JP2017149639A - 人工骨材、およびセメント質硬化体 - Google Patents

人工骨材、およびセメント質硬化体 Download PDF

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Abstract

【課題】セメント質硬化体の中性化を抑制し、また強度発現性を向上させる人工骨材の提供。
【解決手段】2CaO・SiO100質量部に対し、2CaO・Al・SiOを20〜35質量部、および12CaO・7Alを1〜10質量部含む焼成物からなる骨材であり、好ましくは、産業廃棄物、一般廃棄物、汚染物、および建設発生土から選ばれる1種以上の焼成物である骨材。また、セメント質硬化体は前記人工骨材を含み、好ましくは、全細骨材および/または全粗骨材に対する、前記人工骨材の体積置換率が50体積%以上である細骨材および/または粗骨材を含む、セメント質硬化体。
【選択図】図1

Description

本発明は、人工骨材と、該人工骨材を用いたコンクリートまたはモルタル(以下「セメント質硬化体」という。)に関する。
セメント原料中で約70質量%を占める石灰石は、セメントクリンカーの焼成工程で熱分解して二酸化炭素を生成し、使用した石灰石の約40質量%に相当する量の二酸化炭素を大気中に排出する。この非エネルギー起源の二酸化炭素の排出は、セメント原料に石灰石を用いる限り不可避であるが、温室効果ガスの削減に関する社会的要請から、二酸化炭素の排出を抑制するための対策が、種々、試みられている。その対策の一つは、セメント中のセメントクリンカーの構成比が小さい混合セメントを普及させることである。
混合セメントに含まれる高炉スラグおよびフライアッシュは、それぞれ、潜在水硬性およびポゾラン反応性を有する。この潜在水硬性は、混合セメントの基材であるポルトランドセメントの水和により生じた水酸化カルシウムの刺激により、高炉スラグの水硬性が発現する現象である。また、ポゾラン反応性は、フライアッシュと水酸化カルシウムが反応してケイ酸カルシウム水和物が生成する現象である。前記潜在水硬性やポゾラン反応性は、水酸化カルシウムの消費を伴うため、混合セメントのセメント質硬化体は、ポルトランドセメント単独のセメント質硬化体に比べ、アルカリ度が低く中性化が進み易い。
かかる特徴から、混合セメントを普及させるためには、混合セメントのセメント質硬化体のアルカリ度を上げて、中性化速度を抑制する必要がある。その方法の一つとして、セメント質硬化体の骨材に、塩基度(=CaO/SiO)の高い骨材を使用する方法が考えられる。塩基度の高い骨材は、高炉スラグ骨材や電気炉酸化スラグ骨材が知られている。該骨材は、一般に、骨材自身が水硬性に類似した化学的特性を有するので、該骨材を含むセメント質硬化体は、強度発現性が向上することが期待できる。
しかし、該骨材を用いたセメント質硬化体は、必ずしも耐中性化能が優れているとは限らない。その理由として、該骨材は、角ばった形状を有するためにセメント質硬化体の単位水量が多くなり、また、ガラス質で滑らかな表面組織を有するため、セメント質硬化体のブリーディング量が多いことが挙げられる(非特許文献1)。
辻幸和;副産物起源骨材の現状と課題、コンクリート工学、Vol.46、No.5、pp.11−16(2008)
そこで、本発明は、セメント質硬化体の中性化を抑制し、また強度発現性を向上させる人工骨材を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的にかなう人工骨材を鋭意検討したところ、特定の鉱物組成を有する人工骨材は、セメント質硬化体の中性化を抑制し、また高温環境下でのセメント質硬化体の強度発現性を向上させることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の構成を有する人工骨材である。
[1]2CaO・SiO100質量部に対し、2CaO・Al・SiOを20〜35質量部、および12CaO・7Alを1〜10質量部含む焼成物からなる人工骨材。
[2]前記人工骨材が、産業廃棄物、一般廃棄物、汚染物、および建設発生土から選ばれる1種以上の焼成物である、前記[1]に記載の人工骨材。
[3]前記[1]または[2]に記載の人工骨材を含む、セメント質硬化体。
[4]全細骨材および/または全粗骨材に対する、前記[1]または[2]に記載の人工骨材の体積置換率が50体積%以上である細骨材および/または粗骨材を含む、前記[3]に記載のセメント質硬化体。
以下、2CaO・SiO、2CaO・Al・SiO、および12CaO・7Alは、それぞれ、CS、CAS、およびC12と略す。
本発明の人工骨材を用いたセメント質硬化体は、中性化が抑制され、高温環境下での強度発現性が向上する。また、本発明の人工骨材は廃棄物等を原料として使用できるから、廃棄物の再利用に資する。
本発明の人工骨材を用いたモルタルの材齢と中性化深さの関係を示す図である。
本発明は、前記のとおり、CS100質量部に対し、CASを20〜35質量部、およびC12を1〜10質量部含む焼成物からなる人工骨材と、該人工骨材を用いたセメント質硬化体である。以下、本発明について詳細に説明する。
1.C
本発明の人工骨材を構成する鉱物であるCSは、水和反応が長期にわたり緩やかに進むため、セメント質硬化体のアルカリ度を維持でき、また、セメント質硬化体の組織を緻密にするため、セメント質硬化体の中性化を抑制し、強度発現性を向上させる。また、CSの多くは、セメント質硬化体中に未水和の状態で存在するため、セメント質硬化体にひび割れが生じても、ひび割れ部分から硬化体の内部に浸入してきた水と、未水和のCSが反応して、新たに生成した水和物がひび割れを塞ぐ。このように、本発明の人工骨材を用いたセメント質硬化体は、ひび割れに対し自己治癒性能を有する。
2.CAS
本発明の人工骨材を構成する鉱物であるCASは、水硬性を有しないものの、大気中の二酸化炭素と反応して生成する炭酸化物によって緻密化するため、セメント質硬化体の中性化を抑制し、強度発現性を向上させる。
本発明の人工骨材中のCASの含有割合は、CS 100質量部に対して20〜35質量部、好ましくは21〜33質量部である。CASの含有割合が20質量部未満では、人工骨材が粉状化する現象(ダスティング)が生じるおそれがあり、35質量部を超えると人工骨材の中性化抑制能が低下する。
3.C12
本発明の人工骨材を構成する鉱物であるC12は、アルミナセメントの急硬性成分でもあり、セメント質硬化体中で水和反応が急速に進むため、セメント質硬化体のアルカリ度は高くなる。また、水和反応により生成した水酸化カルシウムは、セメント質硬化体に含まれる高炉スラグやフライアッシュ等のセメント混和材との間で、ポゾラン反応等が起こり、ケイ酸カルシウム水和物等の水和物が生成する。該水和物は、セメント質硬化体を緻密化してセメント質硬化体の中性化を抑制し、強度発現性を向上させる。
本発明の人工骨材中のC12の含有割合は、CS 100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは4〜10質量部である。CS 100質量部に対し、C12の含有割合が1質量部未満では、人工骨材の中性化抑制能が低下する。また、10質量部を超えると、セメント質硬化体の流動性が低下する。
4.人工骨材の製造
(1)人工骨材の原料
本発明の人工骨材の原料は、通常のポルトランドセメントクリンカー原料、すなわち、石灰石、生石灰、および消石灰等のカルシウム源、珪石、および粘土等のシリカ源、粘土等のアルミナ源が挙げられる。また、該原料として、産業廃棄物、一般廃棄物、汚染物、および建設発生土から選ばれる1種以上を用いることができるので、資源循環型社会構築の観点からも好ましい。
ここで、産業廃棄物は、石炭灰、生コンスラッジ、下水汚泥、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥、ボーリング廃土、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰、建設廃材、およびコンクリート廃材等が挙げられる。また、一般廃棄物は、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、および貝殻等が挙げられ、汚染物は、重金属汚染土壌、有機物汚染土壌、およびフッ素汚染土壌等が挙げられ、建設発生土は、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土、さらには廃土壌等が挙げられる。
なお、前記産業廃棄物、一般廃棄物、汚染物、および建設発生土から選ばれる1種以上を原料として用いると、人工骨材の原料組成によっては、CAFが生成する場合がある。この場合、CASの70質量%までなら、CASがCAFにより置換されてもよいが、CASがこの範囲を超えて置換されると、焼成温度の範囲が狭くなって製造管理が困難になるおそれがある。
本発明の人工骨材を構成する鉱物(CS、CAS、およびC12)の組成は、焼成物中のCaO、SiO、Alの各含有率(質量%)を用いて、下記(1)〜(3)式により求めることができる。
S(質量%)=1.79×CaO−0.48×SiO−1.69×Al・・・(1)
AS(質量%)=−2.85×CaO+5.33×SiO+2.69×Al ・・・(2)
12(質量%)=2.06×CaO−3.85×SiO ・・・(3)
だだし、式中の化学式は、当該化学式が表す化合物の含有率(質量%)を意味する。
(2)人工骨材の焼成
本発明の人工骨材は、前記原料を所定の割合で混合して得られる混合原料を、焼成して製造する。原料の混合装置は特に限定されず、ボールミルやブレンダーサイロ等が挙げられる。また、焼成温度は、好ましくは1000〜1350℃、より好ましくは1150〜1350℃である。焼成温度が1000℃未満では人工骨材中にフリーライム(遊離石灰)が多く残り、水と接触した際に人工骨材の体積が膨張して、人工骨材が脆弱になる場合があり、1350℃を超えると混合原料が溶融するおそれがある。したがって、人工骨材中のフリーライムの含有率は、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下である。
また、焼成装置は特に限定されず、例えば、ロータリーキルン等が使用できる。さらに、ロータリーキルンを用いて焼成する場合、燃料として燃料代替廃棄物、例えば廃油、廃タイヤ、および廃プラスチック等が使用できる。
本発明の人工骨材の容重は、好ましくは1150〜1350g/L、より好ましくは1200〜1350g/Lである。人工骨材の容重が1150g/L未満では、骨材に要求される圧壊強度を満たすことができず、1350g/Lを超えると、ガラス質で滑らかな表面組織になるためにブリーディング量が多くなり、セメント質硬化体の中性化を抑制することが困難になる。
なお、前記容重は、内容積250mLの容器に人工骨材を充填したときの質量であって、下記(4)式により求める。
容重(g/L)=[人工骨材を充填した容器の質量(g)−容器の質量(g)]×4.0 ・・・(4)
本発明の人工骨材の吸水率は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下である。該値が2.0%を超えると、寒冷地で使用した場合、凍結融解により人工骨材にクラックが生じるおそれがある。なお、該値は、JIS A 1110「粗骨材の密度及び吸水率試験方法」に準拠して測定できる。
本発明の人工骨材のすりへり減量は、好ましくは20%以下、より好ましくは18%以下、さらに好ましくは15%以下である。すりへり減量が20%を超えると、骨材の圧壊強度と耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、本発明の人工骨材はふるい分け等により、細骨材および粗骨材として用いることができる。
本発明の人工骨材を用いたセメント質硬化体を製造する場合、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」、および該JIS付属書A「レディーミクストコンクリート用骨材」に記載されたスラグ骨材に係る方法に準拠して、人工骨材を用いればよい。
前記セメント質硬化体において、全細骨材または全粗骨材中の本発明の人工骨材の体積置換率(含有率)は、好ましくは50体積%以上、より好ましくは75体積%以上、さらに好ましくは100体積%である。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
1.人工骨材の製造
石灰石、粘土、下水汚泥、珪石、石炭灰、および廃ガラスを原料に用いて、石炭灰使用量を操作因子として化学組成を調整して混合原料を作製した。次に、該混合原料と、重油を燃料とする内径3.7m、長さ32mの小型ロータリーキルンを用いて、キルン回転数と原料送入量を一定にすることによりキルン内の原料の滞留時間を40分間に固定して、温度(焼点温度)1300±25℃で焼成し、人工骨材を製造した。該人工骨材の鉱物組成とフリーライムを表1に示す。
なお、表1に記載の人工骨材の鉱物組成は、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して人工骨材の化学分析値を測定し、該分析値と前記(1)〜(3)式を用いて算出した。また、前記フリーライムの含有率は、セメント協会標準試験方法JCAS I−01「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準拠して測定した。
2.人工骨材の容重、吸水率、およびすりへり減量の測定
前記人工骨材の容重は、内容積250mLの円筒状の容器を用いて測定し、また、吸水率はJIS A 1110「粗骨材の密度及び吸水率試験方法」に準拠して測定し、すりへり減量はJIS A 1121「ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法」に準拠して測定した。これらの結果を表1に示す。
表1に示すように、CS 100質量部に対し、CASを23.7〜31.7質量部、C12を5.5〜9.4質量部含む実施例1−1〜実施例1−3は、吸水率が1.1%以下、すりへり減量が13%以下と低く、骨材として良好な物性を備えていて骨材の品質は高い。
これに対し、CS 100質量部に対し、CASを6.6〜16.3質量部、C12を13.7〜19.3質量部含む比較例1−1と比較例1−2は、吸水率が2%を超え、すりへり減量が20%を超えており骨材の品質は低い。
3.人工骨材を用いたモルタルの圧縮強度と耐中性化能の測定
表1に記載の人工骨材の中から、実施例1−3の人工骨材(以下「BGC骨材」という。)を選択して粒度調整した細骨材を用いてモルタルを作製し、該モルタルの圧縮強度と耐中性化能を測定した。
以下に、モルタルの作製方法と、モルタルの圧縮強度と耐中性化能の測定方法を具体的に説明する。
なお、BGC骨材の製造における前記原料の使用割合は、石灰石が56.7質量%、粘土が1.8質量%、下水汚泥が15.4質量%、珪石が0.8質量%、石炭灰が18.3質量%、および廃ガラスが7.0質量%(全体で100質量%)である。
(1)使用材料
(i)セメント
普通ポルトランドセメント(密度:3.15g/cm、太平洋セメント社製)を用いた。
(ii)混合砂
以下の方法により作製した混合砂を用いた。すなわち、
前記BGC骨材を粒度調整して、川砂と同じ粗粒率(2.56)の細骨材(以下「BGC細骨材」という。)を作製した。ちなみに、該BGC細骨材の絶乾密度(3.16g/cm)、粗粒率(2.56)、および吸水率(1.1%)は、JIS A 5005「コンクリート用砕石及び砕砂」に規定する砕砂の規格を満たす。
次に、該BGC細骨材を用いて川砂(表乾密度2.62g/cm3、粗粒率2.56、吸水率1.72%)を置換し、表2に示す体積置換率を有する混合砂を作製した。
(iii)水
上水道水を用いた。
(iv)減水剤および消泡剤
減水剤は、ポリカルボン酸エーテル系高性能AE減水剤・標準形(商品名:マスターグレニウム SP8SV[登録商標]、BASFジャパン社製)を用い、消泡剤は空気量調整剤(商品名:マスターエア 404[登録商標]、BASFジャパン社製)を用いた。
(2)モルタル(混練物)の作製
表2に示す配合に従い、セメントと前記混合砂を公称容量10Lのオムニミキサーに投入して30秒間空練りした後、予め減水剤を溶かした練混ぜ水を投入して2分間練り混ぜ、さらに消泡剤を投入して1分間練り混ぜてモルタル混練物を作製した。
なお、前記モルタル混練物のフロー値と空気量の目標値は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」のフロー試験による15打フローが150±30mm、空気量が2±1.5%であり、該目標値を満たすように減水剤や消泡剤の添加量を調整した。
(3)モルタルの圧縮強度の測定
JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して、前記モルタル混練物を用いて20℃で水中養生してモルタル供試体を作製し、材齢7日および28日の圧縮強度を測定した。この結果を表3に示す。
圧縮強度は、比較例2−1と比べ、実施例2−1〜実施例2−4では、いずれの材齢でも高く、また、比較例2−1から実施例2−4へと、BGC細骨材の置換率が増加するに伴い増加している。これは、セメントに加え、本発明の人工骨材の表面でも水和反応が起こり、セメント質硬化体の組織がより緻密になったためと推察する。
(4)モルタルの中性化深さの測定
JIS A 1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠して、前記モルタル混練物を用いてモルタル供試体を作製し、促進中性化試験を行なった。この結果を図1に示す。
図1に示すように、比較例2−1から実施例2−1、そして実施例2−4へと、BGC細骨材による体積置換率が増加するに伴い、中性化深さは小さくなり中性化が抑制されている。これは本発明の人工骨材が水和反応して、カルシウムとケイ酸塩の水和物相であるC−S−H相が生成して析出し、セメント質硬化体のpHが強アルカリ性のまま維持されたためと、前記圧縮強度の増加という試験結果から分かるように、水和硬化体の組織が緻密になって、大気中の二酸化炭素の浸透が抑制されたためと推察する。
4.高温環境下における人工骨材を用いたモルタルの圧縮強度の測定
本発明の人工骨材を構成するCSとCASがセメント質硬化体を緻密にする効果は、高温ほど高いことから、本発明の従来技術に相当する、ポルトランドセメントクリンカー(エーライト(3CaO・SiO)が主要な構成相である。)を骨材に用いた場合に比べ、高温環境下での強度発現性が高いと期待できる。そこで、60℃で養生したモルタル供試体の強度を測定した。
(1)使用材料
セメント、水、減水剤、および消泡剤は、段落0028に記載の材料と同じものを用いた。また、混合砂は、前記BGC細骨材、表4に示す普通ポルトランドセメントクリンカーの細骨材(粗粒率は、川砂やBGC細骨材と同じ2.56である。以下「OPC細骨材」という。)、および前記川砂を用いて、表5に示す体積置換率で混合した混合砂を用いた。
(2)モルタルの圧縮強度の測定
表5に示す配合に従い、段落0029と同じ方法でモルタル混練物を作製した後、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して、モルタル供試体を作製し、60℃の温水で39日間養生した後、このモルタル供試体の圧縮強度を測定した。この結果を表6に示す。
なお、この「養生温度60℃×養生期間39日間」は、下記(5)式で算出される積算温度(マチュリティ)の「養生温度20℃×養生期間91日間」に相当する。
積算温度(℃・日)=Σ{(養生温度(℃)+10)×養生日数(日)} ・・・(5)
実施例3−1〜実施例3−3では、BGC細骨材の置換率が増加するに伴い、モルタルの圧縮強度は顕著に増加しているのに対し、比較例3−2〜3−6では、OPC細骨材の置換率が増加しても、モルタルの圧縮強度は増加しない。したがって、本発明の人工骨材は、特に、高温環境下でのセメント質硬化体の強度発現性の向上効果が高い。

Claims (4)

  1. 2CaO・SiO100質量部に対し、2CaO・Al・SiOを20〜35質量部、および12CaO・7Alを1〜10質量部含む焼成物からなる人工骨材。
  2. 前記人工骨材が、産業廃棄物、一般廃棄物、汚染物、および建設発生土から選ばれる1種以上の焼成物である、請求項1に記載の人工骨材。
  3. 請求項1または2に記載の人工骨材を含む、セメント質硬化体。
  4. 全細骨材および/または全粗骨材に対する、請求項1または2に記載の人工骨材の体積置換率が50体積%以上である細骨材および/または粗骨材を含む、請求項3に記載のセメント質硬化体。

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