱可能である。
回収管35は、洗浄剤処理タンク31の地側に設けられている。回収管35は、洗浄剤処理タンク31内の地側の液体を洗浄剤処理タンク31の外部に排出可能である。
還流管36は、洗浄剤処理タンク31内と冷気層Lc210とを連通するよう設けられている。還流管36は、洗浄剤処理タンク31内の蒸気を冷気層Lc210に排出可能である。
次に、洗浄装置1を用いた部材5の洗浄方法について説明する。図3には、洗浄装置1における部材5の洗浄工程のフローチャートを示す。また、図4には、洗浄装置1における使用済み洗浄剤の再生工程のフローチャートを示す。
最初に、部材5の洗浄工程について説明する。
ステップ(以下、単に「S」という)101において、搬送コンベア7によって搬送されている部材5を洗浄槽10内に搬入する。本実施形態では、搬送コンベア7は、図1に示す白抜き矢印F11、F12、F13、F14、F15、F16の方向に、一定速度で部材5を搬送している。S101では、図1に示す白抜き矢印F11の方向に移動する部材5が洗浄槽10内に搬入される。
次に、「第一洗浄工程」としてのS102において、部材5にエチレンカーボネートを噴射する。S101において洗浄槽10内に搬入された部材5は、冷気層Lc110を入る。冷気層Lc110を通る部材5が噴霧層Ls10に入ると、噴射ノズル16は、カーボネート供給部25が供給する液体状態のエチレンカーボネートを当該部材5に向けて噴射する。このとき、噴射された液体状態のエチレンカーボネートは、冷気層Lc110における冷却によって固体の微粒子に相変化する。微粒子となったエチレンカーボネートは、部材5に衝突し、部材5の表面に付着している付着物を物理的に除去する。
噴射ノズル16から噴射されたエチレンカーボネートの一部は、仕切り板11に到達する。仕切り板11は、エチレンカーボネートの融点以上に加熱されているため、仕切り板11に到達したエチレンカーボネートの固体の微粒子は、液体状態に相変化する。仕切り板11の表面で液体状態となったエチレンカーボネートは、図示しない回収溝を通ってハイドロフロロエーテルの沸騰層Lb10に流入する。
次に、「第二洗浄工程」としてのS103において、ハイドロフロロエーテルの蒸気と部材5とを接触させる。噴霧層Ls10においてエチレンカーボネートが噴射された部材5には油脂などの付着物が除去された代わりにエチレンカーボネートが付着したままとなっている場合がある。噴霧層Ls10において付着していた付着物が除去された部材5は、噴霧層Ls10及び冷気層Lc110を抜けて蒸気層Lv10に入る。蒸気層Lv10では、蒸気層Lv10に漂っているハイドロフロロエーテルの蒸気と部材5とが接触すると、ハイドロフロロエーテルの蒸気の凝縮によって部材5に付着しているエチレンカーボネートが除去される。このとき、エチレンカーボネートを含むハイドロフロロエーテルの凝縮液は、沸騰層Lb10に滴下する。
次に、「第一冷却工程」としてのS104において、部材を冷却する。蒸気層Lv10において付着していたエチレンカーボネートが除去された部材5は、蒸気層Lv10を抜けて冷気層Lc210に入る。冷気層Lc210では、部材5に付着しているハイドロフロロエーテルが気化することによって部材5から除去される。部材5から気化したハイドロフロロエーテルは、冷却管15によって冷却され、樋151を通って水分離部17に移動する。水分離部17では、樋151から流入する液体を水とハイドロフロロエーテルとに分離する。ハイドロフロロエーテルと分離された水は、系外に排出され、ハイドロフロロエーテルは、沸騰層Lb10に戻される。
最後に、S105において、部材5を洗浄槽10外へ搬出する。
次に、使用済み洗浄剤の再生工程について図4、5に基づいて説明する。
最初に、S111において、沸騰層Lb10の使用済み洗浄剤を回収する。沸騰層Lb10の液体は、主にハイドロフロロエーテルであるが、S102における部材5の洗浄によって部材5から除去された油脂を含む付着物や噴射ノズル16が噴射したエチレンカーボネートが含まれている。S111では、移送管34を介して沸騰層Lb10にある液体状態の使用済み洗浄剤を洗浄剤処理タンク31に移動する(図5(a)の白抜き矢印F21)。このとき、使用済み洗浄剤に含まれる固形物、例えば、切削屑や研削屑は、フィルタ302によって除去される。
次に、「相分離工程」としてのS112において、洗浄剤処理タンク31内の使用済み洗浄剤を冷却する。本実施形態では、洗浄剤処理タンク31を冷却部32によってエチレンカーボネートの凝固点以下まで冷却する。使用済み洗浄剤をエチレンカーボネートの凝固点以下まで冷却すると、図5に示すように、洗浄剤処理タンク31内の使用済み洗浄液Wa1は相分離する。具体的には、凝固点以下まで冷却されたエチレンカーボネートは、固体になる(図5(b)の符号We1)。一方、油脂は、固体状態のエチレンカーボネートとの比重の関係から固体状態のエチレンカーボネートの天側に液体状態で位置する(図5(b)の符号Wo1)。また。ハイドロフロロエーテルは、固体状態のエチレンカーボネートの地側に液体状態で存在する(図5(b)の符号Wh1)。
次に、「回収工程」としてのS113において、液体状態の油脂および液体状態のハイドロフロロエーテルを洗浄剤処理タンク31内から回収する。液体状態の油脂は廃棄される。液体状態のハイドロフロロエーテルは、回収管35によって回収され、洗浄槽10内の沸騰層Lb10に戻される(図5(b)の白抜き矢印F22)。
次に、「加熱工程」としてのS114において、洗浄剤処理タンク31内に残っている固体状態のエチレンカーボネートを加熱する。S114では、ヒータ33によって固体状態のエチレンカーボネートをハイドロフロロエーテルの沸点以上、望ましくは沸点より10度以上高い温度となるよう加熱する。このとき、固体状態のエチレンカーボネートは、固体状態から液体状態に相変化し、固体状態のエチレンカーボネートに閉じ込められていたハイドロフロロエーテルが気化する。この気化したハイドロフロロエーテルは、還流管36を介して洗浄槽10内の冷気層Lc210に戻される。冷気層Lc210に戻された気体状態のハイドロフロロエーテルは、冷気層Lc210において液化する。液体となったハイドロフロロエーテルは、沸騰層Lb10に戻る。
S114において、エチレンカーボネートの純度が所定の純度になると、液体状態のエチレンカーボネートを回収し、カーボネート貯留タンク26に戻す。
洗浄装置1において部材5の洗浄を繰り返すと、エチレンカーボネートや部材5から除去された油脂の混入によって沸騰層Lb10のハイドロフロロエーテルの沸点が上昇する。このため、蒸気層Lv10の天地方向の広がりが小さくなり、部材5に付着しているエチレンカーボネートを除去するS103の工程が短くなる。このため、エチレンカーボネートを確実に除去できなくなるおそれがあるため、部材5の品質が低下する。したがって、沸騰層Lb10におけるエチレンカーボネートや油脂の濃度が洗浄品質から規定される管理値となった時点でハイドロフロロエーテルの更新を行う必要がある。
洗浄装置1を用いた部材5の洗浄方法では、S111において、部材5に付着していた油脂、噴射ノズル16が噴射したエチレンカーボネート、および、ハイドロフロロエーテルを含む使用済み洗浄剤を洗浄剤処理タンク31に回収する。回収された使用済み洗浄剤は冷却されると、それぞれの凝固点および比重の違いによって天側から液体状態の油脂、固体状態のエチレンカーボネート、および、液体状態のハイドロフロロエーテルの順に相分離される。洗浄装置1では、この相分離を利用して、使用済み洗浄剤から油脂、エチレンカーボネート、および、ハイドロフロロエーテルをそれぞれ回収することができる。これにより、部材5の洗浄方法では、使用済み洗浄剤からエチレンカーボネートとハイドロフロロエーテルとを簡易に分離回収することができる。
また、本実施形態による部材5の洗浄方法では、洗浄剤再生部30において、冷却によって液体状態のハイドロフロロエーテルと固体状態のエチレンカーボネートとを分離した後、固体状態のエチレンカーボネートをハイドロフロロエーテルの沸点以上まで加熱する。これにより、固体状態のエチレンカーボネートに閉じ込められていたハイドロフロロエーテルが気化し、還流管36を介して洗浄槽10に戻される。したがって、エチレンカーボネートとハイドロフロロエーテルとを確実に分離し、比較的高純度のエチレンカーボネートを回収することができる。
また、本実施形態による部材5の洗浄方法では、温度の調整によって使用済み洗浄剤からエチレンカーボネートとハイドロフロロエーテルとを比較的高純度で分離することができる。これにより、簡易な構成でエチレンカーボネートとハイドロフロロエーテルとを分離することができるため、洗浄工程の設備費および運転コストを低減することができる。
本実施形態による部材5の洗浄方法では、エチレンカーボネートの微粒子をブラスト材として部材5に衝突させ、部材5に付着している油脂を物理的に除去する。エチレンカーボネートの微粒子は、比較的柔らかいため、衝突時に部材5に傷がつきにくい。これにより、部材5の品質の低下を防止することができる。
また、従来、液状の付着物が付着している部材に対して固体の微粒子を用いたブラスト洗浄を行うと、ブラスト材が液状の付着物によって部材に付着したままとなるおそれがある。このため、洗浄が不十分となり部材の品質が低下するおそれがある。
本実施形態による部材5の洗浄方法では、液状の油脂が付着した部材に対してもエチレンカーボネートの微粒子を衝突させた後、付着したままとなっているエチレンカーボネートは、相溶性が高いハイドロフロロエーテルに除去することができる。すなわち、本実施形態による部材5の洗浄方法は、液状の付着物が付着している部材の洗浄にも適用することができる。
また、本実施形態による部材5の洗浄方法では、エチレンカーボネート及びハイドロフロロエーテルの非水系の洗浄剤を用いるため、ウェハやガラス、実装基板など水の使用が敬遠されるエレクトロニクス部品の洗浄にも適用することができる。
また、本実施形態による部材5の洗浄方法では、部材5に付着しているエチレンカーボネートを除去するために不燃性のハイドロフロロエーテルを用いる。これにより、可燃性物質であるエチレンカーボネートの燃焼のリスクを軽減することができるため、比較的安全に部材55を洗浄することができる。
洗浄装置1では、矩形状に形成されている洗浄槽10の開口12は、短辺の長さL1に対する長辺の長さL2の比が2以上となるよう形成されている。また、洗浄槽10の天地方向の長さは、開口12の短辺の長さL1に対するハイドロフロロエーテルの蒸気層Lv10の天側の境界Lv11から開口12までの距離L3の比が1以上となるよう形成されている。これにより、ハイドロフロロエーテルの開口12からの揮発を抑制することができる。
また、洗浄装置1では、S114において、洗浄剤処理タンク31内に残っている固体状態のエチレンカーボネートを加熱するとき、還流管36を介して発生するハイドロフロロエーテルの気体を冷気層Lc210に還流することによって液体にする。液体となったハイドロフロロエーテルは、洗浄槽10内で沸騰層Lb10に戻る。これにより、使用済み洗浄剤の再生においてハイドロフロロエーテルの収率を向上することができる。
また、洗浄装置1は、沸騰層Lb10と洗浄剤処理タンク31との間に固形物を除去可能なフィルタ302が設けられている。これにより、S112における使用済み洗浄剤の冷却の前に使用済み洗浄剤に含まれる切削屑や研削屑を除去することができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による洗浄装置を図6に基づいて説明する。第二実施形態は、カーボネート供給部の構成が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による「部材の洗浄装置」としての洗浄装置1の模式図を図6に示す。洗浄装置2は、搬送コンベア7、洗浄槽10、カーボネート供給部45、洗浄剤再生部30などを備える。なお、図6では、紙面の上側を「天」側、紙面の下側を「地」側として示す。
カーボネート供給部45は、温調ホッパ46、供給配管47、圧縮気体供給部48、混合器49などを有する。
温調ホッパ46は、固体状態のエチレンカーボネートを貯留可能に形成されている。温調ホッパ46は、温調器461を有する。温調器461は、温調ホッパ46を囲むよう設けられている。温調器461は、温調ホッパ46内の温度をエチレンカーボネートの凝固点以下となるよう温調する。温調ホッパ46には、固体状態のエチレンカーボネートが投入される。
供給配管47は、温調ホッパ46と噴射ノズル16とを接続している。供給配管47は、エチレンカーボネートが固体状態を維持可能なよう内部を流れるエチレンカーボネートを保温することが可能である。
圧縮気体供給部48は、供給配管47に設けられている混合器49および温調ホッパ46と接続している。圧縮気体供給部48は、エチレンカーボネートの凝固点以下に温調された高圧気体または低温液化ガスを温調ホッパ46に供給し、固体状態のエチレンカーボネートを加圧する。また、圧縮気体供給部48は、混合器49にも高圧気体または低温液化ガスを供給することが可能である。
混合器49は、温調ホッパ46から送られる固体状態のエチレンカーボネートと圧縮気体供給部48が供給する高圧気体または低温液化ガスとを混合し、噴射ノズル16に供給する。噴射ノズル16は、固体状態のエチレンカーボネートが混合された高圧気体または低温液化ガスを洗浄槽10内に冷気層Lc110に噴射し、噴霧層Ls10を形成する。
本実施形態では、洗浄装置2は、固体状態のエチレンカーボネートを噴射ノズル16から噴射し、部材5に付着している付着物を物理的に除去する。これにより、本実施形態は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による洗浄装置を図7、8に基づいて説明する。第三実施形態は、洗浄槽内の搬送レールの配置が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による「部材の洗浄装置」としての洗浄装置3の模式図を図7に示す。洗浄装置3は、搬送コンベア7、「第一洗浄部」、「第二洗浄部」、「部材冷却部」、および、「洗浄剤供給部」としての洗浄槽50、カーボネート供給部25、洗浄剤再生部30などを備える。なお、図7では、紙面の上側を「天」側、紙面の下側を「地」側として示す。
洗浄槽50は、有底筒状に形成されている。洗浄槽50には、噴射ノズル16寄りに天地方向に延びるよう形成されている仕切り板11が設けられている。洗浄槽50は、内部の地側に「洗浄剤供給部」としてのヒータ13を有する。洗浄槽50は、仕切り板11に対向する側壁501、502の内側に冷却管14、15を有する。冷却管14、15の地側には、樋141、151が設けられている。洗浄槽50が有する噴射ノズル16は、側壁501に設けられている。洗浄槽50が有する水分離部17は、側壁502に設けられている。
洗浄槽50の開口52から洗浄槽50の内部に入る搬送コンベア7は、図7に示すように、洗浄槽50の内部を蛇行するよう配置されている。具体的には、搬送コンベア7は、順に冷気層Lc110、冷気層Lc110内の噴霧層Ls10、蒸気層Lv10、沸騰層Lb10、蒸気層Lv10、冷気層Lc210、蒸気層Lv10、冷気層Lc210を通るよう配置されている。
次に、洗浄装置3を用いた部材5の洗浄方法について説明する。図8には、洗浄装置3における部材5の洗浄工程のフローチャートを示す。なお、ハイドロフロロエーテルの再生工程については、第一実施形態と同じであるため、ここでは省略する。
最初に、S301において、第一実施形態のS101と同様に、搬送コンベア7によって搬送されている部材5を洗浄槽50に搬入する。本実施形態では、搬送コンベア7は、図7に示す白抜き矢印F31、F32、F33、F34、F35、F36、F37、F38の方向に、一定速度で部材5を搬送している。S301では、図7に示す白抜き矢印F31の方向に移動する部材5が洗浄槽50内に搬入される。
次に、「第一洗浄工程」としてのS302において、第一実施形態のS102と同様に、部材5にエチレンカーボネートを噴射する。S302において噴射されたエチレンカーボネートの固体状態の微粒子の一部は、仕切り板11において液体状態に相変化する。仕切り板11の表面で液体状態となったエチレンカーボネートは、図示しない回収溝を通ってハイドロフロロエーテルの沸騰層Lb10に流入する。
次に、「第二洗浄工程」としてのS303において、第一実施形態のS103と同様に、ハイドロフロロエーテルの蒸気と部材5とを接触させる。これにより、部材5に付着しているエチレンカーボネートが除去される。
次に、「第三洗浄工程」としてのS304において、部材5をハイドロフロロエーテルの沸騰液に浸漬する。蒸気層Lv10を通過した部材5は、沸騰層Lb10内に入る。沸騰層Lb10では、ハイドロフロロエーテルは沸騰しているため、ハイドロフロロエーテルの沸騰液は攪拌されている。この攪拌によって蒸気との接触によって除去できなかった部材5に付着しているエチレンカーボネートが溶解除去される。
次に、「第一冷却工程」としてのS305において、第一実施形態のS104と同様に、部材5を冷却する。沸騰層Lb10から出た部材5は、蒸気層Lv10を通過した後、冷気層Lc210に入る。冷気層Lc210では、部材5に付着しているハイドロフロロエーテルが気化することによって部材5から除去される。
次に、「追加洗浄工程」としてのS306において、ハイドロフロロエーテルの蒸気と部材5とを再び接触させる。冷気層Lc210において再び地側に移動する部材5は、再び蒸気層Lv10に入る。これにより、部材5は、再びハイドロフロロエーテルの蒸気と接触し、部材5に付着しているエチレンカーボネートがさらに除去される。
次に、「追加冷却工程」としてのS307において、部材5を冷却する。蒸気層Lv10を通過した部材5は、冷気層Lc210に再び入る。冷気層Lc210では、部材5に付着しているハイドロフロロエーテルが気化することによって部材5から除去される。
最後に、S308において、部材5を洗浄槽10外へ搬出する。
例えば、部材5が複雑な形状である場合、油脂の除去のために噴射されたエチレンカーボネートが一回のハイドロフロロエーテルの蒸気との接触だけでは除去されない場合がある。本実施形態による部材5の洗浄方法では、部材5をハイドロフロロエーテルの沸騰液に浸漬することによって部材5の細部に付着しているエチレンカーボネートを確実に溶解除去することができる。したがって、第三実施形態は、第一実施形態の効果を奏するとともに、複雑な形状の部材でも確実に洗浄することができる。
また、本実施形態による部材5の洗浄方法では、高純度のハイドロフロロエーテルの蒸気と部材5との接触及び部材5の冷却を複数回行っている。これにより、部材5の細部に付着しているエチレンカーボネートをさらに確実に除去することができる。
また、本実施形態では、部材5をハイドロフロロエーテルの沸騰液に浸漬させるため、沸騰層Lb10の液体に含まれる油脂やエチレンカーボネートが部材5に再び付着するおそれがある。本実施形態では、沸騰層Lb10の液体の再生処理において、比較的純度が高いハイドロフロロエーテルを回収することができるため、部材5のハイドロフロロエーテルの沸騰液への浸漬においても油脂やエチレンカーボネートが部材5に再び付着することを防止できる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、部材に付着している油脂は、切削や研削、プレス成形加工における機械油であるとした。しかしながら、油脂は、これに限定されない。グリース類、ワックス類、フラックス類や液晶などカーボネートに溶けないものであればよい。
上述の実施形態では、洗浄装置が使用する環状カーボネート系材料は、エチレンカーボネートであるとした。しかしながら、洗浄装置が使用する環状カーボネート系材料は、これに限定されない。例えば、有機電解液として用いられるプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなど融点が30〜60度の環状カーボネート系材料であればよい。
上述の実施形態では、洗浄装置が使用するカーボネート洗浄剤は、ハイドロフロロエーテルであるとした。しかしながら、洗浄装置が使用するカーボネート洗浄剤はこれに限定されない。カーボネート洗浄剤は、大気圧沸点が40〜100度であってエチレンカーボネートの凝固点よりも高ければよい。また、カーボネート類と相溶性がある一方、油脂とは相溶しない材料であればよい。例えば、HFC(ハイドロフロロカーボン)、HFO(ハイドロフロロオレフィン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などのフッ素系化合物であってもよい。
第一実施形態では、カーボネート貯留タンクには液体状態のエチレンカーボネートが投入されるとした。しかしながら、カーボネート貯留タンクに投入されるエチレンカーボネートの状態はこれに限定されない。固体状態のものであってもよく、形状は限定されない。
第一実施形態では、カーボネート供給部が供給する液体状態のエチレンカーボネートが噴射ノズルによって固体の微粒子になるとした。しかしながら、微粒化されたエチレンカーボネートを噴射する方法は、これに限定されない。ピストンを用いて噴射する方法や、圧縮気体と液体状態のエチレンカーボネートとを二流体ノズルで噴射する方法であってもよい。二流体ノズルで噴射する場合、圧縮気体の温度は、エチレンカーボネートの凝固点以上、望ましくは凝固点に比べ5〜10度程度高い温度に設定されているとよい。
第三実施形態では、部材は、蒸気層、沸騰層、及び蒸気層を通ってから冷却層に入った後、再び蒸気層に入ってから冷却層に入るとした。しかしながら、蒸気層に入ってから冷却層に入った後、再び蒸気層に入ってから冷却層に入ってもよい。すなわち、この場合、高純度のハイドロフロロエーテルの蒸気層におけるエチレンカーボネートの洗浄を二回行うことになるため、エチレンカーボネートの除去を確実に行うことができる。
上述の実施形態では、液体状態の使用済み洗浄剤を冷却し相分離するとした。しかしながら、液体状態の使用済み洗浄剤を放置し放熱することによって冷却してもよい。
上述の実施形態では、部材は、搬送コンベアによって一定速度で連続して搬送されるとした。しかしながら、部材が搬送される状態はこれに限定されない。一定距離移動した後停止するピッチ搬送で移動してもよい。
上述の実施形態では、洗浄槽の開口は、搬送コンベアが通るよう形成されるとした。このとき、搬送コンベアが通ることが可能な程度の隙間を有する蓋を用いることでハイドロフロロエーテルの揮発をさらに抑えることができる。
上述の実施形態では、矩形状の開口は、短辺の長さを長さL1、長辺の長さを長さL2とすると、(L2/L1)が2以上となるよう形成されているとした。開口の形状はこれに限定されない。
上述の実施形態では、洗浄槽10は、蒸気層Lv10と冷気層Lc210との境界Lv11から開口12までの距離L3とすると、(L3/L1)は、1以上となるよう形成されるとした。しかしながら、洗浄槽10の形状はこれに限定されない。
上述の実施形態では、「第一洗浄部」、「第二洗浄部」、「部材冷却部」、および、「洗浄剤供給部」は、洗浄槽として一体に設けられるとした。しかながら、「第一洗浄部」、「第二洗浄部」、「部材冷却部」、および、「洗浄剤供給部」、別々に設けられてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3・・・洗浄装置
5・・・部材
10・・・洗浄槽(第一洗浄部、第二洗浄部、部材冷却部、洗浄剤供給部)
13・・・ヒータ(洗浄剤供給部)
14、15・・・冷却管(部材冷却部)
16・・・噴射ノズル(第一洗浄部)
25・・・カーボネート供給部
31・・・洗浄剤処理タンク(洗浄剤貯留部)
32・・・冷却部(洗浄剤冷却部)

Claims (15)

  1. 部材(5)に付着している油脂を除去可能な部材の洗浄方法であって、
    前記部材に環状カーボネート系材料の粒子を噴射する第一洗浄工程と、
    前記第一洗浄工程の後、カーボネート洗浄剤の蒸気と前記部材とを接触させる第二洗浄工程と、
    前記第二洗浄工程の後、前記部材を冷却する第一冷却工程と、
    前記部材から除去された前記油脂、前記第一洗浄工程において前記部材に噴射された前記環状カーボネート系材料、および、前記第二洗浄工程において前記部材と接触した前記カーボネート洗浄剤の混合物である使用済み洗浄剤を冷却し、液体状態の前記油脂、固体状態の前記環状カーボネート系材料、および、液体状態の前記カーボネート洗浄剤に相分離させる相分離工程と、
    を含む部材の洗浄方法。
  2. 前記相分離工程の後、液体状態の前記カーボネート洗浄剤を回収する回収工程と、
    前記回収工程の後、前記相分離工程において固体状態となった前記環状カーボネート系材料の温度を前記カーボネート洗浄剤の沸点以上に加熱する加熱工程と、
    をさらに含む請求項1に記載の部材の洗浄方法。
  3. 前記第二洗浄工程の後であって前記第一冷却工程の前に、前記部材を前記カーボネート洗浄剤の沸騰液に浸漬する第三洗浄工程をさらに含む請求項1または2に記載の部材の洗浄方法。
  4. 前記第一冷却工程の後に、前記カーボネート洗浄剤の蒸気と前記部材とを接触させる追加洗浄工程と、
    前記追加洗浄工程の後に、前記部材を冷却する追加冷却工程と、
    をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の部材の洗浄方法。
  5. 前記環状カーボネート系材料は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、および、ブチレンカーボネートのいずれか一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗部材の洗浄方法。
  6. 前記カーボネート洗浄剤は、ハイドロフロロカーボン、ハイドロフロロエーテル、ハイドロフロロオレフィン、および、ハイドロクロロフルオロカーボンのいずれか一つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の部材の洗浄方法。
  7. 部材(5)に付着している油脂を除去可能な部材の洗浄装置(1、2、3)であって、
    前記部材に環状カーボネート系材料の粒子を噴射可能な第一洗浄部(10、16)と、
    前記第一洗浄部に前記環状カーボネート系材料を供給可能なカーボネート供給部(25)と、
    前記環状カーボネート系材料が噴射された前記部材とカーボネート洗浄剤の蒸気とを接触させることが可能な第二洗浄部(10)と、
    前記カーボネート洗浄剤の蒸気と接触した前記部材を冷却する部材冷却部(10、14、15)と、
    前記第二洗浄部に前記カーボネート洗浄剤の蒸気を供給する洗浄剤供給部(10、13)と、
    前記部材から除去された前記油脂、前記第一洗浄部において噴射された前記環状カーボネート系材料、および、前記第二洗浄部において前記部材と接触した前記カーボネート洗浄剤の混合物である使用済み洗浄剤を貯留可能な洗浄剤貯留部(31)と、
    前記洗浄剤貯留部に設けられ、前記使用済み洗浄剤を前記環状カーボネート系材料の凝固点以下の温度まで冷却可能な洗浄剤冷却部(32)と、
    を備える部材の洗浄装置。
  8. 前記洗浄剤貯留部に設けられ、前記洗浄剤貯留部内の前記環状カーボネート系材料と前記カーボネート洗浄剤との混合物を前記カーボネート洗浄剤の沸点以上の温度まで加熱可能な洗浄剤加熱部(33)をさらに備える請求項7に記載の部材の洗浄装置。
  9. 前記洗浄剤貯留部と前記部材冷却部とを接続するよう設けられ、前記洗浄剤貯留部内の気体状態の前記カーボネート洗浄剤を前記部材冷却部内に流通可能な還流管(36)をさらに備える請求項7または8に記載の部材の洗浄装置。
  10. 前記洗浄剤貯留部に設けられ、前記使用済み洗浄剤に含まれる異物を回収可能なフィルタ(302)を有し、前記洗浄剤貯留部内に流入する前記使用済み洗浄剤が流れる移送管(34)をさらに備える請求項7〜9のいずれか一項に記載の部材の洗浄装置。
  11. 前記洗浄剤供給部は、前記カーボネート洗浄剤を沸騰可能なヒータ(13)を有する請求項7〜10のいずれか一項に記載の部材の洗浄装置。
  12. 前記第一洗浄部、前記第二洗浄部、前記部材冷却部、及び、前記洗浄剤供給部は、一体に形成され、地側から前記洗浄剤供給部、前記第二洗浄部、前記第一洗浄部または前記部材冷却部の順に設けられ、前記洗浄剤供給部内と前記第二洗浄部内、並びに、前記第二洗浄部内と前記第一洗浄部内及び前記部材冷却部内とそれぞれが連通している請求項7〜11のいずれか一項に記載の部材の洗浄装置。
  13. 前記部材を搬送可能な搬送コンベア(7)をさらに備え、
    前記第一洗浄部と前記部材冷却部とは前記第二洗浄部の天側に隣り合うよう設けられ、
    前記第一洗浄部及び前記部材冷却部の天側は、前記搬送コンベアによって前記第一洗浄部内に前記部材を搬入可能かつ前記部材冷却部内から前記部材を搬出可能な開口(12)が形成されている請求項12に記載の部材の洗浄装置。
  14. 前記開口は、矩形状に形成され、
    前記開口の長辺の長さ(L2)に対する前記開口の短辺の長さ(L1)の比は、2以上である請求項13に記載の部材の洗浄装置。
  15. 前記部材冷却部が有し前記カーボネート洗浄剤の蒸気が漂っている蒸気層(Lv10)と前記部材冷却部が有する冷却層(Lc210)との境界(Lv11)から前記開口までの距離(L3)に対する前記開口の短辺の長さ(L1)の比は、1以上である請求項14に記載の部材の洗浄装置。
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