以下、請求可能発明の代表的な実施形態を、実施例として、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
実施例のノズル管理機は、電気部品装着機に使用されている吸着ノズルを管理の対象とする。その吸着ノズルは、回路基板への電気部品の装着において、自身に供給される負圧によって、電気部品を吸着保持する部品保持具である。実施例のノズル管理機の説明を行う前に、電気部品装着機および吸着ノズルについて簡単に説明し、その後に、実施例のノズル管理機について、ノズル管理機の全体構成,ノズル管理機を構成する各装置,ノズル管理機が行ういくつかのオペレーション,それらのオペレーションに関連した制御装置の機能構成を、順次説明する。なお、以下の説明において、「ノズル管理機」,「電気部品装着機」,「吸着ノズル」,「回路基板」,「電気部品」は、それぞれ、単に「管理機」,「装着機」,「ノズル」,「基板」,「部品」と呼ぶ場合があることとする。
[A]電気部品装着機および吸着ノズル
管理機による管理の対象となる吸着ノズルが使用されている電子部品装着機を、図1に、一例として、示す。図では、同じ構造の2台の装着機10が、ベース12に並設されている(図では、手前側のものの外装パネルが取り除かれている)。装着機10は、基板Sを搬送するとともに設定位置に固定するコンベア型の基板搬送装置14と、それぞれが部品Pを供給する複数のフィーダ型の部品供給装置16と、それら部品供給装置16から供給される部品Pを固定された基板Sに装着するための装着ヘッド18と、その装着ヘッド18を部品供給装置16と固定された基板Sとの間で移動させるヘッド移動装置20とを含んで構成されている。装着ヘッド18は、下端部に吸着ノズルNが取り付けられた動作軸22と、その動作軸22を昇降および回転させる動作軸昇降回転装置(図示を省略)とを含んで構成されている。ちなみに、図に示す装着ヘッド18は、インデックス型の装着ヘッドであり、動作軸22は、複数のノズルNを取り付け可能とされている。部品供給装置16から供給される部品Pは、ノズルNの先端(下端)において吸着保持され、保持された部品Pは、装着ヘッド18が基板Sの上方に移動させられた後、ノズルNによる吸着保持が解除されることで、基板S上に装着される。ちなみに、部品Pを基板S上の適正位置に適正な姿勢で装着するため、その部品Pは、ノズルNに吸着保持された状態で、当該装着機10に設けられた部品カメラ22によって下方から撮像され、撮像によって得られた保持位置および保持姿勢のデータが、装着の際に利用される。
上記ノズルNが、管理機の管理対象であり、そのノズルNは、図2に示すようなものである。図2(a)は、ノズルNを、斜め上方から見た図であり,図2(b)は斜め下方から見た図である。それらの図から解るように、ノズルNは、筒状をなして当該ノズルNの本体部として機能する胴体筒30と、胴体筒30から下方に延び出す吸着管32と、胴体筒30の周囲に張り出すようにして同体筒30に固定されたフランジ34とを有する。胴体筒30の上端部が、当該ノズルNの基端部として機能し、その上端部において、上記動作軸に保持される。吸着管32は、当該ノズルの先端部として機能し、比較的細いパイプ状のものとされている。胴体筒30には、2本の掛止ピン36が延設されおり、それら掛止ピン36を利用して、ノズルNは、動作軸22に取り付けられる。掛止ピン36を利用したノズルNの取付は一般的な手法であり、ここでの説明は省略するともに、他の図において省略する。
吸着管32には、装着ヘッド18から、胴体筒30介して正圧および負圧が選択的に供給される。負圧の供給により、吸着管32の先端(下端)に部品Pが吸着保持され、正圧の供給により、吸着保持された部品Pが吸着管32から離脱させられる。図では内部構造を省略するが、吸着管32は、胴体筒30に対して進退可能とされている。詳しく言えば、部品Pの基板Sへの装着の際に部品Pに加わる衝撃を緩和するため、ノズルNの先端部は、胴体筒30から進出する方向にばねの力により付勢されており、その付勢力を超えた力が加わった場合に、後退可能に、つまり、胴体筒30に対して引き込み可能とされている。なお、フランジ34は、上述した部品カメラ22による部品Pの撮像の際、その撮像が鮮明に行われるための背面形成部材として機能するものであり、ノズルNの最も外径の大きな部分となっている。フランジ34の上面には、当該ノズルNの固有情報を認識するための識別子としての2Dコード38が付されている。この2Dコード38は、固有情報の一種としての当該ノズルNのIDを示すものとなっており、そのIDは、ノズルNの個別管理のために使用される。
図では、一種類のものしか示していないが、ノズルNは、サイズおよび形状において互いに異なる複数種のものが存在し、本装着機10でも、サイズにおいて異なるいくつかの種類のノズルNを動作軸16に取り付け可能となっており、本装着機10では、吸着保持する部品Pに応じて、それらいくつかの種類のノズルを、自動で交換可能とされている。ちなみに、製造する電気回路(基板Sに部品Pが装着されたもの)に応じて使用されるノズルNは異なる。また、装着機10において使用される複数のノズルNは、部品供給装置16の傍らにおいて装着機10に設けられたノズルステーション50に、ノズルトレイNTに載置された状態で配置されている。
ノズルトレイ(以下、単に「トレイ」と言う場合がある)NTは、ノズルNを載置させるためのノズル載置器として機能するものであり、図3に示すように、概して板状をなしている。詳しく言えば、トレイNTは、ベースプレート60と、ベースプレート60の上面を覆うカバープレート62とを含んで構成されており、カバープレート62は、ベースプレート60に対してある程度の範囲で摺動可能とされている。図3(a)は、カバープレート62がベースプレート60に対してズレた状態を示しており、図3(b)は、カバープレート62がベースプレート60にちょうど重なった状態を示している。カバープレート62はそれら2つの状態の各々における位置の間で摺動可能とされている。
断面図である図3(c)およびノズルNが載置された状態を示す部分断面図である図3(d)をも参照して説明すれば、ベースプレート60には、それぞれが載置部を構成する12の載置穴64が設けられている。詳しく言えば、本トレイNTには、互いにサイズの異なる2種のノズルNを載置することができ、大きなサイズのノズルNを載置するための4つの載置穴64と、小さなサイズのノズルNを載置するための4つの載置穴64とが設けられている。載置穴64は、内周壁の寸法が深さにおいて異なる段付き穴とされており、段差面66が、ノズルNのフランジ34が載置される面とされている。ベースプレート60の上面における載置穴64の内径、つまり、最大内径は、フランジの34の外径よりも僅かに大きくされており、載置穴64は、ノズルNの径方向の変位(ズレ)をフランジ34の外周において規制するように構成されている。また、段差面までの深さは、載置穴64に載置されたノズルNのフランジ34がカバーブレート62に干渉しない深さとされている。ちなみに、図に示すノズルNは、段差面までの深さより薄いフランジ34を有しており、そのノズルNは、載置穴64に載置された状態において、フランジ34の上面が、トレイNTのベースプレート60の上面より突出することはない。図2から解るように、フランジに34は外周にノッチ68が設けられており、そのノッチ68は、段差面66に立設された短いピン69と係合する。それらノッチ68およびピン69により、ノズルNは特定の向きにしか載置できないようになっており、また、トレイNTに載置された状態におけるノズルNの回転が防止されている。
一方、カバープレート62にも、ベースプレート60の載置穴64に対応して、抜穴70が設けられている。この抜穴70は、円形をした円穴部72とその円穴部72の一方側から延び出すスロット部74とからなっている。各円穴部72の内径は、対応する載置穴64の最大内径と略等しくされている。スロット部74の幅は、対応する載置穴64に載置されるノズルNの胴体筒30の外径よりもある程度大きくされている。図3(b)に示す状態では、各載置穴64の中心と対応する抜穴70の円穴部72の中心が一致しており、載置穴64の全体が上方から覗き見れる。一方、図3(a)に示す状態では、各載置穴64の中心と対応する抜穴70のスロット部74の先端に存在する円弧の中心とが略一致しており、載置穴64は、上方からは一部しか覗き見れない。2つの状態は、そのような状態であるため、以下、便宜的に、図3(b)の状態を「載置穴開状態」、図3(a)の状態を「載置穴閉状態」と言うことにする。
載置穴開状態では、ノズルNの載置穴64への載置、載置穴64からの離脱を行うことができる。一方、ノズルNが載置穴64に載置されている場合に載置穴閉状態とすることで、ノズルNの胴体筒30が抜穴70のスロット部74を挿通しつつ、フランジ34の上面の多くの部分が、カバープレート62によって蓋われる状態となる。この状態において、ノズルNは、載置穴64からの離脱が防止される。このノズルNの離脱防止に関して言えば、トレイNTには、カバープレート62含んで構成される機構、つまり、いわゆるシャッター機構と呼ばれるノズル離脱防止機構が設けられているのである。
カバープレート62は、図示を省略するスプリングによって、載置穴閉状態となるように付勢されており、そのスプリングの付勢力を超える力でカバープレート62を摺動させることで、載置穴開状態となる。この摺動は、図示を省略するところの、ノズルステーション50に配設されたカバー摺動機構によって行われる。装着ヘッド18の動作軸へのノズルNの取り付け,動作軸からのノズルNを取り外し,取り付いているノズルNの別のノズルNへの交換は、装着機10の制御装置によるカバー摺動機構の制御によって載置穴開状態が実現されて、行われる。
トレイNTは、ノズルステーション50に着脱可能とされており、例えば、ある電気回路の製造を開始するにあたって、予めノズルNが載置されたトレイNTをノズルステーション50にセットすることができ、また、例えば、ある電気回路の製造を終了するにあたって、使用していたノズルNをトレイNTごとノズルステーション50から外すことができる。したがって、トレイNTは、装着機10の段取り替え等の迅速化に大きく貢献している。なお、本トレイNTでは、ベースプレート60の1つのコーナに、当該トレイNTの固有情報を認識するための識別子としての2Dコード76が付されている。この2Dコード76は、固有情報の一種としての当該トレイNTのIDを示すものとなっており、そのIDは、トレイNTの個別管理に利用される。
なお、以上説明した吸着ノズルNおよびトレイNTは、上記装着機10に使用されるものである。以下に示す実施例の管理機は、上記装着機10に使用されるノズルNだけを対象とするものではなく、他の装着機に使用されるノズルNをも対象とする。また、上記トレイNTは、装着機10で使用されるトレイNTの一例であり、装着機10は、種類において異なる他のトレイNTをも使用可能である。さらに、装着機によって、使用されるトレイNTも異なる。後に説明するが、実施例の管理機は、他のトレイNTに載置された若しくは載置されるノズルNをも管理の対象とする。
[B]ノズル管理機の全体構成
図4に外観を示すように、実施例の管理機80は、概して直方体形状をなし、比較的コンパクトなサイズのものとなっている。当該管理機80の正面(図における左側の面)には、後に詳しく説明する引出82が設けられている。また、正面上部には、当該管理機80の制御装置としてのコントローラ84が付設されている。コントローラ84は、コンピュータを主要構成要素として構成されるものであり、ディスプレイ86,操作キー88,スイッチ90等の入出力デバイスを有している。外装パネルを外した状態の管理機80を、図5に、逆方向の視点から見たその管理機80を、図6に、それぞれ示す。以下に、それらの図を参照しつつ、本管理機80の内部構造について説明する。ちなみに、図5における左方が当該管理機80の前方であり、右方が当該管理機80の後方である。
管理機80は、いくつかの装置が組み合わされて構成されている。具体的に列挙すれば、後方側に、ノズルパレット(以下、単に「パレット」と言う場合がある)に載置させた状態でノズルNを収容するノズル収容装置100が、ノズル収容装置100の前方左側に、トレイNTを収容するトレイ収容装置102が、それぞれ配設されている。一方、当該管理機80の前方側には、それぞれがノズル収容装置102に収容されている若しくは収容されるノズルNに対する何らかの処置(以下、「対ノズル処置」という場合がある)を実行する対ノズル処置実行装置として、上から順に、ノズル移載装置104,第1ノズル検査装置106,第2ノズル検査装置108,ノズル洗浄装置110が配設されている。
ここでの説明は簡単に行うが、ノズル移載装置104は、トレイNTと上記パレットとの間でノズルNを移載する装置であり、第1ノズル検査装置106は、2つの検査項目の検査、具体的には、ノズルNの先端部の状態に関する検査(先端部状態検査)、および、ノズルNの先端部の後退に必要な力に関する検査(後退必要力検査)を実行し、第2ノズル検査装置108は、2つの検査項目の検査、具体的には、ノズルNを通過するエアの流量に関する検査(通過流量検査)、および、ノズルNのフランジ34に付された識別子としての2Dコード38の読み取りに関する検査(識別子読取検査)を実行する。ノズル洗浄装置110は、ノズルNを高圧水で洗浄する装置である。また、ノズル収容装置100とノズル洗浄装置110との間には、ノズル洗浄装置110によって洗浄されたノズルNを乾燥させるノズル乾燥装置112が配設されている。
上記各対ノズル処置実行装置とノズル収容装置100と間のノズルNの移送は、各対ノズル処置実行装置に対応した各ノズル移送装置によって行われる。ノズルNの移送は、上述したパレットに載置した状態で行われるため、各ノズル移送装置は、パレット移送装置とされている。具体的には、ノズル移載装置104とノズル収容装置100との間でパレットを移送する第1パレット移送装置114,第1ノズル検査装置106とノズル収容装置100との間でパレットを移送する第2パレット移送装置,第2ノズル検査装置108とノズル収容装置100との間でパレットの移送を行う第3パレット移送装置118,ノズル洗浄装置110とノズル収容装置100との間でパレットの移送を行う第4パレット移送装置120が、それぞれ配設されている。一方で、ノズル移載装置104とトレイ収容装置102と間には、それらの間でトレイNTを移送するトレイ移送装置122が配設されている。また、上述した各装置のための電源,駆動回路,エアコンプレッサ,高圧ポンプ等を内臓した駆動源ユニット124が、当該管理機10の前方側下部に配設されている。
なお、以下の説明において、ノズル収容装置,トレイ収容装置,ノズル移載装置,ノズル検査装置,ノズル洗浄装置,ノズル乾燥装置,パレット移送装置,トレイ移送装置は、それぞれ、単に、「収容装置」,「収容装置」,「移載装置」,「検査装置」,「洗浄装置」,「乾燥装置」,「移送装置」,「移送装置」と言う場合あることとする。また、以下の説明は、移載装置104を中心に示す図7,第1検査装置106を中心に示す図8,第2検査装置108を中心に示す図9,洗浄装置110および乾燥装置112を中心として示す図10および図11をも参照して行うこととする。
[C]ノズル収容装置
ノズル収容装置100は、それぞれに上述のパレットが収容される複数のパレットキャリア(以下、単に「キャリア」と言う場合がある)130と、それらキャリア130を循環させるキャリア循環機構(以下、単に「循環機構」という場合がある)132とを有しており、それら複数のキャリア130と循環機構132とによって、複数のパレットを当該収容装置130内において移動させるパレット移動装置(以下、単に「移動装置」と言う場合がある)134が構成されている。以下に、収容装置100を、パレットと、移動装置134とに分けて説明する。
i)ノズルパレット
パレットNPは、ノズルNを載置させるためのノズル載置器として機能するものであり、図12に示すように、先に説明したトレイNTと同様、ベースプレート140とベースプレート140の上面を覆うカバーレプート142とを含んで構成されている。図12(a)は、カバープレート142がベースプレート140に対してズレた状態を示しており、図12(b)は、カバープレート142がベースプレート140にちょうど重なった状態を示している。カバープレート142はそれら2つの状態における位置の間で摺動可能とされている。
当該管理機80は、便宜的に、図13に示す5種類のノズルNを管理の対象とするものとして扱うこととすれば、パレットNPには、それら5種類のノズルNのすべてが載置可能とされている。5種類のノズルNは、形状において互いに異なり、フランジ34の外径によって3つに分類することができる。図13は、それらのノズルNを上方から見た図であり、具体的には、図13(a)に示す小さなサイズのノズルNa、図13(b),(c)にそれぞれ示す中間のサイズのノズルNb,Nc、図13(d),(e)にそれぞれ示すサイズの大きなノズルNd,Neに分類することができる。ベースプレート140には、トレイNTの場合と同様に、それぞれが載置部を構成する載置穴144が設けられている。具体的には、小さなサイズのノズルNが載置される24の載置穴144aと、大きなサイズのノズルNが載置される15の載置穴144bが設けられており、載置穴144aには、上記ノズルNaが、載置穴114bには、上記ノズルNb,Nc,Nd,Neが載置される。
載置穴144aに関しては、先に説明したトレイNTの載置穴64と同様であり、1つの段差面146を有するものであるため、ここでの説明を省略する。ノズルNが載置された状態を示す図14を参照しつつ、載置穴144bについて説明すれば、載置穴144bは、内周壁の寸法が深さにおいて異なる段付き穴とされており、詳しくは、2つの段差面146a,146bを有する段付き穴とされている。図14(a)に示すように、大きなサイズのノズルNd,Neは、上方に位置する段差面146aに載置され、一方、図14(b)に示すように、中間サイズのノズルNb,Ncは、下方に位置する段差面146bに載置される。つまり、いずれの段差面146a,146bも、ノズルNが載置される面とされており、載置穴144bは、内周壁が深さ方向において内寸法が異なり、互いにフランジ34の外径において異なる複数種のノズルNのフランジ34が、互いに異なる深さの位置において嵌るように構成されているのである。また、載置穴144bは、いずれのノズルNに対しても、それらノズルNの径方向の変位(ズレ)をフランジ34の外周において規制するように構成されており、いずれの段差面146a,146bにも、ノズルNの回転防止のために、フランジ34のノッチ68が係合するピン148が立設されている。
なお、上述複数の段差面146を有する形状の載置穴144bに代えて、例えば、図14(c)に示すように、軸線方向、つまり、深さ方向において、内周壁の内寸法が漸減するようなテーパ穴の載置穴144cを採用することも可能である。そのような載置穴144cであっても、互いにフランジ34の外径において異なる複数種のノズルNのフランジ34が、互いに異なる深さの部分で嵌るように構成されることになる。ちなみに、図は、中間サイズのノズルNb,Ncが載置された状態を示しており、大きなサイズのノズルNd,Neが載置される場合は、ノズルNb,Ncより上方の位置に載置されることになる。
一方、カバープレート142には、トレイNTと同様、ベースプレート140の載置穴144a,144bにそれぞれ対応して、それぞれが円穴部抜150およびスロット部152を有する抜穴154a,154bが設けられている。図13(b)に示す状態では、各載置穴144の中心と対応する抜穴154の円穴部150の中心が一致しており、先に説明した載置穴開状態が実現され、図13(a)に示す状態では、各載置穴144の中心と対応する抜穴154のスロット部74の先端に存在する円弧の中心とが略一致しており、載置穴閉状態が実現される。そのような構造から、パレットNPにも、ノズルNの離脱防止に関して、カバープレート142含んで構成される機構、つまり、いわゆるシャッター機構と呼ばれるノズル離脱防止機構が設けられているのである。ちなみに、トレイNTと同様、カバープレート142は、図示を省略するスプリングによって、載置穴閉状態となるように付勢されており、そのスプリングの付勢力を超える力でカバープレート142を摺動させることで、載置穴開状態となる。
パレットNPには、トレイNTと同様、ベースプレート140の1つのコーナに、当該パレットNPの固有情報を認識するための識別子としての2Dコード156が付されている。この2Dコード156は、固有情報の一種としての当該パレットNTのIDを示すものとなっており、そのIDは、トレイNTの個別管理に利用される。
本パレットNPには、ベースプレート140の1つのコーナ部に、基準ノズル158が、その基準ノズル158の傍らに、基準パイプ160が、いずれも、ベースプレート140を貫通する状態で固定されている。基準ノズル158は、実際のノズルN、具体的には、上述のノズルNbである。一方、基準パイプ160は、ノズルNの一部、詳しくは、胴体筒30および吸着管32を模した模擬物である。それら基準ノズル158および基準パイプ160は、上述の第1検査装置106および第2検査装置108による検査において参照される基準対象として機能し、それら検査装置106,108による検査の基準の設定と、それら検査装置106,108の校正若しくは検定との少なくとも一方に利用される。具体的な利用に関しては、後に詳しく説明するが、基準ノズル158は、第1検査装置106による後退必要力検査、および、第2検査装置による識別子読取検査において参照され、一方、基準パイプ160は、第1検査装置106による先端部状態検査、および、第2検査装置108による通過流量検査において参照される。ちなみに、それら基準ノズル158,基準パイプ160は、いずれも、基準対象として参照される検査において、通常良好な検査結果が得られるように構成されている。なお、本管理機80では、基準対象が、パレットNPに設けられているが、例えば、第1検査装置106若しくは第2検査装置108によって検査可能な位置において、当該管理機80の躯体,他の装置等に設けられてもよい。
ii)パレット移動装置
先に説明したように、パレット移動装置134は、複数のパレットキャリア130とキャリア循環機構132とを含んで構成されている。キャリア130は、概してチャンネル形状、つまり、断面が“コ”の字状をなす形状の部材とされており、当該チャンネル形状における開口が下方を向く姿勢で配置されている。キャリア130には、下端部に、詳しくは、チャンネル形状における2つのフランジの下端部の内側に、1対のレール170が付設されており、上述したパレットNPは、その1対のレール170によって、前方に向かって抜出可能に、また、前方から挿入可能に、保持される。
キャリア循環機構132は、図5,図6から解るように、上下にそれぞれ配設された1対のスプロケット軸172を有している。そのスプロケット軸172は、前後方向に延びる状態で配設されており、前後の端部の各々に、スプロケット174を有している。1対のスプロケット軸172各々の前方側のスプロケット174の間、および、後方側のスプロケット174との間には、それぞれ、チェーン176が巻き掛けられている。前方側のチェーン176および後方側のチェーン176の各々には、複数のブラケット178が、その各々に直角な姿勢で外側に向かって延設されており、前方側のブラケット178の各々の先端と、後方側のブラケット178の対応する各々の先端とによって、1つのキャリア130が揺動可能に支持されている。1対のスプロケット軸172の一方が駆動軸とされており、その一方を回転させることによって、各ブラケット178が、周回させられる。それにより、各ブラケット178によって支持された各キャリア130が、一斉に周回させられる。ちなみに、パレットNPは、ノズルNが載置される面が上を向く姿勢で、つまり、カーバープレート142が上方に位置する姿勢で、キャリア130に保持されており、ブラケット178によるキャリア130の支持構造は、キャリア130がいずれの周回位置にある場合でも、パレットNPがその姿勢を保つような構造とされている。
キャリア循環機構132は、上述のような構造であることから、パレット移動装置134は、収容装置100内において、複数のパレットNPを、鉛直な一平面に平行な一定の経路に沿って、同時に、すなわち、一緒に、循環移動させるパレット循環装置とされているのである。なお、移動装置134では、各パレットNPの停止位置として、上述の各対ノズル処置実行装置104〜108に対応する複数の設定位置、つまり、第1〜第4パレット移送装置114〜120に対応する複数の設定位置が設定されている。この設定位置は、パレットNPの循環におけるステーションと考えることのできるものであり、本管理機80は、特定のステーションに移動して停止させられたパレットNPが、そのステーションに対応する第1〜第4移送装置114〜120によって、対応する対ノズル処置実行装置104〜108に移送されるように構成されている。ちなみに、パレットNPを保持していないキャリア130が特定のステーションに位置している場合には、そのステーションに対応する第1〜第4移送装置114〜120によって、対応する対ノズル処置実行装置104〜108からそのキャリア130にまでパレットNPを移送することが可能とされている。
上記各対ノズル処置実行装置とノズル収容装置100と間のノズルNの移送は、各対ノズル処置実行装置に対応したノズル移送装置によって行われる。ノズルNの移送は、上述したパレットNPに載置した状態で行われるため、ノズル移送装置は、パレット移送装置とされており、具体的には、ノズル移載装置104とノズル収容装置100との間でパレットを移送する第1パレット移送装置114,第1ノズル検査装置106とノズル収容装置100との間でパレットを移送する第2パレット移送装置,第2ノズル検査装置108とノズル収容装置100との間でパレットの移送を行う第3パレット移送装置118,ノズル洗浄装置110とノズル収容装置100との間でパレットの移送を行う第4パレット移送装置120が、それぞれ配設されている。なお、ノズル移載装置は、1以上のノズルNを、1つのノズルグループとして移送する機能を有していると考えることができ、それぞれが対ノズル処置実行装置であるノズル移載装置104,第1ノズル検査装置106,第2ノズル検査装置108,ノズル洗浄装置110は、後に詳しく説明するように、ノズル移送装置によって移送された1つのノズルグループに含まれるノズルNに対して処置を行うようにされているのである。
[D]トレイ収容装置
トレイ収容装置102は、先に説明したノズルトレイNTを収容する装置で、ノズル収容装置100のパレット移動装置134と同様のトレイ移動装置(以下、単に、「移動装置」という場合がある)190を備えており、その移動装置190を主要構成要素として構成されている。移動装置190は、パレット移動装置134と同様に、それぞれにトレイNTが収容される複数のトレイキャリア(以下、単に「キャリア」と言う場合がある)192と、それらキャリア192循環させるキャリア循環機構(以下、単に「循環機構」という場合がある)194とを備えている。
キャリア192は、先に説明したパレットキャリア130と同様に、概してチャンネル形状、つまり、断面が“コ”の字状をなす形状の部材とされており、当該チャンネル形状における開口が下方を向く姿勢で配置されている。パレットキャリア130と同様に、キャリア192には、下端部に、詳しくは、チャンネル形状における2つのフランジの下端部の内側に、1対のレール196が付設されており、トレイNTは、その1対のレール196によって、ノズルNが載置される面が上方を向く姿勢で、前方に向かって抜出可能に、また、前方から挿入可能に、保持される。
循環機構194は、パレット移動装置134の循環機構132と同様、図5,図6に示すように、それぞれ2つのスプロケットを前後に有する1対のスプロケット軸,1対のチェーン,各チェーンに延設された複数のブラケットを有しており、各ブラケットによって支持された各キャリア192を、一斉に周回させるように構成されている。そのような構造の循環機構194を有するトレイ移動装置190は、先に説明したパレット移動装置134と同様、収容装置102内において、複数のパレットNPを、鉛直な一平面に平行な一定の経路に沿って、同時に、すなわち、一緒に、循環移動させるトレイ循環装置とされているのである。なお、トレイ移動装置190では、各トレイNTの停止位置として、上述のノズル移載装置104に対応する1つの設定位置、つまり、トレイ移送装置122に対応する1つの設定位置が設定されている。その設定位置、つまり、そのステーションに移動して停止させられたトレイNTが、トレイ移送装置122によって、移載装置104に移送され、トレイNTを保持していないキャリア192がそのステーションに位置している場合には、トレイ移送装置122によって、移載装置104からそのキャリア192までトレイNTを移送することが可能とされている。
[E]ノズル移載装置
管理機80では、収容装置100に収容されているノズルNをトレイNTへセッティングするために、パレットNPからそのトレイNTへのそのノズルNが移載され、また、収容装置100にノズルNを収容するために、そのノズルNがトレイNTからパレットNPに移載される。前者を「セッティング移載」と、後者を「収容移載」と、それぞれ呼べば、それらセッティング移載および収容移載は、当該管理機80の前方側上部に位置する上述のノズル移載装置104によって行われる。
図7に示すように、管理機80が備える引出82(図では、若干引き出された状態である)は、テーブル200を有しており、上記移載に供されるトレイNTは、テーブル200に設けられた固定ステージ202と可動ステージ204との一方にセットされる。固定ステージ202は、テーブル200に固定されており、可動ステージ204は、テーブル200設けられたステージスライド機構206によって、前後方向にスライド可能にテーブル200に支持されている。ちなみに、図では、固定ステージ202は、トレイNTがセットされている状態を、可動ステージ204は、トレイNTはセットされていない状態を示している。また、図では、可動ステージ204が移動範囲における前方端である設定位置、つまり、移載位置に位置している状態を示している。さらに、それぞれのステージ202,204のトレイNTの保持に関する構造、および、トレイNTに載置されているノズルNは、簡素化のために、図示を省略している。なお、セットされたトレイNTを上述の載置穴開状態とするための機構として、カバープレート62を摺動させるカバー摺動機構(図示を省略)が、固定ステージ202および可動ステージ204のそれぞれに設けられている。
固定ステージ202および可動ステージ204のいずれに対しても、引出82が引き出された状態において、オペレータは、トレイNTをセットすることができ、また、セットされていたトレイNTを取り外すことができる。さらに、可動ステージ204が移動範囲における後端位置に位置させられた状態において、トレイ収容装置102との間で、トレイNTの移載が可能となっている。詳しく言えば、収容装置102内において、上述した設定位置、つまり、移載装置対応ステーションに位置させられているキャリア192と、可動ステージ204との間で、トレイNTの移載が行われる。ちなみに、このトレイNTの移載のための機構であるトレイ移載機構については、記載を省略している。なお、可動ステージ204,ステージスライド機構206,トレイ移載機構を含んで、テーブル2000上の設定位置と収容装置102との間で、端的に言えば、移載装置104と収容装置102との間でトレイNTを移送する前述のトレイ移送装置122が構成されているのである。
以上の説明から解るように、本管理機80では、外部から持ち込まれて固定ステージ202若しくは可動ステージ204にセットされたトレイNTに対してのセッティング移載が可能とされているばかりでなく、収容装置102に収容されているトレイNTへのセッティング移載も可能とされている。さらに言えば、ノズルNのセッティングが完了したトレイNTや、ノズルNが載置された状態で外部から持ち込まれたトレイNTを、収容装置102に収容することも可能とされている。
一方、セッティング移載および収容移載に供されるパレットNPは、ノズル収容装置100内において移載装置104に対応する設定位置、つまり、移載装置対応ステーションに位置させられているキャリア130から、第1パレット移送装置114(構造については後述する)によって、移載装置104によるノズルNの移載が可能な設定位置、つまり、移載位置にまで、移送される。図においてパレットNPが位置している位置が、移載位置である。セッティング移載および収容移載に供されるパレットNPは、それらの移載が完了した後に、第1移送装置114によって、収容装置100内の移載装置対応ステーションに位置させられているキャリア130にまで、移送される。ちなみに、図では、パレットNPに載置されているノズルNについては、簡素化のため、省略している。なお、移載位置に位置するパレットNPをその位置において固定するパレット固定機構(図示を省略する)が、第1移送装置114に設けられており、また、移載位置に位置するパレットNPを上述の載置穴開状態とするための機構として、カバープレート142を摺動させるカバー摺動機構(図示を省略)が、テーブル200上に設けられている。
移載装置104は、テーブル200の上方に配置されており、移載ヘッド210と、移載ヘッド210を、左右方向,前後方向,上下方向(以下、それぞれ、「X方向」,「Y方向」,「Z方向」と言う場合がある)に移動させる3つのヘッド移動機構を有するヘッド移動装置212とを含んで構成されている。図7に加えて図5および図6をも参照して解るように、それらの図では、移載ヘッド210をX方向に移動させるX方向移動機構おおよびY方向に移動させるY方向移動機構については省略しており、Z方向移動機構214のみが示されている。ちなみに、X方向移動機構およびY方向移動機構は、当該管理機80の躯体の上部に設置されてスライド216をZ方向に直角な一平面に沿って移動させるXY型移動装置を構成するものとなっており、Z方向移動機構214は、そのスライド216に設置されている。
移載ヘッド210には、下部において、移載されるノズルNを保持するためのノズル保持具としての保持チャック218と、ノズルN,トレイNT,パレットNPのそれぞれに付された2Dコード38,76,156を読み取るための識別子読取器としてのカメラ220とが取り付けられている。また、移載ヘッド210は、保持チャック218をそれの軸線回りに回転させるチャック回転機構を有している。ちなみに、上記ヘッド移動装置212は、ノズル保持具である保持チャック218を移動させる保持具移動装置として機能するものとなっている。
移載装置104の基本的な動作について簡単に説明すれば、上述のセッティング移載と収容移載との少なくとも一方が行われる際、移載ヘッド210がヘッド移動装置212によって移動させられ、カメラ220によって、トレイNTに付された2Dコード76とパレットNPに付された2Dコード156との少なくとも一方が撮像される。そして、移載ヘッド210がヘッド移動装置212によって移載元となるパレットNPまたはトレイNTの上方に移動されられて、移載の対象となるノズルNの2Dコード38がカメラ220によって撮像されつつ、そのノズルNが保持チャック218によって保持され、次いで、移載ヘッド210がヘッド移動装置212によって移載先となるトレイNTまたはパレットNPの上方に移動させられ、保持されたノズルNが、保持チャック218から離脱させられて、そのトレイNTまたはパレットNPの特定の若しくは任意の載置穴64,144に載置される。
なお、テーブル200上には、パレットNPのベースプレート140のような載置プレート220、詳しく言えば、いくつかの載置穴を有する載置プレート222が設置されており、この載置プレート222は、例えば、ノズルNのトレイNTへのセッティング若しくは収容装置100への収容の際、ノズルNの仮置き等に利用される。また、テーブル200上には、上記各種検査項目の検査の結果に基づいて不良と判断されたノズルN、つまり、不良ノズルを留置する不良ノズル留置器として、不良ボックス224が、取り外し可能に設置されている。図から解るように、この不良ボックス224は、4つの空間226に仕切られており、それら4つの空間226の各々は、それぞれ、不良ノズルを区別して留置するため留置部とされている。この不良ボックス224の利用に関しては、後に詳しく説明するが、不良ボックス224への不良ノズルの運搬は、ノズルNのトレイNTへのセッティングのついでに、若しくは、セッティングとは関係なく、上記ノズル移載装置104によって行われる。したがって、移載装置104は、不良ノズル運搬装置として機能するものとなっている。
[F]第1ノズル検査装置
第1ノズル検査装置106は、ノズル移載装置104の下方に位置し、先に説明したように、2つの検査項目の検査、具体的には、先端部状態検査および後退必要力検査を実行する装置である。図8を参照しつつ説明すれば、上述の収容装置100内の設定位置、つまり、第1検査装置対応ステーションに位置させられたパレットNPが、上述の第2パレット移送装置116(構造については、後述する)によって検査位置まで移送された後、そのパレットNPに載置されているノズルNについての先端部状態検査および後退必要力検査が、第1検査装置106によって、ともにノズルNの下方から行われる。なお、図に示すパレットNPの位置が、上記検査位置であり、第2移送装置116には、その検査位置においてパレットNPを固定するパレット固定機構(図示を省略)が設けられている。ちなみに、図では、パレットNPに載置されているノズルNは、簡素化のため、省略されている。
第1検査装置106は、基台230と、その基台230上に固定されたカメラ装置232および荷重測定装置234とを含んで構成された検査ユニット235と、その検査ユニット235を移動させるユニット移動装置236とを含んで構成されており、検査ユニット235は、上記検査位置に位置させられているパレットNPの下方の空間を移動する。カメラ装置232は、カメラ本体238と、レンズ239と、光源としてそのレンズ239を囲むように配置されたリングライト240とを含んで構成されたものであり、荷重測定装置234は、ロードセル242を主要構成要素として構成されたものである。ユニット移動装置236は、当該管理機80の躯体の一部をなす1対のビーム244に支持された可動ビーム246と、その可動ビーム246をY方向に移動させるベルト駆動式のY方向移動機構248と、可動ビーム246に支持されたスライド250をX方向に移動させるX方向移動機構252と、スライド250に固定されて検査ユニット235を基台230において支持するとともに検査ユニット235をZ方向に移動させるZ方向移動機構254とを含んで構成されている。まとめて言えば、第1検査装置106によれば、先端部部状態検査,後退必要力検査は、ともに、ノズルNの先端部側で行われ、それぞれの検査を行うための主要構成要素であるカメラ装置232,荷重測定装置234は、ノズルNの先端部側に存在する空間に配置され、それらを、1つの移動装置であるユニット移動装置236によって移動させるように構成されているのである。
第1検査装置106による先端部状態検査では、図15(a)に示すように、検査ユニット235が、ユニット移動装置236によって、カメラ装置232のレンズ239が検査するノズルNの真下に位置する位置に移動させられる。詳しく言えば、そのノズルNの吸着管32のZ方向の位置はそのノズルNの固有情報から認識可能であり、レンズ239が吸着管32の先端から設定距離だけ離れる位置に、検査ユニット235が位置させられる。その状態で、ノズルNの先端部、つまり、吸着管32が、カメラ装置232によって撮像される。
図15(a)に示すノズルNは、吸着管32の形状が正常なノズルNであり、そのノズルNの吸着管32のカメラ装置232による撮影像は、図15(b)に示すようなものとなる。一方で、図15(c)〜(e)は、それぞれ、それぞれ、吸着管32の“曲り”、“先端欠け”,“先端潰れ”があるノズルNを示しており、それらのノズルNの吸着管32の撮影像は、図5(f)〜(g)に示すようなものとなる。先端部状態検査では、カメラ装置232によるノズルNの撮像データに基づいて、上記“曲り”,“先端欠け”,“先端潰れ”といった先端部形状異常がノズルNに生じているか否かが確認され、また、図示は省略するが、先端部への“異物の付着”,“汚れの付着”についても確認される。先端部形状異常が生じているノズルN、および、先端部に異物や汚れが付着しているノズルNは、不良ノズルと判断される。なお、後に詳しく説明するが、上述のパレットNPに固定されている基準パイプ160は、それの先端部が、いずれかのノズルNについて先端部の状態についての異常が確認された都度、カメラ装置232によって撮像され、その基準パイプ160の先端部の撮像データに基づいて、その先端部の状態に異常がないことを確認し、その異常がないことを条件に、先端部の状態に異常が確認されたノズルNが不良ノズルとして認定される。つまり、基準対象としての基準パイプ160は、第1検査装置106の検定、詳しく言えば、事後検定に利用されるのである。
一方、第1検査装置106による後退必要力検査では、図16に示すように、検査ユニット235が、ユニット移動装置236によって、荷重測定装置234のロードセル242の中心が検査するノズルNの真下に位置する位置に移動させられる。その位置において、検査ユニット235が、そのノズルNの固有情報に基づく設定距離だけ上昇させられる。詳しく言えば、ノズルNの吸着管32が、胴体筒30に対してある程度の距離だけ後退する位置にまで、荷重測定装置234が上昇させられるのである。
先に説明したように、吸着管32は、スプリングによって胴体筒30から進出する方向に付勢されており、荷重測定装置234を上昇させた場合に、吸着管32の先端がロードセル242の上面に当接し、その状態において、ロードセル242は、スプリングの付勢力に相当する荷重を受けることになる。ロードセル242は、その荷重を測定する。スプリングによる付勢力は、ノズルNの固有情報から認識することが可能であり、その付勢力を超えた荷重をロードセル242が検出した場合、吸着管32の後退に必要な力が大き過ぎることになる。例えば、異物のノズルN内の混入、胴体筒30の破損等によって、吸着管32が胴体筒30に引き込み難くなり、その場合に、後退必要力が過大となる。後退必要力が上記固有情報にに基づいて設定された閾力を超えた場合に、後退必要力が過大であると認定され、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。なお、1つのパレットNPに載置されているノズルNについて後退必要力検査を行う場合、その検査に先立って、上述の基準ノズル158についての上記荷重を測定し、その測定された荷重に基づいて、ロードセル242の校正、すなわち、ロードセル242によって測定される荷重の値が、実際の値に等しくなるようにするための調整が行われるのである。つまり、基準対象としての基準ノズル158は、第1検査装置106による後退必要力検査の準備処理として行われる荷重測定装置234の校正、言い換えれば、第1検査装置106の校正に利用されるのである。
なお、第1検査装置106による上記先端部状態検査および上記後退必要力検査は、1つのパレットNPに載置されているすべてのノズルNに対して行ってもよく、一部のノズルNに対してだけ行ってもよい。また、それら2つの検査の両方を行ってもよく、いずれか一方のみを行ってもよい。載置されているノズルNの検査が終了した後、上記検査位置に位置させられていたパレットNPは、第2移送装置116によって、収容装置100内において上記第1検査装置対応ステーションに位置させられたキャリア130に、移送される。
[G]第2ノズル検査装置
第2ノズル検査装置108は、第1ノズル検査装置106の下方に位置し、先に説明したように、2つの検査項目の検査、具体的には、通過流量検査および識別子読取検査を実行する装置である。図9を参照しつつ説明すれば、上述の収容装置100内の設定位置、つまり、第2検査装置対応ステーションに位置させられたパレットNPが、上述の第3パレット移送装置118(構造については、後述する)によって検査位置まで移送された後、そのパレットNPに載置されているノズルNについての通過流量検査および識別子読取検査が、第2検査装置108によって、ともにノズルNの上方から行われる。なお、図に示すパレットNPの位置が、上記検査位置であり、第3移送装置118には、その検査位置においてパレットNPを固定するパレット固定機構(図示を省略)が設けられている。ちなみに、図では、パレットNPに載置されているノズルNは、簡素化のため、省略されている。
第2検査装置108は、検査ヘッド270と、その検査ヘッド270をパレットNPの上方においてパレットNPの上面に平行な一平面に沿って移動させるヘッド移動装置272とを含んで構成されている。検査ヘッド270には、エア送給装置274と、識別子読取器としてのカメラ276とが並設されている。エア送給装置274は、ノズルNの基端部である胴体筒30の上端部に接続されるエアジョイント278を有し、そのエアジョイト278からノズルNに圧縮空気が送給される。エアジョイント278の上方には、送給される圧縮空気の送給路の空気圧を測定する空気圧センサ280が、エアジョイント278と一体的に配設されている。また、エア送給装置274は、エアジョイント278を昇降させるジョイント昇降機構282を有し、エアジョイント278は、そのジョイント昇降機構282によって、検査ヘッド270に対して昇降させられる。ヘッド移動装置272は、第1検査装置106に関連して説明した1対のビーム244に支持された可動ビーム284と、その可動ビーム284をY方向に移動させるベルト駆動式のY方向移動機構286と、可動ビーム284に支持されたスライド288をX方向に移動させるX方向移動機構290とを含んで構成されている。まとめて言えば、第2検査装置108によれば、通過流量検査,識別子読取検査は、ともに、ノズルNの基端部側で行われ、それぞれの検査を行うための主要構成要素であるエア送給装置274,カメラ276は、ノズルNの基端部側に存在する空間に配置され、それらを、1つの移動装置であるヘッド移動装置272によって移動させるように構成されているのである。
第2検査装置108による通過流量検査では、検査ヘッド270が、ヘッド移動装置272によって、検査するノズルの真上にエアジョイント278が位置する位置に移動させられる。その状態で、エアジョイント278が、ジョイント昇降機構282によって、そのノズルNと接続するように下降させられる。図17(a)に示すように、エアジョイント278がノズルNに接続された状態で、エア送給装置274は、圧縮空気をノズルNに送給する。通常のノズルNは、あまり抵抗ない空気の通過が許容されて、充分な流量が担保されており、空気圧センサ280によって測定される空気圧は、比較的低い値となる。一方で、例えば、ノズルNに“詰まり”が生じているような場合は、ノズルNを通過する空気に対する通過抵抗が大きくなり、充分な流量が確保されなくなる。この状況では、空気圧センサ280によって測定される空気圧は、比較的高い値となる。そのことを考慮して、通過流量検査では、空気圧センサ280によって測定された空気圧が、閾圧より高くなった場合に、そのノズルNに“詰まり”が生じていると認定され、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。つまり、この通過流量検査では、空気の流量を直接的に測定する代わりに、ノズルNの基端部側の圧力を測定することによって、ノズルNの“詰まり”を認定しているのである。なお、空気圧センサ280に代えて流量計(流量センサ)を配設し、通過する空気の流量を直接的に測定し、その測定の結果に基づいて“詰まり”の有無を判断してもよい。
なお、ノズルNに送給される圧縮空気は、上述の駆動源ユニット124内に配設されているコンプレッサ(図示を省略)からエア送給装置274に供給されるが、例えば、そのコンプレッサの出力圧に依存して、空気圧センサ280によって測定される空気圧が変化する。つまり、第2検査装置108に関連する環境条件によって、その空気圧が変化することになるのである。このことを考慮すれば、その環境条件に応じて上記閾圧を設定することが望ましい。本管理機80では、ノズルNの通過流量検査に先立ち、パレットNPに固定されている基準パイプ160に、エア送給装置274によって圧縮空気を送給し、そのときに空気圧センサ280によって測定される空気圧を基に、上記閾圧を設定するようにされている。つまり、基準対象としての基準パイプ160は、第2検査装置108による通過流量検査についての準備処理として行われるその検査の基準の設定に利用されているのである。
第2検査装置108による識別子読取検査では、検査ヘッド270が、ヘッド移動装置272によって、検査するノズルNのフランジ34に付された識別子である2Dコード38の真上にカメラ276が位置する位置に移動させられる。その状態で、カメラ276によって、その2Dコード38が撮像される。ちなみに、撮像によって得られる画像は、図17(b)のようなものである。識別子読取検査では、その撮像によって得られた画像データに基づいて、そのノズルNのIDが認識され、IDが認識できない場合に、そのノズルNが不良ノズルと判断される。カメラ276の不調等によってもIDが認識できない場合があるため、本管理機80では、ノズルNの2Dコード38の読取に先立って、パレットNPに固定されている基準ノズル158のフランジ34に付されている2Dコード38が、カメラ276によって撮像され、その撮像によって得られた画像データに基づいて、第2検査装置108の識別子読取機能が充分であることが確認され、その機能が充分であることを条件に、ノズルNの識別子読取検査が行われる。つまり、基準対象である基準ノズル158は、第2検査装置108の検定、つまり、事前検定に利用されるのである。
なお、第2検査装置108による上記通過流量検査および上記識別子読取検査は、1つのパレットNPに載置されているすべてのノズルNに対して行ってもよく、一部のノズルNに対してだけ行ってもよい。また、それら2つの検査の両方を行ってもよく、いずれか一方のみを行ってもよい。載置されているノズルNの検査が終了した後、上記検査位置に位置させられていたパレットNPは、第2移送装置116によって、収容装置100内において上記第2検査装置対応ステーションに位置させられたキャリア130に、移送される。
[H]ノズル洗浄装置およびノズル乾燥装置
ノズル洗浄装置110は、第2ノズル検査装置108の下方に位置し、また、ノズル乾燥装置112は、洗浄装置110と上述の収容装置100との間に位置している。当該管理機80には、それら洗浄装置110および乾燥装置112に関連してハウジング300が設けられている。図10は、ハウジング300の存在する状態においてそれら洗浄装置110および乾燥装置112を示しており、図11は、ハウジング300を取り除いてそれら洗浄装置110および乾燥装置112を示している。それらの図を参照しつつ説明すれば、収容装置100内の設定位置、つまり、洗浄装置対応ステーションに位置させられたパレットNPが、上述の第4パレット移送装置120(構造については、後述する)によって洗浄位置まで移送された後、その位置において、そのパレットNPに載置されているノズルNに対して、洗浄装置110による洗浄が行われる。そして、洗浄の後、そのパレットNPが第4パレット移送装置120によって洗浄装置対応ステーションに移送される間に、そのパレットNPに載置されて洗浄が終了したノズルNに対して、乾燥装置112による乾燥が行われる。図に示すパレットNPの位置が、上記洗浄位置であり、第4移送装置120には、その検査位置においてパレットNPを固定するパレット固定機構(図示を省略)が設けられている。ちなみに、図では、パレットNPに載置されているノズルNは、簡素化のため、省略されている。
洗浄装置110は、ノズルNを上方から洗浄するための上部洗浄ユニット302と、ノズルNを下方から洗浄するための下部洗浄ユニット304とを含んで構成されており、それらは、略同じ構造のものとされている。それらユニット302,304の各々は、ハウジング300に付設された支持フレーム306と、その支持フレーム306に支持された噴射ノズル308と、その噴射ノズル308をY方向に移動させるY方向移動機構310とを含んで構成されている。噴射ノズル308は、パレットNPの全幅に亘ってX方向に延びるように配置された細長い直方体形状のものであり、パレットNPと向かい合う面に、多数の噴射孔312が設けられている。Y方向移動機構310は、その噴射ノズル308を、パレットNPの全長に亘ってY方向に移動させるように構成されている。この噴射ノズル308には、上述の駆動源ユニット124内に設置された高圧ポンプ(図示を省略)によって加圧された高圧水が供給され、その高圧水が、噴射孔312から、パレットNPに載置されたノズルNに向かって噴射される。
乾燥装置112は、ハウジング300の上部および下部に配設された複数の送風管314を含んで構成されている。それら送風管314には、ブロアー(図示を省略)から、駆動源ユニット124内に配設された加熱器(図示を省略)を介して、温風(熱風)が送り込まれる。複数の送風管314の各々には、複数の放出孔が設けられており、温風は、それら放出孔から、パレットNPに載置されたノズルNに向かって放出される。放出された温風によって、ノズルNが乾燥させられる。
上述のハウジング300は、洗浄装置110によって噴射される高圧水、および、乾燥装置112によって放出される温風が他の装置等に与える悪影響を防止するために設置されたものである。ハウジング300には、前方側に、内部を覗き見るための透明な窓316が設けられ、また、後方側に、遮蔽板318、および、その遮蔽板318をパレットNPが通過するときにだけ開けるための遮蔽板開閉機構320が設けられている。
図18に示すように、上述の洗浄位置において固定されたパレットNPに載置されているノズルNに対して、洗浄装置110による洗浄が行われる。詳しく言えば、上部洗浄ユニット302は、ノズルNの上方から、つまり、ノズルNの基端側から高圧の水を噴射して、主に、胴体筒30,フランジ34の上面等を洗浄する。一方、下部洗浄ユニット304は、ノズルNの下方から、つまり、ノズルNの先端側から高圧水を噴射して、主に、吸着管32等を洗浄する。高い洗浄効果を得るため、噴射ノズル308は、真下あるいは真上にだけでなく種々の方向に高圧水を噴射するように、噴射孔312の向きが調整されている。噴射ノズル308は、比較的幅の狭いものであり、パレットNP上にX方向に並ぶノズル列のうちの一部にしか高圧水を噴射することができないため、噴射ノズル308が、Y方向移動機構310によって、パレットNPのY方向における全長に亘って移動させられる。ちなみに、噴射ノズル308は、2流体式のノズル、つまり、圧縮空気によって水を分散して噴射するノズルではなく、ポンプによって加圧された水を、その水の圧力によって、直接噴射孔312から噴射するように構成されたノズルである。そのため、洗浄装置110は、洗浄能力の高いものとされている。
乾燥装置112は、ノズルNの洗浄が終了して検査位置に存在するパレットNPを第4移送装置120が洗浄装置対応ステーション130に移送する際に、温風を利用したエアブローによって行われる。そのため、乾燥に必要な時間の少なくとも一部において、パレットNPを収容装置100に返送することができ、洗浄,乾燥といった一連の作業における時間的ロスが小さいものとなっている。なお、温風は、比較的早い速度の風であり、その温風の圧力によってノズルNに付着している水滴が吹き飛ばされるとともに、その温風の有する温度によって、ノズルNに付き残る水分が乾燥させられる。
[I]パレット移送装置
それぞれがノズル移送装置である第1〜第4パレット移送装置114〜120は、先に説明したように収容装置100と、対応する対ノズル処置実行装置との間で、パレットNPを移送する装置である。第1,第2,第3移送装置114,116,118は、略同一の構造を有しており、第4移送装置120は、若干、それら第1,第2,第3移送装置114,116,118とは異なる構造を有している。
図5〜図7を参照しつつ説明すれば、第1,第2,第3移送装置114,116,118の各々は、収容装置100から前方に向かって延び出すように配設された1対のレール330を有しており、パレットNPは、その1対のレール330にそれらに跨るように支持され、それら1対のレール330上を摺動する。また、第1,第2,第3移送装置114,116,118の各々は、収容装置100のキャリア130と1対のレール330の間、および、1対のレール330上において、パレットNPを移動させる移動機構332を備えている。移動機構332は、当該管理機80の右側に前後に延びるようにして配設されたガイド334と、そのガイド334に支持された搬送ユニット336とを含んで構成されている。搬送ユニット336は、ガイド334に支持された状態において、そのガイド334に沿って自走する構造のものとなっている。図示は省略するが、搬送ユニット336は、1対のレール330の下方において、それら1対のレール330の中間まで延び出す延出部を有しており、その延出部の先端には、下方からパレットNPの後端部を把持するクランプが設けられている。
収容装置100の1つのキャリア130が、前述の設定位置、つまり、対ノズル処置実行装置に対応したステーションに位置するときには、1対のレール330と、そのキャリア13の1対のレール170とが、互いに一致し、また、搬送ユニット336は、それの延出部がそのキャリア130の下方を通過するようにして、ガイド334の後端にまで移動することが可能となっている。搬送ユニット336がその後端に位置する状態で、上述のクランプによって、キャリア130に収容されているパレットNPの後端部を把持し、その把持した状態において、搬送ユニット336がガイド334の前端まで移動することにより、そのパレットNPは、上述した設定位置にまで移送される。移送後、クランプによる把持が解除される。設定位置に位置するパレットNPをキャリア130に移送する場合は、上記動作の逆の動作が行われる。ちなみに、設定位置は、先に説明した移載位置,検査位置,洗浄位置を意味する。なお、先に説明したように、第1,第2,第3移送装置114,116,118の各々は、設定位置に位置するパレットNPを、1対のレールに固定するための上記パレット固定機構を有している。
第4移送装置120は、ガイドおよび搬送ユニットの構造において、第1,第2,第3移送装置114,116,118と異なる。詳しい説明は省略するが、第4移送装置120は、先に説明したように、ハウジング300内においてパレットNPを移送するため、その移送に適した構造のガイド338および搬送ユニット340が採用されている。当該第4移送装置120のその他の部分の構造および動作については、第1,第2,第3移送装置114,116,118と同様であり、説明を省略する。なお、図5において、第1,第2,第3移送装置114,116,118の各々は、搬送ユニット336を2つ有しているように描かれているが、搬送ユニット336がガイドの前端に位置する状態と後端に位置する状態との両方を便宜的示すためであり、実際には、搬送ユニット336は1つしか有していない。
[J]ノズル管理機が行うオペレーション
上記構成の管理機80は、制御装置であるコントローラ84の制御によって、種々のオペレーションを行う。詳しく言えば、コントローラ84が、種々のプログラムを実行することにより、実行されたプログラムに応じたオペレーションを行う。また、それらのオペレーションは、管理情報、つまり、収容されているノズルNおよびトレイNTを管理する中で作成若しくは取得されるそれらノズルNおよびトレイNTについての情報に基づいて行われる。以下に、その管理情報を例示して説明した後、管理機80が行ういくかのオペレーションを例示して、それらを、順次、説明する。
i)管理情報
コントローラ84は、収容されているノズルNについての管理情報として、「収容ノズル情報」を記憶している。収容ノズル情報は、図19の収容ノズル情報テーブルとして模式的に表すことのできるものであり、簡単に言えば、どのキャリア130に収容されているどのパレットNPのどの載置穴144にどんなノズルNが収容されているかを示す情報である。言い換えれば、収容されているノズルNの固有情報が収容装置100における収容位置に関連付けられた態様の情報である。以下の説明では、収容ノズル情報は、上記テーブルの形式で記憶されているものとして扱い、そのテーブルを基に、収容ノズル情報について具体的に説明する。
図に示す収容ノズル情報テーブルでは、1行1行が、1つのパレットNPの1つの載置穴144に、つまり、収容されているノズルNの1つ1つに対応している。また、そのテーブルの各列が、ノズルNに関する各種情報に対応している。具体的に言えば、〔キャリアNo〕は、ノズルNが載置されているパレットNPが収容されているキャリア130の番号であり、“#1”,“#2”,・・・といった具合に収容装置100が有するキャリア130の数までの番号が記憶される。〔パレットID〕は、ノズルNが載置されているパレットNPの固有情報でとしてのそのパレットNPのIDである。〔載置穴No〕は、ノズルNが載置されている載置部としての載置穴144の番号であり、図12に示す小さな載置穴144aに対応して、“A01”〜“A24”の番号が、大きな載置穴144bに対応して、“B01”〜“B15”の番号が記憶される。ちなみに、〔キャリアNo〕,〔パレットID〕の列における“↓”は、上の行と同じ内容が記憶されていることを便宜的に示している。
〔ノズルID〕およびそれより右の列は、いずれも、ノズルNの固有情報である。1つずつ説明すれば、〔ノズルID〕は、ノズルNのIDである。〔ノズルID〕が“−”とされているのは、ノズルNのIDが認識不能であることを意味し、“?“とされているのは、ノズルNのIDが未認識であることを意味している。〔ノズル型式〕は、ノズルNの型式、つまり、種類を表わすものである。具体的には、図13に示すノズルNa〜Neのそれぞれの型式が記憶される。“(・・・・)”は、ノズルの形式が推定されたことを意味する。〔洗浄〕は、ノズルNが洗浄装置110による洗浄がなされたものであるか否を示しており、“◎”は、洗浄されていることを、“●”は、未だ洗浄されていないことを、それぞれ表している。
〔不良要因〕は、ノズルNが不良ノズルと判断されている場合において、その不良の要因、つまり、上述の4つの項目の検査のいずれにおいて不良ノズルと判断されたかを示している。4つの項目の検査のいずれかにおいて不良ノズルであると判断された場合、〔識別子読取〕,〔通過流量〕,〔先端部状態〕,〔後退必要力〕の4つの列のうちの不良ノズルであると判断された項目のに対応する列に、“×”が記憶される。“○”は、各項目の検査において不良ノズルと判断されなかったこをを意味し、各列に、“○”も“×”も記憶されていない場合には、検査が未だ行われていないことを意味する。
なお、〔ノズルID〕〜〔洗浄〕の列に、何らの記載もされていない行は、その行に対応する載置穴144、つまり、あるキャリア130に収容されているパレットNPのその載置穴144に、ノズルNが載置されていないことを示している。
また、コントローラ84は、収容されているトレイNTについての管理情報として、「収容トレイ情報」を記憶している。収容トレイ情報は、図20の収容トレイ情報テーブルとして模式的に表すことのできるものであり、簡単に言えば、どのキャリア192にどんなトレイNが収容されているかを示す情報である。言い換えれば、収容ノズル情報と同様、収容されているトレイNTの固有情報が収容装置102における収容位置に関連付けられた態様の情報である。以下の説明では、収容ノズル情報と同様、収容トレイ情報は、上記テーブルの形式で記憶されているものとして扱い、そのテーブルを基に、収容トレイ情報について具体的に説明する。
図に示す収容トレイ情報テーブルでは、1行1行が、収容装置102の1つのキャリア192、つまり、収容されているトレイNTの1つ1つに対応している。また、そのテーブルの各列が、トレイNTに関する各種情報に対応している。具体的に言えば、〔キャリアNo〕は、トレイNTが収容されているキャリア192の番号であり、“#1”,“#2”,・・・といった具合に収容装置102が有するキャリア192の数までの番号が記憶される。〔トレイID〕は、トレイNTの固有情報の1つとしてのそのトレイNTのIDである。〔トレイ型式〕は、トレイNTの型式、つまり、種類を表わすものである。〔不良〕は、トレイNTが不良であるか否かを示しており、“×”は、不良トレイであることを意味する。〔SET済〕は、収容されているトレイNTにノズルNがセッティングされているか否か示しており、“◎”は、トレイNTにノズルNがセッティングされていることを、空白は、空のトレイNTであることを示している。ちなみに、〔トレイID〕,〔トレイ型式〕の列に、何らの記載もされていない行は、その行に対応するキャリア192には、トレイNTが収容されていないことを示している。
さらに、コントローラ84は、ノズルNのトレイNTへのセッティングに関する管理情報として、「ノズルセッティング情報」を利用する。ノズルセッティング情報は、図21のノズルセッティング情報テーブルとして模式的に表すことのできるものであり、簡単に言えば、どのトレイNTのどの載置穴64にどんなノズルNが載置されているかを示す情報である。〔載置穴No〕は、ノズルNが載置される載置部としての載置穴64の番号であり、図には、一例として、図3に示すトレイNTに関する情報を示している。具体的には、図3に示す比較的小さな載置穴64に対応して、“a1”〜“a8”の番号が、比較的大きな載置穴64に対応して、“b1”〜”b4”の番号が付される。
ノズルNのパレットNTへのセッティングは、〔トレイID〕,〔ノズルID〕が記載されていない、つまり、〔トレイ型式〕および〔ノズル型式〕だけが示されているノズルセッティング情報に基づいて開始され、セッティングが終了した時点で〔トレイID〕,〔ノズルID〕が付されることになる。
上述した管理情報は、以下に説明する当該管理機80によるいくつかのオペレーションの中で、更新,リセット等される。以下の説明では、オペレーションに関するプログラムのフローチャートに基づいて、それらオペレーションの説明を行うが、そのフローチャートでは、上記更新,削除,追加等に関する処理の表記は省略し、それらの処理の説明は、フローチャートの各ステップの説明に中で行うこととする。
ii)ノズル収容オペレーション
ノズル収容オペレーションは、例えば装着機において使用されたノズルNの洗浄,検査,保管等を目的として、トレイNTに載置されたノズルNを収容装置100に収容するためのオペレーションであり、そのオペレーションは、コントローラ84が図22にフローチャートを示すノズル収容プログラムを実行することによって、行われる。当該管理機80のオペレータが、ノズルNが載置されているトレイNTを、上述の引出82を開けて、上述の固定ステージ204または可動ステージ204にセットした後、当該オペレーションの開始の指令を、コントローラ84の操作キー88によって入力することによって、当該オペレーションが開始する。なお、固定ステージ202にトレイNTがセットされた場合は、ノズルNが収容された後にトレイNTを残したまま、当該オペレーションが終了する。一方、可動ステージ204にトレイNTがセットされた場合は、ノズルNが収容された後にトレイNTを収容装置102に収容するか否かを、オペレータの操作キー88を用いた入力操作に基づいて選択可能とされており、その選択に従って、当該オペレーションが終了する。
ノズル収容プログラムに従った処理では、ステップ1(以下、ステップを「S」と省略する)において、トレイNTが固定されて載置穴開状態が実現されているステージ、つまり、トレイNTがセットされたステージが固定ステージ202であるか可動ステージ204であるかが特定される。次いで、S2において、特定されたステージの上方に移載ヘッド210が移動させられ、カメラ220によってトレイNTに付された2Dコード76が撮像されてそのトレイNTのIDが取得される。続くS3において、取得されたトレイNTのIDに基づいて、そのトレイNTの型式が特定される。ちなみに、ID情報の中には、トレイNTの型式の情報が含まれている。コントローラ84は、トレイNTの載置穴64の数,位置等の諸元がトレイの型式に関連付けられたデータ(以下、「トレイ諸元データ」と言う場合がある)を記憶しており、型式の特定の後、S4において、その型式に基づいて把握されたトレイNTの諸元に従って、トレイNTに載置されている各ノズルNの2Dコード38がカメラ220によって撮像され、各ノズルNのIDが取得される。続くS5において、取得されたIDに基づいて、各ノズルNの型式が特定される。トレイNTと同様に、ノズルNのID情報の中には、ノズルNの型式の情報が含まれている。なお、2Dマーク38の汚れ等によってノズルNTのIDが取得できない場合には、先に作成した上述のノズルセッティング情報、つまり、そのIDのトレイNTにノズルNのセッティングを行った際のノズルセッティング情報が利用され、その情報に基づき、IDの取得ができないノズルNの型式を推定する。
次に、S6において、ノズルNの収容装置100への収容に際してそれらノズルNが載置される1つのパレットNPが、先に説明した収容ノズル情報に基づいて、収容装置100が有する複数のパレットNPの中から選択される。この選択についての詳しいアルゴリズムの説明は省略するが、S6では、空の載置穴144が存在していること,洗浄の終了したノズルNが、載置されていないこと等の条件を充足したものの中から、当該管理機80によるいくつかのオペレーションをできるだけ効率よく行えるという観点に基づいて、1のパレットNPが選択される。続くS7において、パレット移動装置134および第1パレット移送装置114が作動させられて、その選択されたパレットNPが、上述の移載位置に固定され、載置穴開状態が実現される。つまり、そのパレットNPがセットされるのである。
パレットNPのセット後、ノズルNのトレイNTからパレットNPへの載置に先立って、不良ノズルに対する処置が実行される。詳しくは、S8において、収容ノズル情報に基づいて、セットされたパレットNPに不良ノズルが存在するか否かが確認され、不良ノズルが存在する場合には、S9において、収容ノズル情報に基づいて、1つの不良ノズルに対しての上述の不良要因が特定され、S10において、移載装置104によって、その不良ノズルが不良ボックス224に運搬される。先に説明したように、不良ボックス224は、4つの不良要因に対応して、仕切られた4つの空間226が設けられており、不良ノズルの運搬の際、その不良ノズルは、特定された不良要因に対応する1つの空間226に留置される。そして、運搬が完了したときに、その不良ノズルについての情報が、収容ノズル情報から削除される。なお、1つの不良ノズルに対して2以上の不良要因が存在する場合も考えられるが、その場合には、その不良ノズルは、図19に示すテーブルにおいて最も左方の列の不良要因に対応する空間226に留置される。S8〜S10の処理は、セットされたパレットNPに不良ノズルが存在しなくまで繰り返し実行され、不良ノズルが存在しなくなった場合、若しくは、セットされた当初から不良ノズルが存在しない場合に、次のS11が実行される。
S11では、セットされたトレイNTに載置されているノズルNの中から、セットされたパレットNPに移載可能な1つのノズルNが、設定された規則に従って選択され、S12において、移載装置104によって、その選択されたノズルNが、セットされたパレットNPにおいて空となっている載置穴144の1つに移載される。つまり、上述の収容移載が行われるのである。いずれの載置穴144に載置されるかは、上述の収容ノズル情報,載置されるノズルNのサイズ等に基づいて、設定された規則に従って決定される。この1つのノズルNについての収容移載の際、S4において取得されているそのノズルNについてのID、および、S5において特定されているそのノズルについての型式が、収容ノズル情報として記憶される。つまり、収容ノズル情報の更新が行われるのである。具体的には、図19に示すテーブルの行のうちの1つ、つまり、ノズルNが載置された載置穴144に対応する行に、上記ID,上記型式が、そのノズルNが未洗浄である旨とともに、書き込まれる。
1つのノズルNについての収容移載の後、S13において、セットされたトレイNTに載置されていたすべてのノズルNの収容移載が完了したか否かが判断される。すべてのノズルNの収容移載が完了していない場合は、S14において、セットされているパレットNPへのノズルNの移載を継続するか否かが判断される。ノズルNのそのパレットNPへの移載の継続が可能である場合には、S11に戻って、次のノズルNのそのパレットNPへの移載が行われる。例えば空の載置穴144が存在しない等の理由で、S14においてそのパレットNPへの移載の継続ができないと判断された場合には、S15において、そのパレットNPが、第1移送装置114によって、収容装置100に返送され、S6に戻って次のパレットNPが選択される。そのパレットNPのセット,そのパレットNPに載置されている不良ノズルに対する処置が実行された後、そのパレットNPへのノズルNの収容移載が開始される。S13において、セットされたトレイNTに載置されていたすべてのノズルNの収容移載が完了したと判断された場合には、S16において、セットされているパレットNPが、第1移送装置114によって、収容装置100に返送される。
すべてのノズルNの収容移載が完了し、パレットNPが返送された後、S17において、空になったトレイNTを、トレイ収容装置102に収容するか否かが判断される。この判断は、先に説明したように、トレイNTが、固定ステージ202と可動ステージ204とのいずれにセットされているかに基づいて行われる。トレイNTが収容装置102に収容されると判断された場合には、S18において、セットされている空のトレイNTが、トレイ移送装置122によって、収容装置102に収容されて、ノズル収容オペレーションが終了する。一方、S17において空のトレイNTが収容装置102に収容されないと判断された場合には、そのトレイNTのセットの解除が行われて、ノズル収容オペレーションが終了する。なお、ノズルNTの収容移載に先立って、トレイNTに付されている2Dコード76が、移載装置104に設けられたカメラ22によって撮像され、そのトレイNTのIDが取得されており、トレイNTの収容装置102への収容の際には、そのトレイNTのID、および、そのIDに基づいて特定されたそのトレイNTの型式が、収容されるキャリア192に関係付けられて上述の収容トレイ情報に追加される。
iii)ノズルセッティングオペレーション
ノズルセッティングオペレーションは、装着機におけるノズルNの使用の準備等を目的として、必要なノズルNをトレイNTにセッティングするためのオペレーションであり、そのオペレーションは、図23にフローチャートを示すノズルセッティングプログラムをコントローラ84が実行することによって、行われる。なお、ノズルセッティングオペレーションでは、ノズルNをセッティングするためのステージを固定ステージ202と可動ステージ204のいずれにするか、収容装置102に収容されているトレイNTと当該管理機80のオペレータがセットしたトレイNTとのいずれを使用するか、セッティングが完了したトレイNTを収容装置102に収容するか否かが、それぞれ選択できるようになっており、それらの選択は、オペレータによるコントローラ84の操作キー88を用いた操作に基づいて行われる。
ノズルセッティングプログラムに従った処理では、まず、S21において、当該管理機80に送信若しくは入力されたノズルセッティング情報、または、既に記憶されているノズルセッティング情報に基づいて、セッティングに供されるトレイNTの型式および各ノズルNの型式が特定される。このノズルセッティング情報は、図21に示すテーブルにおいて、〔トレイID〕および〔ノズルID〕が書き込まれていない情報と考えることができる。
次に、S22において、セッティングを行うステージが固定ステージ202と可動ステージ204のいずれであるかが特定され、S23においてその特定されたステージが可動ステージ204であると判断された場合には、S24において、収容装置102に収容されているトレイNTを使用するのか否かが判断される。収容装置102に収容されているトレイNTを使用すると判断された場合には、S25において、上記ノズルセッティング情報および上述の収容トレイ情報に基づいて、1つのトレイNTが選択され、S26において、その選択されたトレイNTが、トレイ移送装置122によって、載置位置に移送され、その移載位置においてセットされる。一方、S23においてオペレータがセットしたトレイNTを使用すると判断された場合、若しくは、S22において可動ステージ202でセッティングが行われると判断された場合には、既に、オペレータによってトレイNTがセットされているので、トレイNTの選択およびセットは行われない。
次に、S27において、セットされたトレイNTが良好であるか否かが判断される。移載装置104に設けられたカメラ220によって、セットされたトレイNTに付されている2Dコード76が撮像されて、そのトレイNTのIDが取得されるが、その際、そのIDの取得が不可能である場合に、そのトレイNTに不具合があると判断される。また、セットされたトレイNTは、載置穴開状態を実現すべく上述のカバー摺動機構が駆動されるが、そのその際のカバー摺動機構の動作が円滑でないような場合に、そのトレイNTに不具合があると判断される。
当該ノズルセッティングプログラムに従う処理では、セットされたトレイNTに不具合が生じている場合にそのトレイNTを良好なトレイNTに交換する処理が行われる。このトレイ交換処理では、まず、セットされたトレイNTに不具合があるとS27において判断された場合には、S28において、そのトレイNTが固定ステージ202と可動ステージ24とのいずれにセットされているかが判断される。固定ステージ202にセットされていると判断された場合には、そのトレイNTの使用を禁止すべく、そのトレイNTを固定ステージ202に残したまま、S29において、ステージの変更処理が行われる。つまり、ノズルNのセッティングに使用するステージを固定ステージ202から可動ステージ204に変更する処理が行われる。一方、可動ステージ204にセットされていると判断された場合には、S30において、そのトレイNTが、移送装置122によって返送され、収容装置102に収容される。この際、そのトレイNTのIDおよび型式が、そのトレイNTが不良トレイである事実ともに、そのトレイNTが収容されるキャリア192に関係付けられて、上述の収容トレイ情報に追加、若しくは、その収容トレイ情報の更新が行われる。ステージの変更若しくはトレイNTの収容が行われた後、S25に戻って、別のトレイNTが、ノズルセッティング情報および収容トレイ情報に基づいて、選択され、S26において、その選択された別のトレイNTがセットされる。セットされたトレイNTが良好であるとS27において判断された場合には、取得されているそのトレイNTのIDが、ノズルセッティング情報に追加される。
良好なトレイNTがステージにセットされている状態において、S31において、セッティング情報および上述の収容ノズル情報に基づいて、セッティング移載に供される1つのパレットNPが、ノズルセッティング情報および収容ノズル情報に基づいて、収容装置100が有する複数のパレットNPの中から1つ選択される。この選択についての詳しいアルゴリズムの説明は省略するが、S31では、セッティング移載されるノズルNが1以上載置されていること、載置されているすべてのノズルNについてのすべての項目の検査が終了していること等の条件を充足したものの中から、ノズルNのセッティングができるだけ効率よく行えるという観点に基づいて、1つのパレットNPが選択される。そして、続くS32において、その選択されたパレットNPが、第1移送装置114によって移送されて上述の移載位置にセットされる。
パレットNPのセット後、ノズルNのそのパレットNPからトレイNTへの載置に先立って、先に説明したノズル収容オペレーションと同様の不良ノズルに対する処置が、S33〜S35において実行される。この処置についての詳細については、先に説明してあるので、ここでの説明は省略する。S34,S35が実行されて不良ノズルが存在しなくなった場合、若しくは、パレットNPがセットされた当初からそのパレットに不良ノズルが存在しない場合に、次のS36が実行される。
S36では、セットされたパレットNPに載置されているノズルNの中から、セットされたトレイNTに載置可能な1つのノズルが、収容ノズル情報およびノズルセッティング情報に基づいて選択され、続く、S37において、その選択されたノズルNが、ノズルセッティング情報に基づいて、セットされたトレイNTの特定の載置穴64に移載される。つまり、上述のセッティング移載が行われるのである。このセッティング移載の際、移載されるノズルNについての情報が、収容ノズル情報から削除されるとともに、そのノズルNのIDが、ノズルセッティング情報に追加される。なお、このセッティング移載において、移載装置104に設けられたカメラ220によって、移載されるノズルNのIDを取得し、その取得したIDと収容ノズル情報として記憶されているIDとに相違がないことを確認する処理を行ってもよく、また、その確認する処理を行わずに、取得されたIDをそのままノズルセッティング情報に追加するようにしてもよい。
1つのノズルNについてのセッティング移載の後、S38において、予定されているすべてのノズルNのセッティング移載が完了したか否かが判断される。すべてのノズルNのセッティング移載が完了していない場合は、S39において、セットされているパレットNPからのノズルNの移載を継続するか否かが判断される。ノズルNのそのパレットNPからの移載の継続が可能である場合には、S36に戻って、次のノズルNのそのパレットNPから次のトレイNTへの移載が行われる。例えば、移載できるノズルNがそのパレットNPに存在しない等の理由で、S39においてそのパレットNPからの移載の継続ができないと判断された場合には、S40において、そのパレットNPが、第1移送装置114によって、収容装置100に返送され、S31に戻って次のパレットNPが選択される。そのパレットNPのセット,そのパレットNPに載置されている不良ノズルに対する処置が実行された後、そのパレットNPからのノズルNのセッティング移載が開始される。S39において、予定されてたすべてのノズルNのセッティング移載が完了したと判断された場合には、S41において、セットされているパレットNPが、第1移送装置114によって、収容装置100に返送される。
すべてのノズルNのセッティング移載が完了し、パレットNPが返送された後、S42において、ノズルNがセッティングされているトレイNTを、トレイ収容装置102に収容するか否かが判断される。そのトレイNTを収容装置102に収容すると判断された場合には、S43において、セットされていたトレイNTが、トレイ移送装置122によって、収容装置102に収容されて、ノズル収容オペレーションが終了する。一方、S42においてそのトレイNTが収容装置102に収容されないと判断された場合には、そのトレイNTのセットの解除が行われて、そのトレイNTを固定ステージ102若しくは可動ステージ204に残したまま、ノズル収容オペレーションが終了する。なお、ノズルNTのセッティング移載に先立って、トレイNTに付されている2Dコード76が、移載装置104に設けられたカメラ22によって撮像され、そのトレイNTのIDが取得されており、トレイNTの収容装置102への収容の際には、そのトレイNTのIDが、そのトレイNTがノズルNのセッティングが済んだトレイNTである事実ともに、収容されるキャリア192に関係付けられて上述の収容トレイ情報に追加される。一方、可動ステージ204にセッティングの完了したトレイNTを残したまま、当該オペレーションが終了する場合には、収容トレイ情報の中に含まれるそのトレイNTについての情報が削除される。
iv)ノズル再セッティングオペレーション
ノズル再セッティングオペレーションは、既にノズルNがセッティングされているトレイNTをステージにセットすることにより、それらのノズルNに代えて、それらのノズルNと型式を同じくする別のノズルNを載置させるオペレーションである。言い換えれば、セッティング済みのトレイNTを基にノズルセッティング情報を作成し、その情報に基づいて、ノズルを交換するオペレーションである。ノズルセッティングオペレーションは、コントローラ84が図24および図25にフローチャートを示すノズル再セッティングプログラムを実行することによって、行われる。なお、ノズルセッティングオペレーションでは、ノズルNをセッティングするためのステージを固定ステージ202と可動ステージ204のいずれにするか、再セッティングが完了したトレイNTを収容装置102に収容するか否かが、それぞれ選択できるようになっており、それらの選択は、オペレータによるコントローラ84の操作キー88を用いた操作に基づいて行われる。
ノズル再セッティングオペレーションでは、簡単に言えば、前半にノズル収容オペレーションが行われる。具体的には、図24にフローチャートを示すノズル再セッティングプログラムの前半部分に従った処理によって、セットされたトレイNTに載置されていたノズルNが収容装置100に収容される。当該プログラムのS51〜S66において行われる処理は、前述のノズル収容プログラムのS1〜S16において行われる処理と略同一であるので、それらの処理の説明については省略するが、S53,S55において特定されたトレイNTの型式およびノズルNの型式に基づいて、ノズルセッティング情報が作成される。なお、このノズル再セッティングオペレーションでも、S58〜S60において、不良ノズルに対する処置が実行される。
トレイNTに載置されていたノズルNTが収容装置100に収容された後、図25にフローチャートを示すノズル再セッティングプログラムの後半部分に従った処理によって、収容装置100に収容されている別のノズルNが、原則として、それまでノズルNが載置されていたトレイNTにセッティングされる。当該プログラムのS67から開始されてS85に至るフローにおいて行われる処理は、前述のノズルセッティングプログラムのS27から開始されてS43に至るフローにおいて行われる処理と略同一であるので、それらの処理の説明は省略する。なお、このノズル再セッティングオペレーションでは、S75〜S77においても、不良ノズルに対する処置が実行され、また、当該オペレーションでも、S67〜S72においても、トレイNTを交換するための前述の処理が実行される。
v)ノズル洗浄オペレーション
ノズル洗浄オペレーションは、収容装置100内の1つのパレットNPに載置されているノズルNを、そのパレットNPごと洗浄し、乾燥させるオペレーションである。ノズルNの洗浄および乾燥の詳細については先に説明されているため、ここでは、当該オペレーションの流れを中心に説明する。ちなみに、このオペレーションおよび後に説明する第1,第2検査オペレーションの3つのオペレーションは、いずれも、本実施例で説明する他のオペレーションのいずれに対しても独立して実行される。つまり、他のオペレーションが実行中であるか否かに拘わらず、他のオペレーションの対象となっているパレットNP以外のパレットNPに載置されているノズルNに対して、設定された条件を満たす限り、3つのオペレーションのいずれをも実行することができるのである。
ノズル洗浄オペレーションは、図26にフローチャートを示すノズル洗浄プログラムが実行されることによって、行われる。このプログラムに従う処理では、まず、S101において、当該オペレーションの対象となるパレットNPが特定される。具体的には、洗浄されていないノズルNが設定数以上載置されていること等の条件を満たすパレットNPのうちの1つが、当該オペレーションおよび他のオペレーションの効率が考慮されて、対象パレットとして決定される。続くS102において、そのパレットNPが、第4パレット移送装置118によって、上述の洗浄位置まで移送される。そして、S103において、その位置に位置した状態で、そのパレットNPに載置されたノズルNが、そのパレットNPごと、ノズル洗浄装置110によって洗浄される。
洗浄装置110による洗浄の終了後、S104において、第4パレット移送装置118によるそのパレットNPの返送の速度が決定される。先に説明したように、第4移送装置118によるパレットNPの返送の最中に、そのパレットNPに載置されたノズルNの乾燥が行われる。そのため、S104では、充分に乾燥させるのに必要な時間を確保すべく、環境温度,温風の温度等に基づいて、返送の速度が決定される。その決定の後、S105において、その決定された返送速度でのパレットNPの返送が行われつつ、そのパレットNPに載置されているノズルNが、パレットNPごと、ノズル乾燥装置112によって乾燥させられる。なお、乾燥の終了した後、洗浄されたノズルNについて、上述の収容ノズル情報が更新される。具体的には、図19に示すテーブルにおいて、そのパレットNPに載置されているノズルNのすべてに関して、洗浄済であることを示す記号である“◎”が付されるとともに、すべての検査が終了していない状態として扱う旨の更新がなされる。
vi)第1ノズル検査オペレーション
第1ノズル検査オペレーションは、収容装置100内の1つのパレットNPに載置されているノズルNに対して、第1検査装置106による先端部状態検査および後退必要力検査を行うオペレーションであり、図27にフローチャートを示す第1ノズル検査プログラムが実行されることによって、行われる。なお先端部状態検査および後退必要力検査についての詳細は先に説明されているので、ここでは、当該オペレーションの流れを中心に説明する。
第1ノズル検査プログラムに従う処理では、まず、S111において、当該オペレーションの対象となるパレットNPが特定される。具体的には、載置されているノズルNのすべの洗浄が終了していること等の条件を満たすパレットNPのうちの1つが、当該オペレーションおよび他のオペレーションの効率が考慮されて、対象パレットとして決定される。対象パレットが決定された後、S112において、そのパレットNPが、第2パレット移送装置116によって、検査位置に移送される。
検査位置に移送されたパレットNPに載置されたノズルNの各々に対して、先端部状態検査が、後退必要力検査に優先して行われる。その先端部状態検査は、ノズルN1個1個について順次行われる。まず、S113において、1つのノズルNに対する先端部状態検査が実行される。詳しく言えば、先に説明したように、ユニット移動装置236によって、カメラ装置232のレンズ239が検査する1のノズルNの真下に位置する位置に移動させられ、そのノズルNの先端部が、カメラ装置232によって撮像され、そして、その撮像によって得られた撮像データを基に、先端部の状態が異常であるか否かが確認される。具体的には、“曲り”,“先端欠け”,“先端潰れ”といった先端部形状異常や、“異物や汚れの付着”がノズルNに生じているか否かが確認される。その確認の結果を基に、S114において判定を行い、先端部の状態が異常であると認識されている場合、S115において、パレットNPに固定されている前述の基準パイプ160についての先端部状態検査が実行される。詳しく言えば、カメラ装置232によって、基準パイプ160の先端部が撮像され、その撮像によって得られた先端部の撮像データに基いて、基準パイプ160の先端部の状態に異常があるか否かが確認される。その確認の結果、S116において判定を行い、基準パイプ160の先端部の状態が正常である場合に、S117において、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。一方、基準パイプ160の先端部の状態が異常である場合には、S118において、第1検査装置106の当該検査に関する機能に異常があると認定され、その旨がディスプレイ86に表示されるとともに、そのノズルNに対する先端部状態の異常に関する判断を行わず、かつ、他のノズルNに対する以後の先端部状態検査がスキップされる。S114において先端部の状態が正常であると確認された場合、若しくは、S117において不良ノズルであると判断された場合には、S119の処理によって、パレットNPに載置されたすべてのノズルNについての先端部状態検査が完了するまで、S113以降の処理が繰り返される。
上記一連の処理の結果、先端部の状態においてノズルNが正常であると判断された場合には、図19に示す収容ノズル情報におけるそのノズルNの〔先端部状態〕の列に“○”が、先端部の状態に関して不良ノズルであると判断された場合には、その列に“×”が、それぞれ付される。第1検査装置106の当該検査に関する機能に異常があると認定された場合には、当該パレットPに載置されているすべてのノズルNの〔先端部状態〕の列が空白とされる。つまり、そのパレットNPに載置されているノズルNは、いずれも先端部状態検査が行われていないものとして扱われるのである。
先端部状態検査の後、後退必要力検査が、パレットNPに載置されているノズルNの1個1個について、順次、行われる。当該プログラムに従う処理では、各ノズルNの後退必要力検査に先立って、S120において、パレットNPに固定されている上述の基準ノズル158についての後退必要力が測定される。つまり、基準ノズル158の吸着管32を後退させる際に、荷重測定装置234の有するロードセル242が受ける荷重を測定する。次いで、S121において、その測定結果を基に、ロードセル242によって測定される荷重の値が、実際の値に等しくなるようにするために、荷重測定装置234の調整(例えば、ユニット移動装置236による荷重測定装置234の上昇距離の設定等)が行われる。
荷重測定装置234の上記調整の後、まず、S122において、1つのノズルNに対する後退必要力検査が実行される。詳しく説明すれば、測定を行うノズルNの下方にロードセル242を位置させた後、荷重測定装置234を設定距離だけ上昇させ、そのときのロードセル242が受ける荷重を測定する。そして、その荷重が、当該ノズルNについて設定された閾力を超えた場合に、そのノズルNの後退必要力が過大であると認定される。その認定の結果を基に、S123において判定を行い、後退必要力が過大である場合に、S124において、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。そして、S125の処理によって、パレットNPに載置されたすべてのノズルNについての後退必要力検査が完了するまで、S122以降の処理が繰り返される。
上記一連の処理の結果、ノズルNの後退必要力が正常であると判断された場合には、図19に示す収容ノズル情報におけるそのノズルNの〔後退必要力〕の列に“○”が、後退必要力に関して不良ノズルであると判断された場合には、その列に“×”が、それぞれ付される。パレットNPに載置されているすべてのノズルNの後退必要力検査が終了した後、S126において、そのパレットNPが、第2移送装置116によって、収容装置100に返送される。
vii)第2ノズル検査オペレーション
第2ノズル検査オペレーションは、収容装置100内の1つのパレットNPに載置されているノズルNに対して、第2検査装置108による識別子読取検査および通過流量検査を行うオペレーションであり、図28にフローチャートを示す第2ノズル検査プログラムが実行されることによって、行われる。なお識別子読取検査および通過流量検査についての詳細は先に説明されているので、ここでは、当該オペレーションの流れを中心に説明する。
第2ノズル検査プログラムに従う処理では、まず、S131において、当該オペレーションの対象となるパレットNPが特定される。具体的には、載置されているノズルNのすべの洗浄が終了していること等の条件を満たすパレットNPのうちの1つが、当該オペレーションおよび他のオペレーションの効率が考慮されて、対象パレットとして決定される。対象パレットが決定された後、S132において、そのパレットNPが、第3パレット移送装置118によって、検査位置に移送される。
検査位置に移送されたパレットNPに載置されたノズルNの各々に対して、識別子読取検査が、通過流量検査に優先して行われる。その識別子読取検査は、第2検査装置108が備えるカメラ276によって、ノズルN1個1個について順次行われるが、各ノズルNの検査に先立って、S133において、まず、パレットNPに固定された基準ノズル158のフランジ34に付されている2Dコード38が、カメラ276によって撮像され、その撮像によって得られた画像データに基づいて、第2検査装置100の識別子読取検査に関する機能が充分であることが確認される。そしてその確認の結果を基に、S134において判定を行い、その機能が充分であることを条件に、S135以下において、各ノズルNについての当該識別子読取検査が実行される。ちなみに、S134の判定において識別子読取検査に関する機能が不充分であることが確認された場合には、その旨がディスプレイ86に表示されるとともに、パレットNPに載置されたノズルNの各々に対する識別子読取検査は実行されない。
S135における1つのノズルNの識別子読取検査は、まず、検査ヘッド270が、ヘッド移動装置272によって、そのノズルNのフランジ34に付された2Dコード38の真上にカメラ276が位置する位置に移動させられ、その状態で、カメラ276によって、その2Dコード38が撮像される。そして、その撮像によって得られた画像データに基づいて、そのノズルNのIDが充分に認識可能であるか否かが確認される。その確認の結果を基に、S136において判定を行い、撮像された2Dコード38からはIDが充分には読取りできない場合、つまり、2Dコード38の読取りが困難である場合には、S137において、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。そして、S138の処理によって、パレットNPに載置されたすべてのノズルNについての識別子読取検査が完了するまで、S135以降の処理が繰り返される。
上記一連の処理の結果、2Dコード38の読取が充分にできる場合、つまり、識別子読取に関してノズルNが正常である場合には、図19に示す収容ノズル情報におけるそのノズルNの〔識別子読取〕の列に“○”が、識別子読取に関して不良ノズルであると判断された場合には、その列に“×”が、それぞれ付される。第2検査装置108の当該検査に関する機能が不充分と認定されて各ノズルNについての識別子読取検査が行われなかった場合には、その事実を収容ノズル情報に反映させるべく、当該パレットPに載置されているすべてのノズルNの〔識別子読取〕の列が空白とされる。なお、ノズルNの収容移載において2Dコード38の読取りできずに、〔ノズルID〕の列に“?”が付され、〔ノズル型式〕の列に“(・・・・)”が付されているノズルNのIDが、識別子読取検査によって充分に認識可能であると判断された場合には、その検査において読み取られたIDが、〔ノズルID〕の列に書き込まれ、そのIDに基づいて特定されるノズル型式が、〔ノズル型式〕の列に書き込まれる。
識別子読取検査の後、通過流量検査が、パレットNPに載置されているノズルNの1個1個について、順次、行われるのであるが、当該プログラムに従う処理では、各ノズルNの通過流量検査に先立って、S139において、パレットNPに固定されている上述の基準パイプ160に、エア送給装置274によって圧縮空気を供給し、その状態において、空気圧センサ280による空気圧の測定が行われる。次いで、S140において、測定された空気圧に基づいて、ノズルNの通過流量検査の際に参照される上記閾圧が設定される。
閾圧の設定の後、まず、S141において、1つのノズルNに対する通過流量検査が実行される。詳しく説明すれば、検査を行うノズルNにエア送給装置274によって圧縮空気を供給し、その状態において、空気圧センサ280による空気圧の測定が行われる。そして、その測定された空気圧が上記設定された閾値より高い場合に、そのノズルNの空気の通過流量が不充分であると認定される。その認定の結果を基に、S142において判定を行い、通過流量が不充分である場合に、S143において、そのノズルNが不良ノズルであると判断される。そして、S144の処理によって、パレットNPに載置されたすべてのノズルNについての通過流量検査が完了するまで、S141以降の処理が繰り返される。
上記一連の処理の結果、ノズルNの通過流量が正常であると判断された場合には、図19に示す収容ノズル情報におけるそのノズルNの〔通過流量〕の列に“○”が、通過流量に関して不良ノズルであると判断された場合には、その列に“×”が、それぞれ付される。パレットNPに載置されているすべてのノズルNの通過流量検査が終了した後、S145において、そのパレットNPが、第3移送装置118によって、収容装置100に返送される。
[K]制御装置の機能構成
先に述べたように、実施例の管理機80の制御は、制御装置であるコントローラ84が司っている。詳しく言えば、図29に示すように、ノズル収容装置100〜トレイ移送装置122の各々の動作は、それらとの間で信号,情報をやり取りしつつ、コントローラ84によって制御される。そして、コントローラ84の制御の下、管理機80は、上述した各種のオペレーションを行う。そのオペレーションに鑑みれば、コントローラ84は、図29に示すような複数の機能部、つまり、各種のプログラムの実行によって実現される複数の機能部を有していると考えることができる。
複数の機能部の各々について詳しく説明すれば、コントローラ84は、それぞれがノズルNに関係する管理情報である上述の収容ノズル情報,ノズルセッティング情報,収容トレイ情報を記憶する機能部として、ノズル情報記憶部400を有している。具体的には、コントローラ84の主要構成要素であるコンピュータが有するハードディスク等の記憶媒体が、そのノズル情報記憶部400の役割を担っている。そして、管理機80は、その記憶されている管理情報に基づいて、上述のオペレーションを行う。
また、コントローラ84は、上述の各オペレーションを制御する機能部として6つの機能部を有している。具体的には、ノズル収容オペレーションの制御を行うノズル収容制御部402,ノズルセッティングオペレーションの制御を行うノズルセッティング制御部404,ノズル再セッティングオペレーションの制御を行うノズル再セッティング制御部406,ノズル洗浄オペレーションの制御を行うノズル洗浄制御部408,第1ノズル検査オペレーションの制御を行う第1ノズル検査制御部410,第2ノズル検査オペレーションの制御を行う第2ノズル検査制御部412を、それぞれ有している。そして、それら制御部402〜412は、それぞれ、上述のノズル収容プログラム,ノズルセッティングプログラム,ノズル再セッティングプログラム,ノズル洗浄プログラム,第1ノズル検査プログラム,第2ノズル検査プログラムの実行によって実現される機能部である。
さらに、ノズル収容制御部402,ノズルセッティング制御部404,ノズル再セッティング制御部406に関して、詳しく説明すれば、それら制御部404,406,408の各々は、パレットNPに載置されている不良ノズルの処置、つまり、不良ノズルを、それが不良と判断された検査項目に応じて、不良ボックス224において仕切られた対応する空間226に留置するために、その不良ノズルを運搬する処置を制御する機能部として、不良ノズル運搬制御部414を有している。この不良ノズル運搬制御部414は、S8〜S10,S33〜S35,S58〜S60,S75〜S77のいずれかの実行によって実現される機能部である。また、ノズルセッティング制御部404,ノズル再セッティング制御部406の各々は、トレイNTに不具合が生じていると判断された場合に、トレイ移送装置122を制御することによって、そのトレイNTを、トレイ収容装置102に収容されているトレイNTと交換させる機能部として、トレイ交換制御部416を有している。このトレイ交換制御部416は、S27〜S30およびそれに続くS25〜S26,,S67〜S72のいずれかの実行によって実現される機能部である。
さらに、第1ノズル検査制御部410,第2ノズル検査制御部412に関して、詳しく説明すれば、それら制御部410,412は、ノズル検査装置106,108によるノズルNの検査結果が不良となり、かつ、基準対象である基準ノズル158若しくは基準パイプ160の検査結果が良好であることを条件として、そのノズルNを不良ノズルと判断する機能部として、基準対象参照不良ノズル判断部418を有している。この基準対象参照不良ノズル判断部418は、S114〜S117,S134〜S138のいずれかの実行によって実現される機能部である。また、それら制御部410,412の各々は、ノズルNの検査に先立って、基準対象である基準ノズル158若しくは基準パイプ160を利用して、ノズル検査装置106,108による検査の基準の設定、若しくは、ノズル検査装置106,108の校正を、準備処理として行う機能部として、基準対象依拠検査準備処理部420を有している。この基準対象依拠検査準備処理部420は、S120およびS121,S139およびS140のいずれかの実行によって実現される機能部である。