JP2017149847A - 蛍光体及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図16に示すように、電流値を小さくするほど発光素子毎の光度のバラツキが生じることから、電流値の制御のみによって、より低光度のLEDを得ようとすればするほどLED毎の光度のバラツキが大きくなることが分かる。
そこで、本発明の一実施形態は、光度のバラツキを抑制しつつ、より低光度な発光装置とすることも可能な手段を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記蛍光体中にCe、Gd及びLuを除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を100質量ppm以上20000質量ppm以下含有することを特徴とする蛍光体である。
本発明の第一の態様は、セリウム(Ce)で賦活され、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ガリウム(Ga)及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記蛍光体中にセリウム(Ce)、ガドリニウム(Gd)及びルテチウム(Lu)を除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を100質量ppm以上20000質量ppm以下含有する蛍光体である。
Ceで賦活され、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ガリウム(Ga)及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体は、Ceで賦活されたガーネットタイプの蛍光体粒子であり、希土類アルミン酸塩を母体とする蛍光体である。
Ceで賦活され、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、ガリウム(Ga)及びルテチウム(Lu)からなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体は、下記式(1)で示され組成を有するアルミン酸塩を含むことがより好ましい。
(Y1−v−wLuvGdw)3―xCex(Al1−yGay)5O12 (1)
(式中、v、w、x及びyは、0≦v≦1.0、0≦w≦0.9、0.001≦x≦0.30、及び0≦y≦0.6、但し、0≦v+w≦1.0を満たす)。
Ce、Gd及びLuを除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの元素の含有量は、蛍光体中に100質量ppm以上20000質量ppm以下であればよく、2種以上の元素を含有する場合には、各元素の含有量の合計量が、蛍光体中に100質量ppm以上20000質量ppm以下であればよい。好ましくは200質量ppm以上18000質量ppm以下であり、より好ましくは300質量ppm以上15000質量ppm以下である。
本発明の第一の態様に係る蛍光体において、黒色顔料の付着量は、前記蛍光体に対して、好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の第一の態様に係る蛍光体は、黒色顔料を除いた、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記蛍光体中にCe、Gd及びLuを除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含んだ蛍光体100質量%に対して、黒色顔料を0.1質量%以上5.0質量%以下付着させたものであることが好ましい。
(Y1−v−wLuvGdw)3―xCex(Al1−yGay)5O12 (1)
(式中、v、w、x及びyは、0≦v≦1.0、0≦w≦0.9、0.001≦x≦0.30、及び0≦y≦0.6、但し、0≦v+w≦1.0を満たす)。
本発明の第二の態様に係る蛍光体において、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体に対して、黒色顔料の付着量が0.1質量%未満であると、付着量が少なすぎて、目的の低光度となるまで、蛍光体の輝度を低下させることができず、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができない。一方、黒色顔料の付着量が5.0質量%を超えると、付着量が多すぎて、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができず、色度が大きく変化する場合がある。
本発明の第二の態様に係る蛍光体において、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体に対して、黒色顔料の付着量は、好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の第二の態様に係る蛍光体は、黒色顔料と前記希土類アルミン酸塩を含む蛍光体との合計量100質量%に対して、黒色顔料を0.1質量%以上5.0質量%以下付着させたものである。
黒色顔料として用いるカーボンとしては、カーボンブラック、グラファイト(黒鉛)等が挙げられる。
前記黒色顔料が、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物の場合は、チタンブラック(酸窒化チタン)、低次酸化チタン(Ti3O5,Ti2O3)、又は黒色酸化鉄(Fe3O4)のように、1種の元素を含む酸化物でもよく、Ni−Fe系、Cu−Cr系、Cu−Fe系、Cu−Zn系、Cu−Fe−Mn系、Cu−Cr−Mn系、Cu−Ce−Fe系、Co−Cr−Fe系、Cu−Cr−Mn−Ni系のように、2種以上の元素を含む複合酸化物であってもよい。
本発明の第三の形態に係る発光装置は、本発明の第一の態様又は第二の態様に係る蛍光体と、励起光源とを備える。
本発明の第一の態様又は第二の態様に係る蛍光体は、波長変換部材の構成要素である。励起光源には、発光素子を用いることができ、発光素子は、380nm以上500nm以下の波長範囲の光を発するものであることが好ましい。発光素子の発光ピーク波長は、420nm以上480nm以下の波長範囲にあることが好ましい。
発光素子には半導体発光素子を用いることが好ましい。光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
半導体発光素子としては、例えば、窒化物系半導体(InXAlYGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた青色や緑色に発光する半導体発光素子を用いることができる。
他の蛍光体としては、以下の式(I)〜(III)に示される蛍光体が挙げられる。
(Ca1−p−qSrpEuq)AlSiN3 (I)
(式中、p、qは、0≦p≦1.0、0<q<1.0であり、p+q<1.0を満たす。)
(Ca1−r−s−tSrrBasEut)2Si5N8 (II)
(式中、r、s、tは、それぞれ0≦r≦1.0、0≦s≦0.1、0<t<1.0であり、r+s+t≦1.0を満たす。)
A2[M2 1−uMn4+ uF6] (III)
(式中、Aは、K+、Li+、Na+、Rb+、Cs+及びNH4 +からなる群より選ばれる少なくとも1種のカチオンであり、M2は、第4族元素及び第14族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、uは、0<u<0.2を満たす。)
次に本発明の実施態様に係る蛍光体を製造する方法について説明する。
本発明の第一の態様に係る蛍光体は、以下の方法によって製造することができる。
Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記蛍光体中にCe、Gd及びLuを除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を100質量ppm以上20000質量ppm以下含有する蛍光体の製造方法は、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩の組成を構成する元素を含む酸化物、水酸化物又は金属塩を含有する第1の原料と、ランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、硫化物、金属塩又は金属単体である第2の原料とを、前記第2の原料を前記第1の原料に対して0.01質量%以上2.0質量%以下で混合し、焼成する工程を含む。
第1の原料としては、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩の組成を構成する元素を含む酸化物、又は高温で容易に酸化物となる化合物が好ましい。Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩の組成を構成する元素を含む酸化物、又は高温で容易に酸化物となる化合物としては、前記元素を含む、酸化物、水酸化物、金属塩等が挙げられる。金属塩としては、例えばシュウ酸塩、炭酸塩、塩化物、硝酸塩又は硫酸塩等が挙げられる。
酸化物としては、酸化イッテルビウム(Y2O3)、酸化ルテチウム(Lu2O3)、酸化ガドリニウム(Gd2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ガリウム(Ga2O3)等が挙げられる。
前記アルミン酸塩の組成を構成する元素を含む酸化物、水酸化物又は金属塩は、化学量論比を考慮しながら秤量し、混合機を用いて湿式又は乾式で混合する。
フラックスとしては、ハロゲン化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。
ランタノイド元素は、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)が挙げられる。中でも、ランタノイド元素は、好ましくはPr、Nd、Eu、Ho、Er、及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、より好ましくはNd、Yb、及びEuからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素であり、さらに好ましくはNd及びEuからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。
ランタノイド元素を含む酸化物としては、酸化ランタン(La2O3)、酸化プラセオジム(Pr6O11)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化ユウロピウム(Eu2O3)、酸化テルビウム(Tb4O7)、酸化ジスプロシウム(Dy2O3)、酸化ホルミウム(Ho2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)、酸化ツリウム(Tm2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)等が挙げられる。前記ランタノイド元素を含む硫化物としては、硫化プラセオジム(PrS2)、硫化ネオジム、(NdS2)、硫化ユウロピウム(EuS)等が挙げられる。前記ランタノイド元素を含む塩化物としては、塩化ネオジム(NdCl2)、塩化ユウロピウム(EuCl2)等が挙げられる。
ランタノイド元素を含む酸化物、窒化物、金属塩又は金属単体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第4周期の遷移元素を含む酸化物としては、酸化チタン(TiO2)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化マンガン(Mn2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)等挙げられる。
第4周期の遷移元素を含む硫化物としては、硫化チタン(TiS)、硫化クロム(CrS)、硫化マンガン(MnS)、硫化鉄(FeS)、硫化コバルト(CoS)、硫化ニッケル(NiS)、硫化銅(CuS)等が挙げられる。
第4周期の遷移元素を含む塩化物としては、塩化チタン(TiCl2)、塩化クロム(CrCl2)、塩化マンガン(MnCl2)、塩化鉄(FeCl2)、塩化コバルト(CoCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化銅(CuCl2)等が挙げられる。
前記第2の原料が、前記第1の原料に対して0.01質量%以上2.0質量%以下混合されると、蛍光体中に、前記ランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を100質量ppm以上20000質量ppm含有させることができ、目的の輝度に合わせて輝度を低くし、色度の変化も小さい蛍光体を製造することができる。
焼成は、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、水素等を含む還元性雰囲気、又は大気中等の酸化雰囲気にて行なうことができる。
焼成時間は、昇温速度や焼成雰囲気等によって異なるが、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上である。
前記蛍光体に対して黒色顔料を付着させる工程は、得られた前記蛍光体を水に分散させ、水に分散させた前記蛍光体に対して0.1質量%以上5.0質量以下の黒色顔料を添加し、前記蛍光体と黒色顔料との混合液を形成し、この混合液を、硝酸アルミニウム(Al(NO3)3)溶液等でpH5.0〜8.5に調整して、黒色顔料を前記蛍光体に付着させることができる。
本発明の第一の態様に係る蛍光体を製造する方法において、黒色顔料を除いた、蛍光体100質量%に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下の黒色顔料を付着させることが好ましい。好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の第二の態様に係る蛍光体を製造する方法は、Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記アルミン酸塩を含む蛍光体に対して、黒色顔料0.1質量%以上5.0質量%以下を付着させる工程を含む。
本発明の第二の態様に係る蛍光体を製造する方法において、黒色顔料の付着量は、前記蛍光体に対して、好ましくは0.3質量%以上3.0質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上2.0質量%以下である。
本発明の第二の態様に係る蛍光体を製造する方法において、黒色顔料とCeで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体との合計量100質量%に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下の黒色顔料を付着させる。
黒色顔料として用いるカーボンとしては、カーボンブラック、グラファイト(黒鉛)等が挙げられる。
前記黒色顔料が、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物の場合は、チタンブラック(酸窒化チタン)、低次酸化チタン(Ti3O5,Ti2O3)、又は黒色酸化鉄(Fe3O4)のように、1種の元素を含む酸化物でもよく、Ni−Fe系、Cu−Cr系、Cu−Fe系、Cu−Zn系、Cu−Fe−Mn系、Cu−Cr−Mn系、Cu−Ce−Fe系、Co−Cr−Fe系、Cu−Cr−Mn−Ni系のように、2種以上の元素を含む複合酸化物であってもよい。
比較例2、比較例2−8、比較例2−13、実施例3−3、及び実施例3−6の蛍光体、並びにY3Al5O12の組成で示される化合物について、X線回折装置(XRD)(株式会社リガク、Ultima IV)を用い、CuKα線を用いて、X線回折スペクトル(XRD)を測定した。
比較例及び実施例の蛍光体について、相対輝度を測定した。相対輝度は、測定サンプルに発光ピーク波長450nmの励起光を照射し、蛍光分光測光器(大塚電子株式会社製、QE−2000)を用いて、室温(25℃±5℃)における各輝度を測定し、比較例の蛍光体の発光スペクトルのピークトップを有する波長の輝度を基準として、同じ波長の各蛍光体の発光スペクトルの相対値(Y(%))で表した。
実施例1−1〜1−12の蛍光体は、比較例1の蛍光体の輝度を基準とした。
実施例2−1〜2−21の蛍光体は、比較例2の蛍光体の輝度を基準とした。
実施例3−1〜3−6の蛍光体は、比較例2の蛍光体の輝度を基準とした。
実施例4−1〜4−5の蛍光体は、比較例4の蛍光体の輝度を基準とした。
比較例及び実施例の蛍光体について、波長450nmの励起光を照射し、蛍光分光測光器(大塚電子株式会社製、QE−2000)を用いて、室温(25℃±5℃)において、波長に対する発光輝度(PL Intensity)を測定し、発光スペクトルとして表した。結果を図2、4、9に示す。また、比較例5及び実施例5−1〜5−4の発光装置について、蛍光分光測光器(大塚電子株式会社製、QE−2000)を用いて、室温(25℃±5℃)における波長おける発光輝度(PL Intensity)を測定し、発光スペクトルとして表した。結果を図11〜15に示す。
比較例及び実施例の蛍光体について、分光蛍光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、F−4500)を用いて、室温(25℃±5℃)で反射光を測定し、波長450nm及び波長600nmの反射光の割合を反射率(%)として表した。また、比較例及び実施例の蛍光体について、波長に対する反射率(Reflection)を反射スペクトルとして表した。結果を図3、5、10に示す。
比較例及び実施例の蛍光体について、Fisher Sub-Sieve Sizer Model 95(Fisher Scientific社製)を用いて、Fisher Sub Sieve Sizer(F.S.S.S)法により、平均粒径を測定した。
比較例及び実施例の蛍光体について、CIE色度座標におけるx値、y値は、波長450nmの励起光を照射し、蛍光分光測光器(大塚電子株式会社製、QE−2000)で測定した。
また、比較例及び実施例の発光装置についても、同様に、CIE色度座標におけるx値、y値を、蛍光分光測光器(大塚電子株式会社製、QE−2000)で測定した。
実施例及び比較例の発光装置について、積分式全光束測定装置を用いて光束を測定し、比較例2の蛍光体を用いた比較例5の発光装置の光束を基準(100%)とした相対光束(%)を算出した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Ce:Al=2.925:0.075:5の組成比となるように秤量した。この原料に、フラックスとしてBaF2とを添加した。これらの原料を混合して、混合物を得た。
この混合物を、1450℃、10時間、還元性雰囲気下で焼成して、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有する焼成物を得た。
得られた蛍光体を分散した。その後、ふるいを通過させて、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のLa2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
La2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Laを700質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のTb4O7を添加し、混合して、混合物を得た。
Tb4O7を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Tbを700質量ppmとを含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のDy2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Dy2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Dyを700質量ppmとを含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のSm2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Sm2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Smを700質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のTm2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Tm2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Tmを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のPr6O11を添加し、混合して、混合物を得た。
Pr6O11を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Prを600質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のEr2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Er2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Erを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のHo2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Ho2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Hoを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のYb2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Yb2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Ybを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のNd2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Nd2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Ndを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のEu2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Eu2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の原料と同様の原料を用い、これらの原料の合計量に対して、0.1質量%のFe2O3を添加し、混合して、混合物を得た。
Fe2O3を添加した以外は、比較例1と同様にして、Y2.925Ce0.075Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを500質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例1の蛍光体と、実施例1−1〜1−12の蛍光体の平均粒径、CIE色度座標のx値及びy値、相対輝度(Y(%))、450nm及び600nmにおける反射率を表2に示す。また、比較例1及び実施例1−1〜1−12の発光体の相対輝度(Y(%))を図1に示す。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料に、フラックスとしてAlF3と、H3BO3とを添加した。これらの原料をボールミルで混合して、混合物を得た。
この混合物を1400℃、10時間、還元性雰囲気下で焼成して、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する焼成物を得た。
得られた蛍光体を分散した。その後、ふるいを通過させて、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.05質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを300質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.1質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.5質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを2400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.2375:0.74125:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.5質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.75Gd0.25)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを2400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.0755:0.8895:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.5質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.7Gd0.3)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを2400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.0755:0.8895:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.8質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.7Gd0.3)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを3600質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.92725:1.03775:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.8質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.65Gd0.35)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを3600質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.92725:1.03775:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.0質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.65Gd0.35)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを4500質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.779:1.186:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.0質量%のFe2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.6Gd0.4)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを4500質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.1質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.5質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを4000質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.0755:0.8895:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.8質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.7Gd0.3)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを6200質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.0755:0.8895:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.3質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.7Gd0.3)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを11000質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.92725:1.03775:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.8質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.65Gd0.35)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを6200質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.92725:1.03775:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.0質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.65Gd0.35)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを7800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.92725:1.03775:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.3質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.65Gd0.35)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを11000質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.779:1.186:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.0質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.6Gd0.4)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを7800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=1.779:1.186:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、1.3質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.6Gd0.4)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを11000質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.05質量%のFe2O3と0.05質量%のEu2O3添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを300質量ppm及びEuを300質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.1質量%のFe2O3と0.1質量%のEu2O3添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを600質量ppm及びEuを800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.372:0.593:0.035:5の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.5質量%のFe2O3と0.5質量%のEu2O3添加し、それ以外は比較例2と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Feを2600質量ppm及びEuを3800質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例2及び実施例2−1〜2−21の蛍光体の平均粒径、CIE色度座標のx値及びy値、相対輝度(Y(%))及び450nm及び600nmにおける反射率を表4に示す。
図3に、比較例2、実施例2−8、2−13、2−21の蛍光体の波長に対する反射率(Reflection)を示す反射スペクトルを表した。
また、Fe、Euのいずれか一方又は両者を含む実施例2−1〜2−21の蛍光体は、添加した元素の含有量に比例して、相対輝度を低くすることができ、目的の輝度に合わせた蛍光体が得られることが確認できた。
実施例2−1〜2−21の蛍光体のCIE色度座標におけるx値、y値は、比較例2の蛍光体のx値:0.461、y値:0.523に対して、x値:0.451〜0.475、y値:0.515〜0.536であり、蛍光体中のFe及び/又はEuの含有量が多くなると、若干色度ズレを生じる傾向があった。
波長450nmにおける反射率は、実施例2−1〜2−21の蛍光体と比較例2の蛍光体とは大きな差はないが、波長600nmにおける反射率は、比較例2の蛍光体の反射率に対して、実施例2〜1〜2−21の蛍光体の反射率を低くすることができ、言い換えると、光の吸収率を上昇させて、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができ、光度の調整が可能であることが分かった。
図3に示すように、実施例2−8、2−13、2−21の蛍光体は、波長600nmにおける反射率が、比較例2の反射率と比べて低くすることができ、光の吸収率を上昇させ、目的に合わせた低光度となるように、輝度を低くし、目的の輝度に合わせた蛍光体が得られることが確認できた。
原料であるY2O3、Gd2O3、CeO2、Al2O3を、Y:Gd:Ce:Al=2.565:0.285:0.15:5の組成比となるように秤量した。この原料に、フラックスとしてAlF3と、H3BO3とを添加した。これらの原料を混合して、混合物を得た。
この混合物を1400℃、10時間、還元性雰囲気下で焼成して、(Y0.9Gd0.1)2.85Ce0.15Al5O12の組成を有する焼成物を得た。
得られた蛍光体を分散した。その後、ふるいを通過させて、(Y0.9Gd0.1)2.85Ce0.15Al5O12の組成を有する蛍光体を製造した。
比較例2で製造した蛍光体を水に投入し、撹拌して分散させ、蛍光体に対して、0.5質量%の黒色顔料(Fe3O4)を添加し、蛍光体と黒色顔料との混合液を得た。
この混合液に、Al(NO3)3溶液を、(Y0.9Gd0.1)2.85Ce0.15Al5O12の組成を有する蛍光体に対して0.05質量%添加し、pHを6.5に調整し、黒色顔料(Fe3O4)を蛍光体にコーティングした。
その後、脱水、乾燥し、乾式ふるいを通過させて、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例2で製造した蛍光体に対して、1.0質量%の黒色顔料(Fe3O4)を添加したこと以外は、実施例3−1と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例3で製造した蛍光体を用い、比較例3で製造した蛍光体に対して、1.0質量%の黒色顔料(Fe3O4)を添加したこと以外は、実施例3−1と同様にして、(Y0.9Gd0.1)2.85Ce0.15Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例2で製造した蛍光体に対して、0.5質量%の黒色顔料(Cu[Fe,Mn]O4)を添加したこと以外は、実施例3−1と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例2で製造した蛍光体に対して、1.0質量%の黒色顔料(Cu[Fe,Mn]O4)を添加したこと以外は、実施例3−1と同様にして、(Y0.8Gd0.2)2.965Ce0.035Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例3で製造した蛍光体を用い、比較例3で製造した蛍光体に対して、1.0質量%の黒色顔料(Cu[Fe,Mn]O4)を添加したこと以外は、実施例3−1と同様にして、(Y0.9Gd0.1)2.85Ce0.15Al5O12の組成を有する蛍光体に黒色顔料をコーティングした蛍光体を製造した。
比較例2〜3と実施例3−1〜3−6の蛍光体の平均粒径、CIE色度座標のx値及びy値、相対輝度(Y(%))及び450nm及び600nmにおける反射率を表6に示す。
図5に、比較例2、実施例3−3、3−6の蛍光体の波長に対する反射率(Reflection)を示す反射スペクトルを表した。
図7は、図6の実施例3−3の蛍光体のX線回折パターンの四角枠部分Aを拡大したX線回折パターンを示す図である。図7中、丸印a1で囲んだ回折ピークは、黒色顔料(Fe3O4)の特有の回折ピークを示す。
図8は、図6の実施例3−3、実施例3−6の蛍光体の各X線回折パターンの四角枠部分Bを拡大したX線回折パターンを示す図である。図8中、丸印b1〜b4で囲んだ回折ピークは、黒色顔料の特有の回折ピークを示す
実施例3−1、3−2、3−4、3−5の蛍光体のCIE色度座標におけるx値、y値は、比較例2の蛍光体のx値:0.461、y値:0.523に対して、x値:0.446〜0.445、y値:0.529〜0.535と若干色度ズレを生じる傾向があった。
実施例3−3、3−6の蛍光体のCIE色度座標におけるx値、y値は、比較例3の蛍光体のx値:0.474、y値:0.514に対して、x値:0.446〜0.462、y値:0.521〜0.525と若干色度ズレを生じる傾向があった。
波長450nmにおける反射率及び波長600nmにおける反射率ともに、実施例3−1〜3−6の蛍光体は、比較例2及び3の蛍光体に対して、波長450nm及び波長600nmの両方で反射率が低下し、言い換えると、光の吸収率を高くして、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができ、光度の調整が可能であることが確認できた。
図5に示すように、実施例3−3、3−6の蛍光体は、波長600nmにおける反射率が、比較例2の反射率と比べて低下しており、光の吸収率を上昇させて、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができ、光度の調整が可能であることが確認できた。
図7は、図6の実施例3−3の蛍光体のX線回折パターンの四角枠部分Aを拡大したX線回折パターンを示す図である。図7中、丸印a1で囲んだ回折ピークは、黒色顔料(Fe3O4)の特有の回折ピークであり、実施例3−3の蛍光体は、黒色顔料が表面に付着していることが分かる。
図8は、図6の実施例3−3、3−6の蛍光体の各X線回折パターンの四角枠部分Bを拡大したX線回折パターンを示す図である。図8中、丸印b1〜b4で囲んだ回折ピークは、黒色顔料(Fe3O4、Cu[Fe,Mn]O4)の特有の回折ピークであり、実施例3−3、3−6の蛍光体は、黒色顔料が表面に付着していることが分かる。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.035:4:1の組成比となるように秤量した。この原料に、フラックスとしてAlF3と、H3BO3とを添加した。これらの原料をボールミルで混合して、混合物を得た。
この混合物を、1400℃、10時間、還元性雰囲気下で焼成して、Y2.965Ce0.035(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有する焼成物を得た。
得られた蛍光体を分散した。その後、ふるいを通過させて、Y2.965Ce0.035(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.04:4:1の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.05質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例4と同様にして、Y2.965Ce0.040(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを300質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.04:4:1の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.06質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例4と同様にして、Y2.965Ce0.040(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.042:4:1の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.05質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例4と同様にして、Y2.965Ce0.042(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを300質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.042:4:1の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.06質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例4と同様にして、Y2.965Ce0.042(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを400質量ppm含有する蛍光体を製造した。
原料であるY2O3、CeO2、Al2O3、Ga2O3を、Y:Ce:Al:Ga=2.965:0.042:4:1の組成比となるように秤量した。この原料の合計量に対して、0.07質量%のEu2O3を添加し、それ以外は比較例4と同様にして、Y2.965Ce0.042(Al0.8Ga0.2)5O12の組成を有するCeで賦活された希土類アルミン酸塩を主体とし、Euを500質量ppm含有する蛍光体を製造した。
比較例4と実施例4−1〜4−5の蛍光体の平均粒径、CIE色度座標のx値及びy値、相対輝度(Y(%))及び450nm及び600nmにおける反射率を表8に示す。
図10に、比較例4と実施例4−4の蛍光体の波長に対する反射率(Reflection)を示す反射スペクトルを表した。
実施例4−1〜4−5の蛍光体のCIE色度座標におけるx値、y値は、比較例4の蛍光体のx値:0381、y値:0.564に対して、x値:0.381〜0.384、y値:0.564〜0.565であり、色度ズレを生じていないことが確認できた。
実施例4−1〜4−5の蛍光体は、波長450nmにおける反射率を、比較例4の蛍光体に対して若干低くすることができ、吸収率を上昇させて、目的の輝度に合わせた蛍光体を得ることができ、光度の調整が可能であることが確認できた。
図10に示すように、実施例4−4の蛍光体は、波長450nmにおける反射率を、比較例4の反射率と比べて若干低くすることができ、光度の調整が可能となることが確認できた。
比較例2の蛍光体を用いて、光源として発光ピーク波長が455nmである窒化物半導体からなるLED素子を備え、パッケージの凹部に充填する、シリコーン樹脂と、表9に示す蛍光体を含む蛍光用組成物100質量%に対して、表9に示す量(質量%)の蛍光体を添加し、得られた蛍光用組成物をパッケージに注入し、蛍光用組成物中の樹脂を硬化させて、発光装置を作製した。
実施例2−8の蛍光体を表9に示す量で用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発光装置を作製した。
実施例2−14の蛍光体を表9に示す量で用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発光装置を作製した。
実施例3−3の蛍光体を表9に示す量で用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発光装置を作製した。
実施例3−6の蛍光体を表9に示す量で用いたこと以外は、比較例5と同様にして、発光装置を作製した。
図12に、実施例5−1の発光装置の波長(wavelength)に対する相対発光強度(Intensity)を示す発光スペクトルを表す。
図13に、実施例5−2の発光装置の波長(wavelength)に対する相対発光強度(Intensity)を示す発光スペクトルを表す。
図14に、実施例5−3の発光装置の波長(wavelength)に対する相対発光強度(Intensity)を示す発光スペクトルを表す。
図15に、実施例5−4の発光装置の波長(wavelength)に対する相対発光強度(Intensity)を示す発光スペクトルを表す。
Claims (6)
- Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記蛍光体中にCe、Gd及びLuを除くランタノイド元素及び第4周期の遷移元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を100質量ppm以上20000質量ppm以下含有することを特徴とする蛍光体。
- Ceで賦活され、Y、Gd、Ga及びLuからなる群より選ばれる少なくとも1種を組成に有するアルミン酸塩を含む蛍光体であって、前記アルミン酸塩を含む蛍光体に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下の黒色顔料を付着させたことを特徴とする蛍光体。
- 前記蛍光体に対して、0.1質量%以上5.0質量%以下の黒色顔料を付着させた、請求項1に記載の蛍光体。
- 前記黒色顔料が無機顔料であり、前記無機顔料が、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、及びZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を含む酸化物、又はカーボンである、請求項2又は3に記載の蛍光体。
- 前記ランタノイド元素が、Pr、Nd、Eu、Ho、Er又はYbであり、並びに、前記第4周期の遷移元素が、Cr、Mn、Fe、Co、Ni又はCuである、請求項1、3〜4のいずれか1項に記載の蛍光体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光体と、励起光源とを備えた発光装置。
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