JP2017149911A - 接着剤組成物およびそれを用いた接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、液状のエポキシ樹脂接着剤をシート化することが可能な接着剤組成物、およびそれを用いた接着シートを提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする接着剤組成物を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、接着剤組成物およびそれを用いた接着シートに関する。
従来、物品の製造工程においては、上記物品を構成する各部材を接着するために様々な接着剤が用いられており、上記接着剤として例えば、主としてエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂接着剤が知られている。エポキシ樹脂接着剤は、通常、液状で使用され、空気中の酸素や湿気により反応が開始する1液型のものもと、エポキシ樹脂に硬化剤を混合することにより反応が開始する2液型のものがある(特許文献1および特許文献2)。
特開2007−521336号公報 特許第3562386号公報
しかし、エポキシ樹脂接着剤を用いる場合、液状であるが故、作業者の技能により、塗布ムラや被着面からのはみ出し、液垂れ等の塗工不具合が生じやすく、均一に塗布することが困難であるという課題がある。また、1液型の接着剤を用いる場合は、専用のカートリッジガンを用いる必要があるため汎用性に欠けたり、周囲の環境や被着体の状態等により硬化性が変化するため、安定した接着性が得られない場合がある。一方、2液型の接着剤を用いる場合は、2液を計量し混合しなければならず、接着剤の調製に時間がかかる上に配合ミス等が生じやすいという課題もある。
これらの課題に対し、液状のエポキシ樹脂接着剤をシート化する検討がされている。しかし、エポキシ樹脂を含む接着剤組成物を剥離層上に塗布しようとすると、上記剥離層は、離型剤を含んでいたり、剥離性の高い樹脂で形成されている上、エポキシ樹脂の重量平均分子量が数千以下と小さいため、接着剤組成物と剥離層との親和性が悪く、上記接着剤組成物は塗膜として濡れ広がることが困難となる。このため、接着剤組成物は、剥離層上で弾かれてしまい、均一な塗膜を形成することが困難であり、シート化は容易ではない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、液状のエポキシ樹脂接着剤をシート化することが可能な接着剤組成物、およびそれ用いた接着シートを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする接着剤組成物を提供する。
上記発明によれば、所定の重量平均分子量およびガラス転移温度を有するメタクリル樹脂を含むことで、上記メタクリル樹脂とエポキシ樹脂とが良好に相溶し、また、上記メタクリル樹脂は剥離層に対して高親和性を有することから、高いシート強度を有するシート状の接着剤を上記剥離層上に容易に形成することができる。
なお、シート状の接着剤のことを、接着剤層と称する場合がある。
上記発明においては、上記メタクリル樹脂の含有量が、上記エポキシ樹脂100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。エポキシ樹脂との相溶性がさらに良好となり、上記接着剤組成物を用いて形成される接着剤のシート強度を高めることができるからである。
また、本発明は、接着剤層と、上記接着剤層の少なくとも一方の面に配置された剥離層と、を有し、上記接着剤層が、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする接着シートを提供する。
上記発明によれば、所定の重量平均分子量およびガラス転移温度を有するメタクリル樹脂を含むことで、上記接着剤層内でエポキシ樹脂と良好に相溶して存在することができる。また、メタクリル樹脂は、剥離層に対して高親和性を有する。
これらの理由により、上記接着剤層は剥離層上でシート形状を保持することができ、高いシート強度を有することができる。また上記接着剤層は、剥離層と十分に接着することができるとともに、剥離も良好に行うことが可能となる。
本発明は、液状のエポキシ樹脂接着剤をシート化することが可能な接着剤組成物を提供することができるという効果を奏する。
本発明の接着シートの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の接着剤組成物および接着シートについて詳細に説明する。
A.接着剤組成物
本発明の接着剤組成物は、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする。
本発明によれば、所定の重量平均分子量およびガラス転移温度を有するメタクリル樹脂を含むことで、上記メタクリル樹脂とエポキシ樹脂とが良好に相溶し、また、上記メタクリル樹脂は剥離層に対して高親和性を有することから、高いシート強度を有するシート状の接着剤を上記剥離層上に容易に形成することができる。
すなわち、本発明の接着剤組成物中では、メタクリル樹脂がエポキシ樹脂の分子間に入り込むことで、上記接着剤組成物を剥離層上に塗布すると、メタクリル樹脂が塗布面内で分散して存在することが推測される。このため、上記メタクリル樹脂が有する剥離層に対する高親和性が面内で発揮され、剥離層上に均質な層形成が可能となるのである。
ここで、本発明においては、メタクリル樹脂に代えて、アクリル酸エステルを主成分とするアクリル樹脂を用いることも想定される。しかし、アクリル樹脂を用いる場合であっても、本発明の効果を奏するためには、ガラス転移温度および重量平均分子量の両方がそれぞれ所定の範囲内にある必要があるところ、所定のガラス転移温度を示すアクリル樹脂は、重量平均分子量が所定の範囲よりも大きくなる傾向があり、両方の条件を同時に具備することは困難である。このため、アクリル樹脂を用いる場合、後述するガラス転移温度が低すぎることによる不具合や、重量平均分子量が大きすぎることによる不具合が生じやすくなる。
これに対し、メタクリル樹脂は、ガラス転移温度および重量平均分子量をそれぞれ所定の範囲内に同時に有することが比較的容易である点で、アクリル樹脂よりも好適である。
以下、本発明の接着剤組成物の各組成について説明する。
1.メタクリル樹脂
本発明におけるメタクリル樹脂は、重量平均分子量およびガラス転移温度がそれぞれ所定の範囲内にあるものである。
上記メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルを主成分とする。
また、本発明においては、メタクリル樹脂として、ブロック共重合体を含まないことが好ましい。
メタクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、90000以上400000以下であればよく、中でも100000以上300000以下が好ましく、特に100000以上200000以下が好ましい。メタクリル樹脂の重量平均分子量が上記範囲よりも大きいと、エポキシ樹脂と混じり合わず、溶液の状態で2層に分離してしまう。また、エポキシ樹脂との相溶性が低下することで、メタクリル樹脂が剥離層に対して高親和性を有していても、接着剤組成物が剥離層から弾かれてしまい、接着剤のシートを形成することが困難となる。
一方、メタクリル樹脂の重量平均分子量が上記範囲よりも小さいと、接着剤組成物が剥離層から弾かれやすくなり、シート状の接着剤を形成しても、そのシート形状を保持することが困難となる場合や、粘着性が高くなり糸引きが生じやすくなるため、所望のシート強度が得られない場合がある。
なお、糸引きとは、接着剤のシートと接着していた剥離層を剥がした際に、接着剤が上記剥離層の被着面に付着して、糸状になって剥離層の剥離方向に伸びる現象をいう。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、標準ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)を求めた値である。具体的な測定条件としては、測定装置として、Waters製のWaters2695を用い、カラムとして、昭和電工製のLF−804×3本(内径8mm、長さ300mm)を用い、サンプル濃度を0.5%(テトラヒドロフランで希釈)とし、移動相溶媒としてテトラヒドロフランを用い、流速を1ml/分とし、カラム温度を40℃とした。
また、上記メタクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、80℃以上であればよく、中でも90℃以上110℃以下であることが好ましく、特に100℃以上105℃以下であることが好ましい。メタクリル樹脂のガラス転移温度が80℃よりも低いと、剥離層に対する親和性が低下して、接着剤組成物が弾かれて接着剤のシート化が阻害される場合や、逆に、糸引きが発生しやすくなるため、シート強度が低下してシートの形状を保持することが困難となる場合があるからである。
本発明において用いられるメタクリル樹脂は、通常、ガラス転移によるピークが単一であるが、上記ピークが2以上出現する場合は、複数のピークのうち温度が最も低いピークが上記範囲内にあればよい。
メタクリル樹脂はモノマー単位を組み合わせて共重合して得られ、メタクリル樹脂のガラス転移温度は、メタクリル樹脂のモノマー単位の種類や、組み合わせるモノマー単位の比率等を変更することにより、適宜調整することができる。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステルが単独重合してなるホモポリマーであっても、ガラス転移温度が上記した範囲となるものもあるが、ガラス転移温度が上記した範囲内にないホモポリマーのモノマー単位の使用が制限されるわけではなく、種々のモノマー単位を組み合わせて共重合してなるメタクリル樹脂のガラス転移温度が、上記の所定の範囲内にあればよい。ランダム共重合体では、構成するモノマー単位のガラス転移温度が平均化されるため、ホモポリマーのガラス転移温度が上記の範囲内に無いモノマー単位を含む場合であっても、ガラス転移温度の低いモノマー単位単体による特性は発揮されにくいと推測されるためである。
上記メタクリル樹脂のガラス転移温度は、損失正接(tanδ)のピークトップの値に基づく方法(DMA法)により測定された値を意味する。また、損失正接は、損失弾性率/貯蔵弾性率の値により決定される。
これら弾性率は、メタクリル樹脂に対して一定の周波数で力を付与した時の応力を、動的粘弾性測定装置を用いて測定することができる。具体的には、ティー・エイ・インスツルメント社製の固体粘弾性アナライザーRSA−IIIを用い、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法により下記条件で測定する。
・アタッチメントモード:圧縮モード
・周波数:1.0Hz
・温度範囲:−50℃〜250℃
・昇温速度:5℃/分
重量平均分子量およびガラス転移温度がそれぞれ所定の範囲内にあるメタクリル樹脂としては、例えば、メタクリル酸エステルをモノマー単位として含むメタクリル酸エステル共重合体を用いることができる。
メタクリル酸エステルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、イソノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等の炭素数1〜30、特に炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキルエステル等のメタクリル酸アルキルエステル、および、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等のメタクリル酸シクロアルキルエステルを使用することができる。これらメタクリル酸エステルは1種または2種以上を含んでいてもよい。
また、メタクリル樹脂の重量平均分子量およびガラス転移温度がそれぞれ所定の範囲内であれば、メタクリル酸エステル以外の、官能基含有メタクリレートをモノマー単位として併用してもよい。すなわち、メタクリル樹脂が、メタクリル酸エステルと官能基含有メタクリレートとの共重合体であってもよい。
メタクリル酸エステルと共重合可能な官能基含有メタクリレートとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられる。
カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルメタクリレート、カルボキシペンチルメタクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。酸無水物基含有モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。ヒドロキシル基含有モノマーとしては、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸8−ヒドロキシオクチル、メタクリル酸10−ヒドロキシデシル、メタクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルコール、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、メタクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等が挙げられる。リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等が挙げられる。エポキシ基含有モノマーとしては、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、酢酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン等の芳香族ビニル化合物、および、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類のモノマー等が挙げられる。
また、アクリロニトリル等のシアノ基含有モノマー、アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー等の窒素原子を含有する官能基含有メタクリレートをモノマー単位として含んでいてもよい。
上記メタクリル樹脂は、上記したモノマーを、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合または懸濁重合等の方法を用いて重合させて得ることができる。中でも、上記メタクリル樹脂が溶液として得られる溶液重合により製造することが好ましい。上記メタクリル樹脂が溶液として得られることにより、そのまま接着剤組成物の製造に使用することができるからである。
溶液重合に使用する溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエン、n−ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤が挙げられる。また、重合に使用する重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシドなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなどのアゾビス化合物または高分子アゾ重合開始剤等が挙げられ、これらは単独でもまたは組み合わせても使用することができる。また、上記重合においては、メタクリル樹脂の重量平均分子量を調整するために従来公知の連鎖移動剤を使用することができる。
接着剤組成物中のメタクリル樹脂の含有量は、エポキシ樹脂の含有量に応じて適宜調整することができ、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であることが好ましく、中でも10質量部以上40質量部以下が好ましく、特に20質量部以上30質量部以下が好ましい。メタクリル樹脂の含有量を上記範囲内とすることで、エポキシ樹脂との相溶性がさらに良好となり、上記接着剤組成物を用いて形成されるシートの強度を高めることができるからである。
なお、メタクリル樹脂の含有量が上記範囲を下回ると、形成されるシートの柔軟性や粘着性が高くなり、裁断加工性が低下する場合がある。一方、メタクリル樹脂の含有量が上記範囲を上回ると、接着剤組成物から得られる接着剤のタックが小さくなる傾向にあり、シートにしたときに、接着に必要な十分なタック性が得られにくくなる。
2.エポキシ樹脂
本発明におけるエポキシ樹脂は、少なくとも1つ以上のエポキシ基またはグリシジル基を有する樹脂をいう。
本発明において用いられるエポキシ樹脂は、硬化剤との併用により架橋重合反応を起こして硬化する材料であればよく、特に限定されない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
中でも、本発明においては、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖に持つエポキシ樹脂を用いることが好ましく、特に、ビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることが好ましく、その中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノール骨格の繰り返し単位の数によって、常温で液体の状態、または常温で固体の状態で存在することができる。主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体であり、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は結晶性があり、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化する。したがって、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた場合には、本発明の接着剤組成物を用いて形成されるシート状の接着剤の接着強度を高めることができる。また、このような比較的低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、自由体積が小さくなるため吸湿性が小さくなるという特徴がある。
本発明においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、上記したような常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、常温で液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用して使用することが好ましい。常温で固体のものと液体のものとを併用することにより、機械的強度を保ちつつ、柔軟性を得ることができる。その結果、本発明の接着剤組成物を用いて形成されるシート状の接着剤の接着強度を向上させることができる。
常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、機械的強度および耐熱性の観点から、ガラス転移温度が50℃〜150℃の範囲内にある材料であることが好ましい。具体的には、常温で液体である主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学(ジャパンエポキシレジン)社製 jER828が挙げられ、また常温で固体である主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学(ジャパンエポキシレジン)社製 jER1009が挙げられる。
常温で固体のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、常温で液体のビスフェノールA型エポキシ樹脂との配合割合は、適宜調整することができるが、例えば、質量基準において、100:300〜300:100の割合で配合されていることが好ましい。両者の配合割合を上記の範囲とすることによって、より接着強度に優れるシート状の接着剤を形成することができる。
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、得られるシート状の接着剤が所望の接着力を有することができれば、特に限定されないが、例えば300以上6000以下であることが好ましく、中でも300以上5000以下が好ましい。エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)を上記範囲内とすることで、アクリル樹脂との相溶性を高めることができるからである。
なお、エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記上限値よりも大きいと、アクリル樹脂と十分に混ざらない場合があり、一方、上記下限値よりも小さいと、接着剤組成物の粘度が下がり過ぎて、剥離層上に塗布する際に弾きの原因となる場合がある。
3.硬化剤
本発明において用いられる硬化剤は、一般にエポキシ樹脂の硬化に用いられる汎用のものを用いることができ、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、チオール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ケチミン系硬化剤等が挙げられる。
上記アミン系硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等が挙げられる。
上記酸無水物系硬化剤としては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等が挙げられる。
上記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂等が挙げられる。
上記チオール系硬化剤としては、例えば、エステル結合型チオール化合物、脂肪族エーテル結合型チオール化合物、芳香族エーテル結合型チオール化合物等が挙げられる。
また、イミダゾール系硬化剤としては、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールや、イミダゾール化合物のカルボン酸塩、エポキシ化合物との付加物等が挙げられる。また、上記硬化剤は硬化促進剤を含んでもよい。
硬化剤の接着剤組成物中の含有量は、硬化剤の種類によって重量比が異なるため、当量比が同程度となるように混合することができ、エポキシ樹脂の含有量に応じて適宜調整することができる。
4.溶剤
本発明の接着剤組成物に含まれる溶剤は、上記接着剤組成物を塗布し乾燥して接着剤層を形成する際に揮発して除去される。
本発明の接着剤組成物に含まれる溶剤は、一般的な接着剤組成物に用いられる材料を用いることができる。上記溶剤は1種類であってもよく、2種類以上であってもよいが、中でも高沸点溶剤と低沸点溶剤との2種類を含むことが好ましい。
本発明の接着剤組成物が低沸点溶剤のみを含む場合、接着剤組成物を塗布し乾燥する過程で突沸が生じ、接着剤層中に多くの気泡が発生する場合があるところ、本発明の接着剤組成物が低沸点溶剤に加えて高沸点溶剤を含むことで、段階的に溶剤を気化させることができ、突沸によるシート面での気泡の発生を防ぐことができるからである。
ここで、高沸点溶剤とは、沸点が100℃以上150℃以下にある溶剤をいい、具体的には、トルエン、キシレン等が挙げられる。また、低沸点溶剤とは、沸点が70℃以上80℃以下にある溶剤をいい、具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル等が挙げられる。
接着剤組成物中の高沸点溶剤と低沸点溶剤との配合比率(高沸点溶剤:低沸点溶剤)は、例えば、質量比で1:1〜1:4の範囲内であることが好ましい。
接着剤組成物に含まれる溶剤の含有量は、接着剤組成物の塗布方法に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、残留溶剤量の観点から、接着剤組成物100質量%中に10質量%〜70質量%の範囲内で配合されていることが好ましい。
上述したように、使用するメタクリル樹脂が溶液である場合は、メタクリル樹脂を調製する際のモノマーの溶液重合に用いた溶剤を、接着剤組成物に含まれる溶剤とすることができる。
5.その他の材料
本発明の接着剤組成物は、上述したエポキシ樹脂、メタクリル樹脂、硬化剤、および溶剤の他にも、必要に応じてその他の材料を含んでいてもよい。例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤等を含んでいてもよい。その他にも、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などのカップリング剤を含んでいてもよい。これにより、上記接着剤組成物から形成されるシート状の接着剤と被着体との密着性を向上させることができるからである。
6.調製方法
本発明の接着剤組成物を調製する方法としては、例えば、各成分を混練、分散する方法が挙げられる。混練または分散方法としては、例えば、通常の混練分散機、具体的には、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機等が挙げられる。エポキシ樹脂として複数種を用いる場合は、先に硬いエポキシ樹脂を混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶剤で希釈した後に、軟かいエポキシ樹脂を混合撹拌し、次いで、メタクリル樹脂を混合撹拌することが好ましい。
7.物性
本発明の接着剤組成物は、所定の粘度を有することが好ましい。具体的には、上記接着剤組成物を用いて形成されるシート状の接着剤を、硬化前に所望の大きさや形状に切断することが可能な程度の粘度を有することが好ましい。
接着剤組成物の粘度は、例えば、1センチストークス〜20000センチストークス(25℃)の範囲内であることが好ましく、中でも1センチストークス〜2000センチストークスの範囲内であることが好ましい。
B.接着シート
次に、本発明の接着シートについて説明する。本発明の接着シートは、接着剤層と、上記接着剤層の少なくとも一方の面に配置された剥離層と、を有し、上記接着剤層が、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とするものである。
本発明の接着シートについて、図を参照して説明する。図1は本発明の接着シートの一例を示す概略断面図である。本発明の接着シート10は、接着剤層1と、接着剤層1の少なくとも一方の面に配置された剥離層2と、を有し、接着剤層1が、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする。
本発明によれば、所定の重量平均分子量およびガラス転移温度を有するメタクリル樹脂を含むことで、上記接着剤層内でエポキシ樹脂と良好に相溶して存在することができる。また、メタクリル樹脂は、剥離層に対して高親和性を有する。
これらの理由により、上記接着剤層は剥離層上でシート形状を保持することができ、高いシート強度を有することができる。また上記接着剤層は、剥離層と十分に接着することができるとともに、剥離も良好に行うことが可能となる。
以下、本発明の接着シートの各構成について説明する。
1.接着剤層
本発明における接着剤層は、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤とを含み、上記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上である。
上記接着剤層は、上述の「A.接着剤組成物」の項で説明した接着剤組成物から溶剤が除去された、シート状の接着剤である。
上記接着剤層に含有されるエポキシ樹脂、メタクリル樹脂、および硬化剤、ならびに任意の材料については、上述の「A.接着剤組成物」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
また、上記接着剤層は、芯材を含み、接着剤が芯材に含浸されたものであってもよい。
上記芯材としては、例えば、織布や不織布が挙げられる。織布および不織布としては、一般的に公知の織布または不織布を用いることができ、具体的には、液晶ポリマー等の耐熱性のあるプラスチックの繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられ、これらの材料を用いて構成した織布、不織布を使用することができる。
2.剥離層
本発明における剥離層は、接着剤層の少なくとも一方の面に配置される。
上記剥離層としては、例えば、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等が挙げられる。
また、上記剥離層として例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成したものであってもよい。離型層としては、離型性を有する材料であることが好ましく、例えば、シリコン樹脂、有機樹脂変性シリコン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等から構成された層が挙げられる。なお、これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用することができる。
離形層は、離形層成分を分散または溶解した塗液を、離型紙用基材の片面に塗布し、加熱乾燥等により硬化させることで得ることができる。塗液の塗布方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコート等が挙げられる。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成していてもよい。
上記剥離層は、上記接着剤層の少なくとも一方の面に配置されるが、上記接着剤層の両面に配置されていてもよい。すなわち、一対の剥離層の間に上記接着剤層が配置されていてもよい。
上記剥離層は、接着剤層に対して所定の剥離力を有することが好ましい。具体的には、剥離力が1mN/cm〜2000mN/cmの範囲内であることが好ましく、中でも100mN/cm〜1000mN/cmの範囲内であることが好ましい。
上記剥離力は、接着剤層の両面に剥離層が配置された接着シートをカットして幅25mmの試験体とし、JIS Z0237に準拠して、剥離速度0.3m/分、剥離角180°にて剥離強度を測定することができる。
上記剥離層の剥離力が上記範囲内であることにより、上記剥離層と接着剤層とを十分に接着させることができるとともに、剥離も良好に行うことが可能となる。
接着剤層の両面に剥離層が配置されている場合、一方が軽剥離性を有し、他方が重剥離性を有することが好ましい。
本発明の接着シートは、剥離層の一方の面に接着剤組成物を塗布し、溶剤を除去することで形成することができる。具体的な塗布方法としては、接着剤組成物を塗布することができる方法であればよく、特に限定されないが、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコート等が挙げられる。
また、塗布後の接着剤組成物上に他の剥離層を配置することで、接着剤層の両面に剥離層が設けられた接着シートを形成することができる。
また、芯材を含む接着剤層を有する本発明の接着シートは、以下の方法により形成することができる。コーティング機を用いて剥離層と芯材とを重ねて走行させ、上記芯材を有する面に接着剤組成物を塗布して芯材に含浸される。次に、上記芯材に含浸された接着剤組成物を乾燥させて溶剤を除去することで、接着剤層に芯材が含浸された接着シートを得ることができる。また、第1剥離層に接着剤組成物を塗布して乾燥させ、接着剤組成物を介して第1剥離層を芯材シートでラミネート(ドラムの温度70℃〜90℃)し、第2剥離層に接着剤組成物を塗布して乾燥させ、芯材シートを介して上記第1剥離層と対向するように第2剥離層をラミネート(ドラムの温度70℃〜90℃)して、接着剤組成物を芯材に含浸させた接着シートを得る方法が挙げられる。
本発明の接着シートを用いた接着方法は、被着体となる部材の種類等に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、接着剤層を被着体となる部材に貼合し、所望の温度で接着剤層を硬化させる方法が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
1.接着剤組成物Aの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:QX-40、固形分100%)を73g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Aを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aを乾燥後厚さが100μmになるように、シリコン剥離処理をした厚み50μmのPET製キャリアフィルム(ニッパ製:J2、剥離力:120mN、剥離層1とする。)の片面にコーターで塗布した。50℃下で1.5分、70℃下で1.5分、110℃下で1.5分の順で乾燥を行い、接着剤層Aを形成した。その後、シリコン剥離処理をした厚み50μmのPET製キャリアフィルム(ニッパ製:J0、剥離力:50mN、剥離層2とする。)を接着剤層Aの塗布面にラミネートし、接着シートを得た。
なお、剥離層1および2の剥離力は、カタログ値(測定方法:日東電工社製 31B 50mm幅換算、剥離角180°、300mm/分にてピール、室温放置後測定)である。
[実施例2]
1.接着剤組成物Bの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(四国化成製:2PHZ-PW、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Bを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例3]
1.接着剤組成物Cの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(新日本理化製:MH-T、固形分100%)を61.6g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Cを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例4]
1.接着剤組成物Dの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:170、固形分100%)を1.6g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Dを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例5]
1.接着剤組成物Eの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:ST-12、固形分100%)を62.9g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Eを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例6]
1.接着剤組成物Fの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Fを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例7]
1.接着剤組成物Gの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR80、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Gを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例8]
1.接着剤組成物Hの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR84、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Hを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例9]
1.接着剤組成物Iの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR95、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Iを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例10]
1.接着剤組成物Jの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を50g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Jを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[実施例11]
1.接着剤組成物Kの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR85、固形分100%)を10g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Kを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Kを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[比較例1]
1.接着剤組成物Lの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR83、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Lを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Lを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[比較例2]
1.接着剤組成物Mの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR101、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Mを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Mを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[比較例3]
1.接着剤組成物Nの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、アクリル樹脂(ナガセケムテックス製:SG-P6、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Nを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Nを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[比較例4]
1.接着剤組成物Pの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR60、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Pを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Pを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
[比較例5]
1.接着剤組成物Qの調製
エポキシ接着剤(三菱樹脂製:jER828、重量平均分子量:370、固形分100%)100gに対して、メタクリル樹脂(三菱レイヨン製:ダイヤナールBR90、固形分100%)を20g、エポキシ硬化剤(三菱樹脂製:H30、固形分100%)を5.8g、希釈溶剤としてトルエン(DICグラフィック製)を40gおよびMEK(DICグラフィック製)を40g混合して接着剤組成物Qを得た。
2.接着シートの作製
接着剤組成物Aに代えて接着剤組成物Qを用いたこと以外は、実施例1と同様にして接着シートを得た。
実施例1〜11および比較例1〜5で用いたメタクリル樹脂またはアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(℃)、ならびに、エポキシ硬化剤の種別を表1に示す。メタクリル樹脂およびアクリル樹脂については、重量平均分子量(Mw)およびガラス転移温度(℃)が所定の範囲内にあるものを○とし、少なくとも一方が所定の範囲内にないものを×とした。
Figure 2017149911
[評価]
実施例1〜11および比較例1〜5で得た接着剤組成物および接着シートについて、下記2項目を具備したものを○とした。
・項目1:接着剤組成物をコーターで剥離層1に塗布し、乾燥炉から出した直後に、剥離層1のシリコン処理面から液が弾かれておらず、均一な塗膜を形成できていること。
・項目2:接着シートをカットして幅25mmの試験体とし、剥離層1をJIS Z0237に準拠して剥離速度300mm/分、剥離角180°の条件で剥がした際に、剥離層1に接着剤が移行せず、剥離層2上に接着剤層が成形されていること。
結果を表2に示す。
Figure 2017149911
実施例1〜11については、メタクリル樹脂の重量平均分子量およびガラス転移温度がそれぞれ所定の範囲内であったことから、接着剤組成物の調製においてエポキシ樹脂と相溶した。また、得られた接着剤組成物を剥離層上に塗布したところ、液が弾かれず製膜が可能であった。さらに、接着剤層から剥離層1を剥がしても、糸引きが生じず、十分なシート強度を有するものであった。これにより、実施例1〜11で得た接着剤組成物は、シート状の接着剤の形成が可能であることが示唆された。
一方、比較例1および2については、接着剤組成物を剥離層1上に塗布したところ、液が弾かれてしまい、接着剤がシート状にならなかった。
比較例4および5については、接着シートの接着剤層から剥離層1を剥離した際に糸引きが生じ、十分なシート強度を有さないものであった。
比較例3については、アクリル樹脂を用いたところ、重量平均分子量が所定範囲を上回っていたため、接着剤組成物の調製の際にエポキシ樹脂と相溶せず、エポキシ樹脂とアクリル樹脂とが分離してしまい、均一な塗工ができなかった。
1 … 接着剤層
2 … 剥離層
10 … 接着シート

Claims (3)

  1. エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤と、溶剤とを含み、
    前記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記メタクリル樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して10質量部以上50質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 接着剤層と、前記接着剤層の少なくとも一方の面に配置された剥離層と、を有し、
    前記接着剤層が、エポキシ樹脂と、メタクリル樹脂と、硬化剤とを含み、
    前記メタクリル樹脂は、重量平均分子量が90000以上400000以下であり、且つガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする接着シート。
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