JP2017149790A - 加熱重合によるポリシランの製造方法 - Google Patents

加熱重合によるポリシランの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 シクロペンタシランを加熱することにより重量平均分子量の大きなポリシランを作成し、塗布型ポリシラン組成物を得て、それらを基板に塗布し焼成後に、導電性の高い良好なシリコン薄膜を提供する。
【解決手段】 シクロペンタシランを50℃乃至120℃の温度に加熱することを特徴とするポリシランの製造方法。特に80℃乃至100℃の加熱により分子量分布の狭く重量平均分子量の高い重合体が得られる。0.5時間乃至6時間の加熱を行うことができる。得られたポリシランがシクロペンタシランの重合物であり、重量平均分子量は600乃至3000の範囲で得ることができる。得られたポリシランの重量平均分子量Mwと数平均分子量MnとのMw/Mn比が1.03乃至1.55とすることができる。シクロペンタシランが全環状シラン中に80モル%以上含まれている。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリシランとその製造方法に関わる。集積回路、薄膜トランジスター等の用途に応用されるシラン重合体に関する。
シリコン半導体は薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池の材料として古くから検討が行われてきた材料である。
集積回路や薄膜トランジスタに応用されるシリコン薄膜のパターン形成はCVD法等の真空プロセスによりシリコン膜を形成することが一般的に行われている。このような装置では真空プロセスが用いられているため大がかりな装置が必要であり、原料が気体であるため取り扱いにくい等の問題がある。
これらの問題を解決するために有機溶剤に溶解したシラン重合体を基板に塗布し、焼成後、脱水素によりシリコン膜を形成する手法がある。
シクロペンタシランを含有する溶液組成物を調整し、この溶液組成物を紫外線照射に付した後、この塗膜を加熱してシリコン膜を形成する方法が記載されている(特許文献1を参照)。
光重合性を有するシラン化合物に波長405nmの光線を照射してゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が800〜5000であるシラン重合体を生成することを特徴とするシラン重合体の製造方法が記載されている(特許文献2を参照)。
シクロペンタシランに170〜600nmの波長である光を照射して合成された固体状のポリシラン化合物、(B)シクロペンタシラン、並びに(C)ホウ素化合物、ヒ素化合物、リン化合物、アンチモン化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物を含有し、固体状のポリシラン化合物が溶解してなり、(B)シクロペンタシランに対するポリシラン化合物の割合が0.1〜100重量%であることを特徴とする半導体薄膜形成用シラン組成物が開示されている(特許文献3を参照)。
シクロペンタシランの開環重合用ラジカル開始剤として使用されるシリルシクロペンタシランが開示されている(特許文献4を参照)。
水素とシリコン及び/又はゲルマニウムとからなり450から2300の分子量を有するオリゴシラン又はポリシランを含む組成物であり、組成物をコーティングし印刷してオリゴ又はポリシラン膜を形成し、次いで硬化した後0.1原子%以下の炭素含量を有する非晶質の水素化半導体膜を形成する組成物(特許文献5)が開示されている。そして、第7〜12族遷移金属元素又はその基材固着誘導体からなる不均一系触媒を用いてポリシランが合成されることが記載されている。
特開2001−262058 特開2005−22964 特開2003−124486 特開2001−253706 特表2010−506001
本発明はシクロペンタシランを加熱することにより重量平均分子量の大きなポリシランを作成し、塗布型ポリシラン組成物を得ようとするものである。基板に塗布し焼成後に、導電性の高い良好なシリコン薄膜を得ようとするものである。
本願発明は第1観点として、シクロペンタシランを50℃乃至120℃の温度に加熱することを特徴とするポリシランの製造方法、
第2観点として、0.5時間乃至6時間の加熱を行う第1観点に記載の製造方法、
第3観点として、得られたポリシランがシクロペンタシランの重合物であり、重量平均分子量600乃至3000である第1観点又は第2観点に記載の製造方法、
第4観点として、得られたポリシランの重量平均分子量Mwと数平均分子量MnとのMw/Mn比が1.03乃至1.55である第1観点乃至第3観点のいずれか一つに記載の製造方法、
第5観点として、シクロペンタシランが下記(A)、及び(B)工程:
(A)工程:式(1):
Figure 2017149790
(ただし、式(1)中、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換されていても良いフェニル基を示し、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを、ハロゲン化アルミニウムの存在下に有機溶剤中でハロゲン化水素と反応し、式(2):
Figure 2017149790
(ただし、式(2)中、R及びRはそれぞれハロゲン原子を示し、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを得る工程、
(B)工程:式(2)の環状シランを水素又はリチウムアルミニウムハイドライドで還元して式(3):
Figure 2017149790
(ただし、式(3)中、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを得る工程、を経て得られる環状シラン中に含まれる主成分である第1観点乃至第4観点に記載の製造方法、
第6観点として、式(1)のRとRが共にフェニル基である第5観点に記載の製造方法、
第7観点として、式(2)のR及びRが共に塩素原子である第5観点に記載の製造方法、及び
第8観点として、シクロペンタシランが全環状シラン中に80モル%以上含まれている第5観点に記載の製造方法である。
本願発明はシクロペンタシランの熱重合によるポリシランに関する。ポリシランはシクロペンタシランの重合物である。熱重合は50℃乃至120℃の温度に加熱するものである。本願発明の熱重合は重合触媒や紫外線照射を行わず、加熱のみによってシクロペンタシランの重合が進行するものである。
本願発明では触媒を用いる必要がないため、生成物と触媒との分離操作が必要なく、また紫外線照射等に必要な装置を用いず、簡単な加熱装置のみによって達成される。
一般的な直鎖状ヒドロシランと異なり、シクロペンタシランは熱により重合を起こす。これはSiとSiによる5員環特有の構造に由来すると考えられる。この構造に基づく脱水素縮合が容易に起こり、シクロペンタシランの重合物が生成すると考えられる。得られるポリシラン(シクロペンタシランの重合物)はダイマーやトリマーの含有量が少なく分子量分布が狭く、分子量の揃った重合物が得られる。
熱重合により製造されたポリシラン(ポリペンタシラン)は有機溶剤に溶解しポリシラン組成物とした時に、従来のポリシランを有機溶剤に溶解したポリシラン組成物と比べて同じ濃度で薄膜となる。
本願発明はシクロペンタシランを50℃乃至120℃の温度に加熱することを特徴とするポリシランの製造方法である。特に80℃乃至100℃の加熱により分子量分布の狭く重量平均分子量の高い重合体が得られる。
加熱は不活性ガス中で酸素を遮断した状態で遮光したガラス管中のシクロペンタシランを所定の温度に加熱し、シクロペンタシランの重合物を得る。得られたシクロペンタシランの重合物は有機溶剤(例えばシクロヘキサン)に溶解し、その後に減圧下で揮発成分を除去して重合物が得られる。
上記不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等が用いられる。酸素の遮断は、上記ガラス管中に1ppm以下の酸素濃度で行われる。
加熱温度50℃乃至120℃であり、加熱時間は0.5時間乃至6時間程度である。加熱時間は加熱温度の上昇と共に、上記加熱時間の範囲のなかで短縮することができる。
得られたポリシランはシクロペンタシランの重合物であり、例えば1質量%〜20質量%の有機溶剤中の溶液として得られる。例えば13.5質量%の有機溶剤(シクロヘキサン)にした場合でも透明な溶液が得られる。
得られたシクロペンタシランの重合物は、重量平均分子量が600乃至3000程度であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量MnとのMw/Mn比が1.03乃至1.55となり、分子量分布が狭い重合物が得られる。
重合物の収率は80〜90%の高い範囲で得ることができる。
重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。測定機器は例えばHLC−8320GPC(東ソー(株)製、製品名)、カラムはGPC/SEC(PLgel、3μm、300×7.5mm、VARIAN製)、カラム温度は35℃、検出器はRI、流量は1.0ml/min、測定時間は15min、溶離液はシクロヘキサン、注入量は10μLで測定することができる。また、CPS(Mw150、RT=11.040min)、CPS−dimer(Mw298、RT=10.525min)、CPS−Trimer(Mw446、RT=9.725min)を基準物質として検量線を作成して生成物の重量平均分子量を測定することができる。
Figure 2017149790
nは繰り返し単位の数を示し、重量平均分子量に相当する数である。代表的には直鎖構造であるが、3次元につながった構造も考えられる。
得られたシクロペンタシランの重合体は有機溶剤に、濃度5〜8質量%で溶解し塗布型ポリシラン組成物とすることができる。
塗布型組成物の有機溶剤は、ポリシランの溶解性と基板への塗布性を考慮して決定され、例えばシクロヘキサン、シクロオクタン、それらの混合物等が用いられる。
得られたポリシラン生成物は揮発成分を減圧除去することによって得られ、溶剤中に溶解させて保存することができる。ポリシランの溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランの如き炭化水素系溶媒;ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンの如きエーテル系溶媒;さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記溶剤中でもシクロオクタンが好ましく用いられ、シクロオクタン中に上記ポリシランを5〜8質量%で含有してポリシラン組成物とすることができる。
上記ポリシランは3B族元素、5B族元素を含む物質をドーパントとして添加することができる。それらの物質としてはリン、ホウ素等の化合物が挙げられる。このようなドーパントを添加したポリシラン組成物を基材に塗布して、加熱等の処理を施してn型、p型のシリコン膜を形成することができる。
シリコン膜の形成方法としては、上記ポリシラン組成物を基板に塗布し、熱処理等を行い脱水素化によりシリコン膜が得られる。塗布はスピンコート、ロールコート、ディップコート等の装置を用いて行われ、塗布した後に加熱処理が行われる。例えばスピンコート法ではスピナーの回転数500〜1000rpmで行われる。
塗布工程は不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましく、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等のガスを流しながら行われる。
塗布した基板は加熱処理され、加熱温度としては100〜425℃であり、10〜20分の処理が行われる。
この様に得られたシリコン膜は膜厚が60〜100nmの範囲で得られる。
上記基板としては石英、ガラス、ITOなどの透明電極、金、銀、銅、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステン等の金属電極、ガラス基板、プラスチック基板等が挙げられる。
本願発明に使用されるシクロペンタシランは上記(A)、及び(B)工程を経て合成することができる。
式(1)の環状シランにおいて、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、1−メチル−シクロプロピル基、2−メチル−シクロプロピル基、n−ペンチル基等が挙げられる。置換されていても良いフェニル基において、置換基は例えば上記アルキル基が挙げられる。nは4乃至6の整数あり、好ましくはn=5の環状シランのみ、或いはn=5の環状シランを主成分として用いることができる。n=5の環状シランで、RとRがフェニル基である場合はデカフェニルシクロペンタシランであり、デカフェニルシクロペンタシランを原料として好ましく用いることができる。そして、n=4、n=6の環状シランを含むこともできる。
(A)工程では式(1)の環状シランと、ハロゲン又はハロゲン化水素とを反応させて式(2)の環状シランを合成することができる。
その際に、有機溶媒(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン)中でハロゲン化アルミニウム(例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム)を触媒として反応させることができる。ハロゲン化水素(例えば、塩化水素)は環状シランに対して2nモル以上必要であり、例えば2.5nモル〜3.5nモルとすることができ、また過剰に添加することもできる。触媒は環状シラン1モルに対して、0.01モル〜2モルの割合で添加することができる。(A)工程で、塩化水素を用いた場合には式(2)のRとRは塩素原子である。
(B)工程では式(2)の環状シランを水素又はリチウムアルミニウムハイドライドで還元して式(3)の環状シランを得るものである。式(3)中で、nは4乃至6の整数であるが、得られた全シラン中にnが5であるシクロペンタシランが80モル%以上、例えば80〜100モル%、90〜100モル%の割合で含有していることが好ましい。特に好ましくは純度の高いシクロペンタシラン(100モル%)を用いることが好ましい。
(B)工程では、式(2)の化合物を有機溶剤(例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、ベンゼン)に溶解し、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチメチルエーテル)中に溶解したリチウムアルミニウムハイドライドを徐々に添加して、式(2)の環状シランを還元して式(3)の環状シランに変換することができる。この時に添加するリチウムアルミニウムハイドライドは、式(2)の環状シランの1モルに対して、2〜3モルの割合で添加することができる。
上記のシクロペンタシランを合成する時の原料となる式(1)の環状シランは市販品を用いることができる。また、合成する場合には式(a):
Figure 2017149790
(ただし、式(a)中、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換されていても良いフェニル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。)を有機溶剤中でアルカリ金属の存在下に反応し、上記式(1)の環状シランを得ることができる。
ここで炭素数1〜6のアルキル基、置換されていても良いフェニル基は上述の例を挙げることができる。ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素を好ましく用いることができる。アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属である。テトラヒドロフラン等の有機溶剤中にアルカリ金属を分散し、更に式(a)のシランを添加すると式(1)の環状シランが生成する。この時に使用するアルカリ金属は式(a)のシランの1.5〜3倍モル程度である。この反応は室温下で行われ、得られた生成物は再結晶等が行われる。
上記式(a)のシランとしては例えば、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジブロモシラン、ジフェニルジヨードシラン、ジ(塩化フェニル)ジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン等が挙げられる。
実施例1
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン0.6gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて50℃で150分間の加熱を行った。生成物にシクロヘキサンを4.41g加え、12.0質量%溶液を作成した。その後、ナスフラスコに移し、減圧(20Torr以下)下でポリシランが0.49g(収率82%)得られた。得られたポリシランの数平均分子量Mnは784、重量平均分子量Mwは832、Mw/Mn=1.06であり、透明な溶液が得られた。
実施例2
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン0.61gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて80℃で150分間の加熱を行った。生成物にシクロヘキサンを3.87g加え、13.4質量%溶液を作成した。その後、ナスフラスコに移し、減圧(20Torr以下)下でポリシランが0.43g(収率72%)得られた。得られたポリシランの数平均分子量Mnは979、重量平均分子量Mwは1207、Mw/Mn=1.23であり、透明な溶液が得られた。
実施例3
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン1.0gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて100℃で240分間の加熱を行った。生成物にシクロヘキサンを6.43g加え、13.5質量%溶液を作成した。その後、ナスフラスコに移し、減圧(20Torr以下)下でポリシランが0.82g(収率82%)得られた。得られたポリシランの数平均分子量Mnは1124、重量平均分子量Mwは1458、Mw/Mn=1.30であり、透明な溶液が得られた。
実施例4
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン1.0gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて120℃で80分間の加熱を行った。生成物にシクロヘキサンを6.43g加え、13.5質量%溶液を作成した。その後、ナスフラスコに移し、減圧(20Torr以下)下でポリシランが0.90g(収率90%)得られた。得られたポリシランの数平均分子量Mnは1450、重量平均分子量Mwは2201、Mw/Mn=1.52であり、透明な溶液が得られた。
比較例1
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン1.0gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて23℃で120分間の加熱を行った。生成物は得られなかった。
比較例2
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン1.01gを、20mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて150℃で60分間の加熱を行った。生成物にシクロヘキサンを6.43g加えたが、生成物は溶解せず、数平均分子量Mnと、重量平均分子量Mwは測定不能であった。
実施例5
アルゴン気流中(酸素濃度1ppm以下)、シクロペンタシラン3.51gを、50mlの硬質ガラス製サンプル管に入れ、緩く栓をして遮光し、オイルバスを用いて80℃で310分間の加熱を行った。加熱後、ポリシランが3.23g(収率92%)得られた。得られたポリシランの数平均分子量Mnは1049、重量平均分子量Mwは1353、Mw/Mn=1.29であり、透明な溶液が得られた。
このポリシランに、シクロヘキサン:シクロオクタン=95:5の重量比の混合溶剤を加えて4質量%溶液とし、フィルター(PTFE製、孔径0.10μm)でろ過してポリシラン組成物を作成した。この溶液をUV照射の下でシリコン基板上に1500rpmでスピンコート法により塗布した。その後、100℃で10分間、そして425℃で20分間の加熱処理を行った後に、得られたシリコン膜の外観観察結果を示した。シリコン膜の断面のSEM観察の結果、膜厚は70〜80nmであった。
シクロペンタシランを加熱することにより重量平均分子量の大きなポリシランを作成し、塗布型ポリシラン組成物を得て、それらを基板に塗布し焼成後に、導電性の高い良好なシリコン薄膜を基板上に製造することができる。

Claims (8)

  1. シクロペンタシランを50℃乃至120℃の温度に加熱することを特徴とするポリシランの製造方法。
  2. 0.5時間乃至6時間の加熱を行う請求項1に記載の製造方法。
  3. 得られたポリシランがシクロペンタシランの重合物であり、重量平均分子量600乃至3000である請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 得られたポリシランの重量平均分子量Mwと数平均分子量MnとのMw/Mn比が1.03乃至1.55である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. シクロペンタシランが下記(A)、及び(B)工程:
    (A)工程:式(1):
    Figure 2017149790

    (ただし、式(1)中、R及びRはそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換されていても良いフェニル基を示し、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを、ハロゲン化アルミニウムの存在下に有機溶剤中でハロゲン化水素と反応し、式(2):
    Figure 2017149790

    (ただし、式(2)中、R及びRはそれぞれハロゲン原子を示し、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを得る工程、
    (B)工程:式(2)の環状シランを水素又はリチウムアルミニウムハイドライドで還元して式(3):
    Figure 2017149790

    (ただし、式(3)中、nは4乃至6の整数を示す。)の環状シランを得る工程、を経て得られる環状シラン中に含まれる主成分である請求項1乃至請求項4に記載の製造方法。
  6. 式(1)のRとRが共にフェニル基である請求項5に記載の製造方法。
  7. 式(2)のR及びRが共に塩素原子である請求項5に記載の製造方法。
  8. シクロペンタシランが全環状シラン中に80モル%以上含まれている請求項5に記載の製造方法。
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